JP5531359B2 - 細胞培養担体および細胞培養担体の製造方法 - Google Patents
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Description
(1) 表面に細胞を付着させ、該細胞を増殖させる細胞培養担体であって、
少なくとも表面がリン酸カルシウム系化合物で構成された母材の表面に、リポソームを形成しているリン脂質リポソームからなるリン脂質が、前記リン酸カルシウム系化合物に吸着したカルシウムを介して吸着していることを特徴とする細胞培養担体。
また、前記リン脂質は、前記母材の表面に、リポソームを形成しているリン脂質リポソームの状態で吸着しており、このように、リン脂質をリン脂質リポソームの状態とすると、リン脂質が備えるリン酸基がリン脂質リポソームの外側に露出することとなるため、リン脂質リポソームをより確実に母材の表面に吸着させることができる。
さらに、前記リン脂質は、前記リン酸カルシウム系化合物に吸着したカルシウムを介して前記母材の表面に吸着していることにより、母材とリン脂質との密着性がより向上することから、リン脂質を母材に対してより強固に吸着させることができる。
前記母材を用意し、前記母材の表面に、前記カルシウムを吸着させるカルシウム吸着工程と、
前記母材の表面に吸着した前記カルシウムを介して、前記母材の表面に、前記リン脂質リポソームからなるリン脂質を吸着させるリン脂質吸着工程を有することを特徴とする細胞培養担体の製造方法。
また、前記リン脂質吸着工程に先立って、前記母材の表面に、前記カルシウムを吸着させるカルシウム吸着工程を有し、前記リン脂質吸着工程において、前記母材の表面に吸着した前記カルシウムを介して、前記リン脂質を吸着させることにより、細胞培養担体に細胞が効率よく付着する細胞付着担体を確実に製造することができる。
また、前記リン脂質含有液は、リン脂質がリポソームを形成しているリン脂質リポソームからなり、このように、リン脂質をリン脂質リポソームの状態とすると、リン脂質が備えるリン酸基がリン脂質リポソームの外側に露出することとなるため、リン脂質リポソームをより確実に母材に吸着させることができる。
図1および図2は、それぞれ、本発明の細胞培養担体の一例を示す斜視図および別例における縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
かかる構成の細胞培養担体(細胞培養ペレット)1Aは、全体形状が円盤状をなし、その全体が主としてリン酸カルシウム系化合物で構成される。
ここで、リン脂質は、その構造中にリン酸エステル部位を備える脂質であり、両親媒性を有することから、脂質二重層を形成するため、糖脂質やコレステロールとともに細胞膜の主要な構成成分となる。そのため、このようなリン脂質が細胞培養担体1Aの表面に吸着していると、付着依存性細胞は、リン脂質に対して特に優れた親和性を示すため、かかる構成の細胞培養担体1Aに対して確実に付着することとなる。したがって、リン酸カルシウム系化合物とリン脂質の相乗効果により、付着依存性細胞は、細胞培養担体1Aに対してより優れた吸着性を示すようになる。
かかる構成の細胞培養担体1Bは、主として樹脂材料で構成された基材2と、この基材2の表面を覆うように設けられた、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成される被覆層3と、被覆層3に吸着したリン脂質(図示せず)とを有している(図2参照。)。換言すれば、本実施形態の細胞培養担体1Bでは、基材2と、この基材2を被覆する被覆層3とで、母材が構成され、この母材すなわち被覆層3の表面にリン脂質が吸着している。
このような被覆層3は、緻密質なものまたは多孔質なもののいずれであってもよい。
まず、ハイドロキシアパタイトを含有するスラリーを用意する。
次に、前記工程[A]で得られたスラリーを乾燥して粉体を得る。
次に、得られた粉体に対し、圧力を加え、圧密化することにより圧粉体を得る。
次に、必要に応じて、得られた圧粉体の形状または寸法を整える。
次に、前記工程[D]で得られた圧粉体を焼成(焼結)して、焼成体を得る。これにより、圧粉体(焼成体)の粒子強度をより向上させることができる。
ここで、焼成体(母材)を構成するハイドロキシアパタイトは、Ca10(PO4)6(OH)2で表され、プラスに帯電するカルシウムイオン(カルシウムサイト)と、マイナスに帯電するリン酸基(リン酸サイト)とが高密度に規則的に配列した構造を有し、両性イオン交換体として静電相互作用に基づく吸着能を有する。
ここで、焼成体の表面には、上述したように、カルシウムが吸着しているのが好ましい。これにより、焼成体の表面における、カルシウムサイトが増加し、かつ、リン酸サイトが減少しているため、マイナスに帯電するリン脂質の焼成体に対する吸着能をより向上させることができる。
さらに、前記工程[F]では、焼成体にカルシウムを吸着させる場合、カルシウムを焼成体の表面に吸着させるカルシウム吸着工程を、リン脂質吸着工程[F]に先立って行う場合について説明したが、かかる場合に限定されず、カルシウム吸着工程とリン脂質吸着工程[F]とをほぼ同時に施すようにしてもよい。
[1] まず、細胞培養担体1Aに滅菌処理を施す。これにより、細胞培養担体1Aの表面に存在する微生物やカビ等の数を低減、または、これらを完全に死滅させることができる。このように、細胞培養担体1Aに滅菌処理を施しておくことにより、微生物やカビ等による細胞へのダメージが低減または除去され、細胞は、より効率よく増殖することができる。
細胞としては、例えば、動物細胞、植物細胞、細菌等が挙げられるが、これらの中でも、特に、動物細胞が好適である。細胞として動物細胞を用いることにより、より広範な分野における使用の拡大を図ることができる。
(実施例1)
1.リン脂質含有液の調製
−1A− まず、卵黄由来のレシチン(和光純薬工業社製、Lot No.126-00812)を用意し、攪拌した後に、このもの60μLを、エタノール1.94mLに加え、ローテーター(TAITEC社製、「RT−50」)を用いて、30rpm×15min(室温)の条件で攪拌した。
その結果を、表1に示す。
カルシウム含有液として、3mM・CaCl2を含有する5mM・MESバッファー(pH6.8)を0.22μm膜でろ過滅菌したものを用意した。
−1B− 母材としてハイドロキシアパタイトペレット(φ7×3.5mm)を用意し、このペレットに、前記2.で調製したカルシウム含有液1mLと、前記1.で調製したリン脂質含有液0.5mLとをこの順で供給した後、37℃の条件で30分間接触させることにより、ペレットの表面にレシチンリポソームを吸着させた。
−1C− 前記3.で得た細胞培養担体に、牛胎児血清(FCS)を10wt%含有するMEM培地に懸濁したVero細胞(50×104Cells/mL)1mLを供給した後、37℃、5%CO2雰囲気下の条件で1時間インキュベートすることにより、細胞培養担体上でVero細胞を培養した。
前記3.の前記工程−1B−における、カルシウム含有液のハイドロキシアパタイトペレットに対する供給を省略したこと以外は、前記実施例1と同様にして、Vero細胞が吸着した細胞培養担体を得た。
前記3.の前記工程−1B−において、ハイドロキシアパタイトペレットに対して、カルシウム含有液とリン脂質含有液とを供給するのに代えて、PBS1.5mLを供給したこと以外は、前記実施例1と同様にして、Vero細胞が吸着した細胞培養担体を得た。
実施例1、2および比較例で得られたVero細胞が吸着した細胞培養担体について、それぞれ、細胞培養担体に1%グルタルアルデヒドを固定液として供給した後、30分間保持することにより、Vero細胞を細胞培養担体の表面に固定させた。
その結果を、図3に示す。
2 基材
3 被覆層
31 粒子
4 細胞付着面
Claims (6)
- 表面に細胞を付着させ、該細胞を増殖させる細胞培養担体であって、
少なくとも表面がリン酸カルシウム系化合物で構成された母材の表面に、リポソームを形成しているリン脂質リポソームからなるリン脂質が、前記リン酸カルシウム系化合物に吸着したカルシウムを介して吸着していることを特徴とする細胞培養担体。 - 前記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトである請求項1に記載の細胞培養担体。
- 請求項1または2に記載の細胞培養担体の製造方法であって、
前記母材を用意し、前記母材の表面に、前記カルシウムを吸着させるカルシウム吸着工程と、
前記母材の表面に吸着した前記カルシウムを介して、前記母材の表面に、前記リン脂質リポソームからなるリン脂質を吸着させるリン脂質吸着工程を有することを特徴とする細胞培養担体の製造方法。 - 前記カルシウム吸着工程は、カルシウムを含有するカルシウム含有液を前記母材に接触させることにより行われる請求項3に記載の細胞培養担体の製造方法。
- 前記カルシウム含有液は、塩化カルシウム水溶液である請求項4に記載の細胞培養担体の製造方法。
- 前記リン脂質吸着工程は、前記リン脂質リポソームからなるリン脂質を含有するリン脂質含有液を、前記母材に接触させることにより行われる請求項3ないし5のいずれかに記載の細胞培養担体の製造方法。
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