JP5537331B2 - キャビネット - Google Patents

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Description

本願発明は、二重引き出し防止装置とオールロック装置とを有するキャビネットに関するものである。なお、本願発明でいうキャビネットは、複数段の引出しを有する収納家具を意味している。従って、引出し以外の収納部を備えていても良い。
本体の内部に引出しを多段に配置したキャビネットでは、転倒防止のため二重引出し防止装置を設けているのが普通であり、また、全ての引出しを前進動不能に保持するオールロック装置は二重引き出し防止装置の部材を共用している。
二重引き出し防止装置(オールロック装置)の構成要素として、本体の内側面には上下長手の連動杆(縦杆)が昇降自在に配置されていると共に、引出しの外側面にはストライカー(押圧子)を突設している。また、本体の内側面には各引出しのストライカーに対応したストッパーが配置されており、解錠状態において1つの引出しを前進させるとその動きに連動して連動杆が上昇又は下降し、すると、他の引出しを前進させようとしてもストライカーが他のストッパーに当接し、他の引出しを前進させることはできない。
連動杆とストッパーを見ると、1本の連動杆に各段のストッパーを固定したタイプと、連動杆を直列に並んだ複数の単位連動杆に分離して、上下に隣り合った単位連動杆の間にストッパーを配置したタイプとに大別される。後者のタイプは同時引出しを防止できる利点があり、その一例が例えば特許文献1に開示されている。
この特許文献1では、ストッパー(姿勢変更用の軸部材3)は引出しの前後動によって水平回動するようになっており、ストッパーの上面と下面とにカム面を介して昇降体(変位惹起用の軸部材4)が重なっている。そして、任意の1つの引出しを前進させると、その引出しに対応した1つのストッパーが水平回動し、すると、当該1つのストッパーを挟んで上側に位置した単位連動杆(変位伝達用の軸部材)はカム作用によって上昇する。すると、複数の単位連動杆は全体として上下動不能に保持され、その結果、他の段のストッパーは回動不能に保持される。
この特許文献1では、各単位連動杆を基準高さから上昇させないと引出しを前進させることはできない。そこで、オールロック装置としては、最上段の単位連動杆が基準高さ位置から上昇しないように保持する壁部材を設けており、施錠操作によって壁部材を突出させて、最上段の単位連動杆を基準高さから上昇不能に保持することにより、全段の引出しを前進不能に保持している。
特開平2009−112479号公報
特許文献1では、施錠状態で全ての段の単位連動杆は基準高さ位置に保持されており、、理論的には、各単位連動杆が上昇不能となることで各引出しは前進動不能に保持される。しかし、実際には、単位連動杆等の各部材の加工誤差や各部材の組み付けに際して誤差(遊び)が生じることは避け難く、また、部材の弾性変形も生じ得る。このため、引出しを強く引っ張ると遊びや変形の蓄積によってストッパーが回転してしまい、引出しが前進してしまうことが懸念される。
また、施錠状態でいずれかの引出しを前進させようとしたり、1つの引出しを前進させた状態で他の引出しを前進させようと引くと、その引出しが若干ながら前進する現象が生じ得る。すなわち、ロック状態に保持された引出しを前進させようとした場合、引出しが前後方向に僅かながら動くガタが生じ得る。
また、特許文献1では解錠状態で引出しを前進させると、最上段の単位連動杆は常に上昇動してエンド部材61に下方から当接することになるため、エンド部材や単位連動杆には軸方向の外力が作用することになり、このため座屈が生じて耐久性が低下するおそれもある。更に、施錠状態で引出しを前進させようと引いた場合も、最上段の単位連動杆にはこれを上昇動させる外力が作用することになり、このため、施錠用の壁部材が破損又は変形したり、最上段の単位連動杆に座屈が発生したりするおそれもある。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、より改良されたキャビネットを提供することを課題とするものである。
請求項1の発明に係るキャビネットは、前向きに開口した本体とその内部に配置された複数段の引出しとを有しており、前記各引出しの側面部に、当該引出しを前進動不能に保持するためのストライカーを設けている一方、前記本体の内側面には、前記ストライカーの前後動によって動くストッパーが各段の引出しに対応して配置されていると共に、少なくとも上下に隣り合ったストッパーの間に位置した中間単位連動杆が配置されている。
そして、任意の引出しを前進させると、当該前進させた引出しのストライカーに対応したストッパーの動きにより、当該ストッパーの上側又は下側若しくは上下両側に配置された単位連動杆が基準高さから上下方向にスライドし、前記単位連動杆のスライドによって他のストッパーの動きが阻止されることで他の引出しの前進動が阻止されており、更に、前記各単位連動杆の動きを規制して全引出しを前進動不能に保持するための錠が設けられており、施錠状態では前記各単位連動杆は基準高さから下降又は上昇したロック高さに保持されている。
請求項2の発明は、請求項1において、前記ストッパーは水平回動式であり、前記ストライカーが前進時に当たる第1当接部と、前記ストライカーが後退時に当たる第2当接部と、水平回動によって前記単位連動杆を昇降させるクサビ状カム部とを有しており、前記ストライカーが第1当接部又は第2当接部に当たることでストッパーが回動するようになっており、かつ、前記クサビ形カム部の押し退け作用により、前記ストッパーが正転すると当該ストッパーの上側に位置した単位連動杆は上昇して下側に位置した単位連動杆は下降動する。
請求項3の発明は、請求項2において、施錠状態では、前記各単位連動杆は基準高さよりも下方に押し下げられている。なお、本願発明は、例えば本願出願人が特開2010−35706号公報で開示したように、補助的な同時引出し防止機能を有するキャビットにも適用できるのであり、従って、引出しの側面に複数のストライカーを設けて、本体の内側面部に複数対ずつのストッパー(作動体)を設けることも可能である。
本願発明は、複数の単位連動杆を有するタイプにおいて、施錠すると各単位連動杆は基準高さからロック高さに移行するため、各部材の加工誤差や組み立ての誤差があっても、各ストッパーは各単位連動杆によって動き不能に保持される。すなわち、加工誤差や組み立て誤差を吸収して施錠状態で各引出しを前進動不能に保持できる。このためロック機能を確実ならしめることができる。
また、本願発明は単位連動杆の昇降を規制することでロック状態を保持するのではなく(すなわち単位連動杆を軸方向に突っ張らせることでロック状態を保持するものではなく)、ストッパーの動きを単位連動杆で規制してロック状態を保持するものであるため、1つの引出しを前進させた状態で他の引出しを引き出そうとした場合や、施錠状態で任意の引出しを前進させようとした場合に、単位連動杆に軸方向の外力が作用することはないのであり、従って、単位連動杆の耐久性を向上できる。
なお、特許文献1も部材の加工誤差は考慮されており、加工誤差を吸収するため、最下段の単位連動杆(変位伝達用の軸部材)の高さをねじで調節している。しかし、これでは構造が複雑化するのみならず、引出しの前後動に伴う振動でねじ回転すると作動が不完全になるおそれがある。これに対して本願発明では、単位連動杆はロック高さに強制的に動かされるため、部材に加工誤差や組み立て誤差があっても単位連動杆をロック高さに確実に保持できるのであり、このため調節手段は不要である。従って、構造が複雑になることを防止できると共に、二重引出し防止(同時引出し防止)やオールロックの機能を確実ならしめることができる。
ストッパーはスライド式も採用できるが、請求項2のような回動式を採用すると、動きが単純であるため作動が確実でしかも構造を簡単化できる利点である。また、特許文献1ではストッパー(姿勢変更用の軸部材)は単位連動杆の軸心回りに回転するため、ストッパーは小型化せざるを得ず、すると、ストッパーに大きなモーメントが掛かって破損・変形しやすくなる可能性があるが、本願の請求項2ではストッパーは単位連動杆の軸心と離れた部位を中心にして回動するため、十分な強度を確保できる大きさとすることができる。
また、請求項2の構成では、ストッパーは、そのクサビ状カム部が単位連動杆の外周面に当ることで回転(正転)が阻止されるが、クサビ状カム部は単位連動杆を横切る方向に動こうとするため、例えば施錠状態で引出しを強引に引っ張っても単位連動杆に軸方向の外力が作用することはないのであり、このため、施錠状態で引出しを強引に引っ張ることによって生じた力が施錠機構部や錠に波及することはなく、従って、施錠機構部の耐久性低下も防止できる。
(A)はキャビネットの外観斜視図、(B)は概略図である。 二重引出し防止装置及びオールロック装置の分離斜視図である。 オールロック装置における施錠機構部の分離斜視図である。 オールロック装置における施錠機構部の縦断側面図である。 オールロック装置と二重引き出し防止装置との連動部を示す図で、(A)は分離斜視図、(B)は組み込んだ状態での施錠状態での斜視図である。 オールロック装置と二重引き出し防止装置との連動部の分離斜視図である。 二重引き出し防止装置の下部の分離斜視図である。 (A)は二重引き出し防止装置の部分的な斜視図、(B)は要部の分離斜視図である。 (A)は二重引き出し防止装置の主要部の分離斜視図、(B)(C)はストッパーの斜視図である((B)ではストッパーはひっくり返して表示している。)。 (A)は解錠状態での連動部の側面図、(B)は解錠状態での二重引き出し防止装置の部分的な側面図、(C)は解錠状態での二重引き出し防止装置の部分的な平面図、(D)は解錠状態で引出しを前進させた状態での部分的な側面図である。 (A)は解錠状態で引出しを後退させた状態での部分的な平面図、(B)は施錠状態での二重引き出し防止装置の側面図である。
以下、本願発明を実施するための実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明(及び本願発明の説明)で方向を特定するために「前後」「左右」の文言を使用しているが、前後方向はキャビネットの奥行き方向と同義であり、左右方向はキャビネットの間口方向と同義である。「内側」はキャビネット本体を基準にして正面視で左右中間部に向いた側である。
(1).キャビネットの概要
まず、キャビネットの概要を図1,2に基づいて説明する。図1(A)に示すように、キャビネットは、前向きに開口した本体1とその内部に前後動自在に配置した3段の引出し2とを有している。本体1は左右側板3と天板4と背板5とを有しており、左右側板3の前部は上カマチ部材6と下カマチ部材7とで連結されている(カマチ部材6,7は補強材と呼んでもよい。)。
引出し2は、中空状の鏡板8と左右側板9とを有しており、最上段の引出し2の鏡板8には、オールロック装置の一部を構成する錠(シリンダ錠)10が取り付けられている。錠10は鏡板8の内部のうち上部でかつ左右中間部に配置されている。敢えて述べるまでもないが、錠10の鍵穴は手前に露出している。
本体1における左右側板3の内側面には、縦長で手前側に位置した前部補強枠11と、同じく縦長で奥側に位置した後部補強枠12とがスポット溶接によって固定されている。前後の補強枠11,12は鋼板製であって側板3から内向きに突出するように溝形に形成されており、このため、前後補強枠11,12と側板3との間には空間が空いている。
そして、前後補強枠11,12に、各段の引出し2に対応して本体側サスペンションレール13を取り付けている一方、各引出し2の側板9には引出し側レール14を取り付けており、これらレール14,13を嵌め合わせている。なお、本体側サスペンションレール13は固定レールと中間レールとの複合構造になっているが、本願発明との関連はないので説明は省略する。
図2に示すように、前部補強枠11の後部には内向きに開口した縦溝15が形成されており、この縦溝15に、二重引き出し防止装置の一環として、縦溝15と対向するように開口したチャンネル状(平面視コの字状)の支持縦枠16が嵌め込まれている。支持縦枠16は前部補強枠11に上下動不能に保持されている。
支持縦枠16の側面には3段の引出し2に対応した窓穴17が空いており、各窓穴17にサポートホルダー18を上下動不能に装着して、サポートホルダー18にストッパー19を水平回動自在に取り付けている共に、上下一対ずつの作動軸20を上下スライド自在に装着している。上下に隣り合った作動軸20にはパイプ21が接続されている。サポートホルダー18とストッパー19は樹脂製である。
図1(A)に模式的に示すように、引出し2を構成する側板9の外面にはストライカー22を突設しており、ストライカー22の前後動によってストッパー19が水平回動し得る。支持縦枠16、サポートホルダー18、ストッパー19、作動軸20、パイプ21、ストライカー22は二重引き出し防止装置(及びオールロック装置)を構成するが、これら二重引き出し防止装置はキャビネットの左右両側部のうち片側に設けてもよいし、両側に設けてもよい。なお、図1ではストッパー19は模式的に表示している。
任意の1つの引出し2を前進させると、その引出し2に設けたストライカー22によって1つのストッパー19が水平回動し、すると、当該1つのストッパー19に設けた作動軸20が上下反対側に離反することで他のストッパー19は回動不能に保持される。その結果、複数の引出し2を同時に引出すことができなくなる。
上カマチ部材6は上向きに開口したチャンネル状の形態をしており、この上カマチ部材6のうち左右中間部の内部に、前後長手で上向きに開口したロックケース25が固定されている。ロックケース25の後部に、左右横長のロック軸26が回転自在に保持されている(ロック軸26は金属製である。)。また、ロックケース25には前後長手のクランク板27が配置されており、最上段の引出し2に設けた錠10の解施錠操作によってクランク板27が前後動し、クランク板27の前後動によってロック軸26が正逆回転し、これにより、二重引き出し防止装置が作動不能状態と作動可能状態とに切り替わる。
(2).ロック機構の詳細
ロックケース25やロック軸26、クランク板27はロック機構(ロック装置)を構成している。二重引き出し防止装置を詳述するのに先立って、まず、ロック機構を主として図3〜図6に基づいて説明する。
ロックケース25は樹脂製であって既述のとおり前後長手で上向きに開口しており、図3,4に示すように、その前部に設けた段部28が上カマチ部材6の前部に形成した前部嵌合穴29に嵌まっている共に、後部は上カマチ部材6の後部に形成した後部嵌合穴30に嵌まっている。このためロックケース25は前向き動不能及び上下動不能に保持されている。
そして、ロックケース25の前寄り部位の下面に左右2つのロア係合爪31を形成し、このロア係合爪31を上カマチ部材6に形成したロア係合穴32に嵌合させると共に、左右側面に形成したサイド係合爪33を上カマチ部材6の後部嵌合穴30の左右内側縁に係合させており、これら係合爪31,33の作用によってロックケース25を後退動不能に保持している。なお、ロックケース25はビス止め等の他の手段で上カマチ部材6に取り付けてもよい。
ロックケース25の内部には左右に分離したガイドリブ34の群が形成されており、左右のガイドリブ34の群で挟まれた空間に樹脂製のクランク板27が配置されている。ロックケース25の前部には、フロントレバー35が左右長手の軸心回りに回動するように取り付けられている。すなわち、フロントレバー35の左右両端にピン部36を設けて、ピン部36がロックケース25の側板に形成した軸受け穴37に嵌まっており、このため、フロントレバー35はピン部36の軸心回りに回動し得る。
フロントレバー35は、手前側に向いて斜め下向きに傾斜した下アーム38aと、上向きでやや前傾気味の上アーム38bとを有しており、従って、フロントレバー35は全体としてベルクランク式になっている。下アーム38aの先端は最上段の引出し2における鏡板8の上面に対向しており、鏡板8の上面板に、錠10のデッドボルト39が出没する穴40が空いてる。従って、錠10を解施錠操作すると、下アーム38aがデッドボルト39で押されたり戻されたりすることでフロントレバー35が回動する。ロックケース25の前部には、デッドボルト39や下アーム38aの動きを許容するため切欠き41が形成されている。
フロントレバー35の左右端部には、当該フロントレバー35が後ろ側に回動する姿勢を規制するため規制片35aが略上向きに突設されている。他方、ロックケース25の前部の左右内側面には、規制片35aが当る規制リブ25aを形成している。
フロントレバー35の上アーム38bは横バーを有する門形になっており、この上アーム38bの横バーにクランク板27の前部に形成した前鉤部42が嵌まっている。他方、ロックケース25の後部にはリアレバー43が左右横長の軸心回りに回動するように取り付けられており、リアレバー43に、角形のロック軸26が相対回転不能に嵌まっていると共に、クランク板27の後端に形成した後ろ鉤部44に係合する門形のアーム部45が形成されている。リアレバー43の左右両端部には小径軸部46が形成されており、小径軸部46がロックケース25の軸受け穴47に嵌め込まれている。嵌め込みはロックケース25を弾性変形させることで行われる。
クランク板27の後ろ鉤部44は上向きになっており、従って、後ろ鉤部44はリアレバー43のアーム部45に下方から嵌め込まれるが、下向きの形状であってもよい。本実施形態のクランク板27は昇降はせずに前後動のみする。
これまでの説明から既に理解できるように、錠10を解施錠操作するとクランク板27が前後動し、これに伴ってリアレバー44が回動し、すると、ロック軸26が軸心回りにた回転する。そして、図4〜6に示すように、ロック軸26の左右両端には前向きに延びるロックアーム48が嵌め込み装着されている。
ロックアーム48は樹脂製であってロック軸26が嵌まる軸部48aを有しており、軸部48aの左右両端に小径軸部48bを形成している一方、前部補強枠11の上端部には樹脂製のアッパーサポート49が装着されており、アッパーサポート49の上部に形成した軸受け板49aに、ロックアーム48の小径軸部48bを回転可能に嵌め込んでいる。従って、アッパーサポート49の軸受け板49aには、ロックアーム48の小径軸部48bが弾性に抗して嵌まる軸受け溝50を前向きに開口するように形成している。
アッパーサポート49は前部補強枠11に向けて開口するようにおおよそ箱形の形態を成しており、左右側板51と、左右側板51の上端に連接された水平状の上面板52と、左右側板51の上下中途部に連接された水平状の中間板53と、左右側板51の下端に連接された水平状の下面板54とを有している。左右側板52には前面板55が一体に連接されている。アッパーサポート49は、その左右側板51が前部補強枠11の縦溝15に嵌まり込むが、おおよそ上半部には前部補強枠11から内向きに突出する前向き突出部49bが形成されており、このため、前面板55は側面視で段違いになっている。
アッパーサポート49のうち前向き突出部55aの高さ位置の箇所に前後の張出部56を設けている一方、前部補強枠11には、前後の張出部56が嵌まる切欠き57を形成している。前後の張出部56が切欠き57に嵌まることでアッパーサポート49は上下動不能及び左右動不能に保持され、且つ、張出部56の前後外面に形成した係合爪58を前部補強枠11の切欠き57の内周縁に係合させることにより、アッパーサポート49は内向き抜け不能に保持されている。張出部56には前部補強枠11の内面に重なるフランジ59を形成している。このためアッパーサポート49のガタ付きが防止されている。
本実施形態では、錠10を施錠するとデッドボルト39が上向きに上昇し、すると、フロントレバー35とクランク板27とリアレバー43とによってロック軸26が回転し、ロックアーム48はその先端が下降するように回動する(下向き回動する。)。
ロック機構の組み立ては次の手順で行われる。すなわち、まず、ロックケース25にアーム35,43,クランク板27をセットしてユニット化し、ついで、ロックケース25を上カマチ部材6の後部嵌合穴30に後ろから嵌め入れて、ロックケース25を上カマチ部材6にセットする。この場合、ロックケース25を上カマチ部材6に後ろから押し込み切ると、ロア係合爪31がロア係合穴32に強制嵌合されると共に、サイド係合爪33が後部嵌合穴30の内側縁に係合する。これによってロックケース25は離脱不能に保持される。
ロック軸26はロックケース25の装着に先立ってリアレバー43に挿入されており、ロック軸26の両端にはロックアーム48を取り付けている。従って、ロック機構部は全体が1つにユニット化されている。そして、ロック軸26をロックケース25に装着してから、ロックアーム48の小径軸部48bをアッパーサポート49の軸受け板49aに手前から強制的に嵌め入れる。このように、ロック機構部をごく簡単に取り付けることができる。そして、ロック軸26は左右両端と中間部とを回転自在に支持されて、スムースに回転する。
アッパーサポート49は予め前部補強枠11に取り付けておいてもよいし、ロック機構部をセットしてから前部補強枠11に取り付けてもよい。ロック軸26は左右に長いので、アッパーサポート49は予め前部補強枠11に取り付けた状態であっても、ロック軸26を弾性変形させた状態でロックケース25を上カマチ部材6に取り付けることができる。なお、ロック軸26は左右2本に分離することも可能である。
敢えて述べるまでもないが、ロック機構は様々の構成に具体化できる。例えば、左右横長のロック軸に前向き又は後ろ向きの張出部を設けて、この張出部を錠のデッドボルトで下方から押したり引いたりすることも可能である。
(3).二重引き出し防止装置の詳細(その1)
次に、主として図6〜図11を参照して二重引き出し防止装置の詳細を説明する。図6に示すように、アッパーサポート49のうち張出部56よりも下の部分には支持縦枠16の上部が左右内側から嵌合している。そして、支持縦枠16の前後側板の上部に角形の係合穴61を形成している一方、アッパーサポート49の左右側板51には係合穴61が強制的に嵌まる係合爪62を形成しており、これにより、支持縦枠16の上部は前後左右及び上下のいずれにもずれ不能の状態に保持されている。
なお、支持縦枠16の上部はアッパーサポート49にビス止めしたり前部補強枠11にビス止めしたりすることも可能であるが、本実施形態のように係合穴61と係合爪62との組み合わせによる係合手段でアッパーサポート49に取り付けると、組み立てが簡単になる利点がある。また、本実施形態では、アッパーサポート49はロック軸26の支持機能と支持縦枠16の取り付け機能とを併有しているため、部材点数を少なくして構造の簡素化に貢献できる。
アッパーサポート49には、既述の作動軸20が嵌まっている。作動軸20は一端を半球状部20aと成しており、アッパーサポート49には、半球状部20aを上向きにした状態で嵌まっている。半球状部20aはロックアーム48に下方から対向している。従って、作動軸20はロックアーム48の先端部の真下に配置されている。作動軸20の上下中途部にはフランジ63が形成されており、フランジ63を挟んで半球状部20aと反対側の部分は小径部20bになっている。小径部20bに下方からパイプ21が嵌まっている。
アッパーサポート49の上面板52には作動軸20が上下動自在に嵌まる円形のガイド穴64が空いており、アッパーサポート49の中間板53及び下面板54にはパイプ21が嵌まる逃がし溝65,66が空いている。この場合、下面板54の逃がし溝66はパイプ21が殆どガタ付きなく嵌まる溝幅に設定されているが、中間板53の逃がし溝65はフランジ63が上下に通過できる溝幅に設定されている。
図7に示すように、前部補強枠11の縦溝15のうち下端寄り部位には樹脂製のロアサポート67が嵌め込み装着されている。ロアサポート67は、前後側板68と上面板69と下面板70と内面板とを有する箱状(枡状)に形成されており、縦溝15と対向するように開口している。
そして、ロアサポート67には支持縦枠16の下部が被さるようにして嵌まっており、ロアサポート67と支持縦枠16とは、係合穴72と係合爪73との嵌め合わせによって離脱不能に保持されている。また、前部補強枠11のうち縦溝15を構成する前後側板に切欠き穴74を形成する一方、ロアサポート67の前後両側面の下部に係合爪75を形成し、係合爪75を切欠き穴74の下部側縁に係合させることにより、ロアサポート67を前部補強枠11に落下不能で内向き抜け不能に取り付けている。
ロアサポート67には作動軸20が上下動自在に取り付けられている。作動軸20は半球状部20a(図7では表示せず)を上にした姿勢で配置されている。ロアサポート67の上面板69には作動軸20が嵌まる穴76が形成されている。また、下面板70には作動軸20の小径部20bが嵌まる逃がし穴が空いている。図7では図示していないが、ロアサポート67に装着した作動軸20はばね77(図11参照)で上向きに付勢されている。
(4).二重引き出し防止装置の詳細(その2)
次に、サポートホルダー18とストッパー19とを説明する。図9に示すように、サポートホルダー18は、前後側板78と上面板79と下面板80と外面板(図示せず)とを有する箱状に形成されており、内向きに開口した姿勢で支持縦枠16に内側から装着されている。このため、支持縦枠16にはサポートホルダー18が嵌まる窓穴17が空いている。そして、サポートホルダー18の上面と下面とに、窓穴17の内側縁に係合する係合爪82を形成し、更に、サポートホルダー18の開口部には支持縦枠16に重なるフランジ部83を一体に形成している。
サポートホルダー18には、支持縦枠16の手前側に露出するスペーサ部84が一体に形成されている。スペーサ部84も前部補強枠11の縦溝15に嵌まっている。従って、縦溝15における手前側の内側面と支持縦枠16との間には隙間が空いている。
サポートホルダー18の上面板79と下面板80とには、作動軸20が上下スライド自在に嵌まるガイド筒(ガイド穴)85と、ストッパー19を水平回動自在に保持する軸受け穴86が形成されている。ガイド筒85はサポートホルダー18の奥側(左右外側)に位置しており、軸受け穴86は開口部寄り(左右内側)に位置している。上面板79のガイド筒85には作動軸20がその半球状部20aを下向きにした姿勢で嵌まっており、下面板80のガイド筒85には作動軸20がその半球状部20aを上向きにした姿勢で嵌まっている。従って、1つのサポートホルダー18に嵌まった上下一対の作動軸20はその半球状部20aを相対向させている。
ストッパー19は、サポートホルダー18の軸受け穴86に嵌まる上下一対のボス部87を有している。ボス部87は、サポートホルダー18を弾性変形させることで軸受け穴86に強制的に嵌め込まれる。図8から理解できるように、サポートホルダー18の軸受け穴86は支持縦枠16から露出している。
ストッパー19には、引出し2の前進時(引出し時)にストライカー22が当たる第1当接部88と、引出し2の後退時(押し込み時)にストライカー22が当たる第2当接部89とが横向きに突設されている。両当接部88,89は平面視でおおよそ90度程度開いている。第2当接部89は板状であるのに対して第1当接部88は平面視角形の形態を成しているが、これは、ロックされた状態で引出し2を強引に引き出すことで第1当接部88に大きな荷重が掛かることから、高い強度を付与しているのである。
更に、図9に明示するように、ストッパー19には、第1当接部88と反対側に突出するクサビ状カム部90を回動軸心と直交した方向に突設している。クサビ状カム部90は上下対称形状であり、サポートホルダー18の内部に入り込んでいる。
クサビ状カム部90は作動軸20の半球状部20aが当接するものであり、第2当接部89に近い部分から第1当接部88に近い部分に向けて上下厚さ(幅)が大きくなるクサビ形状になっている。換言すると、クサビ状カム部90の上面と下面とは、回動軸心と直交した方向から見て互いに逆向きに傾斜した傾斜面90aを有している。従って、ストッパー19がストライカー22によって正逆回動すると、クサビ状カム部90に上から当接した作動軸20と下から当接した作動軸20とは互いに逆方向に上下動する。
クサビ状カム部90の上面と下面とには、傾斜面90aの終端に連続した安定保持面90bが形成されている。安定保持面90bは傾斜面90aの終端から若干凹んで凹部になっており、このため、作動軸20は安定保持面90bで安定的に保持される。すなわち、傾斜面90aと安定保持面90bとの境界は若干の高さの山90dになっており、作動軸20が軸方向に動いて山90dを乗り越えないとストッパー19は回動しないため、作動軸20はロック高さに安定的に保持されると共に、ストッパー19は正転回動した姿勢に安定的に保持される。便宜的に、クサビ状カム部90のうち第2当接部89に近い端面を先端縁と称して符号90cを付している。
(5).まとめ
上下に隣り合った作動軸20はパイプ21で連結されている。そして、本実施形態では、上下に隣り合ったストッパー19の間に配置された作動軸20とパイプ21との組み合わせで中間単位連動杆91が構成されており、最上段のストッパー19の上側に位置した作動軸20とパイプ21との組み合わせで上段単位連動杆92が構成されており、最下段のストッパー19の下方に配置された作動軸20によって下段単位連動杆93が構成されている。
解錠状態では図10(A)に示すようにロックアーム48は上向きに回動しており、この状態では、図10(B)に示すように、上下に隣り合った作動軸20は、その当接面をストッパー19におけるクサビ状カム部90の先端縁20cの箇所に位置させた基準高さになっており、このため、任意の引出し2を引き出すことが許容されている。そして、任意の1つの引出し2を引き出すと、図10(C)に示すように、引出し2のストライカー22が前進して1つのストッパー19の第1当接部88に当たることで1つのストッパー19が正転方向に回動する。
すると、図10(D)に示すように、1つのストッパー19のクサビ状カム部90によって2つの作動軸20が上下に離反するように動かされ、このため、前進した引出し2の上に位置された引出し2に対応したストッパー19の箇所では、作動軸20が基準高さから上昇して高位ロック高さとなり、その結果、ストッパー19が正転方向に回動不能になる。
すなわち、ストッパー19を正転方向に回動させようとしても、ストッパー19におけるクサビ状カム部90の先端縁20cが作動軸20のストレート状外周面に当たるため、ストッパー19を正転方向に回動させることはできない。従って、引出し2を手前に引いてストライカー22がストッパー19の第1当接部88に当たっても、そのストッパー19は回動せず、従って、引出し2を前進させることはできない。
逆に、回動したストッパー19の下方に位置した各作動軸20は基準高さから低位ロック高さに移行し、これにより、回動したストッパー19の下方に位置したストッパー19は回動不能に保持され、このため、1つの引出し2の下方に配置された引出し2を引出しことはできない。なお、最下段の作動軸20は下降するのみでストッパー19の回動規制機能は有しておらず、従って、二重引き出し防止機能の面から見ると無くても良いが、上段の作動軸20を安定よく上昇させるためには存在するのが好ましい。また、ばね77を取り付けるためにも存在するのが好ましい。
引出し2のストライカー22によってストッパー19が正転方向に回動すると、作動軸20の半球状部20aがストッパー19の安定保持面90bに当接するが、安定保持面90bは傾斜面90aに対して僅かながら逆傾斜になっているため(或いは傾斜面90aの終端から若干凹んでいるため)、ストッパー19は正転方向に回動させた状態に保持される。前進させた引出し2を押し込むと、図11(A)に示すように、ストライカー22がストッパー19の第2当接部89に当たることでストッパー19は逆転方向に強制的に回動させられ、ストッパー19は原姿勢に戻る。
図11(A)に示すように、施錠状態ではロックアーム48は下向き回動しており、その結果、アッパーサポート49に取り付けた作動軸20は基準高さよりも下方にずれ移動するように押し下げられる。すると、各作動軸20は基準高さよりも低い低位ロック高さとなり、このため、全てのストッパー19におけるクサビ状カム部90の先端縁90cが作動軸20のストレート状外周面に対向することになり、従って、すべてのストッパー19を回動不能に保持される。すなわち、全ての引出し2は前進動不能に保持される。
ストッパー19の上下に配置された作動軸20は半球状部20aが互いに当接しているため、加工誤差や組み立て誤差等によって作動軸20の高さが多少ずれていても、ストッパー19の回動によって上下に離反動する。つまり、半球状部20aはクサビ状カム部90に対するガイド機能を有しているため、加工誤差や組み立て誤差を吸収して、解錠状態で引出し2を前進させる機能を確保できる。
さて、施錠状態で各作動軸20が基準高さ位置に保持されていると、ストッパー19を回動させようとするとクサビ状カム部90の先端縁90cが上下作動軸20の半球状部20aの間に入り込もうとするため、ストッパー19はある程度回動させ得る。そして、引出し2を強く引っ張ると、部材の誤差によっては、ストッパー19のクサビ状カム部90が上下作動軸20の間に進入することも考えられる。このためロック機能が万全とは言い難いおそれがある。
また、クサビ状カム部90が上下作動軸20の間に若干ながら入り込み得るため、ロック状態の引出し2を前進させようとすると、引出し2は若干ながら前後動し得る。すなわちガタが生じなすい。二重ひきだし防止にしても施錠状態でのロックにしてもこのようなガタは商品の品質の面からは好ましいとは言えない。
これに対して本実施形態では、施錠状態では各作動軸20は強制的に下降させられて、各ストッパー19におけるクサビ状カム部90の先端縁90cが作動軸20のストレート状外周面に対向しているため、引出し2を前進させようとしてもストッパー19を回動させることはできない。すなわち、引出し2を前進させようとしてもストッパー19は殆ど又は全く回動しないのであり、このため、ロック状態の引出し2を前進させようとした場合にガタが生じることは全く又は殆どない。そして、ストッパー19の回動を的確に阻止できると共に、部材の加工誤差や組み立て誤差があっても、これらの誤差を吸収してロック状態を的確に保持できるのである。
作動軸20のストッパー誘い込み手段としては、半球状部20aに代えてテーパ面を形成することも可能である(但し、半球状部20aを採用すると動きが滑らかになる利点がある。)。中間単位連動杆91や上段単位連動杆92を単一部材で構成することも可能であるが、本実施形態のように作動軸20とこれに嵌まるパイプ21とで構成すると、引出し2の高さが相違する各種のキャビネットに1種類の作動軸20で対応できる利点がある。そして、長い材料を切断して所定長さのパイプ21と成すにおいて、加工誤差で長さにバラツキが生じるおそれがあるが、本願発明ではパイプ21の長さのバラツキを吸収して、ロック機能を確保できるのである。なお、パイプ21を作動軸20にねじ込むことも可能である。
単位連動杆の群を下向きにばねで付勢することも可能である。この場合は、ばねは、アッパーサポート49の内部において最上段に位置した作動軸20に嵌め込んだらよい。また、ばねの種類や配置位置は必要に応じて任意に選択できるのであり、例えば、各サポートホルダー18に内蔵することも可能である。
(6).その他
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、錠は本体の上カマチに設けることも可能である。また、ロックアームのようなロック部材にデッドボルトの動きを伝える施錠機構も様々に具体化できる。ロック部材としては回動式のロックアームには限らず、スライド式のクサビ部材を採用し、このクサビ部材で単位連動杆を強制的に押し下げることも可能である。
また、施錠機構の構造に関係なく、施錠によって単位連動杆を引き上げることも可能である(例えば、最下段の単位連動杆を押し上げるプッシャーを本体に取り付け、ロックアーム等でプッシャーを作動させたらよい。)。更に、施錠に際して全ての単位連動杆が同一方向に動く必然性はないのであり、ある高さを境にして、上昇動するものと下降動するものとに区分されていてもよい。
さて、特許文献1では単位連動杆を上向きに突っ張らせることで引出しを前進不能に保持せんとするものであり、単位連動杆の曲がりや座屈により、引出しの前進防止機能が低下するおそれがある。これは、オールロック装置を捨象して二重引き出しを防止する場合にも問題になる。
これに対して本実施形態は、ストッパーの回動を作動軸(単位連動杆)のストレート状部で阻止せんとするものであり、このため、ストッパーの回転防止機能に優れていると言える。従って、本実施形態は二重引き出し防止装置としても効果を発揮するのであり、この点、二重引き出し防止装置として独立した発明たり得るものである。
また、特許文献1では、施錠機構部の構成としては、本体の上部にロック軸を回転自在に配置して、ロック軸を錠のデッドボルトで直接的に回転させているが、この構成ではロック軸の位置が規制されるため、設計の自由性が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態のように前後のレバーやクランク板(クランク体)より成る施錠機構を構成すると、ロック軸の位置を任意に設定できる利点がある。従って、施錠機構部(施錠装置)としても独立した発明たり得る。
本願発明はキャビネットに適用して有用性を発揮する。従って、産業において利用できる。
1 キャビネットの本体
2 引出し
6 上カマチ部材
10 錠
11 前部補強枠
15 縦溝
16 支持縦枠
18 サポートホルダー
19 ストッパー
21 単位連動杆を構成するパイプ
22 ストライカー
25 ロックケース
26 ロック軸
88 第1当接部
89 第2当接部
90 クサビ状カム部
91 中間単位連動杆
92 上部単位連動杆

Claims (3)

  1. 前向きに開口した本体とその内部に配置された複数段の引出しとを有しており、
    前記各引出しの側面部に、当該引出しを前進動不能に保持するためのストライカーを設けている一方、
    前記本体の内側面には、前記ストライカーの前後動によって動くストッパーが各段の引出しに対応して配置されていると共に、少なくとも上下に隣り合ったストッパーの間に位置した中間単位連動杆が配置されており、
    任意の引出しを前進させると、当該前進させた引出しのストライカーに対応したストッパーの動きにより、当該ストッパーの上側又は下側若しくは上下両側に配置された単位連動杆が基準高さから上下方向にスライドし、前記単位連動杆のスライドによって他のストッパーの動きが阻止されることで他の引出しの前進動が阻止されており、
    更に、前記各単位連動杆の動きを規制して全引出しを前進動不能に保持するための錠が設けられており、施錠状態では前記各単位連動杆は基準高さから下降又は上昇したロック高さに保持されている、
    キャビネット。
  2. 前記ストッパーは水平回動式であり、前記ストライカーが前進時に当たる第1当接部と、前記ストライカーが後退時に当たる第2当接部と、水平回動によって前記単位連動杆を昇降させるクサビ状カム部とを有しており、前記ストライカーが第1当接部又は第2当接部に当たることでストッパーが回動するようになっており、かつ、前記クサビ形カム部の押し退け作用により、前記ストッパーが正転すると当該ストッパーの上側に位置した単位連動杆は上昇して下側に位置した単位連動杆は下降動する、
    請求項1に記載したキャビネット。
  3. 施錠状態では、前記各単位連動杆は基準高さよりも下方に押し下げられている、
    請求項2に記載したキャビネット。
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