JP5541043B2 - 熱交換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、室内換気を室内空気と外気をファンモーターによる送風と熱交換素子によって、省エネルギーでおこなうにあたり、屋外からの給気と室内からの排気をダクトを介して行なう熱交換装置において、給気と排気の換気に伴う運転エネルギーの削減に関する。
熱交換装置の従来例として図10を参照しながら説明する。
図10に示すように、熱交換装置の本体101は、側面に室内吸込口102と室内吹出口103と、屋外吸込口104と屋外吹出口105を有している。また、本体101内には、排気用送風機106と給気用送風機107が、各々電動機108に装着されている。そして、排気用送風機106と給気用送風機107に挟まれるように本体101の中央部内に熱交換素子109が設けられている。バイパス排気風路110は、室内吸込口102から吸い込まれた室内の空気が、熱交換素子109を通らずに排気用送風機106に吸い込まれる経路である。バイパス排気風路110の室内吸込口102側には、ダンパー板111が設けられ、さらに、バイパス排気風路110内には、吸音機能を有するガイド板112が設けられている。(例えば、特許文献1参照)。
この構成において、夏期や冬期で熱交換必要時は、室内吸込口102から吸い込まれた室内空気と屋外吸込口104から吸い込まれた外気は、熱交換素子109によって熱交換されることになる。すなわち、熱のみ交換された室内空気は、排気用送風機106によって屋外吹出口105から屋外へ排気され、熱のみ交換された外気は給気用送風機107によって室内吹出口103から室内へ給気される。一方、中間期や外気冷房で熱交換不要時には、屋外吸込口104から吸い込まれた外気は、熱交換素子109を通り給気用送風機107によって室内吹出口103から室内へ給気される。室内吸込口102から吸い込まれた室内空気は、ダンパー板111によって熱交換素子109を通らずガイド板112で構成されたバイパス排気風路110を通り、排気用送風機106によって屋外吹出口105から屋外へ排気される。従って、室内空気と外気が熱交換素子109によって熱交換されずに換気する。このとき、室内吸込口102から排気用送風機106に直に流入せず、バイパス排気風路110が必要となるため、風路の圧力損失により全圧エネルギーや騒音エネルギー等の運転エネルギー上昇があるため、この運転エネルギーの低減をする必要があった。
特開平5−26492号公報
このような従来の熱交換装置においては、熱交換装置本体の内部抵抗低減による運転エネルギー削減が必要であるという課題を有していた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、熱交換装置本体の内気口から吸い込んだ空気を外部に排出する排気口へ流す際、本体内部の内部抵抗を低減することで熱交換装置の全圧エネルギーや騒音エネルギー等の運転エネルギーを削減した熱交換装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、室内空気を吸い込む内気口とその吸い込んだ空気を外部に排出する排気口および外気空気を吸い込む外気口とその吸い込んだ外気を室内に供給する給気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた内気用の第1送風ファンおよび外気用の第2送風ファンと、前記本体ケース内において、複数の板体をそれぞれ所定間隔を離した状態で重合させ、前記板体の間に室内空気、外気を交互に通じて熱交換を行う熱交換素子を有する熱交換素子ユニットとを備えた熱交換装置であって、前記本体ケースを内気用の前記第1送風ファンおよび外気用の前記第2送風ファンと、前記第2送風ファンと連通する前記給気口を有する送風機室と、前記熱交換素子ユニットを有する熱交換器室と、前記内気口と前記排気口を有する排気風路室の3室に分離し、前記送風機室をさらに2分して、一方を第1送風ファン室、他方を第2送風ファン室とし、前記排気風路室の前記内気口から前記熱交換器室へと通じる風路を形成する場合と、前記熱交換器室を経由せずに前記排気風路室の前記内気口から第1送風ファン室へと通じる風路を形成する場合とを切り替えるダンパーを設けたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、室内空気を吸い込む内気口とその吸い込んだ空気を外部に排出する排気口および外気空気を吸い込む外気口とその吸い込んだ外気を室内に供給する給気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた内気用の第1送風ファンおよび外気用の第2送風ファンと、前記本体ケース内において、複数の板体をそれぞれ所定間隔を離した状態で重合させ、前記板体の間に室内空気、外気を交互に通じて熱交換を行う熱交換素子を有する熱交換素子ユニットとを備えた熱交換装置であって、前記本体ケースを内気用の前記第1送風ファンおよび外気用の前記第2送風ファンと、前記第2送風ファンと連通する前記給気口を有する送風機室と、前記熱交換素子ユニットを有する熱交換器室と、前記内気口と前記排気口を有する排気風路室の3室に分離し、前記送風機室をさらに2分して、一方を第1送風ファン室、他方を第2送風ファン室とし、前記排気風路室の前記内気口から前記熱交換器室へと通じる風路を形成する場合と、前記熱交換器室を経由せずに前記排気風路室の前記内気口から第1送風ファン室へと通じる風路を形成する場合とを切り替えるダンパーを設けたという構成により、中間期や外気冷房で熱交換不要時に、排気風路室の内気口から流入した空気が熱交換器室を介さずに直接送風機室へ流入し、第1送風ファンによって排気風路室の排気口から外部へ排出することとなるので、内部抵抗を低減することができ、熱交換装置の全圧エネルギーや騒音エネルギー等の運転エネルギーを削減することができるという効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1の熱交換装置のダンパー閉時の概略構造を示す平面図 同熱交換装置のダンパー閉時の風路を示す風路概略図 同熱交換装置のダンパー開時の概略構造を示す平面図 同熱交換装置のダンパー開時の風路を示す風路概略図 同熱交換装置の第2送風ファンの消音構造を示す斜視図 同熱交換装置の熱交換素子を示す斜視図 同熱交換装置の熱交換素子ユニットを示す正面断面図 同熱交換装置の熱交換素子ユニットを示す正面断面図 同熱交換装置の熱交換素子ユニットを示す正面斜視図 従来の熱交換装置の概略構造を示す斜視図
本発明の請求項1記載の熱交換装置は、室内空気を吸い込む内気口とその吸い込んだ空気を外部に排出する排気口および外気空気を吸い込む外気口とその吸い込んだ外気を室内に供給する給気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた内気用の第1送風ファンおよび外気用の第2送風ファンと、前記本体ケース内において、複数の板体をそれぞれ所定間隔を離した状態で重合させ、前記板体の間に室内空気、外気を交互に通じて熱交換を行う熱交換素子を有する熱交換素子ユニットとを備えた熱交換装置であって、前記本体ケースを内気用の前記第1送風ファンおよび外気用の前記第2送風ファンと、前記第2送風ファンと連通する前記給気口を有する送風機室と、前記熱交換素子ユニットを有する熱交換器室と、前記内気口と前記排気口を有する排気風路室の3室に分離し、前記送風機室をさらに2分して、一方を第1送風ファン室、他方を第2送風ファン室とし、前記排気風路室の前記内気口から前記熱交換器室へと通じる風路を形成する場合と、前記熱交換器室を経由せずに前記排気風路室の前記内気口から第1送風ファン室へと通じる風路を形成する場合とを切り替えるダンパーを設けた構成を有する。これにより、中間期や外気冷房で熱交換不要時に、内気口から送風機室内に流入した空気が熱交換器室を介さずに排気風路室の排気口から外部へ排出することとなるので、内気口から排気風路室内に流入した空気が熱交換器室を介さずに排気風路室の排気口から外部へ排出するので、内部抵抗を低減することができ、運転エネルギーを削減することができるという効果を奏する。
また、前記排気風路室は、2分して一方を前記内気口から吸い込まれる内気空間とし、他方を前記排気口へ吹き出される排気空間とし、各々を形成する排気風路仕切りを有し、前記内気口の吸込み方向と、前記排気口吹き出し方向とを略同一直線になるようにした構造としてもよい。これにより、中間期や外気冷房で熱交換不要時に、内気口から排気風路室に流入した空気が熱交換器室を介さず略同一直線に排気風路室の排気口から外部へ排出することとなるので、内部抵抗を低減することができ、運転エネルギーを削減することができるという効果を奏する。
また、前記排気空間の内壁を、吸音特性を有する断熱材とした構造としてもよい。これにより、前記排気空間を断熱しつつ、第1送風ファンで発生する騒音を吸音することとなるので、暖房時に前記排気空間の外壁に発生する結露を防止しつつ、第1送風ファンで発生する騒音エネルギーを削減することができという効果を奏する。
また、前記第2送風ファンの吐出部の少なくとも1面に多孔質材を設けた構造としてもよい。これにより、第2送風ファンで発生する騒音を消音することとなるので、室内への騒音エネルギーを削減することができという効果を奏する。
また、前記熱交換素子は、L字状の通風レーンを設けた略長方形の板体を複数枚重合させた構造としてもよい。これにより、熱交換素子ユニットを構成する風路断面および外形が略長方形となることとなり、風路断面が複雑にならず、熱交換素子ユニットを並列で配しても風路が複雑にならず、運転エネルギーを削減することができるという効果を奏する。
また、前記熱交換素子ユニットの室内空気の吐出口側、外気の吐出口側にそれぞれ内気通風路、外気通風路を形成し、前記内気通風路、前記外気通風路が、送風ファン側を前記熱交換素子から突出させた突出部を設けたとした構造としてもよい。これにより、第1送風ファンに通じる内気通風路と、第2送風ファンに通じる外気通風路の開口面積を大きくした熱交換素子ユニットとなり、熱交換素子ユニットの内気通風路と外気通風路の風速を落とし内部圧力損失の低減をすることで、第1送風ファンおよび第2送風ファンの必要とする運転エネルギーを低減することができるという効果を奏する。
また、前記熱交換素子ユニットは、前記内気通風路、前記外気通風路に沿って複数の熱交換素子を配置し、この熱交換素子の板体は、前記排気風路室側(風路上流側)を反対側(風路下流側)の間隔よりも広げた拡大板体を設けた構造としてもよい。これにより、熱交換装置の板体の間隔を変化させ、開口率を変化させた熱交換素子ユニットとなり、熱交換素子ユニットの風速の早い側の圧損を下げ、風速の遅い側の圧損を上げることで、熱交換素子ユニットの熱交換効率を維持したままトータル圧損を低減し、運転エネルギーを低減することができるという効果を奏する。
また、前記熱交換素子ユニットは、前記内気通風路、前記外気通風路に沿って複数の熱交換素子を配置し、前記送風ファン側(風路下流側)の前記熱交換素子は、室内空気の吐出口と外気の吐出口の開口面が前記送風ファン側に向いている構造としてもよい。これにより、熱交換素子ユニットの送風ファン側を別風路とすることで、内気通風路および外気通風路の風速を低減することとなり、熱交換素子ユニットのトータル圧損を低減することができるので、運転エネルギーを低減することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。図1〜図4に示すように、本体ケース1は排気風路室1bと送風機室1cと熱交換器室1dの3室から構成されている。本体ケース1の側面1aには、ダクト等(図示せず)を介して室内で発生した汚染空気を吸い込む内気口2とその吸い込んだ空気を外部に排出する排気口3、および外気空気を吸い込む外気口4とその吸い込んだ外気を室内に供給する給気口5を有している。内気口2と給気口5は、本体ケース1の同一の側面に設けられている。また、排気口3と外気口4は、内気口2、給気口5を設けた側面と対面する本体ケース1の面に設けられている。そして、内気口2と排気口3は、排気風路室1bに設けられている。すなわち、排気風路室1bは、内気口2と排気口3とを接続するように本体ケース1の一つの側面に沿って設けられている。給気口5は、本体ケース1の送風機室1cに、外気口4は熱交換器室1dに設けられている。送風機室1cは、第1送風ファン室として排気ファン室6dと、第2送風ファン室として給気ファン室7dに分割されている。排気ファン室6dには、内気用の第1送風ファンとして排気用羽根6aと、排気用ケーシング6bで構成された排気用ファン6が設けられている。給気ファン室7dには、外気用の第2送風ファンとして給気用羽根7aと、給気用ケーシング7bで構成された給気用ファン7が設けられている。排気風路室1bは、内気口2から吸い込まれる空気が通る内気空間1eと、排気口3から屋外へ排気される空気が通る排気空間1fを排気風路仕切り1iにて2つで分けられている。この内気空間1eと排気空間1fの流れの向きはともに同じで平行流となり、内気口2と排気口3は同一直線上に配置された構造となっている。また、排気空間1fの内壁は、吸音特性を有する断熱材8a(例えばグラスウール、ウレタン)で覆われている。内気口2から排気ファン室6dへ直接通じる穴としてバイパス開口8bが開いており、このバイパス開口8bを「開」/「閉」状態に切り替えるダンパー8cを有している。
そして、本体ケース1内には、内気口2と排気用ファン6と排気口3を連通した排気風路6c(図1〜図4において●から○に至る風路経路)と、外気口4と給気用ファン7と給気口5を連通した給気風路7c(図1〜図4において■から□に至る風路経路)が混流しないように風路仕切り8によって仕切られて設けられている。この風路仕切り8の一部としてモータベース9aがあり、このモータベース9aに排気用羽根6aと給気用羽根7aを回転駆動させるモータ9bが固定されている。排気風路6cと給気風路7cの風路には熱交換素子11を介在させた熱交換素子ユニット12を配している。
ここで、図5〜図8を用いて、熱交換素子ユニット12の構造を詳細に説明する。
熱交換素子11は、L字状の壁10aによりL字通風レーン10bを設けた略長方形の複数の板体10cをそれぞれ所定間隔、例えば1〜3mmの間隔で離して重合させたものである。所定間隔に離した板体10cの間には、室内空気と外気の潜熱や顕熱が交互に通じて熱交換を行う熱伝熱板10dがあり、複数の板体10cと熱伝熱板10dを積層して構成されている。
そして、熱交換素子11は、複数の熱交換素子11を並列に組み合わせても風路構造が複雑にならない熱交換素子ユニット12となっている。すなわち、熱交換素子11は、排気風路6cに介在し、室内空気を吸い込む素子内気吸込口11eと素子内気吐出口11aを有している。また、熱交換素子11は、給気風路7cに介在し、外気空気を吸い込む素子外気吸込口11fと素子外気吐出口11bを有している。素子内気吐出口11aと素子外気吐出口11bは隣接して設けられている。このような複数の熱交換素子11を、素子内気吐出口11aと素子外気吐出口11bの境界部分(以降、吐出口境界部11c)を対向させて配置して熱交換素子ユニット12を構成している。対向した熱交換素子11の吐出口境界部11c同士は、風路境界板11dで連結されている。また、素子内気吸込口11eの端部同士、素子外気吸込口11fの端部同士は、それぞれ、突出部11iで連結されている。熱交換素子ユニット12の排気用ファン6と給気用ファン7側の面をファン側外装面12cとし、反対となる側の面を点検口側外装面12dとしている。この熱交換素子ユニット12は、素子内気吐出口11aを有する内気通風路12aと素子外気吐出口11bを有する外気通風路12bの2つの風路を有している。内気通風路12aは排気用ファン6に通じ、外気通風路12bは給気用ファン7に通じている。
このような構成によれば、風路断面が複雑にならず、熱交換素子ユニットを並列で配しても風路が複雑にならず、運転エネルギーを削減することができる。
この熱交換素子ユニット12には、前述したように複数の熱交換素子11が用いられているので、L字状の壁10aの高さを変化させることによって熱交換素子ユニット12の風速分布をかえ、排気風路6cと給気風路7cの風量バランスを調整することが可能である。すなわち、L字状の壁10aの高さが1〜3mmとなる板体10cを重合させた熱交換素子11と、L字状の壁10aの高さが板体10cより高く、例えば1〜3mmの1.5倍となる拡大板体10eを重合させた熱交換素子11で構成している。そして、排気風路室1b側(風路上流側)の熱交換素子11は、拡大板体10eを重合させた熱交換素子11を用いる。一方、排気風路室1bの反対側(風路下流側)の熱交換素子11は、板体10cを重合させた熱交換素子11を用いる。ここで、L字状の壁10aの高さが同じとなる板体10cで熱交換素子11を構成した場合、排気風路室1b側の熱交換素子11を通過する風速は早く、排気風路室1bの反対側の熱交換素子11を通過する風速は遅くなる。従って、風速の早いところの圧損を下げることにより、熱交換素子11の熱交換効率を維持したままトータル圧損を低減ができる。そして、排気用ファン6および給気用ファン7のファンの必要とするエネルギーを減らすことにより、更にモータ9bに必要とされる運転エネルギーを低減できる。
また、熱交換素子11は、ファン側(ファン側外装面12c側)と反ファン側(点検口側外装面12d)とでも分けられている。すなわち、内気通風路12a、外気通風路12bに沿って、複数の上流側から下流側に熱交換素子11が並べられている。点検口側外装面12d(風路上流側)の熱交換素子11は、風路境界板11d側(風路下流側)に素子内気吐出口11aと素子外気吐出口11bを向けている。また、ファン側外装面12c側の熱交換素子11は、ファン側外装面12c側に素子内気吐出口11aと素子外気吐出口11bを向けている。すなわち、点検口側外装面12d側の熱交換素子11とファン側外装面12c側の熱交換素子11とは、90°回転した形で配置されている。そして、突出部11iは、点検口側外装面12dからファン側外装面12cに向かって、内気通風路12aと外気通風路12bの各々の断面積が拡大するように傾斜がついた形で構成される。
このような構成によれば、熱交換素子11の一部の吐出口(素子内気吐出口11aと素子外気吐出口11b)がファン側に向いていることで、内気通風路12aと外気通風路12b内の圧力損失を上げないようにしている。また、内気通風路12aと外気通風路12bの断面積を拡大するようにして内気通風路12aと外気通風路12b内の圧力損失を上げないようにしている。そのため、内気通風路12aと外気通風路12bの風速は低減されるので熱交換素子ユニット12のトータル圧力損失の低減ができる。そして、排気用ファン6および給気用ファン7のファンの必要とするエネルギーを減らすことになり、モータ9bに必要とされる運転エネルギーを低減できる構造となっている。
次に、本体ケース1内部の風路構成を説明する。まず、給気−排気間の熱交換を行う場合について説明する。熱交換時、すなわち、内気口2と排気ファン室6dとを連通するバイパス開口8bが閉じている状態(図1に示すダンパー8cが「閉」状態)においてモータ9bを駆動すると、モータ9bに接合された排気用ファン6と給気用ファン7が回転し、内気口2と外気口4が陰圧となる。屋内で発生した汚染物質を含む排気空気は、ダクト等(図示せず)から内気口2を介して排気風路室1bの内部へ流れ込む。一方、外気からの給気空気は、ダクト等(図示せず)から外気口4を介して熱交換器室1dへ流れ込む。そして、内気口2から排気風路室1bに流入した排気空気は、ダンパー8cがバイパス開口8bを閉鎖しているので、まず、排気風路室1bの内気空間1eを通って、熱交換素子ユニット12の素子内気吸込口11eに流入する。このとき、排気ファン室6dの上部では、内気仕切り8dによって、滑らかに熱交換素子ユニット12の素子内気吸込口11eに導かれることになる。また、このとき、外気口4から流入した給気空気とは混ざることがない。
一方、外気口4から熱交換器室1dに流入した給気空気は、熱交換素子ユニット12の素子外気吸込口11fに流入する。
熱交換素子ユニット12の熱交換素子11では、素子内気吸込口11eおよび素子外気吸込口11fから流入した各々の空気(給気空気と排気空気)は、熱伝熱板10dによって排気空気と給気空気が混流すること無く顕熱や潜熱を受け渡し熱交換される。熱交換された排気空気は、素子内気吐出口11aから内気通風路12aを通り、排気ファン室6dに流入し、排気ファン室6dの排気用ファン6から排気風路室1bの排気空間1fと排気口3を介して屋外に排気される。ここで、排気空間1fの内壁は、例えばグラスウール、ウレタンのような吸音特性を有する断熱材8aで覆われている。
一方、熱交換された給気空気は、素子外気吐出口11bから外気通風路12bを通り給気ファン室7dに流入し、給気ファン室7dの給気用ファン7から給気口5を介して屋内へ給気される。このような構成によれば、暖房時には、吸音特性を有する断熱材8aの吸音断熱効果により、室内空間と同じ空気環境をもつ排気風路室1bの外壁において、発生する結露を防止しつつ、冷房時、暖房時とも、排気用ファン6で発生し排気空間1fを伝搬する騒音エネルギーを削減することができる。
また、図9に示すように、給気用ファン7の吐出部には、給気用ケーシング7bの風路断面よりも大きな断面積を有する給気吐出空間7eが設けられている。この給気吐出空間7eは、多孔質材7fによって分割され、その一方は、多孔質材7fによって給気吐出空間7eと本体ケース1で囲まれた閉空間となっている。そして、他方は、多孔質材7fと給気吐出空間7eとで囲まれ、給気用ファン7の吐出部と給気口5とを連通する空間となっている。給気用ファン7から吐出された給気空気は、多孔質材7fを透過することなく給気口5へ向かい、給気用ファン7で発生した騒音は、多孔質材7fを透過し、多孔質材7fによって給気吐出空間7eと本体ケース1で囲まれた閉空間で吸音される。
次に、バイパス開口8bが開いている状態(図3で示すダンパー8cが「開」の状態)について説明する。この場合においてモータ9bを駆動すると、モータ9bに接合された排気用ファン6と給気用ファン7が回転し、内気口2と外気口4が陰圧となる。屋内で発生した汚染物質を含む排気空気は、ダクト等(図示せず)から内気口2を介して排気風路室1bの内気空間1eへ流れ込む。一方、外気からの給気空気は、ダクト等(図示せず)から外気口4を介して熱交換器室1dへ流れ込む。
そして、内気口2から排気風路室1bの内気空間1eに流入した排気空気は、ダンパー8cによって熱交換器室1d側の内気空間1eには流れず、バイパス開口8bから排気ファン室6dに流れる。そして、排気ファン室6dから断熱材8aで覆われている排気風路室1bの排気空間1fを介して排気口3から屋外に排気されることになる。従って、排気用ファン6で発生する騒音エネルギーは、排気空間1fで吸収され、外部に排出される騒音を削減することができる。
このとき、外気口4から吸い込まれた給気空気と混ざることはない。
一方、外気口4から熱交換器室1dに流入した給気空気は、複数の熱交換素子11で構成された熱交換素子ユニット12に流入する。しかし、この給気空気は、排気空気が熱交換素子11を通らないため熱交換されず、外気の温度状態を保ったまま、素子外気吐出口11bから外気通風路12bを通り給気ファン室7dに流入する。そして、給気ファン室7dの給気用ファン7から給気口5を介して屋内へ給気される。
このようなバイパス開口8bが開いている状態(図3で示すダンパー8cが「開」状態)において、内気口2から排気風路室1bに流入した排気空気が熱交換器室1dを介さず、内気口2に対し略同一直線となる排気風路室1bの排気口3から外部へ排出するので、内部抵抗を低減することができ、運転エネルギーを削減することができる。
以上のように、ダンパーの開閉に関係なく排気風路6cは断熱材8aで覆われている排気風路室1bの排気空間1fを介して排気口3から屋外に排気されるので、排気用ファン6で発生する騒音を吸音することにより騒音をさげることができる。
本発明のかかる熱交換装置は、本体内部の内部抵抗を低減することで、居住、非居住の建築物にとらわれることなく全ての熱交換装置において運転エネルギーを削減することとして有用である。
1 本体ケース
1a 側面
1b 排気風路室
1c 送風機室
1d 熱交換器室
1e 内気空間
1f 排気空間
1i 排気風路仕切り
2 内気口
3 排気口
4 外気口
5 給気口
6 排気用ファン
6a 排気用羽根
6b 排気用ケーシング
6c 排気風路
6d 排気ファン室
7 給気用ファン
7a 給気用羽根
7b 給気用ケーシング
7c 給気風路
7d 給気ファン室
7e 給気吐出空間
7f 多孔質材
8 風路仕切り
8a 断熱材
8b バイパス開口
8c ダンパー
9a モータベース
9b モータ
10a L字状の壁
10b L字通風レーン
10c 板体
10d 熱伝熱板
10e 拡大板体
11 熱交換素子
11a 素子内気吐出口
11b 素子外気吐出口
11c 吐出口境界部
11d 風路境界板
11e 素子内気吸込口
11f 素子外気吸込口
11i 突出部
12 熱交換素子ユニット
12a 内気通風路
12b 外気通風路
12c ファン側外装面
12d 点検口側外装面

Claims (8)

  1. 室内空気を吸い込む内気口とその吸い込んだ空気を外部に排出する排気口および外気空気を吸い込む外気口とその吸い込んだ外気を室内に供給する給気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた内気用の第1送風ファンおよび外気用の第2送風ファンと、前記本体ケース内において、複数の板体をそれぞれ所定間隔を離した状態で重合させ、前記板体の間に室内空気、外気を交互に通じて熱交換を行う熱交換素子を有する熱交換素子ユニットとを備えた熱交換装置であって、
    前記本体ケースを内気用の前記第1送風ファンおよび外気用の前記第2送風ファンと、前記第2送風ファンと連通する前記給気口を有する送風機室と、前記熱交換素子ユニットを有する熱交換器室と、前記内気口と前記排気口を有する排気風路室の3室に分離し、
    前記送風機室をさらに2分して、一方を第1送風ファン室、他方を第2送風ファン室とし、前記排気風路室の前記内気口から前記熱交換器室へと通じる風路を形成する場合と、前記熱交換器室を経由せずに前記排気風路室の前記内気口から第1送風ファン室へと通じる風路を形成する場合とを切り替えるダンパーを設けた熱交換装置。
  2. 前記排気風路室は、2分して一方を前記内気口から吸い込まれる内気空間とし、他方を前記排気口へ吹き出される排気空間とし、各々を形成する排気風路仕切りを有し、前記内気口の吸込み方向と、前記排気口吹き出し方向とを略同一直線になるようにした請求項1記載の熱交換装置。
  3. 前記排気空間の内壁を、吸音特性を有する断熱材とした請求項2記載の熱交換装置。
  4. 前記第2送風ファンの吐出部の少なくとも1面に多孔質材を設けた請求項1記載の熱交換装置。
  5. 前記熱交換素子は、L字状の通風レーンを設けた略長方形の板体を複数枚重合させた請求項1〜4いずれか一つに記載の熱交換装置。
  6. 前記熱交換素子ユニットの室内空気の吐出口側、外気の吐出口側にそれぞれ内気通風路、外気通風路を形成し、前記内気通風路、前記外気通風路が、送風ファン側を前記熱交換素子から突出させた突出部を設けた請求項5記載の熱交換装置。
  7. 前記熱交換素子ユニットは、前記内気通風路、前記外気通風路に沿って複数の熱交換素子を配置し、この熱交換素子の板体は、前記排気風路室側(風路上流側)を反対側(風路下流側)の間隔よりも広げた拡大板体を設けた請求項5記載の熱交換装置。
  8. 前記熱交換素子ユニットは、前記内気通風路、前記外気通風路に沿って複数の熱交換素子を配置し、前記送風ファン側(風路下流側)の前記熱交換素子は、室内空気の吐出口と外気の吐出口の開口面が前記送風ファン側に向いている請求項5記載の熱交換装置。
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