JPH1035372A - 自動車のトリム構造 - Google Patents

自動車のトリム構造

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JPH1035372A
JPH1035372A JP8197323A JP19732396A JPH1035372A JP H1035372 A JPH1035372 A JP H1035372A JP 8197323 A JP8197323 A JP 8197323A JP 19732396 A JP19732396 A JP 19732396A JP H1035372 A JPH1035372 A JP H1035372A
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JP
Japan
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trim
rib
thickness
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less
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JP8197323A
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English (en)
Inventor
Shinji Kasami
真司 賀佐見
Kazunari Harima
一成 播摩
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Daikyo Inc
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Daikyo Inc
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  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃吸収性の確保とトリム表面側の「ひけ」
発生の抑制とを両立して達成することができる自動車の
トリム構造を提供する。 【解決手段】 トリム本体2の裏面側に該トリム本体と
一体的に形成された所定高さのリブ群3を有して車体ピ
ラーの車室側を覆う自動車のトリム1において、上記ト
リムは、曲げ弾性率が12500kg/cm2以下で、
且つ、所定条件でのアイゾット衝撃試験において破損し
ないポリプロピレン樹脂を材料として成形され、上記リ
ブ群は平面視で相互に連結された多数の多角形状をなし
ており、トリム本体の厚さが2.5〜4.0mmに設定さ
れるとともに、各リブは、その根元の方が先端よりも厚
肉で、根元の厚さが1.2〜1.6mm,先端の厚さが
0.7mm以上,その高さが20mm以上に設定されて
いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の車室内
において所定の車体強度部材の車室側を覆う自動車のト
リム構造に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、自動車の車室内では、例
えばピラー等の車体強度部材は、車室内装部材としての
樹脂製トリム部材でその車室側が覆われており、車室内
の外観性の向上と衝突時などにおける乗員の保護とが図
られている。かかるトリム部材について、その衝撃吸収
性をより向上させるものとして、例えば特開平6−21
1088号公報に示されるように、トリムとピラーとの
間に別部品としてのクッション材を介在させるようにし
たものが知られている。しかしながら、このようなクッ
ション材を介在させる場合には、部品点数が増加すると
ともにトリム自体の組立に手間がかかり、コスト高にな
るという問題がある。また、上記クッション材として
は、一般に、硬質ウレタン樹脂が用いられるが、この樹
脂材料の場合、製造時の発泡密度のバラツキが比較的大
きいため、エネルギ吸収特性(つまり衝撃吸収特性)の
バラツキが大きくなるという難点もある。
【0003】このため、例えば特開平7−117596
号公報では、別部品としてのクッション材を設ける代わ
りに、トリム材の裏面側に所定高さの複数のリブ(リブ
群)を一体的に成形し、このリブ群によって衝撃吸収作
用を行わせるようにすることが提案されている。かかる
構成によれば、部品点数の増加を招くことなく、また、
トリム自体の組立も要することなく、トリムの衝撃吸収
性を高めることができる。更に、比較的安定した衝撃吸
収特性を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにトリム材
の裏面側にリブ群を設ける場合、各リブの例えば根元サ
イズ等の諸寸法は、トリムの衝撃吸収性を高める上では
大きく設定する方が一般に好ましいのであるが、リブの
サイズが大きくなる程、成形後の冷却時におけるリブ部
分の収縮が大きくなる関係上、リブ配設位置に対応する
トリム表面側に所謂「ひけ」が生じ易くなり、トリムの
外観性にも悪影響を及ぼすという問題がある。
【0005】ところで、近年、自動車の安全性向上の一
環として、トリム部材についても、特に衝突時等におけ
る乗員保護の観点から、より一層高い衝撃吸収特性を備
えることが要求されつつある。例えば、全米自動車安全
基準(FMVSS)201では、側面衝突時などに乗員
の頭部がピラーに(従ってトリムに)干渉した場合につ
いて、頭部衝撃保護要件として頭部傷害値(いわゆるH
IC)が所定値(800)以下となるようにする旨の規
定が設けられ、衝撃吸収特性としてかかる保護要件を満
たす自動車用トリムを開発することが求められるように
なってきている。
【0006】本願発明者は、かかる状況に鑑み、鋭意研
究を重ねた結果、トリム材の樹脂材料およびその機械的
特性や各リブの諸寸法およびリブの配列構造などが、相
互に関連しながら、トリムの衝撃吸収特性およびトリム
表面側の「ひけ」発生に対して大きな影響を及ぼすこと
を見出した。
【0007】そこで、この発明は、トリムの樹脂材料や
リブの諸寸法および配列構造などの衝撃吸収性および
「ひけ性」に対する関係に着目することにより、衝撃吸
収性の確保とトリム表面側の「ひけ」発生の抑制とを両
立して達成することができる自動車のトリム構造を提供
することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、トリム本体
の裏面側に該トリム本体と一体的に形成された所定高さ
のリブ群を有し、所定の車体強度部材の車室側を覆う自
動車のトリム構造であって、上記トリムは、曲げ弾性率
が12500kg/cm2以下で、且つ、所定条件での
アイゾット衝撃試験において破損しないポリプロピレン
樹脂を材料として成形され、上記リブ群は、平面視で相
互に連結された多数の多角形状をなしており、上記トリ
ム本体の厚さが2.5〜4.0mmに設定されるととも
に、各リブは、その根元の方が先端よりも厚肉で、根元
の厚さが1.2〜1.6mm,先端の厚さが0.7mm以
上,その高さが20mm以上に設定されていることを特
徴としたものである。
【0009】ここに、上記トリムの材料(ポリプロピレ
ン樹脂)について、曲げ弾性率を12500kg/cm
2以下で、且つ、所定条件でのアイゾット衝撃試験にお
いて破損しないものとしたのは、確実に所期の衝撃吸収
特性(具体的には、HICが800以下)を確保した上
で、衝撃入力時におけるトリムの割れ発生を安定して防
止するためである。更に、トリム本体の板厚を2.5〜
4.0mmとしたのは、2.5mm未満では、リブ寸法が
比較的小さくても「ひけ」の発生を安定して回避するこ
とが難しくなり、一方、上記板厚が4.0mmを越える
と、材料樹脂の充填・冷却等に時間がかかり成形サイク
ルが大幅に長くなるためである。
【0010】また、更に、リブの根元の厚さを上記範囲
(1.2〜1.6mm)としたのは、この厚さが1.2m
m未満の場合には、リブ部分への材料樹脂のスムースな
充填が難しく、特にリブの先端側において欠肉が生じ易
くなり、一方、1.6mmを越えると、リブの根元部分
の体積が大きくなる結果、冷却時の収縮量も大きくな
り、「ひけ」が生じ易くなるためである。また、更に、
リブの先端の厚さを上記範囲(0.7mm以上)とした
のは、この厚さが0.7mm未満の場合には、リブの先
端側における材料樹脂の充填性が悪くなって欠肉が生じ
易くなるからである。尚、リブの先端の厚さは、リブの
断面形状が逆テーパ状にならないように、根元の厚さよ
りも薄く設定される。また、更に、リブの高さhを上記
範囲(20mm以上)としたのは、この高さが20mm
未満の場合には、所期の衝撃吸収特性(具体的には、H
ICが800以下)を得ることが難しいからである。
【0011】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記
トリム本体の裏面側の単位面積当たりのリブ群の体積
が、1.48mm3/mm2以上であることを特徴とした
ものである。
【0012】ここに、上記トリム本体の裏面側の単位面
積当たりのリブ群の体積を1.48mm3/mm2以上と
したのは、このトリム本体の裏面側の単位面積当たりの
リブ群の体積が上記の値未満の場合には、所期の衝撃吸
収特性(具体的には、HICが800以下)を得ること
が難しいからである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本実施
の形態に係る自動車用トリム1の裏面側からの斜視図を
示している。このトリム1は、自動車の車室内において
ピラー部分を覆う所謂ピラートリム1であり、車室内装
材として所定の曲面状に形成された所定厚さのトリム本
体2の裏面側には、複数のリブ3(リブ群)が一体的に
形成されている。このリブ群は、平面視で相互に連結さ
れた多数の多角形状(図1の例では矩形状)をなすよう
に構成されている。上記ピラートリム1は、後で詳しく
説明するように、所定の機械的特性を有するポリプロピ
レン(PP)樹脂を用いて、例えば射出成形法によって
トリム本体2とその裏面側のリブ群3とが一体成形され
ている。
【0014】本実施の形態では、上記トリム本体2の板
厚および各リブ3の諸寸法(図2参照)を、以下のよう
に設定した。 ・トリム本体の板厚T:2.5〜4.0mm ・リブの根元の厚さa:1.2〜1.6mm ・リブの先端の厚さb:0.7mm以上(ただし、根元
の厚さaよりも薄い) ・リブの側面の傾斜d:0.5度以上 ・リブの高さh :20mm以上
【0015】これらの諸元を上記のように設定したの
は、以下の理由による。すなわち、トリム本体2の板厚
Tについては、Tが2.5mm未満の場合には、リブ寸
法が比較的小さくても「ひけ」の発生を安定して回避す
ることが難しくなり、一方、Tが4.0mmを越える
と、材料樹脂の充填・冷却等に時間がかかり成形サイク
ルが大幅に長くなるためである。また、リブ3の根元の
厚さaについては、aが1.2mm未満の場合には、リ
ブ部分への材料樹脂のスムースな充填が難しく、特にリ
ブ3の先端側において欠肉が生じ易くなり、一方、aが
1.6mmを越えると、リブ3の根元部分の体積が大き
くなる結果、冷却時の収縮量も大きくなり、「ひけ」が
生じ易くなるためである。
【0016】更に、リブ3の先端の厚さbを上記のよう
に設定したのは、bが0.7mm未満の場合には、リブ
3の先端側における材料樹脂の充填性が悪くなって欠肉
が生じ易くなるからである。尚、リブ3の先端の厚さb
は、リブ3の断面形状が逆テーパ状にならないように、
根元の厚さaよりも薄く設定される。また、更に、リブ
3の側面の傾斜dについては、dを0.5度未満とした
場合には、成形後の製品取り出し時における離型性が悪
くなるからである。
【0017】また、更に、リブ3の高さhについては、
hが20mm未満の場合には、所定の衝撃吸収特性を得
ること、具体的には、以下に詳しく述べるように、前記
の頭部傷害値(HIC)を所期の範囲内(800以下)
とすることが難しいからである。尚、上記リブ3の高さ
hについては、hが30mm程度を越えないことが好ま
しい。これは、リブ3の先端まで支障なく十分に材料樹
脂を充填するには、hが30mm程度以下であることが
望ましく、また、トリム1を車室内ピラーに装着した場
合に、運転者の十分な視界確保に支障を来すことがない
ようにする観点から、hが30mm程度を越えないこと
が望ましいからである。
【0018】上記リブ3の高さhの設定範囲を求めるた
めに、トリム本体2の板厚T並びに各リブ3の根元厚さ
a及び先端厚さbを一定(T=2.5/3.0mm,a=
1.2mm,b=0.7/0.8mm)に保った上で、リ
ブ3の高さhを変えて衝撃吸収特性としてのHICを測
定する試験を行った。この試験は、上述のように、所定
の機械的特性を有するポリプロピレン(PP)樹脂(後
述する表3における実施例1に該当)を用いて、例えば
射出成形法によってトリム本体2とその裏面側のリブ群
3(図1で示すように、相互に連結された多数の矩形状
をなすもの)とが一体成形されたピラートリム1を、サ
ンプルに用いて行われたものである。尚、上記HICの
測定は、頭部に加速度センサ(所謂Gセンサ)を設けた
ダミー人形を用いて行われる。このダミー人形の頭部を
車室内の構造物(本実施の形態では、上記トリム1で覆
われたピラー)に所定速度で衝突させ、このときのGセ
ンサの検出値に基づいてHICを算出した。
【0019】上記試験の結果を表1に示す。この試験結
果から分かるように、リブ3の高さhが上述のように2
0mm以上であれば、トリム本体2の板厚T並びに各リ
ブ3の根元厚さa及び先端厚さbが上記条件の場合に、
HICが所期の値(800)以下になることが分かっ
た。
【0020】
【表1】
【0021】次に、リブ3の配列構造がHICに及ぼす
影響について調べる試験を行った。この試験では、リブ
群が平面視で相互に連結された多数の多角形状をなすも
の(本発明実施例)として、上記図1に示されたように
矩形状をなすもの1(本発明実施例1),六角形状をな
すもの6(本発明実施例2:図3参照),三方に張り出
し部を有する略星形状をなすもの7(本発明実施例3:
図4参照)と、リブ群が平面視で多角形状をなさないも
の(比較例)として、トリムの幅方向に平行に配設され
たもの8(比較例1:図5参照)及びトリムの長手方向
に波状に延びるもの9の5種類のサンプルについて、H
ICを測定した。
【0022】これらサンプルとしては、上述のように、
所定の機械的特性を有するポリプロピレン(PP)樹脂
(後述する表3における実施例1に該当)を用いて、例
えば射出成形法によってトリム本体2とその裏面側のリ
ブ群3とが一体成形されたピラートリム1を用意した。
また、各サンプルにおけるトリム本体2の板厚および各
リブ3の諸寸法(図2参照)は、以下の通りであった。 ・トリム本体の板厚T:3.0mm ・リブの根元の厚さa:1.0mm ・リブの先端の厚さb:0.9mm ・リブの高さh :20mm
【0023】本試験において、HICの測定は、トリム
表面に垂直に衝撃荷重が作用する場合と、トリム表面に
対して所定の角度をなして(斜めに)衝撃荷重が作用す
る場合とについて行った。この斜めに衝撃荷重が作用す
る場合の角度については、衝撃荷重が垂直に作用する場
合を90度として、70度の角度に設定して測定を行っ
た。
【0024】試験結果は、表2に示す通りであり、リブ
群が平面視で相互に連結された多数の多角形状をなす本
発明の各実施例については、荷重方向の影響を受けない
(荷重が斜めに作用した場合の方が、HICはむしろ若
干ではあるが低下している)が、比較例については、斜
めに荷重が作用するとリブの横倒れが生じてHICが大
幅に上昇し、荷重方向の影響が大きいことが分かった。
すなわち、例えばピラートリムの場合には、車室内にお
いて種々の方向から衝撃荷重が作用することが考えられ
るので、リブ群の配列は、荷重方向の影響を受けない本
発明実施例1,2,3のような構造が良い。
【0025】
【表2】
【0026】次に、ピラートリム1の材料を選定するた
めに、種々の合成樹脂材料および同一樹脂材料で機械的
特性の異なるものについて、HICおよびトリムの割れ
状況等を調べる試験を行った。本試験においては、合成
樹脂材料としては、PP(ポリプロピレン)樹脂(本発
明実施例1及び2並びに比較例1及び2),PC(ポリ
カーボネート)樹脂(比較例3)およびABS(アクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂(比較例4)
を用いた。また、機械的特性としては、曲げ弾性率およ
びアイゾット衝撃値を測定し、更に、割れ状況について
は、トリム本体の表面部とリブ部分とに分けて目視観察
により調べた。
【0027】尚、この試験では、リブの配列構造が、平
面視で相互に連結された多数の六角形状をなす構造のも
の(図3参照)をサンプルに用いて試験を行った。ま
た、各サンプルにおけるトリム本体2の板厚および各リ
ブ3の諸寸法(図2参照)は、以下の通りであった。 ・トリム本体の板厚T:2.5mm ・リブの根元の厚さa:1.2mm ・リブの先端の厚さb:1.0mm ・リブの高さh :20mm
【0028】試験結果は、表3に示す通りであった。こ
の表3の「割れ状況」の欄において、○印は割れが全く
生じないことを、×印は明確な割れが生じたことを、ま
た、△印は明確ではないが微細な所謂ヘアークラック状
の条痕が認められたことを、それぞれ示している。ま
た、「アイゾット衝撃値」の欄において、NBは試験片
が破断に至らなかったことを示している。なお、アイゾ
ット衝撃値の測定は、ASTM D−256に準拠して
行った。材料の曲げ弾性率が高い(換言すれば剛性が高
い)ほど、一般的には衝撃反発力が大きくなってHIC
が上昇するのであるが、上記の試験結果より、曲げ弾性
率が13200kg/cm2以下であれば、HICを8
00以下に抑制できることが分かった。また、曲げ弾性
率が低くても耐衝撃性が低い場合には、トリム表面等に
割れが生じて好ましくなく、また、安定した衝撃吸収が
できない。上記の試験結果より、アイゾット衝撃値がN
Bのものについては、トリム本体の表面部およびリブ部
分の両方共に割れの発生は認められず、良好な結果が得
られることが分かった。
【0029】以上より、材料について以下の条件を満た
すものについては、HIC及び割れ状況の両方につい
て、良好な結果が得られることが分かった。 ・材料:PP樹脂 ・曲げ弾性率:12500kg/cm2以下 ・アイゾット衝撃値:NB 尚、上記PP樹脂は、曲げ弾性率の低くて且つ耐衝撃性
が高いものが比較的容易に得られ、また、周知のよう
に、比較的廉価で市販性も高く、安定した材料供給を得
ることが可能である。
【0030】
【表3】
【0031】次に、トリム本体の裏面側の単位面積当た
りのリブ群の体積(V/A値)がHICに及ぼす影響に
ついて調べる試験を行った。このV/A値は、リブ群の
総体積(V)をトリム本体の裏面側の面積(A)で割っ
た商として得られるものである。試験結果を図7のグラ
フに示す。この試験は、上述のように所定の機械的特性
を有するポリプロピレン(PP)樹脂(表3における実
施例1に該当)を用いて、例えば射出成形法によってト
リム本体2とその裏面側のリブ群3とが一体成形された
ピラートリム1をサンプルに用いて行われた。
【0032】また、このグラフの各測定点に対応する各
サンプルにおけるトリム本体2の板厚および各リブ3の
諸寸法(図2参照)並びにリブ3の配列構造は、表4に
示す通りであった。上記図7のグラフから、V/A値が
1.48mm3/mm2以上であれば、HICは所期の値
(800)以下となることが分かった。
【0033】
【表4】
【0034】尚、本発明は、以上の実施態様に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、
種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言
うまでもない。
【0035】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、トリム本体
の裏面側に該トリム本体と一体的に形成された所定高さ
のリブ群を有し、所定の車体強度部材の車室側を覆う自
動車のトリム構造において、上記機械的特性(曲げ弾性
率が12500kg/cm2以下で、且つ、所定条件で
のアイゾット衝撃試験において破損しない)を備えたポ
リプロピレン樹脂を材料に用いるとともに、リブ群が平
面視で相互に連結された多数の多角形状をなし、また、
トリム本体の厚さを2.5〜4.0mm、各リブについて
は、その根元の方が先端よりも厚肉で、根元の厚さを
1.2〜1.6mm,先端の厚さを0.7mm以上,その
高さを20mm以上に設定したので、衝撃吸収性の確保
とトリム表面側の「ひけ」発生の抑制とを両立して達成
することができる。
【0036】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、上記トリム本体の裏面側の単位面積当たりの
リブ群の体積(V/A値)が1.48mm3/mm2以上
であるので、確実に所期の衝撃吸収特性(具体的には、
HICが800以下)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における実施例1に係る
ピラートリムの斜視図である。
【図2】 上記ピラートリムのリブを拡大して縦断面図
である。
【図3】 実施例2に係るピラートリムの斜視図であ
る。
【図4】 実施例3に係るピラートリムの斜視図であ
る。
【図5】 比較例1に係るピラートリムの斜視図であ
る。
【図6】 比較例2に係るピラートリムの斜視図であ
る。
【図7】 トリムの単位面積当たりのリブ体積と衝撃吸
収特性の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,6,7…自動車用ピラートリム 2…トリム本体 3…リブ a…リブの根元の厚さ b…リブの先端の厚さ h…リブの高さ T…トリム本体の厚さ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリム本体の裏面側に該トリム本体と一
    体的に形成された所定高さのリブ群を有し、所定の車体
    強度部材の車室側を覆う自動車のトリム構造であって、 上記トリムは、曲げ弾性率が12500kg/cm2
    下で、且つ、所定条件でのアイゾット衝撃試験において
    破損しないポリプロピレン樹脂を材料として成形され、
    上記リブ群は、平面視で相互に連結された多数の多角形
    状をなしており、上記トリム本体の厚さが2.5〜4.0
    mmに設定されるとともに、各リブは、その根元の方が
    先端よりも厚肉で、根元の厚さが1.2〜1.6mm,先
    端の厚さが0.7mm以上,その高さが20mm以上に
    設定されていることを特徴とする自動車のトリム構造。
  2. 【請求項2】 上記トリム本体の裏面側の単位面積当た
    りのリブ群の体積が、1.48mm3/mm2以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の自動車のトリム構造。
JP8197323A 1996-07-26 1996-07-26 自動車のトリム構造 Pending JPH1035372A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001020189A1 (fr) * 1999-09-13 2001-03-22 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Element d'absorption des chocs, element interieur d'automobile et garniture de portiere automobile
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