JP5545475B2 - ノズルヘッダー - Google Patents

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本発明は、母管に複数個のノズルを取付けてなるノズルヘッダーに関する。
給水ポンプなどの給水源に接続された給水管の先端から水を可及的に広い面積に噴射するために、図4に例示するように、給水管1の先端に接続して用いられるノズルヘッダー2がある。従来のノズルヘッダー2は、1本の母管21に、その長手方向に間隔をおいて複数個のノズル22を取付けてなるものである。
このノズルヘッダー2のいずれのノズル22からも等量の水を噴射させるためには、従来は、口径が異なるノズルを用いるか、口径の調整が可能なノズルを用い、母管21の給水管1との接続位置から近いノズルの口径よりも遠いノズルの口径を大きくすることにより、各ノズルの吐出量が等しくなるようにしていた。また、従来は、給水管1と母管21の内径が同じであった。
特になし
従って、従来は、口径が異なるノズル又は口径の調整が可能なノズルを必要とするので、ノズルヘッダーが高価なものとなる問題があり、また、各ノズルの取付位置に応じた口径の設定又は調整が煩雑であるという問題があった。
下水処理設備の沈砂池に沈殿した土砂を一か所に集めて取り除く方法として、沈砂池の底部の中央に集砂ピットを形成するとともに、沈砂池の底面を集砂ピットの周辺が最深となるように傾斜させ、その沈砂池の両側の側壁の間において底部には主トラフを沈砂池内水流方向と平行に集砂ピットにおいて交差するように、かつ、集砂ピット側が深くなるように形成し、両側の側壁から集砂ピットの底面まで下り傾斜する面(以下、集砂ピット傾斜面という。)を形成し、さらに、沈砂池の底面に沈砂池内水流方向と直交する方向に平行に延びる多数の小トラフを形成し、さらに、主トラフ及び集砂ピット傾斜面の各上端部と、沈砂池の底面を沈砂池内水流方向に複数に区分した各領域と、集砂ピット内とに、それぞれノズルを設置して、沈砂池内の水を排水ポンプで排出した状態(排水状態)で前記ノズルから3kg/cm2未満の低圧力水を噴射させて沈砂池の底面に堆積した土砂を主トラフに流し、その流した土砂を集砂ピットに集め、その集めた土砂を集砂ピット内のノズルで撹拌しながら、集砂ピットに設置した揚砂ポンプにより水と共に汲み上げて汚水沈砂池に移送する低圧集砂方式の除砂方法が、特許文献1に記載されている。
上記低圧集砂方式の除砂方法を実施する沈砂池においては、沈砂池の底面に堆積する土砂を流すために、沈砂池の底面を複数の領域に区分し、各領域の沈砂池を形成する側壁の近傍であって沈砂池の上位にノズルヘッダーを取付けている。その場合、沈砂池底面の土砂を満遍なく効率的に流すことができるように、各ノズルからの吐出量は等しいことが望まれる。また、そのノズルヘッダーは、沈砂池の底面の全面から土砂を流す必要があることから、沈砂池の側壁になるべく近い位置に設置できることが望まれるので、ノズルヘッダーの母管はできるだけ細いことが求められる。
図5に示すように、母管21の給水管1との接続位置の両側に口径が同一のノズル22を等数取付けたノズルヘッダー2を、母管21の長手方向中央において母管と内径が等しい給水管1に接続し、その給水管1を給水源(図示せず)に接続した場合は、給水源からの水は、給水管1及び母管21の中を流れる間に摩擦により圧力を損失する。沈砂池に設置する場合の要望に応じて母管21を細くするほど、各ノズルまでの圧力損失の差が大きくなる。その損失率は給水管1と母管21との接続位置から遠いノズルほど大きくなるため、各ノズルからの吐出量は、図6に示すように、給水管1と母管21との接続位置から遠いノズルほど減少する。従って、このようなノズルヘッダーを用いると、沈砂池の底面に堆積する土砂を満遍なく効率的に流すことができないという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、口径がいずれも同じで、口径調整機能を有しない安価なノズルを用いて、しかも、全ノズルから吐出量の差が少ない水噴射が可能なノズルヘッダーを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、上記目的を達成するため、複数個のノズルを母管の長手方向に間隔をおいて取付けてなるノズルヘッダーにおいて、給水管に接続される分岐管の両端を母管に接続し、その母管の内径を分岐管の内径よりも水の流速及び圧力損失を低減し得る程度に大きくし、前記ノズルをその母管の分岐管の両端との接続位置の両側にそれぞれ等数ずつ等間隔で取付けたことを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明のノズルヘッダーにおいて、全ノズル数が8個である場合に、前記分岐管の両端を母管の両端部から中央側に母管の長さの四分の一の距離を隔てた位置においてその母管に接続したことを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明のノズルヘッダーにおいて、前記分岐管の両端に接続される母管を互いに分離独立したものとし、それらの母管の長手方向中央位置に前記分岐管を接続し、かつ、各母管の分岐管との接続位置の両側にそれぞれ等数のノズルを取付けたことを特徴としている。
本発明によれば、母管の内径が分岐管の内径よりも大きいので、分岐管から母管に流れる水の流速が減速され、かつ、圧力損失が低減され、また、分岐管の両端と母管との接続位置の両側にそれぞれ等数のノズルが等間隔で取付けられているので、各ノズルまでの圧力損失に大きな差が生じないため、各ノズルの吐出量の差が小さくなる。このようなノズルヘッダーを低圧集砂方式の除砂方法を実施する沈砂池の底面の領域に設置する場合は、その領域に堆積する土砂を満遍なく効率的に流すことができる。
ノズルヘッダーの全ノズル数が8個である場合に、分岐管の両端部の母管に対する接続位置を、母管の両端部から母管の長さの四分の一の距離に設定した場合は、各ノズルの吐出量の差が少なく、ノズルヘッダーの使用目的に容易に適合させることができる
分岐管の両端に接続される母管を互いに分離独立したものとし、それらの母管の長手方向中央位置に前記分岐管を接続し、かつ、各母管の分岐管との接続位置の両側にそれぞれ等数のノズルを取付けた場合は、各母管を共通の1直線上に整列させることも、分岐管の各先端の軸線周りの角度を任意に変えることもできるから、水噴射対象面の状況に応じて、二つの母管の向きを変えることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るノズルヘッダーの正面図である。 図1のノズルヘッダーに取付けられているノズルの展開図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は(a)の中央縦断面図、(d)は底面図である。 図1のノズルヘッダーの各ノズルからの吐水状態を示す概念図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノズルヘッダーの正面図である。 従来のノズルヘッダーの正面図である。 図5のノズルヘッダーの各ノズルからの吐水状態を示す概念図である。
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1において、2Aは本発明の1実施の形態に係るノズルヘッダーであり、母管21と複数個のノズル22と分岐管23とからなっている。分岐管23は、その長手方向中間部に、給水管1に接続するための接続部23aを有する。接続部23aの先端には、給水管1の末端に設けられているフランジ1fと重ね合わせてボルトナットなどの固着具により固着されるフランジ23fが設けられている。分岐管23の両端部は母管21に、離れた位置において、好ましくは、母管21の端部から母管に接続されるノズル数に応じて適切な所定の位置に接続されている。図1に例示されたノズルヘッダーは、8個のノズルが取付けられた例であり、この場合は、分岐管23の両端部は母管21の端部から母管の長さの四分の一の位置に接続されている。
母管21に取付けられたノズル22は、図2に例示するように、円管の先端を圧縮して、所定の断面積を有する長円形の噴射口を備えたものであり、母管21の分岐管23の両端部との接続位置21a,21bの両側に等数(図1の例では、2個ずつ)となるように、かつ、各ノズルの間隔が等しくなるように、取付けられている。また、いずれのノズル22も同じ口径を有し、調整機能を有しないものである。母管21の両端部は、そのフランジ21fに閉そく板24を固着して、密閉されている。
そして、分岐管23の内径は給水管1の内径と等しいが、母管21の内径は分岐管23の内径よりも若干大きい。母管21の内径の大きさは、ノズル22の噴射口の断面積を考慮に入れて、分岐管23から母管21に流入する水の流速が下がり、圧力損失が軽減されて、ノズルの吐出圧力と吐出量が各ノズル間で大きな差を生じない程度に設定される。
一例を説明すれば、給水管1から水圧3kg/cm2の水が供給される分岐管23の内径が約100mmで、断面積が約820mm2のノズルを500mm間隔で8個取付けた母管21の場合は、その内径を約125mmに設定すればよい。
すなわち、母管21の内径は、分岐管23内の流速、ノズルの口径(断面積)及びノズル取付数などにより、適宜設定される。各ノズルの吐出量は、ノズル間距離により母管21と分岐管23の両端部との接続位置21a,21bから遠いものほど若干少なくなる。
上記のように、長手方向中間部において給水管1に接続される分岐管23の両端部を母管21に離れた位置において接続し、母管の内径を分岐管の内径よりも流速及び圧力損失を低減し得る程度に大きくし、母管の分岐管の両端との接続位置の両側にそれぞれ等数の所定の断面積を有するノズル22を等間隔に取付けると、各ノズル22での圧力がほぼ等しくなるため、図3に示すように、各ノズル22からの吐出量の差が少なくなる。
従って、このようなノズルヘッダーを沈砂池の両側の側壁に近い位置に設置し、ノズルからその沈砂池の底面に向けて水を噴射させるときは、その底面に満遍なく噴射することができるので、沈砂池の底面に堆積した土砂を満遍なく流すことができる。
図4は、本発明の他の実施の形態に係るノズルヘッダー2Bを示す。このノズルヘッダー2Bは、分岐管23の各端部に対してそれぞれ独立した母管21L,21Rを接続したものである。各母管21L,21Rの分岐管23との接続部21a,21bの両側に等数の、図示の例では2個ずつの、ノズル22が等間隔をおいて取付けられている。
この実施の形態のように、分離独立した母管を用いる場合は、各母管を共通の1直線上に整列させることも、分岐管23の各先端の軸線周りの角度を任意に変えることもできる。すなわち、水噴射対象面の状況に応じて二つの母管21L,21Rの向きを変えることができる。傾斜方向が一様の一つの面、傾斜方向が異なる二つ面などに水を噴射する場合などに使用するのに適している。
上記実施の形態においては、ノズル22にはいずれも同じ口径を有し、口径調整機能を有しないものを用いたが、口径調整機能を有するノズルを用いることもできる。その場合は、ノズルの取付誤差等による噴射量のアンバランスを微調整できるという利点がある。
1 給水管
2A,2B ノズルヘッダー
21,21L,21R 母管
22 ノズル
23 分岐管

Claims (3)

  1. 複数個のノズルを母管の長手方向に間隔をおいて取付けてなるノズルヘッダーにおいて、給水管に接続される分岐管の両端を母管に接続し、その母管の内径を分岐管の内径よりも水の流速及び圧力損失を低減し得る程度に大きくし、前記ノズルをその母管の分岐管の両端との接続位置の両側にそれぞれ等数ずつ等間隔で取付けたことを特徴とするノズルヘッダー。
  2. 請求項1に記載のノズルヘッダーにおいて、全ノズル数が8個である場合に、前記分岐管の両端を母管の両端部から中央側に母管の長さの四分の一の距離を隔てた位置においてその母管に接続したことを特徴とするノズルヘッダー。
  3. 請求項1に記載のノズルヘッダーにおいて、前記分岐管の両端に接続される母管を互いに分離独立したものとし、それらの母管の長手方向中央位置に前記分岐管を接続し、かつ、各母管の分岐管との接続位置の両側にそれぞれ等数のノズルを取付けたことを特徴とするノズルヘッダー。
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