JP3051060B2 - 車両用内装部品の衝撃吸収構造 - Google Patents

車両用内装部品の衝撃吸収構造

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JP3051060B2
JP3051060B2 JP8193275A JP19327596A JP3051060B2 JP 3051060 B2 JP3051060 B2 JP 3051060B2 JP 8193275 A JP8193275 A JP 8193275A JP 19327596 A JP19327596 A JP 19327596A JP 3051060 B2 JP3051060 B2 JP 3051060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車両用内装部品の衝撃吸収構造
に係り、特に、車両内において、乗員の頭部が衝突する
恐れの高い部位に位置せしめられる内装部品の衝撃吸収
構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車等の車両においては、車
室内の意匠性を高めること等を目的として、ボデーの車
室内側が、各種の内装部品によって覆われている。ま
た、そのような内装部品のうち、例えば、インストルメ
ントパネルやドアトリム等にあっては、特に、ボデーと
の間に、衝撃エネルギーを吸収する合成樹脂製の衝撃吸
収構造体が取り付けられており、それによって、特に、
乗員の腰部や胸部が、それらの内装部品に対して衝突せ
しめられた際に、その衝撃が有利に吸収せしめられて、
乗員の安全が可及的に確保され得るようになっている。
【0003】一方、近年では、乗員の安全性をより高い
レベルで確保するために、乗員の保護対策等に対して、
益々高い基準が定められる傾向にあり、特に、米国等に
おいては、乗員頭部保護規制(FMVSS201)が新
たに基準化され、乗員の頭部の保護対策に対して、更に
一層厳しい規制が布かれている。
【0004】そのため、車両用内装部品のうち、乗員の
頭部が衝突する恐れの高い内装部品、例えば、ルーフパ
ネルを支持するフロントピラー、センターピラー、リヤ
ピラー等の各種のピラーの車室内側を覆うピラーガーニ
ッシュや、該ルーフパネルに沿って位置せしめられ、そ
れら各種のピラーを、その上部側において連結する、所
謂ルーフサイドレールを覆うルーフサイドレールガーニ
ッシュ等の内装部品に対しても、衝撃エネルギーを吸収
し得る機能(構造)を有していることが、要求されてき
ている。
【0005】かかる状況下、本発明者等は、そのような
ピラーガーニッシュやルーフサイドレールガーニッシュ
等における衝撃吸収構造として、インストルメントパネ
ルやドアトリムの裏側に設置される従来の合成樹脂製の
衝撃吸収構造体と同様な構造を適用することを、検討し
た。即ち、それらピラーガーニッシュやルーフサイドレ
ールガーニッシュ等の内装部品本体の内側部を与える基
材上に、薄肉平板状のリブの複数を格子状に組み合わせ
てなる衝撃吸収手段を一体的に立設せしめて、外部から
衝撃を受けた際に、かかるリブが破壊(変形)され、以
て衝撃エネルギーが吸収せしめられ得るように、ピラー
ガーニッシュやルーフサイドレールガーニッシュを構成
し、その衝撃吸収性能について、検討を加えたのであ
る。
【0006】なお、ここにおいて、衝撃吸収構造体の衝
撃吸収性能は、一般に、衝撃時に加わる荷重値と、その
際の衝撃吸収構造体の変位量(変形量乃至は破壊量)と
の関係を示す、所謂荷重変位曲線の形状によって、評価
されている。即ち、図8に示されるように、衝撃初期に
おいて、小さな変位量で、荷重値が急激に上昇する立ち
上がり部分と、それに続いて、変位量の増加に拘わら
ず、荷重値が略一定に推移する平坦部分とからなる衝撃
吸収曲線を有する衝撃吸収構造体が、乗員に対して大き
な衝撃を与えることなく、その衝撃エネルギーを十分に
吸収し得る、優れた衝撃吸収性能が発揮され得るものと
して、評価されるのであり、しかも、それに加えて、か
かる衝撃吸収曲線の平坦部分における変位量の最大値が
大きいもの程、より大きな衝撃エネルギーの吸収量を得
られるものとして、更に一層高い評価が得られるのであ
る。
【0007】従って、本発明者等は、内装部品本体の内
側部を与える基材上に、薄肉平板状のリブの複数を格子
状に組み合わせて一体的に立設せしめてなる、ピラーガ
ーニッシュやルーフサイドレールガーニッシュ等の車両
用内装部品の衝撃吸収性能について検討するに際して、
該内装部品の荷重変位曲線の形状とその平坦部分におけ
る変位量の最大値の大きさとを調べた。その結果、荷重
変位曲線の形状は、前述の如き理想曲線に近い形状を有
しているものの、平坦部分における変位量の最大値の大
きさが今一つ不十分であることが、明らかとなったので
あり、そして、それらの結果から、前述の如き構造を有
する、ピラーガーニッシュやルーフサイドレールガーニ
ッシュ等、乗員の頭部が衝突する恐れの高い車両用内装
部品の衝撃吸収構造が、より大きな衝撃エネルギーの吸
収量を得る上において、未だ改良の余地を有しているこ
とが、判明したのである。
【0008】そこで、本発明者等が、上述の如き検討結
果を踏まえて、車両用内装部品の衝撃吸収構造に対し
て、種々、改良を加えた結果、複数のリブを、前記基材
上において、格子状に組み合わせることなく、互いに平
行して一方向のみに延びるように配置せしめることによ
って、それら複数のリブのそれぞれの有効ストローク
(リブ1個において、衝撃が加えられる前の全体高さに
対する、衝撃により破壊された部分の破壊前の高さの割
合)を有利に高めて、それら複数のリブの変位量を増大
せしめることを可能と為したのである。
【0009】ところが、そのようなピラーガーニッシュ
やルーフサイドレールガーニッシュ等の車両用内装部品
の衝撃吸収構造にあっては、図9の(a)に示される如
く、例えば、ピラーガーニッシュ22がピラー13に取
り付けられる際に、一方向のみに延びる複数のリブ24
が、車体の上下方向(図9中、紙面に垂直な方向)に延
びるように位置せしめられている場合、ピラーガーニッ
シュ本体26に対して、該車体の上下方向から衝撃力が
加えられた際には、その衝撃力の入力角度に拘わらず、
複数のリブ24が効率的に破壊されて、それら複数のリ
ブ14の有効ストロークの向上に伴う変位量の増大効果
が有効に発揮され、それによって、衝撃エネルギーが、
より大きな吸収量をもって十分に吸収され得るものの、
そのような車体の上下方向以外の方向、例えば、車体の
水平方向(図9中、左右方向)において、ピラーガーニ
ッシュ本体26の軸心部に対して45°のなす角が形成
される方向(図9中、矢印ア方向)からピラーガーニッ
シュ本体26に衝撃力が加えられた際には、図9の
(b)に示される如く、複数のリブ24が、その衝撃力
によって破壊される前に、押し倒されてしまい、それに
よって、それら複数のリブ24の効率的な破壊が阻害さ
れ、その結果、車体の上下方向からの衝撃力を吸収せし
める場合に比して、衝撃エネルギーの吸収量が著しく低
下してしまうといった欠点が存していたのである。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、衝撃エネルギーが、より大きな吸収量をも
って、十分に吸収され得、しかも、衝撃が加えられる方
向によって、衝撃吸収量にバラツキが生ずるようなこと
が効果的に防止乃至は抑制され得る車両用内装部品の衝
撃吸収構造を提供することにある。
【0011】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、車両用内装部品本体を、その外側部を与
える表皮材とその内側部を与える合成樹脂製の基材とか
らなる一体的な二層構造をもって構成すると共に、かか
る基材の内側に、一体成形操作によって、該基材の形成
材料と同一の合成樹脂材料からなる衝撃吸収手段を一体
的に立設して、外部からの衝撃を吸収せしめ得るように
した車両用内装部品の衝撃吸収構造において、前記表皮
材を、アイゾット衝撃値が15kgfcm/cm 2 以上の熱可塑
性高分子材料にて形成し、且つ前記基材を、アイゾット
衝撃値が15kgfcm/cm 2 以上の熱可塑性合成樹脂材料に
て形成すると共に、該基材の肉厚を2.0mm以上と為
す一方、前記衝撃吸収手段を、前記基材の一方向に互い
に平行に延びる平板状の第一のリブの複数と、該第一の
リブに対して垂直な方向に延びる互いに平行な平板状の
第二のリブの複数とを、それぞれ格子状に組み合わせて
構成すると共に、該第一のリブを該第二のリブよりも薄
い肉厚をもって構成し、更に該第二のリブの肉厚を1.
6mm以下としたことを、その特徴とするものである。
【0012】すなわち、本発明に従う車両用内装部品の
衝撃吸収構造にあっては、内装部品本体の内側部を与え
る基材上において、該基材の一方向に互いに平行して延
びるように立設せしめられた複数の第一のリブが、それ
らに対して垂直な方向に延びる状態で立設せしめられた
複数の第二のリブよりも、薄い肉厚をもって構成されて
いることから、第一のリブの衝撃に対する強度が、第二
のリブのそれに比して有利に低く抑えられ得て、内装部
品本体に衝撃力が加えられた際に、衝撃エネルギーの大
部分乃至は全部が、第二のリブの破壊によって有利に吸
収せしめられる一方、第一のリブの破壊によっては、そ
のような衝撃エネルギーが殆ど吸収されないようになっ
ており、それによって、実質的に、複数の第二のリブの
みが、衝撃吸収手段として機能せしめられ得るようにな
っているのである。
【0013】それ故、かかる車両用内装部品の衝撃吸収
構造においては、基板上に複数の第二のリブのみが設け
られるような場合と同様に、該複数の第二のリブの有効
ストロークが有利に高められ得、以てそれらの変位量が
効果的に増大せしめられ得ているのであり、また、第二
のリブが延び出す方向から衝撃力が加えられた際に、そ
の衝撃力の入力角度に拘わらず、複数の第二のリブが効
率的に破壊されて、優れた衝撃吸収性能が有効に発揮さ
れ得ると共に、第二のリブが延び出す方向に垂直な方向
から加えられる衝撃に対しても、該第二のリブに対して
垂直な方向に延びる複数の第一のリブの存在によって、
複数の第二のリブが押し倒されるようなことが有利に防
止され得て、かかる複数の第二のリブの破壊による優れ
た衝撃吸収性能が有効に発揮され得るのである。
【0014】従って、本発明に係る車両用内装部品の衝
撃吸収構造にあっては、衝撃吸収手段として機能する第
二のリブの変位量が増大せしめられていることによっ
て、内装部品本体に加えられる衝撃力の衝撃エネルギー
が、より大きな吸収量をもって、更に十分に吸収され得
るのであり、しかも、第二のリブが延び出す方向から加
えられる衝撃に対しても、またかかる方向に垂直な方向
から加えられる衝撃に対しても、何れも、第二のリブの
破壊による優れた衝撃吸収性能が有効に発揮され得るこ
とから、衝撃が加えられる方向によって、衝撃吸収量に
バラツキが生ずるようなことが、極めて効果的に防止乃
至は抑制され得るのである。
【0015】なお、本発明者等が、本発明の完成に至る
までの過程において、実際の車両の衝突時等における、
ピラーガーニッシュやルーフサイドレールガーニッシュ
等の車両用内装部品に対する乗員の頭部の衝突方向を詳
細に観察した結果、フロントピラーやセンターピラー、
リヤピラー等にそって、車体の上下方向に延びるように
取り付けられるピラーガーニッシュに対しては、乗員の
頭部が、車体の水平方向のあらゆる角度から衝突するも
のの、該車体の上下方向からは殆ど衝突することはな
く、また、ルーフパネルにそって、車体の前後方向に延
びるように取り付けられるルーフサイドレールガーニッ
シュに対しては、車両の横転時等において、乗員の頭部
が、主に、車体の上下方向の様々な角度から衝突し、該
車体の水平方向から衝突することが殆どないことが、明
らかとなった。
【0016】そこで、そのような知見から考察すると、
本発明に係る車両用内装部品の衝撃吸収構造を各種の内
装部品に適用する場合、有利には、以下に示す如き構成
が、それぞれ、別々に或いは種々組み合わされて、採用
されることとなる。
【0017】すなわち、本発明に従う車両用内装部品の
衝撃吸収構造の好ましい第一の態様として、車両用内装
部品が車両の上下方向に配設されるピラーガーニッシュ
にて構成される場合、前記第一のリブが、該ピラーガー
ニッシュ本体たる前記車両用内装部品本体が取り付けら
れる車体の上下方向に相当する前記基材の縦方向に延び
る縦リブにて構成される一方、前記第二のリブが、該基
材の縦方向に垂直な横方向に延びる横リブにて構成され
る。
【0018】このような構成が採用される場合にあって
は、衝撃吸収手段としての機能が、実質的に、車体の上
下方向に垂直な方向に延びる複数の横リブのみにて発揮
せしめられ得ることになるところから、それら複数の横
リブの有効ストローク、更にはそれらの変位量が効果的
に増大せしめられ得ると共に、ピラーガーニッシュに対
する衝撃の殆どを占める、車体の水平方向の様々な角度
から加えられる衝撃力の衝撃エネルギーが、複数の横リ
ブの破壊によって、極めて効果的に吸収され得、また、
車体の上下方向の衝撃が加えられても、その衝撃方向と
同一方向に延びる複数の縦リブの存在によって、前記複
数の横リブが押し倒されてしまうことなく、それら複数
の横リブの効率的な破壊が惹起せしめられ得るのであ
り、それらの結果として、ピラーガーニッシュに加えら
れる衝撃力の衝撃エネルギーが、その入力方向に拘わら
ず、大きな吸収量をもって、より十分に吸収され得て、
乗員の保護、特に乗員の頭部に対する保護対策が、更に
一層有利に充実せしめられ得ることとなるのである。
【0019】また、本発明の望ましい第二の態様とし
て、車両用内装部品が車体の前後方向に延びるルーフサ
イドレールガーニッシュにて構成される場合、前記第一
のリブが、該ルーフサイドレールガーニッシュ本体たる
前記車両用内装部品本体が取り付けられる車体の前後方
向に相当する前記基材の横方向に延びる横リブにて構成
される一方、前記第二のリブが、該基材の横方向に垂直
な縦方向に延びる縦リブにて構成されることとなる。
【0020】このような構成が採用される場合において
は、衝撃吸収手段としての機能が、実質的に、車体の上
下方向に延びる複数の縦リブのみにて発揮せしめられ得
ることになるところから、それら複数の縦リブが、その
有効ストローク、ひいては変位量が有利に増大せしめら
れ得ると共に、ルーフサイドレールガーニッシュに加え
られる衝撃の大部分たる、車体の上下方向の様々な角度
から加えられる衝撃に対して、複数の縦リブの破壊によ
る、極めて優れた衝撃吸収性能が発揮され得、また、車
体の水平方向の衝撃が加えられた際にも、その衝撃方向
と同一方向に延びる複数の横リブの存在によって、前記
複数の縦リブの破壊による優れた衝撃吸収性能が有利に
発揮され得るのであり、それらの結果として、ルーフサ
イドレールガーニッシュに加えられる衝撃力の衝撃エネ
ルギーが、その入力方向に拘わらず、大きな吸収量をも
って、より十分に吸収され得て、特に乗員の頭部に対す
る保護が、更に一段と有利に達成せしめられ得ることと
なるのである。
【0021】さらに、本発明の有利な第三の態様によれ
ば、前記第一のリブが、前記第二のリブよりも0.2m
m以上薄い肉厚をもって構成されるのであり、それによ
って、第一のリブの衝撃に対する強度が、第二のリブの
それよりも確実に小さくされ得て、第二のリブの破壊の
みによって、衝撃エネルギーが効果的に吸収せしめられ
得ることとなり、その結果として、第二のリブの有効ス
トロークがより十分に高められ得て、衝撃エネルギーの
吸収量が、更に一層確実に大きく為され得るのである。
【0022】 また、本発明の好ましい第の態様によ
れば、前記第一のリブと前記第二のリブとにて形成され
る格子の一マス内の面積が、300mm2 以上とされる
こととなり、それによって、ピラーガーニッシュ全体の
高さを低く抑えつつ、大きな衝撃エネルギーの吸収量
が、効果的に確保され得るのである。
【0023】 さらに、本発明によれば、前記基材の肉
厚が、2.0mm以上とされ、且つ前記第二のリブの肉
厚が、1.6mm以下とされることとなり、それによっ
て、前記基材の裏面に対する複数のリブの一体成形時
に、ヒケ等の成形不良が惹起せしめられるようなこと
が、効果的に防止され得るのである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係る車両用内装部品の衝撃吸
収構造の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明
することとする。
【0025】先ず、図1乃至図3には、本発明に従う衝
撃吸収構造を有するピラーガーニッシュの一例が、概略
的に示されている。それらの図からも明らかなように、
ピラーガーニッシュ10は、所定の合成樹脂材料から成
っており、ピラーガーニッシュ本体12と、該本体12
に一体的に立設せしめられた複数のリブ14とを含ん
で、構成されている。
【0026】より具体的には、このピラーガーニッシュ
10を構成するピラーガーニッシュ本体12は、全体と
して、車両の上下方向に配設されるピラー13の長手方
向(図2中、紙面に垂直な方向)に沿って延びる、長手
の筐形形状を呈しており、該ピラー13の車室内側の面
の全面を覆い得る大きさを有している。また、かかる本
体12にあっては、筐形形状の外側に位置して、該本体
12の外側部(意匠側部)を与える表皮材16と、その
内側に位置して、該本体12の内側部を与える、板状の
基材たる基板18とからなる二層構造をもって、構成さ
れている。
【0027】 なお、かかる本体12の外側部を与える
表皮材16の構成材料は、特に限定されるものではな
く、従来と同様なものが適宜に用いられ得るものであ
り、一般には、オレフィン系エラストマ等、アイゾット
衝撃値(JIS−K−7110に準拠して実施されるア
イゾット衝撃試験において得られる値)が15kgfcm/cm
2 以上の熱可塑性高分子材料が、好適に用いられる。そ
れによって、本体12の外側部の意匠性と触感が、有利
に高められ得ると共に、後述する如く、該本体12に対
する衝撃によって前記基板18が破壊せしめられた際
に、該基板18の破片等が車室内に飛散乃至は露出する
ことが防止され得て、乗員が、それらの破片等から可及
的に保護され得ることとなるのである。
【0028】 また、本体12の内側部を与える基板1
8の構成材料も、従来と同様なものが用いられるが、有
利には、所定のゴム材料等が配合されて、補強されたP
PやABS等、アイゾット衝撃値(JIS−K−711
0に準拠して実施されるアイゾット衝撃試験において得
られる値)が15kgfcm/cm2 以上の熱可塑性樹脂材料
が、好適に用いられる。このような樹脂材料を用いて、
基板18、更には、後述する如く、該基板18上に一体
的に立設される複数のリブ14が形成されることによ
り、ピラーガーニッシュ本体12に対して衝撃力が加え
られた際に、前述した図に示される如き理想曲線に近
い荷重変位曲線が描かれて、優れた衝撃吸収性能が発揮
され得るのである。
【0029】そして、そのような構成材料からなる表皮
材16と基板18とが、例えば、二色射出成形や圧縮成
形等、従来の複層成形品の成形方法を利用して一体成形
されていることによって、本体12が、それら表皮材1
6と基板18とからなる一体構造をもって、構成されて
いるのである。なお、図1中、20は、かかるピラーガ
ーニッシュ本体12をピラー13に取り付けるための取
付部である。
【0030】一方、図2乃至図4からも明らかなよう
に、前記複数のリブ14は、本体12の長手方向たる、
基板18の縦方向(図2中、紙面に垂直な方向、及び図
4中、上下方向)に連続して延びる、第一のリブとして
の縦リブ14aの複数と、該本体12の幅方向たる、基
板18の横方向(図2及び図4中、何れも左右方向)に
連続的に延びる、第二のリブとしての横リブ14bの複
数とから成っている。また、それら複数の縦リブ14a
と複数の横リブ14bは、何れも、平板形形状を呈して
いる。そして、前記本体12における基板18の、表皮
材16側とは反対側の面上において、各縦リブ14a
が、基板18の横方向に互いに所定の間隔をおいて突出
位置せしめられており、また、各横リブ14bが、該縦
リブ14aの個々のものに直交する状態で、基板18の
縦方向に互いに所定の間隔をおいて突出位置せしめられ
ている。これによって、複数の縦リブ14aと複数の横
リブ14bとが、本体12が取り付けられるピラー13
の長手方向と幅方向、換言すれば、車体の上下方向と水
平方向とに延びるように、それぞれ配置せしめられ、更
にはそれらが互いに格子状に組み合わされた状態で、本
体12の内側部を与える基板18上に一体的に立設せし
められているのである。
【0031】また、それら複数の縦リブ14a及び横リ
ブ14bにおいては、本体12の幅方向中央部分に位置
せしめられた、三つの縦リブ14aと各横リブ14bの
中央部分が、該本体12の幅方向両端部分に位置せしめ
られた、二つの縦リブ14aと各横リブ14bの両端部
分よりも、低い突出高さをもって構成されており、以
て、それら縦リブ14aと横リブ14bの各先端面形状
が、ピラー13の車室内側の形状に対応せしめられ得る
ようになっている。
【0032】そして、ここでは、特に、そのような構成
とされた縦リブ14aと横リブ14bとが、互いに異な
る肉厚をもって構成されている。即ち、縦リブ14aの
肉厚が、横リブ14bのそれよりも薄くされている。そ
れによって、縦リブ14aが、横リブ14bよりも肉厚
が薄い分だけ、衝撃に対する強度が低く抑えられ得るよ
うになっているのである。
【0033】かくして、本具体例に係るピラーガーニッ
シュ10にあっては、ピラーガーニッシュ本体12と互
いに衝撃強度の異なる複数の縦リブ14a及び横リブ1
4bとからなる一体成形品として、構成されているので
ある。
【0034】このように、かかるピラーガーニッシュ1
0においては、縦リブ14aの衝撃強度が、横リブ14
bのそれよりも小さくなるように構成されていることか
ら、ピラーガーニッシュ本体12に加えられる衝撃力の
衝撃エネルギーが、実質的に、複数の横リブ14bの破
壊のみによって、極めて有利に吸収せしめられ得るよう
になっているのであり、その結果として、各横リブ14
bの有効ストロークが効果的に高められ得、以てその変
位量も、極めて有利に増大せしめられ得ているのであ
る。
【0035】しかも、かかるピラーガーニッシュ10に
あっては、そのような横リブ14bの複数が、ピラーガ
ーニッシュ本体12の車体の取付け時に、該車体の水平
方向に延びる状態で、それぞれ位置せしめられるように
なっていることから、ピラーガーニッシュ本体12に対
して、車体の水平方向の様々な角度から衝撃力が加えら
れても、その衝撃エネルギーが、変位量の大きな複数の
横リブ14bの破壊によって有利に吸収せしめられ得る
のであり、また、車体の上下方向から衝撃が加えられた
際にも、車体の上下方向に延びるように位置せしめられ
た複数の縦リブ14aの存在によって、各横リブ14b
が押し倒されるようなことがなく、横リブ14bの破壊
による優れた衝撃吸収性能が有効に発揮され得るのであ
る。
【0036】従って、本具体例に係るピラーガーニッシ
ュ10においては、本体12に加えられる衝撃力の衝撃
エネルギーが、より大きな吸収量をもって、更に一層十
分に吸収され得るのであり、また、衝撃が加えられる方
向によって、衝撃吸収量にバラツキが生ずるようなこと
が、極めて効果的に防止され得るのである。
【0037】次に、図5乃至図7には、本発明の別の具
体例として、本発明に従う衝撃吸収構造を有するルーフ
サイドレールガーニッシュ30が概略的に示されてい
る。それらの図からも明らかなように、ルーフサイドレ
ールガーニッシュ30は、前記ピラーガーニッシュ10
と同様に、所定の合成樹脂材料から成っており、ルーフ
サイドレールガーニッシュ本体32と、該本体32に一
体的に立設せしめられた複数のリブ34とを含んで、構
成されている。
【0038】より詳しくは、このルーフサイドレールガ
ーニッシュ30を構成するルーフサイドレールガーニッ
シュ本体32は、全体として、車両の前後方向に配設さ
れるルーフサイドレール33の長手方向(図6中、紙面
に垂直な方向)に沿って延びる、長手の筐形形状を呈し
ており、該ルーフサイドレール33の車室内側の面の全
面を覆い得る大きさを有している。また、かかる本体3
2にあっては、幅方向一方側において、その両端部に、
湾曲面状に切り欠かれてなるフロントピラーガーニッシ
ュ結合部42とリヤピラーガーニッシュ結合部44とが
形成されていると共に、その中間部に、同じく湾曲面状
に切り欠かれてなるセンタピラーガーニッシュ結合部4
6が設けられており、更に、幅方向中央部において、そ
の略中心部には、爪部48が立設せしめられている。そ
して、各ピラーガーニッシュ結合部42,44,46に
おいて、図示しないフロントピラー、リヤピラー、セン
タピラーの各ピラーの上端部を嵌め込んだ状態で、ルー
フサイドレール33に設けられた取付孔(図示せず)に
爪部48の先端部が係合せしめられ、更に該本体32の
一端部に形成された取付部40が、ルーフサイドレール
33に対してボルト固定等されることによって、ルーフ
サイドレールガーニッシュ30が、ルーフサイドレール
33に対して、位置固定に取り付けられるようになって
いる。
【0039】また、そのような構造とされたルーフサイ
ドレールガーニッシュ本体32においては、前記ピラー
ガーニッシュ10のピラーガーニッシュ本体12と同様
に、筐形形状の外側に位置して、該本体32の外側部
(意匠側部)を与える表皮材36と、その内側に位置し
て、該本体32の内側部を与える、板状の基材たる基板
38とからなる二層構造をもって、構成されている。な
お、それら表皮材36と基板38とにあっては、その構
成材料が、それぞれ、特に限定されるものではなく、従
来と同様なものが適宜に用いられ得るものであり、一般
には、表皮材36としては、前記ピラーガーニッシュ本
体12の表皮材16を与える、前述の如き熱可塑性高分
子材料が、また、基板38としては、前記ピラーガーニ
ッシュ本体12の基板38を与える、前述の如き熱可塑
性樹脂材料等が、構成材料として、好適に用いられる。
【0040】そして、そのような表皮材36と基材38
とが、例えば、二色射出成形や圧縮成形等、従来の複層
成形品の成形方法を利用して一体成形されており、それ
によって、ルーフサイドレール本体32が、それら表皮
材36と基板38とからなる一体構造をもって、構成さ
れているのである。
【0041】一方、前記複数のリブ34は、本体32の
長手方向たる、基板38の横方向(図6中、紙面に垂直
な方向、及び図7中、左右方向)に連続して延びる、第
一のリブとしての横リブ34aの複数と、該本体32の
幅方向たる、基板38の縦方向(図6及び図7中、何れ
も上下方向)に連続的に延びる、第二のリブとしての縦
リブ34bの複数とから成っている。また、それら複数
の横リブ34aと複数の縦リブ34bは、何れも、平板
形形状を呈している。そして、該本体32における基板
38の、表皮材36側とは反対側の面上において、各横
リブ34aが、基板38の縦方向に互いに所定の間隔を
おいて突出位置せしめられており、また、各縦リブ34
bが、該横リブ34aの個々のものに直交する状態で、
基板38の縦方向に互いに所定の間隔をおいて突出位置
せしめられている。これによって、複数の横リブ34a
と複数の縦リブ34bとが、本体32が取り付けられる
ルーフサイドレール33の長手方向と幅方向、換言すれ
ば、車体の前後方向と上下方向とに延びるように、それ
ぞれ配置せしめられ、更にはそれらが互いに格子状に組
み合わされた状態で、本体32の内側部を与える基板3
8上に一体的に立設せしめられているのである。
【0042】また、それら複数の横リブ34a及び縦リ
ブ34bにおいては、本体32の幅方向一方側に向かう
に従って、突出高さが低くなるように構成されており、
それによって、それら横リブ34aと縦リブ34bの各
先端面形状が、ルーフサイドレール33の車室内側の形
状に対応せしめられ得るようになっている。
【0043】そして、ここでは、特に、横リブ34a
が、縦リブ34bよりも薄い肉厚をもって構成されてお
り、以て横リブ34aが、縦リブ34bよりも肉厚が薄
い分だけ、衝撃に対する強度が低く抑えられ得るように
なっているのである。
【0044】かくして、本具体例に係るルーフサイドレ
ールガーニッシュ30にあっては、ルーフサイドレール
ガーニッシュ本体32と互いに衝撃強度の異なる複数の
縦リブ34a及び横リブ34bとからなる一体成形品と
して、構成されているのである。
【0045】このように、かかるルーフサイドレールガ
ーニッシュ30においては、横リブ34aの衝撃強度
が、縦リブ34bのそれよりも小さくなるように構成さ
れていることから、ルーフサイドレールガーニッシュ本
体32に加えられる衝撃力の衝撃エネルギーが、実質的
に、複数の縦リブ34bの破壊のみによって、極めて有
利に吸収せしめられ得るようになっていのであり、その
結果として、各縦リブ34bの有効ストローク、ひいて
はその変位量が、効果的に増大せしめられ得ているので
ある。
【0046】しかも、かかるルーフサイドレールガーニ
ッシュ30にあっては、そのような縦リブ34bの複数
が、ルーフサイドレールガーニッシュ本体32の車体の
取付け時に、該車体の上下方向に延びる状態で、それぞ
れ位置せしめられるようになっていることから、ルーフ
サイドレールガーニッシュ本体32に対して、車体の上
下方向の様々な角度から衝撃力が加えられても、その衝
撃エネルギーが、変位量の大きな複数の縦リブ34bの
破壊によって有利に吸収せしめられ得るのであり、ま
た、車体の水平方向から衝撃が加えられた際にも、車体
の前後方向に延びるように位置せしめられた複数の横リ
ブ34aの存在によって、各縦リブ34bが押し倒され
るようなことがなく、縦リブ34bの破壊による優れた
衝撃吸収性能が有効に発揮され得るのである。
【0047】従って、本具体例に係るルーフサイドレー
ルガーニッシュ30においては、本体32に加えられる
衝撃力の衝撃エネルギーが、より大きな吸収量をもっ
て、更に一層十分に吸収され得るのであり、また、衝撃
が加えられる方向によって、衝撃吸収量にバラツキが生
ずるようなことが、極めて効果的に防止され得るのであ
る。
【0048】 ところで、上述の如き優れた特徴を有す
るピラーガーニッシュ10及びルーフサイドレールガー
ニッシュ30にあっては、各部位の寸法が、特に限定さ
れるものではないものの、本体12,32における基板
18,38の肉厚が、2.0mm以上とされ、且つ上述
の如く、第一のリブ(縦リブ14a,横リブ34a)よ
りも厚肉とされた第二のリブ(横リブ14b,縦リブ
b)の肉厚が1.6mm以下とされていることが望ま
しい。それによって、基板18,38の肉厚寸法が、全
べてのリブ14a,14b,34a,34bの肉厚寸法
よりも、確実に大きくされ得、以て本体12,32の基
板18,38に対して、それらのリブ14a,14b,
34a,34bを一体的に形成する際に、基板18,3
8の表皮材16,36側、ひいては表皮材16,36の
意匠面側に、ヒケ等の成形不良が生ずるようなことが、
効果的に防止乃至は抑制され得るのである。また、その
ような成形不良の発生を、更に一層確実に防止するため
には、基板18,38の肉厚を2.2mm以上、且つ各
リブ14a,14b,34a,34bの肉厚を1.4m
m以下とすることが、より望ましい。
【0049】さらに、第一のリブ(縦リブ14a,横リ
ブ34a)と第二のリブ(横リブ14b,縦リブ34
b)との肉厚寸法の差も、何等限定されるものではない
ものの、有利には、第一のリブ(縦リブ14a,横リブ
34a)が、第二のリブ(横リブ14b,縦リブ34
b)縦リブ14aよりも、0.2mm以上薄くされるこ
ととなる。けだし、前述の如く、前記二つの具体例に係
るピラーガーニッシュ10及びルーフサイドレールガー
ニッシュ30にあっては、第二のリブ(横リブ14b,
縦リブ34b)が、第一のリブ(縦リブ14a,横リブ
34a)よりも厚肉とされて、その衝撃強度が大きくさ
れていることによって、かかる第二のリブ(横リブ14
b,縦リブ34b)の有効ストロークが有利に高められ
得て、衝撃エネルギーの吸収量の増大が図られ得ている
のであるが、それら第一のリブ(縦リブ14a,横リブ
34a)と第二のリブ(横リブ14b,縦リブ34b)
との肉厚の差が、0.2mm未満である場合には、第一
のリブ(縦リブ14a,横リブ34a)と第二のリブ
(横リブ14b,縦リブ34b)とが、衝撃強度におい
て明確な差がなくなってしまい、結果的に、第一のリブ
(縦リブ14a,横リブ34a)の肉厚を第二のリブ
(横リブ14b,縦リブ34b)のそれよりも薄くする
ことによって得られる効果が、十分に享受され得なくな
ってしまうからである。
【0050】そして、それらのリブ14a,14b,3
4a,34bのそれぞれの肉厚は、具体的に特定される
ものではないものの、前述の如き衝撃エネルギーの吸収
量の増大効果と、本体12,32における成形不良の発
生防止効果とをより十分に引き出す上において、更には
各リブ14a、14b,34a,34bの肉厚寸法が過
小である場合、その成形性が著しく低下してしまうこと
等を考慮すると、第一のリブ(縦リブ14a,横リブ3
4a)の肉厚が0.8〜1.0mm程度で、第二のリブ
(横リブ14b,縦リブ34b)の肉厚が1.2mm程
度とされていることが、望ましい。
【0051】また、各第一のリブ(縦リブ14a,横リ
ブ34a)の配置間隔と各第二のリブ(横リブ14b,
縦リブ34b)の配置間隔も、決して限定されるもので
はなく、本体12,32の大きさや第二のリブ(横リブ
14b,縦リブ34b)及び該本体12,32の衝撃強
度等を考慮して、適宜に決定されるところではあるが、
それら第一のリブ(縦リブ14a,横リブ34a)と第
二のリブ(横リブ14b,縦リブ34b)とにて囲まれ
てなる格子の一マス内の面積(図4及び図7においてそ
れぞれSにて示される部分の面積)が、好ましくは30
0mm2 以上、より好ましくは400mm2 以上となる
ような配置間隔とされていることが、望ましい。それに
よって、ピラーガーニッシュ10及びルーフサイドレー
ルガーニッシュ30の全体の高さを低く抑えつつ、大き
な衝撃エネルギー吸収量が得られることとなる。
【0052】さらに、第一のリブ(縦リブ14a,横リ
ブ34a)と第二のリブ(横リブ14b,縦リブ34
b)の形状も、本具体例に示される如きものに何等限定
されるものではなく、取り付けられるべきピラー13や
ルーフサイドレール33の形状等に応じて、適宜に変更
され得るものである。
【0053】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0054】先ず、エチレン−プロピレン−ジエン三元
共重合体が配合されて、アイゾット衝撃値(JIS−K
−7110に準拠して実施されるアイゾット衝撃試験に
おいて得られる値)が15kgfcm/cm2 程度とされたPP
と、それと同程度のアイゾット衝撃値を有するオレフィ
ン系エラストマとを、それぞれ、所定量準備した。次い
で、それら所定量のPPとオレフィン系エラストマとを
用いて、射出成形を行ない、図1乃至図4に示される如
く、かかるPPからなる基板18と前記オレフィン系エ
ラストマからなる表皮材16との二層構造をもって構成
された本体12を備え、該本体12の基板18上に、複
数の縦リブ14aと複数の横リブ14bとが、格子状に
組み合わされた状態で、一体的に立設せしめられてなる
形状を有し、且つ縦リブ14aと横リブ14bの各々の
配置間隔、縦リブ14aと横リブ14bとにて囲まれて
なる格子の一マス内の面積、及び縦リブ14aと横リブ
14bの各々の肉厚が、それぞれ、下記表1に示される
如き寸法とされた7種類のピラーガーニッシュを得た。
それらのうち、本発明に従って、縦リブ14aが、横リ
ブ14bよりも薄肉となるように構成されたものにおい
て、前記格子の一マス内の面積が小さいものから順に、
それぞれ、実施例1〜5とし、また、本発明とは異な
り、縦リブ14aと横リブ14bとが同一の肉厚をもっ
て構成されたものにおいて、前記格子の一マス内の面積
が小さいものを比較例1、それが大きいものを比較例2
とした。
【0055】
【0056】そして、かくして得られた実施例1〜5の
ピラーガーニッシュと比較例1〜2のピラーガーニッシ
ュとを用い、以下の如く、FMVSS201に準拠し
て、縦リブ14a及び横リブ14bの有効ストロークを
測定し、その測定値から、各ピラーガーニッシュにおけ
る衝撃エネルギー吸収量の大きさを評価した。また、実
施例1〜5のピラーガーニッシュと比較例2のピラーガ
ーニッシュとを用い、以下の如く、FMVSS201に
準拠して、互いに異なる複数方向から衝撃を加えて、そ
れぞれの衝撃方向におけるHIC(d)値(乗員に対す
る衝撃の大きさを示す値)を算出し、その算出値から、
各ピラーガーニッシュにおける、衝撃が加えられる方向
の違いによる衝撃エネルギー吸収量のバラツキの有無、
即ち衝撃エネルギー吸収量の方向依存性を評価した。各
ピラーガーニッシュの有効ストロークの値とそれに基づ
く衝撃エネルギー吸収量の大きさの評価結果とを下記表
2に、また、三つの衝撃方向におけるHIC(d)値と
それに基づく衝撃エネルギー吸収量の方向依存性の評価
結果とを下記表3及び表4に、それぞれ示した。
【0057】衝撃エネルギー吸収量の大きさ 前記7種類のピラーガーニッシュを、それぞれ、固定板
に取り付けた後、所定のインパクターにより、重量:
4.54kgのダミー頭部(改造H−III )を、各ピラ
ーガーニッシュの本体に対して垂直な方向から、6.7
m/秒の速さで飛ばすことにより、各ピラーガーニッシ
ュにダミー頭部を衝突せしめ、その際の各ピラーガーニ
ッシュのリブの有効ストロークを従来と同様にして測定
した。そして、有効ストロークの値が80%以上であ
り、それによって、衝撃エネルギー吸収量が十分に大き
なものであると判断されるものを○として、また有効ス
トロークの値が80%未満であり、以て衝撃エネルギー
の吸収量が小さいものであると判断されるものを×とし
て、それぞれ評価した。なお、有効ストロークの評価基
準値を80%としたのは、以下の如き理由によるもので
ある。即ち、一般に、車室内空間を可及的に大きく為す
上で、ピラーガーニッシュの厚さ(リブ高さと本体の厚
さとを加えた寸法)が20mm程度とされていることが
望ましいとされている。一方、FMVSS201の基準
においては、衝撃エネルギーを十分に吸収せしめる上
で、リブの有効ストロークが16mm以上であることが
要求されている。従って、上述の如き厚さの薄いピラー
ガーニッシュにおいても、十分な衝撃エネルギー吸収量
を確保せしめるために、80%以上の有効ストロークが
必要であることから、本測定試験における評価基準値を
80%としたのである。また、下記表2中、実施例3〜
5の有効ストロークの値が100%以上となっている
が、これは、ダミー頭部の各ピラーガーニッシュへの衝
突時に、ダミー頭部におけるPVC製の表皮が凹むため
と考えられる。
【0058】衝撃エネルギー吸収量の方向依存性 前記6種類のピラーガーニッシュを、それぞれ、固定板
に取り付けた後、三軸加速度計を内蔵した、所定のイン
パクターにより、重量:4.54kgのダミー頭部(改
造H−III )を、各ピラーガーニッシュの本体に対して
垂直な方向:αと、該本体に対して60°のなす角が形
成される方向:βと、該本体に対して15°のなす角が
形成される方向:γの三つの方向から、それぞれ、6.
7m/秒の速さで飛ばすことにより、各ピラーガーニッ
シュにダミー頭部を衝突せしめ、その際得られる時間と
加速度データを、下記数1に代入して、それぞれの衝突
方向(α,β,γ)におけるHIC値を求め、また、そ
れによって得られたHIC値を下記数2に代入して、各
衝突方向(α,β,γ)におけるHIC(d)値を、そ
れぞれ算出した。そして、それら三つの衝突方向の何れ
においても、HIC(d)の値が1000以下であり、
衝撃が加えられる方向の違いによる衝撃エネルギー吸収
量のバラツキの無いもの、即ち衝撃エネルギー吸収量の
方向依存性の無いものを○として、また、三つの衝突方
向の何れか一つでも、HIC(d)の値が1000より
大きく、衝撃が加えられる方向の違いによる衝撃エネル
ギー吸収量のバラツキが有るもの、即ち衝撃エネルギー
吸収量の方向依存性が有るものを×として、それぞれ評
価した。なお、HIC(d)値の評価基準値を1000
としたのは、HIC(d)値が1000より大きい場
合、乗員に対する衝撃が極めて大きく、乗員が重体又は
死に至らしめられることとなるからである。
【0059】
【数1】
【0060】
【数2】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】それら表2乃至表4の結果からも明らかな
ように、本発明に従って、縦リブが横リブよりも薄い肉
厚をもって構成されている実施例1〜5のピラーガーニ
ッシュは、何れも、有効ストロークが80%以上で、且
つ互いに異なる三つの衝撃方向におけるそれぞれのHI
C(d)値が1000以下となっており、衝撃エネルギ
ー吸収量の大きさと衝撃エネルギー吸収量の方向依存性
の何れにおいても、良好な評価結果が得られている。こ
れに対して、縦リブと横リブとが同一の肉厚を有する比
較例1及び比較例2の各ピラーガーニッシュにあって
は、有効ストロークが80%未満で、衝撃エネルギー吸
収量が小さなものとなっており、また特に比較例2のピ
ラーガーニッシュは、衝撃エネルギー吸収量の方向依存
性に劣るものとなっている。これらのことから、本発明
に従うピラーガーニッシュの衝撃吸収構造によれば、衝
撃力が加えられる方向に拘わらず、衝撃エネルギー吸収
量が、有利に増大せしめられ得ることが明確に認識され
得るのである。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う車両用内装部品の衝撃吸収構造にあっては、衝撃
エネルギーが、より大きな吸収量をもって、十分に吸収
され得るのであり、しかも、衝撃が加えられる方向によ
って、衝撃吸収量にバラツキが生ずるようなことが効果
的に防止され得るのである。そして、それらの結果とし
て、乗員、特にその頭部を、より一層安全に保護するこ
とが出来ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う衝撃吸収構造を有する車両用内装
部品の一例を示す、一部切欠き図を含む正面説明図であ
る。
【図2】図1のII−II断面における端面拡大説明図であ
る。
【図3】図1に示された車両用内装部品の斜視部分拡大
説明図である。
【図4】図2におけるIV方向矢視部分説明図である。
【図5】本発明に従う衝撃吸収構造を有する車両用内装
部品の別の例を示す、斜視説明図である。
【図6】図5のVI−VI断面における端面拡大説明図であ
る。
【図7】図6におけるVII 方向矢視部分説明図である。
【図8】一般的な衝撃吸収構造体における理想的な荷重
変位曲線を示すグラフである。
【図9】従来の衝撃吸収構造を有する車両用内装部品に
対して、衝撃力が加えられた際の変形過程を示す説明図
であって、(a)は、衝撃力が加えられる前の状態を示
し、(b)は、衝撃力が加えられた後の状態を示す。
【符号の説明】
10 ピラーガーニッシュ 12 ピラーガーニッシュ本体 13 ピラー 14,34 リブ 16,36 表皮材 18,38 基板 30 ルーフサイドレールガーニッシュ 32 ルーフサイドレールガーニッシュ本体 33 ルーフサイドレール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−119047(JP,A) 特開 平8−58507(JP,A) 特開 平8−127298(JP,A) 特開 平8−72643(JP,A) 特開 平8−142234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/02 - 21/04 B60R 13/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用内装部品本体を、その外側部を与
    える表皮材とその内側部を与える合成樹脂製の基材とか
    らなる一体的な二層構造をもって構成すると共に、かか
    る基材の内側に、一体成形操作によって、該基材の形成
    材料と同一の合成樹脂材料からなる衝撃吸収手段を一体
    的に立設して、外部からの衝撃を吸収せしめ得るように
    した車両用内装部品の衝撃吸収構造にして、前記表皮材を、アイゾット衝撃値が15kgfcm/cm 2 以上
    の熱可塑性高分子材料にて形成し、且つ前記基材を、ア
    イゾット衝撃値が15kgfcm/cm 2 以上の熱可塑性合成樹
    脂材料にて形成すると共に、該基材の肉厚を2.0mm
    以上と為す一方、 前記衝撃吸収手段を、前記基材の一方向に互いに平行し
    て延びる平板状の第一のリブの複数と、該第一のリブに
    対して垂直な方向に延びる互いに平行な平板状の第二の
    リブの複数とを、それぞれ格子状に組み合わせて構成す
    ると共に、該第一のリブを該第二のリブよりも薄い肉厚
    をもって構成し、更に該第二のリブの肉厚を1.6mm
    以下としたことを特徴とする車両用内装部品の衝撃吸収
    構造。
  2. 【請求項2】 前記車両用内装部品が車両の上下方向に
    配設されるピラーガーニッシュであって、前記第一のリ
    ブが、該ピラーガーニッシュ本体たる前記車両用内装部
    品本体が取り付けられる車体の上下方向に相当する前記
    基材の縦方向に延びる縦リブにて構成される一方、前記
    第二のリブが、該基材の縦方向に垂直な横方向に延びる
    横リブにて構成されている請求項1に記載の衝撃吸収構
    造。
  3. 【請求項3】 前記車両用内装部品が車両の前後方向に
    配設されるルーフサイドレールガーニッシュであって、
    前記第一のリブが、該ルーフサイドレールガーニッシュ
    本体たる前記車両用内装部品本体が取り付けられる車体
    の前後方向に相当する前記基材の横方向に延びる横リブ
    にて構成される一方、前記第二のリブが、該基材の横方
    向に垂直な縦方向に延びる縦リブにて構成されている請
    求項1に記載の衝撃吸収構造。
  4. 【請求項4】 前記第一のリブが、前記第二のリブより
    も0.2mm以上薄い肉厚をもって構成されている請求
    項1乃至請求項3の何れかに記載の衝撃吸収構造。
  5. 【請求項5】 前記第一のリブと前記第二のリブとにて
    形成される格子の一マス内の面積が、300mm2 以上
    とされている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の衝
    撃吸収構造。
  6. 【請求項6】 前記第一のリブの肉厚が、0.8〜1.
    0mmとされ、且つ前記第二のリブの肉厚が、1.2m
    とされている請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
    衝撃吸収構造。
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