JP5535416B2 - ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法 - Google Patents

ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5535416B2
JP5535416B2 JP2001272543A JP2001272543A JP5535416B2 JP 5535416 B2 JP5535416 B2 JP 5535416B2 JP 2001272543 A JP2001272543 A JP 2001272543A JP 2001272543 A JP2001272543 A JP 2001272543A JP 5535416 B2 JP5535416 B2 JP 5535416B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
gas hydrate
gas
container
hydrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001272543A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003082371A (ja
Inventor
正治 渡部
弘貢 長安
省二郎 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001272543A priority Critical patent/JP5535416B2/ja
Publication of JP2003082371A publication Critical patent/JP2003082371A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5535416B2 publication Critical patent/JP5535416B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、ハイドレート形成物質(例えばメタン)を含むガスを水和させてガスハイドレートを生成する、ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置、及びこれを用いたガスハイドレート製造方法に関する。
現在、メタン等の炭化水素を主成分とする天然ガスを貯蔵・輸送する方法としては、ガス田から天然ガスを採取した後液化温度まで冷却し、液化天然ガス(LNG)とした状態で貯蔵・輸送する方法が一般的である。しかし、例えばメタンの場合、液化させるには−162℃といった極低温条件が必要であり、こうした条件を維持しながら貯蔵・輸送を行うためには、専用の貯蔵装置や、LNG船等といった専用の輸送手段が必要となる。こうした装置等の製造及び維持・管理には非常に高いコストを要するため、上記方法に代わる低コストの貯蔵・輸送方法が、鋭意研究されてきた。
こうした研究の結果、天然ガスを水和させて固体状態の水和物(ハイドレート)を生成し、この固体状態のまま貯蔵・輸送するとする方法が見出され、近年特に有望視されている。この方法では、LNGを取扱う場合のような極低温条件は必要とされず、また固体とするためその取扱いも比較的容易で、既存の冷凍装置あるいは既存のコンテナ船を若干改良したものを各々貯蔵装置あるいは輸送手段として利用可能とでき、大幅な低コスト化が図れるものとして期待が寄せられている。
この天然ガスの水和物(以下、「ガスハイドレート」と記す)とは、包接化合物(クラスレート化合物)の一種であって、図9(a)及び図9(b)に示すように、複数の水分子(H2O)により形成された立体かご型の包接格子(クラスレート)の中に、天然ガスの各成分を構成するハイドレート形成物質、すなわちメタン(CH4)等の分子が入り込み包接された結晶構造をなすものである。なお、図9(a)は、水分子H2Oが12面体を形成した場合を、図9(b)は、14面体を形成した場合を、各々示している。また、ハイドレート形成物質の一例として、メタン分子CH4を示している。
クラスレートに包接された天然ガス構成分子同士の分子間距離は、天然ガスが高圧充填された場合のガスボンベ中における分子間距離よりも短くなる。これは、天然ガスが緊密充填された固体を生成し得ることを意味し、例えばメタンハイドレートが安定に存在し得る条件下、すなわち−30℃・大気圧下(約0.1MPa)においては、気体状態と比較して約1/170の体積とできるものである。このように、ガスハイドレートは、比較的容易に得られる温度・圧力条件下において製造可能で、かつ安定した保存が可能なものである。
上記方法においては、ガス田から受け入れられた後の天然ガスは、酸性ガス除去工程にて二酸化炭素(CO2)や硫化水素(H2S)等の酸性ガスを除去され、殆どメタンのみとなった後、低温・高圧状態とされ、ハイドレート生成工程にて水和され、ガスハイドレートとなる。このガスハイドレートは、続く脱水工程にて混在している未反応の水が除去され、更に冷却工程及び減圧工程を経て、所定の温度・圧力に調整された固体状態の製品ガスハイドレートとされ、コンテナ等の容器に封入されて、貯蔵装置内で貯蔵される。
輸送時には、この容器のままコンテナ船等の輸送手段に積み込み、目的地まで輸送する。目的地での陸揚げ後、ガスハイドレートは、ハイドレート分解工程を経て天然ガスの状態に戻され、各供給地へと送られる。
ハイドレート生成工程において用いられるガスハイドレート製造装置としては、例えば図10に示すような、いわゆるスプレー式と呼ばれている製造装置が用いられている。
このガスハイドレート製造装置は、内部が所定の圧力・温度条件に設定された生成容器101の底部に水相Lを形成し、この水相Lに天然ガス(ガスハイドレート形成物質)を気泡Kとして供給するとともに、内部の天然ガスが充満された気相G中に、上方から過冷却水を噴霧状にスプレーする(符号SP参照)。
水相Lに導入された天然ガスの一部は、気泡Kの外面すなわち気液界面において水和され、ガスハイドレートが生成される。一方、気相G中にスプレーされた水は、気相G中のガスと瞬時に水和反応し、ガスハイドレートを生成し、水相L上すなわち水面に落下する。更に、水面、すなわち水相Lと気相Gとの気液界面においても、ガスハイドレートが生成される。生成されたガスハイドレートは、水よりも比重が低いので、水面に浮遊した状態となっている。このガスハイドレートは、水面の近傍位置に設けられた図示しない抜出管路によって水と共に抜き出され、次の脱水工程へと送られる。
発明が解決しようとする課題
こうしたスプレー式のガスハイドレート製造装置では、高速生成が可能であるといった利点があるが、次のような問題点もある。
スプレーによる水滴噴霧においては、スプレーされた水滴はスプレーのノズルから円錐状に拡がっていく。そのため、水滴が噴霧されない領域、すなわちガスハイドレートの生成に寄与できない無駄なスペースが生じてしまう。ガスハイドレート生成容器は、圧力容器である必要があることから、その形状をむやみに変更できないことから、スプレー装置の横位置などは、ガスハイドレートの生成のために有効に利用できないスペースとなっていた。図10の例においては、生成容器101の頂部側の外周部分が、こうした無駄なスペースとなっている。
また、水滴が円錐状に拡がっていくことから、水滴同士が衝突したり生成容器の内壁面に衝突してしまうことがあり、こうした水滴は、ガスハイドレートの生成のために有効に利用できないものとなっていた。すなわち、それだけ生成効率が低下してしまっていた。
更に、生成容器内の全ての場所において、温度条件等を完全に均一にすることは実際には困難であり、どうしても場所による差ができてしまう。その結果、ガスハイドレートの生成速度や生成量が場所によって異なり、安定した生成量で連続的に生成させることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ガスハイドレートを安定して高速かつ大量に生成することができ、ガスハイドレートの製造効率を高めることのできるガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
本発明に係るガスハイドレート生成容器は、ハイドレート形成物質を含むガスを水と水和させて、ガスハイドレートを生成するためのガスハイドレート生成容器であって、容器本体と、該容器本体内の上部側に設けられ、水滴を生成して前記容器本体内に滴下する水滴生成手段と、を備え、前記水滴生成手段は、多数の孔が形成された底部を有し内部に水を貯める貯水部と、該貯水部内に設けられ、該貯水部内の水を所定の周期で加減圧する圧電材料により構成され、生成されたガスハイドレートの生成量に応じて前記貯水部内の水を加減圧する周期が変化する加減圧手段と、を備えることを特徴とする。
このように、貯水部内の水を、加減圧手段によって所定の周期で加減圧するようにしているので、この周期に対応するようにして、ほぼ一定の大きさの水滴を規則的に孔から滴下させることができる。
また、水滴をほぼ鉛直方向に落下させることができるので、水滴を容器本体の内壁面と殆ど接触・衝突させることなく、安定して容器本体内を落下させることができる。
また、加減圧手段を圧電材料により構成しているので、印加された交流電流の周波数に対して、非常に高い応答特性で形状を変化させることができ、貯水部内の水を安定した周期で正確に加減圧することができる。
本発明に係るガスハイドレート生成容器は、ハイドレート形成物質を含むガスを水と水和させて、ガスハイドレートを生成するためのガスハイドレート生成容器であって、容器本体と、該容器本体内の上部側に設けられ、水滴を生成して前記容器本体内に滴下する水滴生成手段と、を備え、前記水滴生成手段は、多数の孔が形成された底部を有し内部に水を貯める貯水部と、該貯水部内に設けられ、該貯水部内の水を所定の周期で加減圧する加減圧手段と、を備え、前記孔の孔径を、前記貯水部の外周側と内側とで変えていることを特徴とする。
このように、孔の孔径を貯水部の外周側と内側とで変えているので、生成容器内の外周側と内側とで温度・圧力条件等に差があっても、滴下する水滴の大きさを、各々の条件下において適正にガスハイドレートを生成させることができるような大きさに設定することができる。
本発明に係るガスハイドレート生成容器は、ハイドレート形成物質を含むガスを水と水和させて、ガスハイドレートを生成するためのガスハイドレート生成容器であって、容器本体と、該容器本体内の上部側に設けられ、水滴を生成して前記容器本体内に滴下する水滴生成手段と、を備え、前記水滴生成手段は、多数の孔が形成された底部を有し内部に水を貯める貯水部と、該貯水部内に設けられ、該貯水部内の水を所定の周期で加減圧する加減圧手段と、を備え、前記貯水部を外周側と内側とに区画するとともに、前記加減圧手段を第1及び第2の加減圧手段として、前記外周側及び前記内側の貯水部の各々に独立して設けたことを特徴とする。
このように、貯水部を外周側と内側とに区画するとともに、加減圧手段を外周側及び内側の貯水部の各々に独立して設けているので、生成容器内の外周側と内周側とで温度・圧力条件等に差があっても、滴下する水滴の位相や周期を変化させて、各々の条件下において適正にガスハイドレートを生成させることができるように、水滴の滴下タイミングや数密度を設定することができる。
上記発明において、前記水滴生成手段の下側を前記容器本体の外周側から冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする。
このように、水滴生成手段の下側を容器本体の外周側から冷却する冷却手段を備えるようにしているので、簡易な構成で、滴下された水滴にガスハイドレートが生成される際に発生する水和熱を、高効率で除去することができる。
本発明に係るガスハイドレート製造装置上述のガスハイドレート生成容器と、前記貯水部に水を供給する水供給手段と、ハイドレート形成物質を含むガスを前記容器本体内に導入し、該容器本体内に気相を形成するガス導入手段と、生成されたガスハイドレートを前記ガスハイドレート生成容器外に抜き出す抜出手段と、を備えたことを特徴とする。
このようにガスハイドレート製造装置を構成しているので、上述のガスハイドレート生成容器を用いて、好適にガスハイドレートを製造することができる。
上記発明において、水を前記容器本体内に導入し、該容器本体内の前記気相の下側に水相を形成する水導入手段と、前記水相内に前記ガスを気泡として導入する第2のガス導入手段と、を備えたことを特徴とする。
このように、ガスハイドレート生成容器内に水相と気相を形成するとともに、水相内にガスを気泡として導入するようにしているので、水相と気相との気液接触部分及び水相内においても、ガスハイドレートを生成させることができる。
本発明に係るガスハイドレートの製造方法は、上述のガスハイドレート製造装置を用いたガスハイドレートの製造方法であって、前記第1の加減圧手段と前記第2の加減圧手段とで、互いの位相をずらして前記貯水部内の水を加減圧させることを特徴とする。
また、本発明に係るガスハイドレートの製造方法は、上述のガスハイドレート製造装置を用いたガスハイドレートの製造方法であって、前記第1の加減圧手段と前記第2の加減圧手段とで、互いの周期を変えて前記貯水部内の水を加減圧させることを特徴とする特徴とする。
このように、滴下する水滴の位相や周期を変化させて、各々の条件下において適正にガスハイドレートを生成することができるようにしているので、水滴の滴下タイミングや数密度を設定することができ、生成容器内の外周側と内周側とで温度・圧力条件等に差があっても、各条件下において適正にガスハイドレートを生成させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について説明する前に、このガスハイドレート製造装置を用いて天然ガスを製品ハイドレートとするまでの一連の流れについて、図7を用いて説明する。
この図において示すように、ガス田から受け入れられた天然ガスは、原料ガスとして、先ず原料ガス受入タンクAに受け入れられ、一旦貯蔵される。
ここから、酸性ガス除去装置Bに送られ、ガス中に存在する二酸化炭素(CO2)や硫化水素(H2S)等の酸性ガスを除去される。酸性ガスの除去は、例えば、原料ガスを石灰(CaO)等のアルカリ試薬に吹き込み、このアルカリ試薬と酸性ガス成分とを反応させることで行う。酸性ガスが除去された原料ガスは、その成分の殆ど全てがメタンとなっている。
この原料ガスは、次にハイドレート製造装置Cに導入され、常温・高圧のハイドレート生成条件となるように圧縮及び冷却されて水和され、ガスハイドレートとなる。ここでいう「ハイドレート生成条件」とは、メタンハイドレートが生成し得る条件下、すなわち2〜10℃程度の温度であって、圧力が4MPa以上となるような温度・圧力条件である。
このガスハイドレートは、未反応の水が残存したスラリー状となっているので、次の脱水装置Dで余分な水分を除去され脱水される。なお、ここでの脱水は、スクリュープレス、遠心分離器或いはニップローラー等を用いた、機械的・物理的な脱水である。このように脱水処理されたガスハイドレートにも未だ水分が残存している場合があるので、次の水和脱水装置Eで、化学的な脱水を行う。すなわち、余分な水分に対して更に原料ガスを接触させて水和させ、ガスハイドレート中の含水率水分量を低下させることで、結果的に更なる脱水を行うようにする。なおここでは、機械的・物理的な脱水を行う脱水装置Dと、化学的な脱水を行う水和脱水装置Eとを、別個に設けるようにしているが、これらの脱水を一括して行うことができる脱水装置、すなわち脱水装置Dと水和脱水装置Eとを一体とした装置を設けるようにしてもよい。
脱水された後のガスハイドレートは、冷却装置F1で冷却され、減圧装置F2で減圧されて、低温・常圧のハイドレート貯蔵条件とされる。このハイドレート貯蔵条件とは、−20〜−40℃程度の温度であって、圧力が大気圧(0.1MPa程度)となるような温度・圧力条件である。この状態で、製品ガスハイドレートとしてコンテナ等の容器に封入され、図示しない貯蔵装置内に送られ、そこで貯蔵される。
本実施形態は、上記のガスハイドレート製造装置C及びこれに用いるガスハイドレート生成容器に関するものである。本実施形態、及び後述する各実施形態においては、ガスハイドレート製造装置のうちの一構成要素であるガスハイドレート生成容器の構成を変更しているが、ガスハイドレート製造装置は、全て符号Cとして示すこととする。
本実施形態に係るガスハイドレート製造装置Cは、図1に示すように、原料ガスを水和させてガスハイドレートGHを生成する生成容器(ガスハイドレート生成容器)10aと、この生成容器10a内に原料ガスを導入するガス導入管路(ガス導入手段)21と、生成容器10a内に水を導入する水導入管路(水導入手段)23と、後述する生成容器10a内の水滴生成装置12に水を供給する揚水管路(水供給手段)25と、生成されたガスハイドレートGHを抜き出すハイドレート抜出管路(抜出手段)31と、を備えている。
生成容器10aは、容器本体11と、この容器本体11内の上方頂部側に設けられた水滴生成装置(水滴生成手段)12とを備えている。
容器本体11は、密閉された圧力容器であり、所定量注入された水と原料ガスとを反応させ、すなわち水和させて、ガスハイドレートGHを生成するものである。この容器本体11内には、水が満たされた水相Wと、その上側に原料ガスが満たされた気相Gとが形成されている。水相Wの水面Sの近傍には、生成されたガスハイドレートGHを生成容器10a外部に抜き出すための、ハイドレート抜出管路31が取り付けられている。
この生成容器10aには、水相Wを冷却するための図示しない冷却手段が設けられている。こうした冷却手段として好適なものの例は冷却コイルであるが、他の構成の冷却手段でもよいことは勿論である。
なお、図示は省略するが、生成容器10aには、気相Gにおける未反応ガスを回収する回収手段が連結されている。この回収手段によって回収された未反応ガスは、再び原料ガスと混合して循環的に使用する場合もあれば、他の用途に用いる場合もある。
また、水相Wを攪拌して、水とガスとの水和を促進させるための攪拌装置が設けられていてもよい。攪拌装置で水相Wを攪拌することにより、気相G中のガスを水相W中に分散させるとともに、水面Sすなわち気液接触面を増加させることで、ガスハイドレートを効率よく生成を行うことができる。
上記のような冷却手段や回収手段等によって、生成容器10a内は、ガスハイドレートGHが生成可能な温度・圧力条件下、すなわちガスハイドレート生成条件下に維持されている。
このガスハイドレート生成条件下とは、原料ガスに含まれる成分によって異なる。図8には、原料ガスの各成分、すなわち主成分であるメタンと、副成分であるエタン、プロパン、i−ブタンの生成平衡線を示している。これら生成平衡線よりも上側の領域、すなわち図中斜線を付している領域が、各成分におけるガスハイドレートが生成可能な領域である。この領域内における温度・圧力条件が、ガスハイドレート生成条件下ということとなる。
なお実際には、酸性ガスが除去された後の原料ガス中の成分は、その殆ど全てがメタンであるので、生成容器10a内をメタンのガスハイドレート生成条件下に設定しておくことが好ましい。
水滴生成装置12aは、気相G内に水滴wdを滴下するもので、内部に水を貯める貯水部Rと、貯水部R内に設けられた加減圧機(加減圧手段)14とを備えている。
貯水部Rは、多孔板13で容器本体11の頂部側を仕切ることにより形成されている。すなわち、多孔板13は貯水部Rの底部を構成しており、貯水部Rの平面視した場合の面積は、容器本体11の内側の平面積とほぼ同等となっている。
多孔板13には、多数の孔hが形成されており、貯水部R内に貯水されている水を、水滴wdとして気相G内のほぼ全ての領域にわたって滴下することができるようになっている。
この貯水部R内には、ガスハイドレート製造装置Cの運転時には、過冷却された水が常時満たされた状態となっている。なお、ここでいう「過冷却」とは、図8において示した各生成平衡線よりも左側の領域にある温度をいう。すなわち、同一の圧力条件下であれば、温度がより低い方がガスハイドレートGHの生成速度が高まるので、水を予め過冷却しておき、水滴wdとして気相G内に滴下した際に、ガスハイドレートGHがより生成され易い状態としている。
貯水部R内には、加減圧機(加減圧手段)14が設けられている。この加減圧機14は、例えば圧電セラミックス等といった圧電材料から構成されているもので、図示しない交流電源や制御手段と接続されている。すなわち圧電材料は、数十Hz程度の交流電流を引加すると、その振動数に対応した周期で形状を変化させるので、これにより、貯水部R内の水を周期的に加圧及び減圧するようになっている。
貯水部R内の水は、このままの状態であれば、多孔板13に形成されている孔hから、シャワー状となって気相G内に略鉛直方向に流れ出ることとなる。しかし、加減圧機14によって、貯水部R内の水を周期的に加減圧することによって、径がほぼ一様となっている多数の略球形状の水滴wdを、周期的に略鉛直方向に滴下させることができる。
なお、この加減圧機14は、図示しない制御手段を介して、後述するハイドレート貯蔵タンク50に設けられた重量計51と接続されている。すなわち、ハイドレート貯蔵タンク50内のガスハイドレートの貯蔵量によって、その動作を制御されるようになっている。
生成容器10aには、容器本体11の底部側と貯水部Rとを連通する揚水管路(水供給手段)25が設けられており、水相W内の水を貯水部Rに供給できるようになっている。この揚水管路25の管路途中には、揚水ポンプ26及び水冷却機27が設けられており、水相Wの水は、揚水ポンプ26によって生成容器11の底部側から抜出され、水冷却機27によって過冷却された状態で、貯水部Rへと供給される。
なお、生成容器10a内の揚水管路25の取付位置近傍には、水相W中の気泡bが揚水管路25側に吸引されないように、邪魔板17が設けられている。
ガス導入管路21は、管路の途中で下側管路(第2のガス導入手段)21aと上側管路(ガス導入手段)21bとに分岐し、下側管路21aは、容器本体11の底部に、上側管路21bは容器本体11の側方に、各々接続されている。すなわち、容器本体11内の水相Wには下側管路21aによって、上側の気相Gには上側管路21bによって、各々原料ガスが導入されるようになっている。
下側管路21aの管路途中には制御弁22aが、上側管路21bの管路途中には制御弁22bが各々設けられている。これら制御弁22a、22bは、各々図示しない制御手段と接続されており、この制御手段によって、生成容器10a内のガスハイドレート生成条件あるいはその他の条件に応じてその開度が制御され、水相W内及び気相G内に導入する原料ガスの量を変化させることができるようになっている。
なお、容器本体11内の底部には、水相W内に導入された原料ガスを、気泡bとなって水相W内にまんべんなく分散させることができるように、分散板16が設けられている。
水導入管路23は、容器本体11の底部近傍に接続されており、図示しない貯水タンクから水相W内に水を供給するものである。この水導入管路23の管路途中には制御弁24が設けられており、水相W内に供給する水の量を変化させることができるようになっている。この制御弁24は、図示しない制御手段と接続されており、この制御手段によって、水相Wの水面Sの高さが常にハイドレート抜出管路31の接続位置の高さとなるように、水相W内に供給する水の量を自動制御できるようになっている。
ハイドレート抜出管路31は、水面Sに浮遊しているガスハイドレートGHを生成容器10a外部へと払い出すもので、他方の端部は脱水装置Dに接続されている。このハイドレート抜出管路31の管路途中には払出ポンプ32が設けられており、ガスハイドレートGHを水面S近傍の水とともにスラリー状として、脱水装置Dへと送る。
脱水装置Dにおいては、スラリー状のガスハイドレートGHを脱水することにより生じた水を回収し、水導入管路23へと戻して、ガスハイドレートGHの生成のために再利用できるようになっている。
脱水装置Dは、ハイドレート貯蔵タンク50と接続されている。このハイドレート貯蔵タンク50は、このハイドレート貯蔵タンク50は、脱水されたガスハイドレートGHを一端貯蔵しておくタンクであり、ここで一端貯蔵されたガスハイドレートGHは、図7において示した水和脱水装置Eへと順次送られる。
このハイドレート貯蔵タンク50には、貯蔵されているガスハイドレートGHの重量を測定する重量計51が設けられており、水滴生成装置12aの加減圧機14と接続されている。
このガスハイドレート製造装置Cにおいては、ガス導入管路21の下側管路21aから水相W内に導入された原料ガスは、気泡bとなって水面Sに向かって上昇する間に、気泡bと水との気液界面において水和反応し、ガスハイドレートGHが生成される。
そして、水面Sにおいて水相Wと気相Gとは気液接触しているので、ここでもガスハイドレートGHが形成される。
更に、水滴生成装置12aによって生成された水滴wdは、孔hから滴下された後直ちに略球形状をなし、この形状を維持したまま気相G内を落下していき、その間に気相G内のガスと接触して、水滴wdにはガスハイドレートGHが生成されていく。
このように、水相W内、水面S、及び気相G内の3箇所で、各々ガスハイドレートGHが生成される。ガスハイドレートGHは、水よりも比重が軽いことから、水面Sに浮遊した状態となる。
水面Sに浮遊しているガスハイドレートGHは、ハイドレート抜出管路31によって水とともに抜き出され、含水率を下げるために脱水装置Dに送られる。脱水装置Dによって脱水されたガスハイドレートGHは、ハイドレート貯蔵タンク50に一端貯蔵される。このハイドレート貯蔵タンク50内に貯蔵されているガスハイドレートの量は重量計51によって測定され、その測定結果によって水滴生成装置12aの運転が制御される。すなわち、貯蔵量が少なければ、加減圧機14に印加する交流電流の周波数を上げて、多量のガスハイドレートGHが生成されるようにし、貯蔵量が多ければ、周波数を下げてガスハイドレートGHの生成量を抑制するようにする。
本実施形態に係る生成容器10a及びこれを用いたガスハイドレート製造装置Cにおいては、多数の孔hが形成された底部を有し内部に水を貯める貯水部Rと、貯水部R内に設けられ貯水部R内の水を所定の周期で加減圧する加減圧機14とを備え、水滴wdを生成して気相G内に滴下する水滴生成装置12aを、容器本体11内の上部側に備えるようにしている。そのため、貯水部R内の水を、加減圧機14の周期に対応するようにして、ほぼ一定の大きさ、すなわちガスハイドレートGHを有効に生成させ得る大きさとれた水滴wdを、規則的に孔hから気相G内に滴下させることができる。これにより、ガスハイドレートGHを安定して連続生成できるとともに、生成速度を向上させることができる。
また、水滴wdを、気相G内のほぼ全ての領域にわたって滴下させることができるので、気相G内のほぼ全ての領域でガスハイドレートGHを生成させることができ、生成容器10a内をガスハイドレートGHの生成のために有効に利用することができ、ガスハイドレートGHの製造効率を高めることができる。
更に、水滴wdをほぼ鉛直方向に落下させることができるので、水滴wdを、容器本体11の内壁面と殆ど接触・衝突させることなく安定して容器本体11内を落下させることができる。そのため、気相G内に滴下された水滴wdのほぼ全てにガスハイドレートGHを生成させることができ、水滴wdをガスハイドレートGHの生成のために有効に利用することができ、ガスハイドレートGHの製造効率を高めることができる。
更に、加減圧機14を圧電材料により構成しているので、印加された交流電流の周波数に対して、非常に高い応答特性で形状を変化させることができる。そのため、貯水部R内の水を安定した周期で正確に加減圧することができ、所定の大きさの水滴wdを安定した周期で正確に生成することができ、ガスハイドレートGHの生成速度を一定に維持することができるとともに、製造効率を向上させることができる。
更に、生成容器10a内に水相Wと気相Gを形成するとともに、水相W内に原料ガスを気泡bとして導入するようにしている。そのため、水相Wと気相Gとの気液接触部分である水面Sと、水相W内とにおいても、ガスハイドレートGHを生成させることができる。すなわち、気相G内、水面S及び水相W内といった3箇所においてガスハイドレートGHを生成させることができるので、生成容器10a内をガスハイドレートGHの生成のために有効に利用することができ、製造効率を更に高めることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について、図2を用いて説明する。
なお本実施形態においては、上記第1の実施形態と比較して、生成容器の構成を変更しているのみである。そのため、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略する。
図2に示すように、生成容器10bは、容器本体11と、この容器本体11内の上方頂部側に設けられた水滴生成装置12aと、容器本体11の外周部に設けられた冷却装置(冷却手段)18と、を備えている。
冷却装置18は、容器本体11の外周部に設けられており、容器本体11内の水滴生成装置12aの下側、すなわち気相Gを冷却するものである。この冷却装置18は、容器本体11の外側に設けられたジャケットに冷媒を送り込む、いわゆる冷却ジャケットであってもよく、他の構成のものであってもよい。
本実施形態に係る生成容器10b及びこれを用いたガスハイドレート製造装置Cにおいては、気相Gを冷却する冷却装置18を設けるようにしているので、簡易な構成で、水滴wdと気相G中のガスとが水和する際に発生する水和熱を効果的に除去することができ、気相G内におけるガスハイドレートGHの生成を促進して、ガスハイドレートGHの製造効率を更に高めることができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態について、図3を用いて説明する。
なお本実施形態においては、上記第2の実施形態と比較して、生成容器の水滴生成装置の構成を変更しているのみである。そのため、第2実施形態における構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略するとともに、水滴生成装置の近傍部分のみを図示することとする。
図3に示すように、生成容器10cは、容器本体11と、この容器本体11内の上方頂部側に設けられた水滴生成装置12bと、容器本体11の外周部に設けられた冷却装置(冷却手段)18と、を備えている。
水滴生成装置12bは、多孔板13bで容器本体11の頂部側を仕切ることにより形成されて内部に水を貯める貯水部Rと、貯水部R内に設けられた加減圧機(加減圧手段)14とを備えている。
多孔板13bには多数の孔が形成されており、これらの孔の径を、貯水部Rの外周側と内側とで変えており、外周側の孔が大きく、内側の孔が小さくなるようにしている。すなわち、内側には、径がd1である孔h1が形成され、外周側には、径がd2(>d1)である孔h2が形成されている。これら孔h1、h2からは、水滴wd1、wd2の各々が、気相G内に滴下される。
滴下される水滴の径は、孔径にほぼ比例するので、外周側から滴下される水滴wd2の径は、内側の孔h1から滴下される水滴wd1の径よりも、ほぼd2/d1だけ大きくなっている。すなわち、外周側から滴下される水滴wd2を、内側から滴下される水滴d1よりも大きくして、外周側でより多量のガスハイドレートGHが生成されるようにしている。
なお、多孔板13bは、孔の径を変えている点以外は、上記第2の実施形態における多孔板13と同様の構成となっている。
生成容器10cにおいては、冷却装置18によって外周側から気相Gを冷却するようにしているので、気相G内の外周側と内側とで温度条件に多少の差が生じて、ガスハイドレート生成条件に差が生じるおそれがある。すなわち、気相Gの外周側は、より高い冷却効果が期待できる領域となっている。
水滴wd2は水滴wd1よりも大きくなっており、より多量のガスハイドレートGHを生成させることができるが、その反面、発生する水和熱も大きくなる。そのため、多くの熱量を除去することが期待できる外周側に、水和熱の発生量が大きい水滴wd2を滴下し、あまり多くの熱量の除去が期待できない内側に、水和熱の発生量が小さい水滴wd1を滴下して、各々のガスハイドレート生成条件下において適正にガスハイドレートGHを生成させることができる。
本実施形態に係る生成容器10c及びこれを用いたガスハイドレート製造装置Cにおいては、貯水部Rの外周側に孔径の大きい孔h2を、内側に孔径の小さい孔h1を、各々形成するようにしている。そのため、より高い冷却効果が期待できる外周側の気相Gに、大きい水滴wd2を滴下し、外周側よりも気相Gの温度が上昇するおそれのある内側に、小さい水滴wd1を滴下することができ、各々のガスハイドレート生成条件下において適正にガスハイドレートGHを生成させることができるので、ガスハイドレートGHの生成量を増加させるとともに、安定して製造することができる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。
なお本実施形態においては、上記第2の実施形態と比較して、生成容器の水滴生成装置の構成を変更しているのみである。そのため、第2の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略するとともに、水滴生成装置の近傍部分のみを図示することとする。
図4に示すように、生成容器10dは、容器本体11と、この容器本体11内の上方頂部側に設けられた水滴生成装置12cと、容器本体11の外周部に設けられた冷却装置(冷却手段)18と、を備えている。
水滴生成装置12cは、多数の孔hが形成された多孔板13で容器本体11の頂部側を仕切ることにより形成され、内部に水を貯める内側貯水部R1及び外周側貯水部R2と、内側貯水部R1内に設けられた加減圧機(加減圧手段)14aと、外周側貯水部R2内に設けられた加減圧機(加減圧手段)14bと、を備えている。
内側貯水部R1と外周側貯水部R2とは、上記第2の実施形態における貯水部Rを、区画板15を用いて内側と外周側とに区画したものである。これら内側貯水部R1及び外周側貯水部R2の各々には、揚水管路25から水が供給されるが、互いに独立した室を構成している。
また、内側貯水部R1内に設は加減圧機14aが、外周側貯水部R2内には加減圧機14bが、各々設けられている。これら加減圧機14aと14bとは、大きさや形状以外の点においては、上記第2の実施形態における加減圧機14と同様の構成となっている。これら加減圧機14aと14bとは、各々独立した制御が可能となっている。すなわち、内側貯水部R1内の水と、外周側貯水部R2内の水とを、各々独立して加減圧し、水滴wdを互いに独立して滴下することができる。
この生成容器10dを用いた、ガスハイドレートGHの製造方法について、2つの例を示す。
先ず、製造方法の第1の例について説明する。本例においては、図4に示すように、加減圧機14aと14bとの周期は同一として、互いの位相をずらすようにしている。このように位相をずらすことで、内側貯水部R1から滴下される水滴wdと外周側貯水部R2から滴下される水滴wdとの滴下タイミングをずらすことができる。すなわち、先ず内側貯水部R1から水滴wdを滴下して、気相Gの内側の水和熱をほぼ除去し終えた後に、外周側貯水部R2から水滴wdを滴下し、気相Gの外周側の水和熱をほぼ除去し終えた後に、内側貯水部R1から次の水滴wdを滴下するといった操作を繰り返していく。
生成容器10dにおいては、冷却装置18によって外周側から気相Gを冷却するようにしているので、気相Gの外周側と内側とでは冷却効果に差が生じるおそれがある。このため、水滴wdが全て一斉に滴下された場合には、外周側の水滴wdからの水和熱は直ちに除去されても内側の水滴wdからの水和熱はなかなか除去されずに、両者の温度分布に差が生じ、気相G内の内側の温度が上昇してガスハイドレート生成条件に差が生じるおそれがある。こうなると、内側ではガスハイドレートGHが生成しにくくなってしまう。また、気相G内のガス濃度分布にもばらつきが生じるおそれもある。
そのため、気相Gの外周側と内側とで水滴wdの滴下タイミングをずらせば、水和熱を交互に除去することができ、外周側と内側とに生じるおそれのある温度分布の差を抑制するとともに、ガス濃度分布のばらつきも抑制することができるので、何れの側においても適正にガスハイドレートGHを生成させることができる。
次に、製造方法の第2の例について説明する。本例においては、図5に示すように、加減圧機14aと14bとの振動の周期を変えて、加減圧機14bの周期を加減圧機14aの周期よりも高くなるようにしている。このように周期を変えることで、単位時間あたりに外周側貯水部R2から滴下される水滴wdの数を、内側貯水部R1から滴下される水滴wdの数よりも多くすることができる。すなわち、気相Gの外周側に滴下される水滴wdの数密度を、内側に滴下される水滴wdの数密度よりも高く設定することができる。
上述したように、生成容器10dにおいては、冷却装置18によって外周側から気相Gを冷却するようにしているので、気相Gの外周側は、内周側よりも高い冷却効果が期待できる。そのため、より高い冷却効果が期待できる外周側の気相Gには高密度で水滴wdを滴下し、外周側よりも気相Gの温度が上昇するおそれのある内側には低密度で水滴wdを滴下すれば、各々のガスハイドレート生成条件下において適正にガスハイドレートGHを生成させることができるので、ガスハイドレートGHの生成量を増加させることができる。
本実施形態に係る生成容器10d及びこれを用いたガスハイドレート製造装置Cにおいては、貯水部を内側貯水部R1と外周側貯水部R2とに区画するとともに、加減圧機14aを内側貯水部R1に、外周側貯水部14bを外周側貯水部R2に、互いに独立して設けるようにしている。そのため、気相G内の外周側と内側とでガスハイドレート生成条件に差があっても、滴下する水滴wdの位相や周期を変化させて、各々の条件下において適正にガスハイドレートを生成させることができるように、水滴wdの滴下タイミングや数密度を設定することができる。このため、ガスハイドレートGHの生成量を更に増加させることができる。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態について、図6を用いて説明する。
なお本実施形態においては、上記第4の実施形態と比較して、生成容器の水滴生成装置の構成を変更しているのみである。そのため、第4の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して、その詳しい説明は省略するとともに、水滴生成装置の近傍部分のみを図示することとする。
図6に示すように、生成容器10eは、容器本体11と、この容器本体11内の上方頂部側に設けられた水滴生成装置12dと、容器本体11の外周部に設けられた冷却装置(冷却手段)18と、を備えている。
水滴生成装置12dは、上記第4の実施形態における水滴生成装置12cにおける多孔板13を、多孔板13bに替えたものである。この多孔板13bは、上記第3の実施形態におけると同一の構成要素である。すなわち水滴生成装置12dの構成はは、多孔板の構成が異なっている以外は、上記の水滴生成装置12cと同一である。
この水滴生成装置12dは、内側貯水部R1からは水滴wd1を、外周側貯水部R2からは水滴wd1よりも大きい水滴wd2を、互いに独立して気相G内に滴下することができる。
生成容器10eにおいても、冷却装置18によって外周側から気相Gを冷却するようにしているので、より高い冷却効果が期待できる外周側の気相Gには、大きな水滴wd2を高密度で滴下し、外周側よりも気相Gの温度が上昇するおそれのある内側には、小さい水滴wd1を低密度で滴下することができる。このため、上記第3の実施形態における作用・効果と、上記第4の実施形態における作用・効果とを併せ持つような作用・効果を奏することができる。すなわち、各々のガスハイドレート生成条件下において適正にガスハイドレートGHを生成させることができるとともに、特に外周側においては更に多量のガスハイドレートGHを生成させることができるので、ガスハイドレートGHの生成量を更に増加させることができる。
なお、上記第2乃至第5の実施形態においては、容器本体の外周側から気相を冷却する冷却手段を用いて、気相の外周側の冷却効果が内側よりも高くなる場合を前提として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、気相の内側に棒状或いは板状の冷却手段を設けて、内側の冷却効果をより高めるようにした場合には、上記説明における場合の逆とする、すなわち内側の孔径を大きくしたり、あるいは内側における水滴の滴下周期を上げる等しても、差し支えない。
発明の効果
以上説明したように、本発明に係るガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法においては、上記の如き構成を採用しているので、ガスハイドレートを安定して高速かつ大量に生成することができ、ガスハイドレートの製造効率を高めることのできる、ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法を提供することができる。
本発明に係るガスハイドレート生成容器及びガスハイドレート製造装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係るガスハイドレート生成容器及びガスハイドレート製造装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係るガスハイドレート生成容器及びガスハイドレート製造装置の第3の実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係るガスハイドレート生成容器及びガスハイドレート製造装置の第4の実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係るガスハイドレート生成容器及びガスハイドレート製造装置の第4の実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係るガスハイドレート生成容器及びガスハイドレート製造装置の第5の実施形態を示す概略構成図である。 天然ガスを製品ガスハイドレートとするまでの一連の装置構成を示すブロック図である。 ガスハイドレートの生成平衡線図である。 ガスハイドレートの一例としてのメタンハイドレートの分子構造を示す図である。 従来のガスハイドレート製造装置の一例の要部を示す概略構成図である。
C ガスハイドレート製造装置
10a、10b、10c、10d、10e 生成容器(ガスハイドレート生成容器)
11 容器本体
12a、12b、12c、12d 水滴生成装置(水滴生成手段)
13、13b 多孔板
14、14a、14b 加減圧機(加減圧手段)
15 区画板
18 冷却装置(冷却手段)
21 ガス導入管路(ガス導入手段)
21a 下側管路(第2のガス導入手段)
21b 上側管路(ガス導入手段)
23 水導入管路(水導入手段)
25 揚水管路(水供給手段)
31 ハイドレート抜出管路(抜出手段)
b 気泡
h、h1,h2 孔
wd、wd1,wd2 水滴
R 貯水部
R1 内側貯水部
R2 外周側貯水部
GH ガスハイドレート
G 気相
W 水相
S 水面

Claims (12)

  1. ハイドレート形成物質を含むガスを水と水和させて、ガスハイドレートを生成するためのガスハイドレート生成容器であって、
    容器本体と
    該容器本体内の上部側に設けられ、水滴を生成して前記容器本体内に滴下する水滴生成手段と、を備え、
    前記水滴生成手段は、多数の孔が形成された底部を有し内部に水を貯める貯水部と、該貯水部内に設けられ、該貯水部内の水を所定の周期で加減圧する圧電材料により構成され、生成されたガスハイドレートの生成量に応じて前記貯水部内の水を加減圧する周期が変化する加減圧手段と、を備え、
    前記孔の孔径を、前記貯水部の外周側と内側とで変えていることを特徴とするガスハイドレート生成容器。
  2. 前記貯水部を、該貯水部の外周側と内側とに区画するとともに、前記加減圧手段を第1及び第2の加減圧手段として、前記外周側及び前記内側の貯水部の各々に独立して設けることを特徴とする請求項1に記載のガスハイドレート生成容器。
  3. ハイドレート形成物質を含むガスを水と水和させて、ガスハイドレートを生成するためのガスハイドレート生成容器であって、
    容器本体と
    該容器本体内の上部側に設けられ、水滴を生成して前記容器本体内に滴下する水滴生成手段と、を備え、
    前記水滴生成手段は、多数の孔が形成された底部を有し内部に水を貯める貯水部と、該貯水部内に設けられ、該貯水部内の水を所定の周期で加減圧する圧電材料により構成され、生成されたガスハイドレートの生成量に応じて前記貯水部内の水を加減圧する周期が変化する加減圧手段と、を備え、
    前記貯水部を、該貯水部の外周側と内側とに区画するとともに、前記加減圧手段を第1及び第2の加減圧手段として、前記外周側及び前記内側の貯水部の各々に独立して設けることを特徴とするガスハイドレート生成容器。
  4. ハイドレート形成物質を含むガスを水と水和させて、ガスハイドレートを生成するためのガスハイドレート生成容器であって、
    容器本体と、該容器本体内の上部側に設けられ、水滴を生成して前記容器本体内に滴下する水滴生成手段と、を備え、
    前記水滴生成手段は、多数の孔が形成された底部を有し内部に水を貯める貯水部と、該貯水部内に設けられ、該貯水部内の水を所定の周期で加減圧する加減圧手段と、を備え、
    前記孔の孔径を、前記貯水部の外周側と内側とで変えていることを特徴とするガスハイドレート生成容器。
  5. 前記貯水部を、該貯水部の外周側と内側とに区画するとともに、前記加減圧手段を第1及び第2の加減圧手段として、前記外周側及び前記内側の貯水部の各々に独立して設けることを特徴とする請求項4に記載のガスハイドレート生成容器。
  6. ハイドレート形成物質を含むガスを水と水和させて、ガスハイドレートを生成するためのガスハイドレート生成容器であって、
    容器本体と、該容器本体内の上部側に設けられ、水滴を生成して前記容器本体内に滴下する水滴生成手段と、を備え、
    前記水滴生成手段は、多数の孔が形成された底部を有し内部に水を貯める貯水部と、該貯水部内に設けられ、該貯水部内の水を所定の周期で加減圧する加減圧手段と、を備え、
    前記貯水部を、該貯水部の外周側と内側とに区画するとともに、前記加減圧手段を第1及び第2の加減圧手段として、前記外周側及び前記内側の貯水部の各々に独立して設けることを特徴とするガスハイドレート生成容器。
  7. 前記加減圧手段を、圧電材料により構成したことを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のガスハイドレート生成容器。
  8. 前記水滴生成手段の下側を前記容器本体の外周側から冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のガスハイドレート生成容器。
  9. 請求項1〜の何れかに記載のガスハイドレート生成容器と、前記貯水部に水を供給する水供給手段と、ハイドレート形成物質を含むガスを前記容器本体内に導入し、該容器本体内に気相を形成するガス導入手段と、生成されたガスハイドレートを前記ガスハイドレート生成容器外に抜き出す抜出手段と、を備えたことを特徴とするガスハイドレート製造装置。
  10. 水を前記容器本体内に導入し、該容器本体内の前記気相の下側に水相を形成する水導入手段と、前記水相内に前記ガスを気泡として導入する第2のガス導入手段と、を備えたことを特徴とする請求項に記載のガスハイドレート製造装置。
  11. 請求項5又は請求項6に記載のガスハイドレート生成容器を備えたガスハイドレート製造装置を用いたガスハイドレートの製造方法であって、前記第1の加減圧手段と前記第2の加減圧手段とで、互いの位相をずらして前記貯水部内の水を加減圧させることを特徴とするガスハイドレート製造方法。
  12. 請求項5又は請求項6に記載のガスハイドレート生成容器を備えたガスハイドレート製造装置を用いたガスハイドレートの製造方法であって、前記第1の加減圧手段と前記第2の加減圧手段とで、互いの周期を変えて前記貯水部内の水を加減圧させることを特徴とする特徴とするガスハイドレート製造方法。
JP2001272543A 2001-09-07 2001-09-07 ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法 Expired - Fee Related JP5535416B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001272543A JP5535416B2 (ja) 2001-09-07 2001-09-07 ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001272543A JP5535416B2 (ja) 2001-09-07 2001-09-07 ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003082371A JP2003082371A (ja) 2003-03-19
JP5535416B2 true JP5535416B2 (ja) 2014-07-02

Family

ID=19097901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001272543A Expired - Fee Related JP5535416B2 (ja) 2001-09-07 2001-09-07 ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5535416B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006213894A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd ガスハイドレート製造装置
JP5004630B2 (ja) * 2007-03-29 2012-08-22 三井造船株式会社 ガスハイドレート濃度の測定方法及び測定装置と、その測定方法を用いたガスハイドレート生成装置の制御方法及び制御装置
JP5153408B2 (ja) * 2008-03-31 2013-02-27 三井造船株式会社 ガスハイドレートの製造装置
JP5021775B2 (ja) * 2010-02-04 2012-09-12 三井造船株式会社 ハイドレートの貯蔵方法、貯蔵装置及び輸送方法
JP5614999B2 (ja) * 2010-02-16 2014-10-29 Ihiプラント建設株式会社 オゾン含有ハイドレートの製造方法及びその装置
CN102539521B (zh) * 2010-12-08 2014-03-12 中国海洋石油总公司 天然气水合物与钻井液相互作用模拟试验装置
CN105259337B (zh) * 2015-11-20 2017-03-22 中国地质大学(武汉) 一种含水合物/冰的低温地层固井模拟实验反应釜

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3173611B2 (ja) * 1991-07-08 2001-06-04 ナチュラル・ガス・ハイドレイト・アーエス 輸送及び貯蔵のためのガス水和物の製造方法
JPH09215918A (ja) * 1996-02-09 1997-08-19 Kawasaki Heavy Ind Ltd 気液反応装置
JPH09280203A (ja) * 1996-04-11 1997-10-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 液滴ラジエータ用圧電アクチュエータ
JP2000256226A (ja) * 1999-03-15 2000-09-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ハイドレートの製造方法および製造装置
JP4216396B2 (ja) * 1999-03-16 2009-01-28 三井造船株式会社 ガスハイドレートの連続製造装置
JP2000303083A (ja) * 1999-04-23 2000-10-31 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ハイドレートスラリ燃料及びその製造方法並びにその製造装置又その保管方法
JP3993337B2 (ja) * 1999-04-27 2007-10-17 三井造船株式会社 ガスハイドレートの製造装置および製造法
JP4016554B2 (ja) * 1999-12-10 2007-12-05 株式会社Ihi ハイドレート生成設備の生成量把握方法及び装置
JP2002038171A (ja) * 2000-07-19 2002-02-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ハイドレートの製造方法および製造装置、天然ガスの貯蔵方法
JP4798887B2 (ja) * 2001-07-30 2011-10-19 三井造船株式会社 気液対向流式ガスハイドレート製造装置および製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003082371A (ja) 2003-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20030004434A (ko) 가스 하이드레이트 제조 장치 및 가스 하이드레이트 탈수장치
JP5535416B2 (ja) ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法
JP2001519470A (ja) ガス・ハイドレートを製造する方法および装置
JP4285600B2 (ja) ガスハイドレート製造装置
JP2001342473A (ja) ガスハイドレート製造装置およびガスハイドレート脱水装置
JP2003105362A (ja) 天然ガスハイドレートの生成方法および生成システム
CN103403435A (zh) 液化天然气储藏/搬运船及液化天然气储藏/搬运船的剩余气体产生抑制方法
JP2005248124A (ja) ガスハイドレートの製造方法及び装置
JP2008248190A (ja) 混合ガスハイドレート製造方法
WO2009123152A1 (ja) ガスハイドレートの製造方法及び製造装置
CA2368020A1 (en) Formation, processing, transportation and storage of hydrates
JP4354460B2 (ja) スラッシュ窒素の製造方法及びその製造装置
JP2003041276A (ja) 天然ガス水和物の脱水方法および脱水システム、ならびに天然ガス水和物の遠心脱水装置
KR101388900B1 (ko) 수화물 제조를 위한 연속 제조 장치 및 그 방법
JP2006241188A (ja) 天然ガスハイドレート生成システムおよびその生成方法
JP2004217487A (ja) 水素ガス包接水和物の製造方法及び装置
JP2001279279A (ja) ガスハイドレート製造装置及び多段ガスハイドレート製造装置
JP2003138279A (ja) ガスハイドレート生成装置
JP2001316684A (ja) ガスハイドレート処理方法および処理装置
JP2000256226A (ja) ハイドレートの製造方法および製造装置
JP2003080056A (ja) ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法
JP2003041272A (ja) ガスハイドレートの生成方法および生成装置
JP2005263824A (ja) ガスハイドレート製造方法および製造装置
JP2000256227A (ja) ハイドレートの製造方法および製造装置
JP2001342472A (ja) ガスハイドレートの製造方法および製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120911

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140423

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5535416

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees