JP2004244495A - 天然ガスハイドレートの生成方法および生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然ガスハイドレートを常に安定して生成することが可能な天然ガスハイドレート生成装置を提供すること。
【解決手段】天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成するための圧力容器と、同圧力容器から原料水を抽出して再度容器に循環供給する水配管30と、水配管30を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する熱交換器32とを備える天然ガスハイドレート生成装置において、熱交換器32内部に生成した天然ガスハイドレートを加熱し、分解する。
【選択図】 図2
【解決手段】天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成するための圧力容器と、同圧力容器から原料水を抽出して再度容器に循環供給する水配管30と、水配管30を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する熱交換器32とを備える天然ガスハイドレート生成装置において、熱交換器32内部に生成した天然ガスハイドレートを加熱し、分解する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、メタン等の炭化水素を主成分とする天然ガスを貯蔵・輸送する方法としては、ガス田から天然ガスを採取したあと液化温度まで冷却し、液化天然ガス(LNG)とした状態で貯蔵・輸送する方法が一般的である。しかしながら、例えば液化天然ガスの主成分であるメタンの場合、液化させるには−162℃といった極低温条件が必要であり、こうした条件を維持しながら貯蔵・輸送を行うためには、専用の貯蔵装置やLNG輸送船といった専用の輸送手段が必要となる。こうした装置等の製造および維持・管理には非常に高いコストを要するため、上記方法に代わる低コストの貯蔵・輸送方法が鋭意研究されてきた。
【0003】
こうした研究の結果、天然ガスを水和させて固体状態の水和物(以下「天然ガスハイドレート」とする)を生成し、この固体状態のまま貯蔵・輸送するという方法が見出され、近年特に有望視されている(例えば下記の特許文献1)。この方法では、LNGを取扱う場合のような極低温条件は必要とされず、また固体とするためその取扱いも比較的容易である。このため、既存の冷凍装置あるいは既存のコンテナ船を若干改良したものを各々貯蔵装置あるいは輸送手段として利用可能となり、したがって、大幅な低コスト化が図れるものとして期待が寄せられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−264851号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特許文献1に記載されたハイドレートの製造装置においては、ハイドレート生成容器の内部で水相を形成する原料水の一部を、配管を通じて生成容器の底部から抜き出し、熱交換器によって冷却した後、スプレーノズルから生成容器内部の気相中に噴霧している。このとき抜き出される原料水は、天然ガスを含んでおり、熱交換器において冷却されるとこのガス分が水和物化して熱交換器の内部に付着する可能性がある。付着したガスハイドレートが徐々に成長して原料水の流量を低下させるようになると、スプレーノズルからの噴霧量が減少し、ガスハイドレートの生成効率が低下するので好ましくない。また、配管内部でガスハイドレートが大きく成長してしまうと、これを除去するために製造装置の運転を停止させる必要も生じ、装置自体の稼働効率を低下させてしまうのでさらに問題である。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、天然ガスハイドレートを常に安定して生成することが可能な天然ガスハイドレートの生成方法および生成装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、次のような構成の天然ガスハイドレートの生成方法および生成装置を採用する。
すなわち本発明に係る請求項1記載の天然ガスハイドレートの生成方法は、天然ガスと原料水とを生成容器に入れ、該生成容器から原料水を抽出し、冷却してから同生成容器の内部に再度供給し、供給した原料水と前記天然ガスとを反応させて天然ガスハイドレートを生成する天然ガスハイドレートの生成方法であって、
前記生成容器から抽出した原料水を同生成容器の内部に再度供給する循環経路を、該循環経路に設けた加熱手段によって加熱することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の天然ガスハイドレートの生成方法は、請求項1記載の天然ガスハイドレートの生成方法において、前記循環経路の加熱を間欠的に実施することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の天然ガスハイドレート生成装置は、天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成するための生成容器と、該生成容器から原料水を抽出して同生成容器の内部に再度供給する循環経路と、該循環経路を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段とを備える天然ガスハイドレート生成装置であって、
前記天然ガスを含む原料水が冷却されることによって前記循環経路に生成した天然ガスハイドレートを加熱する加熱手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、循環経路に生成した天然ガスハイドレートを加熱することにより、循環経路に付着した天然ガスハイドレートが分解、除去され、循環経路を原料水が終始円滑に流れて流量が低下しないので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。また、通常は加熱手段を作動させず、天然ガスハイドレートの成長が進む前に間欠的に加熱手段を作動させて天然ガスハイドレートの除去を行うようにすれば、生成運転を停止させる必要もなく、装置自体の稼働効率を低下させることもない。
【0011】
請求項4記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項3記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記循環経路にあって前記冷却手段としての機能と前記加熱手段としての機能とを兼ねる熱交換器を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、冷却手段としての機能と加熱手段としての機能とを兼ねる熱交換器を採用することにより、ひとつの機器で原料水の冷却と天然ガスハイドレートの除去とが行えるようになるので、設備コストが安価に抑えられる。
【0013】
請求項5記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項4載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記熱交換器が冷却手段として機能する場合の冷熱源と、加熱手段として機能する場合の加熱源とが、同種の媒体であることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、熱交換器を冷却手段として機能させる場合の冷熱源と、加熱手段として機能させる場合の加熱源とを同種の媒体とすることにより、熱交換器の維持管理が行い易くなる。異種の媒体を使用すると、混ざり合うことで互いの性能を劣化させたり、物性が変化して熱交換器を腐蝕させたりする不具合を考慮しなければならないが、同種の媒体を使用すれば、このような不具合は起きないので好適である。
【0015】
請求項6記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項4または5記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記循環経路に、前記熱交換器をバイパスするバイパス路を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、前記循環経路に生成した天然ガスハイドレートを加熱する間、原料水を、熱交換器を迂回して循環させることにより、原料水が加熱されることが回避されるので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。もしも原料水が加熱されて生成容器に戻されると、天然ガスハイドレートの生成条件のバランスが崩れて生成効率が低下する可能性がある。
【0017】
請求項7記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項3から6のいずれか記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記加熱手段を所定の時間おきに作動させる制御部を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項4から6のいずれか記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記熱交換器を通過した原料水の流速が所定のしきい値を下回ったときに、前記加熱手段を作動させる制御部を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項4から6のいずれか記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記熱交換器の前後に生じる原料水の差圧が所定のしきい値を上回ったときに、前記加熱手段を作動させる制御部を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、加熱手段を、所定の時間おきに作動させたり、熱交換器を通過した原料水の流速が所定のしきい値を下回ったときに作動させたり、熱交換器の前後に生じる原料水の差圧が所定のしきい値を上回ったときに作動させたりというように、加熱手段を間欠的に作動させることにより、天然ガスハイドレートの除去が定期的または不定期に行われて常に詰まりのない状態が保たれるので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。
【0021】
請求項10記載の天然ガスハイドレート生成装置は、天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成するための生成容器と、該生成容器から原料水を抽出して同生成容器に再度供給する循環経路と、該循環経路を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段とを備える天然ガスハイドレート生成装置であって、
前記冷却手段が、シェルアンドチューブ形の熱交換器であることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、冷却手段そしてシェルアンドチューブ形の熱交換器を採用することにより、天然ガスハイドレートの生成効率が低下し難くなる。一般に、シェルアンドチューブ形の熱交換器は、同程度の熱交換性能を有する他構造の熱交換器と比較して被冷却物である原料水の流路を広く確保し、かつ流速を速めることもできるため、原料水中に天然ガスハイドレートが生成しても循環経路に付着する前に原料水に押し流されてしまうからである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施形態を図1および図2に示して説明する。
図1は本発明に係る天然ガスハイドレートの生成システムの具体的な装置構成を示す。図において、11は天然ガスと原料水とを氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成反応装置、12は生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水するスクリュープレス型脱水装置、13は脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する2軸スクリュー型脱水装置、14は生成された天然ガスハイドレートを冷却するスクリューコンベア型冷却装置、15は冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧するバルブ切替型の減圧装置、16は天然ガスハイドレートを成形固化する加圧プレス型成形装置である。また、符号17は原料である水を貯蔵する貯水槽、18は同じく原料である天然ガスを産出するガス田、19はガス田18から産出された天然ガスを貯蔵するガス貯蔵部である。
【0024】
生成反応装置11は、圧力容器(生成容器)20を有している。圧力容器20には、貯水槽17の原料水を導入する水配管21が接続されるとともに、ガス貯蔵部19の天然ガスを導入するガス配管22が接続されている。水配管21には、原料水を吸い上げて圧力容器20の内部に導入する水ポンプ23と、バルブ24とが設けられている。圧力容器20の内部には、原料水が導入されて水相Lが形成されるとともに、天然ガスが導入されて気相Gが形成されている。
【0025】
さらに、圧力容器20には、気相Gの圧力を計測する圧力計25が設けられ、ガス配管にはバルブ26および流量調節弁27が設けられている。流量調節弁27の開度は、圧力計25の計測値に基づき圧力容器20内部に天然ガスを補充して気相Gの圧力をガスハイドレートの生成圧力(例えば5.0MPa)に保つように制御される。
【0026】
圧力容器20には、水相Lの温度を氷点よりも高温であってかつガスハイドレートの生成温度よりも低温(この状態を「過冷却」と定義する)に保つ冷却装置28が設けられている。冷却装置28によって圧力容器20の内部を過冷却の状態に保つのは、天然ガスハイドレートが生成する過程で発生する水和熱を回収し、圧力容器20の内部を常に生成温度(例えば4.0℃〜6.0℃)に保つためである。
【0027】
圧力容器20には、底部と頂部とを繋いで原料水を循環させる水配管(循環経路)30が接続されている。水配管30には、水相Lの原料水を吸い上げて循環させる水循環ポンプ31と、水循環ポンプ31によって吸い上げられた原料水を冷却する熱交換器(冷却手段)32と、原料水のみを透過するフィルタ33と、バルブ34,35とが設けられている。また、圧力容器20の頂部から内側に突き出した水配管26の先端には、気相G中に原料水を噴霧するスプレーノズル36が設けられている。
【0028】
圧力容器20の側壁には、水相Lの液面に生成されたスラリー状の天然ガスハイドレートを抜き出すスラリー抜出口20aが設けられており、圧力容器20は、スラリー抜出口20aに接続されたスラリー配管37を介してスクリュープレス型脱水装置12と接続されている。スラリー配管37には、バルブ38と、水相Lの液面に浮遊するスラリーを吸い出すスラリー抜出ポンプ39とが設けられている。
【0029】
スクリュープレス型脱水装置12は、円筒形の内部空間40aを有する容器体40と、側面に螺旋状の突条部41aを有し内部空間40aに配置された軸体41とを備えている。容器体40の先端には、生成反応装置11においてスラリー状に生成された天然ガスハイドレートを内部空間40aに取り入れる取入口40bが設けられている。取入口40bには、上述したスラリー配管37が接続されている。
【0030】
容器体40は、内部空間40aを形成する内壁40cと外殻を構成する筐体40dとの二重構造になっており、内壁40cはメッシュ加工され、筐体40dには内部に溜まったろ過水を排出する排水口40eが設けられている。筐体40dは、排水口40eに接続された水配管44を介して圧力容器20に接続されている。水配管44には、排出された水を圧力容器20の内部に導入する水ポンプ45と、バルブ46とが設けられている。
【0031】
軸体41は、突条部41aを内部空間40aの内面に近接させて配置されるとともに、自らの軸線を中心として所定方向に回転可能に支持されており、駆動部42によって回転駆動される。容器体40の終端には、軸体41の回転によって搬送されてきた天然ガスハイドレートを取り出す取出口40fが設けられている。容器体40は、取出口40fに接続されたハイドレート配管43を介して後段の2軸スクリュー型脱水装置13に接続されている。
【0032】
2軸スクリュー型脱水装置13は、断面が長円形をなす筒形の内部空間50aを有する容器体50と、側面に螺旋状の突条部51a,52aを有し内部空間50aに配置されて個々に回転しながら天然ガスハイドレートを搬送する2本の軸体51,52とを備えている。容器体50の先端には、スクリュープレス型脱水装置12において物理的に脱水された天然ガスハイドレートを取り入れる取入口50bが設けられている。取入口50bには、上述したハイドレート配管43が接続されている。
【0033】
軸体51,52は、両者が平行に配置されるとともに軸方向から見てそれぞれの突条部51a,52aを重複させて配置されている。さらに、それぞれの突条部51a,52aを内部空間50aの内面に近接させて配置されるとともに、自らの軸線を中心として回転可能に支持されており、駆動部53によって回転駆動される。なお、両軸体の回転方向は同方向であってもよいし、異なる方向であってもよい。
【0034】
容器体50の終端には、軸体51,52の回転によって搬送されてきたガスハイドレートを取り出す取出口50cが設けられている。取出口50cにはハイドレート配管54を介して後段のスクリューコンベア型冷却装置14に接続されている。取出口50cに近い容器体50の側面には、天然ガスを内部空間50aに供給するガス供給孔50dが設けられている。ガス供給孔50dは、ガス配管22から分岐するガス配管55を介してガス貯蔵部19に接続されている。ガス配管55にはバルブ56および流量調節弁57が設けられている。一方、取入口50bに近い容器体50には、内部空間50aの圧力を検出する圧力計58が設置されており、流量調節弁57の開度は、圧力計58の計測値に基づき内部空間50aに天然ガスを補充して内部の圧力を常に生成圧(例えば5.0MPa)に保持するように制御される。
【0035】
スクリュープレス型脱水装置12および2軸スクリュー型脱水装置13には、内部空間40,50の内部を上記過冷却の状態に保持する冷却装置(図示略)が設けられている。
【0036】
スクリューコンベア型冷却装置14は、円筒形の内部空間60aを有する容器体60と、側面に螺旋状の突条部61aを有し内部空間60aに配置された軸体61とを備えている。容器体60の先端には、2軸スクリュー型脱水装置13において水和脱水された天然ガスハイドレートを内部空間60aに取り入れる取入口60bが設けられている。取入口60bには、上述したハイドレート配管54が接続されている。軸体61は、突条部61aを内部空間60aの内面に近接させて配置されるとともに、自らの軸線を中心として所定方向に回転可能に支持されており、駆動部62によって回転駆動される。容器体60の終端には、軸体61の回転によって搬送されてきた天然ガスハイドレートを取り出す取出口60cが設けられている。取出口60cはハイドレート配管63を介して後段のバルブ切替型減圧装置15に接続されている。
【0037】
容器体60は、内部空間60aを形成する内壁60dと外殻を構成する筐体60eとの二重構造になっており、取出口60cに近い筐体60eの側面には内壁60dとの隙間に冷媒を導入する冷媒入口60fが設けられ、取入口60bに近い筐体60eの側面には冷媒を導出する冷媒出口60gが設けられている。容器体60には、冷媒入口60fと冷媒出口60gとを繋ぐ冷媒配管65が接続されており、冷媒配管65には冷媒循環ポンプ66および熱交換器67が設けられている。冷媒は熱交換器66によって冷却され、冷媒配管65を通じて内壁60dと筐体60eとの隙間に流入し、脱水を終えた天然ガスハイドレートを低気圧下でも分解しない氷点以下の低温(例えば−10℃〜−15℃)まで冷却する。
【0038】
バルブ切替型減圧装置15は、ハイドレート配管63に直列に設けられた2つのバルブ71,72によって構成されている。2つのバルブ71,72は離間して配置され、後段のバルブ72を経たハイドレート配管63は大気開放されており、その後段には加圧プレス型成形装置16が設けられている。加圧プレス型成形装置16は、固定の壁部75と壁部75に接近離間可能に駆動されるプレート76とを備えている。
【0039】
上記のように構成された生成システムによる天然ガスハイドレートの生成について説明する。
まず、貯水槽17から圧力容器20内に原料水を導入し水相Lを形成する。同時に、ガス貯蔵部19から圧力容器20内に天然ガスを導入し、気相Gの圧力をガスハイドレートの生成圧力にまで高める。なお、水相Lを形成する原料水には、必要であれば安定化剤を添加してもよい。次に、水相Lの温度を過冷却の状態にまで冷却し、以後はこの状態が維持されるように温度管理を行う。
【0040】
圧力容器20内の温度および圧力の状態が安定したら、水相Lを形成する原料水の一部を水配管30を通じて圧力容器20の底部から抜き出し、熱交換器32によって再度冷却した後、スプレーノズル36から気相G中に噴霧する。スプレーノズル36から噴霧された水粒子は気相G中を漂いながら水相Lに向けて落下する。このように気相G中に水の粒子を多量に形成することにより、気相G中に存在する水粒子の表面積、すなわち気相Gを形成する天然ガスとの接触面積が極めて大きくなる。水粒子の表面では、水と天然ガスとの水和反応が起こり、天然ガスハイドレートが生成される。なお、圧力容器20内の温度は氷点よりも高温になるように制御されているので、水相Lを形成する原料水や噴霧された水粒子が凍りつくことはない。
【0041】
水粒子の表面で生成された天然ガスハイドレートはそのまま落下し、水相Lの液面に降り積もり、天然ガスハイドレートの層を形成する。この天然ガスハイドレートはスラリー抜出口20aから抜き出され、スラリー配管37を通じてスクリュープレス型脱水装置12に送り込まれる。このとき、天然ガスハイドレートは原料水とともに回収されるため、含水率が非常に高いスラリー状となる。
【0042】
スラリー配管37を通じてスクリュープレス型脱水装置12に送り込まれたスラリー状の天然ガスハイドレートは、取入口40bを通じて内部空間40aに収容され、軸体41の回転によって軸方向に搬送され、その過程で加圧されることによって物理的に脱水される。天然ガスハイドレートから分離された余剰の水分は、今だに非常に多くの天然ガスハイドレートを含んでいる。そこで、この余剰水は内壁40cのメッシュを通じて筐体40dの内部に集められて排水口40eから排出され、水配管44を通じて圧力容器20に再度導入される。
【0043】
一方、物理脱水を終えた天然ガスハイドレートは、取出口40fを通じてスクリュープレス型脱水装置12から取り出され、ハイドレート配管43を通じて2軸スクリュー型脱水装置13に送り込まれる。
【0044】
2軸スクリュー型脱水装置13に送り込まれた天然ガスハイドレートは、取入口50bを通じて内部空間50aに収容され、軸体51,52の回転によって軸方向に搬送される。その過程で残存する水分と内部空間50aに供給された天然ガスと接触し、これとともに撹拌されつつ冷却されることによって残存する水分と天然ガスとを反応させてハイドレート化する。
【0045】
内部空間50aに収容された天然ガスハイドレートは、取出口50cに至るころには残存する水分のほとんどを未水和の天然ガスと水和反応させることで脱水され、結果的に天然ガスハイドレートそのものの量を増加させる。水和脱水を終えた天然ガスハイドレートは、取出口50Cを通じて2軸スクリュー型脱水装置13から取り出され、ハイドレート配管54を通じてスクリューコンベア型冷却装置14に送り込まれる。
【0046】
スクリューコンベア型冷却装置14に送り込まれた天然ガスハイドレートは、取入口60bを通じて内部空間60aに収容され、軸体61の回転によって軸方向に搬送され、その過程で容器体60内部を循環する冷媒によって冷却される。
氷点以下の低温になるまで冷却された天然ガスハイドレートは、取出口60fを通じてスクリューコンベア型冷却装置14から取り出され、ハイドレート配管63を通じてバルブ切替型減圧装置15に送り込まれる。
【0047】
バルブ切替型減圧装置15は上流側のバルブ71を開き、下流側のバルブ72を閉じた状態とされ、天然ガスハイドレートを受け入れる。バルブ71,72間には天然ガスハイドレートが蓄積していくので、ある程度になったらバルブ71を閉じ、続いてバルブ72を開いてバルブ71,72間の天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する。減圧を終えた天然ガスハイドレートは、バルブ切替型減圧装置15から取り出され、加圧プレス型成形装置16に送り込まれる。
【0048】
加圧プレス型成形装置16に送り込まれた天然ガスハイドレートは、プレート76によって壁部75に押し付けられるようにして成形固化される。成形固化された天然ガスハイドレートは図示しない専用の輸送容器に収容され、貯蔵・輸送される。
【0049】
次に、熱交換器32のより詳細な構造を図2に示す。
熱交換器32は、天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段としての機能の他に、天然ガスを含む原料水が冷却されることによって生成した天然ガスハイドレートを加熱し分解する加熱手段としての機能を兼ね備えている。熱交換器32は、円筒形のシェル100の中に複数の伝熱チューブ101を配置し、伝熱チューブ101に圧力容器20の底部から抜き出した原料水を通し、シェル100の内側に原料水を冷却する冷媒としての不凍液を通すいわゆるシェルアンドチューブ形の熱交換器である。シェル100には、長手方向の一端にヘッダ102が設けられ、他端にはヘッダ103が設けられており、ヘッダ102は水配管30の上流側に、ヘッダ103は下流側に接続されている。水配管30には、熱交換器32をバイパスするバイパス管(バイパス路)106が設けられており、このバイパス管106には止め弁107が設けられている。
【0050】
伝熱チューブ101は一端をヘッダ102に、他端をヘッダ103に接続されていて、これらは水配管30の一部として原料水の循環経路を構成している。また、シェル100には、ヘッダ102に近い側壁に不凍液の導通孔104が、ヘッダ103に近い側壁には不凍液の導通孔105が設けられている。
【0051】
熱交換器32には、0℃〜2℃に管理された不凍液を導通孔105からシェル100の内側に導入し、導通孔104から排出する冷却系統110と、10℃に管理された同種の不凍液を導通孔105からシェル100の内側に導入し、導通孔104から排出する加熱系統120とが設けられている。冷却系統110は、不凍液を常時0℃〜2℃に管理して貯蔵しておく低温タンク111と、低温タンク111と導通孔105とを接続する液配管112と、導通孔104と低温タンク111とを接続する液配管113と、0℃〜2℃に管理された不凍液を液配管112を通じてシェル100に供給する液ポンプ114とから構成されている。
加熱系統120は、不凍液を常時10℃に管理して貯蔵しておく高温タンク121と、高温タンク121と導通孔105とを接続する液配管122と、導通孔104と高温タンク121とを接続する液配管123と、10℃に管理された不凍液を液配管122を通じてシェル100に供給する液ポンプ124とから構成されている。
【0052】
液配管112,122は、導通孔105の手前で1本にまとめられ、その部分にはシェル100への不凍液の供給元(低温タンク111または高温タンク121)を切り換える三方弁115が設けられている。また、液配管113,123は、導通孔104の手前で1本にまとめられ、その部分にはシェル100からの不凍液の排出先(低温タンク111または高温タンク121)を切り換える三方弁125が設けられている。
【0053】
止め弁107、三方弁115,125は、これらの作動を制御する制御部130に信号ケーブルを介して接続されている。制御130は、所定の時間おきに止め弁107の開閉、および三方弁115,125の切り換えを行う。
【0054】
天然ガスハイドレート生成反応装置11においては、圧力容器20の内部で水相Lを形成する原料水の一部を、水配管30を通じて圧力容器20の底部から抜き出し、熱交換器32によって冷却した後、スプレーノズル36から気相G中に噴霧している。このとき抜き出される原料水は、天然ガスを多く含んでおり、熱交換器32において冷却されるとこのガス分が水和物化して伝熱チューブ101の内面に付着する可能性があることは先に述べた。そこで、この天然ガスハイドレート生成反応装置11においては、例えば90分おきに3分間だけ伝熱チューブ101を加熱し、その内面に付着した天然ガスハイドレートを溶かして伝熱チューブ101の詰まりを防止している。これを熱交換器32の再生運転という。以下では具体的な運転の仕方について説明する。
【0055】
熱交換器32を冷却手段として機能させ、水配管30を循環する原料水を冷却する定常な運転が行われているとき、止め弁107は閉じた状態にあり、原料水は熱交換器32の伝熱チューブ101中を流通している。また、三方弁115は液配管112;開、液配管122;閉の状態にあり、三方弁125は液配管113;開、液配管123;閉の状態にあって、0℃〜2℃に管理された不凍液(以下、低温液とする)が熱交換器32に供給され、10℃に管理された不凍液(以下、高温液とする)の熱交換器32への供給は停止されている。この状態では、圧力容器20から抜き出された2℃〜4℃の原料水は、熱交換器32の伝熱チューブ101を通過する過程で低温液と熱交換し、2℃程度に冷却されて再び圧力容器20に供給されている。
【0056】
制御部130は、定常運転の開始から90分間が経過したことを検知したら、熱交換器32を加熱手段として機能させるために、まず、止め弁107を開いて原料水に熱交換器32をバイパスさせる。圧力容器20から抜き出された原料水は、冷却されることなく2℃〜4℃のまま再び圧力容器20に供給されることになる。
【0057】
制御部130は、止め弁107と同時または僅かに時間をおいて、三方弁115を液配管112;閉、液配管122;開の状態に切り換える。これにより、低温液の熱交換器32への供給が断たれ、かわって高温液の熱交換器32への供給が開始される。熱交換器32に供給された高温液は、熱交換器32の内部に残る低温液を徐々に押し出して置換する。低温液から高温液への置換が進むにつれ、伝熱チューブ101は外側から加熱され、内面に付着した天然ガスハイドレートが分解される。
【0058】
制御部130は、低温液と高温液との置換に要する時間が経過したことを検知したら、三方弁125を液配管113;閉、液配管123;開の状態に切り換える。これにより、置換された低温液の低温タンク111への回帰が断たれ、置換を終えて熱交換器32から排出される高温液の高温タンク121への回帰が開始される。
なお、低温液と高温液との置換に要する時間は、シェル100内部の伝熱チューブ101およびヘッダ102,103を除いた容積を、不凍液の単位時間あたりの流量で除した値として求められる。
【0059】
制御部130は、再生運転の開始から3分間が経過したことを検知したら、熱交換器32を再び冷却手段として機能させるために、まず、三方弁115を液配管112;開、液配管122;閉の状態に切り換える。これにより、高温液の熱交換器32への供給が断たれ、かわって低温液の熱交換器32への供給が開始される。熱交換器32に供給された低温液は、熱交換器32の内部に残る高温液を徐々に押し出して置換する。
【0060】
制御部130は、低温液と高温液との置換に要する時間が経過したことを検知したら、三方弁125を液配管113;開、液配管123;閉の状態に切り換える。これにより、置換された高温液の高温タンク121への回帰が断たれ、置換を終えて熱交換器32から排出される低温液の低温タンク111への回帰が開始される。
【0061】
制御部130は、三方弁125と同時または僅かに時間をおいて止め弁107を開いて原料水を熱交換器32に導入する。これにより、再び定常運転が開始される。制御部130は、定常運転を再開から90分間が経過したことを検知したら、上記と同じ操作を行って再生運転を行う。以降はこの繰り返しとなる。
【0062】
上記のように構成された天然ガスハイドレート生成装置によれば、水配管30とともに原料水の循環経路を構成する伝熱チューブ101を加熱し、その内面に付着した天然ガスハイドレートを分解することにより、水配管30を原料水が終始円滑に流れて流量が低下しないので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。また、天然ガスハイドレートの成長が進む前に除去を行うようにすれば、生成運転を停止させる必要もなく、装置自体の稼働効率を低下させることもない。
【0063】
熱交換器32にシェルアンドチューブ形を採用することにより、たとえ原料水中に天然ガスハイドレートが生成しても、原料水の流路を広く確保し、かつ流速を速めることができるので、伝熱チューブ101の内面に付着し難くなる。また、熱交換器32が、伝熱チューブ101を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段としての機能と、伝熱チューブ101の内面に付着した天然ガスハイドレートを加熱する加熱手段としての機能とを兼ね備えることにより、ひとつの機器で原料水の冷却と天然ガスハイドレートの除去とが行えるようになるので、設備コストが安価に抑えられる。
【0064】
伝熱チューブ101を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷熱源と、伝熱チューブ101の内面に付着した天然ガスハイドレートを加熱する加熱源とを同種の不凍液とすることにより、熱交換性能の劣化や熱交換器32各部の腐蝕等の不具合が防止されるので、熱交換器32の維持管理が行い易くなる。
【0065】
伝熱チューブ101の内面に付着した天然ガスハイドレートを加熱する間、原料水を、熱交換器32を迂回して循環させることにより、高温液による原料水の加熱が回避されるので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。
【0066】
所定の時間おきに再生運転を行うことにより、天然ガスハイドレートの除去が定期的に行われて常に詰まりのない状態が保たれるので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。
【0067】
上記のように構成された天然ガスハイドレート生成装置によれば、低温液は低温タンク111に、高温液は高温タンク121に戻すようにしたので、それぞれのタンクにおいて熱損失が少なくなり、温度管理が行い易くなる。
【0068】
ところで、上記の天然ガスハイドレート生成装置においては圧力容器20内部に形成された水相Lから原料水を抽出し、熱交換器32で冷却してから圧力容器20に戻し、圧力容器内部に形成された気相G中にスプレーノズル36から噴霧する方式を採用したが、本発明は、生成容器から原料水を抽出して同生成容器の内部に再度供給する循環経路と、該循環経路を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段とを備えるものであれば、スプレー方式に限らずあらゆる方式の天然ガスハイドレート生成装置に適用可能である。
【0069】
本実施形態では熱交換器32にシェルアンドチューブ形を採用したが、その他の形式の熱交換器を採用してもよい。また、本実施形態では熱交換器32を採用して冷却手段と加熱手段とを兼用したが、それぞれの機能を分け、冷却手段としてのみ機能する機器と、加熱手段としてのみ機器とを別個に設けてもよい。この場合、加熱手段としては電気ヒータ等を使用してもよいし、必要な熱量はさほど多くないので、常温の水等を使用してもよい。
【0070】
本実施形態では時間を計って定期的に再生運転を行うようにしたが、詰まりを生じて流速が遅まり、熱交換器32を通過した原料水の流速が所定のしきい値を下回ったとき、または詰まりを生じて差圧が大きくなり、熱交換器の前後に生じる原料水の差圧が所定のしきい値を上回ったときに再生運転を行うようにしてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、循環経路に生成した天然ガスハイドレートを加熱することにより、循環経路に付着した天然ガスハイドレートが分解、除去され、循環経路を原料水が終始円滑に流れて流量が低下しないので、天然ガスハイドレートを常に安定して生成することができる。また、通常は加熱手段を作動させず、天然ガスハイドレートの成長が進む前に間欠的に加熱手段を作動させて天然ガスハイドレートの除去を行うようにすれば、生成運転を停止させる必要もなく、装置自体の稼働効率を低下させることもない。
【0072】
シェルアンドチューブ形の熱交換器を採用することにより、たとえ原料水中に天然ガスハイドレートが生成しても、原料水の流路を広く確保し、かつ流速を速めることができるので、伝熱チューブの内面に付着し難くなる。これにより、循環経路を原料水が終始円滑に流れて流量が低下しないので、天然ガスハイドレートを常に安定して生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の天然ガスハイドレート生成装置の具体的な装置構成を示す図である。
【図2】熱交換器およびその周辺機器のより詳細な構造を示す図である。
【符号の説明】
20 圧力容器(生成容器)
30 水配管(循環経路)
32 熱交換器(冷却手段)
100 シェル
101 伝熱チューブ
106 バイパス管(バイパス路)
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、メタン等の炭化水素を主成分とする天然ガスを貯蔵・輸送する方法としては、ガス田から天然ガスを採取したあと液化温度まで冷却し、液化天然ガス(LNG)とした状態で貯蔵・輸送する方法が一般的である。しかしながら、例えば液化天然ガスの主成分であるメタンの場合、液化させるには−162℃といった極低温条件が必要であり、こうした条件を維持しながら貯蔵・輸送を行うためには、専用の貯蔵装置やLNG輸送船といった専用の輸送手段が必要となる。こうした装置等の製造および維持・管理には非常に高いコストを要するため、上記方法に代わる低コストの貯蔵・輸送方法が鋭意研究されてきた。
【0003】
こうした研究の結果、天然ガスを水和させて固体状態の水和物(以下「天然ガスハイドレート」とする)を生成し、この固体状態のまま貯蔵・輸送するという方法が見出され、近年特に有望視されている(例えば下記の特許文献1)。この方法では、LNGを取扱う場合のような極低温条件は必要とされず、また固体とするためその取扱いも比較的容易である。このため、既存の冷凍装置あるいは既存のコンテナ船を若干改良したものを各々貯蔵装置あるいは輸送手段として利用可能となり、したがって、大幅な低コスト化が図れるものとして期待が寄せられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−264851号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特許文献1に記載されたハイドレートの製造装置においては、ハイドレート生成容器の内部で水相を形成する原料水の一部を、配管を通じて生成容器の底部から抜き出し、熱交換器によって冷却した後、スプレーノズルから生成容器内部の気相中に噴霧している。このとき抜き出される原料水は、天然ガスを含んでおり、熱交換器において冷却されるとこのガス分が水和物化して熱交換器の内部に付着する可能性がある。付着したガスハイドレートが徐々に成長して原料水の流量を低下させるようになると、スプレーノズルからの噴霧量が減少し、ガスハイドレートの生成効率が低下するので好ましくない。また、配管内部でガスハイドレートが大きく成長してしまうと、これを除去するために製造装置の運転を停止させる必要も生じ、装置自体の稼働効率を低下させてしまうのでさらに問題である。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、天然ガスハイドレートを常に安定して生成することが可能な天然ガスハイドレートの生成方法および生成装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、次のような構成の天然ガスハイドレートの生成方法および生成装置を採用する。
すなわち本発明に係る請求項1記載の天然ガスハイドレートの生成方法は、天然ガスと原料水とを生成容器に入れ、該生成容器から原料水を抽出し、冷却してから同生成容器の内部に再度供給し、供給した原料水と前記天然ガスとを反応させて天然ガスハイドレートを生成する天然ガスハイドレートの生成方法であって、
前記生成容器から抽出した原料水を同生成容器の内部に再度供給する循環経路を、該循環経路に設けた加熱手段によって加熱することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の天然ガスハイドレートの生成方法は、請求項1記載の天然ガスハイドレートの生成方法において、前記循環経路の加熱を間欠的に実施することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の天然ガスハイドレート生成装置は、天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成するための生成容器と、該生成容器から原料水を抽出して同生成容器の内部に再度供給する循環経路と、該循環経路を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段とを備える天然ガスハイドレート生成装置であって、
前記天然ガスを含む原料水が冷却されることによって前記循環経路に生成した天然ガスハイドレートを加熱する加熱手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、循環経路に生成した天然ガスハイドレートを加熱することにより、循環経路に付着した天然ガスハイドレートが分解、除去され、循環経路を原料水が終始円滑に流れて流量が低下しないので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。また、通常は加熱手段を作動させず、天然ガスハイドレートの成長が進む前に間欠的に加熱手段を作動させて天然ガスハイドレートの除去を行うようにすれば、生成運転を停止させる必要もなく、装置自体の稼働効率を低下させることもない。
【0011】
請求項4記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項3記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記循環経路にあって前記冷却手段としての機能と前記加熱手段としての機能とを兼ねる熱交換器を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、冷却手段としての機能と加熱手段としての機能とを兼ねる熱交換器を採用することにより、ひとつの機器で原料水の冷却と天然ガスハイドレートの除去とが行えるようになるので、設備コストが安価に抑えられる。
【0013】
請求項5記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項4載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記熱交換器が冷却手段として機能する場合の冷熱源と、加熱手段として機能する場合の加熱源とが、同種の媒体であることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、熱交換器を冷却手段として機能させる場合の冷熱源と、加熱手段として機能させる場合の加熱源とを同種の媒体とすることにより、熱交換器の維持管理が行い易くなる。異種の媒体を使用すると、混ざり合うことで互いの性能を劣化させたり、物性が変化して熱交換器を腐蝕させたりする不具合を考慮しなければならないが、同種の媒体を使用すれば、このような不具合は起きないので好適である。
【0015】
請求項6記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項4または5記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記循環経路に、前記熱交換器をバイパスするバイパス路を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、前記循環経路に生成した天然ガスハイドレートを加熱する間、原料水を、熱交換器を迂回して循環させることにより、原料水が加熱されることが回避されるので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。もしも原料水が加熱されて生成容器に戻されると、天然ガスハイドレートの生成条件のバランスが崩れて生成効率が低下する可能性がある。
【0017】
請求項7記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項3から6のいずれか記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記加熱手段を所定の時間おきに作動させる制御部を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項4から6のいずれか記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記熱交換器を通過した原料水の流速が所定のしきい値を下回ったときに、前記加熱手段を作動させる制御部を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の天然ガスハイドレート生成装置は、請求項4から6のいずれか記載の天然ガスハイドレート生成装置において、前記熱交換器の前後に生じる原料水の差圧が所定のしきい値を上回ったときに、前記加熱手段を作動させる制御部を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、加熱手段を、所定の時間おきに作動させたり、熱交換器を通過した原料水の流速が所定のしきい値を下回ったときに作動させたり、熱交換器の前後に生じる原料水の差圧が所定のしきい値を上回ったときに作動させたりというように、加熱手段を間欠的に作動させることにより、天然ガスハイドレートの除去が定期的または不定期に行われて常に詰まりのない状態が保たれるので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。
【0021】
請求項10記載の天然ガスハイドレート生成装置は、天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成するための生成容器と、該生成容器から原料水を抽出して同生成容器に再度供給する循環経路と、該循環経路を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段とを備える天然ガスハイドレート生成装置であって、
前記冷却手段が、シェルアンドチューブ形の熱交換器であることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、冷却手段そしてシェルアンドチューブ形の熱交換器を採用することにより、天然ガスハイドレートの生成効率が低下し難くなる。一般に、シェルアンドチューブ形の熱交換器は、同程度の熱交換性能を有する他構造の熱交換器と比較して被冷却物である原料水の流路を広く確保し、かつ流速を速めることもできるため、原料水中に天然ガスハイドレートが生成しても循環経路に付着する前に原料水に押し流されてしまうからである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施形態を図1および図2に示して説明する。
図1は本発明に係る天然ガスハイドレートの生成システムの具体的な装置構成を示す。図において、11は天然ガスと原料水とを氷点よりも高温かつ大気圧よりも高圧下で反応させて天然ガスハイドレートを生成する生成反応装置、12は生成された天然ガスハイドレートを物理的に脱水するスクリュープレス型脱水装置、13は脱水の過程もしくは脱水後において天然ガスハイドレートに含まれる残存水分を天然ガスと反応させて天然ガスハイドレートを生成する2軸スクリュー型脱水装置、14は生成された天然ガスハイドレートを冷却するスクリューコンベア型冷却装置、15は冷却された天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧するバルブ切替型の減圧装置、16は天然ガスハイドレートを成形固化する加圧プレス型成形装置である。また、符号17は原料である水を貯蔵する貯水槽、18は同じく原料である天然ガスを産出するガス田、19はガス田18から産出された天然ガスを貯蔵するガス貯蔵部である。
【0024】
生成反応装置11は、圧力容器(生成容器)20を有している。圧力容器20には、貯水槽17の原料水を導入する水配管21が接続されるとともに、ガス貯蔵部19の天然ガスを導入するガス配管22が接続されている。水配管21には、原料水を吸い上げて圧力容器20の内部に導入する水ポンプ23と、バルブ24とが設けられている。圧力容器20の内部には、原料水が導入されて水相Lが形成されるとともに、天然ガスが導入されて気相Gが形成されている。
【0025】
さらに、圧力容器20には、気相Gの圧力を計測する圧力計25が設けられ、ガス配管にはバルブ26および流量調節弁27が設けられている。流量調節弁27の開度は、圧力計25の計測値に基づき圧力容器20内部に天然ガスを補充して気相Gの圧力をガスハイドレートの生成圧力(例えば5.0MPa)に保つように制御される。
【0026】
圧力容器20には、水相Lの温度を氷点よりも高温であってかつガスハイドレートの生成温度よりも低温(この状態を「過冷却」と定義する)に保つ冷却装置28が設けられている。冷却装置28によって圧力容器20の内部を過冷却の状態に保つのは、天然ガスハイドレートが生成する過程で発生する水和熱を回収し、圧力容器20の内部を常に生成温度(例えば4.0℃〜6.0℃)に保つためである。
【0027】
圧力容器20には、底部と頂部とを繋いで原料水を循環させる水配管(循環経路)30が接続されている。水配管30には、水相Lの原料水を吸い上げて循環させる水循環ポンプ31と、水循環ポンプ31によって吸い上げられた原料水を冷却する熱交換器(冷却手段)32と、原料水のみを透過するフィルタ33と、バルブ34,35とが設けられている。また、圧力容器20の頂部から内側に突き出した水配管26の先端には、気相G中に原料水を噴霧するスプレーノズル36が設けられている。
【0028】
圧力容器20の側壁には、水相Lの液面に生成されたスラリー状の天然ガスハイドレートを抜き出すスラリー抜出口20aが設けられており、圧力容器20は、スラリー抜出口20aに接続されたスラリー配管37を介してスクリュープレス型脱水装置12と接続されている。スラリー配管37には、バルブ38と、水相Lの液面に浮遊するスラリーを吸い出すスラリー抜出ポンプ39とが設けられている。
【0029】
スクリュープレス型脱水装置12は、円筒形の内部空間40aを有する容器体40と、側面に螺旋状の突条部41aを有し内部空間40aに配置された軸体41とを備えている。容器体40の先端には、生成反応装置11においてスラリー状に生成された天然ガスハイドレートを内部空間40aに取り入れる取入口40bが設けられている。取入口40bには、上述したスラリー配管37が接続されている。
【0030】
容器体40は、内部空間40aを形成する内壁40cと外殻を構成する筐体40dとの二重構造になっており、内壁40cはメッシュ加工され、筐体40dには内部に溜まったろ過水を排出する排水口40eが設けられている。筐体40dは、排水口40eに接続された水配管44を介して圧力容器20に接続されている。水配管44には、排出された水を圧力容器20の内部に導入する水ポンプ45と、バルブ46とが設けられている。
【0031】
軸体41は、突条部41aを内部空間40aの内面に近接させて配置されるとともに、自らの軸線を中心として所定方向に回転可能に支持されており、駆動部42によって回転駆動される。容器体40の終端には、軸体41の回転によって搬送されてきた天然ガスハイドレートを取り出す取出口40fが設けられている。容器体40は、取出口40fに接続されたハイドレート配管43を介して後段の2軸スクリュー型脱水装置13に接続されている。
【0032】
2軸スクリュー型脱水装置13は、断面が長円形をなす筒形の内部空間50aを有する容器体50と、側面に螺旋状の突条部51a,52aを有し内部空間50aに配置されて個々に回転しながら天然ガスハイドレートを搬送する2本の軸体51,52とを備えている。容器体50の先端には、スクリュープレス型脱水装置12において物理的に脱水された天然ガスハイドレートを取り入れる取入口50bが設けられている。取入口50bには、上述したハイドレート配管43が接続されている。
【0033】
軸体51,52は、両者が平行に配置されるとともに軸方向から見てそれぞれの突条部51a,52aを重複させて配置されている。さらに、それぞれの突条部51a,52aを内部空間50aの内面に近接させて配置されるとともに、自らの軸線を中心として回転可能に支持されており、駆動部53によって回転駆動される。なお、両軸体の回転方向は同方向であってもよいし、異なる方向であってもよい。
【0034】
容器体50の終端には、軸体51,52の回転によって搬送されてきたガスハイドレートを取り出す取出口50cが設けられている。取出口50cにはハイドレート配管54を介して後段のスクリューコンベア型冷却装置14に接続されている。取出口50cに近い容器体50の側面には、天然ガスを内部空間50aに供給するガス供給孔50dが設けられている。ガス供給孔50dは、ガス配管22から分岐するガス配管55を介してガス貯蔵部19に接続されている。ガス配管55にはバルブ56および流量調節弁57が設けられている。一方、取入口50bに近い容器体50には、内部空間50aの圧力を検出する圧力計58が設置されており、流量調節弁57の開度は、圧力計58の計測値に基づき内部空間50aに天然ガスを補充して内部の圧力を常に生成圧(例えば5.0MPa)に保持するように制御される。
【0035】
スクリュープレス型脱水装置12および2軸スクリュー型脱水装置13には、内部空間40,50の内部を上記過冷却の状態に保持する冷却装置(図示略)が設けられている。
【0036】
スクリューコンベア型冷却装置14は、円筒形の内部空間60aを有する容器体60と、側面に螺旋状の突条部61aを有し内部空間60aに配置された軸体61とを備えている。容器体60の先端には、2軸スクリュー型脱水装置13において水和脱水された天然ガスハイドレートを内部空間60aに取り入れる取入口60bが設けられている。取入口60bには、上述したハイドレート配管54が接続されている。軸体61は、突条部61aを内部空間60aの内面に近接させて配置されるとともに、自らの軸線を中心として所定方向に回転可能に支持されており、駆動部62によって回転駆動される。容器体60の終端には、軸体61の回転によって搬送されてきた天然ガスハイドレートを取り出す取出口60cが設けられている。取出口60cはハイドレート配管63を介して後段のバルブ切替型減圧装置15に接続されている。
【0037】
容器体60は、内部空間60aを形成する内壁60dと外殻を構成する筐体60eとの二重構造になっており、取出口60cに近い筐体60eの側面には内壁60dとの隙間に冷媒を導入する冷媒入口60fが設けられ、取入口60bに近い筐体60eの側面には冷媒を導出する冷媒出口60gが設けられている。容器体60には、冷媒入口60fと冷媒出口60gとを繋ぐ冷媒配管65が接続されており、冷媒配管65には冷媒循環ポンプ66および熱交換器67が設けられている。冷媒は熱交換器66によって冷却され、冷媒配管65を通じて内壁60dと筐体60eとの隙間に流入し、脱水を終えた天然ガスハイドレートを低気圧下でも分解しない氷点以下の低温(例えば−10℃〜−15℃)まで冷却する。
【0038】
バルブ切替型減圧装置15は、ハイドレート配管63に直列に設けられた2つのバルブ71,72によって構成されている。2つのバルブ71,72は離間して配置され、後段のバルブ72を経たハイドレート配管63は大気開放されており、その後段には加圧プレス型成形装置16が設けられている。加圧プレス型成形装置16は、固定の壁部75と壁部75に接近離間可能に駆動されるプレート76とを備えている。
【0039】
上記のように構成された生成システムによる天然ガスハイドレートの生成について説明する。
まず、貯水槽17から圧力容器20内に原料水を導入し水相Lを形成する。同時に、ガス貯蔵部19から圧力容器20内に天然ガスを導入し、気相Gの圧力をガスハイドレートの生成圧力にまで高める。なお、水相Lを形成する原料水には、必要であれば安定化剤を添加してもよい。次に、水相Lの温度を過冷却の状態にまで冷却し、以後はこの状態が維持されるように温度管理を行う。
【0040】
圧力容器20内の温度および圧力の状態が安定したら、水相Lを形成する原料水の一部を水配管30を通じて圧力容器20の底部から抜き出し、熱交換器32によって再度冷却した後、スプレーノズル36から気相G中に噴霧する。スプレーノズル36から噴霧された水粒子は気相G中を漂いながら水相Lに向けて落下する。このように気相G中に水の粒子を多量に形成することにより、気相G中に存在する水粒子の表面積、すなわち気相Gを形成する天然ガスとの接触面積が極めて大きくなる。水粒子の表面では、水と天然ガスとの水和反応が起こり、天然ガスハイドレートが生成される。なお、圧力容器20内の温度は氷点よりも高温になるように制御されているので、水相Lを形成する原料水や噴霧された水粒子が凍りつくことはない。
【0041】
水粒子の表面で生成された天然ガスハイドレートはそのまま落下し、水相Lの液面に降り積もり、天然ガスハイドレートの層を形成する。この天然ガスハイドレートはスラリー抜出口20aから抜き出され、スラリー配管37を通じてスクリュープレス型脱水装置12に送り込まれる。このとき、天然ガスハイドレートは原料水とともに回収されるため、含水率が非常に高いスラリー状となる。
【0042】
スラリー配管37を通じてスクリュープレス型脱水装置12に送り込まれたスラリー状の天然ガスハイドレートは、取入口40bを通じて内部空間40aに収容され、軸体41の回転によって軸方向に搬送され、その過程で加圧されることによって物理的に脱水される。天然ガスハイドレートから分離された余剰の水分は、今だに非常に多くの天然ガスハイドレートを含んでいる。そこで、この余剰水は内壁40cのメッシュを通じて筐体40dの内部に集められて排水口40eから排出され、水配管44を通じて圧力容器20に再度導入される。
【0043】
一方、物理脱水を終えた天然ガスハイドレートは、取出口40fを通じてスクリュープレス型脱水装置12から取り出され、ハイドレート配管43を通じて2軸スクリュー型脱水装置13に送り込まれる。
【0044】
2軸スクリュー型脱水装置13に送り込まれた天然ガスハイドレートは、取入口50bを通じて内部空間50aに収容され、軸体51,52の回転によって軸方向に搬送される。その過程で残存する水分と内部空間50aに供給された天然ガスと接触し、これとともに撹拌されつつ冷却されることによって残存する水分と天然ガスとを反応させてハイドレート化する。
【0045】
内部空間50aに収容された天然ガスハイドレートは、取出口50cに至るころには残存する水分のほとんどを未水和の天然ガスと水和反応させることで脱水され、結果的に天然ガスハイドレートそのものの量を増加させる。水和脱水を終えた天然ガスハイドレートは、取出口50Cを通じて2軸スクリュー型脱水装置13から取り出され、ハイドレート配管54を通じてスクリューコンベア型冷却装置14に送り込まれる。
【0046】
スクリューコンベア型冷却装置14に送り込まれた天然ガスハイドレートは、取入口60bを通じて内部空間60aに収容され、軸体61の回転によって軸方向に搬送され、その過程で容器体60内部を循環する冷媒によって冷却される。
氷点以下の低温になるまで冷却された天然ガスハイドレートは、取出口60fを通じてスクリューコンベア型冷却装置14から取り出され、ハイドレート配管63を通じてバルブ切替型減圧装置15に送り込まれる。
【0047】
バルブ切替型減圧装置15は上流側のバルブ71を開き、下流側のバルブ72を閉じた状態とされ、天然ガスハイドレートを受け入れる。バルブ71,72間には天然ガスハイドレートが蓄積していくので、ある程度になったらバルブ71を閉じ、続いてバルブ72を開いてバルブ71,72間の天然ガスハイドレートを大気圧まで減圧する。減圧を終えた天然ガスハイドレートは、バルブ切替型減圧装置15から取り出され、加圧プレス型成形装置16に送り込まれる。
【0048】
加圧プレス型成形装置16に送り込まれた天然ガスハイドレートは、プレート76によって壁部75に押し付けられるようにして成形固化される。成形固化された天然ガスハイドレートは図示しない専用の輸送容器に収容され、貯蔵・輸送される。
【0049】
次に、熱交換器32のより詳細な構造を図2に示す。
熱交換器32は、天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段としての機能の他に、天然ガスを含む原料水が冷却されることによって生成した天然ガスハイドレートを加熱し分解する加熱手段としての機能を兼ね備えている。熱交換器32は、円筒形のシェル100の中に複数の伝熱チューブ101を配置し、伝熱チューブ101に圧力容器20の底部から抜き出した原料水を通し、シェル100の内側に原料水を冷却する冷媒としての不凍液を通すいわゆるシェルアンドチューブ形の熱交換器である。シェル100には、長手方向の一端にヘッダ102が設けられ、他端にはヘッダ103が設けられており、ヘッダ102は水配管30の上流側に、ヘッダ103は下流側に接続されている。水配管30には、熱交換器32をバイパスするバイパス管(バイパス路)106が設けられており、このバイパス管106には止め弁107が設けられている。
【0050】
伝熱チューブ101は一端をヘッダ102に、他端をヘッダ103に接続されていて、これらは水配管30の一部として原料水の循環経路を構成している。また、シェル100には、ヘッダ102に近い側壁に不凍液の導通孔104が、ヘッダ103に近い側壁には不凍液の導通孔105が設けられている。
【0051】
熱交換器32には、0℃〜2℃に管理された不凍液を導通孔105からシェル100の内側に導入し、導通孔104から排出する冷却系統110と、10℃に管理された同種の不凍液を導通孔105からシェル100の内側に導入し、導通孔104から排出する加熱系統120とが設けられている。冷却系統110は、不凍液を常時0℃〜2℃に管理して貯蔵しておく低温タンク111と、低温タンク111と導通孔105とを接続する液配管112と、導通孔104と低温タンク111とを接続する液配管113と、0℃〜2℃に管理された不凍液を液配管112を通じてシェル100に供給する液ポンプ114とから構成されている。
加熱系統120は、不凍液を常時10℃に管理して貯蔵しておく高温タンク121と、高温タンク121と導通孔105とを接続する液配管122と、導通孔104と高温タンク121とを接続する液配管123と、10℃に管理された不凍液を液配管122を通じてシェル100に供給する液ポンプ124とから構成されている。
【0052】
液配管112,122は、導通孔105の手前で1本にまとめられ、その部分にはシェル100への不凍液の供給元(低温タンク111または高温タンク121)を切り換える三方弁115が設けられている。また、液配管113,123は、導通孔104の手前で1本にまとめられ、その部分にはシェル100からの不凍液の排出先(低温タンク111または高温タンク121)を切り換える三方弁125が設けられている。
【0053】
止め弁107、三方弁115,125は、これらの作動を制御する制御部130に信号ケーブルを介して接続されている。制御130は、所定の時間おきに止め弁107の開閉、および三方弁115,125の切り換えを行う。
【0054】
天然ガスハイドレート生成反応装置11においては、圧力容器20の内部で水相Lを形成する原料水の一部を、水配管30を通じて圧力容器20の底部から抜き出し、熱交換器32によって冷却した後、スプレーノズル36から気相G中に噴霧している。このとき抜き出される原料水は、天然ガスを多く含んでおり、熱交換器32において冷却されるとこのガス分が水和物化して伝熱チューブ101の内面に付着する可能性があることは先に述べた。そこで、この天然ガスハイドレート生成反応装置11においては、例えば90分おきに3分間だけ伝熱チューブ101を加熱し、その内面に付着した天然ガスハイドレートを溶かして伝熱チューブ101の詰まりを防止している。これを熱交換器32の再生運転という。以下では具体的な運転の仕方について説明する。
【0055】
熱交換器32を冷却手段として機能させ、水配管30を循環する原料水を冷却する定常な運転が行われているとき、止め弁107は閉じた状態にあり、原料水は熱交換器32の伝熱チューブ101中を流通している。また、三方弁115は液配管112;開、液配管122;閉の状態にあり、三方弁125は液配管113;開、液配管123;閉の状態にあって、0℃〜2℃に管理された不凍液(以下、低温液とする)が熱交換器32に供給され、10℃に管理された不凍液(以下、高温液とする)の熱交換器32への供給は停止されている。この状態では、圧力容器20から抜き出された2℃〜4℃の原料水は、熱交換器32の伝熱チューブ101を通過する過程で低温液と熱交換し、2℃程度に冷却されて再び圧力容器20に供給されている。
【0056】
制御部130は、定常運転の開始から90分間が経過したことを検知したら、熱交換器32を加熱手段として機能させるために、まず、止め弁107を開いて原料水に熱交換器32をバイパスさせる。圧力容器20から抜き出された原料水は、冷却されることなく2℃〜4℃のまま再び圧力容器20に供給されることになる。
【0057】
制御部130は、止め弁107と同時または僅かに時間をおいて、三方弁115を液配管112;閉、液配管122;開の状態に切り換える。これにより、低温液の熱交換器32への供給が断たれ、かわって高温液の熱交換器32への供給が開始される。熱交換器32に供給された高温液は、熱交換器32の内部に残る低温液を徐々に押し出して置換する。低温液から高温液への置換が進むにつれ、伝熱チューブ101は外側から加熱され、内面に付着した天然ガスハイドレートが分解される。
【0058】
制御部130は、低温液と高温液との置換に要する時間が経過したことを検知したら、三方弁125を液配管113;閉、液配管123;開の状態に切り換える。これにより、置換された低温液の低温タンク111への回帰が断たれ、置換を終えて熱交換器32から排出される高温液の高温タンク121への回帰が開始される。
なお、低温液と高温液との置換に要する時間は、シェル100内部の伝熱チューブ101およびヘッダ102,103を除いた容積を、不凍液の単位時間あたりの流量で除した値として求められる。
【0059】
制御部130は、再生運転の開始から3分間が経過したことを検知したら、熱交換器32を再び冷却手段として機能させるために、まず、三方弁115を液配管112;開、液配管122;閉の状態に切り換える。これにより、高温液の熱交換器32への供給が断たれ、かわって低温液の熱交換器32への供給が開始される。熱交換器32に供給された低温液は、熱交換器32の内部に残る高温液を徐々に押し出して置換する。
【0060】
制御部130は、低温液と高温液との置換に要する時間が経過したことを検知したら、三方弁125を液配管113;開、液配管123;閉の状態に切り換える。これにより、置換された高温液の高温タンク121への回帰が断たれ、置換を終えて熱交換器32から排出される低温液の低温タンク111への回帰が開始される。
【0061】
制御部130は、三方弁125と同時または僅かに時間をおいて止め弁107を開いて原料水を熱交換器32に導入する。これにより、再び定常運転が開始される。制御部130は、定常運転を再開から90分間が経過したことを検知したら、上記と同じ操作を行って再生運転を行う。以降はこの繰り返しとなる。
【0062】
上記のように構成された天然ガスハイドレート生成装置によれば、水配管30とともに原料水の循環経路を構成する伝熱チューブ101を加熱し、その内面に付着した天然ガスハイドレートを分解することにより、水配管30を原料水が終始円滑に流れて流量が低下しないので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。また、天然ガスハイドレートの成長が進む前に除去を行うようにすれば、生成運転を停止させる必要もなく、装置自体の稼働効率を低下させることもない。
【0063】
熱交換器32にシェルアンドチューブ形を採用することにより、たとえ原料水中に天然ガスハイドレートが生成しても、原料水の流路を広く確保し、かつ流速を速めることができるので、伝熱チューブ101の内面に付着し難くなる。また、熱交換器32が、伝熱チューブ101を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段としての機能と、伝熱チューブ101の内面に付着した天然ガスハイドレートを加熱する加熱手段としての機能とを兼ね備えることにより、ひとつの機器で原料水の冷却と天然ガスハイドレートの除去とが行えるようになるので、設備コストが安価に抑えられる。
【0064】
伝熱チューブ101を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷熱源と、伝熱チューブ101の内面に付着した天然ガスハイドレートを加熱する加熱源とを同種の不凍液とすることにより、熱交換性能の劣化や熱交換器32各部の腐蝕等の不具合が防止されるので、熱交換器32の維持管理が行い易くなる。
【0065】
伝熱チューブ101の内面に付着した天然ガスハイドレートを加熱する間、原料水を、熱交換器32を迂回して循環させることにより、高温液による原料水の加熱が回避されるので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。
【0066】
所定の時間おきに再生運転を行うことにより、天然ガスハイドレートの除去が定期的に行われて常に詰まりのない状態が保たれるので、天然ガスハイドレートの生成効率が低下することがない。
【0067】
上記のように構成された天然ガスハイドレート生成装置によれば、低温液は低温タンク111に、高温液は高温タンク121に戻すようにしたので、それぞれのタンクにおいて熱損失が少なくなり、温度管理が行い易くなる。
【0068】
ところで、上記の天然ガスハイドレート生成装置においては圧力容器20内部に形成された水相Lから原料水を抽出し、熱交換器32で冷却してから圧力容器20に戻し、圧力容器内部に形成された気相G中にスプレーノズル36から噴霧する方式を採用したが、本発明は、生成容器から原料水を抽出して同生成容器の内部に再度供給する循環経路と、該循環経路を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段とを備えるものであれば、スプレー方式に限らずあらゆる方式の天然ガスハイドレート生成装置に適用可能である。
【0069】
本実施形態では熱交換器32にシェルアンドチューブ形を採用したが、その他の形式の熱交換器を採用してもよい。また、本実施形態では熱交換器32を採用して冷却手段と加熱手段とを兼用したが、それぞれの機能を分け、冷却手段としてのみ機能する機器と、加熱手段としてのみ機器とを別個に設けてもよい。この場合、加熱手段としては電気ヒータ等を使用してもよいし、必要な熱量はさほど多くないので、常温の水等を使用してもよい。
【0070】
本実施形態では時間を計って定期的に再生運転を行うようにしたが、詰まりを生じて流速が遅まり、熱交換器32を通過した原料水の流速が所定のしきい値を下回ったとき、または詰まりを生じて差圧が大きくなり、熱交換器の前後に生じる原料水の差圧が所定のしきい値を上回ったときに再生運転を行うようにしてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、循環経路に生成した天然ガスハイドレートを加熱することにより、循環経路に付着した天然ガスハイドレートが分解、除去され、循環経路を原料水が終始円滑に流れて流量が低下しないので、天然ガスハイドレートを常に安定して生成することができる。また、通常は加熱手段を作動させず、天然ガスハイドレートの成長が進む前に間欠的に加熱手段を作動させて天然ガスハイドレートの除去を行うようにすれば、生成運転を停止させる必要もなく、装置自体の稼働効率を低下させることもない。
【0072】
シェルアンドチューブ形の熱交換器を採用することにより、たとえ原料水中に天然ガスハイドレートが生成しても、原料水の流路を広く確保し、かつ流速を速めることができるので、伝熱チューブの内面に付着し難くなる。これにより、循環経路を原料水が終始円滑に流れて流量が低下しないので、天然ガスハイドレートを常に安定して生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の天然ガスハイドレート生成装置の具体的な装置構成を示す図である。
【図2】熱交換器およびその周辺機器のより詳細な構造を示す図である。
【符号の説明】
20 圧力容器(生成容器)
30 水配管(循環経路)
32 熱交換器(冷却手段)
100 シェル
101 伝熱チューブ
106 バイパス管(バイパス路)
Claims (10)
- 天然ガスと原料水とを生成容器に入れ、該生成容器から原料水を抽出し、冷却してから同生成容器の内部に再度供給し、供給した原料水と前記天然ガスとを反応させて天然ガスハイドレートを生成する天然ガスハイドレートの生成方法であって、
前記生成容器から抽出した原料水を同生成容器の内部に再度供給する循環経路を、該循環経路に設けた加熱手段によって加熱することを特徴とする天然ガスハイドレートの生成方法。 - 前記循環経路の加熱を間欠的に実施することを特徴とする請求項1記載の天然ガスハイドレートの生成方法。
- 天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成するための生成容器と、該生成容器から原料水を抽出して同生成容器の内部に再度供給する循環経路と、該循環経路を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段とを備える天然ガスハイドレート生成装置であって、
前記天然ガスを含む原料水が冷却されることによって前記循環経路に生成した天然ガスハイドレートを加熱する加熱手段を備えることを特徴とする天然ガスハイドレート生成装置。 - 前記循環経路にあって前記冷却手段としての機能と前記加熱手段としての機能とを兼ねる熱交換器を備えることを特徴とする請求項3記載の天然ガスハイドレート生成装置。
- 前記熱交換器が冷却手段として機能する場合の冷熱源と、加熱手段として機能する場合の加熱源とが、同種の媒体であることを特徴とする請求項4載の天然ガスハイドレート生成装置。
- 前記循環経路に、前記熱交換器をバイパスするバイパス路を備えることを特徴とする請求項4または5記載の天然ガスハイドレート生成装置。
- 前記加熱手段を所定の時間おきに作動させる制御部を備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか記載の天然ガスハイドレート生成装置。
- 前記熱交換器を通過した原料水の流速が所定のしきい値を下回ったときに、前記加熱手段を作動させる制御部を備えることを特徴とする請求項4から6のいずれか記載の天然ガスハイドレート生成装置。
- 前記熱交換器の前後に生じる原料水の差圧が所定のしきい値を上回ったときに、前記加熱手段を作動させる制御部を備えることを特徴とする請求項4から6のいずれか記載の天然ガスハイドレート生成装置。
- 天然ガスと原料水とを反応させて天然ガスハイドレートを生成するための生成容器と、該生成容器から原料水を抽出して同生成容器に再度供給する循環経路と、該循環経路を流通する天然ガスを含む原料水を冷却する冷却手段とを備える天然ガスハイドレート生成装置であって、
前記冷却手段が、シェルアンドチューブ形の熱交換器であることを特徴とする天然ガスハイドレート生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003034988A JP2004244495A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 天然ガスハイドレートの生成方法および生成装置 |
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ID=33020531
Family Applications (1)
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JP2003034988A Withdrawn JP2004244495A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 天然ガスハイドレートの生成方法および生成装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006111773A (ja) * | 2004-10-15 | 2006-04-27 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | ハイドレート生成装置 |
JP2009242730A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | ガスハイドレート製造装置の液体冷却装置及びガスハイドレート製造装置 |
JP2014214284A (ja) * | 2013-04-30 | 2014-11-17 | 三井造船株式会社 | ガスハイドレート製造装置 |
WO2014183165A1 (en) * | 2013-05-13 | 2014-11-20 | Refrigeration Engineering International Pty Limited | Apparatus and process to condition natural gas for transportation |
-
2003
- 2003-02-13 JP JP2003034988A patent/JP2004244495A/ja not_active Withdrawn
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