JP5536736B2 - 車両診断方法及び外部診断装置 - Google Patents
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Description
この発明は、車両の故障診断及び性能診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行う車両診断方法及び外部診断装置に関する。
近年、車両内の電子制御装置(以下「ECU」という。)に記録された運転データを利用して、燃費や運転挙動を診断することが行われるようになってきている。例えば、ユーザのより低燃費な運転を嗜好する傾向に対応して、車両内のECUに記憶された複数の運転サイクルにわたる運転データ(車速データ等)を読み出して、燃費状態や運転挙動を診断してユーザに結果を提示することが行われている(特許文献1の要約、図1の車速センサ11A、[0021]、図10等参照)。
また、加速度センサを用いて移動速度及び移動距離を算出する技術が提案されている(特許文献2の要約参照)。
例えば、ビジネスバイクのような小型自動二輪車等の車両では、運転状態を検出するセンサの数が少なく、車両自体で燃費を計算できない場合が少なくない。この場合、いわゆる満タン法(一旦、燃料を満タンにした後、次に燃料を満タンにしたときの燃料補充量と、その間における車両の走行距離とに基づいて燃費を計算する方法)により、ユーザは、大まかな平均燃費を計算できるものの、燃費の推移や運転挙動を知ることはできない。また、特許文献1の技術では、燃費計算のための運転データ(車速データ等)を車両側から取得する必要があるが、例えば、車両が機械式の速度計を有しており、車速データを出力できない場合、燃費状態等を算出することができない。
また、外部診断装置は、燃費診断や運転挙動に限らず、その他の診断項目についても診断できる方が好適である。
この発明は、上記のような事情を考慮したものであり、従来からの外部診断装置の構成を生かしつつ、実行可能な診断項目を効率的に増加させることが可能な車両診断方法及び外部診断装置を提供することを目的する。
この発明に係る車両診断方法は、車両に搭載された電子制御装置に外部診断装置を接続し、前記電子制御装置と前記外部診断装置との間でデータ通信することにより前記車両の動作情報を取得して、前記外部診断装置において、前記車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行うものであって、前記外部診断装置は、前記外部診断装置に作用する加速度を検出する加速度検出手段を有し、前記外部診断装置を前記車両に載せた状態で前記車両を走行させながら、前記外部診断装置に作用する加速度を前記加速度検出手段で検出すると共に前記車両の前記電子制御装置から前記車両の動作情報を前記外部診断装置へ読み出して取得し、前記外部診断装置において、前記加速度検出手段が検出した前記外部診断装置に作用する加速度と前記外部診断装置が取得した前記車両の動作情報とを用いて前記車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行うことを特徴とする。
この発明によれば、車両の走行に伴って外部診断装置の加速度検出手段を車両と一緒に移動させながら、外部診断装置に作用する加速度を加速度検出手段で検出すると共に車両から外部診断装置に車両の動作情報を送信する。そして、外部診断装置において、加速度検出手段が検出した外部診断装置に作用する加速度と外部診断装置が取得した車両の動作情報とを用いて車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行う。このため、外部診断装置の加速度検出手段の検出値を用いた診断を行うことが可能となる。従って、車両側とのデータ通信によって動作情報を取得するという、従来からの外部診断装置の構成を生かしつつ、実行可能な診断項目を効率的に増加させることが可能となる。
前記車両はエンジン車とし、前記外部診断装置が前記車両から読み出す動作情報には、単位時間当たり又は単位エンジン回転数当たりの燃料噴射量(以下、単に「燃料噴射量」という。)と、単位時間当たりのエンジン回転数(以下、単に「エンジン回転数」という。)とを含み、前記外部診断装置において、前記燃料噴射量と前記エンジン回転数を用いて、前記加速度の検出をしていた間の燃料消費量(以下、単に「燃料消費量」という。)を算出し、前記外部診断装置に作用する加速度を用いて前記車両の走行距離を算出し、前記燃料消費量と前記走行距離を用いて前記車両の燃費を計算してもよい。
上記によれば、車両自体の電子制御装置から得られる動作情報だけではデータ不足で燃費計算ができない場合であっても、簡単に燃費算出をすることが可能となる。また、燃料噴射量を用いて燃費を計算するため、満タン法と比較して、燃費の時間的変化を追い易くなると共に、燃費計算の精度を向上することが可能となる。従って、例えば、二輪車において燃費が悪いと不満を持つユーザに対して、燃費データを他者との比較で説明する等、ユーザにわかりやすく説明することが可能となる。さらに、運転者毎に燃費の相違を判定すれば、急加速が多い又はスロットルを開け過ぎている等の運転(特に加減速)の改善すべき運転操作の問題点のアドバイスをすることが可能になる。
前記外部診断装置において、前記外部診断装置に作用する加速度を用いて前記車両の加減速の状況を表すデータと、前記燃費のデータとを併せて表示してもよい。これにより、車両の加減速と燃費の関係を示すことで、改善すべき運転挙動のアドバイスデータを作成可能となる。
前記加速度検出手段は、前記外部診断装置の本体に着脱自在に設けてもよい。これにより、加速度検出手段の検出値を用いる診断を要する場合にのみ、加速度検出手段を外部診断装置の本体に取り付ければよくなる。従って、外部診断装置の本体を小型化又は汎用化し易くなる。
この発明に係る外部診断装置は、車両に搭載された電子制御装置に接続して前記車両の外部からデータ通信することにより、前記電子制御装置を介して前記車両の動作情報を前記車両の外部へ読み出して取得して前記車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行うものであって、前記外部診断装置に作用する加速度を検出する加速度検出手段を前記外部診断装置に備え、前記外部診断装置を前記車両に載せた状態で前記車両を走行することにより前記加速度検出手段が検出した前記外部診断装置に作用する加速度と、前記電子制御装置を介して前記車両の外部へ読み出して取得した前記車両の動作情報とを用いて前記車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行うことを特徴とする。
前記外部診断装置は、前記外部診断装置に作用する加速度を用いて前記車両の加減速の状況を表すデータと、前記燃費のデータとを併せて表示する表示部を有してもよい。
この発明によれば、車両の走行に伴って外部診断装置の加速度検出手段を車両と一緒に移動させながら、外部診断装置に作用する加速度を加速度検出手段で検出すると共に車両から外部診断装置に車両の動作情報を送信する。そして、外部診断装置において、加速度検出手段が検出した外部診断装置に作用する加速度と外部診断装置が取得した車両の動作情報とを用いて車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行う。このため、外部診断装置の加速度検出手段の検出値を用いた診断を行うことが可能となる。従って、車両側とのデータ通信によって動作情報を取得するという、従来からの外部診断装置の構成を生かしつつ、実行可能な診断項目を効率的に増加させることが可能となる。
A.一実施形態
[1.構成]
(1−1.全体構成)
図1は、この発明の一実施形態に係る外部診断装置14(以下「診断装置14」ともいう。)を有する故障診断システム10(以下「システム10」ともいう。)の概略的な構成を示すブロック図である。システム10は、診断対象としての車両12(本実施形態では自動二輪車)と、車両12外部から車両12の各種診断を行う診断装置14とを有する。
[1.構成]
(1−1.全体構成)
図1は、この発明の一実施形態に係る外部診断装置14(以下「診断装置14」ともいう。)を有する故障診断システム10(以下「システム10」ともいう。)の概略的な構成を示すブロック図である。システム10は、診断対象としての車両12(本実施形態では自動二輪車)と、車両12外部から車両12の各種診断を行う診断装置14とを有する。
(1−2.車両12)
車両12は、電子制御装置20(以下「ECU20」という。)と、ECU20のオンオフを制御するイグニションスイッチ22(以下「IGSW22」という。)と、各種センサ24とを有する。ECU20は、エンジン、トランスミッション、ブレーキなどの制御を行うものであり、図1に示すように、入出力部30と、演算部32と、記憶部34とを有する。
車両12は、電子制御装置20(以下「ECU20」という。)と、ECU20のオンオフを制御するイグニションスイッチ22(以下「IGSW22」という。)と、各種センサ24とを有する。ECU20は、エンジン、トランスミッション、ブレーキなどの制御を行うものであり、図1に示すように、入出力部30と、演算部32と、記憶部34とを有する。
本実施形態における車両12は、図示しないガソリンエンジンを有するいわゆるガソリン車である。後述するように、ディーゼルエンジン車、電動車両(ハイブリッド車及び燃料電池車を含む。)等の車両であってもよい。また、本実施形態における車両12は、ビジネスバイク、ファミリーバイク等の自動二輪車であるが、三輪車、四輪車又は六輪車等であってもよい。
(1−3.外部診断装置14)
(1−3−1.全体)
外部診断装置14は、テスタ40及びパーソナルコンピュータ42(以下「PC42」という。)を備える。診断装置14により、車両12の故障診断及び性能診断並びに運転者の運転技術の診断を行うことができる。
(1−3−1.全体)
外部診断装置14は、テスタ40及びパーソナルコンピュータ42(以下「PC42」という。)を備える。診断装置14により、車両12の故障診断及び性能診断並びに運転者の運転技術の診断を行うことができる。
(1−3−2.テスタ40)
テスタ40は、販売店、整備工場等において車両12のECU20に接続して車両12のデータ{動作情報(運転データ)}を読み出したりするための通信用インターフェースとして各種診断(検査)に用いるものである。PC42と比較して、テスタ40は、演算能力、記憶容量等で劣るが、小型であり携帯が容易である。テスタ40は、読み出した動作情報を用いてテスタ40自身が車両12の各種診断(又は検査)を行うことができると共に、読み出した動作情報を保存しておき、その後PC42に送信することもできる。
テスタ40は、販売店、整備工場等において車両12のECU20に接続して車両12のデータ{動作情報(運転データ)}を読み出したりするための通信用インターフェースとして各種診断(検査)に用いるものである。PC42と比較して、テスタ40は、演算能力、記憶容量等で劣るが、小型であり携帯が容易である。テスタ40は、読み出した動作情報を用いてテスタ40自身が車両12の各種診断(又は検査)を行うことができると共に、読み出した動作情報を保存しておき、その後PC42に送信することもできる。
図1に示すように、テスタ40は、テスタ本体50と、テスタ本体50に着脱可能な加速度センサ52(以下「Gセンサ52」という。)とを備える。テスタ本体50は、車両12のECU20に接続するための第1ケーブル60と、PC42に接続するための第2ケーブル62と、第1ケーブル60及び第2ケーブル62が連結されて信号の入出力を行う入出力部64と、PC42と無線通信を行う通信部66と、操作部68と、各部の制御を行う演算部70と、演算部70で用いる制御プログラム等の各種のプログラムやデータを記憶する記憶部72と、表示部74とを有する。
操作部68は、必要に応じて車両12のECU20又は各種センサ24に出力指令(擬似信号)を送信する操作を行うための操作ボタン等を有する。
演算部70は、データ収集・保存機能80及びデータ出力機能82を備える。データ収集・保存機能80は、ECU20を介して車両12から各種データ(動作情報)を収集し、記憶部72に保存する機能である。データ出力機能82は、記憶部72に保存した動作情報を、PC42に対して出力する機能である。
Gセンサ52は、テスタ本体50の演算部70からの指令に応じて、加速度[m/s/s]を検出可能である。本実施形態では、テスタ40を車両12に搭載した状態でGセンサ52を作動させることにより、Gセンサ52は、車両12の加速度Δav[km/h/s]を検出することができる。Gセンサ52は、第3ケーブル76を介してテスタ本体50と着脱可能とされている。本実施形態における第3ケーブル76は、例えば、USBケーブルとすることができる。或いは、第3ケーブル76を設ける代わりに、テスタ本体50及びGセンサ52それぞれにコネクタ(例えば、USBコネクタ)を設けておき、当該コネクタを用いてGセンサ52をテスタ本体50に取り付けることもできる。
表示部74は、ECU20から読み出したデータをモニタ表示する等の各種の表示を行う。
なお、第1ケーブル60は、無線通信機能で代替しても良い。また、テスタ40とPC42との間の通信は、第2ケーブル62を介した有線通信と、通信部66を介した無線通信が可能であるが、いずれか一方のみ可能としてもよい。
(1−3−3.PC42)
PC42は、第2ケーブル62が連結されて信号の入出力を行う入出力部90と、テスタ40と無線通信を行う通信部92と、図示しないキーボードやマウス、タッチパッド等からなる操作部94と、各部の制御及び各種診断を行う演算部96と、演算部96で用いる制御プログラムや診断プログラム等の各種プログラムやデータを記憶する記憶部98と、各種の表示を行う表示部100とを有する。PC42のハードウェア構成としては、例えば、市販のノート型パーソナルコンピュータを用いることができる。
PC42は、第2ケーブル62が連結されて信号の入出力を行う入出力部90と、テスタ40と無線通信を行う通信部92と、図示しないキーボードやマウス、タッチパッド等からなる操作部94と、各部の制御及び各種診断を行う演算部96と、演算部96で用いる制御プログラムや診断プログラム等の各種プログラムやデータを記憶する記憶部98と、各種の表示を行う表示部100とを有する。PC42のハードウェア構成としては、例えば、市販のノート型パーソナルコンピュータを用いることができる。
演算部96は、テスタセットアップ機能110と、データ読出し・保存機能112と、第1診断機能114と、第2診断機能116と、データ表示機能118とを有する。
テスタセットアップ機能110は、テスタ40をセットアップする機能である。データ読出し・保存機能112は、テスタ40の記憶部72に保存されている動作情報を読み出して、PC42の記憶部98に保存する機能である。第1診断機能114は、テスタ40から読み出した動作情報を用いて車両12の故障診断を行う機能である。第2診断機能116は、テスタ40から読み出した動作情報を用いて車両12の性能診断及び運転者の運転技術の診断を行う機能である。データ表示機能118は、各診断の結果を表示部100に表示する機能である。
記憶部98は、車両データベース120(以下「車両DB120」という。)を備える。車両DB120が記憶している情報には、例えば、機種名、年式、仕向け地、型式、ECU20の識別情報(以下「ECU ID」という。)及び車速センサの有無が含まれる。
PC42を用いて各種の診断を行う際、作業者は、テスタ40の第1ケーブル60を、車両12に設けられた図示しないコネクタ(データリンクコネクタ)に接続する。また、作業者は、第2ケーブル62又は通信部66、92を用いて、ECU20及びPC42との間で通信可能な状態としておく。その後、PC42の操作部94に対する作業者からの操作に応じて、PC42は、各種の診断(車両12の故障診断及び性能診断並びに運転者の運転技術の診断)を行う。ここでの診断として、PC42は、車両12の燃費を診断することができる(詳細は、後述する。)。
[2.車両12の故障診断]
本実施形態における故障診断は、車両12内部の各部の故障を診断するものである。ここにいう故障診断には、車両12(ECU20)において実際に故障が検出され、車両12の図示しないインジケータへの表示等が行われている場合に当該故障の原因を特定する診断と、車両12(ECU20)において故障は検出されていないが、車両12の各部が正常に動作しているか否かを確認する診断とが含まれる。診断対象の故障としては、例えば、特開2001−154725号公報、特開平01−209334号公報に記載のものを対象とすることができる。
本実施形態における故障診断は、車両12内部の各部の故障を診断するものである。ここにいう故障診断には、車両12(ECU20)において実際に故障が検出され、車両12の図示しないインジケータへの表示等が行われている場合に当該故障の原因を特定する診断と、車両12(ECU20)において故障は検出されていないが、車両12の各部が正常に動作しているか否かを確認する診断とが含まれる。診断対象の故障としては、例えば、特開2001−154725号公報、特開平01−209334号公報に記載のものを対象とすることができる。
また、車両12がGセンサ52とは別の加速度センサを有している場合、当該別の加速度センサの出力と、テスタ40のGセンサ52の出力とを比較することで、当該別の加速度センサの検出状態(出力値、直線性、応答性等)を診断又は検査することができる。
後述するように、本実施形態の外部診断装置14は、Gセンサ52が検出した車両12の加速度Δavを用いて車両12の車速V[km/h]及び走行距離D[km]を算出することができる。そこで、車両12が車速センサを有している場合、加速度Δavに基づいて算出した車速Vと、前記車速センサが検出した車速vとを比較することで、当該車速センサの検出状態(出力値の精度、直線性、応答性、劣化状態等)を検査することができる。或いは、車両12が車輪速センサを有している場合、加速度Δavに基づいて算出した車速Vと、前記車輪速センサが検出した車輪速Vwとを比較することで、当該車輪速センサの検出状態(出力値の精度、直線性、応答性、劣化状態等)を大まかに検査することができる。或いは、車両12が走行距離計を有している場合、加速度Δavに基づいて算出した走行距離Dと、前記走行距離計が検出した走行距離dとを比較することで、当該走行距離計の検出状態(出力値の精度、劣化状態等)を検査することができる。
また、本実施形態の外部診断装置14は、Gセンサ52が検出した加速度Δavと、ECU20から取得した、エンジン1回転当たりの燃料噴射量(以下「燃料噴射量Afi」という。)[cc/回転]を用いて車両12の燃費M[cc/km]を算出することができる。後述するように、燃料噴射量Afiは、単位時間当たりの燃料噴射量[cc/sec]、単位エンジン回転数当たりの燃料噴射量[cc/単位回転]又は単位エンジン回転角度当たりの燃料噴射量[cc/rad]等、実質的に同等の指標であれば、その他の値を用いることもできる。そこで、車両12が燃費計を有している場合、加速度Δav等に基づいて算出した燃費Mと、前記燃費計が検出した燃費mとを比較することで、当該燃費計の検出状態(出力値の精度等)を検査することができる。
本実施形態において、燃費Mは、走行距離1km当たりの燃料消費量(以下「燃料消費量Afc」という。)[cc/km]であるが、単位走行距離当たりの燃料消費量[cc/km]又は単位燃料消費量当たりの走行距離[km/cc]等、実質的に同等の指標であれば、これに限らない。
そして、車両12が燃費計を有している場合、加速度Δav等に基づいて算出した燃費Mと、前記燃費計が検出した燃費mとを比較することで、前記燃費計の検出状態(出力値の精度、劣化状態等)を検査することができる。
[3.車両12の性能診断及び運転者の運転技術の診断]
(3−1.概要)
本実施形態における性能診断は、車両12の性能を診断するものである。診断対象の性能としては、例えば、車両12の燃費Mを挙げることができる。或いは、後述するように、電費、加速性能等を性能診断の対象とすることもできる。
(3−1.概要)
本実施形態における性能診断は、車両12の性能を診断するものである。診断対象の性能としては、例えば、車両12の燃費Mを挙げることができる。或いは、後述するように、電費、加速性能等を性能診断の対象とすることもできる。
また、上記のような燃費M及び電費等は、運転者の運転技術を反映するものでもある。このため、燃費M、電費等を診断することで、運転者の運転技術を診断することも可能となる。
(3−2.燃費診断の流れの概要(作業者の作業))
次に、本実施形態における燃費診断(作業者が行う作業)の概要について説明する。
次に、本実施形態における燃費診断(作業者が行う作業)の概要について説明する。
図2は、燃費診断の際に作業者が行う作業のフローチャートである。ステップS1〜S5において、作業者は、燃費診断のための事前準備を行う。具体的には、ステップS1において、作業者は、第2ケーブル62を用いてテスタ40をPC42に接続する。この際、テスタ40及びPC42は電源をオンにしておく。これにより、テスタ40とPC42との接続により、両者の間で通信が可能となる。なお、テスタ40とPC42との間で無線通信を行う場合、作業者は、例えば、テスタ40の操作部68を用いてテスタ40に対してPC42との間で通信を確立することを指令する。
ステップS2において、作業者は、第1ケーブル60を用いてテスタ40を車両12のECU20に接続する。具体的には、テスタ40の第1ケーブル60を車両12のデータリンクコネクタ(図示せず)に接続する。なお、当該接続の後、作業者は、IGSW22をオンにし、ECU20を起動する。これにより、車両12のECU20とテスタ40との間で通信が可能となる。
ステップS3において、作業者は、PC42を操作してテスタセットアップ機能110を実行させてテスタ40をセットアップする。この際、作業者は、PC42の表示部100において、セットアップ情報を入力する。当該セットアップ情報には、車両12の識別情報{VINコード(VIN:Vehicle Identification Code)}、これから行う処理(燃費診断)等の情報が含まれる。
セットアップ情報の入力に伴い、PC42は、VINコードを用いて車両DB120から車両12の情報を読み出す。読み出す情報には、例えば、機種名、年式、仕向け地、型式、ECU ID及び車速センサの有無が含まれる。そして、燃費診断を行う場合、PC42は、車両12が車速センサを有するか否かを確認する。車両12が車速センサを有さない場合、PC42は、表示部100に、Gセンサ52の取付けを促すメッセージを表示する。当該メッセージの表示は、PC42からの指令に基づきテスタ40において行ってもよい。
また、PC42は、テスタ本体50にGセンサ52が取り付けられているか否かを判定してもよい。そして、テスタ本体50にGセンサ52が取り付けられていない場合、PC42は、表示部100にエラーメッセージ(例えば、Gセンサ52の取付けを促すメッセージ)を表示する。テスタ本体50にGセンサ52が取り付けられているか否かの判定及び取り付けられていない場合の表示は、PC42ではなく、テスタ40において行ってもよい。その場合、当該判定及び当該表示のタイミングは、後述するステップS4又はS5であってもよい。
ステップS4において、作業者は、第2ケーブル62をテスタ40及びPC42から取り外して、テスタ40をPC42から取り外す。
ステップS5において、作業者は、テスタ40の位置を調整する。すなわち、本実施形態では、テスタ40のGセンサ52の検出値を用いて、車両12の加速度Δavを検出する。このため、作業者は、Gセンサ52の検出方向が車両12の前後方向となるように、テスタ40を車両12に載せる。ここでの「載せる」は、テスタ40全体又は少なくともGセンサ52を車両12に固定又は配置することを意味する。なお、Gセンサ52の検出方向が明確となるように、検出方向を示すマーク(例えば、矢印)をGセンサ52自体に設けてもよい。
ステップS6において、作業者は、燃費Mを求めるために、車両12のテスト走行を行う。この際、テスタ40は、燃費Mの計算に必要な各種データを取得する(詳細は、後述する。)。
ステップS7において、作業者は、第2ケーブル62を介してテスタ40をPC42に接続する。なお、テスタ40とPC42との間で無線通信を行う場合、作業者は、例えば、テスタ40の操作部68を用いてテスタ40に対してPC42との間で通信を確立することを指令する。
ステップS8において、作業者は、PC42を操作して、テスタ40が保存しているデータ(収集データ)をPC42に保存する。
ステップS9において、作業者は、PC42を操作して燃費計算の実行指令を出す。これを受けたPC42は、テスタ40から取得したデータ(保存データ)を用いて車両12の燃費Mを算出する(詳細は、後述する。)。
ステップS10において、作業者は、第1ケーブル60を車両12のECU20及びテスタ40から取り外して、テスタ40を車両12(ECU20)から取り外す。
ステップS11において、作業者は、第2ケーブル62をテスタ40及びPC42から取り外して、テスタ40をPC42から取り外す。
ステップS12において、作業者は、PC42を操作して、算出した燃費Mのデータを表示部100に表示させる。そして、作業者は、顧客に対し、算出した燃費Mを、前記表示に基づき説明する。
(3−3.テスト走行時のデータ収集(テスタ40における処理))
図3は、テスト走行時にテスタ40が行うデータ収集のフローチャートである。図3の処理を始める前に、作業者は、IGSW22を用いて車両12のエンジン(図示せず)を始動させておく。ステップS21において、テスタ40は、操作部68に含まれるデータ収集開始ボタン(図示せず)がオンとされたか否かを判定する。前記データ収集開始ボタンがオンとされていない場合(S21:NO)、ステップS21を繰り返す。前記データ収集開始ボタンがオンにされた場合(S21:YES)、ステップS22に進む。なお、作業者は、前記データ収集開始ボタンをオンにした後、車両12を走行させる。
図3は、テスト走行時にテスタ40が行うデータ収集のフローチャートである。図3の処理を始める前に、作業者は、IGSW22を用いて車両12のエンジン(図示せず)を始動させておく。ステップS21において、テスタ40は、操作部68に含まれるデータ収集開始ボタン(図示せず)がオンとされたか否かを判定する。前記データ収集開始ボタンがオンとされていない場合(S21:NO)、ステップS21を繰り返す。前記データ収集開始ボタンがオンにされた場合(S21:YES)、ステップS22に進む。なお、作業者は、前記データ収集開始ボタンをオンにした後、車両12を走行させる。
ステップS22において、テスタ40は、操作部68に含まれるデータ収集終了ボタン(図示せず)がオンとされたか否かを判定する。前記データ収集終了ボタンがオンとされていない場合(S22:NO)、ステップS23において、テスタ40は、単位時間当たりのエンジン回転数(以下「エンジン回転数Ne」という。)[rpm]と前記燃料噴射量AfiをECU20から取得する。上記の通り、燃料噴射量Afiは、エンジン1回転当たりに噴射される燃料の量を示すが、単位時間当たりの燃料噴射量[cc/sec]、単位エンジン回転数当たりの燃料噴射量[cc/単位回転]又は単位エンジン回転角度当たりの燃料噴射量[cc/rad]等、実質的に同等の指標であれば、その他の値を用いることもできる。
ステップS24において、テスタ40は、取得したエンジン回転数Ne及び燃料噴射量Afiを記憶部72に保存する。
ステップS25において、テスタ40は、Gセンサ52の検出値を取得する。上記のように、作業者は、前記データ収集開始ボタンをオンにした後、車両12を走行させている。このため、Gセンサ52の検出値は、車両12の加速度Δavを示す。ステップS26において、テスタ40は、取得した加速度Δavを記憶部72に保存する。その後、ステップS22に戻る。
ステップS22〜S26の処理は、所定の演算周期P1(例えば、数マイクロ秒〜数秒のいずれかの固定周期)で実行される。このため、取得された各データの間隔はわかるようになっている。
ステップS22において、前記データ収集終了ボタンがオンとされた場合(S22:YES)、テスタ40は、データの収集を終了する。
なお、ステップS24、S26における保存は、記憶部72のうち図示しない揮発性メモリに保存しておき、前記データ収集終了ボタンがオンとされた場合(S22:YES)に、記憶部72のうち図示しない不揮発性メモリに保存することもできる。
また、収集するデータとして、上記のものに限らず、図6を参照して後述するように、図示しないスロットルの開度(スロットル開度)等を含めてもよい。
(3−4.燃費Mの算出(PC42における処理))
図4は、PC42が燃費Mを算出するフローチャートである。図2のステップS9に関連して説明したように、PC42が燃費Mを算出する契機は、作業者がPC42を操作して燃費計算の実行指令を出したことである。また、作業者がPC42を操作して燃費計算の実行指令を出す時点では、PC42は、燃費Mの算出に必要なデータを、テスタ40から取得している。さらに、ステップS22〜S26の処理は、所定の演算周期P1(例えば、数マイクロ秒〜数秒のいずれかの固定周期)で実行される。このため、取得された各データの間隔はわかるようになっている。燃費Mの算出は、PC42の第2診断機能116により行われる。
図4は、PC42が燃費Mを算出するフローチャートである。図2のステップS9に関連して説明したように、PC42が燃費Mを算出する契機は、作業者がPC42を操作して燃費計算の実行指令を出したことである。また、作業者がPC42を操作して燃費計算の実行指令を出す時点では、PC42は、燃費Mの算出に必要なデータを、テスタ40から取得している。さらに、ステップS22〜S26の処理は、所定の演算周期P1(例えば、数マイクロ秒〜数秒のいずれかの固定周期)で実行される。このため、取得された各データの間隔はわかるようになっている。燃費Mの算出は、PC42の第2診断機能116により行われる。
ステップS31において、PC42は、エンジン回転数Neと燃料噴射量Afiを用いて燃料消費量Afc[cc]を算出する。燃料消費量Afcは、テスト走行中に車両12が実際に消費した燃料の量である。本実施形態では、燃料消費量Afcを以下の式(1)で求める。
Afc=∫Ne’×Afi ・・・(1)
Afc=∫Ne’×Afi ・・・(1)
上記式(1)において、Ne’は、エンジン回転数Ne[rpm]を演算周期P1当たりのエンジン回転数に変換したもの(以下「エンジン回転数Ne’」という。)[回転/演算周期]である。上記(1)からわかるように、演算周期P1毎のエンジン回転数Ne’と燃料噴射量Afiの積を積算することにより燃料消費量Afcを算出することができる。なお、ECU20から取得するものを当初からエンジン回転数Ne’としておけば、NeからNe’への変換は省略することができる。
ステップS32において、PC42は、加速度Δavと時間情報{加速度Δavの演算周期(ここでは、上記演算周期P1)}を用いて車両12の走行距離Dを算出する。すなわち、演算周期P1は規定値であるから、初速度が0km/hの状態から演算周期P1毎に加速度Δavを算出することで、演算周期P1毎の車速Vの変化量[km/h]及び走行距離Dの変化量[km]を算出することができる。従って、演算周期P1毎の車速Vの変化量を積算することで、各時点における車速Vを算出することができる。また、演算周期P1毎の走行距離Dの変化量を積算することで、各時点における走行距離Dを算出することができる。車速V及び走行距離Dの具体的な算出方法は、例えば、特許文献2に記載のものを用いることができる。
ステップS33において、PC42は、ステップS31で算出した燃料消費量Afcと、ステップS32で算出した走行距離Dとを用いて燃費Mを算出する。燃費Mは、走行距離Dと燃料消費量Afcの商で求められる(M=D/Afc)。或いは、燃費Mは、燃料消費量Afcと走行距離Dの商(M=Afc/D)等、実質的に同等の指標として求めることもできる。
(3−5.診断結果の表示(PC42における処理))
(3−5−1.加速度Δavの表示例)
図5は、PC42の表示部100における加速度Δavの表示例を示す図である。図5において、加速度Δav1は、車両12をユーザ(例えば、車両12の所有者)が運転した場合の加速度Δavを示す。加速度Δav2は、車両12をインストラクタ(車両12を経済的に運転することができる者)が運転した場合の加速度Δavを示す。
(3−5−1.加速度Δavの表示例)
図5は、PC42の表示部100における加速度Δavの表示例を示す図である。図5において、加速度Δav1は、車両12をユーザ(例えば、車両12の所有者)が運転した場合の加速度Δavを示す。加速度Δav2は、車両12をインストラクタ(車両12を経済的に運転することができる者)が運転した場合の加速度Δavを示す。
図5の表示を見たユーザは、走行距離d1〜d2までは、加速度Δav1が大き過ぎであり、スロットルを開き過ぎであったこと、及び走行距離d2〜d3までは、加速度Δav2が小さ過ぎであり、スロットルを閉じ過ぎであったことを視覚的に認識することが可能となる。
図5からわかるように、本実施形態では、PC42(データ表示機能118)は、複数の加速度Δav1、Δav2のデータを同時に表示部100に表示することができる。
(3−5−2.燃費M等の表示例)
図6は、PC42の表示部100におけるスロットル開度、車速V及び燃費Mの表示例を示す図である。図6において、スロットル開度θ1、θ2(以下「スロットル開度θ」と総称する。)は、図示しないスロットルの開度[°]を示す。スロットル開度θ1、θ2は、図3におけるデータ収集の最中に、ECU20を介してテスタ40が取得したものである。例えば、図3のステップS26の直後に、スロットル開度θ1、θ2の取得及び保存を行うステップを加えればよい。
図6は、PC42の表示部100におけるスロットル開度、車速V及び燃費Mの表示例を示す図である。図6において、スロットル開度θ1、θ2(以下「スロットル開度θ」と総称する。)は、図示しないスロットルの開度[°]を示す。スロットル開度θ1、θ2は、図3におけるデータ収集の最中に、ECU20を介してテスタ40が取得したものである。例えば、図3のステップS26の直後に、スロットル開度θ1、θ2の取得及び保存を行うステップを加えればよい。
また、図6において、スロットル開度θ1は、ユーザが車両12を運転した場合のスロットル開度を示す。スロットル開度θ2は、インストラクタが車両12を運転した場合のスロットル開度を示す。
車速V1、V2は、加速度Δavと時間情報とを用いて上述した方法で算出したものである。車速V1は、ユーザが車両12を運転した場合の車速を示す。車速V2は、インストラクタが車両12を運転した場合の車速を示す。
燃費M1、M2は、上述した方法(図4のS33)により算出したものである。燃費M1は、ユーザが車両12を運転した場合の燃費Mを示す。燃費M2は、インストラクタが車両12を運転した場合の燃費Mを示す。
図6の表示を見たユーザは、走行距離d11〜d12までは、ユーザの燃費M1が悪化していることを視覚的に認識することが可能となる。また、ユーザは、走行距離d11〜d13までは、ユーザがスロットルを開き過ぎであることを認識することができる。さらに、ユーザは、ユーザによるスロットル開度θ1が走行距離d14でゼロになったのに対し、インストラクタによるスロットル開度θ2が走行距離d15でゼロになっていることを視覚的に認識することが可能となる。これらの相違により、ユーザは、ユーザとインストラクタとの間のスロットル操作や車速V、燃費Mの相違を理解することができる。
図6からわかるように、本実施形態では、PC42(データ表示機能118)は、複数のスロットル開度θ1、θ2、車速V1、V2及び燃費M1、M2のデータを同時に表示部100に表示することができる。なお、図5の表示と図6の表示を組み合わせて表示してもよい。
[4.本実施形態の効果]
以上のように、本実施形態によれば、車両12の走行に伴って外部診断装置14のGセンサ52を車両12と一緒に移動させながら、車両12の加速度Δavを検出すると共に車両12から外部診断装置14に車両12の動作情報(エンジン回転数Ne、燃料噴射量Afi、スロットル開度θ等)を送信する。そして、外部診断装置14において、加速度Δavと動作情報とを用いて車両12の性能診断、故障診断及び運転者の運転技術の診断を行う。このため、外部診断装置14のGセンサ52の検出値を用いた診断を行うことが可能となる。従って、車両12側とのデータ通信によって動作情報(運転データ)を取得するという、従来からの外部診断装置14の構成を生かしつつ、実行可能な診断項目を効率的に増加させることが可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、車両12の走行に伴って外部診断装置14のGセンサ52を車両12と一緒に移動させながら、車両12の加速度Δavを検出すると共に車両12から外部診断装置14に車両12の動作情報(エンジン回転数Ne、燃料噴射量Afi、スロットル開度θ等)を送信する。そして、外部診断装置14において、加速度Δavと動作情報とを用いて車両12の性能診断、故障診断及び運転者の運転技術の診断を行う。このため、外部診断装置14のGセンサ52の検出値を用いた診断を行うことが可能となる。従って、車両12側とのデータ通信によって動作情報(運転データ)を取得するという、従来からの外部診断装置14の構成を生かしつつ、実行可能な診断項目を効率的に増加させることが可能となる。
本実施形態において、車両12から外部診断装置14に送信する車両12の動作情報には、燃料噴射量Afi及びエンジン回転数Neを含み、外部診断装置14において、燃料噴射量Afiとエンジン回転数Neを用いて燃料消費量Afcを算出し、加速度Δavを用いて走行距離Dを算出し、燃料消費量Afcと走行距離Dを用いて燃費Mを計算する。
上記によれば、車両12自体のECU20から得られる動作情報だけではデータ不足で燃費計算ができない場合であっても、簡単に燃費算出をすることが可能となる。また、燃料噴射量Afiを用いて燃費Mを計算するため、満タン法と比較して、燃費Mの時間的変化を追い易くなると共に、燃費計算の精度を向上することが可能となる。従って、例えば、車両12において燃費Mが悪いと不満を持つユーザに対して、燃費Mのデータを他者との比較で説明する等、ユーザにわかりやすく説明することが可能となる。さらに、運転者毎に燃費Mの相違を判定すれば、急加速が多い又はスロットルを開け過ぎている等の運転(特に加減速)の改善すべき運転操作の問題点のアドバイスをすることが可能になる。
本実施形態に係る外部診断装置14では、車両12の加速度Δavを用いて車両12の加減速の状況(図6では、車速V1、V2)を表すデータと、燃費Mのデータとを併せて表示する。これにより、車両12の加減速と燃費Mの関係を示すことで、改善すべき運転挙動のアドバイスデータを作成可能となる。
本実施形態において、Gセンサ52は、テスタ本体50に着脱自在に設けられる。これにより、Gセンサ52の検出値を用いる診断を要する場合にのみ、Gセンサ52を外部診断装置14の本体に取り付ければよくなる。従って、テスタ本体50を小型化又は汎用化し易くなる。
B.変形例
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下に示す構成を採ることができる。
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下に示す構成を採ることができる。
[1.搭載対象]
上記実施形態では、自動二輪車としての車両12にPC42を用いたが、これに限らず、その他の装置(例えば、船舶、航空機等の移動体)に用いることもできる。
上記実施形態では、自動二輪車としての車両12にPC42を用いたが、これに限らず、その他の装置(例えば、船舶、航空機等の移動体)に用いることもできる。
[2.外部診断装置14の構成]
上記実施形態では、外部診断装置14をテスタ40及びPC42から構成したが、データ収集の際に外部診断装置14の一部又は全部を車両12に載せ、外部診断装置14に設けられたGセンサ52により車両12の加速度Δavを検出するものであれば、これに限らない。例えば、タブレット型コンピュータ又はスマートフォン等の高機能型携帯端末装置によりテスタ40を構成することにより、PC42とテスタ40を一体的に構成することも可能である。
上記実施形態では、外部診断装置14をテスタ40及びPC42から構成したが、データ収集の際に外部診断装置14の一部又は全部を車両12に載せ、外部診断装置14に設けられたGセンサ52により車両12の加速度Δavを検出するものであれば、これに限らない。例えば、タブレット型コンピュータ又はスマートフォン等の高機能型携帯端末装置によりテスタ40を構成することにより、PC42とテスタ40を一体的に構成することも可能である。
上記実施形態において、PC42は、テスタ40を介してECU20との通信を行ったが、これに限らず、PC42とECU20とで無線又は有線により直接通信を行ってもよい。また、例えば、PC42を構成するノート型パーソナルコンピュータにテスタ40の機能を備えることもできる。
上記実施形態では、テスタ40で用いる診断ソフトウェアは、テスタ40の記憶部72に予め記録されていたが、これに限らず、PC42若しくは外部(例えば、公衆ネットワークを介して通信可能な外部サーバ)からダウンロードしたもの、又はダウンロードを伴わないいわゆるASP(Application Service Provider)型で実行するものであってもよい。また、PC42で用いる診断ソフトウェアは、PC42の記憶部98に予め記録されていたが、これに限らず、外部(例えば、前記外部サーバ)からダウンロードしたもの、又はASP型で実行するものであってもよい。
上記実施形態では、燃費Mの算出及び表示をPC42で行ったが、テスタ本体50で燃費Mを算出し、テスタ本体50の表示部74に直接簡単な表示ができるようにしてもよい。このようにしてテスタ本体50の表示部74に刻々と変動する燃費状態を表示可能とすることで、自動二輪車等の車両12のメータ付近に固定して燃費状態を見ながら運転する、エコドライブ運転の技能を高める練習ツールとしての利用も可能になる。
[3.Gセンサ52]
上記実施形態では、Gセンサ52をテスタ本体50に着脱可能なものとしたが、これに限らず、Gセンサ52をテスタ本体50に内蔵してもよい。また、上記実施形態では、Gセンサ52は、1軸のみを検出するものとしたが、これに限らず、2軸以上を検出するものであってもよい。
上記実施形態では、Gセンサ52をテスタ本体50に着脱可能なものとしたが、これに限らず、Gセンサ52をテスタ本体50に内蔵してもよい。また、上記実施形態では、Gセンサ52は、1軸のみを検出するものとしたが、これに限らず、2軸以上を検出するものであってもよい。
[4.故障診断]
上記実施形態では、外部診断装置14が行う故障診断として、いくつかの例を挙げたが、それらのうちのいずれか1つ又は複数のみを行うものであってもよい。また、Gセンサ52からの加速度Δav(加速度Δavを用いて算出される車速V、走行距離D等を含む。)を用いる故障診断であれば、その他のものであってもよい。
上記実施形態では、外部診断装置14が行う故障診断として、いくつかの例を挙げたが、それらのうちのいずれか1つ又は複数のみを行うものであってもよい。また、Gセンサ52からの加速度Δav(加速度Δavを用いて算出される車速V、走行距離D等を含む。)を用いる故障診断であれば、その他のものであってもよい。
[5.性能診断及び運転技術の診断]
上記実施形態では、外部診断装置14が行う性能診断及び運転技術の診断として燃費診断を行ったが、Gセンサ52からの加速度Δav(加速度Δavを用いて算出される車速V、走行距離D等を含む。)を用いる性能診断であれば、その内容は、これに限らない。例えば、電費診断(車両12が電動車両の場合)、加速性能診断、エンジン性能診断等を対象とすることもできる。
上記実施形態では、外部診断装置14が行う性能診断及び運転技術の診断として燃費診断を行ったが、Gセンサ52からの加速度Δav(加速度Δavを用いて算出される車速V、走行距離D等を含む。)を用いる性能診断であれば、その内容は、これに限らない。例えば、電費診断(車両12が電動車両の場合)、加速性能診断、エンジン性能診断等を対象とすることもできる。
電費診断を行う場合、燃料消費量Afcの代わりに、データ収集中における電力消費量[kWh]を求めると共に、上記実施形態と同様の方法で車両12の走行距離Dを算出する。そして、走行距離Dと電力消費量の商として電費を求めることができる(電費[km/kWh]=D/電力消費量)。或いは、電力消費量と走行距離Dの商等、実質的に同等の指標として電費を求めてもよい(電費[kWh/km]=電力消費量/D)。また、変速機を有さないインホイールモータを備える電動車両である場合、モータ回転数[rpm]から走行距離Dを算出することができる。このため、モータ回転数と電力消費量から電費を算出してもよい。
加速性能診断を行う場合、例えば、フルスロットル時に時速Xkm/h(Xは、所定の車速)まで到達する時間を診断してもよい。この場合、Gセンサ52からの加速度Δavに加え、テスタ40は、スロットル開度θをECU20を介して取得すればよい。或いは、スロットル開度θの変化に対する車両12の加速応答性を診断してもよい。この場合も、Gセンサ52からの加速度Δavに加え、テスタ40は、スロットル開度θをECU20を介して取得すればよい。
[6.その他]
上記実施形態では、外部診断装置14は、故障診断及び性能診断並びに運転者の運転技術の診断を行うものであったが、いずれか1つのみを行うものであってもよい。また、外部診断装置14は、燃費計又は電費計としての機能のみを有するものであってもよい。
上記実施形態では、外部診断装置14は、故障診断及び性能診断並びに運転者の運転技術の診断を行うものであったが、いずれか1つのみを行うものであってもよい。また、外部診断装置14は、燃費計又は電費計としての機能のみを有するものであってもよい。
上記実施形態では、テスタ40自体にGセンサ52を設けたが、車両12側ではなくテスタ40側で加速度Δav、車速V及び走行距離Dの少なくとも1つを特定できる構成であれば、これに限らない。例えば、テスタ40に現在位置特定機能を持たせ、当該現在位置の情報に基づき車両12の加速度Δav、車速V及び走行距離Dの少なくとも1つを特定してもよい。現在位置特定機能は、例えば、GPS(Global Positioning System)、光ビーコン等との通信を用いて実現することが可能である。
12…車両 14…外部診断装置
20…ECU(電子制御装置) 40…テスタ
42…PC 50…テスタ本体(外部診断装置の本体)
52…加速度センサ(加速度検出手段)
100…PCの表示部 Afc…燃料消費量
Afi…燃料供給量 D…走行距離
Ne…エンジン回転数 Δav…車両の加速度
20…ECU(電子制御装置) 40…テスタ
42…PC 50…テスタ本体(外部診断装置の本体)
52…加速度センサ(加速度検出手段)
100…PCの表示部 Afc…燃料消費量
Afi…燃料供給量 D…走行距離
Ne…エンジン回転数 Δav…車両の加速度
Claims (8)
- 車両に搭載された電子制御装置に外部診断装置を接続し、前記電子制御装置と前記外部診断装置との間でデータ通信することにより前記車両の動作情報を取得して、前記外部診断装置において、前記車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行う車両診断方法であって、
前記外部診断装置は、前記外部診断装置に作用する加速度を検出する加速度検出手段を有し、
前記外部診断装置を前記車両に載せた状態で前記車両を走行させながら、前記外部診断装置に作用する加速度を前記加速度検出手段で検出すると共に前記車両の前記電子制御装置から前記車両の動作情報を前記外部診断装置へ読み出して取得し、
前記外部診断装置において、前記加速度検出手段が検出した前記外部診断装置に作用する加速度と前記外部診断装置が取得した前記車両の動作情報とを用いて前記車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行う
ことを特徴とする車両診断方法。 - 請求項1記載の車両診断方法において、
前記車両はエンジン車であり、
前記外部診断装置が前記車両から読み出す動作情報には、単位時間当たり又は単位エンジン回転数当たりの燃料噴射量(以下、単に「燃料噴射量」という。)と、単位時間当たりのエンジン回転数(以下、単に「エンジン回転数」という。)とを含み、
前記外部診断装置において、
前記燃料噴射量と前記エンジン回転数を用いて、前記加速度の検出をしていた間の燃料消費量(以下、単に「燃料消費量」という。)を算出し、
前記外部診断装置に作用する加速度を用いて前記車両の走行距離を算出し、
前記燃料消費量と前記走行距離を用いて前記車両の燃費を計算する
ことを特徴とする車両診断方法。 - 請求項2記載の車両診断方法において、
前記外部診断装置において、前記外部診断装置に作用する加速度を用いて前記車両の加減速の状況を表すデータと、前記燃費のデータとを併せて表示する
ことを特徴とする車両診断方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両診断方法において、
前記加速度検出手段は、前記外部診断装置の本体に着脱自在に設けられる
ことを特徴とする車両診断方法。 - 車両に搭載された電子制御装置に接続して前記車両の外部からデータ通信することにより、前記電子制御装置を介して前記車両の動作情報を前記車両の外部へ読み出して取得して前記車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行う外部診断装置であって、
前記外部診断装置に作用する加速度を検出する加速度検出手段を前記外部診断装置に備え、
前記外部診断装置を前記車両に載せた状態で前記車両を走行することにより前記加速度検出手段が検出した前記外部診断装置に作用する加速度と、前記電子制御装置を介して前記車両の外部へ読み出して取得した前記車両の動作情報とを用いて前記車両の性能診断及び故障診断並びに運転者の運転技術の診断の少なくとも1つを行う
ことを特徴とする外部診断装置。 - 請求項5記載の外部診断装置において、
前記車両はエンジン車であり、
前記外部診断装置が前記車両から読み出す前記動作情報には、単位時間当たり又は単位エンジン回転数当たりの燃料噴射量(以下、単に「燃料噴射量」という。)と、単位時間当たりのエンジン回転数(以下、単に「エンジン回転数」という。)とを含み、
前記燃料噴射量と前記エンジン回転数を用いて燃料消費量(以下、単に「燃料消費量」という。)を算出し、
前記加速度検出手段が検出した前記外部診断装置に作用する加速度を用いて前記車両の走行距離を算出し、
前記燃料消費量と前記走行距離を用いて前記車両の燃費を計算する
ことを特徴とする外部診断装置。 - 請求項6記載の外部診断装置において、
前記外部診断装置に作用する加速度を用いて前記車両の加減速の状況を表すデータと、前記燃費のデータとを併せて表示する表示部を有する
ことを特徴とする外部診断装置。 - 請求項5〜7のいずれか1項に記載の外部診断装置において、
前記加速度検出手段は、前記外部診断装置の本体に着脱自在に設けられる
ことを特徴とする外部診断装置。
Priority Applications (4)
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