JP5541055B2 - メタノール合成触媒およびメタノール合成方法 - Google Patents

メタノール合成触媒およびメタノール合成方法 Download PDF

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Description

本発明は、メタノール合成触媒、ならびに、二酸化炭素(CO)および水素(H)からメタノールを合成するメタノール合成方法に関する。
メタノールは主要化学品の一つであり、古くからメタノール合成反応における触媒の研究が行われてきており、一酸化炭素と水素の混合ガス(合成ガス)からのメタノール合成において、酸化銅−酸化亜鉛を含む三元または四元系触媒が、高い活性を有していることが知られている(特許文献1〜3等参照)。
メタノールは、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)、石油化学中間製品などの原料として、あるいは燃料として、今後需要が増えてゆくことが予想されている。
一方、人間の社会的活動に伴って、発電所、工場、自動車等から大気中に排出される二酸化炭素は地球温暖化の主たる原因であることが知られており、近年、この二酸化炭素の排出量を削減することが地球環境保護における大きな課題となっている。そのため、発電所等の排煙や大気中の二酸化炭素を固定化し除去する方法が種々検討されている。
二酸化炭素を水素と反応させてメタノールに変換し再利用する方法は、生物的あるいは物理的に二酸化炭素を固定化する方法と比較してエネルギーの低減が図れる可能性があり、二酸化炭素の固定化の手段として期待される。しかしながら、二酸化炭素と水素からのメタノール合成法に関しては報告例も少なく、未だ基礎研究の段階である。
例えば、特許文献4には、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物を担体として、銅と酸化亜鉛を担持した触媒を用いて、二酸化炭素と水素からメタノールを合成する方法が提案されている。特許文献4に開示されている触媒は、銅の担持率が1〜30質量%であり、実施例中では、アルミナを担体として、銅と亜鉛が当モルで、銅の担持率が5質量%の触媒を用いて、二酸化炭素と水素からのメタノール合成の事例が示されているが、反応温度220℃、反応圧力30Kg/cm(2.94MPa)と高温高圧の過酷な条件下で、反応を実施するものである。
特許文献5には、銅、亜鉛、アルミニウムおよびガリウムの各酸化物と、アルカリ土類金属元素およびランタンの金属酸化物の一種以上とを含有するメタノール合成触媒を用いて、二酸化炭素と水素の混合ガスからメタノールを合成する方法が提案されている。このメタノール合成触媒は従来触媒に比べてメタノール合成活性が高いと報告されているが、当該方法も、反応温度210℃、反応圧力40Kg/cmの高温高圧の過酷な条件が必要である。
比較的温和な条件でメタノールを合成する方法として、二酸化炭素と水素の混合ガスに、触媒存在下でマイクロ波を照射する方法が試みられている(特許文献6〜8)。
特許文献6には、銅、亜鉛、クロム、アルミニウム、金、ジルコニウムのいずれかの元素を1種類以上含む触媒を用いて、マイクロ波を照射して、二酸化炭素と水素からメタノールを合成する方法が開示され、酸化銅−酸化亜鉛触媒、酸化銅−酸化亜鉛−酸化クロム触媒、酸化銅−酸化亜鉛−酸化アルミニウム触媒を用いた合成例が示されている。特許文献7には、マイクロ波を照射して二酸化炭素と水素からメタノールを合成する場合に、導入する二酸化炭素と水素の混合ガスの空間速度を規定する方法が開示されており、触媒として酸化銅−酸化亜鉛を用いた合成例が示されている。しかしながら、特許文献6および7の方法では、使用した触媒の単位重量あたりに生成するメタノールの量が少なく、反応効率の面で課題がある。
特許文献8には、銅酸化物、亜鉛酸化物およびランタン酸化物からなる触媒を用いて、二酸化炭素と水素からメタノールを合成する方法が開示されており、使用した触媒の単位重量あたりに生成するメタノールの量は増加するが、触媒が脆く、繰り返し利用できないという課題がある。
特開昭47−009560号公報 特開昭54−026983号公報 特開昭59−029037号公報 特開平4−122444号公報 特開平10−277392号公報 特開平2006−169095号公報 特開2010−037229号公報 特開2009−215263号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、マイクロ波を用いたメタノール合成において繰り返し利用可能で、しかも低温、低圧の温和な条件下で二酸化炭素と水素からメタノールを効率良く合成することが可能なメタノール合成触媒、ならびに、それを用いたメタノール合成方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した。そして、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムおよび酸化ランタンを特定比率で含有する金属酸化物を触媒成分とし、これにバインダーを添加し成形したものを触媒とすることにより、マイクロ波によるメタノール合成において繰り返し利用することが可能で、しかも温和な条件で二酸化炭素と水素の混合ガスからメタノールを合成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)銅酸化物、亜鉛酸化物、アルミニウム酸化物およびランタン酸化物からなる触媒成分にバインダーとしてグラファイトを添加して成形してなる触媒であって、触媒成分中の銅元素と亜鉛元素のモル比率が98:2〜30:70で、銅、亜鉛、アルミニウムおよびランタン元素の合計モル数に対するランタン元素の比率が0.5〜2モル%且つアルミニウム元素の比率が2〜8モル%であることを特徴とするメタノール合成触媒。
(2)前記触媒が、触媒成分100質量部に対するバインダーの比率が0.5〜5質量部である前記(1)に記載のメタノール合成触媒。
(3)前記触媒が、触媒成分とバインダーの混合物を円柱形状に成形してなる触媒であり、その短軸方向の圧縮強度が30〜150Nである前記(1)または(2)に記載のメタノール合成触媒。
)触媒を充填した触媒充填層に、二酸化炭素と水素の混合ガスを導入し、該触媒充填層にマイクロ波を照射してメタノールを合成する方法において、前記触媒として、前記(1)〜()のいずれかに記載のメタノール合成触媒を用いることを特徴とするメタノール合成方法。
)反応圧が、0.1〜1.0MPaである前記()に記載のメタノール合成方法。
本発明によれば、適度な強度を有し、マイクロ波を用いたメタノール合成において繰り返し利用可能で、しかも低温、低圧の温和な条件下で二酸化炭素と水素からメタノールを効率良く合成することが可能なメタノール合成触媒を提供することができる。また、本発明のメタノール合成触媒を用い、当該触媒の存在下でマイクロ波を照射することにより、低温、低圧下で二酸化炭素と水素からメタノールを効率よく合成することができる。
本発明の実施例で用いた反応装置の概略構成図である。 同反応部の構成を示す図である。
本発明のメタノール合成触媒は、その触媒成分が銅酸化物、亜鉛酸化物、アルミニウム酸化物およびランタン酸化物からなり、銅酸化物と亜鉛酸化物の比率は、両元素のモル比で、銅:亜鉛=98:2〜30:70であることが好ましく、より好ましくは90:10〜50:50、特に好ましくは80:20〜60:40である。両元素の比率がこの範囲であれば、マイクロ波を照射することにより、低温、低圧下で二酸化炭素と水素からメタノールを効率よく合成することができる。二酸化炭素の触媒への吸着は銅が主体であるが、亜鉛を混ぜることで、水素との反応の活性化エネルギーを下げる(即ち、反応が低温で進行する)ことができ、一方、亜鉛が多くなりすぎると二酸化炭素の銅への吸着が阻害される(即ち、反応効率が下がる)恐れがある。
触媒成分中のランタン酸化物の量は、銅元素、亜鉛元素、アルミニウム元素およびランタン元素の合計モル数に対して、ランタン元素として0.5〜2モル%、好ましくは1〜1.5モル%である。ランタン元素の比率が0.5モル%未満の場合および2モル%を超える場合は、触媒の単位重量あたりに生成するメタノール量が低下する。
触媒成分中のアルミニウム酸化物の量は、銅元素、亜鉛元素、アルミニウム元素およびランタン元素の合計モル数に対して、アルミニウム元素として2〜8モル%、好ましくは3〜7モル%である。アルミニウム元素の比率が2モル%以上あれば、繰り返し利用可能な圧縮強度を有する触媒となる。アルミニウム元素の比率が高くなるに従って触媒の圧縮強度は高くなるが、8モル%を超えると触媒の単位重量あたりに生成するメタノール量が低下する。
本発明のメタノール合成触媒は、上記の触媒成分にバインダーを添加して成形することによって製造される。
触媒成分に添加するバインダーとしては、カーボンブラック、グラファイトなどを用いることができるが、グラファイトが好適に用いられる。グラファイトは、バインダー機能を有するとともに、マイクロ波を吸収する機能も有するからである。
バインダーの添加量は、触媒成分100質量部に対して、0.5〜5質量部、好ましくは1〜3質量部である。
本発明のメタノール触媒における触媒成分は、既知の方法に準じて製造することができる。より高活性な触媒が得られ易いという点から、触媒成分は、銅、亜鉛、アルミニウムおよびランタンの塩の水溶液から共沈法により製造することが好ましい。銅、亜鉛、アルミニウムおよびランタンの原料には、触媒毒を含まない硝酸塩、酢酸塩等の塩を使用するのが好ましく、特に硝酸塩が好ましい。これらの原料塩を水に溶かして、濃度0.01〜1.0モル/Lの水溶液として用いる。
沈澱剤としては、沈澱率が高く高活性な触媒が得られることから、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムが好ましく、特に炭酸ナトリウムが好ましい。沈澱剤は水に溶かして、濃度0.01〜1.0モル/Lの水溶液として用いる。
例えば、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウムおよび硝酸ランタンの所定量を水に溶解し、50〜90℃に加温した状態で、撹拌しながら、沈殿剤水溶液を滴下して沈殿物として触媒成分を生成することができる。あるいは、逆に、50〜90℃に加温した沈殿剤水溶液中に、撹拌しながら硝酸亜鉛の水溶液を滴下して懸濁液を得た後、硝酸銅の水溶液を懸濁液に滴下し、次いで硝酸アルミニウム水溶液、さらに硝酸ランタン水溶液を滴下してもよい。滴下は連続して1分間〜4時間程度行い、その後、1時間〜4時間程度、撹拌、熟成する。沈澱物を濾過等により分離した後、Na分を除去するために十分水洗し、80℃程度で乾燥後粉砕して触媒成分を得ることができる。
次いで、得られた触媒成分粉末に、グラファイト粉末等のバインダー粉末を添加し、十分に混和した後、一軸成形器を用いて円柱状に成形した後、成形物を電気炉等で300〜500℃で焼成する。焼成後、水素と窒素の混合ガスにて還元して触媒を製造することができる。
上記の方法で製造される本発明のメタノール合成触媒は、円柱状成形物の短軸方向の圧縮強度が、30〜150Nの範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜110Nである。圧縮強度が30N以上であれば、反応時に触媒が崩れたり割れたりすることがなく、二酸化炭素と水素からのメタノール生成が効率良く進行し、触媒単位質量あたりのメタノール生成量が向上する。一方、圧縮強度が150N以下であれば、触媒中の空隙が減少し二酸化炭素と水素が触媒中を効果的に流通しなくなるためと推定される触媒単位質量あたりのメタノール生成量の低下を防ぐことができる。
本発明のメタノール合成触媒は、その詳細な理由は不明であるが、酸化銅、酸化亜鉛および酸化アルミニウムの三元系触媒あるいは酸化銅、酸化亜鉛および酸化ランタンの三元系触媒に対して、強度および触媒単位質量当りのメタノール収量にシナジー効果を発揮する。すなわち本発明の酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムおよび酸化ランタンの四元系触媒は、当該四元系触媒と酸化アルミニウムの含有量が同じで、酸化ランタンを酸化亜鉛に置き換えた酸化銅、酸化亜鉛および酸化アルミニウムの三元系触媒あるいは酸化ランタンの含有量が同じで、酸化アルミニウムを酸化亜鉛に置き換えた酸化銅、酸化亜鉛および酸化ランタンの三元系触媒のそれぞれよりも高い強度を有し、また触媒単位質量当りのメタノール収量も高い。
したがって、本発明の触媒は、十分な圧縮強度と十分な触媒活性を有しているため、加熱状態にある触媒中の微細な空隙を二酸化炭素と水素の混合ガスが流通しても触媒が崩れたり割れたりすることがなく、耐久性のある触媒として長時間に渡って繰り返し利用することが可能である。
本発明のメタノール合成反応では、触媒を充填した触媒充填層に、二酸化炭素と水素の混合ガスを導入し、該触媒充填層にマイクロ波を照射してメタノールを合成する方法において、前記触媒として、本発明のメタノール合成触媒を用いる。マイクロ波を照射しながら触媒充填槽中に二酸化炭素と水素の混合ガスを1回乃至複数回流通させるだけなので、低温かつ低圧でメタノールへの転化を効果的に進行させることができる。
本発明のメタノール合成に使用する反応装置としては、触媒充填層にマイクロ波を照射することができ、当該触媒充填層中に二酸化炭素と水素の混合ガスを流通できるものであれば特に限定されない。例えば、特開2010−189350号公報に記載された反応装置(図1、2に概略構成図を示す)等を挙げることができる。
本発明のメタノール合成方法においては、原料ガスとして、二酸化炭素と水素からなるガスを用いることが好ましいが、二酸化炭素は少なくとも二酸化炭素が含まれているガスであればよい。石炭、石油、LNG、プラスチックの燃焼により生じた燃焼排ガスや、熱風炉排ガス、高炉排ガス、転炉排ガス、燃焼排ガス等の製鉄所副生ガスのような、二酸化炭素を1〜40容量%含有する排ガス等も使用することができる。原料ガスには、窒素ガスなどの不活性ガスが含まれていてもよい。
二酸化炭素と水素の比率(モル比)は特に限定されないが、好ましくは5〜50:50〜95、より好ましくは8〜30:70〜92、特に好ましくは10〜20:80〜90である。水素の比率が高いほどメタノール転化率が高くなるが、二酸化炭素固定化の面からは二酸化炭素の比率が高い方が好ましいので、混合比率は上記範囲が望ましい。
本発明のメタノール合成反応においては、前記触媒を用いることにより、低圧下で、二酸化炭素と水素からメタノールを合成することができ、反応圧は、常圧(0.1MPa)〜1.0MPa、好ましくは0.2〜1.0MPa未満、特に好ましくは0.6〜0.8MPaである。
また、反応温度は、100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲である。
反応ガスの流速は任意であるが、空間速度(SV)として500〜50000hr−1が好ましい。
照射するマイクロ波の出力や周波数、照射方法は、特に限定されるものではなく、反応温度が所定の範囲に保持できるよう電気的に制御すればよい。出力が低すぎる場合は反応の進行が遅くなり、出力が高すぎる場合はマイクロ波の利用率が悪くなる。マイクロ波の周波数は、通常、1GHz〜300GHzである。1GHz未満又は300GHzを超える周波数範囲では、反応促進効果が不十分となる。
マイクロ波の照射は連続照射、間欠照射のいずれの方法であってもよく、照射時間および照射停止時間は、反応用原料ガスの供給速度や反応触媒の使用量等に応じて適宜に決定すればよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(触媒製造例1)
1000mlの水に、85.41g(0.354モル)の試薬特級硝酸銅・3水和物、39.06g(0.131モル)の試薬特級硝酸亜鉛・6水和物、5.80g(0.0155モル)の試薬特級硝酸アルミニウム・9水和物および2.28g(0.00527モル)の試薬特級硝酸ランタン・6水和物を溶解させた金属塩水溶液を調製し、80℃に加温した。
別に、1000mlの純水に53.48gの試薬特級炭酸ナトリウムを溶解した水溶液を調製し60℃に加温した。上記の金属塩水溶液を撹拌しながら、上記の炭酸ナトリウム水溶液を5ml/minで滴下し沈澱を生成させた。pHが9.01になった時点で、炭酸ナトリウム水溶液の滴下をやめ、その後、撹拌下に液温を80℃に2時間保った後、さらに80℃のまま2時間静置し熟成させた。熟成後、沈澱を濾過、洗浄し、80℃で一晩乾燥してから、乾燥物を乳鉢にて粉砕し触媒成分粉末を得た。この触媒成分の各金属元素のモル比は、Cu:Zn:Al:La=70:26:3:1である。
得られた触媒成分粉末48.5gに、グラファイト粉末0.82gを添加し、ピストン・乳鉢スターラーで1時間混和し、十分に混合した。
上記混合物を圧力5kNにて一軸加圧成型器を用いて、直径5mm、長さ3mmの円柱状に成形した後、成形物を、マッフル炉(電気炉)を用いて、350℃で3時間空気を流通させながら焼成した。昇温速度は3℃/minとした。
焼成した触媒は、窒素雰囲気下で230℃まで昇温(昇温速度6℃/min)し、ついで水素:窒素=1:9のガスにて230℃、2時間還元した。
得られた触媒を触媒Aとする。
(触媒製造例2)
試薬特級硝酸亜鉛・6水和物を36.06g(0.121モル)、試薬特級硝酸アルミニウム・9水和物を9.67g(0.0258モル)用い、触媒製造例1と同様の方法にて触媒Bを製造した。
触媒Bを構成する触媒成分の各金属元素のモル比は、Cu:Zn:Al:La=70:24:5:1である。
(触媒製造例3)
試薬特級硝酸亜鉛・6水和物を33.05g(0.111モル)、試薬特級硝酸アルミニウム・9水和物を13.54g(0.0361モル)用い、触媒製造例1と同様の方法にて触媒Cを製造した。
触媒Cを構成する触媒成分の各金属元素のモル比は、Cu:Zn:Al:La=70:22:7:1である。
(触媒製造例4)
試薬特級硝酸亜鉛・6水和物を30.05g(0.101モル)、試薬特級硝酸アルミニウム・9水和物を17.03g(0.0454モル)用い、触媒製造例1と同様の方法にて比較触媒Dを製造した。
比較触媒Dを構成する触媒成分の各金属元素のモル比は、Cu:Zn:Al:La=70:20:9:1である。
(触媒製造例5)
硝酸ランタンは用いずに、試薬特級硝酸亜鉛・6水和物を40.56g(0.136モル)用いて、炭酸ナトリウムの滴下を終了するpHを7.74としたこと以外は、触媒製造例1と同様の方法にて比較触媒Eを製造した。
比較触媒Eを構成する触媒成分の各金属元素のモル比は、Cu:Zn:Al=70:27:3である。
(触媒製造例6)
硝酸アルミニウムは用いずに、試薬特級硝酸亜鉛・6水和物を43.57g(0.147モル)用いて、炭酸ナトリウムの滴下を終了するpHを9.01とし、触媒製造例1と同様の方法にて比較触媒Fを製造した。
比較触媒Fを構成する触媒成分の各金属元素のモル比は、Cu:Zn:La=70:29:1である。
[触媒強度の測定]
触媒A〜Cおよび比較触媒D〜Fについて、木屋式硬度計(0〜294.0N 藤原製作所製)を用いて、強度を測定した。円柱状の触媒あるいは比較触媒を、円柱状の触媒断面が側面になるように装置にセットし、触媒が崩れるまで圧をかけていき、各触媒の破壊強度を測定した。測定値は5〜10回の平均値をとった。触媒強度は、硬度計表記のN(ニュートン)で示す。
[反応装置]
図1に概略構成、図2に反応部の構成を示す反応装置を用いて、反応を実施した。図1において、1、2はマスフローコントローラー(流量調整手段)、3は二酸化炭素と水素の混合ガスを収容するバッファータンク(気体混合部)、4は反応管、5はマイクロ波装置、6はガス加熱用リボンヒーターである。反応管4には、圧力計が設けてあり、反応管4の前流には圧力調整用のレギュレータ、反応管4の後流には反応系内の圧力維持のための背圧弁が設けてある。各装置はSUS管およびテフロン(登録商標)チューブで連結されている。7、8は、それぞれ、混合ガスまたは反応生成物をサンプリングするためのサンプリング口である。
図2は、反応管4を拡大して示す説明図である。該反応管4は、マイクロ波透過性の耐圧用ガラス管41、触媒43を充填したガラス管42、触媒43を充填するためのガラスフィルター44から構成されており、45は触媒層の温度測定用熱電対、46は熱電対を設置するための鞘である。 反応管4への入口から導入された混合気体は、反応管4の中を通過し、出口から送出される。図2の矢印は混合気体が流れる方向を示している。入口から導入された気体が上昇する間に触媒層で反応が起き、出口から反応管4を出た気体は、リボンヒーター6で加熱された配管を通って排気される。サンプリング口8から反応生成物を随時採取して分析する。
(実施例1)
触媒A〜Fを用いて反応を実施した。触媒約40gを秤量して、上記反応装置の触媒充填管42に充填し、反応管4内に設置した。窒素ボンベより装置内に窒素を供給し、装置内の空気を排出した。
二酸化炭素/水素=10/90(体積比)の割合で混合気体を調整し、装置手前のレギュレータにて圧力調整しながら、反応管4内の圧力が0.5MPaになるように装置全体に混合気体を流し、反応管4手前の気体組成が設定値になっていることをガスクロマトグラフィーにて確認した。
マスフローコントローラー1、2にて、二酸化炭素の流量が0.4L/min(混合気体流量4.0L/min)になるように設定し、周波数2.45GHzのマイクロ波を反応管4に照射して185℃まで昇温させた後、185℃で2時間加熱を行った。
2時間の加熱中、サンプリング口8より0.2mlずつ3回採取し、ガスクロマトグラフィーにて、生成したメタノールを同定・定量した。定量結果の平均値から、触媒1kg当り1時間に生成したメタノール量(空時収量)を算出した。結果を表1に示す。
表1の結果より、本発明の酸化銅−酸化亜鉛−酸化アルミニウム−酸化ランタンからなる四元系触媒を用いた実施例1〜3は、三元系触媒を用いた比較例2、3よりも、触媒の圧縮強度に優れ、メタノールの空時収量も増大することがわかる。また、比較例1との比較も踏まえると、触媒成分中におけるアルミニウム元素の比率が規定の範囲内にある場合は、触媒の圧縮強度およびメタノール空時収量において良好な結果が得られている。
圧縮強度に優れ、かつ低温・低圧の温和な条件下で二酸化炭素と水素からメタノールを合成できる、耐久性に優れた触媒を用いる本発明の方法は、二酸化炭素の固定化方法として二酸化炭素の削減に利用できるとともに、生成したメタノールを燃料や各種化合物の製造原料として用いることができる。
1 マスフローコントローラー
2 マスフローコントローラー
3 気体混合部
4 反応管
5 マイクロ波装置
6 リボンヒーター
7 混合ガスサンプリング口
8 反応生成物サンプリング口
41 マイクロ波透過性の管
42 触媒充填管
43 触媒
44 ガラスフィルター
45 熱電対
46 鞘

Claims (5)

  1. 銅酸化物、亜鉛酸化物、アルミニウム酸化物およびランタン酸化物からなる触媒成分にバインダーとしてグラファイトを添加して成形してなる触媒であって、触媒成分中の銅元素と亜鉛元素のモル比率が98:2〜30:70で、銅、亜鉛、アルミニウムおよびランタン元素の合計モル数に対するランタン元素の比率が0.5〜2モル%且つアルミニウム元素の比率が2〜8モル%であることを特徴とするメタノール合成触媒。
  2. 前記触媒が、触媒成分100質量部に対するバインダーの比率が0.5〜5質量部である請求項1に記載のメタノール合成触媒。
  3. 前記触媒が、触媒成分とバインダーの混合物を円柱形状に成形してなる触媒であり、その短軸方向の圧縮強度が30〜150Nである請求項1または2に記載のメタノール合成触媒。
  4. 触媒を充填した触媒充填層に、二酸化炭素と水素の混合ガスを導入し、該触媒充填層にマイクロ波を照射してメタノールを合成する方法において、前記触媒として、請求項1〜のいずれかに記載のメタノール合成触媒を用いることを特徴とするメタノール合成方法。
  5. 反応圧が、0.1〜1.0MPaである請求項に記載のメタノール合成方法。

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