本発明の実施の形態について説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態は、複数の面発光レーザにより構成される面発光レーザ素子である面発光レーザアレイを有する面発光レーザモジュールである。
図1に基づき前述した面発光レーザモジュール910について説明する。この面発光レーザモジュール910では、面発光レーザが2次元的に配列されている面発光レーザアレイチップ950を凹部が形成されているパッケージ(フラットパッケージ)920の底面の略中央部分に設置する。パッケージ920は、セラミックス等により形成されている凹部を有する形成された本体部931と、本体部931の外側に設けられた電極端子932を有している。パッケージ920の凹部の底面には放射状にリード端子が形成されており、このリード端子は、パッケージ920の凹部の底面に設置された面発光レーザアレイチップ950の不図示の電極端子と不図示のボンディングワイヤにより接続されている。尚、このリード端子は、パッケージ920の本体部931の内部において電極端子932と電気的に接続されており、パッケージ920の外側から凹部の内側に電力供給や制御を受けられるように構成されている。また、パッケージ920の凹部が形成されている側の上部には、透明基板であるカバーガラス940が載置されるように構成されており、カバーガラス940をパッケージ920の凹部が形成されている側の上部より被せることにより、パッケージ920の凹部の底面に設置された面発光レーザアレイチップ950を覆うことができる。このように、カバーガラス940は面発光レーザアレイチップ950の光出射面側に載置されるため、面発光レーザアレイチップ950から発せられた光はカバーガラス940を介し、面発光レーザモジュール910より出射される。尚、本明細書中においては、ボンディングワイヤと電極の本数は、説明しやすいように数を選んで記載しているものであり、実際の本数とは異なる。
面発光レーザモジュール910において、カバーガラス940を面発光レーザアレイチップ950の表面と平行に載置してしまうと、戻り光の影響により、面発光レーザにおいて光量変動が生じてしまう。このため、図2に示されるように、カバーガラス940は、面発光レーザアレイチップ950の表面と平行な面に対し傾斜させて載置させている。具体的には、面発光レーザアレイチップ950は、パッケージ920の凹部の底面921に設置されており、面発光レーザアレイチップ950の表面とパッケージ920の凹部の底面921とは略平行となる。カバーガラス940は、正方形状または長方形状に形成されており、また、パッケージ920の正方形または長方形の凹部における対向する2辺に段部924及び926が設けられており、パッケージ920の凹部の底面921に対し傾斜させて載置することができる。尚、図2(a)は、面発光レーザモジュールの斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の一点鎖線2A−2Bにおいて切断した断面図である。また、図2及び後述する図3において、パッケージ920の外側に形成される電極端子932は省略されている。
しかしながら、このようにカバーガラス940を載置する場合、載置されるカバーガラス940の傾斜角度を高くしようとすると、面発光レーザモジュール910が大型化してしまうという問題点を有している。
このため、図3に示すように、パッケージ920の正方形または長方形に形成された凹部の1辺にのみに段部927を設け、カバーガラス940の一方の端を段部927に接触させ、他方の端をパッケージ920の凹部の底面921の角領域部923に接触させて、カバーガラス940を載置する方法が考えられる。尚、図3(a)は、面発光レーザモジュールの上面図であり、図3(b)は、図3(a)の一点鎖線3A−3Bにおいて切断した断面図である。
この方法では、パッケージ920の凹部の底面921の底辺部となる角領域部923と段部927との段差により、載置されるカバーガラス940の傾斜角度を大きくすることができる。このような面発光レーザモジュール910では、パッケージ920の凹部の底面921に設置された面発光レーザアレイチップ950における不図示の電極端子は、パッケージ920の凹部の底面921に形成されたリード端子922とボンディングワイヤ930により接続されている。このため、カバーガラス940を載置する際に、カバーガラス940と面発光レーザアレイチップ950とが接触し、面発光レーザアレイチップ950を傷つけてしまう場合や、ボンディングワイヤ930を切断してしまう場合がある。特に、カバーガラス940を載置するため、カバーガラス940をパッケージ920の凹部の底面921に対し、垂直に近い角度で進入させた場合には、面発光レーザアレイチップ950を傷つけてしまう場合や、ボンディングワイヤ930を切断してしまう場合がある。このような場合、作製される面発光レーザモジュール910は、不良となるため歩留まりが低下してしまう。更には、面発光レーザモジュール910を用いた光走査装置や画像形成装置の信頼性を低下させてしまう場合がある。
また、パッケージ920はセラミックスにより形成されているため、製造の都合上、カバーガラス940よりも若干大きめに凹部が形成されている。このためパッケージ920の所定の位置にカバーガラス940を載置した場合においても、隙間928及び929が生じてしまう。
尚、パッケージ920に載置されたカバーガラス940は、後に接着剤等により固定される。この際、接着剤は、隙間928及び929等より入りすぎないように、粘度の高い接着剤が用いられており、このような粘度の高い接着剤では、隙間928及び929に沿って接着剤を塗布する必要がある。よって、接着の際に時間を要し、作製される面発光レーザモジュール910が高価なものとなってしまう。
(面発光レーザモジュール)
次に、本実施の形態における面発光レーザモジュールについて説明する。図4及び図5に示されるように、本実施の形態における面発光レーザモジュール10は、セラミックスにより形成された凹部を有するパッケージ20、透明基板であるカバーガラス40、面発光レーザアレイチップ50を有している。尚、図4は、本実施の形態における面発光レーザモジュール10において、パッケージ20の所定の領域にカバーガラス40を載置した状態を示すものであり、図4(a)は、上面図であり、図4(b)は、図4(a)における一点鎖線4A−4Bにおいて切断した断面図であり、図4(c)は、図4(a)における一点鎖線4C−4Dにおいて切断した断面図である。また、図5(a)は、カバーガラス40の上面図であり、図5(b)は、カバーガラス40が載置されていない状態のパッケージ20の上面図である。尚、パッケージ20の外側周囲に設けられる面発光レーザアレイチップ50と接続される電極端子は省略されている。
面発光レーザアレイチップ50は、面発光レーザ形成されている面が上向きとなるように、パッケージ20の凹部の底面21において不図示の放熱性の高い接着剤により固定されている。また、面発光レーザアレイチップ50に設けられた不図示の電極端子とパッケージ20の凹部の底面21に設けられた放射状に形成された配線22とはボンディングワイヤ30により電気的に接続されている。パッケージ20において、凹部は長方形状に形成されており、凹部の四辺のうち短辺となる対向する2辺には同じ高さの第1の段部となる段部23、24が設けられており、長辺の1辺には、段部23、24よりも高い第2の段部となる段部25が設けられている。尚、長辺の1辺に対向する長辺の他の1辺となる辺は底辺部26となっており、段部は形成されていない。また、段部23、24の高さは、パッケージ20の凹部の底面21からボンディングワイヤ30までの高さよりも高い位置に形成されている。よって、段部23、24の高さは、面発光レーザアレイチップ50の表面までの高さよりも高い位置となる。上記においては、凹部は長方形状に形成されている場合について記載しているが、正方形状に形成したものであってもよい。
また、パッケージ20において、段部24が設けられている辺と底辺部26となる辺により形成される角(隅)には、突起部27が設けられている。突起部27は、段部23、24と略同じ高さで形成されており、段部24が設けられている辺と底辺部26となる辺により形成される角を中心とした扇形の形状で形成されている。
また、カバーガラス40には、長方形の角の一部をカットすることにより切り欠け部41が形成されている。切り欠け部41は、パッケージ20の突起部27に対応する位置に設けられており、図5(a)に示されるように、短辺の延びる方向に対し角度θとなる直線に沿ってカバーガラス40の角の一部を除去することにより形成されている。
このようなカバーガラス40をパッケージ20の上部に載置した場合、パッケージ20の段部24が形成されている辺において、カバーガラス40とパッケージ20との間に隙間28が形成される。
次に、図6に基づきパッケージ20にカバーガラス40を載置する方法について説明する。最初に、図6(a)に示されるように、カバーガラス40を不図示の真空ピンセットにより保持し、カバーガラス40において切り欠け部41が形成されている側の長辺をパッケージ20の段部23及び24に接触させた後、真空ピンセットよりカバーガラス40の保持を外して、カバーガラス40を矢印Aに示される方向に移動させる。
次に、図6(b)に示されるように、更に、カバーガラス40を矢印Aに示される方向に移動させる。これにより、カバーガラス40に設けられた切り欠け部41とパッケージ20に設けられた突起部27とが接触する。
次に、図6(c)に示されるように、更に、カバーガラス40を矢印Aに示される方向に移動させることにより、切り欠け部41と突起部27が接した状態で、カバーガラス40は移動し、カバーガラス40は、矢印Aと直交する矢印Bの方向に移動する。これにより、カバーガラス40は、段部23が設けられている辺においては、パッケージ20と略隙間が生じないように接し、段部24が設けられている辺において、パッケージ20とカバーガラス40との間に隙間28が形成される。尚、段部25が設けられている辺及び底辺部26となる辺においてもパッケージ20と接するようにカバーガラス40は形成されている。
この後、図7に示すように、カバーガラス40が載置されているパッケージ20の所定の位置に接着剤60及び61を塗布等することにより固定する。これにより、カバーガラス40とパッケージ20とが接着され、本実施の形態における面発光レーザモジュール10が作製される。尚、図7は、作製された本実施の形態における面発光レーザモジュールを示すものであり、図7(a)は、上面図であり、図7(b)は、図7(a)における一点鎖線7A−7Bにおいて切断した断面図であり、図7(c)は、図7(a)における一点鎖線7C−7Dにおいて切断した断面図である。
本実施の形態における面発光レーザモジュール10を作製する際には、2種類の接着剤60と接着剤61が用いられる。接着剤60は、粘度の高い接着剤であり、隙間28が形成されている部分に塗布される。接着剤60は高粘度であり、あまり濡れ広がることはないため、隙間28に沿って塗布することにより、隙間28を塞ぐことができる。また、接着剤61は粘度の低い接着剤であり、段部23が設けられている辺及び段部25が設けられている辺を接着するために用いられる。具体的には、接着剤61を塗布位置61a及び61bに滴下することにより、接着剤61は毛細管現象によりパッケージ20とカバーガラス40との間に入り込む。このようにして、パッケージ20とカバーガラス40とを接着することができる。尚、本実施の形態では、底辺部26となる辺には、接着剤60は塗布されておらず、また、接着剤61も滴下されてはいない。パッケージ20はセラミックスにより形成されており、表面の凹凸は、数μmから数十μm程度である。よって、底辺部26となる辺では、カバーガラス40と接しているが、この部分におけるパッケージ20とカバーガラス40との隙間は狭いため、ゴミ等を侵入させることなく通気性を確保することができる。
本実施の形態によれば、高粘度の接着剤60を塗布する部分は、カバーガラス40の1辺のみであり、他の2辺については低粘度の接着剤を点状に滴下することにより形成することができる。よって、短時間に、低価格で、通気性の高い面発光レーザモジュールを作製することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態における面発光レーザモジュールについて説明する。図8及び図9に示されるように、本実施の形態における面発光レーザモジュール110は、セラミックスにより形成された凹部を有するパッケージ120、透明基板であるカバーガラス140、面発光レーザアレイチップ150を有している。尚、図8は、本実施の形態における面発光レーザモジュール110において、パッケージ120の所定の領域にカバーガラス140を載置した状態を示すものであり、図8(a)は、上面図であり、図8(b)は、図8(a)における一点鎖線8A−8Bにおいて切断した断面図であり、図8(c)は、図8(a)における一点鎖線8C−8Dにおいて切断した断面図である。また、図9(a)は、カバーガラス140の上面図であり、図9(b)は、カバーガラス140が載置されていない状態のパッケージ120の上面図である。尚、パッケージ120の外側周囲に設けられる面発光レーザアレイチップ150と接続される電極端子は省略されている。
面発光レーザアレイチップ150は、面発光レーザ形成されている面が上向きとなるように、パッケージ120の凹部の底面121において不図示の放熱性の高い接着剤により固定されている。また、面発光レーザアレイチップ150に設けられた不図示の電極端子とパッケージ120の凹部の底面121に設けられた放射状に形成された配線122とはボンディングワイヤ130により電気的に接続されている。パッケージ120において、凹部は長方形状に形成されており、凹部の四辺のうち短辺となる対向する2辺には同じ高さの第1の段部となる段部123、124が設けられており、長辺の1辺には、段部123、124よりも高い第2の段部となる段部125が設けられている。尚、長辺の1辺に対向する長辺の他の1辺となる辺は底辺部126となっており、段部は形成されていない。また、段部123、124の高さは、パッケージ120の凹部の底面121からボンディングワイヤ130までの高さよりも高い位置に形成されている。よって、段部123、124の高さは、面発光レーザアレイチップ150の表面までの高さよりも高い位置となる。上記においては、凹部は長方形状に形成されている場合について記載しているが、正方形状に形成したものであってもよい。
また、パッケージ120において、段部124が設けられている辺と底辺部126となる辺により形成される角(隅)には、ピン127が設けられている。ピン127は、金属材料、セラミックス材料により円柱形状に形成されており、表面は研磨されている。ピン
127は、パッケージ120の凹部の底面121に設けられた開口部に差込まれることにより設置されている。ピン127は、段部123、124と略同じ高さまたは、これらよりも高い高さで形成されている。
また、図9(a)に示されるように、カバーガラス140には、長方形の角の一部をカットすることにより切り欠け部141が形成されている。切り欠け部141は、パッケージ120の突起部127に対応する位置に設けられており、短辺の延びる方向に対し角度θとなる直線に沿ってカバーガラス140の角の一部を除去することにより形成されている。
このようなカバーガラス140をパッケージ120の上部に載置した場合、パッケージ120の段部124が形成されている辺において、カバーガラス140とパッケージ120との間に隙間128が形成される。
次に、図10に基づきパッケージ120にカバーガラス140を載置する方法について説明する。最初に、図10(a)に示されるように、カバーガラス140を不図示の真空ピンセットにより保持し、カバーガラス140において切り欠け部141が形成されている側の長辺をパッケージ120の段部123及び124に接触させた後、真空ピンセットよりカバーガラス140の保持を外して、カバーガラス140を矢印Cに示される方向に移動させる。
次に、図10(b)に示されるように、更に、カバーガラス140を矢印Cに示される方向に移動させる。これにより、カバーガラス140に設けられた切り欠け部141とパッケージ120に設けられたピン127とが接触する。
次に、図10(c)に示されるように、更に、カバーガラス140を矢印Cに示される方向に移動させることにより、切り欠け部141とピン127とが接した状態で、カバーガラス140は移動し、カバーガラス140は、矢印Cと直交する矢印Dの方向に移動する。これにより、カバーガラス140は、段部123が設けられている辺においては、パッケージ120と略隙間が生じないように接し、段部124が設けられている辺において、パッケージ120とカバーガラス140との間に隙間128が形成される。尚、段部125が設けられている辺及び底辺部126となる辺においてもパッケージ120と接するようにカバーガラス140は形成されている。
この後、図11に示すように、カバーガラス140が載置されているパッケージ120の所定の位置に接着剤160及び161を塗布等することにより固定する。これにより、カバーガラス140とパッケージ120とが接着され、本実施の形態における面発光レーザモジュール110が作製される。尚、図11は、作製された本実施の形態における面発光レーザモジュールを示すものであり、図11(a)は、上面図であり、図11(b)は、図11(a)における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図であり、図11(c)は、図11(a)における一点鎖線11C−11Dにおいて切断した断面図である。
本実施の形態における面発光レーザモジュール110を作製する際には、2種類の接着剤160と接着剤161が用いられる。接着剤160は、粘度の高い接着剤であり、隙間128が形成されている部分に塗布される。接着剤160は高粘度であり、あまり濡れ広がることがないため、隙間128に沿って塗布することにより、隙間128を塞ぐことができる。また、接着剤161は粘度の低い接着剤であり、段部123が設けられている辺及び段部125が設けられている辺を接着するために用いられる。具体的には、接着剤161を塗布位置161a及び161bに滴下することにより、接着剤161は毛細管現象によりパッケージ120とカバーガラス140との間に入り込む。このようにして、パッケージ120とカバーガラス140とを接着することができる。尚、本実施の形態では、底辺部126となる辺には、接着剤160は塗布されておらず、また、接着剤161も滴下されてはいない。パッケージ120はセラミックスにより形成されており、表面の凹凸は、数μmから数十μm程度である。よって、底辺部126となる辺では、カバーガラス140と接しているが、この部分におけるパッケージ120とカバーガラス140との隙間は狭いため、ゴミ等を侵入させることなく通気性を確保することができる。
本実施の形態によれば、高粘度の接着剤160を塗布する部分は、カバーガラス140の1辺のみであり、他の2辺については低粘度の接着剤を点状に滴下することにより形成することができる。よって、短時間に、低価格で、通気性の高い面発光レーザモジュールを作製することができる。
また、本実施の形態においては、ピン127の側面は研磨されているため、カバーガラス140に設けられた切り欠け部141と接触した際の摩擦が小さい。よって、よりスムースに、カバーガラス140を所定の位置に設置することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、開口部が形成されたパッケージを有する構造の面発光レーザモジュールである。図12及び図13に基づき本実施の形態における面発光レーザモジュールについて説明する。図12に示されるように、本実施の形態における面発光レーザモジュール210は、セラミックスにより形成された凹部を有するパッケージ220、透明基板であるカバーガラス240、面発光レーザアレイチップ250を有している。尚、図12は、本実施の形態における面発光レーザモジュール210において、パッケージ220の所定の領域にカバーガラス240を載置した状態を示す上面図である。
面発光レーザアレイチップ250は、面発光レーザ形成されている面が上向きとなるように、パッケージ220の凹部の底面221において不図示の放熱性の高い接着剤により固定されている。また、面発光レーザアレイチップ250に設けられた不図示の電極端子とパッケージ220の凹部の底面221に設けられた放射状に形成された配線222とはボンディングワイヤ230により電気的に接続されている。パッケージ220において、凹部は長方形状に形成されており、凹部の四辺のうち短辺となる対向する2辺には同じ高さの第1の段部となる段部223、224が設けられており、長辺の1辺には、段部223、224よりも高い第2の段部となる段部225が設けられている。尚、長辺の1辺に対向する長辺の他の1辺となる辺は底辺部226となっており、段部は形成されていない。また、段部223、224の高さは、パッケージ220の凹部の底面221からボンディングワイヤ230までの高さよりも高い位置に形成されている。よって、段部223、224の高さは、面発光レーザアレイチップ250の表面までの高さよりも高い位置となる。上記においては、凹部は長方形状に形成されている場合について記載しているが、正方形状に形成したものであってもよい。
また、パッケージ220において、段部224が設けられている辺と底辺部226となる辺により形成される角(隅)には、突起部227が設けられている。突起部227は、段部223、224と略同じ高さで形成されており、段部224が設けられている辺と底辺部226となる辺により形成される角を中心とした扇形の形状で形成されている。
また、パッケージ220には開口部270が設けられており、開口部270はパッケージ220とカバーガラス240とに囲まれた空間、即ち、面発光レーザアレイチップ250が設置されている空間と不図示の通気路により接続されている。
また、カバーガラス240には、長方形の角の一部をカットすることにより切り欠け部241が形成されている。切り欠け部241は、パッケージ220の突起部227に対応する位置に設けられており、短辺の延びる方向に対し角度θとなる直線に沿ってカバーガラス240の角の一部を除去することにより形成されている。
このようなカバーガラス240をパッケージ220の上部に載置した場合、パッケージ220の段部224が形成されている辺において、カバーガラス240とパッケージ220との間に隙間228が形成される。
このようにパッケージ220上にカバーガラス240を載置した後、図13に示すように、カバーガラス240が載置されているパッケージ220の所定の位置に接着剤260及び261を塗布等することにより固定する。これにより、カバーガラス240とパッケージ220とが接着され、本実施の形態における面発光レーザモジュール210を作製することができる。尚、図13は、作製された本実施の形態における面発光レーザモジュールを示すものであり、図13(a)は、上面図であり、図13(b)は、図13(a)における一点鎖線13A−13Bにおいて切断した断面図である。
本実施の形態における面発光レーザモジュール210を作製する際には、2種類の接着剤260と接着剤261が用いられる。接着剤260は、粘度の高い接着剤であり、隙間228が形成されている部分に塗布される。接着剤260は高粘度であり、あまり濡れ広がることがないため隙間228に沿って塗布することにより、隙間228を塞ぐことができる。また、接着剤261は粘度の低い接着剤であり、段部223が設けられている辺、段部225が設けられている辺、底辺部226となる辺を接着するために用いられる。具体的には、接着剤261を塗布位置261a、261b及び261cに滴下することにより、接着剤261は毛細管現象によりパッケージ220とカバーガラス240との間に入り込む。このようにして、パッケージ220とカバーガラス240とを隙間なく接着することができる。
本実施の形態によれば、開口部270が設けられており、この開口部270からパッケージ220とカバーガラス240とに囲まれた空間までは、後述するように、直線的ではなく、略直角に曲がった部分を複数有する通気路により接続されているため、ゴミ等が開口部270より、パッケージ220とカバーガラス240とに囲まれた空間の内部まで進入することはない。
また、高粘度の接着剤260を塗布する部分は、カバーガラス240の1辺のみであり、他の3辺については低粘度の接着剤を点状に滴下することにより形成することができる。よって、短時間に、低価格で、通気性の高い面発光レーザモジュールを作製することができる。
(パッケージの製造方法)
次に、本実施の形態において用いられる開口部270を有するパッケージ220の製造方法について説明する。パッケージ220はセラミックスとなる層を複数層積層することにより形成されている。
最初に、図14に示されるように、第1の層281上に、第2の層282を形成する。第1層281の表面には配線222が形成されており、第1層281上に形成される第2の層282により、段部223及び224、突起部227が形成される。また、後述する開口部270と接続されるための通気路となる通気路部271が形成される。尚、図14(a)は、この状態を示す上面図であり、図14(b)は、図14(a)における一点鎖線14A−14Bにおいて切断した断面図である。
次に、図15に示されるように、第2の層282上に、第3の層283を形成する。第2層282上に形成される第3の層283により、通気路部271と接続される通気路部272が形成される。尚、図15(a)は、この状態を示す上面図であり、図15(b)は、図15(a)における一点鎖線15A−15Bにおいて切断した断面図である。
次に、図16に示されるように、第3の層283上に、第4の層284を形成する。第3層283上に形成される第4の層284により、通気路部272と接続される通気路部273が形成される。尚、図16(a)は、この状態を示す上面図であり、図16(b)は、図16(a)における一点鎖線16A−16Bにおいて切断した断面図である。
次に、図17に示されるように、第4の層284上に、第5の層285を形成する。第4層284上に形成される第5の層285により、通気路部273と接続される通気路部274が形成される。尚、図17(a)は、この状態を示す上面図であり、図17(b)は、図17(a)における一点鎖線17A−17Bにおいて切断した断面図である。
次に、図18に示されるように、第5の層285上に、第6の層286を形成する。第5層285上に形成される第6の層286により、段部225及び通気路部274と接続される通気路部275が形成される。尚、図18(a)は、この状態を示す上面図であり、図18(b)は、図18(a)における一点鎖線18A−18Bにおいて切断した断面図である。
次に、図19に示されるように、第6の層286上に、第7の層287を形成する。第6層286上に形成される第7の層287により、通気路部275と接続される通気路部276が形成される。尚、図19(a)は、この状態を示す上面図であり、図19(b)は、図19(a)における一点鎖線19A−19Bにおいて切断した断面図である。尚、通気路部276の開口部分が開口部270となる。
以上により、パッケージ220とカバーガラス240に囲まれた空間と開口部270とを接続する通気路を形成することができる。尚、この通気路は、通気路部271、272、273、274、275、276により形成されており、略直角に曲がる部分を複数有している。よって、開口部270より通気路を介し、ゴミ等が侵入しにくい構造となっている。
以上により、本実施の形態における面発光レーザモジュールを製造することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第3の実施の形態における面発光レーザモジュールを形成するパッケージの製造方法であって、第3の実施の形態とは異なるものである。
最初に、図20に示されるように、第1の層291上に、第2の層292を形成する。第1層291の表面には配線220が形成されており、第1層291上に形成される第2の層292により、段部223及び224、突起部227が形成される。また、後述する開口部270と接続されるための通気路となる通気路部301が形成される。尚、図20(a)は、この状態を示す上面図であり、図20(b)は、図20(a)における一点鎖線20A−20Bにおいて切断した断面図である。
次に、図21に示されるように、第2の層292上に、第3の層293を形成する。第2層292上に形成される第3の層293により、通気路部301と接続される通気路部302が形成される。尚、図21(a)は、この状態を示す上面図であり、図21(b)は、図21(a)における一点鎖線21A−21Bにおいて切断した断面図である。
次に、図22に示されるように、第3の層293上に、第4の層294を形成する。第3層293上に形成される第4の層294により、段部225及び通気路部302と接続される通気路部303が形成される。尚、図22(a)は、この状態を示す上面図であり、図22(b)は、図22(a)における一点鎖線22A−22Bにおいて切断した断面図である。
次に、図23に示されるように、第4の層294上に、第5の層295を形成する。第4層294上に形成される第5の層295により、通気路部303と接続される通気路部304が形成される。尚、図23(a)は、この状態を示す上面図であり、図23(b)は、図23(a)における一点鎖線23A−23Bにおいて切断した断面図である。尚、通気路部304の開口部分が開口部270となる。
以上により、パッケージ220とカバーガラス240に囲まれた空間と開口部270とを接続する通気路を形成することができる。尚、この通気路は、通気路部301、302、303、304により形成されおり、略直角に曲がる部分を複数有している。よって、開口部270より通気路を介し、ゴミ等が侵入しにくい構造となっている。
以上により、本実施の形態における面発光レーザモジュールを製造することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態及び第3の実施の形態と同様である。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1から第4の実施の形態における面発光レーザモジュールを用いたマルチビーム光源装置である。
図24、図25及び図26に基づき本実施の形態におけるマルチビーム光源装置について説明する。本実施の形態におけるマルチビーム光源装置は、第1から第4の実施の形態における面発光レーザモジュール601を構成する面発光レーザアレイからの複数の光ビームはカップリングレンズ602のX、Y、Z方向の配置調整によって、カップリングレンズ602の光軸に直交する面内(YZ平面)において光軸に対して各発光源が対称に配列するように、また、各発光源からのビームが平行光束となるように調整され、出射される。
アパーチャーミラー603は板状に形成され、光源側の面を反射面となし、光軸と直交する面から主走査方向に所定角度、45°だけ傾けられて配備される。中央部には光束径よりも小さい径の開口が設けられ、開口を通過した光束はカップリングレンズ及び、光束分割プリズム708を介し図示していないポリゴンミラーへと向かう。また、開口を通過せず反射された周辺光は収束レンズ604を介して光検知センサ610に導かれて、図示していないポリゴンミラー各面での走査開始後、画像領域に至るまでの時間を利用して、順次点灯して各々のビーム強度を検出し、基準値と比較して各発光源の出力が所定値となるように注入電流をセットする。セットされた注入電流は次の検出時まで保持され、ビーム強度を一定に保つ。尚、光束分割プリズム708は、ハーフミラー面641とミラー面642により構成されている。
光検知センサ610を面発光レーザモジュール601が実装される制御基板606上に実装し、外部ノイズ等による検出信号への影響がないようにしている。制御基板606には上記発光源の発光出力を一定に保持するパワー制御回路や画像情報に応じて発光源を各々変調する駆動回路が形成され、カップリングレンズ602とともに一体的に保持され、マルチビーム光源装置を構成する。
また、本実施の形態におけるマルチビーム光源装置は、カップリングレンズ602を保持するホルダ部材608と、第1から第4の実施の形態における面発光レーザモジュール601を実装した制御基板606を保持するベース部材607とをカップリングレンズ602の光軸に直交する基準面で接合し、ねじ締結することで一体化した構成としている。
ベース部材607とホルダ部材608とは、本実施の形態では、いずれもアルミダイキャストにより形成しているが、略同一の熱膨張係数であれば別材質であってもよい。ベース部材607には上記した面発光レーザモジュール601における面発光レーザアレイからのビーム強度を検出するためのアパーチャーミラー603、収束レンズ604および制御基板606上に実装される光検知センサ610へとビームを折り返すミラー605が配備される。
また、本実施の形態におけるマルチビーム光源装置は、板金で成型された付勢部材609の板ばね部620により制御基板606裏側から押圧するとともに、3点のアンカー部(折り曲げ部)618を制御基板606の穴619に嵌合して制御基板606を図示していない基準面に寄せ組みすることで、ベース部材607に対する面発光レーザモジュール601における面発光レーザアレイの位置決めがなされる。
ベース部材607には、3箇所のスタッド616が形成され、制御基板606に開けた貫通穴617を貫通して、スタッド616に付勢部材609をネジで締結することで、制御基板606を支持する。付勢部材609にて制御基板606を裏側から押圧しており、制御基板606をベース部材607等に直接締結しない構成なので、制御基板606に負荷をかけずに確実に、ベース部材607に面発光レーザモジュール601を構成する面発光レーザアレイを位置決め、支持することができる。尚、付勢部材609は弾性を有する材質であれば、樹脂等で形成しても良く、板ばね部の代わりに、ゴム等の弾性部材を挟み込んでもよい。
また、図26に示されるように、カップリングレンズ602は、ホルダ部材608に形成された円筒面630に、コバ部との隙間に接着剤を充填して固定され、カップリングレンズ602の光軸651に直交する面650と上記面発光レーザモジュール601における面発光レーザアレイの配列面との平行性を合わせるため、当接面648(当接面648はカップリングレンズ602の光軸651に直交する面650と平行になるようあらかじめ設計されている)に面発光レーザモジュール601における面発光レーザアレイの表面側を突き当てて搭載する。こうすることにより、光軸方向の位置が決まり、光ビームの出射方向が当接面648と直交させることができる。
尚、符号611はブラケット部材、614、615は斜面、624は位置決めピン、625はアーム部、626は調節ネジ、627はスプリング、631は位置決め穴、632はネジ、633は補強部材をそれぞれ示す。
また、本実施の形態におけるマルチビーム光源装置は、ブラケット部材611に設けられた嵌合穴634にホルダ部材608の円筒部を挿入し、板ばね612の係止爪629を円筒部溝に係合して、光軸651に直交する面内で回動可能に支持され、後述するポリゴンミラーやfθレンズが支持される不図示のハウジングに固定される。
本実施の形態におけるマルチビーム光源装置では、第1から第4の実施の形態における面発光レーザモジュールを用いているので、低価格で信頼性の高いマルチビーム光を得ることができる。
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第5の実施の形態におけるマルチビーム光源装置を用いたマルチビーム走査装置及び画像形成装置である。
図27に基づき本実施の形態におけるマルチビーム走査装置について説明する。このマルチビーム走査装置は、4ステーションを走査する光走査装置であり、マルチビーム光源装置からの4ステーション分に相当する複数の光ビームを、単一のポリゴンミラーで走査し、対向する方向に偏向、走査することで各感光体ドラムを走査するように一体化された光走査ユニットの構成を示す。
4つの感光体ドラム701、702、703、704は転写体の移動方向705に沿って等間隔で配列され、順次異なる色のトナー像を転写し重ね合わせることでカラー画像を形成する。図示するように各感光体ドラムを走査する光走査装置は一体的に構成され、2段に構成されたポリゴンミラー706により各々光ビームを走査する。
マルチビーム光源装置707、709は同一方向に走査する2ステーションに対し各2ずつ配備され、光束分割プリズム708、710を用い、上記ポリゴンミラー706の上下面に対応して上下2段に光ビームを分岐し、各感光体ドラムに交互に各ステーションに対応した画像を形成していく。
マルチビーム光源装置707、709、および結像光学系を構成するfθレンズ、トロイダルレンズは、ポリゴンミラー706の回転軸を含み感光体ドラム軸に平行な対称面に対し対称に配備され、ポリゴンミラー706により、各マルチビーム光源装置からの光ビームは相反する方向に偏向され、各感光体ドラムに導かれる。
従って、各ステーションにおける走査方向は対向する各感光体ドラムで相反する方向となり、記録領域の幅、言いかえれば主走査方向の倍率を合わせ、一方の走査開始端ともう一方の走査終端とが一致するように静電像を書き込んでいく。
尚、液晶偏向素子717及び718では液晶の配列方向に合った偏光成分のみが偏向されるため、発光源の偏光方向は一方向に揃えている。
光束分割プリズム708は、図24に示されるように、ハーフミラー面641とハーフミラー面と平行なミラー面642とを有し、マルチビーム光源装置707からの複数のビーム771は、各々ハーフミラー面で1/2の光量が反射され、残りの1/2は透過して上下に2分岐され、方向を揃えて副走査方向に所定間隔をもって出射される。
液晶偏向素子717は、光束分割プリズム708の出射面の上下に各々配備され、電圧を印可すると、副走査方向に電位分布を生じて液晶の配向が変化し、屈折率分布を発生して光線の方向を傾けることができ、印可電圧に応じて感光体ドラム面上の走査位置を可変できる。
シリンダレンズ713、714は、分岐された各光ビームに対応して2段に設けられ、その一方は光軸を中心に回動調整可能に取り付けられ、各々の焦線が平行となるように調節できるようにしており、副走査方向に6mm間隔に2段に構成されたポリゴンミラー706の各々に入射される。
シリンダレンズ713、714は少なくとも副走査方向に正の曲率を有し、ポリゴンミラー面上で、一旦ビームを収束させることで、後述するトロイダルレンズとにより偏向点と感光体面上とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系をなす。
ポリゴンミラー706は4面で、同一の偏向面により各発光点列からの複数のビームを一括で偏向、走査する。上下のポリゴンミラーの位相は45°ずつずれており、光ビームの走査は上下段で交互に行われる。
結像光学系はfθレンズとトロイダルレンズとからなり、いずれもプラスチック成形によるもので、fθレンズ720は主走査方向にはポリゴンミラー706の回転に伴って感光体面上でビームが等速に移動するようにパワーを持たせた非円弧面形状となし、層状に2段に積み重ねて一体に構成される。
トロイダルレンズを通った走査ビームは各々、走査開始側に配備された光検知センサ738、740、走査終端側に配備された光検知センサ739、741に入射され、光検知センサ738、740の検出信号を基に各々発光源毎の同期検知信号を生成し、書込み開始のタイミングをとる。
一方、走査終端側に配備された光検知センサ739、741の検出信号は、各々走査開始側に配備された光検知センサ738、740からの光ビームの検出時間差を計測し、あらかじめ定められた基準値と比較して、各発光源を変調する画素クロックを可変することで、後述するように、主走査方向の倍率のずれを補正している。
更に、図28もあわせて、副走査断面における光線の経路について説明する。
複数の発光源はカップリングレンズの光軸に対して対称に配置され、カップリングレンズによって平行光束に変換された各光線はマルチビーム光源装置707から出射した後、カップリングレンズの後側焦点の近傍で一旦収束し、主走査方向には光線間隔を広げつつfθレンズ720に入射され、副走査方向にはシリンダレンズ713、714により、ポリゴンミラー偏向面の近傍で再度収束されてfθレンズ720に入射される。
また、上記したように、マルチビーム光源装置707からの複数の光ビームは光束分割プリズム708によって副走査方向上下に2分岐され、各ステーションに対応する感光体ドラムに導かれる。
光束分割プリズム708の下段から出射した複数の発光源からのビーム771は、シリンダレンズ713を介してポリゴンミラー706の下段で偏向、走査され、fθレンズ720の下段を通って折返しミラー729によりトロイダルレンズ723に入射され、折返しミラー730を介して感光体ドラム701上にスポット状に結像し、第1の画像形成ステーションとしてイエロー色の画像情報に対応した潜像を形成する。
光束分割プリズム708の上段から出射した複数の発光源からのビーム772は、シリンダレンズ714を介しポリゴンミラー706の上段で偏向、走査され、fθレンズ720の上段を通って折返しミラー727によりトロイダルレンズ724に入射され、折返しミラー728を介して感光体ドラム702上にスポット状に結像し、第2の画像形成ステーションとしてマゼンタ色の画像情報に対応した潜像を形成する。
同様に、対向するステーションにおいても、マルチビーム光源装置709からの複数の光ビームは、光束分割プリズム710によって上下に2分岐され、液晶偏向素子718を介し各ステーションに対応する感光体ドラムに導かれる。
光束分割プリズム710の下段から出射した複数の発光源からのビーム773は、シリンダレンズ715を介してポリゴンミラー706の下段で偏向、走査され、fθレンズ721の下段を通って折返しミラー732によりトロイダルレンズ726に入射され、折返しミラー733を介して感光体ドラム704上にスポット状に結像し、第4の画像形成ステーションとしてブラック色の画像情報に対応した潜像を形成し、光束分割プリズム710の上段から出射した複数の発光源からのビーム774は、シリンダレンズ716を介してポリゴンミラー706の上段で偏向、走査され、fθレンズ721の上段を通って折返しミラー735によりトロイダルレンズ725に入射され、折返しミラー736を介して感光体ドラム703上にスポット状に結像し、第3の画像形成ステーションとしてシアン色の画像情報に対応した潜像を形成する。
尚、本実施の形態では、トナー像の検出パターンの検出手段を有している。トナー像の検出パターンの検出手段は、照明用のLED素子754と反射光を受光するフォトセンサ755、および一対の集光レンズ756とからなり、主走査ラインと約45°傾けたラインパターンを形成し、転写ベルトの移動に応じて検出時間差を読み取っていく。本実施の形態では、本実施例では中央部と左右両端部との3ヶ所に配備することで、左右両端部の差により傾きを、中央から左右端部までの各倍率を検出し、基準となるステーションに合わせ込むように補正する。言い換えれば、長時間ビームスポット位置が安定的に保持されていることが好ましい。
本実施の形態では、第1から第6における面発光レーザモジュールを用いているため、信頼性が高く結像位置を感光体面上に精度良く調整でき、高精度信頼性の高い潜像を得ることができる。
次に、図29に基づき、本実施の形態における画像形成装置について説明する。
本実施の形態における画像形成装置は、感光体ドラム801の周囲には感光体を高圧に帯電する帯電チャージャ802、本実施の形態における光走査装置800により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ803、現像ローラにトナーを補給するトナーカートリッジ804、ドラムに残ったトナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース805が配置される。感光体ドラムへは上記したようにポリゴンミラー1面毎の走査により複数ライン、実施例では4ライン同時に画像記録が行われる。
上述した画像形成ステーションは転写ベルト806の移動方向に並列され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像が転写ベルト上にタイミングを合わせて順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
各画像形成ステーションはトナー色が異なるだけで、基本的には同一構成である。
一方、記録紙は給紙トレイ807から給紙コロ808により供給され、レジストローラ対809により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて送りだされ、転写ベルトよりカラー画像が転写されて、定着ローラ810で定着して排紙ローラ812により排紙トレイ811に排出される。
本実施の形態における画像形成装置は、第1から第6におけるいずれかの面発光レーザモジュールを用いているため、結像位置を感光体面上に精度良く調整でき、高精度で信頼性の高い画像を得ることができる。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。