JP2000256226A - ハイドレートの製造方法および製造装置 - Google Patents
ハイドレートの製造方法および製造装置Info
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- JP2000256226A JP2000256226A JP11069290A JP6929099A JP2000256226A JP 2000256226 A JP2000256226 A JP 2000256226A JP 11069290 A JP11069290 A JP 11069290A JP 6929099 A JP6929099 A JP 6929099A JP 2000256226 A JP2000256226 A JP 2000256226A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ハイドレート形成物質と水とを効率的に反応
させて高濃度のハイドレートを高速に生成しかつ回収す
る製造方法、およびその製造装置を提供する。 【解決手段】 ハイドレート生成容器1内で水とハイド
レート形成物質(例えばメタン)とをハイドレート生成
容器1内で反応させてハイドレートを製造するに際し
て、水相Lにメタンを気泡Kとして供給することによ
り、メタンの一部はその気泡Kの気液界面から水相Lに
吸収され、水と反応してメタンハイドレートMHに転化
し、このハイドレートMHは、密度が水の密度より小さ
いので水相L中を浮上する。この高濃度のメタンハイド
レート層MHを、ハイドレート生成容器1に設けた液層
抜出口1cより水とともに抜出すことにより、輸送物量
が大きく効率的に回収できる。
させて高濃度のハイドレートを高速に生成しかつ回収す
る製造方法、およびその製造装置を提供する。 【解決手段】 ハイドレート生成容器1内で水とハイド
レート形成物質(例えばメタン)とをハイドレート生成
容器1内で反応させてハイドレートを製造するに際し
て、水相Lにメタンを気泡Kとして供給することによ
り、メタンの一部はその気泡Kの気液界面から水相Lに
吸収され、水と反応してメタンハイドレートMHに転化
し、このハイドレートMHは、密度が水の密度より小さ
いので水相L中を浮上する。この高濃度のメタンハイド
レート層MHを、ハイドレート生成容器1に設けた液層
抜出口1cより水とともに抜出すことにより、輸送物量
が大きく効率的に回収できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドレート形成
物質(例えばメタン)と水とを反応させて高濃度のハイ
ドレートを効率よく製造する方法およびその製造装置に
関する。
物質(例えばメタン)と水とを反応させて高濃度のハイ
ドレートを効率よく製造する方法およびその製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】メタンなどの天然ガス成分は、寒冷地の
地下などに水和物として大量に分布することが知られて
いる。これらの水和物は低温高圧の条件下に安定に存在
しているので次世代の天然ガス源として期待されてい
る。特にメタンの水和物(以下「メタンハイドレート」
と記す)は、水分子が立体状に配列されて構成されたか
ごの中にメタン分子が入った包接化合物(クラスレー
ト)の一種で、水和物かご体中のメタンの分子間距離が
高圧充填のガスボンベ中における分子間距離よりも短
く、緊密充填状態となっているので水和状態での貯蔵・
輸送が期待されるとともに、メタンと水との反応が可逆
平衡反応であり、大きな水和熱が発生するところから、
蓄熱材や冷凍機・ヒートポンプなどへの応用も検討され
ている。
地下などに水和物として大量に分布することが知られて
いる。これらの水和物は低温高圧の条件下に安定に存在
しているので次世代の天然ガス源として期待されてい
る。特にメタンの水和物(以下「メタンハイドレート」
と記す)は、水分子が立体状に配列されて構成されたか
ごの中にメタン分子が入った包接化合物(クラスレー
ト)の一種で、水和物かご体中のメタンの分子間距離が
高圧充填のガスボンベ中における分子間距離よりも短
く、緊密充填状態となっているので水和状態での貯蔵・
輸送が期待されるとともに、メタンと水との反応が可逆
平衡反応であり、大きな水和熱が発生するところから、
蓄熱材や冷凍機・ヒートポンプなどへの応用も検討され
ている。
【0003】一方では、前記のように様々な応用が期待
されていることから、天然資源に依存するばかりでなく
メタンハイドレートを効率よく合成しようとする研究も
進められている。しかしメタンハイドレートは一般に、
例えば15℃で安定に存在し得る圧力が100kg/c
m2以上であるように安定に存在するには低温・高圧が
必要で取扱いが難しい。そこでメタンハイドレートの生
成平衡が少しでも高温低圧側に移行するように各種の安
定剤が探索され、例えばイソブチルアミンやイソプロピ
ルアミンなど脂肪族アミン(特公昭53−1508号公
報参照)や、1,3-ジオキソラン、シクロブタノン、
テトラヒドロフラン、シクロペンタノン、アセトンなど
(横井誠一他,日本化学会誌,1993,(4),P.387〜39
4)が安定化剤として有効なことが見出された。
されていることから、天然資源に依存するばかりでなく
メタンハイドレートを効率よく合成しようとする研究も
進められている。しかしメタンハイドレートは一般に、
例えば15℃で安定に存在し得る圧力が100kg/c
m2以上であるように安定に存在するには低温・高圧が
必要で取扱いが難しい。そこでメタンハイドレートの生
成平衡が少しでも高温低圧側に移行するように各種の安
定剤が探索され、例えばイソブチルアミンやイソプロピ
ルアミンなど脂肪族アミン(特公昭53−1508号公
報参照)や、1,3-ジオキソラン、シクロブタノン、
テトラヒドロフラン、シクロペンタノン、アセトンなど
(横井誠一他,日本化学会誌,1993,(4),P.387〜39
4)が安定化剤として有効なことが見出された。
【0004】前記のメタンハイドレートの合成に際し
て、従来は一般に例えば図9に示す装置が用いられてい
た。図9においてこのメタンハイドレート合成装置は、
耐圧容器150に水相注入管151、メタンガスを導入
するメタン導入管152、排出口153、および攪拌羽
根154が装着され、この耐圧容器150が恒温槽15
5に浸漬されて構成されている。この合成装置には容器
内の気相温度T1計測器、液相温度T2計測器、容器圧力
P計測器、攪拌羽根154の回転数R計測器、および恒
温槽155の温度T3計測器が設定されている。
て、従来は一般に例えば図9に示す装置が用いられてい
た。図9においてこのメタンハイドレート合成装置は、
耐圧容器150に水相注入管151、メタンガスを導入
するメタン導入管152、排出口153、および攪拌羽
根154が装着され、この耐圧容器150が恒温槽15
5に浸漬されて構成されている。この合成装置には容器
内の気相温度T1計測器、液相温度T2計測器、容器圧力
P計測器、攪拌羽根154の回転数R計測器、および恒
温槽155の温度T3計測器が設定されている。
【0005】前記の装置を用いてメタンハイドレートを
合成するには、例えば、先ず耐圧容器150内にメタン
導入管152からメタンガスを導入して容器内の空気を
排除し、次いで水相注入管151から所定濃度の安定化
剤を含む水溶液を水相として注入し、恒温槽155によ
って所定温度に安定化させる。攪拌羽根154による攪
拌下にメタン導入管152からメタンガスを所定圧にな
るまで導入する。この状態で攪拌を続けると、水和反応
が起こって容器内の圧力Pが降下すると共に水和熱によ
り液相温度T2が上昇する。必要なら排気口153から
メタンガスの一部を排気することによって容器内圧力を
調整し、恒温槽155中で液相温度T2と気相温度T1と
が一致するまで静置すると、温度T2における生成平衡
圧力Pを有するメタンハイドレートが液相として得られ
る。
合成するには、例えば、先ず耐圧容器150内にメタン
導入管152からメタンガスを導入して容器内の空気を
排除し、次いで水相注入管151から所定濃度の安定化
剤を含む水溶液を水相として注入し、恒温槽155によ
って所定温度に安定化させる。攪拌羽根154による攪
拌下にメタン導入管152からメタンガスを所定圧にな
るまで導入する。この状態で攪拌を続けると、水和反応
が起こって容器内の圧力Pが降下すると共に水和熱によ
り液相温度T2が上昇する。必要なら排気口153から
メタンガスの一部を排気することによって容器内圧力を
調整し、恒温槽155中で液相温度T2と気相温度T1と
が一致するまで静置すると、温度T2における生成平衡
圧力Pを有するメタンハイドレートが液相として得られ
る。
【0006】また、ハイドレート形成物質であるエタン
の気相中に水を噴霧して大きな接触面積で接触させるこ
とにより、ハイドレートを生成する技術が提案されてい
る(INTERNATIONAL CONFERENCE ON NATURAL GAS HYDRAT
ES(JUNE 2-6,1996 TOULOUSEFRANCE))。
の気相中に水を噴霧して大きな接触面積で接触させるこ
とにより、ハイドレートを生成する技術が提案されてい
る(INTERNATIONAL CONFERENCE ON NATURAL GAS HYDRAT
ES(JUNE 2-6,1996 TOULOUSEFRANCE))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した図9に示した
従来のメタンハイドレートの製造方法には、以下のよう
な問題があった。先ず、メタンと水との反応は先ず気液
界面でメタンが水相に吸収されることによって起こる
が、一方、図10に示すように、反応によって生成した
メタンハイドレートMHは密度が水の密度より小さく
(理論密度0.915g/cm2)、液相L(水相)の
液面付近に浮上してメタンハイドレート層を形成するの
で、気相Gと液相Lの界面におけるメタンMの吸収が生
成物によって妨害されることになる。またメタンハイド
レートの生成に伴って液相Lの粘度が上昇し攪拌効果も
低下する。この結果、高濃度のメタンハイドレートを得
ることが困難になる。
従来のメタンハイドレートの製造方法には、以下のよう
な問題があった。先ず、メタンと水との反応は先ず気液
界面でメタンが水相に吸収されることによって起こる
が、一方、図10に示すように、反応によって生成した
メタンハイドレートMHは密度が水の密度より小さく
(理論密度0.915g/cm2)、液相L(水相)の
液面付近に浮上してメタンハイドレート層を形成するの
で、気相Gと液相Lの界面におけるメタンMの吸収が生
成物によって妨害されることになる。またメタンハイド
レートの生成に伴って液相Lの粘度が上昇し攪拌効果も
低下する。この結果、高濃度のメタンハイドレートを得
ることが困難になる。
【0008】また、メタン導入管からのメタンガスの導
入に伴って液相L中のメタンハイドレートの濃度は上昇
するが、反応により液相Lに残存する水の割合は減少す
るので、その温度と圧力において生成平衡に達するとそ
れ以上は反応が進まなくなり、この点でも高濃度のメタ
ンハイドレートを得ることができない。
入に伴って液相L中のメタンハイドレートの濃度は上昇
するが、反応により液相Lに残存する水の割合は減少す
るので、その温度と圧力において生成平衡に達するとそ
れ以上は反応が進まなくなり、この点でも高濃度のメタ
ンハイドレートを得ることができない。
【0009】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、ハイドレート形成物質と水
とを効率的に反応させて高濃度のハイドレートを効率よ
く高速に生成し、かつ効率よく回収することができる製
造方法とその製造装置とを提供することを目的としてい
る。
鑑みてなされたものであり、ハイドレート形成物質と水
とを効率的に反応させて高濃度のハイドレートを効率よ
く高速に生成し、かつ効率よく回収することができる製
造方法とその製造装置とを提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、ハイドレート生成容器内で水とハイドレー
ト形成物質とを水和反応させてハイドレートを製造する
方法において、前記ハイドレート生成容器内の水相にハ
イドレート形成物質を気泡として供給するとともに、生
成されて水相の液面近傍に浮かぶハイドレート層を水と
ともに回収することを特徴とするものである。
の本発明は、ハイドレート生成容器内で水とハイドレー
ト形成物質とを水和反応させてハイドレートを製造する
方法において、前記ハイドレート生成容器内の水相にハ
イドレート形成物質を気泡として供給するとともに、生
成されて水相の液面近傍に浮かぶハイドレート層を水と
ともに回収することを特徴とするものである。
【0011】この発明においては、ハイドレート生成容
器内の水相を例えば1〜5℃の所定温度範囲まで冷却
し、以後この温度が維持されるように温度管理を行う。
水相の温度が所定温度で安定したら、ハイドレート形成
物質としての例えばメタンを液相の下部に連続的に気泡
として導入する。これによってメタンの少なくとも一部
は気泡の気液界面から水相に吸収され、水と反応してメ
タンハイドレートに転化する。反応によって生成したメ
タンハイドレートは、密度が水の密度より小さいので水
相中を浮上し、液面近傍に集積してメタンハイドレート
層を形成する。この系では、メタンの気泡は水相中を上
昇するので気泡界面が高粘度の反応生成物で覆われるこ
となく、常に新たな水分子と接触することができ、反応
が促進される。生成したメタンハイドレート層を水とと
もに抜出すことにより、輸送物量が大きく効率的に回収
できる。このような運転操作を安定した状態で継続する
ことにより、高濃度のメタンハイドレートを効率よくか
つ連続的に回収することができる。
器内の水相を例えば1〜5℃の所定温度範囲まで冷却
し、以後この温度が維持されるように温度管理を行う。
水相の温度が所定温度で安定したら、ハイドレート形成
物質としての例えばメタンを液相の下部に連続的に気泡
として導入する。これによってメタンの少なくとも一部
は気泡の気液界面から水相に吸収され、水と反応してメ
タンハイドレートに転化する。反応によって生成したメ
タンハイドレートは、密度が水の密度より小さいので水
相中を浮上し、液面近傍に集積してメタンハイドレート
層を形成する。この系では、メタンの気泡は水相中を上
昇するので気泡界面が高粘度の反応生成物で覆われるこ
となく、常に新たな水分子と接触することができ、反応
が促進される。生成したメタンハイドレート層を水とと
もに抜出すことにより、輸送物量が大きく効率的に回収
できる。このような運転操作を安定した状態で継続する
ことにより、高濃度のメタンハイドレートを効率よくか
つ連続的に回収することができる。
【0012】ここで、請求項2の発明は、回収したハイ
ドレートより水分を除去することにより、ハイドレート
の表面に氷皮を形成するために適切な水分を含んだスラ
リー状にし、このスラリー状のハイドレートの雰囲気を
断熱膨張的に減圧することにより、各ハイドレートの表
面に氷皮を形成することが好ましい。なお、回収したハ
イドレートより水分を除去するが、ハイドレート表面に
氷皮を形成できる程度の水分を残存させておくことが必
要であり、本発明における水分の除去とは、このことを
意味する。
ドレートより水分を除去することにより、ハイドレート
の表面に氷皮を形成するために適切な水分を含んだスラ
リー状にし、このスラリー状のハイドレートの雰囲気を
断熱膨張的に減圧することにより、各ハイドレートの表
面に氷皮を形成することが好ましい。なお、回収したハ
イドレートより水分を除去するが、ハイドレート表面に
氷皮を形成できる程度の水分を残存させておくことが必
要であり、本発明における水分の除去とは、このことを
意味する。
【0013】水相に吸収されなかった未反応のメタンガ
スは、液面から放出されハイドレート生成容器内の特に
頂部に気相として溜まる。そこで、請求項3の発明のよ
うに、この気相に、水を噴霧状にスプレーすることによ
り、水の単位体積あたりの表面積を大きくして、水とメ
タンの接触面積を大幅に増大させ、メタンハイドレート
の生成速度をさらに向上させることができる。生成され
たハイドレートは液面に落下して回収される。
スは、液面から放出されハイドレート生成容器内の特に
頂部に気相として溜まる。そこで、請求項3の発明のよ
うに、この気相に、水を噴霧状にスプレーすることによ
り、水の単位体積あたりの表面積を大きくして、水とメ
タンの接触面積を大幅に増大させ、メタンハイドレート
の生成速度をさらに向上させることができる。生成され
たハイドレートは液面に落下して回収される。
【0014】また、請求項1記載の製造方法を実施する
ための製造装置としては、請求項4のように、内部の温
度および圧力をハイドレート生成条件下に設定されるハ
イドレート生成容器と、該ハイドレート生成容器内に水
を供給するための水供給手段と、前記ハイドレート生成
容器内の水相にハイドレート形成物質からなるガスを供
給するためのハイドレート形成物質供給手段と、生成さ
れて前記水相の液面近傍に浮上したハイドレートを回収
するためのハイドレート回収手段と、を備えていること
を特徴とするものである。ここで、前記ハイドレート回
収手段は、前記ハイドレート生成容器の水相の液面近傍
に設けられた液層抜出口に、配管の一端が接続され、こ
の配管にポンプが配設された構成になっている。
ための製造装置としては、請求項4のように、内部の温
度および圧力をハイドレート生成条件下に設定されるハ
イドレート生成容器と、該ハイドレート生成容器内に水
を供給するための水供給手段と、前記ハイドレート生成
容器内の水相にハイドレート形成物質からなるガスを供
給するためのハイドレート形成物質供給手段と、生成さ
れて前記水相の液面近傍に浮上したハイドレートを回収
するためのハイドレート回収手段と、を備えていること
を特徴とするものである。ここで、前記ハイドレート回
収手段は、前記ハイドレート生成容器の水相の液面近傍
に設けられた液層抜出口に、配管の一端が接続され、こ
の配管にポンプが配設された構成になっている。
【0015】請求項2の製造方法を実施するための製造
装置としは、請求項6のように、前記ポンプの後段に、
前記回収したハイドレートより水分を除去するための遠
心分離器と、このスラリー状のハイドレートの雰囲気を
断熱膨張的に減圧することにより、各ハイドレートの表
面に氷皮を形成するための減圧容器とが設けられている
ものがあり、請求項3の製造方法を実施するための製造
装置としは、請求項7のように、ハイドレート形成物質
からなる気相に、水を噴霧状にスプレーするためのスプ
レー手段を備えているものがある。
装置としは、請求項6のように、前記ポンプの後段に、
前記回収したハイドレートより水分を除去するための遠
心分離器と、このスラリー状のハイドレートの雰囲気を
断熱膨張的に減圧することにより、各ハイドレートの表
面に氷皮を形成するための減圧容器とが設けられている
ものがあり、請求項3の製造方法を実施するための製造
装置としは、請求項7のように、ハイドレート形成物質
からなる気相に、水を噴霧状にスプレーするためのスプ
レー手段を備えているものがある。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態で
は、ハイドレート形成物質がメタンガスで、一貫してメ
タンハイドレートを製造する装置および方法について説
明するが、ハイドレート形成物質としてはメタンガスに
限らず、エタン、プロパン、ブタン、クリプトン、キセ
ノン、および二酸化炭素等もある。なお、メタンハイド
レートMHは、図4(a),(b)に示すように、水分
子Wが格子状(例えば12面体、14面体)に配列され
て構成されたかごの中にメタン分子Mが入った包接化合
物(クラスレート)の一種であり、例えば以下の反応式
に基づいて生成される。また、メタンハイドレートMH
が分解すると、メタンハイドレートの体積1に対し、約
0.9の水と標準状態で約170のメタンガスになる。 CH4+5.7H2O→CH4・5.7H2O+水和熱
図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態で
は、ハイドレート形成物質がメタンガスで、一貫してメ
タンハイドレートを製造する装置および方法について説
明するが、ハイドレート形成物質としてはメタンガスに
限らず、エタン、プロパン、ブタン、クリプトン、キセ
ノン、および二酸化炭素等もある。なお、メタンハイド
レートMHは、図4(a),(b)に示すように、水分
子Wが格子状(例えば12面体、14面体)に配列され
て構成されたかごの中にメタン分子Mが入った包接化合
物(クラスレート)の一種であり、例えば以下の反応式
に基づいて生成される。また、メタンハイドレートMH
が分解すると、メタンハイドレートの体積1に対し、約
0.9の水と標準状態で約170のメタンガスになる。 CH4+5.7H2O→CH4・5.7H2O+水和熱
【0017】図1は本発明のハイドレートの製造装置の
一実施形態の構成図である。符号1は密閉されたハイド
レート生成容器(反応容器)であり、このハイドレート
生成容器1内には、冷却手段(温度制御手段)としての
例えば冷却コイル8が挿入されている。これにより、ハ
イドレート生成容器1内の後述する水相Lをハイドレー
ト生成温度範囲(例えば1〜5℃)内の例えば約1℃に
冷却保持できるようになっている。メタンハイドレート
MHの生成の際には水和熱が発生し、一方、メタンハイ
ドレートMHは低温・高圧状態でなければ生成しないの
で、前記のようにハイドレート生成容器1に冷却手段を
設けて、常に冷却することが好ましい。冷却手段として
冷却コイル8を用いたが、もちろんこれに限定されるも
のではない。例えばハイドレート生成容器1を冷却ジャ
ケットで囲み、この冷却ジャケットに、ブラインタンク
よりブラインを供給して循環させたり、ハイドレート生
成容器1内にラジエターを挿入してもよく、またはこれ
らを組合せて用いてもよい。
一実施形態の構成図である。符号1は密閉されたハイド
レート生成容器(反応容器)であり、このハイドレート
生成容器1内には、冷却手段(温度制御手段)としての
例えば冷却コイル8が挿入されている。これにより、ハ
イドレート生成容器1内の後述する水相Lをハイドレー
ト生成温度範囲(例えば1〜5℃)内の例えば約1℃に
冷却保持できるようになっている。メタンハイドレート
MHの生成の際には水和熱が発生し、一方、メタンハイ
ドレートMHは低温・高圧状態でなければ生成しないの
で、前記のようにハイドレート生成容器1に冷却手段を
設けて、常に冷却することが好ましい。冷却手段として
冷却コイル8を用いたが、もちろんこれに限定されるも
のではない。例えばハイドレート生成容器1を冷却ジャ
ケットで囲み、この冷却ジャケットに、ブラインタンク
よりブラインを供給して循環させたり、ハイドレート生
成容器1内にラジエターを挿入してもよく、またはこれ
らを組合せて用いてもよい。
【0018】符号3は貯水槽を示しており、この貯水槽
3内から水が配管25を経由してハイドレート生成容器
1に導入されることにより、ハイドレート生成容器1内
に水相L(液相)を形成することができる。配管25に
は水供給ポンプ24やバルブ26が配設されており、前
記水相Lの液面Sが一定の水準を保つように制御され
る。なお、貯水槽3、水供給ポンプ24および配管25
等により水供給手段51が構成されている。
3内から水が配管25を経由してハイドレート生成容器
1に導入されることにより、ハイドレート生成容器1内
に水相L(液相)を形成することができる。配管25に
は水供給ポンプ24やバルブ26が配設されており、前
記水相Lの液面Sが一定の水準を保つように制御され
る。なお、貯水槽3、水供給ポンプ24および配管25
等により水供給手段51が構成されている。
【0019】ハイドレート生成容器1の下部側壁にはメ
タン導入口1aが設けられ、このメタン導入口1aに
は、メタン供給源としてのメタンボンベ2から配管12
を経由してメタンガス(ハイドレート形成物質)が供給
されるようになっている。配管12には通常のバルブ1
1および流量調節弁16(制御部)が配設されている。
この流量調節弁16の開度は、ハイドレート生成容器1
内の後述する気相G(メタンガス)の圧力を検出する圧
力計23によって制御させることにより、ハイドレート
生成容器1内にメタンを補充して気相Gの圧力を常にハ
イドレート生成圧力(本例では40atm)に保持する
ことができる。なお、メタンボンベ2や配管12等によ
りメタン供給手段52(ハイドレート形成物質供給手
段)が構成され、圧力計23および流量調節弁16によ
り、生成容器内圧力一定手段13が構成されている。
タン導入口1aが設けられ、このメタン導入口1aに
は、メタン供給源としてのメタンボンベ2から配管12
を経由してメタンガス(ハイドレート形成物質)が供給
されるようになっている。配管12には通常のバルブ1
1および流量調節弁16(制御部)が配設されている。
この流量調節弁16の開度は、ハイドレート生成容器1
内の後述する気相G(メタンガス)の圧力を検出する圧
力計23によって制御させることにより、ハイドレート
生成容器1内にメタンを補充して気相Gの圧力を常にハ
イドレート生成圧力(本例では40atm)に保持する
ことができる。なお、メタンボンベ2や配管12等によ
りメタン供給手段52(ハイドレート形成物質供給手
段)が構成され、圧力計23および流量調節弁16によ
り、生成容器内圧力一定手段13が構成されている。
【0020】ハイドレート生成容器1の底部には、未反
応の水を抜出すための水抜出し口1bが設けられてお
り、この水抜出し口1bより抜出された未反応の水は、
過冷却された後に、再びハイドレート生成容器1内に供
給されるように構成されている。詳述すると、水抜出し
口1bとハイドレート生成容器1の頂部に設けられたス
プレーノズル9とは配管20により連通しており、この
配管20には、バルブ18、水循環ポンプ19、熱交換
器(冷却器)21およびバルブ22が順次配設されてい
る。水循環ポンプ19によって抜出された水は、熱交換
器21によって過冷却された後に、スプレーノズル9に
よってハイドレート生成容器1内の気相G(メタン雰囲
気)中に噴霧状(符号10参照)に供給される。
応の水を抜出すための水抜出し口1bが設けられてお
り、この水抜出し口1bより抜出された未反応の水は、
過冷却された後に、再びハイドレート生成容器1内に供
給されるように構成されている。詳述すると、水抜出し
口1bとハイドレート生成容器1の頂部に設けられたス
プレーノズル9とは配管20により連通しており、この
配管20には、バルブ18、水循環ポンプ19、熱交換
器(冷却器)21およびバルブ22が順次配設されてい
る。水循環ポンプ19によって抜出された水は、熱交換
器21によって過冷却された後に、スプレーノズル9に
よってハイドレート生成容器1内の気相G(メタン雰囲
気)中に噴霧状(符号10参照)に供給される。
【0021】ここで、過冷却とは、図3に示すように、
メタンハイドレートの生成平衡線C上の任意の点Dより
少なくとも温度が低いか(矢印X方向)あるいは圧力が
高い(矢印Y方向)状態にすることである。なお、生成
平衡線Cより上方の領域(便宜上、斜線を施した)はハ
イドレート生成領域(ハイドレート生成条件下)であ
る。参考までに、エタン、プロパンおよびブタンの生成
平衡線をも示した。熱交換器(冷却器)21としては、
例えば、熱伝導効率に優れた多管型熱交換器、構造が簡
単なコイル型熱交換器、熱伝導効率に優れかつメンテナ
ンスの容易なプレート型熱交換器を使用することができ
る。なお、水循環ポンプ19、配管20、熱交換器21
等により、水過冷却循環手段4が構成されている。
メタンハイドレートの生成平衡線C上の任意の点Dより
少なくとも温度が低いか(矢印X方向)あるいは圧力が
高い(矢印Y方向)状態にすることである。なお、生成
平衡線Cより上方の領域(便宜上、斜線を施した)はハ
イドレート生成領域(ハイドレート生成条件下)であ
る。参考までに、エタン、プロパンおよびブタンの生成
平衡線をも示した。熱交換器(冷却器)21としては、
例えば、熱伝導効率に優れた多管型熱交換器、構造が簡
単なコイル型熱交換器、熱伝導効率に優れかつメンテナ
ンスの容易なプレート型熱交換器を使用することができ
る。なお、水循環ポンプ19、配管20、熱交換器21
等により、水過冷却循環手段4が構成されている。
【0022】ここで、前記スプレーノズル9(スプレー
手段)は、図2(a)に示すように、ハイドレート生成
容器1の頂部に下向きに設けられたものであり、スプレ
ーノズル11のノズル孔9aより、気相Gに向けて平均
数十μm(原理的には、小さい程よい)の外径の水粒子
10を噴出する。このように、気相G中に水をスプレー
状に噴出して、水粒子10を多量に形成することによ
り、水の単位体積あたりの表面積すなわち気相Gとの接
触面積を極めて大きくすることができる。なお、上記の
ように、ハイドレート生成容器1の底部より抜出した未
反応水を、スプレーノズル9によりハイドレート生成容
器1内でスプレーする場合には、異物によるスプレーノ
ズル9の詰まりを発生させないことが重要となる。そこ
で、配管20に、ハイドレート等の異物を捕集するため
のフィルタ18aを設け、抜出した未反応水より異物を
確実に除去することが好ましい。図2(b)のスプレー
手段については後述する。
手段)は、図2(a)に示すように、ハイドレート生成
容器1の頂部に下向きに設けられたものであり、スプレ
ーノズル11のノズル孔9aより、気相Gに向けて平均
数十μm(原理的には、小さい程よい)の外径の水粒子
10を噴出する。このように、気相G中に水をスプレー
状に噴出して、水粒子10を多量に形成することによ
り、水の単位体積あたりの表面積すなわち気相Gとの接
触面積を極めて大きくすることができる。なお、上記の
ように、ハイドレート生成容器1の底部より抜出した未
反応水を、スプレーノズル9によりハイドレート生成容
器1内でスプレーする場合には、異物によるスプレーノ
ズル9の詰まりを発生させないことが重要となる。そこ
で、配管20に、ハイドレート等の異物を捕集するため
のフィルタ18aを設け、抜出した未反応水より異物を
確実に除去することが好ましい。図2(b)のスプレー
手段については後述する。
【0023】ハイドレート生成容器1の、水相Lの液面
S近傍には液層抜出口1cが設けられており、この液層
抜出口1cとハイドレート回収タンク50とが配管34
で接続されている。この配管34には、液層抜出口1c
側よりバルブ35、フィルタ36、バルブ37、抜出ポ
ンプ38が順次配設されている。このような構成によ
り、液面Sに浮上した比較的低密度のメタンハイドレー
ト層MHが配管34を通り、フィルタ36により異物を
除去された後、ハイドレート回収タンク50に回収され
る。このようなハイドレード回収手段70によれば、メ
タンハイドレートを水とともに移送できるので、回収製
品が固体ではなくスラリー状となり、ハンドリングも容
易である。
S近傍には液層抜出口1cが設けられており、この液層
抜出口1cとハイドレート回収タンク50とが配管34
で接続されている。この配管34には、液層抜出口1c
側よりバルブ35、フィルタ36、バルブ37、抜出ポ
ンプ38が順次配設されている。このような構成によ
り、液面Sに浮上した比較的低密度のメタンハイドレー
ト層MHが配管34を通り、フィルタ36により異物を
除去された後、ハイドレート回収タンク50に回収され
る。このようなハイドレード回収手段70によれば、メ
タンハイドレートを水とともに移送できるので、回収製
品が固体ではなくスラリー状となり、ハンドリングも容
易である。
【0024】次に、上述したハイドレートの製造装置の
動作、すなわち製造方法について説明する。予めハイド
レート生成容器1内の空気をメタンガスで置換し、次に
貯水槽3からハイドレート生成容器1内に、液面Sが液
層抜出口1cより上方にくるように水相Lを導入する。
この水相Lは必要なら安定化剤を含んでいてもよい。次
いで、冷却コイル8によりハイドレート生成容器1内の
水相Lを例えば約1℃の所定温度まで冷却し、以後この
温度が維持されるように温度管理を行う。
動作、すなわち製造方法について説明する。予めハイド
レート生成容器1内の空気をメタンガスで置換し、次に
貯水槽3からハイドレート生成容器1内に、液面Sが液
層抜出口1cより上方にくるように水相Lを導入する。
この水相Lは必要なら安定化剤を含んでいてもよい。次
いで、冷却コイル8によりハイドレート生成容器1内の
水相Lを例えば約1℃の所定温度まで冷却し、以後この
温度が維持されるように温度管理を行う。
【0025】水相Lの温度が所定温度で安定したら、メ
タンボンベ2内のメタンをメタン導入口1aから連続的
に気泡Kとして導入する。これによってメタンの少なく
とも一部は気泡Kの気液界面から水相Lに吸収され、水
と反応してメタンハイドレートに転化する(水和反
応)。反応によって生成したメタンハイドレートMH
は、密度が水の密度より小さいので水相L中を浮上し
て、液面S上に層を形成する。このメタンハイドレート
層MHは、液層抜出口1cから抜出ポンプ38によって
抜出し、メタンハイドレート回収タンク50に回収す
る。メタンハイドレートは水とともに回収されるので、
スラリー状になっている。液層抜出口1cからメタンハ
イドレート層MHを抜出すに伴って水相Lの液面Sは下
がるので、この液面Sの水準が一定に保たれるように、
新たな水を貯水槽3から水供給ポンプ24を経由してハ
イドレート生成容器1内に補給する。
タンボンベ2内のメタンをメタン導入口1aから連続的
に気泡Kとして導入する。これによってメタンの少なく
とも一部は気泡Kの気液界面から水相Lに吸収され、水
と反応してメタンハイドレートに転化する(水和反
応)。反応によって生成したメタンハイドレートMH
は、密度が水の密度より小さいので水相L中を浮上し
て、液面S上に層を形成する。このメタンハイドレート
層MHは、液層抜出口1cから抜出ポンプ38によって
抜出し、メタンハイドレート回収タンク50に回収す
る。メタンハイドレートは水とともに回収されるので、
スラリー状になっている。液層抜出口1cからメタンハ
イドレート層MHを抜出すに伴って水相Lの液面Sは下
がるので、この液面Sの水準が一定に保たれるように、
新たな水を貯水槽3から水供給ポンプ24を経由してハ
イドレート生成容器1内に補給する。
【0026】ハイドレート生成容器1内でメタンハイド
レートMHが生成すると、気体のメタンが固体のメタン
ハイドレートMHになるため、内部の圧力が低下する。
一方で、メタンハイドレートを高速生成するには、ハイ
ドレート生成容器1内の条件をより低温・高圧状態にし
なければならない。よって、メタンハイドレートの生成
に伴う、ハイドレート生成容器1の圧力低下を解消する
ために、ハイドレート生成容器1内の圧力を圧力計23
によって連続的に検知し、これに基づいて流量調節弁1
6の開度を連続的に制御する。これにより、ハイドレー
ト生成容器1内に原料メタンを必要量補充して、ハイド
レート生成容器1内を一定高圧状態に保持することによ
り、高速生成を達成する。
レートMHが生成すると、気体のメタンが固体のメタン
ハイドレートMHになるため、内部の圧力が低下する。
一方で、メタンハイドレートを高速生成するには、ハイ
ドレート生成容器1内の条件をより低温・高圧状態にし
なければならない。よって、メタンハイドレートの生成
に伴う、ハイドレート生成容器1の圧力低下を解消する
ために、ハイドレート生成容器1内の圧力を圧力計23
によって連続的に検知し、これに基づいて流量調節弁1
6の開度を連続的に制御する。これにより、ハイドレー
ト生成容器1内に原料メタンを必要量補充して、ハイド
レート生成容器1内を一定高圧状態に保持することによ
り、高速生成を達成する。
【0027】一方、水相Lに吸収されなかった未反応の
メタンガスは、液面Sから放出されハイドレート生成容
器1内に気相Gとして溜まる。ハイドレート生成容器1
の底部より未反応の水を抜出し、これを熱交換器21に
より過冷却した後、スプレーノズル9によりハイドレー
ト生成容器1内で噴霧状にする。このように、ハイドレ
ート生成容器1内に充満したメタンガスに過冷却された
水粒子10が多量に放出され、水粒子10のメタンとの
単位体積当りの接触面積を大幅に増大するとともに直ち
に水和反応するので、メタンハイドレートが高速度に生
成される。この生成されたハイドレートは液面Sに降下
して、上述と同様に回収される。なお、ハイドレート生
成容器1内でメタンハイドレートMHが生成すると、大
きな水和熱が発生する。一方、メタンハイドレートMH
を高速生成するには、ハイドレート生成容器1内の条件
をより低温・高圧状態にしなければならない。よって、
過冷却された水粒子10をハイドレート生成容器1内に
放出することは、水和熱を効率的に取り除くことにもな
る。
メタンガスは、液面Sから放出されハイドレート生成容
器1内に気相Gとして溜まる。ハイドレート生成容器1
の底部より未反応の水を抜出し、これを熱交換器21に
より過冷却した後、スプレーノズル9によりハイドレー
ト生成容器1内で噴霧状にする。このように、ハイドレ
ート生成容器1内に充満したメタンガスに過冷却された
水粒子10が多量に放出され、水粒子10のメタンとの
単位体積当りの接触面積を大幅に増大するとともに直ち
に水和反応するので、メタンハイドレートが高速度に生
成される。この生成されたハイドレートは液面Sに降下
して、上述と同様に回収される。なお、ハイドレート生
成容器1内でメタンハイドレートMHが生成すると、大
きな水和熱が発生する。一方、メタンハイドレートMH
を高速生成するには、ハイドレート生成容器1内の条件
をより低温・高圧状態にしなければならない。よって、
過冷却された水粒子10をハイドレート生成容器1内に
放出することは、水和熱を効率的に取り除くことにもな
る。
【0028】なお、ハイドレート生成容器1が大型の場
合には、その底部の水が過冷却状態になっている可能性
があるので、この水を取り出して冷却することなく、ハ
イドレート生成容器1の上部にスプレーしてもよい。
合には、その底部の水が過冷却状態になっている可能性
があるので、この水を取り出して冷却することなく、ハ
イドレート生成容器1の上部にスプレーしてもよい。
【0029】上述した実施形態では、メタンの気泡Kは
水相L中を上昇するので気泡界面が高粘度の反応生成物
で覆われることなく、常に新たな水分子と接触すること
ができ、反応が促進される。この運転操作を安定した状
態で継続することにより、メタンハイドレート回収タン
ク50に高濃度のメタンハイドレートを効率よくかつ連
続的に回収することができる。
水相L中を上昇するので気泡界面が高粘度の反応生成物
で覆われることなく、常に新たな水分子と接触すること
ができ、反応が促進される。この運転操作を安定した状
態で継続することにより、メタンハイドレート回収タン
ク50に高濃度のメタンハイドレートを効率よくかつ連
続的に回収することができる。
【0030】スプレーノズル9より噴出された水粒子1
0の粒子径が大きいとこの水粒子の表面に生成したメタ
ンハイドレートがメタン供給を阻害するので、水粒子1
0全体がメタンハイドレートとなることができない。そ
こで、スプレーノズル9より水とともに気体を噴出させ
て、水粒子10の粒径を平均10μm前後に細かくする
ことにより、上記のようなメタンハイドレートの付着を
低減することができる。前記気体としては、水やハイド
レート形成物質と反応しないような不活性ガスを挙げる
ことができる。スプレーノズル9は単数に限らず、複数
個設けてもよい。また、水粒子の粒径を平均10μm前
後に細かくする他の方法としては、図2(b)に示すよ
うに、ハイドレート生成容器1内の上部に設けた超音波
振動板90を設け、この超音波振動板90上に配管20
より過冷却水を供給して水膜91を形成し、超音波振動
により水膜91より水粒子10を放出させてもよい。こ
の場合、水粒子10の粒径がさらに均一になる上に、前
記気体の噴出による悪影響が起こらない。
0の粒子径が大きいとこの水粒子の表面に生成したメタ
ンハイドレートがメタン供給を阻害するので、水粒子1
0全体がメタンハイドレートとなることができない。そ
こで、スプレーノズル9より水とともに気体を噴出させ
て、水粒子10の粒径を平均10μm前後に細かくする
ことにより、上記のようなメタンハイドレートの付着を
低減することができる。前記気体としては、水やハイド
レート形成物質と反応しないような不活性ガスを挙げる
ことができる。スプレーノズル9は単数に限らず、複数
個設けてもよい。また、水粒子の粒径を平均10μm前
後に細かくする他の方法としては、図2(b)に示すよ
うに、ハイドレート生成容器1内の上部に設けた超音波
振動板90を設け、この超音波振動板90上に配管20
より過冷却水を供給して水膜91を形成し、超音波振動
により水膜91より水粒子10を放出させてもよい。こ
の場合、水粒子10の粒径がさらに均一になる上に、前
記気体の噴出による悪影響が起こらない。
【0031】一般にメタンと水との反応は、例えば反応
温度を1℃とすると圧力が40atm以上において進行
する。従ってハイドレート生成容器1としては少なくと
も耐圧40atm以上の高圧容器を必要とする。反応を
より高温低圧側で行いたい場合は水相Lに安定化剤を添
加することが好ましい。メタンの水和反応をより高温低
圧側に移行し得る安定化剤の例としては、例えばイソブ
チルアミンやイソプロピルアミンなどの脂肪族アミン
類;1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、フランな
どの脂環式エーテル類;シクロブタノン、シクロペンタ
ノンなどの脂環式ケトン類;アセトンなどの脂肪族ケト
ン類などを挙げることができる。これらの安定化剤は何
れも分子中に炭化水素基と極性基とを有しているので、
それぞれの極性基が水分子を引き寄せ、炭化水素基がメ
タン分子を引き寄せることによって分子間距離を縮め、
水和反応を促進すると考えられる。例えば脂肪族アミン
類の添加によって10℃、20kg/cm2Gでの反応が可能
となり、テトラヒドロフランの添加によっては10℃、
10kg/cm2G以下での反応も可能となる。これらの安定
化剤は純水1000g当たり0.1〜10モルの範囲内
で添加することが好ましい。
温度を1℃とすると圧力が40atm以上において進行
する。従ってハイドレート生成容器1としては少なくと
も耐圧40atm以上の高圧容器を必要とする。反応を
より高温低圧側で行いたい場合は水相Lに安定化剤を添
加することが好ましい。メタンの水和反応をより高温低
圧側に移行し得る安定化剤の例としては、例えばイソブ
チルアミンやイソプロピルアミンなどの脂肪族アミン
類;1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、フランな
どの脂環式エーテル類;シクロブタノン、シクロペンタ
ノンなどの脂環式ケトン類;アセトンなどの脂肪族ケト
ン類などを挙げることができる。これらの安定化剤は何
れも分子中に炭化水素基と極性基とを有しているので、
それぞれの極性基が水分子を引き寄せ、炭化水素基がメ
タン分子を引き寄せることによって分子間距離を縮め、
水和反応を促進すると考えられる。例えば脂肪族アミン
類の添加によって10℃、20kg/cm2Gでの反応が可能
となり、テトラヒドロフランの添加によっては10℃、
10kg/cm2G以下での反応も可能となる。これらの安定
化剤は純水1000g当たり0.1〜10モルの範囲内
で添加することが好ましい。
【0032】反応温度は前記の生成平衡の関係で水相L
の氷点以上できるだけ低いほうがよい。例えばハイドレ
ート生成容器1中の水相温度は1〜5℃の範囲内となる
ように制御することが好ましい。これによってメタンの
水中への溶解度を増大させ、かつ生成平衡圧を低下させ
ることができる。水とメタンとの反応は発熱反応であっ
て、ハイドレート生成容器1中で反応が開始されると水
和熱により系内温度が上昇するので、系内温度が常に所
定範囲内に維持されるように温度制御を行うことが好ま
しい。
の氷点以上できるだけ低いほうがよい。例えばハイドレ
ート生成容器1中の水相温度は1〜5℃の範囲内となる
ように制御することが好ましい。これによってメタンの
水中への溶解度を増大させ、かつ生成平衡圧を低下させ
ることができる。水とメタンとの反応は発熱反応であっ
て、ハイドレート生成容器1中で反応が開始されると水
和熱により系内温度が上昇するので、系内温度が常に所
定範囲内に維持されるように温度制御を行うことが好ま
しい。
【0033】次に、他の実施形態について説明する。図
5に示すように、図1と同一構成の部分には同一符号を
付し、相違点を重点的に説明する。
5に示すように、図1と同一構成の部分には同一符号を
付し、相違点を重点的に説明する。
【0034】符号5はメタン飽和水作成タンクを示し、
このメタン飽和水作成タンク5内に、メタンボンベ2よ
り配管12を通してメタンガスを供給されるとともに、
水供給ポンプ24により貯水槽3から水が供給される。
これにより、メタン飽和水作成タンク5内にメタンで飽
和した飽和原料水28が作成され、この飽和原料水28
を配管33を通してハイドレート生成容器1に供給す
る。ここで、飽和水を作成するには、水とメタンの接触
面積を大きくすればよいため、メタンガスはメタン飽和
水作成タンク5の液相に供給することが好ましい。メタ
ンハイドレートは、上述のように水分子からなるかごの
中にメタン分子が入った構造であり、水分子が予めかご
構造に近いものであれば、メタンハイドレートはより高
速生成する。これをメモリー効果というが、このメモリ
ー効果を達成するには、本実施形態のように、予め原料
水をメタンで飽和しておくことが有効なのである。ただ
し、本発明において、飽和が最も望ましい態様である
が、メタンが溶解していれば単なる水に比べて、メタン
ハイドレートの生成速度は向上するに他ならず、本発明
はこの範囲まで包含する。
このメタン飽和水作成タンク5内に、メタンボンベ2よ
り配管12を通してメタンガスを供給されるとともに、
水供給ポンプ24により貯水槽3から水が供給される。
これにより、メタン飽和水作成タンク5内にメタンで飽
和した飽和原料水28が作成され、この飽和原料水28
を配管33を通してハイドレート生成容器1に供給す
る。ここで、飽和水を作成するには、水とメタンの接触
面積を大きくすればよいため、メタンガスはメタン飽和
水作成タンク5の液相に供給することが好ましい。メタ
ンハイドレートは、上述のように水分子からなるかごの
中にメタン分子が入った構造であり、水分子が予めかご
構造に近いものであれば、メタンハイドレートはより高
速生成する。これをメモリー効果というが、このメモリ
ー効果を達成するには、本実施形態のように、予め原料
水をメタンで飽和しておくことが有効なのである。ただ
し、本発明において、飽和が最も望ましい態様である
が、メタンが溶解していれば単なる水に比べて、メタン
ハイドレートの生成速度は向上するに他ならず、本発明
はこの範囲まで包含する。
【0035】メタン飽和水作成タンク5は、冷却手段と
しての例えばジャケット27を有し、ブラインタンク
(不図示)とブラインポンプ(不図示)とを経由して循
環されるブラインによって、メタン飽和液作成タンク5
内の飽和原料水28を約40atm,5℃程度に冷却保
持することができる。温度制御手段としてジャケット2
7を用いたが、もちろんこれに限定されるものではな
い。例えばメタン飽和水作成タンクを2重管又は多重管
で構成し何れか一方の間隙にブラインを循環してもよ
く、またメタン飽和水作成タンク内に冷却コイルやラジ
エターを挿入してもよく、又はそれらを組合せて用いて
もよい。メタン飽和水作成タンク5内の飽和原料水28
は、ポンプ32および配管31によりメタン飽和水作成
タンク5の上部に循環し、ここで、ノズル30によりス
プレー(符号29参照)されることにより、飽和原料水
28を攪拌させてより飽和状態に近づけることができ
る。
しての例えばジャケット27を有し、ブラインタンク
(不図示)とブラインポンプ(不図示)とを経由して循
環されるブラインによって、メタン飽和液作成タンク5
内の飽和原料水28を約40atm,5℃程度に冷却保
持することができる。温度制御手段としてジャケット2
7を用いたが、もちろんこれに限定されるものではな
い。例えばメタン飽和水作成タンクを2重管又は多重管
で構成し何れか一方の間隙にブラインを循環してもよ
く、またメタン飽和水作成タンク内に冷却コイルやラジ
エターを挿入してもよく、又はそれらを組合せて用いて
もよい。メタン飽和水作成タンク5内の飽和原料水28
は、ポンプ32および配管31によりメタン飽和水作成
タンク5の上部に循環し、ここで、ノズル30によりス
プレー(符号29参照)されることにより、飽和原料水
28を攪拌させてより飽和状態に近づけることができ
る。
【0036】ハイドレート生成容器1内において、気相
G中に水をスプレー状に噴出してメタンハイドレートを
生成させると、図6(a)に示すように、特に大きな水
粒子10の表面に、生成済みのメタンハイドレートMH
が表皮状に付着した状態になる可能性がある。このメタ
ンハイドレートMHで内包された水粒子10はこのまま
ではメタンハイドレートに転換しないのでメタンハイド
レートMHの表皮を除去する必要がある。そこで、本実
施形態では、ハイドレート生成容器1の例えば気相部
に、粒子分解装置としての超音波振動発生器6を装着
し、この超音波振動発生器6により特に気相部に超音波
振動を付与する。これにより、図6(b)に示すよう
に、気相G中の水粒子10のメタンハイドレートMHを
破壊し、水粒子10とメタンハイドレートMHとを分離
するので、この水粒子10を再びメタンハイドレートの
原料とすることができ、高速生成を達成する。
G中に水をスプレー状に噴出してメタンハイドレートを
生成させると、図6(a)に示すように、特に大きな水
粒子10の表面に、生成済みのメタンハイドレートMH
が表皮状に付着した状態になる可能性がある。このメタ
ンハイドレートMHで内包された水粒子10はこのまま
ではメタンハイドレートに転換しないのでメタンハイド
レートMHの表皮を除去する必要がある。そこで、本実
施形態では、ハイドレート生成容器1の例えば気相部
に、粒子分解装置としての超音波振動発生器6を装着
し、この超音波振動発生器6により特に気相部に超音波
振動を付与する。これにより、図6(b)に示すよう
に、気相G中の水粒子10のメタンハイドレートMHを
破壊し、水粒子10とメタンハイドレートMHとを分離
するので、この水粒子10を再びメタンハイドレートの
原料とすることができ、高速生成を達成する。
【0037】超音波振動発生器6をハイドレート生成容
器1の気相部に設けることに限らず、図7(a)に示す
ように、超音波振動発生器60をハイドレート生成容器
1の水相部に装着してもよいが、気相部に設けて特に気
相Gを振動させる方がランニングコストが小さく済む。
また、図7(b)に示すように、ハイドレート生成容器
1内に気相部に粒子分解装置としての超音波振動網61
をほぼ水平に張り、この超音波振動網61を超音波振動
させることにより、超音波振動網61を通過する水粒子
のメタンハイドレート表皮を破壊させてもよい。
器1の気相部に設けることに限らず、図7(a)に示す
ように、超音波振動発生器60をハイドレート生成容器
1の水相部に装着してもよいが、気相部に設けて特に気
相Gを振動させる方がランニングコストが小さく済む。
また、図7(b)に示すように、ハイドレート生成容器
1内に気相部に粒子分解装置としての超音波振動網61
をほぼ水平に張り、この超音波振動網61を超音波振動
させることにより、超音波振動網61を通過する水粒子
のメタンハイドレート表皮を破壊させてもよい。
【0038】メタン供給手段52の流量調節弁16の直
前には積算流量計15が設けられており、これによりメ
タン供給手段52よりハイドレート生成容器1内へ供給
したメタンの総体積を計ることにより、メタンハイドレ
ートの総生成量の計算および管理を正確かつ容易に行え
る。なお、生成されたメタンハイドレートの中には、水
滴にハイドレート膜が被着した粒子が混入することがあ
るため、単に生成されたメタンハイドレートを集積した
だけでは、正味の生成量を正確に測定することは不可能
である。
前には積算流量計15が設けられており、これによりメ
タン供給手段52よりハイドレート生成容器1内へ供給
したメタンの総体積を計ることにより、メタンハイドレ
ートの総生成量の計算および管理を正確かつ容易に行え
る。なお、生成されたメタンハイドレートの中には、水
滴にハイドレート膜が被着した粒子が混入することがあ
るため、単に生成されたメタンハイドレートを集積した
だけでは、正味の生成量を正確に測定することは不可能
である。
【0039】本実施形態におけるハイドレート回収手段
7について、回収ポンプ38までの構成は図1に示した
ものと同様であるが、回収ポンプ38の後段には、遠心
分離器39、断熱膨張的に減圧する減圧容器40および
コンベア41等が順次配設されている。生成されたメタ
ンハイドレートMH層は、回収ポンプ38によって先ず
遠心分離器39に導入される。ここでは、メタンハイド
レートMHより大部分の水分が除去され、スラリー状の
メタンハイドレートMHが得られる。この遠心分離器3
9内の圧力はハイドレート生成容器1内とほぼ等しい約
40atmである。前記スラリー状のメタンハイドレー
トを減圧容器40内に搬送し、ここで断熱膨張的に数a
tmまで減圧することにより、ハイドレートの圧力およ
び温度をハイドレート生成条件下に維持しつつ、図8に
示すように、メタンハイドレートMHの表面に氷皮Cを
形成し、メタンハイドレートMHを安定化させる。この
メタンハイドレートをコンベア41により搬送し、必要
に応じて乾燥および冷却工程を経る。
7について、回収ポンプ38までの構成は図1に示した
ものと同様であるが、回収ポンプ38の後段には、遠心
分離器39、断熱膨張的に減圧する減圧容器40および
コンベア41等が順次配設されている。生成されたメタ
ンハイドレートMH層は、回収ポンプ38によって先ず
遠心分離器39に導入される。ここでは、メタンハイド
レートMHより大部分の水分が除去され、スラリー状の
メタンハイドレートMHが得られる。この遠心分離器3
9内の圧力はハイドレート生成容器1内とほぼ等しい約
40atmである。前記スラリー状のメタンハイドレー
トを減圧容器40内に搬送し、ここで断熱膨張的に数a
tmまで減圧することにより、ハイドレートの圧力およ
び温度をハイドレート生成条件下に維持しつつ、図8に
示すように、メタンハイドレートMHの表面に氷皮Cを
形成し、メタンハイドレートMHを安定化させる。この
メタンハイドレートをコンベア41により搬送し、必要
に応じて乾燥および冷却工程を経る。
【0040】上記各実施形態においては、ハイドレート
生成容器1の底部より未反応の水を抜出して、これを過
冷却した後にハイドレート生成容器1内の気相Gにスプ
レーしたが、これに限らず、過冷却せずにスプレーして
もよく、さらには、別の系より水(あるいは過冷却水)
をハイドレート生成容器1内の気相にスプレーしてもよ
い。
生成容器1の底部より未反応の水を抜出して、これを過
冷却した後にハイドレート生成容器1内の気相Gにスプ
レーしたが、これに限らず、過冷却せずにスプレーして
もよく、さらには、別の系より水(あるいは過冷却水)
をハイドレート生成容器1内の気相にスプレーしてもよ
い。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1記載の発明は、液相にハイドレート形成物質(例
えばメタン)を連続的に気泡として導入することによ
り、メタンの少なくとも一部は気泡の気液界面から水相
に吸収され、水と反応してメタンハイドレートに転化す
る。反応によって生成したメタンハイドレートは、密度
が水の密度より小さいので水相中を浮上し、液面近傍に
集積してメタンハイドレート層を形成するので、この高
濃度のメタンハイドレート層を水とともに抜出すことに
より、製品が固体ではなくスラリー状になるので、効率
的に回収できる。
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1記載の発明は、液相にハイドレート形成物質(例
えばメタン)を連続的に気泡として導入することによ
り、メタンの少なくとも一部は気泡の気液界面から水相
に吸収され、水と反応してメタンハイドレートに転化す
る。反応によって生成したメタンハイドレートは、密度
が水の密度より小さいので水相中を浮上し、液面近傍に
集積してメタンハイドレート層を形成するので、この高
濃度のメタンハイドレート層を水とともに抜出すことに
より、製品が固体ではなくスラリー状になるので、効率
的に回収できる。
【0042】請求項2の発明のように、回収したハイド
レートより水分の大部分を除去することにより、ハイド
レートの表面に氷皮を形成するために適当な水分を含む
スラリー状にし、このスラリー状のハイドレートの雰囲
気を断熱膨張的に減圧することにより、各ハイドレート
の表面に氷皮を形成し、安定化させることができる。
レートより水分の大部分を除去することにより、ハイド
レートの表面に氷皮を形成するために適当な水分を含む
スラリー状にし、このスラリー状のハイドレートの雰囲
気を断熱膨張的に減圧することにより、各ハイドレート
の表面に氷皮を形成し、安定化させることができる。
【0043】請求項3の発明では、ハイドレート生成容
器内の気相に、水を噴霧状にスプレーすることにより、
水粒子の単位体積あたりの表面積を大きくして、水とメ
タンの接触面積を大幅に増大させ、メタンハイドレート
の生成速度をさらに向上させることができる。生成され
たハイドレートは液面に降下して上記と同様に回収され
る。
器内の気相に、水を噴霧状にスプレーすることにより、
水粒子の単位体積あたりの表面積を大きくして、水とメ
タンの接触面積を大幅に増大させ、メタンハイドレート
の生成速度をさらに向上させることができる。生成され
たハイドレートは液面に降下して上記と同様に回収され
る。
【0044】請求項4(および請求項5)、請求項6お
よび請求項7にそれぞれ記載の発明は、請求項1、請求
項2および請求項3の製造方法を容易かつ確実に実施で
きる。
よび請求項7にそれぞれ記載の発明は、請求項1、請求
項2および請求項3の製造方法を容易かつ確実に実施で
きる。
【図1】 本発明のハイドレートの製造装置の第1の実
施形態の構成図である。
施形態の構成図である。
【図2】 (a)は図1に示したスプレー手段の拡大
図、(b)はスプレー手段の他の形態を示す図である。
図、(b)はスプレー手段の他の形態を示す図である。
【図3】 ハイドレートの生成平衡線図である。
【図4】 ハイドレートの分子構造を示す図である。
【図5】 本発明のハイドレートの製造装置の第2の実
施形態の構成図である。
施形態の構成図である。
【図6】 水粒子よりハイドレート表皮を分離する際の
状態を示す模式図である。
状態を示す模式図である。
【図7】 粒子分解装置の他の形態を示す図である。
【図8】 回収したハイドレートに氷皮を形成した状態
を示す図である。
を示す図である。
【図9】 従来のハイドレートの製造装置の構成図であ
る。
る。
【図10】 従来技術の問題点を説明するための図であ
る。
る。
1 ハイドレート生成容器(反応容器) 2 メタンボンベ 3 貯水槽 4 水過冷却循環手段(水循環手段) 5 飽和水作成タンク 6,60 粒子分解装置 7,70 ハイドレート回収手段 9 スプレーノズル(スプレー手段) 13 生成容器内圧力一定手段 16 流量調節弁 19 水循環ポンプ 21 熱交換器 23 圧力計 24 水供給ポンプ 51 水供給手段 52 メタン供給手段(ハイドレート形成物質供給手
段) G 気相(メタンガス) L 水相 K 気泡 S 液面
段) G 気相(メタンガス) L 水相 K 気泡 S 液面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 隆宏 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 藤本 哲朗 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AA04 AB44 AC90 AC93 AD16 AD33 BA50 BA51 BC10
Claims (7)
- 【請求項1】 ハイドレート生成容器内で水とハイドレ
ート形成物質とを水和反応させてハイドレートを製造す
る方法において、前記ハイドレート生成容器内の水相に
ハイドレート形成物質を気泡として供給するとともに、
生成されて水相の液面近傍に浮かぶハイドレート層を水
とともに回収することを特徴とするハイドレートの製造
方法。 - 【請求項2】 前記回収したハイドレートより水分を除
去することによりスラリー状にし、このスラリー状のハ
イドレートの雰囲気を断熱膨張的に減圧することによ
り、各ハイドレートの表面に氷皮を形成する請求項1記
載のハイドレートの製造方法。 - 【請求項3】 ハイドレート形成物質からなる気相に、
水を噴霧状にスプレーすることにより、水和反応を起こ
させてハイドレートを生成する請求項1または請求項2
記載のハイドレートの製造方法。 - 【請求項4】 内部の温度および圧力をハイドレート生
成条件下に設定されるハイドレート生成容器と、該ハイ
ドレート生成容器内に水を供給するための水供給手段
と、前記ハイドレート生成容器内の水相にハイドレート
形成物質からなるガスを供給するためのハイドレート形
成物質供給手段と、生成されて前記水相の液面近傍に浮
上したハイドレートを回収するためのハイドレート回収
手段と、を備えていることを特徴とするハイドレートの
製造装置。 - 【請求項5】 前記ハイドレート回収手段は、前記ハイ
ドレート生成容器の水相の液面近傍に設けられた液層抜
出口に、配管の一端が接続され、この配管にポンプが配
設された構成になっている請求項4記載のハイドレート
の製造装置。 - 【請求項6】 前記ポンプの後段に、前記回収したハイ
ドレートより水分を除去するための遠心分離器と、この
スラリー状のハイドレートの雰囲気を断熱膨張的に減圧
することにより、各ハイドレートの表面に氷皮を形成す
るための減圧容器とが設けられている請求項5記載のハ
イドレートの製造装置。 - 【請求項7】 ハイドレート形成物質からなる気相に、
水を噴霧状にスプレーするためのスプレー手段を備えて
いる請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のハイ
ドレートの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11069290A JP2000256226A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | ハイドレートの製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11069290A JP2000256226A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | ハイドレートの製造方法および製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000256226A true JP2000256226A (ja) | 2000-09-19 |
Family
ID=13398322
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11069290A Withdrawn JP2000256226A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | ハイドレートの製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000256226A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003041276A (ja) * | 2001-07-26 | 2003-02-13 | Japan National Oil Corp | 天然ガス水和物の脱水方法および脱水システム、ならびに天然ガス水和物の遠心脱水装置 |
JP2003082371A (ja) * | 2001-09-07 | 2003-03-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法 |
JP2006282694A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ガスハイドレート製造装置 |
JP2007107663A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 天然ガス水和物の移送方法とその装置 |
-
1999
- 1999-03-15 JP JP11069290A patent/JP2000256226A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003041276A (ja) * | 2001-07-26 | 2003-02-13 | Japan National Oil Corp | 天然ガス水和物の脱水方法および脱水システム、ならびに天然ガス水和物の遠心脱水装置 |
JP2003082371A (ja) * | 2001-09-07 | 2003-03-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガスハイドレート生成容器、ガスハイドレート製造装置及び製造方法 |
JP2006282694A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ガスハイドレート製造装置 |
JP4559898B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2010-10-13 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | ガスハイドレート製造装置 |
JP2007107663A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 天然ガス水和物の移送方法とその装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |