JP2001316684A - ガスハイドレート処理方法および処理装置 - Google Patents

ガスハイドレート処理方法および処理装置

Info

Publication number
JP2001316684A
JP2001316684A JP2000131687A JP2000131687A JP2001316684A JP 2001316684 A JP2001316684 A JP 2001316684A JP 2000131687 A JP2000131687 A JP 2000131687A JP 2000131687 A JP2000131687 A JP 2000131687A JP 2001316684 A JP2001316684 A JP 2001316684A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas hydrate
substance
mixture
gas
hydrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000131687A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Kimura
隆宏 木村
Kozo Yoshikawa
孝三 吉川
Yoshihiro Kita
吉博 北
Haruhiko Ema
晴彦 江間
Masaharu Watabe
正治 渡部
Yuichi Kondo
雄一 近藤
Hisayoshi Fujita
尚義 藤田
Hitoshi Endo
仁 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000131687A priority Critical patent/JP2001316684A/ja
Publication of JP2001316684A publication Critical patent/JP2001316684A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラリー状ガスハイドレートを効率よく連続
的に脱水・冷却して固化させ、ガスハイドレートの粉体
を大気圧下に取り出すことができるガスハイドレート処
理装置を提供する。 【解決手段】 スラリー状ガスハイドレートを貯える脱
水タンク31と、ガスハイドレート形成物質とガスハイ
ドレート形成物質の沸点を上昇させる沸点上昇物質とを
混合した混合物Mを液化する混合物液化装置40(混合
物液化手段)と、液化混合物Mを脱水タンク31へ供給
する混合物供給装置50(混合物液化手段)を脱水機構
D(脱水手段)として設け、液化混合物Mに含まれる液
化した沸点上昇物質を冷媒物質として気化させてガスハ
イドレートを冷却する冷却機構F(冷却手段)を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生成したスラリー
状ガスハイドレートを脱水固化して大気圧下に取り出す
ガスハイドレート処理方法および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、メタン等の炭化水素を主成分とす
る天然ガスを貯蔵・輸送する方法としては、ガス田から
天然ガスを採取した後液化温度まで冷却し、液化天然ガ
ス(LNG)とした状態で貯蔵・輸送する方法が一般的
である。しかし、たとえば液化天然ガスの主成分である
メタンの場合、液化させるには大気圧下で−162℃と
いった極低温条件が必要であり、天然ガスを液化する巨
大なプラントが必要になるのみならず、低音条件を維持
しながら貯蔵・輸送を行うためには、専用の貯蔵装置
や、LNG船等といった専用の輸送手段が必要となる。
こうした装置等の製造及び維持・管理には非常に高いコ
ストを要するため、上記方法に代わる低コストの貯蔵・
輸送方法が、鋭意研究されてきた。こうした研究の結
果、天然ガスを水和させて固体状態のガス水和物(以下
「ガスハイドレート」と記す)を生成し、この固体状態
のまま貯蔵・輸送するという方法が見出され、近年特に
有望視されている。この方法では、LNGを取扱う場合
のような極低温条件は必要とされず、また固体とするた
めその取扱いも比較的容易である。このため、既存の冷
凍装置あるいは既存のコンテナ船を若干改良したものを
各々貯蔵装置あるいは輸送手段として利用可能となり、
従って、大幅な低コスト化が図れるものとして期待が寄
せられている。
【0003】このガスハイドレートとは、包接化合物
(クラスレート化合物)の一種であって、図5に示すよ
うに、複数の水分子(H2O)により形成された立体か
ご型の包接格子(クラスレート)の中に、天然ガスの各
成分を構成する分子、すなわちメタン(CH4)、エタ
ン(C26)、プロパン(C38)等が入り込み包接さ
れた結晶構造をなすものである。クラスレートに包接さ
れた天然ガス構成分子同士の分子間距離は、天然ガスが
高圧充填された場合のガスボンベ中における分子間距離
よりも短くなる。これは、天然ガスが緊密充填された固
体を生成し得ることを意味し、たとえばメタンハイドレ
ートが安定に存在し得る条件下、すなわち−30℃・大
気圧(およそ0.1MPa)においては、気体状態と比
較して約1/190の体積とすることができる。このよ
うに、ガスハイドレートは、比較的容易に得られる温度
・圧力条件下において製造可能で、かつ安定した保存が
可能なものである。
【0004】この方法においては、ガス田から受け入れ
られた後の天然ガスは、酸性ガス除去工程にて二酸化炭
素(CO2)や硫化水素(H2S)等の酸性ガスを除去さ
れ、低温・高圧状態にしていったんガス貯蔵部に貯蔵さ
れる。この天然ガスは、この後ハイドレート生成工程に
て水和され、ガスハイドレートとなる。このガスハイド
レートは水が混在するスラリー状であり、続く脱水工程
にて、混在している未反応の余剰の水分が除去され、さ
らに冷却工程を経て、所定の温度・圧力に調整された状
態でコンテナ等の容器に封入され、貯蔵装置内で貯蔵さ
れる。このガスハイドレートは、冷却された貯蔵装置に
直接貯蔵する場合もある。輸送時には、上述した容器の
ままコンテナ船等の輸送手段に積み込んだり、あるいは
冷却固化・成形されたガスハイドレートをそのまま冷凍
船に積み込むなどして目的地まで輸送する。目的地での
陸揚げ後、ガスハイドレートは、ハイドレート分解工程
を経て天然ガスの状態に戻され、各供給地へと送られ
る。あるいは、冷凍船上で分解させて天然ガスの状態に
戻し、各供給地へと送られる場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の付着水を含んだスラリー状のガスハイドレートの脱
水工程および冷却工程は、下記のような解決すべき問題
を有していた。 (1) ガスハイドレート生成プラントで生成された直
後のガスハイドレートは、多量の未反応の余剰水分(以
下「付着水」と記す)を含んだスラリー状であるため、
このままでは、水(あるいは氷)の体積分だけ貯蔵及び
輸送の効率が低下してコストアップの要因となる。従っ
て、スラリー状のガスハイドレートを脱水することが必
要となる。しかしながら、水だけ通してガスハイドレー
トを通さないようなフィルタを用いて、遠心分離等の機
械的な脱水を行うだけでは、ガスハイドレートと付着水
の比率は1対1程度に低下するにとどまり、貯蔵・輸送
する生成物の半分が水分という状態であった。このた
め、スラリー状ガスハイドレートから効率的に付着水を
取り除く方法が求められていた。 (2) 高圧の条件下で生成されたガスハイドレート
は、そのまま大気圧下に取り出すと分解してしまうた
め、−30℃程度の低温に冷却してから大気圧に取り出
す必要がある。しかしながら、ガスハイドレートを納め
た容器の外側から冷却器によりガスハイドレートを冷却
する方法では、ガスハイドレート中を熱が伝達するのに
時間を要するため、容器の中心を所定の温度まで冷却す
る効率が悪いといった問題があった。 (3) スラリー状ガスハイドレートに含まれる付着水
は、0℃以下で氷に相変化してガスハイドレートと固着
するため、(1)で指摘したスラリー状ガスハイドレー
トの脱水の後に(2)で指摘した分解を抑制する低温冷
却が実施される。ガスハイドレート生成プラントで生成
されたガスハイドレートは、こうして脱水および冷却の
処理が順次施され、製品として貯蔵・輸送されるが、各
々の処理にそれぞれ装置が必要となるので、全体の処理
装置にかかるコストを削減する適切な技術の開発が求め
られていた。
【0006】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、ガスハイドレート生成反応
装置より供給されるスラリー状ガスハイドレートを効率
よく脱水・冷却して固化させ、ガスハイドレートを大気
下に取り出すことができるガスハイドレート処理方法お
よび処理装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
発明は、ガスハイドレート形成物質を水和させて生成さ
れた付着水を含むスラリー状ガスハイドレートの該付着
水を除去する脱水工程を有するガスハイドレート処理方
法であって、前記脱水工程は、前記ガスハイドレート形
成物質と前記ガスハイドレート形成物質の沸点を上昇さ
せる沸点上昇物質とを混合した混合物を、付着水が固化
しない温度圧力条件で液化する混合物液化工程と、液化
した前記混合物を前記スラリー状ガスハイドレートに混
入する混合物混入工程と、液化した前記混合物に含まれ
る液体の前記ガスハイドレート形成物質と前記付着水と
を反応させてガスハイドレートを生成するガスハイドレ
ート生成工程とを有することを特徴とするものである。
【0008】この発明においては、生成されたスラリー
状ガスハイドレートの温度圧力条件、言い換えれば、付
着水が固化せず液体として存在する温度圧力条件で、通
常気体として存在するガスハイドレート形成物質が液化
する。上記の温度圧力条件下で気体として存在するガス
ハイドレート形成物質が混合物液化工程で液化するの
は、ガスハイドレート形成物質よりも沸点の高い沸点上
昇物質を混合することによりガスハイドレート形成物質
の沸点が上昇するためである。通常困難なガスハイドレ
ート形成物質の液化は、この方法により容易になる。こ
うして液化されたガスハイドレート形成物質を混合物混
入工程でスラリー状ガスハイドレートに混入すると、ガ
スハイドレート生成工程で、液体のガスハイドレート形
成物質と液体の付着水とが接触反応して、ガスハイドレ
ートを形成する。気体状のガスハイドレート形成物質を
液体の水と反応させてガスハイドレートを生成する場合
と比較すると、液体同士の間の物質・熱移動の速度は、
気体と液体の間の物質・熱移動の速度より大きいため、
ガスハイドレート形成物質と水との接触反応が効率的に
行われ、さらに、ガスハイドレート生成の際に発生する
熱が熱移動により周囲に散逸して生成反応箇所から効率
的に除去される。こうして、付着水がガスハイドレート
形成物質と反応してガスハイドレートとなり、生成物に
含まれる付着水の割合が低下して脱水工程が行われる。
【0009】請求項2に記載の発明は、ガスハイドレー
ト形成物質を水和させて生成されたガスハイドレートを
冷却する冷却工程を有するガスハイドレート処理方法で
あって、前記冷却工程は、前記ガスハイドレートの付着
水が固化しない温度圧力条件で液体状の冷媒物質を前記
ガスハイドレートに混入する冷媒物質混入工程と、混入
した前記冷媒物質が気化するように減圧する減圧工程と
を有することを特徴とするものである。
【0010】この発明においては、液体の冷媒物質が、
冷媒物質混入工程において付着水とガスハイドレートと
を固着させることなくガスハイドレートの中に混入され
るため、直接冷媒物質とガスハイドレートとが接触す
る。この状態から、減圧工程で液体の冷媒物質が気化す
るように減圧すると、冷媒物質が周囲のガスハイドレー
トより気化熱を奪って気化し、ガスハイドレートが冷却
される。容器に貯えられたガスハイドレートを容器の外
から冷却する場合に比較すると、冷媒物質がガスハイド
レートの表面を直接覆う状態でガスハイドレートから気
化熱を奪うため、冷媒物質とガスハイドレートの熱交換
を行う接触面積が大きくなり、冷却効率が高くなる。
【0011】請求項3に記載の発明は、ガスハイドレー
ト形成物質を水和させて生成された付着水を含むスラリ
ー状ガスハイドレートの該付着水を除去する脱水工程
と、前記ガスハイドレートを冷却する冷却工程を有する
ガスハイドレート処理方法であって、前記脱水工程は、
前記ガスハイドレート形成物質と前記ガスハイドレート
形成物質の沸点を上昇させる沸点上昇物質とを混合した
混合物を、付着水が固化しない温度圧力条件で液化する
混合物液化工程と、液化した前記混合物を前記スラリー
状ガスハイドレートに混入する混合物混入工程と、液化
した前記混合物に含まれる液体の前記ガスハイドレート
形成物質と前記付着水とを反応させてガスハイドレート
を生成するガスハイドレート生成工程とを有し、前記冷
却工程は、前記ガスハイドレートの付着水が固化しない
温度圧力条件で液体状の冷媒物質を前記ガスハイドレー
トに混入する冷媒物質混入工程と、混入した前記冷媒物
質が気化するように減圧する減圧工程とを有し、前記沸
点上昇物質が前記冷媒物質とされ、前記混合物混入工程
により前記冷媒物質混入工程がなされることを特徴とす
るものである。
【0012】この発明においては、混合物混入工程と冷
媒物質混入工程が同時に行われ、それぞれの工程を別途
行うよりもガスハイドレートの処理効率が高くなる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1から3
のいずれかに記載されたガスハイドレート処理方法であ
って、前記ガスハイドレート形成物質をメタンとし、前
記沸点上昇物質もしくは前記冷媒物質をプロパンとする
ことを特徴とする。
【0014】この発明においては、天然ガスに最も多く
含まれるメタンが、ガスハイドレート形成物質とされ、
天然ガスに含まれ入手の容易なプロパンが、沸点上昇物
質や冷媒物質とされる。ガスハイドレート形成物質とし
てのメタンと沸点上昇物質としてのプロパンとを混合
し、かつ適切な温度・圧力条件を保つことにより、所定
の温度・圧力条件で、メタンガスハイドレートが生成す
る一方、水は固化しない条件のもとで液体として存在す
る混合物が生成される。また、プロパンは、冷媒物質と
して水が固化しない所定の温度・圧力条件で液体として
存在する。
【0015】請求項1記載の処理工程を実施するための
処理装置としては、請求項5のように、ガスハイドレー
ト形成物質を水和させて生成された付着水を含むスラリ
ー状ガスハイドレートの該付着水を除去する脱水手段を
備えるガスハイドレート処理装置であって、前記脱水手
段は、ガスハイドレート供給口より注入される前記スラ
リー状ガスハイドレートが貯えられる脱水タンクと、前
記ガスハイドレート形成物質と前記ガスハイドレート形
成物質の沸点を上昇させる沸点上昇物質とを混合した混
合物を、前記付着水が固化しない温度圧力条件で液化す
る混合物液化手段と、液化した前記混合物を、前記混合
物液化手段から前記脱水タンクへと供給する混合物供給
手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0016】このような構成としたことにより、生成さ
れたスラリー状ガスハイドレートは、ガスハイドレート
供給口より脱水タンク内に注入され、この脱水タンク内
に、混合物液化手段により液化されたガスハイドレート
形成物質と沸点上昇物質との混合物が混合物供給手段に
より供給される。こうして、スラリー状ガスハイドレー
トに、液化された混合物が混入される。混合物に含まれ
る液化したガスハイドレート形成物質と付着水とが反応
してガスハイドレートを形成するとともに生成物に含ま
れる付着水の割合が低下し、脱水が行われる。
【0017】請求項2記載の処理工程を実施するための
処理装置としては、請求項6のように、ガスハイドレー
ト形成物質を水和させて生成されたガスハイドレートを
冷却する冷却手段を備えるガスハイドレート処理装置で
あって、前記冷却手段は、前記ガスハイドレートの付着
水が固化しない温度圧力条件で液体となる冷媒物質を前
記ガスハイドレートに混入する冷媒物質混入手段と、前
記冷媒物質が気化するように圧力を減圧する減圧手段と
を備えてなることを特徴とするものである。
【0018】このような構成としたことにより、液体の
冷媒物質が冷媒物質混入手段によりガスハイドレートに
混入され、減圧手段により液体の冷媒物質が気化され、
ガスハイドレートが気化熱を奪われることにより冷却さ
れる。
【0019】請求項3記載の処理工程を実施するための
処理装置としては、請求項7のように、ガスハイドレー
ト形成物質を水和させて生成された付着水を含むスラリ
ー状ガスハイドレートの該付着水を除去する脱水手段
と、前記ガスハイドレートを冷却する冷却手段を備える
ガスハイドレート処理装置であって、前記脱水手段は、
ガスハイドレート供給口より注入される前記スラリー状
ガスハイドレートが貯えられる脱水タンクと、前記ガス
ハイドレート形成物質と前記ガスハイドレート形成物質
の沸点を上昇させる沸点上昇物質とを混合した混合物
を、前記付着水が固化しない温度圧力条件で液化する混
合物液化手段と、液化した前記混合物を、前記混合物液
化手段から前記脱水タンクへと供給する混合物供給手段
とを備え、前記冷却手段は、前記ガスハイドレートの付
着水が固化しない温度圧力条件で液体となる冷媒物質を
前記ガスハイドレートに混入する冷媒物質混入手段と、
前記冷媒物質が気化するように圧力を減圧する減圧手段
とを備え、前記沸点上昇物質が前記冷媒物質とされ、前
記混合物供給手段が前記冷媒物質混入手段とされるよう
構成されていることを特徴とするものである。
【0020】このような構成としたことにより、液体の
混合物に含まれる液体の沸点上昇物質が液体の冷媒物質
とされ、混合物供給手段が冷媒物質混入手段とされる。
このため、混合物供給手段と冷媒物質混入手段を別途設
けるよりもガスハイドレートの処理効率が高くなりコス
トも削減される。
【0021】請求項8記載の発明は、請求項7記載のガ
スハイドレート処理装置であって、前記脱水タンクが複
数設けられ、前記複数の脱水タンクの一つを選択して前
記スラリー状ガスハイドレートを注入する脱水タンク選
択手段が備えられてなることを特徴とする。
【0022】このような構成としたことにより、例え
ば、選択された一つの脱水タンクにスラリー状ガスハイ
ドレートが貯えられている間、他の脱水タンクにおいて
混合物が供給されて脱水工程が施されるとともに、さら
に他の脱水タンクにおいてガスハイドレートに冷却工程
が施される。このように、複数の脱水タンクを設けるこ
とにより、一つ一つの工程が同時に個々の脱水タンクを
用いて行われ、ガスハイドレートの処理効率が高くな
る。
【0023】請求項9記載の発明は、請求項6から8の
いずれかに記載のガスハイドレート処理装置であって、
前記減圧手段は、前記冷媒物質が気化する内部圧力に保
たれた製品タンクと、前記冷媒物質の混入された前記ガ
スハイドレートを前記製品タンクに注入する減圧注入手
段とを備えてなることを特徴とする。
【0024】このような構成としたことにより、冷媒物
質が気化するように内部圧力が保たれた製品タンクにガ
スハイドレートを注入すれば、冷媒物質が自然に気化し
て、ガスハイドレートより気化熱を奪い、ガスハイドレ
ートを冷却する。このため、別に減圧装置を設ける必要
がなく、コストも削減される。
【0025】請求項10記載の発明は、請求項9に記載
のガスハイドレート処理装置であって、前記製品タンク
の前記内部圧力は、大気圧に保たれていることを特徴と
する。
【0026】このような構成としたことにより、冷媒物
質が気化するように内部が大気圧に保たれた製品タンク
にガスハイドレートを注入すれば、冷媒物質が自然に気
化して、ガスハイドレートより気化熱を奪い、ガスハイ
ドレートを冷却する。大気側と製品タンクの内部に圧力
差が生じないため、製品タンクを耐圧性の容器にする必
要がなく、ガスハイドレート収集後の貯蔵・輸送の取扱
も簡便となる。
【0027】請求項11記載の発明は、請求項7から1
0のいすれかに記載されたガスハイドレート処理装置で
あって、前記気化した冷媒物質を回収し、混合物液化手
段に供給する冷媒物質循環手段が設けられていることを
特徴とする。
【0028】このような構成としたことにより、気化し
た冷媒物質が沸点上昇物質としてガスハイドレート形成
物質に混合され再び液化され、冷媒物質として再利用さ
れ、経済的である。
【0029】請求項12記載の発明は、請求項5および
7から11のいずれかに記載されたガスハイドレート処
理装置であって、前記脱水タンクには、前記スラリー状
ガスハイドレートに含まれる付着水をろ過するフィルタ
が前記脱水タンクの内部を複数の部屋に区画するよう設
けられ、前記ガスハイドレート供給口が前記各部屋のう
ちの一の部屋に設けられ、前記ろ過された付着水を抜出
する排水口が他の部屋に設けられていることを特徴とす
る。
【0030】このような構成としたことにより、スラリ
ー状ガスハイドレートの注入される一の部屋と、他の部
屋との間の圧力差によって、付着水がフィルタを通過し
て他の部屋にろ過される。ろ過された付着水は排水口か
ら抜出される。こうして、付着水をガスハイドレートに
するために必要な液体のガスハイドレート形成物質の量
が減少する。
【0031】請求項13記載の発明は、請求項12記載
のガスハイドレート処理装置であって、前記混合物供給
手段は、液化した前記混合物を前記脱水タンクに注入す
る混合物供給口を、前記排水口の設けられた部屋に備え
ていることを特徴とする。
【0032】このような構成としたことにより、液体の
混合物がスラリー状ガスハイドレートの注入された部屋
にフィルタ側より流入する。このように、ガスハイドレ
ートが注入される方向と違う方向から混合物が流入する
ことにより、逆洗が行われ、スラリー状ガスハイドレー
トが攪拌される。こうして、混合物とガスハイドレート
の付着水との接触面積が大きくなり、より効果的にガス
ハイドレートの生成反応が進むと同時に、フィルターの
目詰まりが防止される。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態にお
いては、ガスハイドレート形成物質を天然ガスの主成分
であるメタンガスとして、一貫してメタンハイドレート
を製造する装置及び方法について説明するが、ガスハイ
ドレート形成物質としてはメタンガスに限らず、エタ
ン、プロパン、ブタン、クリプトン、キセノン及び二酸
化炭素等もある。なお、メタンハイドレートMHは、図
5(a),(b)に示すように、水分子Wが立体状(例
えば12面体、14面体)に配列されて構成されたかご
の中にメタン分子Mが入った包接化合物(クラスレー
ト)の一種であり、たとえば以下の反応式に基づいて生
成される。また、メタンハイドレートMHが分解する
と、メタンハイドレートの体積1に対し、約0.9の水
と標準状態で約170のメタンガスになる。 CH4+5.75H2O→CH4・5.75H2O+水和熱
【0034】図2は、本発明のガスハイドレート処理装
置が組み込まれるガスハイドレートの製造装置の一実施
形態を示す構成図である。図2において、図中の符号1
は密閉されたガスハイドレート生成反応装置であり、圧
力容器のガスハイドレート生成反応装置1内には、冷却
手段(温度制御手段)としてたとえば冷却コイル2が挿
入されている。これにより、ガスハイドレート生成反応
装置1内の後述する水相Lを、ガスハイドレート生成温
度範囲(たとえば1〜5℃)内のたとえば約1℃に冷却
保持できるようになっている。メタンハイドレートMH
を生成する際には水和熱が発生し、一方、メタンハイド
レートMHは低温・高圧状態でなければ生成しないの
で、前記のようにガスハイドレート生成反応装置1に冷
却手段を設けて、常に冷却することが好ましい。図示の
例では冷却手段として冷却コイル2を用いたが、もちろ
んこれに限定されるものではない。たとえばガスハイド
レート生成反応装置1を冷却ジャケットで囲み、この冷
却ジャケットに、ブラインタンクよりブラインを供給し
て循環させたり、あるいはガスハイドレート生成反応装
置1内にラジエターを挿入してもよく、またはこれらを
組合せて用いてもよい。
【0035】符号3は貯水槽を示しており、この貯水槽
3内から水が配管4を経由してガスハイドレート生成反
応装置1に導入されることにより、ガスハイドレート生
成反応容器1内に水相L(液相)を形成することができ
る。配管4には水供給ポンプ5やバルブ6が配設されて
おり、前記水相Lの液面Sが一定の水準を保つように制
御される。なお、貯水槽3、配管4及び水供給ポンプ5
等により水供給手段WSが構成されている。
【0036】ガスハイドレート生成反応装置1の下部側
壁には、メタン導入口1aが設けられている。このメタ
ン導入口1aには、メタン供給源としてのガス貯蔵部7
から配管8を経由してメタンガス(ガスハイドレート形
成物質)が供給されるようになっている。配管8には通
常のバルブ9及び流量調節弁10が配設されている。こ
の流量調節弁10の開度は、ガスハイドレート生成反応
装置1内の後述する気相G(メタンガス)の圧力を検出
する圧力計11によって制御される。これにより、ガス
ハイドレート生成反応容器1内にメタンを補充して気相
Gの圧力を常にガスハイドレート生成圧力(本例では8
0atm)に保持することができる。なお、ガス貯蔵部
7や配管8等によりメタン供給手段(ガスハイドレート
形成物質供給手段)GSが構成され、圧力計11及び流
量調節弁10により、生成反応装置内圧力制御手段PC
が構成されている。
【0037】ガス貯蔵部7に供給されるメタン(メタン
を主成分とする天然ガス)は、ガス田12から採取した
後、酸性ガス除去工程13を経て二酸化炭素や硫化水素
等の酸性ガスが除去される。この後、圧縮機等を経て低
温・高圧の状態にされ、これがガス貯蔵部7に送られて
一時的に貯蔵される。
【0038】ガスハイドレート生成反応装置1の底部に
は、未反応の水を抜出すための水抜出口1bが設けられ
ており、この水抜出口1bより抜出された未反応の水
は、過冷却された後に、再びガスハイドレート生成反応
装置1内に供給されるように構成されている。詳述する
と、水抜出口1bとガスハイドレート生成反応装置1の
頂部に設けられたスプレーノズル14とは配管15によ
り連通しており、この配管15には、バルブ16、水循
環ポンプ17、熱交換器(冷却器)18及びバルブ19
が順次配設されている。水循環ポンプ17によって抜出
された水は、熱交換器18によって過冷却された後に、
スプレーノズル14からガスハイドレート生成反応装置
1内の気相G(メタン雰囲気)中に噴霧状(符号SP参
照)に供給される。
【0039】ここで、過冷却とは、図4に示すように、
メタンハイドレートの生成平衡線C上の任意の点Dより
少なくとも温度が低いか(矢印X方向)あるいは圧力が
高い(矢印Y方向)状態にすることである。なお、生成
平衡線Cより上方の領域(便宜上、斜線を施した領域)
はハイドレート生成領域(ハイドレート生成条件下)で
ある。図4には、さらに、エタン、プロパン及びブタン
の生成平衡線も示されている。熱交換器(冷却器)18
としては、たとえば熱伝導効率に優れた多管型熱交換
器、構造が簡単なコイル型熱交換器、熱伝導効率に優れ
かつメンテナンスの容易なプレート型熱交換器を使用す
ることができる。なお、水循環ポンプ17、配管15、
熱交換器18等により、水過冷却循環手段CWが構成さ
れている。
【0040】ここで、前記スプレーノズル14は、図3
(a)に示すように、ガスハイドレート生成反応装置1
の頂部に下向きに設けられたものであり、スプレーノズ
ル14のノズル孔14aより、気相Gに向けて平均数十
μm(原理的には粒子径は小さい程よい)の外径の水粒
子SPを噴出する。このように、気相G中に水をスプレ
ー状に噴出して、水粒子SPを多量に形成することによ
り、水の単位体積あたりの表面積、すなわち気相Gとの
接触面積を極めて大きくすることができる。なお、上記
のように、ガスハイドレート生成反応装置1の底部より
抜出した未反応水を、スプレーノズル14によりガスハ
イドレート生成反応装置1内でスプレーする場合には、
異物によるスプレーノズル14の詰まりを発生させない
ことが重要となる。そこで、配管15に、ガスハイドレ
ート等の異物を捕集するためのフィルタ16aを設け、
抜出した未反応水より異物を確実に除去することが好ま
しい。図3(b)のスプレー手段については後述する。
【0041】ガスハイドレート生成反応装置1の、水相
Lの液面S近傍には液層抜出口1cが設けられており、
この液層抜出口1cは配管20によって後述する脱水タ
ンク31に接続されている。なお、配管20には、必要
に応じてバルブ21や抜出ポンプ22などが配設されて
いる。このような構成により、液面Sに浮上した比較的
低密度のメタンハイドレート層MHが液層抜出口1cよ
り抜出ポンプ22に吸引されて配管20に流出するの
で、メタンハイドレート及び水がスラリー状になって、
配管20を通り後工程へと移送される。すなわち、ガス
ハイドレート生成反応装置で生成したスラリー状のメタ
ンハイドレート(スラリー状ガスハイドレート)は、後
工程のガスハイドレート処理装置Aまで余剰の水と共に
流すことで容易に供給することが可能である。
【0042】続いて、本発明によるガスハイドレート処
理装置の構成を図1および図2に基づいて詳細に説明す
る。このガスハイドレート処理装置(以下、脱水冷却装
置)Aは、上述したガスハイドレート生成反応装置1よ
り供給されるスラリー状のメタンハイドレートを脱水固
化して大気圧下に取り出すための装置であり、主として
脱水機構D(脱水手段)と冷却機構F(冷却手段)とか
ら構成されている。
【0043】脱水機構Dは、スラリー状ガスハイドレー
トに脱水工程が施される複数(本実施例では三つ)の脱
水タンク31,31・・・と、ガスハイドレート形成物質
であるメタンとメタンの沸点を上昇させる沸点上昇物質
であるプロパンとを混合した混合物Mを、スラリー状ガ
スハイドレートに含まれる付着水が固化しない温度圧力
条件で液化する混合物液化装置40(混合物液化手段)
と、液化した混合物Mを、混合物液化装置40から脱水
タンク31,31・・・へと供給する混合物供給装置50
(混合物供給手段)とを備えている。
【0044】ここで、複数の脱水タンク31,31・・・に
は、付着水をろ過するフィルタ32が内部を上下に二分
するようにそれぞれ設けられている。このフィルタ32
により区画された上側の部屋31aの最上部に、スラリ
ー状ガスハイドレートが注入されるガスハイドレート供
給口33が設けられている。スラリー状ガスハイドレー
トが移送される配管20は、バルブ23,23・・・(脱
水タンク選択手段)を介して脱水タンク31,31・・・
に連結されており、バルブ23の開閉が図示されぬ制御
機構により制御され、スラリー状ガスハイドレートが供
給される脱水タンク31が一つ選択されるようになって
いる。また、下側の部屋31bの最下部に、フィルタ3
2を通してろ過されてきた付着水が抜出される排水口3
4が設けられている。抜出された付着水は、排水口34
から配管35を介して抜出ポンプ36により抜出され、
配管37を通り再び貯水槽3へ送られるようになってい
る。
【0045】混合物液化装置40は、メタンとプロパン
との混合物を圧縮し、昇圧するコンプレッサー41と、
高温高圧の混合物Mを冷却し、液化する冷却器42と、
冷却器42によりバルブ43を介して輸送される液化さ
れた混合物Mを貯留する液化混合物タンク43とを備え
ている。ここで、液化混合物タンク43は、脱水タンク
31,31・・・の内部と同じ条件に保たれている。
【0046】混合物供給装置50は、液化混合物タンク
43と脱水タンク31,31・・・とを連通する配管51
と、液化混合物を圧送するよう配管51に設けられたポ
ンプ52とを有している。ここで、配管51は、バルブ
53を介して脱水タンク31の下部に設けられた混合物
供給口54に連結されている。
【0047】冷却機構Fは、沸点上昇物質であるプロパ
ンをそのまま冷媒物質として利用しており、液化混合物
Mに含まれる液化プロパンをガスハイドレートに混入す
る混合物供給装置50をそのまま冷媒物質混入手段とし
ている。脱水タンク31内の液化プロパンの温度は約1
0℃、圧力は80気圧であり、この液化プロパンをその
まま大気圧下に導くと気化するので、減圧手段として、
内部が大気圧に保たれた製品タンク61と、ガスハイド
レートを冷媒物質の液化プロパンとともに製品タンク6
1に導入する減圧注入機構62(減圧注入手段)とを備
えている。
【0048】減圧注入機構62は、ガスハイドレートが
貯えられた脱水タンク31の上側の部屋31bにバルブ
63を介して差し込まれた抽出管64と、抽出管64が
製品タンク61に連結される位置に設けられた製品タン
ク61を抽出管64から遮断し交換可能にするバルブ6
5とから構成されている。
【0049】製品タンク61の内部圧力を大気圧の状態
で一定に保つために、気化した冷媒物質のプロパンは、
バルブ71を介して製品タンク61に連結された配管7
2を通して回収され、再びコンプレッサー41に送られ
るようになっている。これらバルブ71および配管72
により冷媒物質循環機構70(冷媒物質循環手段)が構
成されている。
【0050】配管72には、この他に、付着水をガスハ
イドレートにするために消費されたガスハイドレート形
成物質のメタンを補給するため、ガス貯蔵部7からメタ
ンを輸送するための配管73がバルブ74を介して接続
されている。冷媒物質であるプロパンは図4で示される
限りでは脱水タンク31内の10℃、80気圧の条件下
でガスハイドレートを形成せず、再利用可能であるが、
実際には若干ガスハイドレートを形成して消費されるの
で、不足分を補充するためプロパン供給ボンベ75がバ
ルブ76を介してさらに接続されている。
【0051】次に、上述したガスハイドレートの製造装
置の動作、すなわち製造方法について説明する。予めガ
スハイドレート生成反応装置1内の空気をメタンガスで
置換し、次に貯水槽3からガスハイドレート生成反応装
置1内に、液面Sが液層抜出口1cより上方にくるよう
に水相Lを導入する。この水相Lは必要なら安定化剤を
含んでいてもよい。次いで、冷却コイル2によりガスハ
イドレート生成反応装置1内の水相Lをたとえば約1℃
の所定温度まで冷却し、以後この温度が維持されるよう
に温度管理を行う。
【0052】水相Lの温度が所定温度で安定したら、ガ
ス貯蔵部7内のメタンをメタン導入口1aから連続的に
気泡Kとして導入する。これによってメタンの少なくと
も一部は気泡Kの気液界面から水相Lに吸収され、水と
反応してメタンハイドレートに転化する(水和反応)。
反応によって生成したメタンハイドレートMHは、密度
が水の密度より小さいので水相L中を浮上して、液面S
上に層を形成する。このメタンハイドレート層MHは、
液層抜出口1cから抜出ポンプ22によって抜き出さ
れ、配管20を通って脱水タンク31へ送出される。こ
の時、メタンハイドレートは水とともに回収されるの
で、スラリー状になっている。液層抜出口1cからメタ
ンハイドレート層MHを抜き出すに伴って水相Lの液面
Sは下がるので、この液面Sの水準が一定に保たれるよ
うに、新たな水を貯水槽3から水供給ポンプ5を経由し
てガスハイドレート生成反応装置1内に補給する。
【0053】ガスハイドレート生成反応装置1内でメタ
ンハイドレートMHが生成すると、気体のメタンが固体
のメタンハイドレートMHになるため、内部の圧力が低
下する。一方で、メタンハイドレートを高速生成するに
は、ガスハイドレート生成反応装置1内の条件をより低
温・高圧状態にしなければならない。よって、メタンハ
イドレートの生成に伴う、ハイドレート生成容器1の圧
力低下を解消するために、ガスハイドレート生成反応装
置1内の圧力を圧力計11によって連続的に検知し、こ
れに基づいて流量調節弁10の開度を連続的に制御す
る。これにより、ガスハイドレート生成反応装置1内に
原料メタンを必要量補充して、ガスハイドレート生成反
応装置1内を一定高圧状態に保持することにより、高速
生成を達成する。
【0054】一方、水相Lに吸収されなかった未反応の
メタンガスは、液面Sから放出されガスハイドレート生
成反応装置1内に気相Gとして溜まる。スプレー手段に
よって、ガスハイドレート生成反応装置1の底部より未
反応の水を抜き出し、これを熱交換器18により過冷却
した後、スプレーノズル14によりガスハイドレート生
成反応装置1内で噴霧状にする。このように、ガスハイ
ドレート生成反応装置1内に充満したメタンガスに過冷
却された水粒子SPが多量に放出され、水粒子SPのメ
タンとの単位体積当りの接触面積を大幅に増大するとと
もに直ちに水和反応するので、メタンハイドレートが高
速度に生成される。この生成されたハイドレートは液面
Sに降下して、上述と同様に回収される。なお、ガスハ
イドレート生成反応装置1内でメタンハイドレートMH
が生成すると、大きな水和熱が発生する。一方、メタン
ハイドレートMHを高速生成するには、ハイドレート生
成容器1内の条件をより低温・高圧状態にしなければな
らない。よって、過冷却された水粒子SPをガスハイド
レート生成反応装置1内に放出することは、水和熱を効
率的に取り除くことにもなる。
【0055】なお、ガスハイドレート生成反応装置1が
大型の場合には、その底部の水が過冷却状態になってい
る可能性があるので、この水を取り出して直接、すなわ
ち、冷却することなくそのままガスハイドレート生成反
応装置1の上部にスプレーしてもよい。
【0056】上述した実施形態では、メタンの気泡Kは
水相L中を上昇するので気泡界面が高粘度の反応生成物
で覆われることなく、常に新たな水分子と接触すること
ができ、反応が促進される。この運転操作を安定した状
態で継続することにより、脱水タンク31に高濃度のメ
タンハイドレートを効率よくかつ連続的に供給すること
ができる。
【0057】スプレーノズル14より噴出された水粒子
SPの粒子径が大きいと、この水粒子の表面に生成した
メタンハイドレートがメタン供給を阻害するので、水粒
子SP全体がメタンハイドレートとなることができな
い。そこで、スプレーノズル14より水とともに気体を
噴出させて、水粒子SPの粒径を平均10μm前後に細
かくすることにより、上記のような水粒子SPのハイド
レート化反応が途中で進まなくなることを防ぐことがで
きる。前記気体としては、水やハイドレート形成物質と
反応しないような不活性ガスを挙げることができる。ス
プレーノズル14は単数に限らず、複数個設けてもよ
い。また、水粒子の粒径を平均10μm前後に細かくす
る他の方法としては、図3(b)に示すように、ガスハ
イドレート生成反応装置1内の上部に超音波振動板90
を設け、この超音波振動板90上に配管15より過冷却
水を供給して水膜91を形成し、超音波振動により水膜
91より水粒子SPを放出させてもよい。この場合、水
粒子SPの粒径がさらに均一になる上に、前記気体の噴
出による悪影響が起こらない。
【0058】一般にメタンと水との反応は、たとえば反
応温度を1℃とすると圧力が40atm以上において進
行する。反応をより高温低圧側で行いたい場合は水相L
に安定化剤を添加することが好ましい。メタンの水和反
応をより高温低圧側に移行し得る安定化剤の例として
は、たとえばイソブチルアミンやイソプロピルアミンな
どの脂肪族アミン類;1,3-ジオキソラン、テトラヒドロ
フラン、フランなどの脂環式エーテル類;シクロブタノ
ン、シクロペンタノンなどの脂環式ケトン類;アセトン
などの脂肪族ケトン類などを挙げることができる。これ
らの安定化剤は何れも分子中に炭化水素基と極性基とを
有しているので、それぞれの極性基が水分子を引き寄
せ、炭化水素基がメタン分子を引き寄せることによって
分子間距離を縮め、水和反応を促進すると考えられる。
たとえば脂肪族アミン類の添加によって10℃、2MP
aでの反応が可能となり、テトラヒドロフランの添加に
よっては10℃、1MPa以下での反応も可能となる。
これらの安定化剤は純水1000g当たり0.1〜10
モルの範囲内で添加することが好ましい。
【0059】反応温度は前記の生成平衡の関係で水相L
の氷点以上できるだけ低いほうがよい。たとえばガスハ
イドレート生成反応装置1中の水相温度は1〜5℃の範
囲内となるように制御することが好ましい。これによっ
てメタンの水中への溶解度を増大させ、かつ生成平衡圧
を低下させることができる。水とメタンとの反応は発熱
反応であって、ガスイドレート生成反応装置1中で反応
が開始されると水和熱により系内温度が上昇するので、
系内温度が常に所定範囲内に維持されるように温度制御
を行うことが好ましい。
【0060】このようにして効よく生成され、脱水冷却
装置Aへ供給されたスラリー状メタンハイドレートは、
バルブ23の開閉により選択された一の脱水タンク31
に注入される。この時脱水タンク31内の温度および圧
力は、それぞれ10℃、80気圧に保たれるよう図示さ
れぬ制御機構により調節されている。スラリー状ガスハ
イドレートが貯えられた状態で、バルブ23を閉鎖し、
下側の部屋31bを減圧すると、上側の部屋31aとの
間に圧力差を生じてスラリー状ガスハイドレートに含ま
れていた付着水がフィルタ32によりろ過され始める。
下側の部屋31bにろ過された付着水は、バルブ38を
開放し、配管35を通してポンプ36を用いて排水する
ことにより排水口34より流出する。このように、下側
の部屋31bは、常に上側の部屋31aより低圧に保た
れ、付着水が機械的に脱水除去される。付着水がろ過さ
れなくなった段階で、下側の部屋31bは、圧力調整用
のガスで満たされる。回収された水は、配管37を通り
再び貯水槽3に送られ、ガスハイドレート生成反応装置
1でのガスハイドレート生成用の水として用いられる。
ここで、一の脱水タンク31へのスラリー状ガスハイド
レートの供給が終了し、バルブ23が閉鎖された時点
で、二の脱水タンク31へのバルブ23が開放され、ガ
スハイドレート生成反応装置1より供給されるスラリー
状ガスハイドレートが連続して次の脱水タンク31に供
給される。
【0061】機械的に脱水処理されたスラリー状ガスハ
イドレートは、まだ全体の半分ほど付着水を含んでいる
ため、脱水機構Dにより、さらに付着水が除去される。
まず、ガスハイドレート形成物質のメタンとメタンの沸
点を上昇させる沸点上昇物質のプロパンとを混合し、コ
ンプレッサー41により圧縮、次に冷却器42により冷
却液化して液化混合物タンク43に貯える。このように
混合物液化装置40により液化され貯えられた混合物M
は、混合物供給装置50を用いてポンプ52により配管
51を介して脱水タンク31に送られる。この時、ガス
ハイドレートが貯えられた脱水タンク31に通じるバル
ブ53のみ開放されており、他の脱水タンク31,31
への液化混合物Mの供給は行われない。配管51は、脱
水タンク31の下側の部屋31bに通じており、圧力調
整用のガスを排除しながら次第に充填され、フィルタ3
2を通過して上側の部屋31aに進入する。フィルタ3
2上に沈殿したようになっている付着水を含むガスハイ
ドレートは、下側から供給される液化混合物Mにより逆
洗され、攪拌される。このようにして、ガスハイドレー
ト中に液化混合物Mが均一に混入され、液化混合物Mの
中に含まれる液化されたガスハイドレート形成物質メタ
ンと付着水とが反応してメタンガスハイドレートを形成
する。ガスハイドレート中に残存していた付着水はこの
ように脱水工程を施されることで次第に減少する。液化
混合物Mの供給が終了した時点で、バルブ53が閉鎖さ
れ、次の冷却工程が開始される。この時、二の脱水タン
ク31は、スラリー状ガスハイドレートの注入が終了し
た状態であり、バルブ23が閉鎖されるとともにバルブ
53が開放されて脱水工程が開始される。スラリー状ガ
スハイドレートは、続いて三の脱水タンクに供給され
る。
【0062】沸点上昇物質であるプロパンは、10℃、
80気圧という温度圧力条件下では、ガスハイドレート
を形成しない(図4参照)。ガスハイドレートが生成す
る際には生成熱が発生するため、混合物の温度は上昇し
ようとするが、混合物の温度が沸点程度に調整されてい
るため、混合物の一部が気化して気化熱を奪い、混合物
の温度はそれほど上がらない。また、同時に混合物の気
化によって脱水タンク31内の圧力が上がるため、ガス
ハイドレートの生成が大きく阻害されることはない。脱
水工程の後、残存する液体のプロパンは、続く冷却工程
において、冷媒物質として作用する。バルブ63とバル
ブ65が開放されると、ガスハイドレートが圧力差によ
り液体のプロパンおよび残存する液体メタンとともに、
配管64を通り、大気圧下に置かれた製品タンク61に
注入される。液体プロパンおよび液体メタンは、大気圧
下で直ちに気化しガスハイドレートより気化熱を奪って
ガスハイドレートを約−30℃まで冷却する。脱水タン
ク31内は、図示されぬ圧力調整機構により、常に80
気圧を維持され、液体の冷媒物質とガスハイドレートが
製品タンク61に全て押し出される。こうして、空にな
った脱水タンク31は、再びバルブ63が閉鎖され、ま
たもとのスラリー状ガスハイドレートが注入される工程
に移行する。
【0063】気化したメタンおよびプロパンは、ガスハ
イドレートとなって消費された分をガス貯蔵部7および
プロパン供給ボンベ75から補充され、混合物液化装置
40のコンプレッサー41に送られ再び液化工程を施さ
れる。
【0064】製品タンク61には、複数の脱水タンク3
1,31・・・から次々に連続してガスハイドレートが送
りこまれる。製品タンク61にガスハイドレートが満た
されると、製品タンク61は、混合物液化装置40と減
圧注入機構62から切り離され、図示されぬ搬送手段に
より所定の貯蔵施設へ搬送される。混合物液化装置40
と減圧注入機構62には、次の空の製品タンク61が接
続され、引き続きガスハイドレートが貯蔵される。
【0065】図1に示される脱水冷却装置Aによれば、
メタンとプロパンを混合することにより、スラリー状ガ
スハイドレートの温度圧力条件でメタンを液化させるこ
とが容易にでき、液体のガスハイドレート形成物質をス
ラリー状ガスハイドレートに混入することにより、双方
液体の状態でガスハイドレート形成物質と付着水とから
ガスハイドレートを生成することができる。こうして、
付着水がガスハイドレートを形成することで消費され、
機械的な脱水工程に比較して、効率的に脱水を行うこと
ができる。
【0066】また、液体メタンの生成のために沸点上昇
物質として用いられたプロパンは、冷媒物質として作用
し、前記混合物混入工程において、均一にガスハイドレ
ートの中に混入させることができる。この状態で、大気
圧下の製品タンク61へのバルブを開放すると、液体の
プロパンとガスハイドレートが製品タンク61に放出さ
れ、プロパンが気化してガスハイドレートが冷却される
が、プロパンとガスハイドレートが直接接触し、接触面
積が大きい状態で大きな気化熱を奪うので、冷却効率を
向上させることができる。さらに、特別に冷却装置を設
けたりする必要がなく、工程を簡略化できるだけでな
く、コストを削減することもできる。
【0067】このように、脱水・冷却・減圧の工程を一
つの脱水タンクを用いてシステム化することができ、経
済的である。
【0068】また、複数の脱水タンク31,31・・・を
設けたことにより、それぞれの工程をそれぞれの脱水タ
ンク31で独立して同時に行うことができ、連続的にガ
スハイドレートの脱水冷却処理を行うことができる。こ
のため処理効率が向上する。
【0069】加えて、沸点上昇物質であり、かつ、冷媒
物質であるプロパンは、天然ガスに含まれているもので
あり、容易に入手可能である。
【0070】ガスハイドレートの充填された製品タンク
61は、スラリーや粉体と比較して取扱いが容易で、貯
蔵施設やコンテナ等の輸送手段にも無駄な空間を形成す
ることなく効率よく積み重ねることができる。
【0071】
【発明の効果】上述した本発明のガスハイドレート処理
装置によれば、以下に記載するような効果を奏する。
【0072】本発明によれば、ガスハイドレート形成物
質と沸点上昇物質を混合することにより、スラリー状ガ
スハイドレートの温度圧力条件でガスハイドレート形成
物質を液化させることができ、液体のガスハイドレート
形成物質をスラリー状ガスハイドレートに混入すること
により、いわば分子単位でガスハイドレート形成物質と
付着水とを接触させガスハイドレートを効率的に生成す
ることができる。このため、機械的な脱水工程に比較し
て、脱水効率が向上する。
【0073】また、本発明によれば、液体の冷媒物質を
均一にガスハイドレートの中に混入させるのでガスハイ
ドレートと冷媒物質との接触面積が大きくなる。また、
冷媒物質がガスハイドレートに直接接触した状態で気化
してガスハイドレートから気化熱を奪うので、ガスハイ
ドレートが効率的に冷却される。このようにしてガスハ
イドレートの冷却効率を向上させることができる。
【0074】また、本発明によれば、液体のガスハイド
レート形成物質生成のために用いられた沸点上昇物質
は、冷媒物質として作用し、混合物混入工程において、
均一にガスハイドレートの中に混入させることができ、
工程を簡略化することができる。そして、ひとつの脱水
タンクを用いてスラリー状ガスハイドレートを脱水し、
かつ、冷却しながらガスハイドレートを大気下に取り出
すことができるので、ガスハイドレート製造プラントに
おける設備の建設費を低減できる。このため、イニシャ
ルコストの大幅な低下により、ガスハイドレートの製造
コストを大きく下げることが可能になる。
【0075】また、本発明によれば、複数の脱水タンク
を用いてガスハイドレートの注入、脱水、冷却・減圧の
工程を別々の脱水タンクでそれぞれ独立に同時に行うこ
とができ、ガスハイドレートを連続して処理することが
できる。
【0076】また、本発明によれば、内部が大気圧に保
たれた製品タンクへのバルブを開放すると、脱水タンク
と製品タンクの圧力差により、ガスハイドレートが冷媒
物質とともに製品タンクに押し出されるように注入され
る。注入されると同時に、冷媒物質が気化してガスハイ
ドレートが冷却される。したがって、大気圧下で冷媒物
質を気化させる他に冷却装置を設けたりする必要がな
く、工程を簡略化できるだけでなく、コストも削減する
ことができる。
【0077】また、本発明によれば、気化した冷媒物質
を回収することができ、経済的である。
【0078】また、本発明によれば、フィルタによる一
次脱水により、付着水の量を少なくすることができ、消
費される液体のガスハイドレート形成物質の量を削減す
ることができる。
【0079】また、本発明によれば、ガスハイドレート
を攪拌するようにして、混合物を混入するので、効率的
に脱水工程、冷媒物質混入工程を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるガスハイドレート処理装置の一
実施形態を示す構成図である。
【図2】 図1のガスハイドレート処理装置を組み込ん
だガスハイドレートの製造装置の構成例を示す図であ
る。
【図3】 (a)は図2に示したスプレー手段の拡大
図、(b)はスプレー手段の他の形態を示す図である。
【図4】 ハイドレートの生成平衡線図である。
【図5】 ハイドレートの分子構造を示す図である。
【符号の説明】
A・・・ガスハイドレート処理装置 D・・・脱水機構(脱水手段) F・・・冷却機構(冷却手段) 31・・・脱水タンク 31a,31b・・・部屋 32・・・フィルタ 33・・・ガスハイドレート供給口 34・・・排水口 40・・・混合物液化装置(混合物液化手段) 50・・・混合物供給装置(混合物供給手段) 54・・・混合物供給口 62・・・減圧注入機構(減圧注入手段) 70・・・冷媒物質循環機構(冷媒物質循環手段)
フロントページの続き (72)発明者 北 吉博 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 江間 晴彦 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 渡部 正治 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 近藤 雄一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 藤田 尚義 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 遠藤 仁 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD40

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスハイドレート形成物質を水和させて
    生成された付着水を含むスラリー状ガスハイドレートの
    該付着水を除去する脱水工程を有するガスハイドレート
    処理方法であって、 前記脱水工程は、 前記ガスハイドレート形成物質と前記ガスハイドレート
    形成物質の沸点を上昇させる沸点上昇物質とを混合した
    混合物を、付着水が固化しない温度圧力条件で液化する
    混合物液化工程と、 液化した前記混合物を前記スラリー状ガスハイドレート
    に混入する混合物混入工程と、 液化した前記混合物に含まれる液体の前記ガスハイドレ
    ート形成物質と前記付着水とを反応させてガスハイドレ
    ートを生成するガスハイドレート生成工程とを有するこ
    とを特徴とするガスハイドレート処理方法。
  2. 【請求項2】 ガスハイドレート形成物質を水和させて
    生成されたガスハイドレートを冷却する冷却工程を有す
    るガスハイドレート処理方法であって、 前記冷却工程は、 前記ガスハイドレートの付着水が固化しない温度圧力条
    件で液体状の冷媒物質を前記ガスハイドレートに混入す
    る冷媒物質混入工程と、 混入した前記冷媒物質が気化するように減圧する減圧工
    程とを有することを特徴とするガスハイドレート処理方
    法。
  3. 【請求項3】 ガスハイドレート形成物質を水和させて
    生成された付着水を含むスラリー状ガスハイドレートの
    該付着水を除去する脱水工程と、前記ガスハイドレート
    を冷却する冷却工程を有するガスハイドレート処理方法
    であって、 前記脱水工程は、 前記ガスハイドレート形成物質と前記ガスハイドレート
    形成物質の沸点を上昇させる沸点上昇物質とを混合した
    混合物を、付着水が固化しない温度圧力条件で液化する
    混合物液化工程と、 液化した前記混合物を前記スラリー状ガスハイドレート
    に混入する混合物混入工程と、 液化した前記混合物に含まれる液体の前記ガスハイドレ
    ート形成物質と前記付着水とを反応させてガスハイドレ
    ートを生成するガスハイドレート生成工程とを有し、 前記冷却工程は、 前記ガスハイドレートの付着水が固化しない温度圧力条
    件で液体状の冷媒物質を前記ガスハイドレートに混入す
    る冷媒物質混入工程と、 混入した前記冷媒物質が気化するように減圧する減圧工
    程とを有し、 前記沸点上昇物質が前記冷媒物質とされ、 前記混合物混入工程により前記冷媒物質混入工程がなさ
    れることを特徴とするガスハイドレート処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載された
    ガスハイドレート処理方法であって、 前記ガスハイドレート形成物質をメタンとし、前記沸点
    上昇物質もしくは前記冷媒物質をプロパンとすることを
    特徴とするガスハイドレート処理方法。
  5. 【請求項5】 ガスハイドレート形成物質を水和させて
    生成された付着水を含むスラリー状ガスハイドレートの
    該付着水を除去する脱水手段を備えるガスハイドレート
    処理装置であって、 前記脱水手段は、ガスハイドレート供給口より注入され
    る前記スラリー状ガスハイドレートが貯えられる脱水タ
    ンクと、 前記ガスハイドレート形成物質と前記ガスハイドレート
    形成物質の沸点を上昇させる沸点上昇物質とを混合した
    混合物を、前記付着水が固化しない温度圧力条件で液化
    する混合物液化手段と、 液化した前記混合物を、前記混合物液化手段から前記脱
    水タンクへと供給する混合物供給手段とを備えてなるこ
    とを特徴とするガスハイドレート処理装置。
  6. 【請求項6】 ガスハイドレート形成物質を水和させて
    生成されたガスハイドレートを冷却する冷却手段を備え
    るガスハイドレート処理装置であって、 前記冷却手段は、前記ガスハイドレートの付着水が固化
    しない温度圧力条件で液体となる冷媒物質を前記ガスハ
    イドレートに混入する冷媒物質混入手段と、 前記冷媒物質が気化するように圧力を減圧する減圧手段
    とを備えてなることを特徴とするガスハイドレート処理
    装置。
  7. 【請求項7】 ガスハイドレート形成物質を水和させて
    生成された付着水を含むスラリー状ガスハイドレートの
    該付着水を除去する脱水手段と、前記ガスハイドレート
    を冷却する冷却手段を備えるガスハイドレート処理装置
    であって、 前記脱水手段は、ガスハイドレート供給口より注入され
    る前記スラリー状ガスハイドレートが貯えられる脱水タ
    ンクと、前記ガスハイドレート形成物質と前記ガスハイ
    ドレート形成物質の沸点を上昇させる沸点上昇物質とを
    混合した混合物を、前記付着水が固化しない温度圧力条
    件で液化する混合物液化手段と、 液化した前記混合物を、前記混合物液化手段から前記脱
    水タンクへと供給する混合物供給手段とを備え、 前記冷却手段は、前記ガスハイドレートの付着水が固化
    しない温度圧力条件で液体となる冷媒物質を前記ガスハ
    イドレートに混入する冷媒物質混入手段と、 前記冷媒物質が気化するように圧力を減圧する減圧手段
    とを備え、 前記沸点上昇物質が前記冷媒物質とされ、 前記混合物供給手段が前記冷媒物質混入手段とされるよ
    う構成されていることを特徴とするガスハイドレート処
    理装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のガスハイドレート処理装
    置であって、 前記脱水タンクが複数設けられ、 前記複数の脱水タンクの一つを選択して前記スラリー状
    ガスハイドレートを注入する脱水タンク選択手段が備え
    られてなることを特徴とするガスハイドレート処理装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項6から8のいずれかに記載のガス
    ハイドレート処理装置であって、 前記減圧手段は、前記冷媒物質が気化する内部圧力に保
    たれた製品タンクと、前記冷媒物質の混入された前記ガ
    スハイドレートを前記製品タンクに注入する減圧注入手
    段とを備えてなることを特徴とするガスハイドレート処
    理装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のガスハイドレート処
    理装置であって、 前記製品タンクの前記内部圧力は、大気圧に保たれてい
    ることを特徴とするガスハイドレート処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項7から10のいすれかに記載さ
    れたガスハイドレート処理装置であって、 前記気化した冷媒物質を回収し、混合物液化手段に供給
    する冷媒物質循環手段が設けられていることを特徴とす
    るガスハイドレート処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項5および7から11のいずれか
    に記載されたガスハイドレート処理装置であって、 前記脱水タンクには、前記スラリー状ガスハイドレート
    に含まれる付着水をろ過するフィルタが前記脱水タンク
    の内部を複数の部屋に区画するよう設けられ、 前記ガスハイドレート供給口が前記各部屋のうちの一の
    部屋に設けられ、前記ろ過された付着水を抜出する排水
    口が他の部屋に設けられていることを特徴とするガスハ
    イドレート処理装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のガスハイドレート処
    理装置であって、 前記混合物供給手段は、液化した前記混合物を前記脱水
    タンクに注入する混合物供給口を、前記排水口の設けら
    れた部屋に備えていることを特徴とするガスハイドレー
    ト処理装置。
JP2000131687A 2000-04-28 2000-04-28 ガスハイドレート処理方法および処理装置 Withdrawn JP2001316684A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000131687A JP2001316684A (ja) 2000-04-28 2000-04-28 ガスハイドレート処理方法および処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000131687A JP2001316684A (ja) 2000-04-28 2000-04-28 ガスハイドレート処理方法および処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001316684A true JP2001316684A (ja) 2001-11-16

Family

ID=18640548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000131687A Withdrawn JP2001316684A (ja) 2000-04-28 2000-04-28 ガスハイドレート処理方法および処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001316684A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005263675A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd ガスハイドレートの製造方法及び装置
JP2006194549A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 冷却システム
JP2007131686A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Chubu Electric Power Co Inc ガスハイドレートペレットの払い出し方法及び装置
CN108387704A (zh) * 2018-01-25 2018-08-10 广州海洋地质调查局 液氮冷冻天然气水合物样品的分解和燃烧装置及其方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005263675A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd ガスハイドレートの製造方法及び装置
JP2006194549A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 冷却システム
JP4599178B2 (ja) * 2005-01-17 2010-12-15 三井造船株式会社 冷却システム
JP2007131686A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Chubu Electric Power Co Inc ガスハイドレートペレットの払い出し方法及び装置
CN108387704A (zh) * 2018-01-25 2018-08-10 广州海洋地质调查局 液氮冷冻天然气水合物样品的分解和燃烧装置及其方法
CN108387704B (zh) * 2018-01-25 2024-03-19 广州海洋地质调查局 液氮冷冻天然气水合物样品的分解和燃烧装置及其方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050107648A1 (en) Gas hydrate production device and gas hydrate dehydrating device
JP2001342473A (ja) ガスハイドレート製造装置およびガスハイドレート脱水装置
JP2008221140A (ja) 天然ガスハイドレート分解ガス及び淡水併給設備
US7591138B2 (en) Process for producing slush fluid and apparatus therefor
JP2003105362A (ja) 天然ガスハイドレートの生成方法および生成システム
JP2005248124A (ja) ガスハイドレートの製造方法及び装置
JP5052386B2 (ja) ガスハイドレートの製造装置
JP2002356685A (ja) ガスハイドレート製造方法および製造装置
JP2001316684A (ja) ガスハイドレート処理方法および処理装置
JP5106727B2 (ja) ガスハイドレートスラリー脱水装置
JP2006241188A (ja) 天然ガスハイドレート生成システムおよびその生成方法
JP2003041276A (ja) 天然ガス水和物の脱水方法および脱水システム、ならびに天然ガス水和物の遠心脱水装置
JP4638706B2 (ja) ガスハイドレート製造方法
JP4216396B2 (ja) ガスハイドレートの連続製造装置
JP2002038171A (ja) ハイドレートの製造方法および製造装置、天然ガスの貯蔵方法
JP2001342472A (ja) ガスハイドレートの製造方法および製造装置
JP2003138279A (ja) ガスハイドレート生成装置
JPH06511500A (ja) 輸送及び貯蔵のためのガス水和物の製造方法
JP2003055675A (ja) ガスハイドレートの生成方法および生成装置、ならびにガスハイドレートの生成システム
RU2360193C1 (ru) Способ производства шуги и устройство для осуществления этого способа
JP2000256226A (ja) ハイドレートの製造方法および製造装置
JP2001279279A (ja) ガスハイドレート製造装置及び多段ガスハイドレート製造装置
JP2005232301A (ja) ハイドレート生成方法および生成装置
JP2000264851A (ja) ハイドレートの製造方法および製造装置
WO1994000713A1 (en) Method and plant for converting gas into hydrate

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703