JP5538500B2 - ソフトクリームおよびその原料 - Google Patents

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本発明は、ソフトクリームおよびその原料に関する。
一般に、「ソフトクリーム」とは「半冷凍氷結で、クリーム状にしたアイスクリーム」(広辞苑 第4版 岩波書店1991年)などと定義されるが、本願では、以下に定義する。ソフトアイスクリーム(以下ソフトクリームと略す)は、店舗内に設置された冷菓製造装置(フリーザー)に「ソフトクリームミックス」と呼ばれるソフトクリームの原料を投入し、ソフトクリームミックスと空気とを所定の割合で撹拌混合しながら所定温度に冷却し、空気を抱き込み、クリーム状となったアイスクリームをフリーザーから取り出して「コーンカップ」と呼ばれる可食容器に上に下から上へ渦巻き状に高く盛り付けることにより、硬化工程を経ることなく商品となる。つまり、ソフトクリームは、店舗で製造され、硬化させることなく、物流されることなく、軟らかい状態で対面販売される。
本願において、「ソフトクリーム」は、次のように分類される。
表1に示すように、「ソフトクリーム」は、乳固形分を3%以上含むアイスクリーム類
と乳固形分が3%未満の氷菓に大別される。
また、表1に示すように、「アイスクリーム類」は、乳等省令が定めたアイスクリーム類の成分規格に基いて、アイスクリーム規格と、アイスミルク規格と、ラクトアイス規格とに分類される。
また、表1に示すように、「氷菓」は、脂肪分を含む氷菓と、脂肪分を含まない氷菓に分類される。
一般にアイスクリームは、硬化工程を経て製品温度−15℃〜−20℃程度に冷凍され物流され、硬い状態で冷凍陳列ストッカーに保存され物品販売されるが、ソフトクリームは、硬化工程を通さないので製品温度−4℃〜−10℃程度で、軟らかい状態で対面販売される
。この為ソフトクリームはアイスクリームに比べきわめて速く溶け出しが始まる。一方、消費者は、コーンカップを持ちながらソフトクリームを店舗内あるいは店舗周辺で喫食する。このとき、短い時間経過とともにソフトクリームが溶け出し始めて、消費者の手や衣服を汚してしまう不具合や、さらにはソフトクリームがポタポタと垂れ落ち床を汚してしまい、床の清掃を余儀なくされることが多々見られる。特に喫食時間が長くなりがちな幼児や高齢者にこの問題が発生しやすく、人気商品である反面、商品価値(商品寿命)がコントロールしにくいというソフトクリーム特有の問題として従来より指摘されている。また、ソフトクリームは喫食環境の影響を受けやすく、外気温が高いときにこの不具合の発生が著しい。その為、ソフトクリームにおいては、粘性、風味、食感等の特性と共に、常温環境下での溶け落ち開始時間を遅くすることは(溶けはじめるまでの時間が長い)、非常に重要な課題である。
ソフトクリームの溶け落ちを調整する方法として、海草、植物種子、微生物等から抽出した親水性多糖類や微結晶セルロースなどの不溶性多糖類、合成安定剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)などからなる安定剤や、不飽和脂肪酸エステルといった低HLB乳化剤の添加が、従来技術として知られている。
また、特許文献1によれば、微結晶セルロース、カラギーナンおよびワキシースターチを安定剤とすれば、フリージングされる前の液状ソフトクリームミックスの液安定性を高めることができ、かつ長時間フリージングされた後でもソフトクリームの保形性がよく耐ドリップ性に優れる旨報告されている。なお、微結晶セルロースは、本発明で用いられる後述の微小繊維状セルロースとは明確に区別されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−276875号公報 特開平6−178659号公報
本発明者らは、商品としてソフトクリームが完成した時点から、クリームが溶けだし、最初に流れ落ちが確認できるまでの時間を延ばすこと、すなわち、ソフトクリームの溶け落ち開始時間の遅延(以下、溶け落ちの遅延と略す)について鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得た。
安定剤によるソフトクリームの溶け落ちの遅延は、添加量を増加することにより達成できるが、期待する効果を実現する程度まで添加するとソフトクリームミックスの粘度が上昇してしまう。その結果、保管や流通時にソフトクリームミックスが著しく増粘または分離し、フリーザーにソフトクリームミックスを投入する際など、ソフトクリーム製造時のハンドリングに支障が出る。それに加え、ソフトクリームの食感が糊様になり、風味を著しく損なう。
低HLB乳化剤によるソフトクリームの溶け落ちの遅延も、添加量を増加することにより達成できるが、このような乳化剤には特有の味と匂いがあるため、期待する効果を実現する程度まで添加すると風味が低下する。それに加え、低HLB乳化剤は乳化破壊を誘因し、保管や流通時にソフトクリームミックスの液状が悪化したり、フリージング中にチャーニングが生じ易くなる。なお、チャーニングとは、複数の脂肪球が一つに合わさって塊に成長し、大きなものでは目に見えるほどの塊(バター粒)に成長した状態を言い、ソフトクリームの口溶け悪化、ざらつきの原因となり、著しくソフトクリームの食感を悪化させてしまう。
本発明者らは、植物由来の微小繊維状セルロースをソフトクリームに含ませることにより、他の特性に悪影響を与えずにソフトクリームの溶け落ちの遅延を期待する程度まで十分長くできることを見出し、本発明をするに至った。
かくして、本発明によれば、植物由来の微小繊維状セルロースを含有し、
該微小繊維状セルロースの比表面積が150m 2 /g以上であるソフトクリームが提供される。
また、本発明の別の観点によれば、植物由来の微小繊維状セルロースを含有し、
該微小繊維状セルロースは、含有率0.02重量%の微小繊維状セルロース水分散物での波長600nmにおける光透過度が50%以上であるソフトクリームが提供される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記ソフトクリームにおける前記微小繊維状セルロースを含有するソフトクリーム原料が提供される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記ソフトクリーム原料を用いてソフトクリームを製造するソフトクリームの製造方法が提供される。
本発明によれば、加熱殺菌時の熱による物性変化、長期保存性等のソフトクリームの原料の特性、および、粘性、食感、風味等のソフトクリームの特性に悪影響を与えることなく、溶け落ち開始が期待する程度に十分遅くなった(溶け落ち難くなった)ソフトクリームを得ることができる。
ここで、本発明において、「ソフトクリーム」とは、硬化させることなく、物流されることなく、軟らかい状態で、店舗で製造し、対面販売される冷菓であり、表1に示すように、「ソフトクリーム」は、乳固形分を3%以上含むアイスクリーム類と乳固形分が3%未満の氷菓に大別される。また、「アイスクリーム類」は乳等省令が定めたアイスクリーム類の成分規格に基いてアイスクリーム規格とアイスミルク規格とラクトアイス規格に分類される。「氷菓」は脂肪を含む氷菓と、脂肪を含まない氷菓に分類される(表1参照)。
また、本発明によれば、昨今ソフトクリームフリーザー(以下、冷菓製造装置と呼ぶ)の主流となっている自動殺菌装置付き冷菓製造装置を使用する場合、次の効果を奏する。
閉店時にフリーザー内に残ったソフトクリームミックス(液体)は、翌日の使用のために加熱殺菌される。そのため、一般に液状ソフトクリームミックスは、冷却と加熱が毎日繰り返されても品質が劣化し難い耐ヒートショック性を有する配合で製造されている。ここで、「配合」とは、液状ソフトクリームミックスの最適な原材料の選択および割合を意味する。それ故、液状ソフトクリームミックスの配合を変更すると、液状ソフトクリームミックスおよびソフトクリームの物性変化(チャーニング、クリームの軟化等)が生じ易い。本発明によれば、植物由来の微小繊維状セルロースの添加量が微量でも期待された溶け落ちの遅延効果が得られるため、緻密に調整された液状ソフトクリームミックスの配合をほとんど変更せずに済む。その結果、液状ソフトクリームミックスの分離、増粘、凝固といった液状劣化が生じ難く、液状ソフトクリームミックスの常温での長期保管および流通が可能であり、ソフトクリームの溶け落ちの遅延以外の特性に悪影響を与えることもない。さらに、加熱殺菌が繰り返される事で、溶け落ち効果が減少することは少なく、たとえ通常販売で想定される最悪のケース(具体的には7日間・7回)の加熱殺菌を経ても微小繊維状セルロースを含まないソフトクリームより溶け落ちの遅延効果を有する。
本発明のソフトクリームを製造し、溶け落ち時間を測定する実施例1の様子を示す写真である。
本発明において、「ソフトクリーム」とは、コーンカップのような可食容器や紙・樹脂性容器に下から上へ渦巻き状に盛り付けられた冷菓であって、硬化させることなく、物流されることなく、軟らかい状態で店舗で製造し、対面販売されるものであり、表1に示すように、「ソフトクリーム」は、前述のように乳固形分を3%以上含むアイスクリーム類と乳固形分が3%未満の氷菓に大別される。また、「アイスクリーム類」は乳等省令が定めたアイスクリーム類の成分規格に基いてアイスクリーム規格とアイスミルク規格とラクトアイス規格に分類される。「氷菓」は脂肪を含む氷菓と、脂肪を含まない氷菓に分類される。
前項のソフトクリームの製造方法は、液状ソフトクリームミックスを用いた例えば、以下が挙げられる。
工場にて後述する製造工程により製造された液状ソフトクリームミックスはパック詰めにされ、各店舗に配送される。そして、店舗において液状ソフトクリームミックスを冷菓製造装置(フリーザー)に投入し、ソフトクリームミックスと空気とを所定の割合(オーバーラン=O.Rと表記する)で撹拌混合しながら所定温度(例えば、−4〜−7℃)に冷却し、空気を抱き込み、クリーム状となったアイスクリームを、消費者の注文に応じてフリーザーから取り出して、コーンカップ等の容器に下から上へ渦巻き状に高く盛り付け、硬化工程を経ることなく、軟らかい状態で、店舗内で製造された、ソフトクリームが対面販売される。
ここで、「オーバーラン」とは、ソフトクリームに含まれる空気の割合を意味し、次の式で算出される。
O.R(%)=A/B×100
A:ソフトクリーム中の空気容積(=ソフトクリームの容積−ソフトクリーム中のソフトクリームミックスの容積)
B:ソフトクリーム中のソフトクリームミックスの容積
尚、オーバーランを実際に測定する時は一定容量の容器を用意し、以下の式を用いて算出する。
O.R(%) =(C−D)/D×100
C:容器に満注したソフトクリームミックスの重量
D:同容器に詰めた同容積のソフトクリームの重量
本発明のソフトクリームにおいて、オーバーランは30〜80%が好ましく、40〜50%が特に好ましい。
また、本発明のアイスクリーム類に分類されるソフトクリームの製品温度は−5〜−7℃が好ましく、−6℃が特に好ましい。
また、本発明で氷菓に分類されるソフトクリームの製品温度は−4〜−10℃が好ましく、−5〜−8℃が特に好ましい。
<植物由来の微小繊維状セルロースについて>
本発明のソフトクリームは、粘性、食感、風味等の冷菓の特性、熱による物性変化および長期保存性等の冷菓原料の特性に悪影響を与えることなく、ソフトクリームの溶け落ちを十分に遅くするために、植物由来の微小繊維状セルロースが含まれている。ここで、「植物由来の微小繊維状セルロース」とは、植物由来のセルロースを解繊処理して得た微小繊維状セルロースであり、例えば、木材パルプ由来の微小繊維状セルロースが含まれる。また、この木材パルプ由来の微小繊維状セルロースには、後述のネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースおよびドライパルプ由来の微小繊維状セルロースが含まれる。
本発明のソフトクリームは、ネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースとドライパルプ由来の微小繊維状セルロースのうちの少なくとも一方を含むことが好ましく、両方が混在し含まれていてもよい。
ネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースの製造例を説明すると、まず、広葉樹(例えば、カシ、シイ、ナラ、カバ、ユーカリ、アカシア等)、針葉樹(例えば、ヒノキ、スギ、マツ、ラジアータパイン、カリビアパイン等)などの原料木材の樹皮を除去して材木に加工し、材木を粉砕して木粉に加工し、木粉を所定サイズ(例えば、50μm×250μm)に分級する。次いで、分級木粉を有機溶媒中に浸漬して脱脂し、脱脂木粉を亜塩素酸ナトリウム溶液中に浸漬してリグニンを除去し、リグニン除去後の木粉を任意にアルカリ水溶液(例えば、水酸化カリウム溶液または水酸化ナトリウム溶液)中に浸漬してヘミセルロースを一定量除去し、ヘミセルロース除去後の繊維調整品を水洗する。この水洗後の膨潤した繊維調整品がネバードライパルプである。なお、本発明においては、ネバードライパルプ中にヘミセルロースが所定の含有率で含まれていてもよく、これについて詳しくは後述する。そして、ネバードライパルプを解繊装置(例えばグラインダー)にて解繊処理することにより、ウエット状態の微小繊維状セルロースを得ることができる。前記製造方法は公知であり、ネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを製造できる有用な方法であり、例えば、特開2010−7010号公報に記載されている。なお、ネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースは、それを水中に分散してなる微小繊維状セルロース水分散物として用いてもよい。
ドライパルプ由来の微小繊維状セルロースの製造例を説明すると、前記繊維調整品を得るまではネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースの製造例と同じであり、その後、繊維調整品を乾燥してドライパルプを得、ドライパルプを解繊処理して微小繊維状セルロースを得ることができる。なお、ドライパルプ由来の微小繊維状セルロースも、それを水中に分散してなる微小繊維状セルロース水分散物として用いてもよい。
〈植物由来の微小繊維状セルロースのパラメータについて〉
本発明において、微小繊維状セルロースは、例えば、次の(1)、(2)で示されるパラメータのうちいずれか1つを有することで効果を発揮するが、(1)、(2)両方のパラメータを満たしているのがなお好ましい。
(1)比表面積は100m2/g以上が好ましく、150m2/g以上がさらに好ましく、200〜350m2/gの範囲が特に好ましい。
(2)保水度は300%以上が好ましく、5000%以上がさらに好ましく、8500〜36000%の範囲が特に好ましい。
〈微小繊維状セルロース水分散物のパラメータについて〉
本発明において、微小繊維状セルロース水分散物は、例えば、次の(3)、(4)で示されるパラメータのうちいずれか1つを有することで効果を発揮するが、(3)、(4)両方のパラメータを満たしているのがなお好ましい。
(3)含有率0.05重量%の微小繊維状セルロース水分散物での沈降度は1000ml/g以上が好ましく、1500ml/g以上がさらに好ましく、1800〜2000ml/gの範囲が特に好ましい。
(4)含有率0.02重量%の微小繊維状セルロース水分散物での波長600nmにおける光透過度は30%以上が好ましく、50%以上がさらに好ましく、70〜90%の範囲が特に好ましい。
前記パラメータ(1)と(2)は植物由来の微小繊維状セルロース自体のパラメータであり、前記パラメータ(3)と(4)は微小繊維状セルロース水分散物でのパラメータであり、これらのパラメータ(1)〜(4)はソフトクリームの溶け落ちを遅らせるための重要なファクターである。
なお、比表面積が100m2/gを下回る、保水度が300%を下回る、沈降度が1000ml/gを下回る、あるいは光透過度が30%を下回ると、微小繊維状セルロースによる満足できる程度の溶け落ち遅延効果を得難くなる。
本発明において、比表面積は、微小繊維状セルロース水分散物のサンプルを採取し、サンプル中の水をエタノール置換した後、ターシャルブチルアルコールに置換し、その後、サンプルを凍結乾燥し、日本ベル株式会社製のBELSORP−miniIIを用いBET法に基づいて微小繊維状セルロースの比表面積を測定した値である。前記比表面積の測定では、微小繊維状セルロースの単位重量当たりの本数が多いほど(繊維径が小さいほど)、比表面積が大きくなることを確認できる。
本発明において、保水度は、微小繊維状セルロースを含有率0.5重量%で水中に分散した微小繊維状セルロース水分散物50gを、ADVANTEC東洋株式会社製の定性濾紙No.101を2枚敷いた金属カップ濾過器に入れ、遠心分離器を用いて遠心力1500G、遠心時間15分間、室温25℃の条件で脱水し、脱水後のサンプルの重量を測定し、その後、サンプルを乾燥させて重量を測定し、次の式により算出した値である。前記保水度の測定でも、微小繊維状セルロースの単位重量当たりの本数が多いほど、保水度が大きくなることを確認できる。
保水度(%)={(脱水後のサンプル重量−乾燥後のサンプル重量)/乾燥後のサンプル重量}×100
本発明において、沈降度は、微小繊維状セルロースを含有率0.05重量%で水中に分散した微小繊維状セルロース水分散物100mlを、メスシリンダーに入れて1時間静置した後、懸濁部分の体積を測定し、下記の式により算出した値である。前記沈降度の測定でも、被測定物である繊維の単位重量当たりの本数が多いほど、沈降度が大きくなることを確認できる。
沈降度(ml/g)=懸濁体積(ml)/固形分(g)
本発明において、前記光透過度は、微小繊維状セルロースを含有率0.02重量%で水中に分散した微小繊維状セルロース水分散物を標準ガラスセルに入れ、水をブランクとして波長600nmの光透過率を分光光度計により測定した値である。光透過度の測定では、微小繊維状セルロースの単位重量当たりの本数が多いほど、光透過度が大きくなることが確認できる。
前記パラメータ(1)(2)のうち少なくとも1つを有する微小繊維状セルロース、もしくは前記パラメータ(3)(4)のうち少なくとも1つを有する微小繊維状セルロース水分散物中の微小繊維状セルロースは、極細の長い繊維であり、かつ単位重量当たりに多数本含まれるため、複雑に絡み合った三次元網目構造を形成でき、ソフトクリームミックス中に均一に微量含まれるだけで、ソフトクリームの溶け落ち遅延効果を劇的に向上でき、しかも、溶け落ち遅延以外の特性に悪影響を与えることがない。
ソフトクリーム中の微小繊維状セルロースの含有率は、少な過ぎると溶け落ち遅延効果が発揮できず、多過ぎると溶け落ち遅延以外の特性や液状ソフトクリームミックスの物性に悪影響が生じる。よって、ソフトクリーム中の微小繊維状セルロースの含有率は、ソフトクリームの溶け落ち遅延以外の特性や液状ソフトクリームミックスの物性に悪影響が生じずに、ソフトクリームの溶け落ち遅延効果が十分に発揮できる量であればよい。
具体的なソフトクリーム中の微小繊維状セルロースの含有率は0.01〜1.0重量%である。
本発明のソフトクリームにおいて、植物由来の微小繊維状セルロースは、次の(I)または(II)のように構成されてもよく、(I)と(II)が組み合わされてもよい。これにより、溶け落ちがさらに遅くなったソフトクリームを得ることができ、特に、(II)はその効果が顕著である。
(I)微小繊維状セルロースのα−セルロース含有率は50%以上が好ましい。α−セルロース含有率は100%でもよいが、微小繊維状セルロースの製造時間が長くなり、かつコストが上昇する。
微小繊維状セルロースを前記製造例で得る場合、α−セルロース含有率が50%以上となるようにヘミセルロースを除去する。この場合、リグニン除去後の木粉をアルカリ水溶液中に浸漬する時間、そのアルカリ水溶液の濃度等を調整することにより、微小繊維状セルロースのα−セルロース含有率(ヘミセルロース含有率)を調整することができる。なお、微小繊維状セルロースのα−セルロース含有率は、公知の方法を用いて17.5重量%の水酸化ナトリウム溶液に溶解しない成分として求めることができる。
(II)微小繊維状セルロースが−CH2COO-を含む置換基で化学修飾されていてもよい。つまり、微小繊維状セルロースがカルボキシメチル化(以下、「CM化」と略す場合がある)処理されていてもよい。この場合、前記プロセスにおける解繊処理の前に、公知の方法でCM化すればよい。ここで、エーテル化度(DS)としては、例えば、0.01〜0.50とすることができる。なお、公知の方法、例えば、微小繊維状セルロースの赤外吸収スペクトルを分析することにより−CH2COO-を含む置換基を確認することができる。
エーテル化度を適度に上げることにより、CM化処理した微小繊維状セルロースによる溶け落ち遅延効果は向上する。しかしながら、エーテル化度を上げ過ぎる場合、例えば、エーテル化度が0.5を超える場合、モノクロロ酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の薬品の使用量を増やして反応させることになるため、セルロースにダメージが与えられ、結晶性が損なわれてしまう。この結果、セルロース分子の可溶性が増すことになり、充分な網目構造を形成することができなくなり、ソフトクリームの十分な溶け落ち遅延効果が得られなくなる。
本発明のソフトクリームは、前記微小繊維状セルロースのうち、−CH2COO-を含む置換基で化学修飾されていない微小繊維状セルロースを0.05〜1.0重量%含有することができる。また、本発明のソフトクリームは、前記微小繊維状セルロースのうち、−CH2COO-を含む置換基で化学修飾された微小繊維状セルロースを0.01〜1.0重量%含有することができる。
〈液状ソフトクリームミックスについて〉
本発明において、液状ソフトクリームミックス中に含まれる微小繊維状セルロース以外の原材料は、従来の液状ソフトクリームミックスに使用されている一般原材料、例えば、水、乳、乳製品、甘味料、油脂類、安定剤、乳化剤、香料、食塩、果汁、果肉等の中から適宜選択される。
前記乳としては、特に限定されないが、例えば、牛乳、脱脂乳(スキムミルク)等が挙げられる。また、前記乳製品としては、特に限定されないが、例えば、脱脂粉乳、調製粉乳、クリーム、練乳、発酵乳等が挙げられる。また、乳及び乳製品は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記甘味料としては、特に限定されないが、例えば、砂糖(ショ糖、スクロース)、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)、トレハロース、水飴、異性化糖等の糖類;ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール等の糖アルコール類;アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ステビオサイド、ソーマチン、グリチルリチン、サッカリン、ジヒドロカルコン等の非糖質甘味料;等が挙げられる。また、甘味料は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記油脂類は、ソフトクリームの骨格成分として用いられる。前記油脂類としては、特に限定されないが、例えば、ヤシ、パーム、パーム核、大豆、菜種等の植物性油脂;ラード、ヘッド、魚油等の動物性油脂;等が挙げられる。勿論、バターやクリームといった乳脂肪も使用可能である。また、油脂類は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記安定剤は、液状ソフトクリームミックスの粘度を適度に高め、製造過程や保管流通時に液状ソフトクリームミックス中の油脂分が分離することを防ぐ。また、安定剤は、ソフトクリームの氷晶の大きさを調節し、ソフトクリームの食感を改良することにも用いられる。前記安定剤としては、特に限定されないが、例えば、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、微結晶セルロース、ペクチン、デンプン、アラビヤゴム等の植物由来安定剤;ゼラチン、カゼイン、カゼインNa等の動物由来安定剤;カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の合成安定剤;等が挙げられる。また、安定剤は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記乳化剤は、脂肪を分散させる機能を有する。脂肪の分散が不十分であると、殺菌工程や均質化工程を良好に実施することが困難となる。また、乳化剤は、オーバーラン、ドライネス、食感等にも影響を与える。乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。また、乳化剤は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記香料(フレーバー)としては、所望の芳香を冷菓に与えるものであればよく、例えば、バニラ、チョコレート、コーヒー、ストロベリー、アップル、オレンジ、グレープ、シナモン、スイートメロン、バナナ、ピーチ、マンゴー、ミント、レモン等が挙げられる。また、香料は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
〈液状ソフトクリームミックスの製造について〉
本発明において、液状ソフトクリームミックスは、調合工程、殺菌工程、均質化工程、冷却工程および充填工程を経て製造される。なお、ソフトクリームミックスの製造はこの工程順に限定されず、例えば、調合工程、均質化工程、殺菌工程、冷却工程および充填工程の順で液状ソフトクリームミックスを製造してもよい。
〈調合工程〉
調合工程では、水、乳、乳製品、甘味料、油脂類、安定剤、乳化剤、香料等の原材料と共に、微小繊維状セルロース水分散物を調合装置のタンクミキサー内に投入して均一に撹拌混合することにより、「プレミックス」と呼ばれる加熱殺菌前のミックスの前駆混合物を調製する。微小繊維状セルロース水分散物の固形分率、すなわち、微小繊維状セルロース水分散物中の微小繊維状セルロースの含有率としては、特に限定されない。調合工程では、予め、微小繊維状セルロース水分散物の投入量、固形分量および水分量を考慮した上で、その他の各原材料の投入量を計算しておく。また、調合工程では、原材料の均一な溶解、混合のために予備加熱してもよい。予備加熱の温度は、特に限定されないが、例えば、50〜80℃が適当である。
〈殺菌工程〉
殺菌工程(加熱工程)では、公知のUHT殺菌、HTST殺菌などの連続加熱方法を採用することができる。なお、殺菌方法は、これらの方法に限定されず、例えば、回分式や連続式の間接加熱法を採用することもできる。
〈均質化工程〉
均質化工程では、前記調合工程で調製されたプレミックスを均質機に移し、均質機にてプレミックス中の乳脂肪や油脂類を粉砕して均質化する。ソフトクリームのうち、油脂を含まない液状ソフトクリームミックスの中には調合工程で完全に分散、溶解するものがある。そのような液状ソフトクリームミックスの場合、均質化工程を省くことが可能である。均質機としては、従来公知のホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等を用いることができる。
〈冷却工程〉
冷却工程では、加熱殺菌された後の液状ソフトクリームミックスを迅速に冷却する。殺菌工程後の高温の液状ソフトクリームミックスを放置しておくと、液状ソフトクリームミックスの変質および乳化破壊等が生じる場合がある。そこで、殺菌工程後の液状ソフトクリームミックスを急速に冷却することにより、液状ソフトクリームミックスの変質および乳化破壊を回避する。
〈充填工程〉
冷却が完了した液状ソフトクリームミックスは充填機を用いて所望の容器に所望量充填される。充填用容器としては目的に合致した従来公知の包装容器を用いればよい。一例として、加工紙を用いるテトラパック容器、ゲーベルトップ容器、プラスティック素材であるピロー容器、バックインボックス(BIB)用内袋があるがそれらに限定されない。充填機はそれぞれに適応する公知の装置を使用することができる。充填は無菌条件でもそうでなくてもよい。無菌条件での充填をすれば、常温下で、長期間の流通・保管が可能となる。無菌条件の充填機の一例として、テトラパック社の無菌充填機が知られているが、これに限定されるものではない。
〈箱詰工程〉
容器充填された液状ソフトクリームミックスはさらに包装されてもよく、一例として、段ボール箱の箱詰めがあげられるが、これに限定されない。
〈流通〉
段ボール箱等に詰められた液状ソフトクリームミックスは、常温もしくは冷蔵条件にて保管物流され各店舗に配送される。
〈液状ソフトクリームミックスを用いたソフトクリームの製造および販売について〉
各店舗に配送された液状ソフトクリームミックスを用いたソフトクリームの製造方法は、例えば、以下が挙げられる。
工場にて製造された液状ソフトクリームミックスはパック詰めにされ、各店舗に配送される。そして、店舗において液状ソフトクリームミックスを冷菓製造装置に投入し、ソフトクリームミックスと空気とを所定の割合で撹拌混合しながら−4℃〜−10℃の所定温度に冷却し、空気を抱き込み、クリーム状となったアイスクリームを消費者の注文に応じてフリーザーから取り出してコーンカップ等の容器上に下から上へ渦巻き状に高く盛り付けることにより、硬化工程を経ることなく、物流されることなく、店舗内で製造された軟らかい状態で、ソフトクリームが対面販売される。
以下に本発明の実施例を記すが、これに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、ラクトアイス規格のソフトクリームの溶け落ちについて調べた。
(ラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースの調製)
原材料として糖類、乳製品、油脂類、乳化剤、安定剤、その他、水等を用い、表2に示した原材料比率でラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースを調製した。なお、糖類としては砂糖、水あめを用い、乳製品としては脱脂粉乳を用い、油脂類としては、やし、パーム油を用い、安定剤としてはセルロース、カゼインNa、 増粘多糖類を用い、その他としてはバニラ香料、カロチン色素等を用いた。
<実施例1A(参考例1A)
実施例1Aの微小繊維状セルロース水分散物として市販されているダイセルファインケム株式会社製のセリッシュ(登録商標)FD−100Gを用いて、後述のようにして、実施例1Aのラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。
セリッシュFD−100Gの固形分率(微小繊維状セルロース含有率)を測定したところ10重量%であった。また、セリッシュFD−100Gの微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ101m2/gであり、保水度を測定したところ367%であった。また、セリッシュFD−100Gの固形分率を0.5重量%に調整して温度5.2℃のときの微小繊維状セルロース水分散物の粘度を測定したところ170cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ1360ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ36.4%であった。これらの測定結果を表3に示した。なお、表3には、後述の実施例1B、1Cおよび1Dにおける微小繊維状セルロースのパラメータも記載した。
微小繊維状セルロースの固形分率が0.1重量%となるように、前記ラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースに、前記セリッシュのFD−100Gを混合して、実施例1Aのラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、その原材料比率を表4に示した。なお、表4には、後述の実施例1B、1C、1Dおよび比較例1のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率も記載した。
次いで、冷菓製造装置(日世株式会社製フリーザーNA6462WE)に、実施例1Aの前記ソフトクリームミックスを1.7L投入し、フリージング開始から1時間後、オーバーラン42%および製品温度−5.1℃のソフトクリーム約110g(約140ml)を取り出してコーンカップ(日世株式会社製No.15コーン)上に渦巻き状に段々に上積み3段半盛りつけることにより、実施例1Aのラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。なお、本明細書において、「製品温度」とは、フリーザーからの製品取出し直後[盛り付け時]のソフトクリームの温度を意味する。
製造後、図1に示すように、直ちに実施例1Aのソフトクリームを35℃に維持したインキュベーター内に入れ、インキュベーター内の皿上のカップホルダーにてコーンカップを立てた状態で支持し、外部の空気が流入しないよう扉を閉め、実施例1Aのソフトクリームが溶け落ちる様子を観察した。このとき、実施例1Aのソフトクリームをインキュベーター内に入れた時点から、コーンカップ上のソフトクリームが皿の上に溶け落ちるまでの時間を測定した。
また、実施例1Aのソフトクリームを試食して食感、口当たり、風味といった品質を調べた。それらの結果を表5に示した。なお、表5には、後述の実施例1B、1C、1Dおよび比較例1のラクトアイス規格のソフトクリームの溶け落ち時間、品質および溶け落ち延長比率も記載した。
<実施例1B>
ヒノキ木粉を原料に用いて、次の条件の通り、脱脂、リグニン除去、ヘミセルロース除去および解繊の工程を経て、ネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロース水分散物を製造した。
〔脱脂工程〕
ヒノキ木粉を円筒濾紙に入れ、それをトルエン・エタノール混液(トルエン:エタノール=2:1)が入ったソックスレー抽出機フラスコ内に設置し、6時間湯煎してヒノキ木粉から脂分を抽出・分離した。その後、脱脂処理品を乾燥させ、脱脂処理済みの木粉を得た。
〔リグニン除去工程〕
蒸留水600ml、亜塩素酸ナトリウム4gおよび酢酸0.8gが入ったビーカー内に脱脂処理済みの木粉10gを投入し、時折撹拌しながら70〜80℃で1時間湯煎した。その後、冷却することなく亜塩素酸ナトリウム4gおよび酢酸0.8gを加えて反復処理を5回行った。その後、得られたリグニン除去パルプを吸引濾過により回収し、ろ液が黄色から無色透明になるまで純水による洗浄を繰り返した。
〔ヘミセルロース除去工程〕
ビーカー内でリグニン除去パルプ10g(固形分換算)と5重量%の水酸化ナトリウム水溶液との混合物を300ml調整し、90℃で2時間湯煎した。その後、得られたヘミセルロース除去パルプを吸引濾過により回収し、ろ液のpHが中性であることを確認できるまで純水による洗浄を繰り返すことにより、ネバードライパルプ(以下、NDパルプと略す場合がある)を得た。
〔解繊工程〕
ネバードライパルプを以下の条件で解繊処理することにより、微小繊維状セルロース水分散物を得た。
〈解繊条件〉
使用した解繊装置:増幸産業株式会社製の石臼式摩砕機(セレンディピター型式MKCA6-3)および砥石(型式MKG-C)
砥石の回転速度:1500rpm
その他:砥石が擦れ合う状態からさらに620μm押し付けて解繊処理した
得られた微小繊維状セルロース水分散物の固形分率(微小繊維状セルロース含有率)を測定したところ0.73重量%であった。また、この微小繊維状セルロース水分散物中の微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ232m2/gであり、保水度を測定
したところ12057%であった。また、得られた微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度6.0℃のときの粘度を測定したところ3140cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ80.8%であった。
微小繊維状セルロース水分散物として実施例1Bの微小繊維状セルロース水分散物を用いたこと以外は、実施例1Aと同様に、実施例1Bのラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、かつラクトアイス規格のソフトクリーム(オーバーラン40%、製品温度−5.3℃)を製造した。
そして、実施例1Aと同様にして、実施例1Bのソフトクリームの溶け落ち時間を測定すると共に、実施例1Bのソフトクリームを試食して食感、風味、口当たりといった品質を調べた。
<実施例1C>
実施例1Bと同様にしてネバードライパルプを得た後、カルボキシメチル化(CM化)処理を行うために、モノクロロ酢酸ナトリウム5.8重量部と純水67.5重量部を混合して水溶液を調整し、水溶液を撹拌しながらネバードライパルプ(固形分11.9%)16.7重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。さらに、撹拌し続けながら、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液10重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。その後、70℃で1時間加温、30℃に冷却した後、酢酸でpH7.0〜7.5に中和した(この時点で撹拌終了)。その後、吸引濾過によりCM化パルプを回収して、純水による洗浄を繰り返した。
得られたCM化パルプを実施例1Bと同様に解繊処理を行い実施例1Cの微小繊維状セルロース水分散物を得た。
得られた微小繊維状セルロース水分散物の固形分率(微小繊維状セルロース含有率)を測定したところ0.82重量%であった。
また、得られた微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ267m2/gであり、保水度を測定したところ14209%であり、エーテル化度を測定したところ0.06であった。
また、得られた微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.5℃のときの粘度を測定したところ2170cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ85.8%であった。
微小繊維状セルロース水分散物として実施例1Cの微小繊維状セルロース水分散物を用いたこと以外は、実施例1Aと同様に、実施例1Cのラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、かつラクトアイス規格のソフトクリーム(オーバーラン41%、製品温度−5.3℃)を製造した。
そして、実施例1Aと同様に、実施例1Cのソフトクリームの溶け落ち時間を測定すると共に、実施例1Cのソフトクリームを試食して食感、風味、口当たりといった品質を調べた。
<実施例1D>
次のように製造した実施例1Dのドライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースを用いて、実施例1Dのラクトアイス規格のソフトクリームを製造し試験を行った。
実施例1Bと同様にしてネバードライパルプを得た後、カルボキシメチル化(CM化)処理を行うために、モノクロロ酢酸ナトリウム5.8重量部と純水67.5重量部を混合して水溶液を調整し、水溶液を撹拌しながらネバードライパルプ(固形分16.4%)12.2重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。
さらに、得られた混合物を撹拌しながら30%水酸化ナトリウム水溶液10重量部を投入し、室温で30分撹拌した。その後、混合物を撹拌しながら70℃で1時間加温し、続いて30℃に冷却した後、酢酸でpH7.0〜7.5に中和し、撹拌を停止した。その後、得られた混合物を吸引濾過してCM化処理されたパルプを回収し、純水による洗浄を繰り返した。続いて、得られたCM化処理されたパルプをオーブンにより100℃で加熱して重量の変化が無くなるまで乾燥した。これにより、得られたCM化ドライパルプを実施例1Bと同様に解繊処理を行い実施例1Dの微小繊維状セルロース水分散物を得た。得られた微小繊維状セルロース水分散物の固形分率(微小繊維状セルロース含有率)を測定したところ0.92重量%であった。
また、得られた微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ240m2/gであり、保水度を測定したところ15605%であり、エーテル化度を測定したところ0.04であった。
また、得られた微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.0℃のときの粘度を測定したところ870cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ69.6%であった。
微小繊維状セルロース水分散物として実施例1Dの微小繊維状セルロース水分散物を用いたこと以外は、実施例1Aと同様に、実施例1Dのラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、かつラクトアイス規格のソフトクリーム(オーバーラン46%、製品温度−5.8℃、微小繊維状セルロース含有量0.1重量%)を製造した。
そして、実施例1Aと同様に、実施例1Dのソフトクリームの溶け落ち時間を測定すると共に、実施例1Dのソフトクリームを試食して食感、風味、口当たりといった品質を調べ、それらの結果を表5に示した。
(比較例1)
微小繊維状セルロースを添加せず、表2に示した前記ラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースのみを用いて、実施例1Aと同様に、比較例1のラクトアイス規格のソフトクリーム(オーバーラン48%、製品温度−5.4℃)を製造した。そして、実施例1と同様に、比較例1のソフトクリームの溶け落ち時間を測定し、比較例1のソフトクリームを試食して食感、風味、口当たりといった品質を調べ、表5にデータを併記した。
溶け落ち延長時間の比較は比較例1と実施例1A〜1Dの溶け落ち時間(平均)の差および比率で記した。
溶け落ち時間の評価は比較例1と実施例1A〜1Dの溶け落ち時間(平均)の差が30秒〜1分:△(効果あり) 、1分〜2分:○(非常に効果あり)、 2分以上:◎(著しい効果あり) として評価した。
以降の実施例での評価も上記の定義で行うものとする。
表5に示すように、比較例1に対する実施例1A〜1Dのラクトアイス規格のソフトクリームの溶け落ち延長時間は、いずれの実施例においても、1.4以上の溶け落ち延長比率が認められた。
ソフトクリームにおいて、溶け落ち時間の1.4倍以上の延長は、外気温が高い時期にソフトクリームを食べる消費者、特に、喫食時間が長くなりがちな幼児や高齢者等にとって、非常に有意なことである。この結果から、植物由来の微小繊維状セルロースは、食感、口当たりおよび風味を損なうことなくラクトアイス規格のソフトクリームの溶け落ち開始を遅延させる成分として有用であり、著しい溶け落ち遅延効果が得られたことが確認できた。また、実施例1Aと実施例1Bとの比較から、前述の各パラメータ値(比表面積、保水度、沈降度、光透過度)の大きい方がソフトクリームの溶け落ち遅延効果をさらに向上できることが確認できた。
さらに、実施例1Bと実施例1Cとの比較から、微小繊維状セルロースをCM化処理することにより、ソフトクリームの溶け落ち遅延効果をさらに向上できることが確認できた。同様に、実施例1Dの結果よりドライパルプ由来の微小繊維状セルロースであっても有効な効果が得られることが確認できた。また、実施例1Cと1Dの比較から、ネバードライパルプを原料として使用する方がより効果的なソフトクリームの溶け落ち遅延効果を得られることが確認できた。
<実施例1E(参考例1E)
実施例1Eでは、微小繊維状セルロースとしてのセリッシュFD−100Gの含有量によるラクトアイス規格のソフトクリームの溶け落ちを調べた。
実施例1Aに準じて、セリッシュFD−100Gの含有量が異なる3種類のラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例1E1〜1E3のラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。セリッシュFD−100Gの含有量(固形分)について、実施例1E1は0.07重量%、実施例1E2は0.1重量%、実施例1E3は0.2重量%、とした。
そして、実施例1Aと同様に、実施例1E1〜1E3のソフトクリームの溶け落ち時間を測定すると共に、実施例1E1〜1E3のソフトクリームを試食して食感、風味、口当たりといった品質を調べた。
表6に実施例1E1〜1E3のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を記し、表7に実施例1E1〜1E3のラクトアイス規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。なお、表7には、比較のために比較例1のデータも併記した。
実施例1E1〜1E3の結果から、セリッシュを含むラクトアイス規格のソフトクリームの場合、0.07重量%以上の添加で有効なソフトクリームの溶け落ち遅延効果を得ることが確認できた。最適には0.1重量%の微小繊維状セルロースの添加が望ましい。
<実施例1F>
実施例1Fでは、CM化処理なしのネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースの含有量によるラクトアイス規格のソフトクリームの溶け落ちを調べた。
実施例1Bに準じて、CM化処理していないネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを含む微小繊維状セルロース水分散物を調製した。
得られた実施例1Fの微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を測定したところ0.73重量%であった。
実施例1Fの微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ260m2/gであり、保水度を測定したところ5338%であった。
また、実施例1Fの微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.0℃のときの粘度を測定したところ1330cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ66.6%であった。
これらの結果を表8に示した。
[実施例1F1〜1F4]
実施例1Eと同様に、CM化処理していないネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを0.05重量%(実施例1F1)、0.07重量%(実施例1F2)、0.1重量%(実施例1F3)および0.2重量%(実施例1F4)で含有するラクトアイス規格のソフトクリームを製造し、各ソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、実施例1F1〜1F4のソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表9に実施例1F1〜1F4のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表10に実施例1F1〜1F4のラクトアイス規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
実施例1F1〜1F4の結果から、CM化処理していないネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを含むラクトアイス規格のソフトクリームの場合、微小繊維状セルロースの含有量を0.05重量%以上とすることで有効なソフトクリームの溶け落ち遅延効果が認められた。なお、微小繊維状セルロースの添加量を増やすことで溶け落ち遅延効果は向上するが、添加量が1.0重量%を超えるとソフトクリームミックスベースの粘度が高くなりすぎるため実用に適さないことを確認した。実用においてはソフトクリームミックスベースの増粘やコストの制約より、0.2重量%程度の添加が最適である。
<実施例1G>
実施例1Cに準じて、CM化処理したネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロース(エーテル化度:0.04)を含む微小繊維状セルロース水分散物を調製した。
得られた微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を測定したところ1.12重量%であった。得られた微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ263m2/gであり、保水度を測定したところ12247%であった。
また、得られた微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.1℃のときの粘度を測定したところ970cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ89.0%であった。
これらの結果を表11に記す。
実施例1Cと同様に、CM化処理したネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロース(エーテル化度:0.04)を0.01重量%(実施例1G1)、0.05重量%(実施例1G2)、0.07重量%(実施例1G3)、0.1重量%(実施例1G4)および0.2重量%(実施例1G5)で含有するソフトクリーム(ラクトアイス規格)を製造し、各ソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、実施例1G1〜1G5のソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表12に実施例1G1〜1G5のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表13に実施例1G1〜1G5のラクトアイス規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
実施例1G1〜1G5の結果から、エーテル化度0.04でCM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを含むラクトアイス規格のソフトクリームの場合、微小繊維状セルロースの含有量0.01重量%以上で有効なソフトクリームの溶け落ち遅延効果が認められた。なお、微小繊維状セルロース添加量を増やすことで、溶け落ち遅延効果は向上するが、添加量が1.0重量%を超えるとソフトクリームミックスベースの粘度が高くなりすぎてソフトクリームのクリーム製造時の作業性が悪くなるため実用に適さないことを確認した。実用においてはソフトクリームミックスベースの増粘やコストの制約より、0.1〜0.2重量%程度の添加が最適である。
<実施例1H>
エーテル化度が異なったCM化処理したネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロース0.1重量%を含む実施例1H1〜1H6のラクトアイス規格のソフトクリームを以下のように製造して試験を行った。
また、表14には、使用した各微小繊維状セルロースの物性を示し、表15に実施例1H1〜1H6のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表16に実施例1H1〜1H6のラクトアイス規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
なお、表16には比較のために微小繊維状セルロースを含まない比較例1のデータを併記した。
[実施例1H1]
実施例1H1で用いたネバードライパルプ由来のカルボキシメチル化(CM化)処理された微小繊維状セルロースは、次のようにして製造した。
実施例1Bと同様にしてネバードライパルプを得た後、CM化処理を行うために、モノクロロ酢酸ナトリウム1.9重量部と純水82.6重量部を混合して水溶液を調整し、水溶液を撹拌しながらネバードライパルプ(固形分16.4%)12.2重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。さらに、撹拌し続けながら、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液3.3重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。その後、70℃で1時間加温、30℃に冷却した後、酢酸でpH7.0〜7.5に中和した(この時点で撹拌終了)。その後、吸引濾過によりCM化パルプを回収して、純水による洗浄を繰り返した。得られたCM化パルプを実施例1Bと同様に解繊処理を行って、実施例1H1のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロース水分散物を得た。
得られた実施例1H1のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を測定したところ、0.77重量%であった。
このようにして得られた実施例1H1のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースのエーテル化度は0.02であった。
実施例1H1のCM化処理された微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ288m2/gであり、保水度を測定したところ11612%であった。
また、実施例1H1のCM化処理した微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.2℃のときの粘度を測定したところ1020cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ67.9%であった。実施例1H1におけるCM化処理した微小繊維状セルロースのこれらのパラメータを表14に示した。
ネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースの含有率が0.1重量%となるように、表2に示したラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースに、実施例1H1のCM化処理された微小繊維状セルロースを混合し、実施例1H1のラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例1Aと同様に、実施例1H1のラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは43%、製品温度は−5.4℃であった。なお、実施例1H1のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を表15に示した。
そして、実施例1Aと同様に、実施例1H1のソフトクリームの溶け落ち時間を測定した。また、実施例1H1のソフトクリームを試食して食感、口当たり、風味を調べ、それらの結果を表16に示した。
[実施例1H2]
実施例1H2で用いたネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースは、次のようにして製造した。
実施例1Bと同様にしてネバードライパルプを得た後、CM化処理を行うために、モノクロロ酢酸ナトリウム3.9重量部と純水77.2重量部を混合して水溶液を調整し、水溶液を撹拌しながらネバードライパルプ(固形分16.4%)12.2重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。さらに、撹拌し続けながら、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液6.7重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。その後、70℃で1時間加温、30℃に冷却した後、酢酸でpH7.0〜7.5に中和した(この時点で撹拌終了)。その後、吸引濾過によりCM化パルプを回収して、純水による洗浄を繰り返した。得られたCM化パルプを実施例1Bと同様に解繊処理を行って、実施例1H2のネバードライパルプ由来のカルボキシメチル化(CM化)処理された微小繊維状セルロース水分散物を得た。
得られた実施例1H2のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を測定したところ、0.78重量%であった。
このようにして得られた実施例1H2のネバードライパルプ由来のカルボキシメチル化(CM化)処理された微小繊維状セルロースのエーテル化度は0.04であった。
実施例1H2のCM化処理された微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ300m2/gであり、保水度を測定したところ14032%であった。
また、実施例1H2のCM化処理した微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.7℃のときの粘度を測定したところ1930cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ79.9%であった。実施例1H2におけるCM化処理した微小繊維状セルロースのこれらのパラメータを表14に示した。
ネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースの含有率が0.1重量%となるように、表2に示したラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースに、実施例1H2のCM化処理された微小繊維状セルロースを混合し、実施例1H2のラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例1Aと同様に、実施例1H2のラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは42%、製品温度は−5.5℃であった。なお、実施例1H2のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を表15に示した。
そして、実施例1Aと同様に、実施例1H2のソフトクリームの溶け落ち時間を測定した。また、実施例1H2のソフトクリームを試食して食感、口当たり、風味を調べ、それらの結果を表16に示した。
[実施例1H3]
実施例1Cで用いたネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロース(エーテル化度:0.06)を実施例1H3のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースとして用いた。
ネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースの含有率が0.1重量%となるように、表2に示したラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースに、実施例1CのCM化処理された微小繊維状セルロースを混合し、実施例1H3のラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例1Aと同様に、実施例1H3のラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは41%、製品温度は−5.3℃であった。なお、実施例1H3のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を表15に示した。
そして、実施例1Aと同様に、実施例1H3のソフトクリームの溶け落ち時間を測定した。また、実施例1H3のソフトクリームを試食して食感、口当たり、風味を調べ、それらの結果を表16に示した。
[実施例1H4]
実施例1H4で用いたネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースは、次のようにして製造した。
実施例1Bと同様にしてネバードライパルプを得た後、CM化処理を行うために、モノクロロ酢酸ナトリウム9.7重量部と純水61.4重量部を混合して水溶液を調整し、水溶液を撹拌しながらネバードライパルプ(固形分16.4%)12.2重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。さらに、撹拌し続けながら、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液16.7重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。その後、70℃で1時間加温、30℃に冷却した後、酢酸でpH7.0〜7.5に中和した(この時点で撹拌終了)。その後、吸引濾過によりCM化パルプを回収して、純水による洗浄を繰り返した。得られたCM化パルプを実施例1Bと同様に解繊処理を行って、実施例1H4のネバードライパルプ由来のカルボキシメチル化(CM化)処理された微小繊維状セルロース水分散物を得た。
得られた実施例1H4のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を測定したところ、1.13重量%であった。
このようにして得られた実施例1H4のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースのエーテル化度は0.10であった。
実施例1H4のCM化処理された微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ273m2/gであり、保水度を測定したところ17486%であった。
また、実施例1H4のCM化処理した微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度4.8℃のときの粘度を測定したところ1950cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ78.0%であった。実施例1H4におけるCM化処理した微小繊維状セルロースのこれらのパラメータを表14に示した。
ネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースの含有率が0.1重量%となるように、表2に示したラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースに、実施例1H4のCM化処理された微小繊維状セルロースを混合し、実施例1H4のラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例1Aと同様に、実施例1H4のラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは40%、製品温度は−5.2℃であった。なお、実施例1H4のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を表15に示した。
そして、実施例1Aと同様に、実施例1H4のソフトクリームの溶け落ち時間を測定した。また、実施例1H4のソフトクリームを試食して食感、口当たり、風味を調べ、それらの結果を表16に示した。
[実施例1H5]
実施例1H5で用いたネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースは、次のようにして製造した。
実施例1Bと同様にしてネバードライパルプを得た後、CM化処理を行うために、モノクロロ酢酸ナトリウム11.7重量部と純水56.1重量部を混合して水溶液を調整し、水溶液を撹拌しながらネバードライパルプ(固形分16.4%)12.2重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。さらに、撹拌し続けながら、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液20.0重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。その後、70℃で1時間加温、30℃に冷却した後、酢酸でpH7.0〜7.5に中和した(この時点で撹拌終了)。その後、吸引濾過によりCM化パルプを回収して、純水による洗浄を繰り返した。得られたCM化パルプを実施例1Bと同様に解繊処理を行って、実施例1H5のネバードライパルプ由来のカルボキシメチル化(CM化)処理された微小繊維状セルロース水分散物を得た。
得られた実施例1H5のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を測定したところ、1.03重量%であった。
このようにして得られた実施例1H5のネバードライパルプ由来のカルボキシメチル化(CM化)処理された微小繊維状セルロースのエーテル化度は0.13であった。
実施例1H5のCM化処理された微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ244m2/gであり、保水度を測定したところ16071%であった。
また、実施例1H5のCM化処理した微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.4℃のときの粘度を測定したところ1140cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ76.9%であった。実施例1H5におけるCM化処理した微小繊維状セルロースのこれらのパラメータを表14に示した。
ネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースの含有率が0.1重量%となるように、表2に示したラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースに、実施例1H5のCM化処理された微小繊維状セルロースを混合し、実施例1H5のラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例1Aと同様に、実施例1H5のラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは42%、製品温度は−5.1℃であった。なお、実施例1H5のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を表15に示した。
そして、実施例1Aと同様に、実施例1H5のソフトクリームの溶け落ち時間を測定した。また、実施例1H5のソフトクリームを試食して食感、口当たり、風味を調べ、それらの結果を表16に示した。
[実施例1H6]
実施例1H6で用いたネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースは、次のようにして製造した。
実施例1Bと同様にしてネバードライパルプを得た後、CM化処理を行うために、モノクロロ酢酸ナトリウム13.6重量部と純水50.9重量部を混合して水溶液を調整し、水溶液を撹拌しながらネバードライパルプ(固形分16.4%)12.2重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。さらに、撹拌し続けながら、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液23.3重量部を投入し、室温で30分間撹拌した。その後、70℃で1時間加温、30℃に冷却した後、酢酸でpH7.0〜7.5に中和した(この時点で撹拌終了)。その後、吸引濾過によりCM化パルプを回収して、純水による洗浄を繰り返した。得られたCM化パルプを実施例1Bと同様に解繊処理を行って、実施例1H6のネバードライパルプ由来のカルボキシメチル化(CM化)処理された微小繊維状セルロース水分散物を得た。
得られた実施例1H6のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を測定したところ、0.78重量%であった。
このようにして得られた実施例1H6のネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースのエーテル化度は0.17であった。
実施例1H6のCM化処理された微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ336m2/gであり、保水度を測定したところ18174%であった。
また、実施例1H6のCM化処理した微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.4℃のときの粘度を測定したところ8600cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ98.2%であった。実施例1H6におけるCM化処理した微小繊維状セルロースのこれらのパラメータを表14に示した。
ネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースの含有率が0.1重量%となるように、表2に示したラクトアイス規格のソフトクリームミックスベースに、実施例1H6のCM化処理された微小繊維状セルロースを混合し、実施例1H6のラクトアイス規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例1Aと同様に、実施例1H6のラクトアイス規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは46%、製品温度は−5.3℃であった。なお、実施例1H6のラクトアイス規格のソフトクリームミックスの原材料比率を表15に示した。
そして、実施例1Aと同様に、実施例1H6のソフトクリームの溶け落ち時間を測定した。また、実施例1H6のソフトクリームを試食して食感、口当たり、風味を調べ、それらの結果を表16に示した。
実施例1H1〜1H6の結果から、ネバードライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロース水分散物を含むラクトアイス規格のソフトクリームの場合、微小繊維状セルロースのエーテル化度が0.02以上で溶け落ち遅延効果が認められた。最適なエーテル化度は、0.04〜0.10であった。
(実施例2)
実施例2では、アイスクリーム規格のソフトクリームの溶け落ち性について調べた。
(アイスクリーム規格のソフトクリームミックスベースの調製)
原材料として糖類、乳製品、乳化剤、安定剤、その他、水等を用い、表17に示した原材料比率でアイスクリーム規格のソフトクリームミックスベースを調製した。なお、糖類としては砂糖、水あめを用い、乳製品としてはバター、脱脂粉乳を用い、安定剤としては、セルロース、カゼインNa、増粘多糖類を用い、その他としてはバニラ香料、カロチン色素等を用いた。
<実施例2A(参考例2A)
微小繊維状セルロースの含有率が0.1重量%となるように、実施例1Aで用いたセリッシュのFD−100Gを表17に示したアイスクリーム規格のソフトクリームミックスベースに混合して、実施例2Aのアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例1Aと同様に、実施例2Aのアイスクリーム規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリーム(アイスクリーム規格)のオーバーラン は43%、製品温度は−5.2℃であった。
そして、実施例1Aと同様に、実施例2Aのソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、実施例2Aのソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表19に実施例2Aのアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表20に実施例2Aのアイスクリーム規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
<実施例2B>
実施例1Bに準じて、ネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロース(CM化処理なし)を含有する微小繊維状セルロース水分散物を調整した。この微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を測定したところ0.97重量%であった。また、得られたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ168m2/gであり、保水度を測定したところ8196%であった。
また、得られたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.3℃のときの粘度を測定したところ170cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ62.7%であった。
実施例2Bにおけるネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロース(CM化処理なし)のこれらのパラメータを表18に示した。
実施例1Bに準じて、微小繊維状セルロースの固形分率が0.1重量%となるように、実施例2Bのアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例2Bのアイスクリーム規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリーム(アイスクリーム規格)のオーバーラン は38%、製品温度は−5.8℃であった。
そして、実施例1Bと同様に、実施例2Bのソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、実施例2Bのソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表19に実施例2Bのアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表20に実施例2Bのアイスクリーム規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
<実施例2C> 実施例1Cに準じて、ネバードライパルプ由来のCM化処理した微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物を調整した。この微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を測定したところ1.61重量%であった。また、得られたネバードライパルプ由来のCM化処理した微小繊維状セルロースの比表面積を測定したところ247m2/gであり、保水度を測定したところ15632%であり、エーテル化度を測定したところ0.06であった。
また、得られたネバードライパルプ由来のCM化処理した微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物の固形分率を0.5重量%に調整して温度5.8℃のときの粘度を測定したところ325cPであり、固形分率を0.05重量%に調整して沈降度を測定したところ2000ml/gであり、固形分率を0.02重量%に調整して波長600nmにおける光透過度を測定したところ92.4%であった。
実施例2Cにおけるネバードライパルプ由来のCM化処理した微小繊維状セルロースのこれらのパラメータを表18に示した。
微小繊維状セルロースの固形分率が0.1重量%となるように、前記アイスクリーム規格のソフトクリームミックスベースに実施例2Cの微小繊維状セルロース水分散物を混合して、実施例2Cのアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを製造した。
次いで、実施例2Cのアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを用い、実施例1Cと同様に、実施例2Cのアイスクリーム規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーラン は39%、製品温度は−5.0℃であった。
そして、実施例1Cと同様に、実施例2Cのソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、実施例2Cのソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表19に実施例2Cのアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表20に実施例2Cのアイスクリーム規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
<実施例2D>
実施例1Dで用いたCM化処理されたドライパルプ由来の微小繊維状セルロースを用い、実施例1Dに準じて、実施例2Dのアイスクリーム規格のソフトクリームを製造し試験を行った。得られたソフトクリームのオーバーラン は41%、製品温度は−5.3℃であった。
また、実施例2Dのソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。表19に実施例2Dのアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表20に実施例2Dのアイスクリーム規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
(比較例2)
微小繊維状セルロースを添加せず、表17に記載の前記アイスクリーム規格のソフトクリームミックスベースのみを用いて、比較例1と同様に、比較例2のアイスクリーム規格のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーラン は40%、製品温度は−5.2℃であった。そして、実施例1と同様に、比較例2のソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、比較例2のソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表19に比較例2のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表20に比較例2のアイスクリーム規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
表20に示すように、比較例2に対する実施例2A〜2Dのアイスクリーム規格のソフトクリームの溶け落ち時間の延長比率は1.2以上であった。この結果から、植物由来の微小繊維状セルロースは、食感、口当たりおよび風味を損なうことなくアイスクリーム規格のソフトクリームの溶け落ち開始を遅延させる成分として有用であることが確認できた。また、実施例2Aと実施例2Bとの比較から、前述の各パラメータ値(比表面積、保水度、沈降度、光透過度)の大きい方がソフトクリームの溶け落ち遅延効果をさらに向上できることが確認できた。同様に、実施例2Bと実施例2Cとの比較から、微小繊維状セルロースをCM化処理することにより、ソフトクリームの溶け落ち遅延効果を大幅に向上させることが確認できた。さらに、実施例2Dの結果よりドライパルプ由来の微小繊維状セルロースであっても有効な結果が得られることが確認できた。但し、実施例2Cとの2Dの比較から、ネバードライパルプを原料として使用する方がより有効なソフトクリームの溶け落ち遅延効果を得られることも確認できた。
<実施例2E>
CM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースの固形分率を異ならせた実施例2E1と2E2のアイスクリーム規格の高オーバーランのソフトクリームを次のように製造して試験を行った。
[実施例2E1]
実施例1Aに準じて、実施例2CのCM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを固形分率で0.1重量%含有するアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを製造した。これを冷菓製造装置CARPIGIANI製フリーザー243に0.66L投入し、高オーバーランの実施例2E1のソフトクリームを得た。得られた実施例2E1のオーバーランは79%であり、製品温度は−6.1℃であった。そして、実施例1Cと同様に、実施例2E1のソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。表21に実施例2E1のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、また、実施例2E1のソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べ、それらの結果を表22に示した。
[実施例2E2]
実施例1Aに準じて、実施例2CのCM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを固形分率で0.3重量%含有するアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを製造した。これを冷菓製造装置CARPIGIANI製フリーザー243に0.66L投入し、高オーバーランの実施例2E2のソフトクリームを得た。得られた実施例2E2のオーバーランは87%であり、製品温度は−5.7℃であった。そして、実施例1Cと同様に、実施例2E2のソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。
表21に実施例2E2のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、また、実施例2E2のソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べ、それらの結果を表22に示した。
(比較例3)
比較例1に準じて、微小繊維状セルロースを含まないアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを製造した。これを冷菓製造装置CARPIGIANI製フリーザー243に0.66L投入し、高オーバーランの比較例3のソフトクリームを得た。得られた比較例3のオーバーランは80%であり、製品温度は−5.8℃であった。そして、実施例2E1と同様に、比較例3のソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。表21に比較例3のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、また、比較例3のソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べ、それらの結果を表22に示した。
表22に示すように、比較例3のアイスクリーム規格のソフトクリームの溶け落ち時間に対する実施例2E1〜2E2のアイスクリーム規格のソフトクリームの溶け落ち時間の延長比率は2.0以上であった。この結果から、非常に高いオーバーラン(80%)であっても植物由来の微小繊維状セルロースは、食感、口当たりおよび風味を損なうことなくソフトクリームの溶け落ち開始を遅延させる成分として有用であることが確認できた。実用においては、ソフトクリームミックスベースの増粘やコストの制約より、0.3重量%程度の添加量が最適である。
<実施例2F(参考例2F)
実施例2Fでは、微小繊維状セルロースとしてのセリッシュFD−100Gの含有量によるアイスクリーム規格のソフトクリームの溶け落ちの変化を調べた。
実施例1Aに準じて、セリッシュFD−100Gの含有量が異なる3種類のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例2F1〜2F3のアイスクリーム規格のソフトクリームを製造した。
セリッシュFD−100Gの含有量(固形分)について、実施例2F1は0.1重量%、実施例2F2は0.2重量%、実施例2F3は0.3重量%とした。
そして、実施例1Aと同様に、実施例2F1〜2F3のソフトクリームの溶け落ち時間を測定すると共に、実施例2F1〜2F3のソフトクリームを試食して食感、風味、口当たりといった品質を調べた。表23に実施例2F1〜2F3のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を記し、表24に実施例2F1〜2F3のアイスクリーム規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。なお、表24には比較のために比較例2のデータも併記した。
表24に示すように、比較例2に対する実施例2F1〜2F3のアイスクリーム規格のソフトクリームの溶け落ち延長比率は1.2以上であった。
この結果から、セリッシュを含むアイスクリーム規格のソフトクリームの場合は、0.1重量%以上の添加で有効なソフトクリームの溶け落ち遅延効果を得ることが確認できた。さらに添加率を増加させた結果0.3重量%程度で著しい効果が確認された。実用においては、ソフトクリームミックスベースの増粘やコストの制約より、0.3重量%程度の添加が最適である。
<実施例2G>
実施例2Gでは、微小繊維状セルロースとしてのCM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースの含有量によるアイスクリーム規格のソフトクリームの溶け落ちを調べた。
実施例1Aに準じて、実施例2Cで用いたCM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースの含有量が異なる3種類のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスを調製し、実施例2G1〜2G3のアイスクリーム規格のソフトクリームを製造した。
CM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースの固形分濃度について、実施例2G1は0.1重量%、実施例2G2は0.2重量%、実施例2G3は0.3重量%とした。
そして、実施例1Aと同様に、実施例2G1〜2G3のソフトクリームの溶け落ち時間を測定すると共に、実施例2G1〜2G3のソフトクリームを試食して食感、風味、口当たりといった品質を調べた。表25に実施例2G1〜2G3のアイスクリーム規格のソフトクリームミックスの原材料比率を記し、表26に実施例2G1〜2G3のアイスクリーム規格のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。なお、表26には比較のために比較例2のデータも併記した。
表26に示すように、比較例2に対する実施例2G1〜2G3のアイスクリーム規格のソフトクリームの溶け落ち延長比率は1.6以上であった。実施例2G1〜2G3の結果より、CM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロース水分散物を0.1重量%以上添加する事で非常に良好な溶け落ち遅延効果が得られることが確認された。実用においては、ソフトクリームミックスベースの増粘やコスト面の観点から0.2〜0.3重量%の添加が最適である。
(実施例3)
実施例3では、脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの溶け落ちについて調べた。
(脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスベースの調製)
原材料としてストロベリーピューレ、糖類、乳製品、安定剤、その他、水等を用い、表27に示した原材料比率で脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスベースを調製した。なお、糖類としては砂糖、水あめを用い、乳製品としてはホエーパウダーを用い、安定剤としては、増粘多糖類を用い、その他としては香料、着色料等を用いた。
<実施例3A(参考例3A)
微小繊維状セルロースの含有率が0.1重量%となるように、実施例1Aで用いたセリッシュのFD−100Gを表27に示した脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスベースに混合して、実施例3Aの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスを調製し、実施例1Aと同様に、実施例3Aの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは50%、製品温度は−5.8℃であった。
そして、実施例1Aと同様に、実施例3Aのソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、実施例3Aのソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表28に実施例3Aの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表29に実施例3Aの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
<実施例3B>
実施例2BのCM化処理していないネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物を用い、微小繊維状セルロースの含有量が0.1重量%になる様に実施例1Bに準じて、実施例3Bの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスを調製し、実施例3Bの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは48%、製品温度は−7.5℃であった。
そして、実施例1Bと同様に、実施例3Bのソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、実施例3Bのソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表28に実施例3Bの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表29に実施例3Bの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
<実施例3C>
実施例2CのCM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを含有する微小繊維状セルロース水分散物を用い、微小繊維状セルロースの含有量が0.1重量%になるように実施例1Cに準じて、実施例3Cの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスを調製し、実施例3Cの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは45%、製品温度は−6.3℃であった。
そして、実施例3Cのソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、実施例3Cのソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表28に実施例3Cの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表29に実施例3Cの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
<実施例3D>
実施例1Dのドライパルプ由来のCM化処理された微小繊維状セルロースを用いて、実施例3Dの脂肪を含まない氷菓のソフトクリームを製造し試験を行った。得られたソフトクリームのオーバーランは48%、製品温度は−7.8℃であった。
表28に実施例3Dの脂肪を含まない氷菓のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表29に実施例3Dの脂肪を含まない氷菓のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
(比較例4)
微小繊維状セルロースを添加せず、表27で示した前記ソフトクリームミックスベースのみを用いて、実施例1Aと同様に、比較例4のソフトクリームを製造した。得られたソフトクリームのオーバーランは46%、製品温度は−8.0℃であった。実施例1Aと同様に、比較例4のソフトクリームの溶け落ち開始時間を測定した。また、比較例4のソフトクリームを試食してそれらの食感、口当たり、風味を調べた。
表28に比較例4の脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスの原材料比率を示し、表29に比較例4の脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
表29に示すように、比較例4に対する実施例3A〜3Dの脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの溶け落ち延長比率は1.1以上であった。ソフトクリームにおいて、溶け落ち時間の1.1倍以上の延長は、外気温が高い時期にソフトクリームを食べる消費者、特に、喫食時間が長くなりがちな幼児や高齢者等にとって、非常に有意なことである。この結果から、植物由来の微小繊維状セルロースは、食感、口当たりおよび風味を損なうことなく脂肪分を含まない氷菓規格のソフトクリームの溶け落ち開始を遅延させる成分として有用あることが確認できた。また、実施例3Aと実施例3Bとの比較から、前述の各パラメータ値(比表面積、保水度、沈降度、光透過度)の大きい方がソフトクリームの溶け落ち遅延効果をさらに向上させることが確認できた。また、実施例3Bと実施例3Cとの比較から、微小繊維状セルロースをCM化処理することにより、ソフトクリームの溶け落ち遅延効果をさらに向上できることが確認できた。同様に、実施例3Dの結果よりドライパルプ由来の微小繊維状セルロースであっても有効な効果が得られることが確認できた。但し、実施例3Cと3Dの比較から、ネバードライパルプを原料として使用する方がより有効なソフトクリームの溶け落ち遅延効果を得られることも確認できた。
<実施例3E(参考例3E)
実施例3Eでは、微小繊維状セルロースとしてのセリッシュFD−100Gの含有量による脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの溶け落ちを調べた。
実施例1Eに準じて、セリッシュFD−100Gの含有量が異なる2種類の脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスを調製し、実施例3E1〜3E2の脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームを製造した。セリッシュFD−100Gの含有量(固形分)について、実施例3E1は0.1重量%、実施例3E2は0.2重量%とした。
そして、実施例1Eと同様に、実施例3E1〜3E2のソフトクリームの溶け落ち時間を測定すると共に、実施例3E1〜3E2のソフトクリームを試食して食感、風味、口当たりといった品質を調べた。
表30に実施例3E1〜3E2の脂肪分を含まない氷菓分類のソフトクリームの原材料比率を記し、表31に実施例3E1〜3E2の脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
なお、表31には、比較のために比較例4のデータも併記した。
実施例3E1〜3E2の結果から、セリッシュを含む脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの場合、0.1重量%以上の添加で有効なソフトクリームの溶け落ち遅延効果を得ることが確認でき0.2重量%の添加で最適な効果が得られた。実用においては、ソフトクリームミックスベースの増粘やコストの制約より、0.2重量%の添加量が最適である。
<実施例3F>
実施例3Fでは、実施例2Cで用いたCM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースの含有量による脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの溶け落ちを調べた。
実施例1Gに準じて、実施例1Cで用いた微小繊維状セルロースの含有量が異なる2種類の脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームミックスを調製し、実施例3F1〜3F2の脂肪分を含まない氷菓のソフトクリーム(氷菓)を製造した。微小繊維状セルロースの含有量(固形分)について、実施例3F1は0.1重量%、実施例3F2は0.2重量%とした。
そして、実施例1Gと同様に、実施例3F1〜3F2のソフトクリームの溶け落ち時間を測定すると共に、実施例3F1〜3F2のソフトクリームを試食して食感、風味、口当たりといった品質を調べた。
表32に実施例3F1〜3F2の脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの原材料比率を記し、表33に実施例3F1〜3F2の脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの製品温度、オーバーラン、食感、口当たり、風味の良否、および溶け落ち時間等を示した。
なお、表33には、比較のために比較例4のデータも併記した。
実施例3F1〜3F2の結果から、CM化処理されたネバードライパルプ由来の微小繊維状セルロースを含む脂肪分を含まない氷菓のソフトクリームの場合、0.1重量%以上の添加でソフトクリームの著しい溶け落ち遅延効果が得られることが確認できた。

Claims (19)

  1. 植物由来の微小繊維状セルロースを含有し、
    該微小繊維状セルロースの比表面積が150m 2 /g以上であることを特徴とするソフトクリーム。
  2. 植物由来の微小繊維状セルロースを含有し、
    該微小繊維状セルロースは、含有率0.02重量%の微小繊維状セルロース水分散物での波長600nmにおける光透過度が50%以上であることを特徴とするソフトクリーム。
  3. 前記微小繊維状セルロースは、保水度が5000%以上である請求項1または2に記載のソフトクリーム。
  4. 前記微小繊維状セルロースは、含有率0.05重量%の微小繊維状セルロース水分散物での沈降度が1500ml/g以上である請求項1〜3のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  5. 店舗にて硬化工程を経ずに製造された請求項1〜4のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  6. 製品温度が−4〜−10℃である請求項1〜のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  7. アイスクリーム類に分類され、かつ製品温度が−5〜−7℃である請求項1〜のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  8. 氷菓に分類され、かつ製品温度が−4〜−10℃である請求項1〜のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  9. オーバーランが30〜80%である請求項1〜のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  10. 前記微小繊維状セルロースの原料が、ドライパルプである請求項1〜のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  11. 前記微小繊維状セルロースの原料が、ネバードライパルプである請求項1〜のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  12. 前記微小繊維状セルロースが−CH2COO-を含む置換基で化学修飾されている請求 項1〜11のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  13. 前記微小繊維状セルロースのエーテル化度が0.01〜0.50である請求項12に記載のソフトクリーム。
  14. 前記微小繊維状セルロースのうち、−CH2COO-を含む置換基で化学修飾されていない微小繊維状セルロースを0.05〜1.0重量%含有する請求項1〜11のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  15. 前記微小繊維状セルロースのうち、−CH2COO-を含む置換基で化学修飾された微 小繊維状セルロースを0.01〜1.0重量%含有する請求項12または13に記載のソフトクリーム。
  16. 可食容器に盛り付けられた請求項1〜15のいずれか1つに記載のソフトクリーム。
  17. 請求項1〜16のいずれか1つに記載のソフトクリームにおける前記微小繊維状セルロースを含有するソフトクリーム原料。
  18. 加熱殺菌が繰り返されても溶け落ちの遅延効果を有する請求項17に記載のソフトクリーム原料。
  19. 請求項17または18に記載のソフトクリーム原料を用いてソフトクリームを製造するソフトクリームの製造方法。
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