JP2010037229A - 二酸化炭素からのメタノール合成方法 - Google Patents

二酸化炭素からのメタノール合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低エネルギーかつ高転化率で、COからメタノールを合成する方法を提供する。
【解決手段】二酸化炭素と水素の混合ガスを触媒を充填した反応管に導入し、該触媒にマイクロ波を照射することにより、導入した二酸化炭素を接触水素還元してメタノールを合成する二酸化炭素からのメタノール合成方法において、前記反応管に水素の割合(体積比)が90%以上である二酸化炭素と水素の混合ガスを空間速度(混合ガス基準)が1,700〜30,000h−1になるように導入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素(以下、「CO」という。)からのメタノール合成方法に関する。詳細には、発電所、製鉄分野、石油化学産業分野、一般化学工業分野等において発生するCOからメタノールを合成する方法に関する。
発電所、工場、自動車等の人間の社会的活動に伴って大気中に排出されるCOは地球温暖化の主たる原因であることが知られており、近年、このCOの排出量を削減することが地球環境の保護の大きな課題となっている。かかる背景に鑑み、発電所等の排煙や大気中のCOを固定化し除去するためのシステムが種々提案されている。
COの固定化方法は、概ね、生物的方法、物理的方法、化学的方法の3種類に分けられる。光合成を利用する生物的方法はかなりの量のCOの固定が期待でき、しかも熱帯林の保護や砂漠化防止にも役立つので、現在広範な植樹と微細藻類の多量かつ連続的な培養、増殖を行う研究開発が行われている。しかしながら、微細藻類による固定化反応は、微細藻類の表面で進行するため、微細藻類でCOを固定化するためには広大な面積の微細藻類が必要となる問題がある。
物理的方法は、COの特殊な媒体への溶解、吸着を利用する分離・濃縮法であり、例えば、COをアルカリ溶液に溶解、反応後、炭酸塩として分離する方法、或いは、COをゼオライト媒体等に吸着させた後、脱着、濃縮する方法などが開発研究されている。しかしながら、吸着法ではCOの吸脱着に膨大なエネルギーを要する問題点があり、吸収法では大掛かりな装置が必要である。
化学的方法は、電気化学法や触媒反応を利用する方法等であり、例えば、電気化学法によるCOの還元としては、特殊な電極を使用して電解溶液中のCOを分解し、ギ酸、メタン等を常温で生成する方法が知られている。しかしながら、電気化学法では、大規模な反応槽が必要であり、反応を促進させるためには大量の電気エネルギーを供給する必要があるため、省エネルギーの方法とは言い難い。
一方、触媒反応を利用するCOの還元は、COを一酸化炭素、メタノール等に転化してそれを利用するという手段が知られている。このような化学的方法は、生物的方法や物理的方法に比べて、エネルギーの低減が図れる可能性がある。そのため、より低エネルギーの反応として、マイクロ波を用いたCOの還元反応が検討されてきた(特許文献1〜3参照)。
しかしながら、特許文献1記載の方法によると、COと水素の混合ガスを触媒を充填した反応管に導入してマイクロ波を照射すると、低温(150〜250℃)でもメタノールは生成するが、メタノール転化率(COの供給モル数に対する変換されたCOのモル数の%割合)及びメタノール選択率(COの変換されたモル数に対するメタノールの生成モル数の%割合)が低く、実用化を考えると不十分であった。
さらに、特許文献4には、COと水素の混合物を熱反応器に供給し、該熱反応器中で加圧しながら温度を220〜250℃に維持し、かつCu系触媒の存在下にメタノールに変換する方法が提案されている。反応に供する水素対COのモル比が1〜10、好ましくは3の時、温度240℃で反応すると、最大で10%のCO転化率となることが報告されている。
CO + 3H → CHOH + H
しかしながら、特許文献4記載の方法は、メタノール変換用の水素をマイクロ波を用いる硫化水素の分解によって取得する方法であって、水素の産出にマイクロ波を利用しているが、COの還元反応にマイクロ波を利用していないし(ヒーター加熱)、実用化を考えるとメタノール転化率はこれでも不十分である。
特開2006−169095号公報 特開2006−216412号公報 特開2007−277179号公報 特開平7−173088号公報(請求項1〜3、請求項8、第4頁の図1、段落0022等)
本発明は、上記課題に鑑み、低エネルギーかつ高転化率で、COからメタノールを合成する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは、特許文献1に記載された方法においてメタノール転化率が高くならない原因について鋭意検討を行った結果、還元反応に供する水素濃度を理論比よりも大幅に上げてみたところ、予想もしなかったことに、従来技術よりも高レベルのメタノール転化率を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、二酸化炭素と水素の混合ガスを触媒を充填した反応管に導入し、該触媒にマイクロ波を照射することにより、導入した二酸化炭素を接触水素還元してメタノールを合成する二酸化炭素からのメタノール合成方法において、前記反応管に水素の割合(体積比)が90%以上である二酸化炭素と水素の混合ガスを空間速度(混合ガス基準)が1,700〜30,000h−1になるように導入することを特徴とする二酸化炭素からのメタノール合成方法を提供する。
本発明においては、触媒を150〜250℃の温度に維持することが好ましく、200〜220℃の温度に維持することがより好ましい。これにより、低温、省エネルギーでCOからメタノールを合成することができる。混合ガス中の水素の割合(体積比)が95〜99.9%であることがより好ましく、これにより高効率でメタノールを合成することができる。
また、本発明のCOからのメタノール合成方法においては、二酸化炭素と水素の混合ガスを触媒を充填した反応管に導入し、該反応管から排出したガスに含まれているメタノールをトラップした後、残りの混合ガスを反応管に循環することがより好ましい。これにより、触媒とガスの接触回数が増加し、空間速度が大きい程同じ反応時間でも接触回数が増加するため、より高転化率でメタノールを合成することができる。この場合、二酸化炭素と水素の混合ガスを、反応管の上流に配設したマスフローコントローラーで流量調整した後、反応管に導入することにより、ガス流量調整が容易となる。また、二酸化炭素と水素の混合ガスを、マスフローコントローラーの上流に配設したバッファータンクで圧力調整することにより、ガス圧力調整が容易となる。
反応管に循環する二酸化炭素と水素の混合ガスを、マスフローコントローラー又はバッファータンクの手前で水素の割合(体積比)が反応前と同じ割合になるように濃度調整した後、該混合ガスを反応管に循環することもできる。これにより、常時、最適組成の混合ガスを反応管に導入するので省エネルギーの反応となる。
上記本発明のCOからのメタノール合成方法においては、COと水素の混合ガスを反応管の下方から反応管に導入し、該反応管内を流通させた後、該反応管の上方から排出することが好ましい。これにより、COと水素が分散された状態で触媒に接触させることができ、反応効率を高めることが可能となる。
本発明によれば、COと水素の混合ガスに占める水素の割合(以下、「水素濃度比」という。)が高くなるに従ってメタノール転化率が向上し、水素濃度比とメタノール転化率はほぼ比例関係にあるため、水素濃度比を90%以上とすることにより、10%超のメタノール転化率を達成できる。
水素濃度比が高くなると、ガス流量、流速が増加するため触媒との接触時間の減少による反応率の低下が懸念されるが、本発明ではマイクロ波を用いることでそのような条件下でも十分反応させることができ、高転化率でCOからメタノールを合成することができる。さらに、マイクロ波と触媒との相乗効果によって、従来のヒーター加熱よりも、低温、短時間、省エネルギーでCOからメタノールを合成することができる。
本発明に係るCOからのメタノール合成方法では、COと水素を含む混合ガスを原料ガスとして用いるが、該COは、少なくともCOを含むガス等から、常法によりCOを分離、精製、濃縮等の工程を経て得たものを用いることができる。
COを含むガスとしては、COガスのほか、COを1〜40容量%含有する排ガス等を挙げることができる。該排ガスとしては、火力発電所や焼却炉、工場の排ガス、熱風炉排ガス、高炉排ガス、転炉排ガス、自動車エンジンの排気ガス等を挙げることができる。
本発明では、水素濃度比が90%以上、好ましくは95〜99.9%であるCOと水素の混合ガスを、空間速度(混合ガス基準)が1,700〜30,000h−1、好ましくは2,000〜20,000h−1、より好ましくは3,000〜20,000h−1になるように反応管に導入する。水素濃度比が90%未満の場合はメタノール転化率が不十分となり、一方、水素濃度比が99.9%を超える場合はCO消費量が少なくなるが反応所要エネルギーは変わらないため、CO固定化効率及びエネルギー的観点から好ましくない。水素濃度比が95%以上では、水素濃度比が90%よりも2倍以上の高いメタノール転化率(20%以上)を達成することができる。
また、COと水素の混合ガスを反応管に導入するときの空間速度が1,700h−1未満では、反応管に供給される水素の絶対量が減少するため、メタノール転化率が不十分となる。一方、空間速度が30,000h−1を超えると反応用の装置設計が困難になる。
反応管にCOと水素の混合ガスを導入する場合は、該混合ガスを、反応管の上流に配設したマスフローコントローラーで流量調整した後、反応管に導入すると、流量調整が容易であるが、さらに、マスフローコントローラーの上流に配設したバッファータンクで圧力調整した後、マスフローコントローラーで流量調整すると、反応を制御し易い。
一般的に、COと水素からのメタノール合成反応においては、平衡転化率は、化学量論比(H/CO=3)で最大となる(例えば、特許文献4の第5欄第14行参照)。ところが、COと水素からメタノールを合成する際の反応速度は、CO濃度及び水素濃度に比例するとの仮説を立てれば、水素濃度は高い方が反応速度は高くなるが、水素濃度を高くすると水素大過剰の反応となるため、COの反応率が低下してしまうおそれがある。
本発明のCOからのメタノール合成方法では、触媒を充填した反応管にCOと水素の混合ガスを導入し、該触媒にマイクロ波を照射することにより加熱するので、マイクロ波による触媒表面の活性化効果により、ガス流量及び流速が増加しても高反応率でCOと水素を反応させることができる点に特徴がある。
本発明において、メタノール転化率が著しく高くなった原因は種々考えられるが、化学量論比でCOと水素を反応させた場合、小さくて軽い水素分子は触媒表面に保持されてもCO分子によって弾き飛ばされるため還元反応に寄与できないことが考えられる。そこで、水素濃度比を極端に高くすると共に、反応管に導入する水素量を高めたことが、メタノール高転化率を達成できた要因ではないかと考えられる。さらに、触媒に反応管を介してマイクロ波を照射するので、外部に加熱装置を設けた熱反応器の中に触媒を充填して反応させる方法(例えば、特許文献4の図1等を参照)と異なり、マイクロ波が触媒に当ることによって触媒表面が優先的に活性化される。そのため、反応管に高流量の水素を導入しても触媒が水素を捕捉する能力が高く、短時間でCOと反応させることができるため、メタノール転化率が増大したものと推察される。このように、マイクロ波を照射すると、CO還元反応におけるエネルギー利用効率を著しく高めることが可能となる。
本発明において、触媒の加熱温度は、使用する触媒の種類によっても異なるが、通常、触媒を温度150〜250℃に維持し、好ましくは170〜230℃、より好ましくは200〜220℃に維持する。触媒の温度が低すぎるとメタノール転化率が不十分となり、触媒の温度が高すぎてもメタノール転化率は平衡状態となるためエネルギー的に無駄となる。
触媒としては、Cu、Zn、Cr、Al、Au、Zrのいずれかの元素を1種類以上含む触媒が好ましく、例えば、CuO−ZnO等の二元系触媒、CuO−ZnO−Cr等の三元系触媒を挙げることができる。これらの触媒をSiO、Al、MgOなどの担体に担持したものでも良い。
照射するマイクロ波の出力や周波数、照射方法は、特に限定されるものではなく、反応温度が所定の範囲に保持できるよう、PID制御等により電気的に制御すればよい。出力が低すぎる場合は固定化反応の進行が遅くなり、出力が高すぎる場合はマイクロ波の利用率が悪くなる。マイクロ波の周波数は、通常、1GHz〜300GHzである。マイクロ波の照射は連続照射、間欠照射のいずれの方法であってもよい。照射時間及び照射停止時間は、反応に供するCOの濃度、又は反応触媒の種類等に応じて適宜に決定することができる。
反応時間は、触媒量と反応温度に左右されて一定しないが、通常は反応進行状況を見ながら適宜に決定すればよい。
本発明に係るCOからのメタノール合成方法では、メタノール転化率を高める点から言えば、COと水素の混合ガスを反応管に導入してCOを還元反応させ、該反応管から排出したガスに含まれているメタノールをトラップした後、残りの混合ガスを反応管に循環する、いわゆる循環方式が好ましい。このような循環操作を行うことにより、混合ガスと触媒との接触頻度が高まり、メタノールの転化率が高くなるからである。
混合ガスを循環させる場合は、CO及び/又は水素を後添加せずに、反応後の混合ガスを循環させて残りのCOと水素を反応させながら転化率を高めることもできるが、反応管に循環するCOと水素の混合ガスを、マスフローコントローラー又はバッファータンクの手前で、水素の割合(体積比)が90%以上、より好ましくは95〜99.9%になるように濃度調整した後、該混合ガスを反応管に循環することが、省エネルギー的観点から好ましい。また、該混合ガス中の水素の割合(体積比)は反応前と同じ割合であることが好ましい。後者によれば、常時、最適組成の混合ガスを反応管に導入することができるので、触媒特性や装置特性を考慮しつつ最適条件で還元反応を行うことができるからである。
本発明に係るCOからのメタノール合成方法では、COと水素の混合ガスを触媒を充填した反応管に導入し、該反応管から排出したガスに含まれているメタノールをトラップした後、残りの混合ガスを反応系外に排出する、いわゆる1パス方式を採用することもできる。
混合ガスを1パスで反応管を通過させる場合は、COと水素を、それぞれ、混合ガスの空間速度が1,700〜30,000h−1となるように、各々マスフローコントローラーで流量調整した後、該COと水素を、配管に配設したガス混合器で混合し、該COと水素の混合ガスを反応管に導入することにより、反応させることができる。
本発明において、COと水素の混合ガスを反応管内で反応させる場合は、該混合ガスを反応管の下方から反応管に導入し、該反応管内を流通させた後、該反応管の上方から排出するようにすると、比較的重いCO分子と比較的軽いH分子が分散された状態を反応管の中で維持することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、本発明のメタノール合成で用いる、循環によるマイクロ波反応装置全体を示す概略構成図である。図1において、10はマイクロ波反応装置全体のフロー、1は反応装置であり、2は反応管、6は触媒、9はマイクロ波発振装置である。11はCOとHの混合ガスを収容するバッファータンク、12はガス配管、13は循環ポンプ、14はマスフローコントローラー、15はガス加熱用リボンヒーター、16は液体窒素(−20℃)を用いた生成物トラップ、17はガスサンプリング口、18はガス排気口、19は反応用ガスボンベ(CO,H,N)である。反応装置には、圧力計、調整弁が設けてある。
図2は、反応装置1を拡大した説明図で、2は反応管である。該反応管2は、耐圧用ガラス管3(内径32mm)、触媒設置用のガラス管4(内径23mm)、触媒を充填するためのガラスフィルター5から構成され、6は触媒で触媒層は高さ65mm、重量40gである。7は触媒層の温度測定用の熱電対、8は熱電対を設置するための鞘である。
1aは反応装置1へ導入される入口ガス、1bは反応装置1から排出される出口ガスである。図2に示すように、1aの入口ガスが上昇する間に触媒層で反応が起き、1bの出口ガスとして反応装置1を出たガスは、生成物用トラップ16で反応生成物が採取され、残りのガスは再循環される。
実験では、反応装置1内にCuO−ZnO系触媒(日揮化学社製N211)40gを加え、図1に示すマイクロ波反応装置10内に設置した。窒素ボンベより装置内に窒素を供給し、装置内の空気を排出した。CO/H=10/90(体積比)割合で混合ガスをつくり、マイクロ波装置全体に混合ガスを0.7MPaまで充填し、循環ポンプを起動させ、反応装置手前のレギュレーターにて触媒層の圧力を0.8MPaに調整し、しばらくガスが循環した頃、反応前のガス組成をガスクロマトグラフィーにて分析し確認を行った。マスフローコントローラーで流速をCO換算流量が0.2L/min(混合ガス流量は2L/min)になるよう設定し、反応管に導入する混合ガスの空間速度を1,750h−1とした。周波数2.45GHzのマイクロ波を反応管2に照射して220℃まで昇温させた後、220℃で120分間加熱を行いCOの還元反応を行った。反応終了後マイクロ波照射を止め、装置内のガスを排気し、生成物トラップ中の液体をガスクロマトグラフィーを用いて分析し、同定・定量した。
(実施例2)
CO/H=5/95(体積比)割合で混合ガスを調製し、流速をCO換算流量が0.2L/min(混合ガス流量は4L/min)になるよう設定し、反応管に導入する混合ガスの空間速度を3,500h−1とした以外は、実施例1と同様、COの還元反応を行った。
(比較例1)
CO/H=30/70(体積比)割合で混合ガスを調製し、流速をCO換算流量が0.3L/min(混合ガスは1.0L/min)になるよう設定し、周波数2.45GHzのマイクロ波を反応管に照射して250℃まで昇温させた後、常圧、250℃で60分間加熱を行いCOの還元反応を行った。
(比較例2)
CO/H=25/75(体積比)割合で混合ガスを調製し、流速をCO換算流量が0.2L/min(混合ガスは0.8L/min)になるよう設定し、実施例1と同様、周波数2.45GHzのマイクロ波を反応管に照射して220℃で120分間加熱を行いCOの還元反応を行った。
(比較例3)
CO/H=20/80(体積比)割合で混合ガスをつくり、流速をCO換算流量が0.2L/min(混合ガスは1.0L/min)になるよう設定し、比較例2と同様、COの還元反応を行った。
(比較例4)
CO/H=15/85(体積比)割合で混合ガスを調製し、流速をCO換算流量が0.2L/min(混合ガスは1.3L/min)になるよう設定し、比較例2と同様、COの還元反応を行った。
実施例1〜4及び比較例1〜4の実験条件及び実験結果を、表1及び表2に示す。
上記表の結果から、COと水素の混合ガスにおける水素濃度比を高めることにより、メタノール転化率が目標とする10%を超えることがわかった。
図3には、反応温度220℃×反応圧力0.8MPa条件下における、Hガス比率(水素濃度比)とメタノール生成量との関係を示す。水素濃度比が高くなるほどメタノール生成量が直線的に増加することがわかる。但し、実施例2ではメタノール生成量が低下したが、ガス流速が速すぎたことによる生成ガスのトラップ漏れが原因ではないかと考察した。
(実施例3)
CO/H=5/95、10/90、20/80、25/75(体積比)の割合で混合ガスをつくり、流速を、混合ガス流量が3L/minになるよう設定し、反応管に導入する混合ガスの空間速度をすべて2600h−1とした以外は、実施例1と同様、周波数2.45GHzのマイクロ波を反応装置に照射し、各々、180℃、200℃、210℃、220℃で、常圧で120分間加熱を行いCOの還元反応を行った。加熱温度とメタノール転化率との関係を図4に示す。
図4の結果から、反応温度200〜220℃の範囲で最も高いメタノール転化率を示すことがわかる。しかも、COと水素の混合ガスにおける水素濃度比が90%、95%の場合は、メタノール転化率が目標とする10%を超えることがわかった。さらに、水素濃度比が95%ではメタノール転化率が20%を超え、水素濃度比が90%のメタノール転化率の約2倍となった。
本発明のCOからのメタノール合成方法は、COの低減かつ有効利用策として、地球環境の保護に大いに役立つ他、合成したメタノールは各種燃料等として用いることができる。
本発明の実施例1に係るマイクロ波反応装置全体を示す概略構成図である。 同反応装置の説明図である。 水素濃度比とメタノール生成量との関係を示すグラフである(比較例2〜4及び実施例1〜2)。 触媒の温度とメタノール転化率との関係を示すグラフである(実施例3)。
符号の説明
1 反応装置
2 反応管
6 触媒
9 マイクロ波発振装置
11 バッファータンク
12 配管
13 循環ポンプ
14 マスフローコントローラー
15 リボンヒーター
16 トラップ
17 ガスサンプリング口
18 ガス排気口
19 原料ガス

Claims (9)

  1. 二酸化炭素と水素の混合ガスを触媒を充填した反応管に導入し、該触媒にマイクロ波を照射することにより、導入した二酸化炭素を接触水素還元してメタノールを合成する二酸化炭素からのメタノール合成方法において、前記反応管に水素の割合(体積比)が90%以上である二酸化炭素と水素の混合ガスを空間速度(混合ガス基準)が1,700〜30,000h−1になるように導入することを特徴とする二酸化炭素からのメタノール合成方法。
  2. 触媒を150〜250℃の温度に維持することを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素からのメタノール合成方法。
  3. 触媒を200〜220℃の温度に維持することを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素からのメタノール合成方法。
  4. 水素の割合(体積比)が95〜99.9%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二酸化炭素からのメタノール合成方法。
  5. 二酸化炭素と水素の混合ガスを触媒を充填した反応管に導入し、該反応管から排出したガスに含まれているメタノールをトラップした後、残りの混合ガスを反応管に循環することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二酸化炭素からのメタノール合成方法。
  6. 二酸化炭素と水素の混合ガスを、反応管の上流に配設したマスフローコントローラーで流量調整した後、反応管に導入することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二酸化炭素からのメタノール合成方法。
  7. 二酸化炭素と水素の混合ガスを、マスフローコントローラーの上流に配設したバッファータンクで圧力調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二酸化炭素からのメタノール合成方法。
  8. 反応管に循環する二酸化炭素と水素の混合ガスを、マスフローコントローラー又はバッファータンクの手前で水素の割合(体積比)が反応前と同じ割合になるように濃度調整した後、該混合ガスを反応管に循環することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二酸化炭素からのメタノール合成方法。
  9. 二酸化炭素と水素の混合ガスを反応管の下方から反応管に導入し、該反応管内を流通させた後、該反応管の上方から排出することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の二酸化炭素からのメタノール合成方法。
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