JP2002048178A - 衝撃吸収材 - Google Patents

衝撃吸収材

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JP2002048178A
JP2002048178A JP2000235891A JP2000235891A JP2002048178A JP 2002048178 A JP2002048178 A JP 2002048178A JP 2000235891 A JP2000235891 A JP 2000235891A JP 2000235891 A JP2000235891 A JP 2000235891A JP 2002048178 A JP2002048178 A JP 2002048178A
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shock absorbing
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Hiroshi Kaneda
博 金田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃吸収性能が著しく良好で自動車の衝突時
などに車室内の乗員の頭部に加えられる衝撃エネルギー
を吸収し、頭部傷害値を低減するのに好適な車両用衝撃
吸収材を提供する。 【解決手段】 硬質ポリウレタンフォームよりなる板状
の衝撃吸収材1であって、少なくとも一方の板面に、一
方向に並列して凹部3が配置されている衝撃吸収材1。
この衝撃吸収材1の厚み方向の断面における該凹部3の
形状は三角形状など、奥底ほど小さくなる形状である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衝撃吸収材に係り、
特に、自動車の衝突時などに車室内の乗員の頭部に加え
られる衝撃エネルギーを吸収し、頭部傷害値を低減する
のに好適な車両用衝撃吸収材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用衝撃吸収材としては、次の
ようなものが提案されている。 ピラーガーニッシュを樹脂製の中空形状とし、この
中空部に衝撃吸収用の硬質ポリウレタンフォームを設け
たもの(実開平6−42437号公報) 発泡材又はゴム材からなるパッド材(特開平8−2
358号公報の従来技術) 凹部が形成された板金製の形状保持部材で硬質ポリ
ウレタンフォーム製のクッション体を被覆したもの(特
開平8−72642号公報) ガーニッシュ(トリム)を用いて、衝撃吸収材を取
り付けるもの(特開平6−211088号公報) ビーズ状成形樹脂よりなる衝撃吸収材であって、後
述の図9に示す如く、一方の面に多数のリブが立設され
たもの(特開平7−16867号公報) ポリオレフィン系樹脂材料よりなる衝撃吸収材であ
って、格子状のリブが立設されたもの(特開平8−14
2234号公報、特開平8−295194号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の衝撃吸収材
は、それぞれ次のような欠点があった。
【0004】実開平6−42437号公報に記載される
ものは、硬質ポリウレタンフォームを頭部衝撃保護材と
するものではあるが、中空形状の樹脂部品(ガーニッシ
ュ)との複合構造となっているため、硬質ポリウレタン
フォームの圧縮応力は0.2〜2kg/cmと低いも
のである必要があり、硬質ポリウレタンフォームの特性
を生かして最適な構造をとるものではない。また、その
凹凸形状も軽量化・強度保持を目的としたもので、これ
により衝撃吸収性能の向上を実現しようというものでは
なく、衝撃吸収性能向上は図れない。
【0005】特開平8−2358号公報には、従来技術
として発泡材又はゴム材からなるパッドの衝撃吸収材の
例があるが、この例ではパッドが弾性変形するとされて
おり、硬質ポリウレタンフォームを示すものではない。
また、凹形状も車体に当たる部分の厚さが極端に薄いた
め、十分な衝撃吸収性能を得るためにはパッドの厚さを
厚くする必要があり、車両においては車室空間が狭くな
り、居住性、乗降性が悪く、視界も不良となるという問
題がある。
【0006】特開平8−72642号公報に記載される
ものは、全体の構造としては凹形の衝撃吸収構造である
が、クッション材として使われている軟質又は硬質のポ
リウレタンフォーム自体に凹凸の形状をつけて性能の向
上を図っているものではなく、取り付け部分で凹型形状
となっているだけである。また、全体の剛性が高くなり
すぎたり低すぎたりすると十分な衝撃吸収性能が得られ
ないことが述べられているが、具体的な数値や範囲につ
いての規定はされておらず、良好な衝撃吸収性能を確実
に得ることができるとは言い難い。
【0007】特開平6−211088号公報に記載され
るものは、ガーニッシュごとクリップで車体に止める構
造とされているため衝撃吸収材を取り付けるにはガーニ
ッシュが必要となる。このため、頭部保護材として利用
する上では適用部位が限定され、例えばサイドレール等
には適さない構造となっている。衝撃吸収材についても
凹凸がついた形状ではなく、また衝撃吸収のために必要
な厚さを有するものとされているが、明確な厚さ及び硬
さの記載はなく、やはり良好な衝撃吸収性能を確実に得
ることができるとは言い難い。
【0008】特開平7−16867号公報に記載される
ものは、ビーズ成形樹脂よりなるものであるが、特に頭
部ダミーのような球体によって面当て部分に局所的に力
が加わった場合、リブとリブの間の梁の部分に力が集中
する形となるため十分な衝撃吸収性能が得られない。こ
のような形状のものを硬質ポリウレタンフォーム製とし
た場合には、梁の部分が折れる形となるため、エネルギ
ー吸収に有効なストロークが得られない結果となる。
【0009】特開平8−142234号公報及び特開平
8−295194号公報に記載されるものは、格子状の
リブの厚さが0.6〜1.2mmと薄いものであり、ま
た、ポリオレフィン樹脂製のリブでは基本的にリブの屈
曲でエネルギー吸収を行うため、その性能の衝撃方向に
よる依存性が高いという欠点がある。
【0010】このように、従来の衝撃吸収材はいずれも
衝撃吸収材の形状を積極的に工夫して最適な衝撃吸収性
能を得ようとするものではなく、この結果、衝撃吸収材
自体に高い衝撃吸収性能を付与することはできなかっ
た。
【0011】一方で、自動車のピラー及びサイドレール
などの部分ではその厚さ方向の寸法が車内の居住性や快
適性或いは安全面での視界の確保に大きく影響するた
め、これらの因子を阻害することなく、乗員の頭部傷害
値を低減し乗員を保護するためには、薄肉の衝撃吸収材
で十分な衝撃吸収性能を実現できる衝撃吸収材が必要と
される。
【0012】このような問題を解決し、衝撃吸収性能が
著しく良好で自動車の衝突時などに車室内の乗員の頭部
に加えられる衝撃エネルギーを吸収し、頭部傷害値を低
減するのに好適な車両用衝撃吸収材として、本出願人
は、先に、圧縮応力が所定値以上の硬質ポリウレタンフ
ォームよりなる板状の衝撃吸収材であって、少なくとも
一方の板面に凹部が配列されている衝撃吸収材を提案し
た(特開2000−6741公報)。
【0013】この衝撃吸収材では、硬質ポリウレタンフ
ォーム製の衝撃吸収材の、隣接する凹部同士の間の壁状
部の破壊により衝撃エネルギーを吸収し、破壊された部
分が順次凹部内に回り込むことで安定した衝撃吸収性能
を得る。更に、このように材料が凹部内に回り込むこと
で大きなストロークを得ることができ、これにより乗員
が受ける衝撃値を十分に低減することが可能となる。
【0014】この衝撃吸収材においては、衝撃吸収材の
硬質ポリウレタンフォーム部分の体積と凹部の容積との
合計に対する凹部の容積の割合(以下において、この割
合を「凹部容積率」と称す場合がある。)が10〜40
%であることが好ましいとされている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、特開20
00−6741公報の衝撃吸収材は、衝撃吸収性能が良
好で頭部傷害値の低減に有効であるが、より一層の頭部
傷害値の低減が望まれている。
【0016】従って、本発明は、特開2000−647
1公報の衝撃吸収材を更に改良し、衝撃吸収性能がより
一層良好で、自動車の衝突時などに車室内の乗員の頭部
に加えられる衝撃エネルギーを効果的に吸収し、頭部傷
害値を低減するのに好適な車両用衝撃吸収材を提供する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の衝撃吸収材は、
硬質ポリウレタンフォームよりなる板状の衝撃吸収材で
あって、少なくとも一方の板面に、一方向に並列して凹
部が配置されている衝撃吸収材において、該凹部は奥底
に向って次第に小さくなる形状であることを特徴とする
ものである。
【0018】該凹部は該衝撃吸収材の厚み方向の底部が
尖った形状であることが好ましい。
【0019】即ち、本発明者らは、特開2000−67
41公報に記載の衝撃吸収材の衝撃吸収性能を更に高め
るべく鋭意検討を重ねた結果、衝撃吸収材の厚み方向の
底部が次第に小さくなる形状、例えば、衝撃吸収材の厚
み方向の断面(以下、これを単に「断面」と称す。)に
おける形状が三角形状の凹部を配列した衝撃吸収材が、
四角形等の他の断面形状の凹部を設けた衝撃吸収材に比
べて、同一の凹部容積率であっても、高い衝撃吸収性能
を示し、従って頭部傷害値の低減に有効であることを見
出し、本発明を完成させた。
【0020】なお、以下において、本発明の衝撃吸収材
における厚み方向の底部が尖った形状の凹部を「尖鋭底
凹部」と称す場合がある。また、本発明において、凹部
の断面形状の「三角形状」とは、凹部の奥側に三角形の
頂角が位置するものである。
【0021】本発明において、衝撃吸収材を構成する硬
質ポリウレタンフォームは、凹部同士の間の硬質ポリウ
レタンフォーム部が破壊することによる衝撃エネルギー
の吸収効果、更には破壊された部分が順次凹部内に回り
込むことによる衝撃エネルギーの吸収効果を有効に得る
ために、圧縮応力が3×10−1MPa以上のものであ
ることが好ましい。
【0022】また、本発明において、衝撃吸収材の前記
容積率(衝撃吸収材を構成する硬質ポリウレタンフォー
ム部分の体積と凹部の容積との合計に対する凹部の容積
の割合)は3〜40%であることが好ましい。
【0023】なお、衝撃吸収材が一方向に延在する形状
である場合、凹部は衝撃吸収材の両端部を除く部分に配
置されていることが好ましい。
【0024】このような本発明の衝撃吸収材は、車両用
頭部衝撃保護材として、車体又はヘッドライナー、ガー
ニッシュなどの内装部品に装着されて使用される衝撃吸
収材として好適である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0026】図1〜4は本発明の衝撃吸収材の実施の形
態を示す図であり、各々(a)図は平面図、(b)は
(a)図のB−B線に沿う断面図、(c)図は(a)図
のC−C線に沿う断面図、(d)図は斜視図である。な
お、図1〜4における数値は、後述の実施例における寸
法を示すものであり、何ら本発明の衝撃吸収材の寸法を
制限するものではない。
【0027】図1に示す衝撃吸収材1は、硬質ポリウレ
タンフォームよりなる板状体2の一方の板面に、平面視
形状が六角形状で、長手方向に直交する方向の断面形状
が三角形状の、略船底形状の凹部3が、板状体2の短手
方向に2個隣接して並列されているものであり、前述の
如く、隣接する凹部3,3同士の間の硬質ポリウレタン
フォーム部分4が衝撃を受けて破壊し、破壊された部分
が凹部3内に回り込むことにより、良好な衝撃吸収性能
を得るものである。
【0028】図2に示す衝撃吸収材1Aは、図1に示す
衝撃吸収材1の凹部3と同様の形状で若干深さの浅い凹
部3Aが板状体2Aの両板面において短手方向に2個ず
つ並列されているものであり、この衝撃吸収材1Aであ
っても、隣接する凹部3A,3A同士の間の硬質ポリウ
レタンフォーム部分4Aが衝撃を受けて破壊し、破壊さ
れた部分が凹部3A内に回り込むことにより、良好な衝
撃吸収性能を得ることができる。
【0029】図3に示す衝撃吸収材1Bは、四角錐形状
の凹部3Bが、板状体2Aの短手方向に2列、長手方向
に6列並列されているものであり、この衝撃吸収材1B
であっても、隣接する凹部3B,3B同士の間の硬質ポ
リウレタンフォーム部分4Bが衝撃を受けて破壊し、破
壊された部分が凹部3B内に回り込むことにより、良好
な衝撃吸収性能を得ることができる。
【0030】図4に示す衝撃吸収材1Cは、三角錐形状
の凹部3Cが、板状体2Aの短手方向、長手方向に合計
10個並列されているものであり、この衝撃吸収材1C
であっても、隣接する凹部3C,3C同士の間の硬質ポ
リウレタンフォーム部分4Cが衝撃を受けて破壊し、破
壊された部分が凹部3C内に回り込むことにより、良好
な衝撃吸収性能を得ることができる。
【0031】本発明において、衝撃吸収材を構成する硬
質ポリウレタンフォームは、圧縮応力3×10−1MP
a以上の硬質ポリウレタンフォームであることが好まし
い。この硬質ポリウレタンフォームの圧縮応力が3×1
−1MPa未満では、隣接する凹部同士の間の硬質ポ
リウレタンフォーム部分の強度が不足し、衝撃が加えら
れた際に、初期の段階において、この部分が破壊するこ
とによる十分な衝撃吸収性能を得ることができない。一
般的に硬質ポリウレタンフォームとしては、圧縮応力3
×10−1〜4×10MPa程度のものを用いるのが
好ましい。
【0032】また、前記凹部容積率が40%を超える
と、上記と同様に初期の段階における衝撃吸収性能が不
足し、3%未満では、凹部の割合が少な過ぎて、隣接す
る凹部同士の間の硬質ポリウレタンフォーム部分が破壊
された際に、その破壊された部分の逃げ場が不足するこ
ととなり、十分なストロークを得ることができず、衝撃
が加えられたときの中期〜後期にかけての衝撃吸収性能
が損なわれる。このため、凹部容積率は3〜40%、特
に5〜35%とするのが好ましい。
【0033】なお、図1〜4に示す如く一方向に延在す
る長板状の衝撃吸収材の場合、凹部はその長手方向の両
端部を除く部分に配置されていることが好ましく、この
凹部形成領域は、衝撃吸収材の長手方向の中央部のうち
の全長の5/10〜9/10程度の長さ領域における部
分であることが好ましく、この凹部形成領域のみの凹部
容積率は7〜45%であることが好ましい。
【0034】また、凹部は図1〜4に示す如く、間隔を
あけずに設けるものに限らず、図5に示す如く、隣接す
る凹部3D,3D間に硬質ポリウレタンフォームの表出
面4Dが形成されるように間隔をあけて設けてもよい。
ただし、この間隔Wが過度に大きいと、凹部容積率が少
なくなり、衝撃吸収性能が損なわれるため、この間隔は
15mm以下、特に10mm以下とし、好ましくは、隣
接する凹部は板状体の板面において、互いに接するよう
に設けるのが好ましい。
【0035】凹部の配列ピッチ(凹部の平面視形状にお
ける隣接する凹部の中心軸間距離)が80mmを超える
と、凹部を形成した衝撃吸収材の板面の部位によって衝
撃吸収性能が変化する場合があるため、凹部の配列ピッ
チは80mm以下とするのが好ましい。ただし、この配
列ピッチが過度に小さいと、凹部容積率を満足すること
が難しいことから、この配列ピッチは5mm以上とする
のが好ましい。
【0036】1個当たりの凹部の寸法には特に制限はな
く、上記配列ピッチと前記凹部容積率が達成されるよう
に、その形状に応じて適宜決定すれば良い。
【0037】凹部の深さは上述のような凹部容積率が得
られるような範囲内において、その配列ピッチや隣接す
る凹部同士の間の硬質ポリウレタンフォーム部分の幅等
に応じて適宜決定されるが、一般的には、凹部の深さ
(凹部を板状体の両面に設けた場合には、両面の凹部の
深さの合計)は衝撃吸収材の全厚さに対して1/3〜3
/4程度とするのが好ましい。
【0038】本発明において、凹部の平面視形状には特
に制限はなく、図1,2に示す六角形状、図3に示す正
方形状、図4に示す三角形状の他、平行四辺形の凹部
や、台形等の異形状の四角形、更には、円形、楕円形、
その他ひょうたん形などどのような形状でも良く、いず
れの場合であっても断面形状が三角形状等の尖鋭底凹部
であれば良い。また、平面視形状が異なる凹部を適宜組
み合せたものであっても良い。
【0039】また、凹部はすべて同一寸法のものを配列
する場合に限らず、図6に示す如く、板状体2Eに深さ
の異なる凹部3Eと3E’とを交互に配列した衝撃吸収
材1Eであっても良い。更に、図7に示す如く、断面形
状が三角形状の凹部3Fと、断面形状が三角形状でない
(図7では長方形)凹部3F’とを組み合わせて板状体
2Fに設けた衝撃吸収材1Fであっても良い。
【0040】また、本発明に係る衝撃吸収材の凹部は、
断面形状が三角形状のものに限らず、図8に示す如く、
略台形状の凹部3Gや、その他断面において曲線部を有
する略三角形又は台形状の凹部3H,3I,3J,3K
等であっても良い。いずれの凹部であっても、奥底ほど
凹部が小さくなっていることが重要である。
【0041】なお、尖鋭底凹部の場合、その厚み方向の
底部の尖鋭部分の角度(例えば、図1のθ)は、衝撃吸
収性能及び凹部設計の面から、15〜135゜程度が好
ましい。
【0042】更に、凹部の配列についても2列以上であ
っても良く、また、その並び方も直線状に限らず、千鳥
格子状等に配列しても良く、凹部の配列、形状、寸法等
を適宜設計することにより、衝撃吸収材の衝撃吸収性能
の調整や成形性、方向安定性等の改良を図ることができ
る。
【0043】本発明の衝撃吸収材を車体に取り付けるに
は、例えば、図9(a)に示す如く、車体の鉄板11等
に対して、本発明の衝撃吸収材10をビス12等で機械
的に固定すれば良い。或いは、図10に示す如く、本発
明の衝撃吸収材10を車体内装品(例えば天井部分のシ
ート等)13に対して接着剤14又は粘着テープで貼り
付けることもできる。また、サイドレール等に取り付け
る場合、打撃等の特性を安定させるために、図9(b)
に示す如く、表面を鉄板又は樹脂板等の表面材15で押
えても良い。或いは、この表面材15を衝撃吸収材10
と接着、又は粘着させるなどして取り付けても良い。こ
のようにして表面材15を取り付けることによって、衝
撃吸収材10の車体への取り付けを安易に行うことがで
きると共に、取付強度の向上を図ることができる。
【0044】なお、このようにして、衝撃吸収材を車体
に取り付ける場合、衝撃吸収材の凹部は、車体の室内側
に配置されても室外側に配置されても良く、その取付安
定性や衝撃吸収性能の安定性等に応じて適宜配置の方向
を決定すれば良い。
【0045】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0046】なお、以下の実施例及び比較例において、
頭部保護材としての衝撃吸収性能は、ダミーを用いた動
的評価試験でそのダミーが受ける衝撃を加速度で測定
し、その加速度から計算される頭部傷害値(HIC
(d))の大きさで評価した。一般にHIC(d)が1
000以下であれば衝撃吸収性能に優れるとされてお
り、自動車メーカーでは確実性を高めるために800以
下となるように開発が行われている。
【0047】また、以下の実施例及び比較例において
は、いずれも圧縮応力1.5MPaの硬質ポリウレタン
フォームよりなる、外寸210mm×80mm×30m
m(厚さ)の板状体に所定形状の凹部を形成して衝撃吸
収材を製造した(ただし、比較例1では凹部形成せ
ず。)。この衝撃吸収材の硬質ポリウレタンフォーム部
分の体積と凹部の容積との合計は、80mm(幅)×2
100mm(長さ)×30mm(厚さ)=504000
mm(=504cm)であり、容積率は、凹部の容
積(以下、単に「凹部容積」と称す。)を504cm
で除した値の百分率で求められる。
【0048】実施例1〜3 図1に示す衝撃吸収材を製造した。この衝撃吸収材は、
硬質ポリウレタンフォーム製板状体に、図1に示す寸法
で、深さdが表1に示す値の凹部を2個幅方向に並列し
たものであり、凹部容積及び凹部容積率は表1に示す通
りである。
【0049】この衝撃吸収性能について、頭部傷害値を
測定し、結果を表1に示した。また、凹部容積率と頭部
傷害値との関係を図12に示した。
【0050】実施例4 図2に示す衝撃吸収材を製造した。この衝撃吸収材は、
硬質ポリウレタンフォーム製板状体の両板面に、図2に
示す寸法の凹部をそれぞれ2個幅方向に並列したもので
あり、凹部容積及び凹部容積率は表1に示す通りであ
る。
【0051】この衝撃吸収性能について、頭部傷害値を
測定し、結果を表1に示した。また、凹部容積率と頭部
傷害値との関係を図12に示した。
【0052】
【表1】
【0053】実施例5,6 図3に示す衝撃吸収材を製造した。この衝撃吸収材は、
硬質ポリウレタンフォーム製板状体に、図3に示す寸法
で深さdが表2に示す値の凹部を幅方向に2個、長さ方
向に6個並列したものであり、凹部容積及び凹部容積率
は表2に示す通りである。
【0054】この衝撃吸収性能について、頭部傷害値を
測定し、結果を表2に示した。また、凹部容積率と頭部
傷害値との関係を図12に示した。
【0055】
【表2】
【0056】実施例7 図4に示す衝撃吸収材を製造した。この衝撃吸収材は、
硬質ポリウレタンフォーム製板状体に、図3に示す寸法
の凹部を合計で10個並列したものであり、凹部容積及
び凹部容積率は表3に示す通りである。
【0057】この衝撃吸収性能について、頭部傷害値を
測定し、結果を表3に示した。また、凹部容積率と頭部
傷害値との関係を図12に示した。
【0058】
【表3】
【0059】比較例1 実施例1において、凹部を形成せず、凹部のない硬質ポ
リウレタンフォーム製板状体について、頭部傷害値を測
定し、結果を表4に示した。また、凹部容積率(0%)
と頭部傷害値との関係を図12に示した。
【0060】比較例2〜5 図11に示す衝撃吸収材を製造した。この衝撃吸収材2
0は、硬質ポリウレタンフォーム製板状体21に、図1
1に示す寸法で、深さdが表4に示す値の矩形凹部22
を2個10mmの間隔をあけて幅方向に並列したもので
あり、凹部容積及び凹部容積率は表4に示す通りであ
る。
【0061】この衝撃吸収性能について、頭部傷害値を
測定し、結果を表4に示した。また、凹部容積率と頭部
傷害値との関係を図12に示した。
【0062】
【表4】
【0063】以上の結果から、本発明による尖鋭底凹部
を形成した衝撃吸収材であれば、同一の凹部容積率であ
っても頭部傷害値をより一層低減することができること
がわかる。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の衝撃吸収材
によれば、衝撃吸収性能が著しく良好で自動車の衝突時
などに車室内の乗員の頭部に加えられる衝撃エネルギー
を効果的に吸収し、頭部傷害値を低減するのに極めて好
適な車両用衝撃吸収材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衝撃吸収材の実施の形態を示す図であ
り、(a)図は平面図、(b)図は(a)図のB−B線
に沿う断面図、(c)図は(a)図のC−C線に沿う断
面図、(d)図は斜視図である。
【図2】本発明の衝撃吸収材の他の実施の形態を示す図
であり、(a)図は平面図、(b)図は(a)図のB−
B線に沿う断面図、(c)図は(a)図のC−C線に沿
う断面図、(d)図は斜視図である。
【図3】本発明の衝撃吸収材の別の実施の形態を示す図
であり、(a)図は平面図、(b)図は(a)図のB−
B線に沿う断面図、(c)図は(a)図のC−C線に沿
う断面図、(d)図は斜視図である。
【図4】本発明の衝撃吸収材の異なる実施の形態を示す
図であり、(a)図は平面図、(b)図は(a)図のB
−B線に沿う断面図、(c)図は(a)図のC−C線に
沿う断面図、(d)図は斜視図である。
【図5】本発明の衝撃吸収材の異なる実施の形態を示す
断面図である。
【図6】本発明の衝撃吸収材の異なる実施の形態を示す
断面図である。
【図7】本発明の衝撃吸収材の異なる実施の形態を示す
断面図である。
【図8】本発明の衝撃吸収材の異なる実施の形態を示す
断面図である。
【図9】本発明の衝撃吸収材の取付方法の一例を示す断
面図である。
【図10】本発明の衝撃吸収材の取付方法の他の例を示
す断面図である。
【図11】比較例に係る衝撃吸収材を示す図であり、
(a)図は平面図、(b)図は(a)図のB−B線に沿
う断面図、(c)図は(a)図のC−C線に沿う断面
図、(d)図は斜視図である。
【図12】実施例及び比較例における凹部容積率と頭部
傷害値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F 衝撃吸収材 2,2A,2B,2C,2D,2E,2F 板状体 3,3A,3B,3C,3D,3E,3E’ 凹部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質ポリウレタンフォームよりなる板状
    の衝撃吸収材であって、少なくとも一方の板面に、一方
    向に並列して凹部が配置されている衝撃吸収材におい
    て、該凹部は奥底に向って次第に小さくなる形状である
    ことを特徴とする衝撃吸収材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該凹部は該衝撃吸収
    材の厚み方向の底部が尖った形状であることを特徴とす
    る衝撃吸収材。
  3. 【請求項3】 請求項2において、該衝撃吸収材の厚み
    方向の断面における該凹部の形状が三角形状であること
    を特徴とする衝撃吸収材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該硬質ポリウレタンフォームの圧縮応力が3×10
    −1MPa以上であることを特徴とする衝撃吸収材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、該衝撃吸収材を構成する硬質ポリウレタンフォーム
    部分の体積と凹部の容積との合計に対する凹部の容積の
    割合が3〜40%であることを特徴とする衝撃吸収材。
  6. 【請求項6】 請求項5において、該衝撃吸収材は一方
    向に延在する形状を有し、該凹部が、該衝撃吸収材の長
    手方向の両端部を除く部分に配置されていることを特徴
    とする衝撃吸収材。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
    て、車両用頭部衝撃保護材として、車体又はヘッドライ
    ナー、ガーニッシュなどの内装部品に装着されて使用さ
    れることを特徴とする衝撃吸収材。
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