JP5546904B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載の連動装置は、ヘッドパイプにブラケットを介して取り付けられている。二輪車や三輪車のブレーキ操作子は、ヘッドパイプに回動自在に取り付けられるステアリング軸とともに回動するハンドルに取り付けられている。そのため、ハンドルによって転舵することにより、ヘッドパイプに取り付けられている連動装置と、回動するハンドルに取り付けられたブレーキ操作子とは、相対距離が変化し、これらの間を接続されるケーブルの撓み量も変化する。このことは、前輪ブレーキと連動装置との相対距離についても、同様である。
図1は、本発明の自動二輪車の実施形態を示す左側面図である。
なお、以下の説明における前後、左右及び上下の方向の記載は、特に明記がない限り、自動二輪車に乗車する乗員(運転者)から見た方向に従う。また、図中、矢印FRは車両の前方を示し、矢印LHは車両の左方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。
自動二輪車1は、メインフレーム2と、ステアリング軸3と、ハンドル4と、ボトムブリッジ5と、フロントフォーク6と、前輪7と、前輪ブレーキユニット8と、後輪ブレーキユニット9と、後輪10と、リアサスペンション50と、エンジン51と、カウル54と、シート55とを備える。
ヘッドパイプ2aは、メインフレーム2の車体前側部分を構成する円筒状の部材である。ヘッドパイプ2aは、中心軸の方向が車体前下方に向かう傾斜角度で傾斜している。
ダウンフレーム2bは、ヘッドパイプ2aのほぼ中央から車体下後方に延びるように配置されている。
ハンドル4は、ステアリング軸3の上端部に取り付けられる。ハンドル4は、運転者の転舵操作に応じて、ステアリング軸3を一体で回転させる。
ボトムブリッジ5は、フロントフォーク6を支持する部材である。ボトムブリッジ5は、ステアリング軸3の下端に設けられており、ステアリング軸3と一体で回転する。このため、ステアリング軸3の回転に応じて、フロントフォーク6が回転するようになっている。
前輪ブレーキユニット8は、前輪7を制動するドラム式のブレーキ装置である。前輪ブレーキユニット8は、車体左側に配置されている。
後輪ブレーキユニット9は、後輪10を制動するドラム式のブレーキ装置である。後輪ブレーキユニット9は、車体左側に配置されている。
エンジン51は、燃料としてガソリン用いる原動機であり、車体前後方向の略中央部に搭載される。エンジン51は、シリンダヘッドに連結された吸気部(図示せず)から外気を吸入して燃焼し、燃焼後の排気を、チャンバ52等を備える排気部から車体後方に流出する。
エンジン51の出力は、ベルト等を備える変速機構53を経由して出力され、後輪10に伝達される。
カウル54は、走行時の空気抵抗を減少させたり、車体内部の部品を保護するため等に設けられるカバー部材である。カウル54は、車体を覆うように設けられている。カウル54は、樹脂等により形成されている。
図2に示すように、実施形態のブレーキシステムは、前輪ブレーキ操作子としての右ブレーキレバー11Aと、連動ブレーキ操作子としての左ブレーキレバー11Bと、第1伝達部材としての右ブレーキケーブル12Aと、左ブレーキケーブル12Bと、第2伝達部材としての前側連動ブレーキケーブル12Cと、第3伝達部材としての後側連動ブレーキケーブル12Dと、連動装置(イコライザ)14と、前述した前輪ブレーキユニット8と、後輪ブレーキユニット9とを備える。
右ブレーキレバー11Aは、ハンドル4の車体右側に配置され、運転者が右手で操作できる。
左ブレーキレバー11Bは、ハンドル4の車体左側に配置され、運転者が左手で操作できる。
左ブレーキケーブル12Bは、左ブレーキレバー11B及び連動装置14の間を接続するケーブルである。
前側連動ブレーキケーブル12Cは、連動装置14及び前輪ブレーキユニット8の間を接続するケーブルである。
後側連動ブレーキケーブル12Dは、連動装置14及び後輪ブレーキユニット9の間を接続するケーブルである。
図3に示すように、連動装置14は、ケース14aと、入口14bと、第1出口としての前輪側出力部14cと、第2出口としての後輪側出力部14dと、バネ14eと、イコライザ14fとを備える。
入口14bは、ケース14aの上面に設けられている。入口14bには、左ブレーキケーブル12Bが挿通される。入口14bは、左ブレーキレバー11Bのプレーキ操作力を、左ブレーキケーブル12Bを介して連動装置14に入力する入力部である。
イコライザ14fの一端の接続部14hには、前側連動ブレーキケーブル12Cが接続され、他端の接続部14iには、後側連動ブレーキケーブル12Dが接続され、一端の接続部14hと他端の接続部14iとの中間に設けられる接続部14gには、左ブレーキケーブル12Bが接続される。
前輪側出力部14c及び後輪側出力部14dは、ケース14aの底面に、車体左側からこの順番で配置されている。
前輪側出力部14cには、前側連動ブレーキケーブル12Cが挿通される。
後輪側出力部14dには、後側連動ブレーキケーブル12Dが挿通される。
また、連動装置14は、正面視において、これらの3つの方向が、ステアリング軸3の中心軸3aよりも右回りに角度θ(図3中左回り)だけ傾くように配置されている。角度θは、例えば、5〜45°の範囲であるが、これに限定されず適宜設定できる。連動装置14の配置等については、後述する。
イコライザ14fは、左ブレーキケーブル12Bからブレーキ操作力が入力されることにより、前側連動ブレーキケーブル12C及び後側連動ブレーキケーブル12Dを引っ張るための部材である。イコライザ14fは、ケーブルが延びる方向にほぼ平行に移動しながらに左回りに回転して、前側連動ブレーキケーブル12C及び後側連動ブレーキケーブル12Dを引っ張る量を調整する。イコライザ14fは、接続部14g,14h,14iを備える。
接続部14hは、3つの接続部のうち車体左側に配置されている。接続部14hには、前側連動ブレーキケーブル12Cが接続されている。
接続部14iは、3つの接続部のうち車体右側に配置されている。接続部14iには、後側連動ブレーキケーブル12Dが接続されている。
入口14bからブレーキ操作力が入力されると、左ブレーキケーブル12Bが接続部14gをケーブルが延びる方向の上側に引っ張る。
この際、イコライザ14fの一端側は、バネ14eにより付勢されているので、まず、他端側の接続部14iに接続された後側連動ブレーキケーブル12Dがイコライザ14fにより引っ張られる。これにより、連動装置14は、後輪ブレーキユニット9に制動力を与える。
以上のように、連動装置14は、入力されるブレーキ操作力に応じて、前輪側出力部14c及び後輪側出力部14dに出力されるタイミングを変化させながら、制動力を発生できる。
図4に示すように、自動二輪車1は、支持ステイ30と、フロントフェンダ32と、インナーカバー33とを備えている。
支持ステイ30は、ボトムブリッジ5の後面から後方に延びるように、ボトムブリッジ5に固定されている(図6参照)。支持ステイ30は、車体左側及び右側にそれぞれ設けられている。連動装置14は、車体左右方向から支持ステイ30に挟み込むように配置され、ボルト31によって支持ステイ30に固定される。
これにより、連動装置14は、ステアリング軸3と一体で回転する。
連動装置14は、直立状態に配置された状態から、その上部がヘッドパイプ2aの方向に傾斜するように、支持ステイ30に取り付けられている。
連動装置14は、前述したように傾斜して配置されているので、入口14bから出た左ブレーキケーブル12Bは、連動装置14からヘッドパイプ2aを交差するように、自然に配設されることになる。これにより、自動二輪車1は、左ブレーキケーブル12Bを曲率半径が大きくなるように配置できる。
同様に、後側連動ブレーキケーブル12Dは、連動装置14から後輪ブレーキユニット9まで延びるように配設されるので、後輪側出力部14dから出た後に、ヘッドパイプ2aから車体後側に離れる方向に配設する必要がある。
通常、ヘッドパイプ2aよりも車体前側の領域S2は、例えば、バッテリケース35内に収容されたバッテリに接続する電気ケーブル等、多くの部品等を配置することが多い。これに対して、前述の三角形の領域S1は、これらの部品等を配置することが、領域S2に比べて少ない。このため、自動二輪車1は、通常あまり利用しない領域S1を有効に利用して、連動装置14を配置できる。
図5は、実施形態の連動装置周辺の構成を、ステアリング軸に直交する方向のうち車体前側(図1に示す矢印A方向)から見た図である。図5では、直進状態におけるボトムブリッジ5を破線で示し、直進状態における連動装置14を実線で示し、右転舵した状態(最も右側にハンドルによって転舵した状態)の連動装置14の外形を二点鎖線で示している。
図6は、実施形態の連動装置周辺の構成を、ステアリング軸の軸方向上側(図1に示す矢印B方向)から見た図である。図6(a)は、直進状態を示す図である。図6(b)は、右転舵した状態を示す図である。
左ブレーキケーブル12Bは、左ブレーキレバー11Bに対して車体右側から接続される(図2参照)。
このため、図5に示すように、左ブレーキケーブル12Bは、前輪側出力部14cから出た後に、一旦、ヘッドパイプ2a及びフロントフォーク6から車体右側に離れる方向に配設し、左ブレーキレバー11Bに向けて湾曲するように配設する必要がある。
図5に二点鎖線で示すように、右転舵した状態であっても、連動装置14は、前述したように、傾斜して配置され、かつ、車体右側に配置されているので、ヘッドパイプ2a、ダウンフレーム2b等の構造部品に干渉することがない。
なお、図6(b)では、入口14b及びダウンフレーム2bは、重複して示されているが、図4に示すように、これらの間には上下方向に隙間があるので、干渉することはない。
同様に、連動装置14及び前輪ブレーキユニット8の互いの位置関係も、変わることがないので、前側連動ブレーキケーブル12Cの撓み量は、変化しない。
例えば、実施形態において、ボトムブリッジに連動装置を取り付けた例を説明したが、これに限定されない。例えば、大型の自動二輪車のようにトップブリッジを備える場合には、このトップブリッジに連動装置を取り付けてもよい。
2 メインフレーム
2a ヘッドパイプ
2b ダウンフレーム
3 ステアリング軸
3a 回転軸
4 ハンドル
5 ボトムブリッジ
8 前輪ブレーキユニット
9 後輪ブレーキユニット
11A 右ブレーキレバー(前輪ブレーキ操作子)
11B 左ブレーキレバー(連動ブレーキ操作子)
12A 右ブレーキケーブル(第1伝達部材)
12B 左ブレーキケーブル
12C 前側連動ブレーキケーブル(第2伝達部材)
12D 後側連動ブレーキケーブル(第3伝達部材)
14 連動装置
14b 入口
14c 前輪側出力部(第1出口)
14d 後輪側出力部(第2出口)
30 支持ステイ
32 フロントフェンダ
33 インナーカバー
S1 領域
Claims (8)
- ヘッドパイプ(2a)と、
前記ヘッドパイプ(2a)に回動可能に支持されるステアリング軸(3)と、
前記ステアリング軸(3)と、前輪(7)を回転可能に支持するフロントフォーク(6)の上部とが接続されるブリッジ(5)と、
前輪ブレーキ(8)に制動力を与える前輪ブレーキ操作子(11A)と、
連動ブレーキ操作子(11B)と、
前記ステアリング軸(3)に支持され、前記前輪ブレーキ操作子(11A)及び連動ブレーキ操作子(11B)が設けられるハンドル(4)と、
前記連動ブレーキ操作子(11B)の操作に応じて、前記前輪ブレーキ(8)及び後輪ブレーキ(9)に制動力を与える連動装置(14)と、
を備える鞍乗型車両(1)において、
前記連動装置(14)は、前記ブリッジ(5)に支持されており、
前記ブリッジ(5)は、少なくとも前記ヘッドパイプ(2a)の下方に設けられるボトムブリッジ(5)を含み、
前記連動装置(14)は、前記ボトムブリッジ(5)の後面に支持ステイ(30)を介して支持される鞍乗型車両(1)。 - ヘッドパイプ(2a)と、
前記ヘッドパイプ(2a)に回動可能に支持されるステアリング軸(3)と、
前記ステアリング軸(3)と、前輪(7)を回転可能に支持するフロントフォーク(6)の上部とが接続されるブリッジ(5)と、
前輪ブレーキ(8)に制動力を与える前輪ブレーキ操作子(11A)と、
連動ブレーキ操作子(11B)と、
前記ステアリング軸(3)に支持され、前記前輪ブレーキ操作子(11A)及び連動ブレーキ操作子(11B)が設けられるハンドル(4)と、
前記連動ブレーキ操作子(11B)の操作に応じて、前記前輪ブレーキ(8)及び後輪ブレーキ(9)に制動力を与える連動装置(14)と、
を備える鞍乗型車両(1)において、
前記連動ブレーキ操作子(11B)から前記連動装置(14)まで延びる第1伝達部材(12B)と、
前記連動装置(14)から前記前輪ブレーキ(8)まで延びる第2伝達部材(12C)と、
前記連動装置(14)から前記後輪ブレーキ(9)まで延びる第3伝達部材(12D)と、を更に備え、
前記連動装置(14)は、前記ブリッジ(5)に支持されており、
前記連動装置(14)は、
前記第1伝達部材(12B)が挿通される入口(14b)と、
前記第2伝達部材(12C)が挿通される第1出口(14c)と、
前記第3伝達部材(12D)が挿通される第2出口(14d)と、を有し、
前記連動ブレーキ操作子(11B)及び前記前輪ブレーキ(8)は、車体幅方向の一方側に設けられ、
前記入口(14b)は、車体前後方向の前面視において、前記ステアリング軸(3)の上下中心軸(3a)から車体幅方向の他方側に傾斜した方向(θ)に指向し、
前記第1出口(14c)及び前記第2出口(14d)は、車体前後方向の前面視において、前記ステアリング軸(3)の上下中心軸(3a)から車体幅方向の一方側に傾斜した方向に指向している鞍乗型車両(1)。 - 前記連動装置(14)は、前記ブリッジ(5)の後面に支持ステイ(30)を介して支持される請求項2に記載の鞍乗型車両(1)。
- 前記ブリッジ(5)は、少なくとも前記ヘッドパイプ(2a)の下方に設けられるボトムブリッジ(5)を含み、
前記連動装置(14)は、前記ボトムブリッジ(5)の後面に支持ステイ(30)を介して支持される請求項2に記載の鞍乗型車両(1)。 - 前記連動ブレーキ操作子(11B)から前記連動装置(14)まで延びる第1伝達部材(12B)と、
前記連動装置(14)から前記前輪ブレーキ(8)まで延びる第2伝達部材(12C)と、
前記連動装置(14)から前記後輪ブレーキ(9)まで延びる第3伝達部材(12D)と、を備え、
前記連動装置(14)は、車体幅方向の側面視において、前記連動装置(14)の上部が前記ヘッドパイプ(2a)の方向に傾斜するように支持されている請求項1に記載の鞍乗型車両(1)。 - 前記連動装置(14)は、
前記第1伝達部材(12B)が挿通される入口(14b)と、
前記第2伝達部材(12C)が挿通される第1出口(14c)と、
前記第3伝達部材(12D)が挿通される第2出口(14d)と、を有し、
前記連動ブレーキ操作子(11B)及び前記前輪ブレーキ(8)は、車体幅方向の一方側に設けられ、
前記入口(14b)は、車体前後方向の前面視において、前記ステアリング軸(3)の上下中心軸(3a)から車体幅方向の他方側に傾斜した方向(θ)に指向し、
前記第1出口(14c)及び前記第2出口(14d)は、車体前後方向の前面視において、前記ステアリング軸(3)の上下中心軸(3a)から車体幅方向の一方側に傾斜した方向に指向している請求項5に記載の鞍乗型車両(1)。 - 前記ヘッドパイプ(2a)から車体下後方に延びるダウンフレーム部(2b)を有するメインフレーム(2)を備え、
前記連動装置は、少なくとも一部が、車体幅方向の側面視において、前記ヘッドパイプ(2a)の軸線(2c)と、前記ダウンフレーム部(2b)の軸線(2d)と、前記ボトムブリッジ(5)の底面の前後延長線(5a)と、によって形成される三角形の領域内(S1)に配置される請求項1、4、5又は6に記載の鞍乗型車両(1)。 - 前記ヘッドパイプ(2a)から車体下後方に延びるダウンフレーム部(2b)と、
前輪(7)の上方を覆うフロントフェンダ(32)と、
前記フロントフェンダ(32)の車体後方で前記ダウンフレーム部(2b)の前面を覆うインナーカバー(33)と、を備え、
前記フロントフェンダ(32)は、前記連動装置(14)に対応する凹部(32a)を有し、
前記連動装置(14)は、前記インナーカバー(33)内に配置される請求項3から請求項7までのいずれか1項に記載の鞍乗型車両(1)。
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