JP3906340B2 - ヘッドレスト構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のシートバックに装備されたヘッドレスト構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な車両用シートはシートクッションとシートバックから構成されている。シートバックの上部には、乗員の頭部を受けるためのヘッドレストが設けられている。
図4および図5に示したヘッドレスト構造は、シートバック100の上端にヘッドレスト101を一体成形したもので、ヘッドレスト101の内部に、頭部を支えるパッド102と、パッド102の後方を支える硬質発泡プラスチック103が内装されている。ヘッドレスト101の後方側には、硬質発泡プラスチック103を支持するヘッドレストフレーム104が設けられ、前面側を表皮105によって覆われている(特開2000−210161)。
【0003】
このヘッドレスト構造によると、パッド102によって衝撃を吸収し、パッド102が吸収しきれない荷重を硬質発泡プラスチック103の弾性により吸収する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によると、パッド102が吸収しきれない荷重を硬質発泡プラスチック103の弾性により吸収するが、パッド102に加わる荷重が直接、硬質発泡プラスチック103に伝わるため、十分に衝撃を吸収することができない。
【0005】
本発明は上記課題を解決し、効率良く衝撃を吸収することができるヘッドレスト構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、表皮内にパッド材を内装したヘッドレスト構造において、上記表皮内に、硬質パッド材と軟質パッド材を内装し、該硬質パッド材の前面に衝撃吸収用プレートを介して軟質パッド材を配設し、車体前方からの衝撃荷重を前記軟質パッド材で受けるとともに、前記衝撃荷重を前記衝撃吸収用プレートを介して前記硬質パッド材に伝えることで、前記硬質パッド材の局所的な変形を防ぐようにしたことにある。また、本発明は、衝撃吸収用プレートの表面にビードを形成したことにある。さらに、ビードを上記硬質パッド材の上下のほぼ全域に連続して形成したことにある。またさらに、衝撃吸収用プレートの外周にフランジを設けたことにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1および図2は、本発明のヘッドレスト構造を示したものである。
図1および図2において、四輪商用車、主にトラック等座席後方にキャブバックパネルがあるヘッドレスト1は、車体への取付部材を含むヘッドレストレイントパネル2とパッド材3とで構成されている。
【0009】
ヘッドレストレイントパネル2は、パッド材3の保持をするもので、周縁には、ヘッドレスト1の表皮材4を固定するカール部2aが設けられている。このヘッドレストレイントパネル2は、裏面側にステー5が溶接等により取り付けられており、このステー5に設けられた取付穴6を介してキャブバックパネル等にねじ止め等により固定されている。
【0010】
パッド材3は、ヘッドレストレイントパネル2側に配設された第2のパッド材8と、表面側に配設された第1のパッド材7と、第1のパッド材7と第2のパッド材8との間に配設された衝撃吸収用の樹脂プレート9で構成されている。
【0011】
第1のパッド材7は、乗員の頭部が接触する表皮材4のすぐ後方に配設されているため、軟質の柔軟材料で形成されている。一方、第2のパッド材8は、第1のパッド材7の変形を制限するため硬質の発砲ウレタン等で構成されており、前面の角部をRに形成されている。樹脂プレート9は、周囲に設けられたフランジ9aを、第2のパッド材8の表面に被せるようにして取り付けられており、表面側には、上下方向に連続する凸ビード9bが形成されている。
第1のパッド材7と第2のパッド材8は相互間に樹脂プレート9が配設されて、補強された状態で周囲を表皮材4によって覆われている。
【0012】
上記ヘッドレスト構造によると、車体前方から衝撃荷重が加わった場合、表皮材4を通して第1のパッド材7に衝撃が伝わり、効果的に衝撃を吸収する。第1のパッド材7は柔軟材料で形成されているため、自由に変形して衝撃を吸収する。
【0013】
第1のパッド材7の変形は、樹脂プレート9によって制限される。樹脂プレート9に伝達された衝撃エネルギーは、樹脂プレート9を介して第2のパッド材8に伝わり、衝撃反力が効率良く吸収される。
樹脂プレート9には、表面に凸ビード9bが設けられているので、衝撃直後は、ビード形状が保持されることで、エネルギーを吸収する。その後、ビード形状がくずれ、頭部によって第2のパッド材8が押し潰されていく過程で、凸ビード9bの表面側の面に沿った長さL1と裏面側の面に沿った長さL2は、図3に示すように、L1>L2に形成されているので、樹脂プレート9が突っ張ることなく、第2のパッド材8によって衝撃を吸収する。凸ビード9bの裏面側と第2のパッド材8との間には、空間部10が形成されているので、この空間部10によって衝撃を吸収することができる。
樹脂プレート9は、周囲に設けられたフランジ9aを、第2のパッド材8の表面に被せるようにして取り付けられているので、接着剤などを用いる必要がない。
【0014】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることはいうまでもない。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるヘッドレスト構造によれば次のような効果を奏することができる。
請求項1において、表皮内にパッド材を内装したヘッドレスト構造において、上記表皮内に、硬質パッド材と軟質パッド材を内装し、該硬質パッド材の前面に衝撃吸収用プレートを介して軟質パッド材を配設し、車体前方からの衝撃荷重を前記軟質パッド材で受けるとともに、前記衝撃荷重を前記衝撃吸収用プレートを介して前記硬質パッド材に伝えることで、前記硬質パッド材の局所的な変形を防ぐようにしたので、硬質パッド材に対する突起物による変形を衝撃吸収用プレートによって防ぐことができる。また、衝撃がプレートを介して硬質パッド材に伝わるため、衝撃を効率良く吸収することができる。
請求項2において、衝撃吸収用プレートの表面にビードを形成したので、衝撃を一旦、ビードによって受けることができる。そして、ビード形状が崩れながら硬質パッド材を押し潰して衝撃を吸収する。
請求項3において、ビードを上記硬質パッド材の上下のほぼ全域に連続して形成したので、どの高さへの衝撃に対しても対応することができる。
請求項4において、衝撃吸収用プレートの外周にフランジを設けたので、フランジによって硬質パッド材の周囲に組み付けることができることから、接着剤などを用いることなく取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヘッドレスト構造の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のX部分拡大断面図である。
【図4】従来のヘッドレスト構造を示す断面図である。
【図5】図4のヘッドレスト部分を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドレスト
2 ヘッドレストレイントパネル
3 パッド材
4 表皮材
5 ステー
6 取付穴
7 第1のパッド材(軟質パッド材)
8 第2のパッド材(硬質パッド材)
9 樹脂プレート(衝撃吸収用プレート)
9a フランジ
9b 凸ビード
10 空間部
Claims (4)
- 表皮内にパッド材を内装したヘッドレスト構造において、上記表皮内に、硬質パッド材と軟質パッド材を内装し、該硬質パッド材の前面に衝撃吸収用プレートを介して軟質パッド材を配設し、車体前方からの衝撃荷重を前記軟質パッド材で受けるとともに、前記衝撃荷重を前記衝撃吸収用プレートを介して前記硬質パッド材に伝えることで、前記硬質パッド材の局所的な変形を防ぐようにしたことを特徴とするヘッドレスト構造。
- 上記衝撃吸収用プレートの表面にビードを形成したことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト構造。
- 上記ビードを上記硬質パッド材の上下のほぼ全域に連続して形成したことを特徴とする請求項2に記載のヘッドレスト構造。
- 上記衝撃吸収用プレートの外周にフランジを設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のヘッドレスト構造。
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