JP2006241188A - 天然ガスハイドレート生成システムおよびその生成方法 - Google Patents

天然ガスハイドレート生成システムおよびその生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 含水率が低くガス含有量が多い天然ガスハイドレート生成システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成反応装置1と、生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水装置2と、脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水装置3と、生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却装置4と、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する大気圧減圧手段5と、を備えた天然ガスハイドレート生成システムにおいて、水和脱水装置3内の温度は、氷点以下とされていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メタン等の炭化水素を主成分とする天然ガスをハイドレート化する天然ガスハイドレート生成システムおよびその生成方法に関するものである。
現在、メタン等の炭化水素を主成分とする天然ガスを貯蔵・輸送する方法としては、ガス田から天然ガスを採取したあと液化温度まで冷却し、液化天然ガス(LNG)とした状態で貯蔵・輸送する方法が一般的である。しかしながら、例えば液化天然ガスの主成分であるメタンの場合、液化させるには−162℃といった極低温条件が必要であり、こうした条件を維持しながら貯蔵・輸送を行うためには、専用の貯蔵装置やLNG輸送船といった専用の輸送手段が必要となる。こうした装置等の製造および維持・管理には非常に高いコストを要するため、上記方法に代わる低コストの貯蔵・輸送方法が鋭意研究されてきた。
こうした研究の結果、天然ガスを水和させて固体状態の水和物(以下「天然ガスハイドレート」という。)を生成し、この固体状態のまま貯蔵・輸送するという方法が見出され、近年特に有望視されている。この方法では、LNGを取扱う場合のような極低温条件は必要とされず、また固体とするためその取扱いも比較的容易である。このため、既存の冷凍装置あるいは既存のコンテナ船を若干改良したものを各々貯蔵装置あるいは輸送手段として利用可能となり、したがって、大幅な低コスト化が図れるものとして期待が寄せられている。
この天然ガスハイドレートとは、包接化合物(クラスレート化合物)の一種であって、複数の水分子(H2O)により形成された立体かご型の包接格子(クラスレート)の中に、天然ガスの各成分を構成する分子、すなわちメタン(CH4)、エタン(C26)、プロパン(C38)等が入り込み包接された結晶構造をなすものである。クラスレートに包接された天然ガス構成分子どうしの分子間距離は、天然ガスが高圧充填された場合のガスボンベ中における分子間距離よりも短くなる。これは、天然ガスが緊密充填された固体を生成し得ることを意味し、例えばメタンの水和物が安定に存在し得る条件下、すなわち−30℃・大気圧(0.1013MPa)においては、気体状態と比較して約1/170の体積とすることができる。このように、天然ガスハイドレートは比較的容易に得られる温度・圧力条件下において製造可能で、かつ安定した保存が可能なものである。
この方法において、ガス田から受け入れられた後の天然ガスは、酸性ガス除去工程において二酸化炭素(CO2)や硫化水素(H2S)等の酸性ガスを除去され、低温・高圧状態にしていったんガス貯蔵部に貯蔵され、このあと生成工程において水和される。このように水和された天然ガスハイドレートは水が混在するスラリー状であり、続く脱水工程において、混在している未反応の水が除去され、さらに冷却工程および減圧工程を経てコンテナ等の容器に封入され、貯蔵装置内において所定の温度・圧力に調整された状態で貯蔵される。
輸送時には、この容器のままコンテナ船等の輸送手段に積み込まれ、目的地まで輸送される。目的地での陸揚げ後、天然ガスハイドレートは分解工程を経て天然ガスの状態に戻され、各供給地へと送られる。
上述のように、天然ガスハイドレートの生成プラントでは、生成直後の天然ガスハイドレートが多量の水を含んだスラリー状であるため、この天然ガスハイドレートをそのままあるいは冷凍して貯蔵および輸送をすれば、水(氷)の分だけ貯蔵や輸送にかかるコストは膨大なものとなってしまう。
これに対して、含水率の低い天然ガスハイドレートを生成する技術として、下記特許文献1が知られている。同文献には、水和後の天然ガスハイドレートをスクリュープレス等により物理的に脱水した後、残存した水と天然ガスとを更に水和反応させていわゆる水和脱水を行うことにより、天然ガスハイドレートの含水率を低下させる技術が開示されている。
すなわち、図7に示すように、同文献に示された天然ガスハイドレート生成システムは、生成手段101と、物理脱水手段102と、水和脱水手段103と、冷却手段104と、減圧手段105と、成形手段106とを備えている。
生成手段101は、天然ガスと水とを氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する。物理脱水手段102は、生成された天然ガスハイドレートをスクリュープレス等によって物理的に脱水する。水和脱水手段103は、脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと水和反応させて天然ガスハイドレートを生成する。冷却手段104は、生成された天然ガスハイドレートを冷却する。減圧手段105は、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する。成形手段106は、天然ガスハイドレートを成形固化する。
特開2003−105362号公報(段落[0092]〜[0095],並びに図1及び図2)
特許文献1に示された技術では、物理脱水に加えて水和脱水を行うことにより、天然ガスハイドレートの含水率を低下させることはできるが、さらに含水率が低くガス含有量が多い(ガス密度が高い)天然ガスハイドレートの生成技術が望まれている。
また、含水率の低い天然ガスハイドレートが生成できたとしても、貯蔵・輸送時の環境下(−30〜0℃,大気圧)において分解が進行しやすい天然ガスハイドレートでは意味がない。
また、含水率が低く、貯蔵・輸送時において分解が進行しにくい(自己保存性を有する)天然ガスハイドレートが生成できるとしても、天然ガスハイドレート生成システムに要する設備コストが高く、或いは、天然ガスハイドレート生成時のエネルギー消費が大きい生成システムでは、現実的でない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、含水率が低くガス含有量が多い(ガス密度が高い)天然ガスハイドレート生成システムおよびその生成方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、貯蔵・輸送時の環境下(例えば、−30〜0℃,大気圧)においても分解しにくい天然ガスハイドレートを生成する天然ガスハイドレート生成システムおよびその生成方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、設備コストが小さく、エネルギー消費が少なく高効率な天然ガスハイドレート生成システムおよびその生成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の天然ガスハイドレート生成システムおよびその生成方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる天然ガスハイドレート生成システムは、天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成手段と、生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水手段と、前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水手段と、生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却手段と、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する大気圧減圧手段と、を備えた天然ガスハイドレート生成システムにおいて、前記水和脱水手段内の温度は、氷点以下とされていることを特徴とする。
水和脱水手段内を氷点以下とすることにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷の膜を形成することができる。このように、天然ガスハイドレートの外表面を氷膜で覆うことにより、天然ガスハイドレートの分解を抑制することができる。
また、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷膜が形成されるので、天然ガスハイドレート粒子の外表面が水で濡れている場合に比べて、容器や配管の内壁面に付着しにくくなる。
また、冷却手段のみの1段階で冷却するのではなく、水和脱水手段において第1段階として冷却しておき、その後の冷却手段において第2段階として冷却するようにしたので、冷却動力が少なくて済む。
また、本発明にかかる天然ガスハイドレート生成システムは、天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成手段と、生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水手段と、前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水手段と、生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却手段と、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する大気圧減圧手段と、を備えた天然ガスハイドレート生成システムにおいて、前記水和脱水手段と前記冷却手段との間には、中間圧減圧手段が設けられ、該中間圧減圧手段は、該中間圧減圧手段から下流側の圧力を、前記水和脱水手段内の圧力よりも低くかつ大気圧よりも高い中間圧力まで減じることを特徴とする。
水和脱水手段と冷却手段との間に、圧力を減じる中間圧減圧手段が設けられているので、中間圧減圧手段から下流側に位置する冷却手段等の圧力を、水和脱水手段内の圧力よりも低くすることができる。これにより、中間圧減圧手段から下流側に位置する冷却手段等の設計圧力を低くすることができ、ケーシング肉厚の低減による重量削減および低コスト化が可能となる。
さらに、前記中間圧減圧手段は、その内部の温度が氷点以下とされるとともに、その内部の圧力が天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする。
中間圧減圧手段内の温度が氷点以下とされ、しかも、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力まで中間圧減圧手段内の圧力が減圧されるので、天然ガスハイドレート外表面に氷膜が形成される一方で、天然ガスハイドレートの分解が生じる。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、分解によって生じる水は、氷点以下の環境温度と吸熱反応による冷却とが相俟って、効果的に凝固して氷となる。これにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷膜が形成されることになる。つまり、天然ガスハイドレート粒子が造粒され、外表面が氷で被覆されたクラスター状の天然ガスハイドレートが生成される。造粒されて氷で被覆された天然ガスハイドレートは、その分解が抑制されるものとなる。
特に、氷膜で覆われておらず天然ガスハイドレート粒子が露出している部分に対して、天然ガスハイドレートの分解が進行して氷結することになる。つまり、氷膜で被覆されていない部分のみを選択的に氷膜で覆うことができる、いわゆる氷膜の自己補修が行われる。
さらに、前記中間圧減圧手段によって減圧する際に排出される天然ガスを昇圧し、前記生成手段へと返送する昇圧返送手段を備えていることを特徴とする。
中間圧減圧手段は、大気圧よりも高い中間圧力まで減圧するので、大気圧まで減じた後に昇圧する場合に比べて、昇圧動力が少なくて済む。したがって、ランニングコストを低くすることができる。
また、中間圧減圧手段によって減圧されているので、下流側に位置する大気圧減圧手段によって排出されるオフガスは少量となる。なぜなら、本システムの天然ガスの大部分は中間圧減圧手段から昇圧返送手段によって回収されるからである。したがって、大気圧減圧手段から排出されるオフガスによってシステムの効率が大幅に損なわれることはない。また、大気圧減圧手段から排出されるオフガスを、ガスエンジン等の発電用燃料として用いれば、より有効に利用することができる。
また、本発明にかかる天然ガスハイドレート生成システムは、天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成手段と、生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水手段と、前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水手段と、生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却手段と、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する大気圧減圧手段と、を備えた天然ガスハイドレート生成システムにおいて、前記冷却手段は、温度が氷点以下とされ、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする。
冷却手段内の温度が氷点以下とされ、しかも、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされているので、天然ガスハイドレート外表面に氷が形成される一方で、天然ガスハイドレートの分解が生じる。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、分解によって生じる水は、氷点以下の環境温度と吸熱反応による冷却とが相俟って、効果的に凝固して氷となる。これにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷の膜が形成されることになる。つまり、天然ガスハイドレート粒子が造粒され、外表面が氷で被覆されたクラスター状の天然ガスハイドレートが生成される。造粒されて氷で被覆された天然ガスハイドレートは、その分解が抑制されることになる。
特に、天然ガスハイドレート粒子の外表面の一部分のみが氷で覆われていない場合には、この一部分から天然ガスハイドレートの分解が進行し、氷結することになる。つまり、氷で被覆されていない部分のみを選択的に氷で覆うことができる、いわゆる氷膜の自己補修が行われる。
また、本発明にかかる天然ガスハイドレート生成システムは、天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成手段と、生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水手段と、前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水手段と、生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却手段と、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する大気圧減圧手段と、を備えた天然ガスハイドレート生成システムにおいて、前記水和脱水手段内の温度は、氷点以下とされ、前記水和脱水手段と前記冷却手段との間には、中間圧減圧手段が設けられ、該中間圧減圧手段は、該中間圧減圧手段から下流側の圧力を、前記水和脱水手段内の圧力よりも低くかつ大気圧よりも高い中間圧力まで減じ、該中間圧減圧手段内の圧力は天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされるとともに、該中間圧減圧手段内の温度が氷点以下とされ、前記冷却手段は、温度が氷点以下とされるとともに、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする。
水和脱水手段内を氷点以下とすることにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷を形成することができる。このように、天然ガスハイドレートの外表面を氷で覆うことにより、天然ガスハイドレートの分解を抑制することができる。
また、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷が形成されるので、天然ガスハイドレート粒子の外表面が水で濡れている場合に比べて、容器や配管の内壁面に付着しにくくなる。
また、冷却手段のみの1段階で冷却するのではなく、水和脱水手段において第1段階として冷却しておき、その後の冷却手段において第2段階として冷却するようにしたので、冷却動力が少なくて済む。
水和脱水手段と冷却手段との間に、圧力を減じる中間圧減圧手段が設けられているので、中間圧減圧手段から下流側に位置する冷却手段等の圧力を、水和脱水手段内の圧力よりも低くすることができる。これにより、中間圧減圧手段から下流側に位置する冷却手段等の設計圧力を低くすることができ、ケーシング肉厚の低減による重量削減および低コスト化が可能となる。
中間圧減圧手段内の温度が氷点以下とされ、しかも、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力まで中間圧減圧手段内の圧力が減圧されるので、天然ガスハイドレート外表面に氷が形成される一方で、天然ガスハイドレートの分解が生じる。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、分解によって生じる水は、氷点以下の環境温度と吸熱反応による冷却とが相俟って、効果的に凝固して氷となる。これにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷の膜が形成されることになる。つまり、天然ガスハイドレート粒子が造粒され、外表面が氷で被覆されたクラスター状の天然ガスハイドレートが生成される。造粒されて氷で被覆された天然ガスハイドレートは、その分解が抑制されることになる。
特に、水和脱水手段において氷膜が形成されるものの、氷膜形成が不十分であった場合には、氷膜が形成されなかった部分において天然ガスハイドレートの分解が進行し、氷結することになる。つまり、氷で被覆されていない部分のみを選択的に氷で覆うことができる、いわゆる氷膜の自己補修が行われる。
冷却手段内の温度が氷点以下とされ、しかも、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされているので、天然ガスハイドレート外表面に氷が形成される一方で、天然ガスハイドレートの分解が生じる。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、分解によって生じる水は、氷点以下の環境温度と吸熱反応による冷却とが相俟って、効果的に凝固して氷となる。これにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷の膜が形成されることになる。つまり、天然ガスハイドレート粒子が造粒され、外表面が氷で被覆されたクラスター状の天然ガスハイドレートが生成される。造粒されて氷で被覆された天然ガスハイドレートは、その分解が抑制されることになる。
特に、水和脱水手段および第2冷却手段において氷膜が形成されるものの、氷膜形成が不十分であった場合には、氷膜が形成されなかった部分において天然ガスハイドレートの分解が進行し、氷結することになる。つまり、氷で被覆されていない部分のみを選択的に氷で覆うことができる、いわゆる氷膜の自己補修が行われる。
また、本発明にかかる天然ガスハイドレート生成方法は、天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成工程と、生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水工程と、前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水工程と、生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却工程と、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する第1減圧工程と、を備えた天然ガスハイドレート生成方法において、前記水和脱水工程の温度は、氷点以下とされていることを特徴とする。
水和脱水工程を氷点以下とすることにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷を形成することができる。このように、天然ガスハイドレートの外表面を氷で覆うことにより、天然ガスハイドレートの分解を抑制することができる。
また、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷が形成されるので、天然ガスハイドレート粒子の外表面に水が存在している場合に比べて、容器や配管の内壁面に付着しにくくなる。
また、冷却手段のみの1段階で冷却するのではなく、水和脱水工程において第1段階として冷却しておき、その後の冷却工程において第2段階として冷却するようにしたので、冷却動力が少なくて済む。
また、本発明にかかる天然ガスハイドレート生成方法は、天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成工程と、生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水工程と、前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水工程と、生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却工程と、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する第1減圧工程と、を備えた天然ガスハイドレート生成方法において、前記水和脱水工程と前記冷却工程との間には、第2減圧工程が設けられ、該第2減圧工程は、該第2減圧工程から下流側の圧力を、前記水和脱水工程の圧力よりも低くかつ大気圧よりも高い中間圧力まで減じることを特徴とする。
水和脱水手段と冷却手段との間に、圧力を減じる中間圧減圧手段が設けられているので、中間圧減圧手段から下流側に位置する冷却手段等の圧力を、水和脱水手段内の圧力よりも低くすることができる。これにより、中間圧減圧手段から下流側に位置する冷却手段等の設計圧力を低くすることができ、ケーシング肉厚の低減による重量削減および低コスト化が可能となる。
さらに、前記第2減圧工程は、その温度が氷点以下とされるとともに、その圧力が天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする。
第2減圧工程の温度が氷点以下とされ、しかも、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力まで第2減圧工程の圧力が減圧されるので、天然ガスハイドレート外表面に氷が形成される一方で、天然ガスハイドレートの分解が生じる。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、分解によって生じる水は、氷点以下の環境温度と吸熱反応による冷却とが相俟って、効果的に凝固して氷となる。これにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷の膜が形成されることになる。つまり、天然ガスハイドレート粒子が造粒され、外表面が氷で被覆されたクラスター状の天然ガスハイドレートが生成される。造粒されて氷で被覆された天然ガスハイドレートは、その分解が抑制されることになる。
特に、天然ガスハイドレート粒子の外表面の一部分のみが氷で覆われていない場合には、この一部分から天然ガスハイドレートの分解が進行し、氷結することになる。つまり、氷で被覆されていない部分のみを選択的に氷で覆うことができる、いわゆる氷膜の自己補修が行われる。
また、本発明にかかる天然ガスハイドレート生成方法は、天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成工程と、生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水工程と、前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水工程と、生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却工程と、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する第1減圧工程と、を備えた天然ガスハイドレート生成方法において、前記冷却工程は、温度が氷点以下とされ、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする。
冷却工程の温度が氷点以下とされ、しかも、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされているので、天然ガスハイドレート外表面に氷が形成される一方で、天然ガスハイドレートの分解が生じる。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、分解によって生じる水は、氷点以下の環境温度と吸熱反応による冷却とが相俟って、効果的に凝固して氷となる。これにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷の膜が形成されることになる。つまり、天然ガスハイドレート粒子が造粒され、外表面が氷で被覆されたクラスター状の天然ガスハイドレートが生成される。造粒されて氷で被覆された天然ガスハイドレートは、その分解が抑制されることになる。
特に、天然ガスハイドレート粒子の外表面の一部分のみが氷で覆われていない場合には、この一部分から天然ガスハイドレートの分解が進行し、氷結することになる。つまり、氷で被覆されていない部分のみを選択的に氷で覆うことができる、いわゆる氷膜の自己補修が行われる。
天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷膜を形成することにより、貯蔵・輸送時の環境下においても分解しにくい天然ガスハイドレートを生成することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図1には、本実施形態にかかる天然ガスハイドレート生成システムのプロセスの概略が示されている。
天然ガスハイドレート生成システムは、生成反応装置(生成手段)1と、物理脱水装置(物理脱水手段)2と、水和脱水装置(水和脱水手段)3と、中間圧減圧装置(中間圧減圧手段)10と、冷却装置(冷却手段)4と、大気圧減圧装置(大気減圧手段)5とを主として備えている。なお、大気圧減圧装置5の下流側には、天然ガスハイドレートを成形固化する成形手段が接続されているが、その図示は省略されている。
生成反応装置1は、天然ガスと水とを氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する。生成反応装置1内の圧力は、例えば5〜7MPa(ゲージ圧)、温度は、例えば2〜5℃とされる。
図2に示すように、生成反応装置1は、密閉された圧力容器20を有している。圧力容器20には、図示しない貯水槽17から水が供給されることによって水相Lが形成されている。水相Lは、図示しない給水ポンプおよびバルブによって、所定の水位を保つように制御される。
また、圧力容器20には、ガス配管24が接続されており、図示しないガス貯蔵部との間を連結している。ガス貯蔵部には、ガス田から産出された天然ガスが、酸性ガスおよび重質成分の除去工程を経た後、圧縮機等により低温・高圧の状態にされて貯蔵されている。圧力容器20の内部には、ガス貯蔵部に貯蔵された天然ガスがガス配管24を通じて供給され、これにより気相Gが形成されている。
ガス管24には、後述する中間圧減圧装置10から回収された天然ガスを導くための天然ガス返送管25が接続されている。また、中間圧減圧装置10へと天然ガスを供給するための高圧ガス供給管26が、ガス管24から分岐している。
さらに、後述する水和脱水装置3へと天然ガスを導くための水和ガス供給管27が、ガス管24から分岐している。
さらに、圧力容器20には気相Gの圧力を計測する圧力計(図示せず)が設けられており、この圧力計の計測値に基づき圧力容器20内部に天然ガスを補充して気相Gの圧力をガスハイドレートの生成圧力に保つように制御される。
圧力容器20の内部には、水相Lの温度を氷点よりも高温であってガスハイドレートの生成温度よりも低温(この状態を以下「過冷却」という。)に保つ冷却装置(図示せず)が設けられている。冷却装置によって過冷却の状態を保つのは、天然ガスハイドレートが生成する過程で発生する水和熱を回収し、生成反応装置1の内部を常に生成温度に保つためである。なお、冷却装置には、水相Lを直接冷却する冷却コイルやラジエタ、圧力容器20を包んで容器全体を冷却する冷却ジャケットを採用するのが好ましい。
圧力容器20には、底部と頂部とを繋ぐ水配管30が接続されている。水配管30には、水循環ポンプ33及び熱交換器34が設けられている。また、圧力容器20内に突き出した水配管30の端部には、スプレーノズル36が設けられている。
水相Lの液面に近い圧力容器20の側面には、液面に生成されたスラリー状の天然ガスハイドレートを抜き出すスラリー抜出口20aが設けられている。このスラリー抜出口20aは、気相Gと液相Lとの界面(気液界面)近傍に設けられており、スラリー状の天然ガスハイドレートをオーバーフローさせる位置とされている。これは、天然ガスハイドレートの比重が氷と同様に水よりも小さいことから、気液界面近傍にハイドレートが濃縮されることに着目したものである。これにより、高濃度とされたスラリー状の天然ガスハイドレートは、スラリー抜出口20aからオーバーフローし、下方に位置する物理脱水装置2へと導かれる。このように、天然ガスハイドレートが生成する位置にスラリー抜出口20aを設けて、高濃度の天然ガスハイドレートを下流側に導くこととしたので、物理脱水装置2を小型化することができる。
また、スラリー抜出口20aよりも物理脱水装置2の位置を下方にすることにより、ヘッド差を用いて天然ガスハイドレートを物理脱水装置2へと導くこととしたので、天然ガスハイドレートを圧送するためのポンプが不要となる。
物理脱水装置2は、スクリュープレス式とされており、生成された天然ガスハイドレートをスクリュープレスすることにより物理的に脱水する。このように、プレスして物理的に圧力をかけて脱水する点で、後に説明する水和反応を用いた水和脱水と区別される。物理脱水装置2内の圧力は、生成反応装置1と同様に、例えば5〜7MPa(ゲージ圧)、温度は、例えば2〜5℃とされている。
図2に示すように、物理脱水装置2は、円筒形の内部空間40aを有する容器体40と、側面に螺旋状の突条部41aを有し内部空間40aに配置された軸体41とを備えている。
容器体40の先端には、生成反応装置11においてスラリー状に生成された天然ガスハイドレートを内部空間40aに取り入れる取入口40bが設けられている。取入口40bには、上述したスラリー配管37が接続されている。容器体40は、内部空間40aを形成する内壁と外殻を構成する筐体との二重構造になっており、内壁はメッシュ加工され、筐体の下方には内部に溜まった水を排出する排水口40eが設けられている。
排水口40eには、排水回収管45が接続されており、この排水回収管45を介して排水が生成反応装置1へと搬送される。排水回収管45には、水ポンプ44が設けられており、この水ポンプ44によって排水が汲み上げられる。
軸体41は、突条部41aを内部空間40aの内面に近接させて配置されるとともに、自らの軸線を中心として所定方向に回転可能に支持されており、電気モータ等の駆動部42によって回転駆動される。
容器体40の終端には、軸体41の回転によって圧送されてきた天然ガスハイドレートを取り出す取出口40fが設けられている。取出口40fはハイドレート配管43を介して後段の水和脱水装置3に接続されている。
水和脱水装置3は、脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと水和反応させて天然ガスハイドレートを生成する。水和脱水装置3内の圧力は、例えば5〜7MPa(ゲージ圧)とされ、温度は、例えば−5℃〜0℃とされる。つまり、圧力は生成反応装置1及び物理脱水装置2と同様であるが、温度が氷点以下まで冷却されている。
図2に示すように、水和脱水装置3は、筒形の内部空間50aを有する容器体50と、側面に複数のパドル51aを有し内部空間50aに配置されて回転しながら天然ガスハイドレートを搬送する軸体51とを備えている。
容器体50の先端には、物理脱水装置2において物理的に脱水された天然ガスハイドレートを取り入れる取入口50bが設けられている。取入口50bには、上述したハイドレート配管43が接続されている。
軸体51は、自らの軸線を中心として回転可能に支持されており、駆動部53によって回転駆動される。
容器体50の終端には、軸体51の回転によって搬送されてきた天然ガスハイドレートを取り出す取出口50cが設けられている。取出口50cにはハイドレート配管54を介して後段の中間圧減圧装置10に接続されている。
取出口50cに近い容器体50の側面には、天然ガスを内部空間50aに供給するガス供給孔50dが設けられている。ガス供給孔50dは、ガス配管24から分岐するガス配管27を介してガス貯蔵部に接続されている。
一方、取入口50bに近い容器体50には、内部空間50aの圧力を検出する圧力計(図示せず)が設置されており、この圧力計の計測値に基づき内部空間50aに天然ガスを補充して内部の圧力を常に生成圧に保持するように制御されている。
容器体50の外周には、内部空間50aを冷却するための冷却部55が設けられている。この冷却部55により、水和脱水装置3内の温度が氷点以下に保持され、後述するように、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷が生成される。
中間圧減圧装置10は、水和脱水装置3から導かれた天然ガスハイドレートの雰囲気圧力を中間圧まで減圧するものである。ここで、中間圧とは、5〜7MPa(ゲージ圧)とされた水和脱水装置3側の高圧圧力よりも低圧で、大気圧よりも高い圧力を意味し、例えば、0.1〜1MPa(ゲージ圧)とされる。中間圧減圧装置10内の温度は、水和脱水装置3と同様に、例えば−5〜0℃とされる。
中間圧減圧装置10は、バルブ切替方式とされ、いわゆるバッチ式となっている。中間圧減圧装置10は、ハイドレート配管54に直列に設けられた2つのバルブ81,82と、これらバルブ81,82間に設けられた貯留容器83とを備えている。
貯留容器83は、水和脱水装置3から導かれた天然ガスハイドレートを一時的に貯留する容器となっている。この貯留容器83には、バルブ26aを備えた高圧ガス供給管26が接続されており、この高圧ガス供給管26を介して高圧の天然ガスが貯留容器83に供給される。
さらに、貯留容器83には、天然ガス返送管25が接続されている。貯留容器83の近傍の天然ガス返送管25には、バルブ25aが設けられており、このバルブ25aの開閉によって貯留容器83からの天然ガスの排出が実現される。
天然ガス返送管25には、上流側から下流側に向かって(図において左方から右方に向かって)、中間圧に保持された中間圧タンク86、バルブ25b及びコンプレッサ87が直列にこの順番で設けられている。中間圧タンク86の下流側に設けられたコンプレッサ87は、中間圧とされた天然ガスを圧縮して高圧とし、生成反応装置1に接続されたガス管24に天然ガスを圧送するものである。
2つのバルブ81,82は離間して配置され、後段のバルブ82を経たハイドレート配管89は、後段の冷却装置4に接続されている。
冷却装置4は、生成された天然ガスハイドレートを冷却する。冷却装置4内の圧力は、例えば0.1〜1MPa(ゲージ圧)、温度は、例えば−30〜−10℃とされる。
図2に示すように、冷却装置4は、円筒形の内部空間60aを有する容器体60と、側面に複数のパドル61aを有し内部空間60aに配置された軸体61とを備えている。
容器体60の一端(図において左方)には、中間圧減圧装置において減圧された天然ガスハイドレートを内部空間60aに取り入れる取入口60bが設けられている。
軸体61は、パドル61aを内部空間60aの内面に近接させて配置されるとともに、自らの軸線を中心として所定方向に回転可能に支持されており、駆動部62によって回転駆動される。
容器体60の終端には、軸体61の回転によって搬送されてきた天然ガスハイドレートを取り出す取出口60cが設けられている。取出口60cはハイドレート配管63を介して後段の大気圧減圧装置5に接続されている。
容器体60の外周には、内部空間60の内部を冷却するための冷却部65が設けられている。この冷却部65により、脱水を終えた天然ガスハイドレートを低圧力下でも分解しない氷点以下の低温まで冷却する。
大気圧減圧装置5は、冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する。大気圧減圧装置5内の温度は、冷却装置4と同様に、例えば−30〜−15℃とされる。
大気圧減圧装置5は、バルブ切替方式とされ、いわゆるバッチ式となっている。大気圧減圧装置5は、ハイドレート配管63に直列に設けられた2つのバルブ71,72と、これらバルブ71,72間に設けられた貯留容器73とを備えている。
貯留容器73は、冷却装置4から導かれた天然ガスハイドレートを一時的に貯留する容器となっている。この貯留容器73には、バルブ74aを備えた排出管74が接続されており、この排出管74を介して排出された天然ガスは、別途設置されたガスエンジン等の燃料に用いられる。
さらに、貯留容器73には、天然ガス供給管75が接続されている。この天然ガス供給管75は、バルブ75aを介して、他端が中間圧タンク86に接続されており、貯留容器73に中間圧の天然ガスが供給されるようになっている。
2つのバルブ71,72は離間して配置され、後段のバルブ72を経たハイドレート配管63は大気開放されており、その後段には、加圧プレス式の成形手段が設けられている。
次に、上記構成の天然ガスハイドレート生成システムによる天然ガスハイドレートの生成について説明する。
まず、貯水槽から圧力容器20内に水を導入し水相Lを形成する。同時に、ガス貯蔵部から圧力容器20内に天然ガスを導入し、気相Gの圧力を例えば2〜5MPa(ゲージ圧)とされたガスハイドレートの生成圧力にまで高める。なお、水相Lを形成する水には、必要であれば安定化剤を添加してもよい。次に、水相Lの温度を例えば2〜5℃とされた過冷却の状態にまで冷却し、以後はこの状態が維持されるように温度管理を行う。
圧力容器20内の温度および圧力の状態が安定したら、水相Lを形成する水の一部を水配管30を通じて圧力容器20の底部から抜き出し、熱交換器34によって冷却した後、スプレーノズル36から気相G中に噴霧する。スプレーノズル36から噴霧された水粒子は気相G中を浮遊しながら水相Lに向けて落下する。このように気相G中に水の粒子を多量に形成することにより、気相G中に存在する水の粒子の表面積、すなわち気相Gを形成する天然ガスとの接触面積が極めて大きくする。水粒子の表面では、水と天然ガスとの水和反応が起こり、天然ガスハイドレートが生成される。なお、圧力容器20内の温度は氷点よりも高温になるように制御されているので、水相Lを形成する水や噴霧された水粒子が氷結することはない。
水粒子の表面で生成された天然ガスハイドレートはそのまま落下し、水相Lの液面に降り積もり、天然ガスハイドレートの層を形成する。この天然ガスハイドレートは、気液界面近傍に位置するスラリー抜出口20aから抜き出され、スラリー配管37を通じて物理脱水装置2に送り込まれる。このとき、スラリー排出口20aが気液界面近傍に位置しているので、生成されて水相Lの上方に浮かぶ天然ガスハイドレートを重点的に抜き出すことができる。したがって、物理脱水装置2へと送り込まれる天然ガスハイドレートは、含水率が非常に低いものとなる。
スラリー配管37を通じて物理脱水装置2に送り込まれたスラリー状の天然ガスハイドレートは、取入口40bを通じて内部空間40aに収容され、軸体41の回転によって軸方向に搬送され、その過程で加圧されることによって物理的に脱水される。物理脱水装置2内の圧力は、生成反応装置1と同様に、例えば5〜7MPa(ゲージ圧)、温度は、例えば2〜5℃とされている。
天然ガスハイドレートから分離された水分は、排水口40eから排出され、水ポンプ44に汲み上げられることよって排水回収管45を介して圧力容器20内へと返送される。
一方、物理脱水を終えた天然ガスハイドレートは、取出口40fを通じて物理脱水装置2から取り出され、ハイドレート配管43を通じて水和脱水装置3に送り込まれる。
水和脱水装置3に送り込まれた天然ガスハイドレートは、取入口50bを通じて内部空間50aに収容され、軸体51の回転によって軸方向に搬送される。一方、内部空間50a内には、ガス供給孔50dから、生成圧力である例えば5〜7MPaとされた高圧の天然ガスが供給される。したがって、天然ガスハイドレートが内部空間50a内を搬送される過程で、天然ガスハイドレート周りに残存する水分と内部空間50aに供給された天然ガスとが接触し撹拌されつつ冷却されることによって、残存する水分と天然ガスとが反応してハイドレート化される。
内部空間50aに収容された天然ガスハイドレートは、取出口50cに至るころには残存する水分のほとんどを未水和の天然ガスと水和反応させることで脱水され、結果的に天然ガスハイドレートそのものの量を増加させる(すなわち含水率を低下させる)。
さらに、本実施形態では、水和脱水装置3において、冷却部55によって内部空間50aを例えば−5〜0℃の氷点以下に冷却することとしている。これにより、天然ガスハイドレートの各粒子(以下「天然ガスハイドレート粒子」という。)の外表面に氷の膜を形成することができる。このように天然ガスハイドレート粒子の外表面を氷膜で覆うことにより、天然ガスハイドレートの分解を抑制することとしている。
水和脱水装置3における冷却温度は、その圧力において水和反応が進行する温度とされる。具体的には、図4に示すように、各ガス種の水和反応領域となるように、冷却温度が決定される。例えばメタンの場合であれば、線Cよりも上方の領域となるように温度及び圧力を決定する。なお、図4における縦軸の圧力はゲージ圧である。
上記のように水和脱水を終えて粒子表面が氷膜で覆われた天然ガスハイドレートは、取出口50cを通じて水和脱水装置3から取り出され、ハイドレート配管54に設けられたバルブ81を通過して中間圧減圧装置10の貯留容器83に送り込まれる。
中間圧減圧装置10は上流側のバルブ81を開き、かつ下流側のバルブ82を閉じた状態で天然ガスハイドレートを貯留容器83内に受け入れる。そして、貯留容器83に天然ガスハイドレートを蓄積し、ある程度の量が貯留された後に、バルブ81を閉じる。そして、天然ガス返送管25に設けられたバルブ25aを開け、貯留容器83内の天然ガスを中間圧タンク86へと排出する。このとき、高圧ガス供給管26に設けられたバルブ26aは閉じたままである。バルブ25aを開けることによって貯留容器83内を中間圧とした後に、バルブ25aを閉じ、次いで、バルブ82を開ける。このようにして、貯留容器83内に貯留された天然ガスハイドレートを下方へと排出する。
中間圧タンク86内に収容された天然ガスは、コンプレッサ(昇圧返送手段)87によって例えば5〜7MPa程度の高圧にまで昇圧され、天然ガス返送管(昇圧返送手段)25を介して生成反応装置1に接続されたガス管24へと返送される。
本実施形態では、中間圧減圧装置10の貯留容器83内の温度は、水和脱水装置3と同様に例えば−5〜0℃とされた氷点以下に保持されている。また、貯留容器83内の圧力は、天然ガスハイドレートの分解反応が進行する圧力まで減圧される。つまり、中間圧減圧装置10における温度及び圧力は、天然ガスハイドレートの分解反応が進行する温度及び圧力とされる。具体的には、図4に示すように、各ガス種の分解反応領域となるように、その温度における中間圧力が決定される。例えばメタンの場合であれば、線Cよりも下方の領域となるように温度及び圧力を決定する。
このように、中間圧減圧装置10内の温度が氷点以下とされ、しかも、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力まで中間圧減圧装置10内の圧力が減圧されるので、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷が形成される一方で、天然ガスハイドレートの分解が生じる。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、分解によって生じる水は、氷点以下の環境温度と吸熱反応による冷却とが相俟って、効果的に凝固して氷となる。これにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷膜がさらに万遍なく形成されることになる。つまり、天然ガスハイドレート粒子が造粒され、外表面が氷で被覆されたクラスター状の天然ガスハイドレートが生成される。このように造粒されて氷で被覆された天然ガスハイドレートは、その分解が一層抑制されるものとなる。
貯留容器83から天然ガスハイドレートを排出した後に、バルブ82を閉じ、高圧ガス供給管26に設けられたバルブ26aを開ける。これにより、高圧の天然ガスが貯留容器83内に供給され、上流側である水和脱水装置3内の圧力と均圧化される。このように均圧化された後にバルブ26aを閉じ、バルブ81を開けることによって再び天然ガスハイドレートが貯留容器83へと送られて蓄積される。
冷却装置4に送り込まれた天然ガスハイドレートは、取入口60bを通じて内部空間60aに収容され、軸体41の回転によって軸方向に搬送され、その過程で容器体60内部を冷却する冷却部65によって冷却される。冷却温度は、水和脱水装置3における冷却温度よりも更に低温とされ、搬送・輸送時の温度とされる例えば−30〜−10℃とされる。このように冷却された天然ガスハイドレートは、取出口60cを通じて冷却装置4から取り出され、ハイドレート配管63を通じて大気圧減圧装置5に送り込まれる。
大気圧減圧装置5は上流側のバルブ71を開き、かつ下流側のバルブ72を閉じた状態で天然ガスハイドレートを貯留容器73内に受け入れる。そして、貯留容器73に天然ガスハイドレートを蓄積し、ある程度の量が貯留された後に、バルブ71を閉じる。そして、排出管74に設けられたバルブ74aを開け、貯留容器73内の天然ガスを排出する。このとき、天然ガス供給管75に設けられたバルブ75aは閉じたままである。排出管74によって貯留容器73内を大気圧とした後に、バルブ74aを閉じ、次いで、ハイドレート配管63の下方に設けられたバルブ72を開ける。このようにして、貯留容器73内に貯留された天然ガスハイドレートを下方へと排出する。
貯留容器73から天然ガスハイドレートを排出した後に、バルブ72を閉じ、天然ガス供給管75に設けられたバルブ75aを開ける。これにより、中間圧タンク86から中間圧の天然ガスが貯留容器73内に供給され、上流側である冷却装置4内の圧力と均圧化される。このように均圧化された後にバルブ75aを閉じ、バルブ71を開けることによって再び天然ガスハイドレートが貯留容器73へと送られて蓄積される。
減圧を終えた天然ガスハイドレートは、上述のように大気圧減圧装置5から取り出され、図示しない成形装置に送り込まれて成形固化される。成形固化された天然ガスハイドレートは図示しない専用の輸送容器に収容され、貯蔵・輸送される。
以下に、本実施形態にかかるガスハイドレート生成装置および生成方法についての作用効果について説明する。
水和脱水装置3の内部空間50a内を氷点以下とすることにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷を形成することができる。このように、天然ガスハイドレートの外表面を氷で覆うことにより、天然ガスハイドレートの分解を抑制することができる。
また、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷膜が形成されるので、天然ガスハイドレート粒子の外表面が水で濡れている場合に比べて、容器や配管の内壁面に付着しにくくなる。したがって、容器体50の内壁に付着する天然ガスハイドレート粒子を減じることができ、より多くの天然ガスハイドレートを水和脱水することができる。さらに、下流側に天然ガスハイドレート粒子を搬送する際に、配管内に付着することがないので、より多くの天然ガスハイドレート粒子を搬送することができる。
また、本実施形態では、水和脱水装置3において第1段階として冷却しておき、その後の冷却装置4において第2段階として冷却するようにした。つまり、図7に示した従来技術のように1段階で冷却するものではない(図3(b)参照)。これにより、冷却動力を少なくすることができる。
具体的には、次に示すように、冷却動力が削減される。
天然ガスハイドレート1kgに水が20wt%付着した固体を5℃から-20℃まで冷却するために必要な冷却熱量は以下のとおりである。
(1)5℃から0℃までの冷却顕熱
(比熱)×(重量)×(温度差)=2.61[kJ/kg/K]×1.25[kg]×(5-0)[K]=16.3[kJ] ・・・(a)
(2)0℃での氷の凝固熱
(凝固熱)×(重量)=334[kJ/kg]×0.25[kg]=83.5[kJ] ・・・(b)
(3)0℃から-20℃までの冷却潜熱
(比熱)×(重量)×(温度差)=2.16 [kJ/kg/K]×1.25[kg]×(0-(-20)) [K]=54.0[kJ] ・・・(c)
以上の冷却を1段階で冷却する場合(従来)及び本実施形態のように2段階で冷却する場合について、それぞれの冷熱発生動力は以下の通りとなる。
1)1段階冷却(従来)
上記(a)〜(c)の冷却を-25℃の冷熱で冷却するため、図5に示したグラフを利用すると、必要な冷熱発生所用動力は次の通りとなる。
((a)+(b)+(c))×0.53=(16.3+83.5+54.0)×0.53=81.5[kJ] ・・・(d)
2)2段階冷却(実施形態)
上記(a)〜(b)の冷却を-5℃の冷熱で冷却し、上記(c)の冷却を-25℃の冷熱で冷却するため、図5に示したグラフを利用すると、必要な冷熱発生所要動力は次の通りとなる。
((a)+(b))×0.29+(c)×0.53=(16.3+83.5)×0.29+54.0×0.53=57.5[kJ]
・・・(e)
上記(d)及び(e)の結果から明らかなように、本実施形態の2段階冷却を採用することにより、冷熱発生動力を約30%削減することができる(図6参照)。
また、水和脱水装置3と冷却装置4との間に、圧力を減じる中間圧減圧装置10を設けることとしたので、中間圧減圧装置10よりも下流側に位置する冷却装置4の圧力を、水和脱水装置3内の圧力よりも低くすることができる。これにより、中間圧減圧装置10よりも下流側に位置する冷却手段4の設計圧力を低くすることができ、ケーシング肉厚の低減による重量削減および低コスト化が可能となる。
また、中間圧減圧装置10内の温度が氷点以下とされ、しかも、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力まで中間圧減圧装置10内の圧力を減圧することとしたので、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷膜が形成される一方で、天然ガスハイドレートの分解が生じる。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、分解によって生じる水は、氷点以下の環境温度と吸熱反応による冷却とが相俟って、効果的に凝固して氷となる。これにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷の膜が形成されることになる。つまり、天然ガスハイドレート粒子が造粒され、外表面が氷で被覆されたクラスター状の天然ガスハイドレート粒子が生成される。造粒されて氷で被覆された天然ガスハイドレートは、その分解が抑制されたものとなる。
特に、氷膜で覆われておらず天然ガスハイドレート粒子が露出している部分に対して、天然ガスハイドレートの分解が進行して氷結することになる。つまり、氷膜で被覆されていない部分のみを選択的に覆うことができる、いわゆる氷膜の自己補修が行われる。
また、中間圧減圧装置10は、大気圧よりも高い中間圧力まで減圧するので、大気圧まで減じた後に昇圧する場合に比べて、昇圧動力が少なくて済む。したがって、ランニングコストを低くすることができる。
具体的には、次に示すように、昇圧動力が削減される。
天然ガスハイドレートに随伴するガス1Nm3の90%を回収し、ハイドレートが生成する5.0MPa(ゲージ圧)まで昇圧するものとしたとき、以下のケースについて昇圧動力を計算する。
昇圧は断熱で行なうものと仮定し、昇圧動力は以下の式で計算できるものとする。(JIS B 8340-1995参照)
W=κ/(κ-1)×P1×Q1/103×((P2/P1) (κ-1)/κ-1) [kJ]
P1:圧縮機の入口圧力[PaA]
P2:圧縮機の出口圧力[PaA]
Q1:ガスの実流量[Am3]
κ:気体の断熱指数[-],κ=1.34(改訂四版 化学便覧 基礎編IIのメタンの値を参照)
また、大気圧を101.33kPaAとする。
(1)大気圧から5.0MPaGまで昇圧した場合の所要動力(従来)
W=κ/(κ-1)×P1×Q1/103×((P2/P1) (κ-1)/κ-1)
=1.34/(1.34-1)×(0+101330)×(1×0.9)/103×(((5.0×106+101330)/(0+101330))
(1.34-1)/1.34-1)
=612kJ ・・・(a)
(2)2段階減圧システムを使用し、0.5MPaGから5.0MPaGまで昇圧したときの所要動力(本実施形態)
Q1=1×0.9×(0+101330)/(0.5×106+101330)
=0.152Am3
W=κ/(κ-1)×P1×Q1/103×((P2/P1) (κ-1)/κ-1)
=1.34/(1.34-1)×(0.5×106+101330)×0.152/103×(((5.0×106+101330)/(0.5×106+101330)) (1.34-1)/1.34-1)
=259kJ ・・・(b)
上記(a)及び(b)の結果から明らかなように、本実施形態の2段階減圧を採用することにより、昇圧動力を約60%削減することが出来る。
また、中間圧減圧装置10によって減圧されているので、下流側に位置する大気圧減圧装置5によって排出管74から排出されるオフガスは少量となる。なぜなら、本システムの天然ガスの大部分は中間圧減圧装置10からコンプレッサ87によって回収されるからである。したがって、大気圧減圧装置5から排出されるオフガスによってシステムの効率が大幅に損なわれることはない。また、大気圧減圧装置5から排出されるオフガスをガスエンジン等の発電用燃料として用いることにより、オフガスをより有効に利用することができる。
冷却装置4についても、中間圧減圧装置10と同様に、内部の温度が氷点以下とされ、しかも、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされているので、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷膜が形成される一方で、天然ガスハイドレートの分解が生じる。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、分解によって生じる水は、氷点以下の環境温度と吸熱反応による冷却とが相俟って、効果的に凝固して氷となる。これにより、天然ガスハイドレート粒子の外表面に氷の膜が形成されることになる。つまり、天然ガスハイドレート粒子が造粒され、外表面が氷で被覆されたクラスター状の天然ガスハイドレート粒子が生成される。造粒されて氷で被覆された天然ガスハイドレートは、その分解が抑制されたものとなる。
特に、氷膜で覆われておらず天然ガスハイドレート粒子が露出している部分に対して、天然ガスハイドレートの分解が進行して氷結することになる。つまり、氷膜で被覆されていない部分のみを選択的に覆うことができる、いわゆる氷膜の自己補修が行われる。
本発明の実施形態にかかる天然ガスハイドレート生成システムのプロセスを示したブロック図である。 図1に示した天然ガスハイドレート生成システムの具体的構成を示した図である。 天然ガスハイドレート生成システムの温度範囲および圧力範囲を示し、(a)は本実施形態、(b)は比較例である。 ハイドレートの生成平衡線図である。 単位冷凍能力あたりの所要動力を示したグラフである。 天然ガスハイドレート生成システムの所要動力を示し、(a)は本実施形態、(b)は比較例である。 従来の天然ガスハイドレート生成システムのプロセスを示したブロック図である。
符号の説明
1 生成反応装置(生成手段)
2 物理脱水装置(物理脱水手段)
3 水和脱水装置(水和脱水手段)
4 冷却装置(冷却手段)
5 大気減圧装置(大気減圧手段)
10 中間圧減圧装置(中間圧減圧手段)

Claims (10)

  1. 天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成手段と、
    生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水手段と、
    前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水手段と、
    生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却手段と、
    冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する大気圧減圧手段と、
    を備えた天然ガスハイドレート生成システムにおいて、
    前記水和脱水手段内の温度は、氷点以下とされていることを特徴とする天然ガスハイドレート生成システム。
  2. 天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成手段と、
    生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水手段と、
    前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水手段と、
    生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却手段と、
    冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する大気圧減圧手段と、
    を備えた天然ガスハイドレート生成システムにおいて、
    前記水和脱水手段と前記冷却手段との間には、中間圧減圧手段が設けられ、
    該中間圧減圧手段は、該中間圧減圧手段から下流側の圧力を、前記水和脱水手段内の圧力よりも低くかつ大気圧よりも高い中間圧力まで減じることを特徴とする天然ガスハイドレート生成システム。
  3. 前記中間圧減圧手段は、その内部の温度が氷点以下とされるとともに、その内部の圧力が天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする請求項2記載の天然ガスハイドレート生成システム。
  4. 前記中間圧減圧手段によって減圧する際に排出される天然ガスを昇圧し、前記生成手段へと返送する昇圧返送手段を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の天然ガスハイドレート生成システム。
  5. 天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成手段と、
    生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水手段と、
    前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水手段と、
    生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却手段と、
    冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する大気圧減圧手段と、
    を備えた天然ガスハイドレート生成システムにおいて、
    前記冷却手段は、温度が氷点以下とされ、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする天然ガスハイドレート生成システム。
  6. 天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成手段と、
    生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水手段と、
    前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水手段と、
    生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却手段と、
    冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する大気圧減圧手段と、
    を備えた天然ガスハイドレート生成システムにおいて、
    前記水和脱水手段内の温度は、氷点以下とされ、
    前記水和脱水手段と前記冷却手段との間には、中間圧減圧手段が設けられ、
    該中間圧減圧手段は、該中間圧減圧手段から下流側の圧力を、前記水和脱水手段内の圧力よりも低くかつ大気圧よりも高い中間圧力まで減じ、該中間圧減圧手段内の圧力は天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされるとともに、該中間圧減圧手段内の温度が氷点以下とされ、
    前記冷却手段は、温度が氷点以下とされるとともに、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする天然ガスハイドレート生成システム。
  7. 天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成工程と、
    生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水工程と、
    前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水工程と、
    生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却工程と、
    冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する第1減圧工程と、
    を備えた天然ガスハイドレート生成方法において、
    前記水和脱水工程の温度は、氷点以下とされていることを特徴とする天然ガスハイドレート生成方法。
  8. 天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成工程と、
    生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水工程と、
    前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水工程と、
    生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却工程と、
    冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する第1減圧工程と、
    を備えた天然ガスハイドレート生成方法において、
    前記水和脱水工程と前記冷却工程との間には、第2減圧工程が設けられ、
    該第2減圧工程は、該第2減圧工程から下流側の圧力を、前記水和脱水工程の圧力よりも低くかつ大気圧よりも高い中間圧力まで減じることを特徴とする天然ガスハイドレート生成方法。
  9. 前記第2減圧工程は、その温度が氷点以下とされるとともに、その圧力が天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする請求項8記載の天然ガスハイドレート生成方法。
  10. 天然ガス及び水を氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成工程と、
    生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水する物理脱水工程と、
    前記脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する水和脱水工程と、
    生成された天然ガスハイドレートを冷却する冷却工程と、
    冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する第1減圧工程と、
    を備えた天然ガスハイドレート生成方法において、
    前記冷却工程は、温度が氷点以下とされ、天然ガスハイドレートの分解が生じる圧力とされていることを特徴とする天然ガスハイドレート生成方法。
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