JP2011125232A - 細胞培養担体および細胞培養担体の製造方法 - Google Patents

細胞培養担体および細胞培養担体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】細胞が効率よく付着することに起因して増殖率の向上が図られた細胞培養担体、およびかかる細胞培養担体を製造することができる細胞培養担体の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の細胞培養担体は、表面に細胞を付着させ、該細胞を増殖させる細胞培養担体であり、少なくとも表面がリン酸カルシウム系化合物で構成された母材の表面に、リン脂質が吸着していることを特徴とする。また、前記リン脂質は、前記リン酸カルシウム系化合物に吸着したカルシウムを介して前記母材の表面に吸着しているのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、細胞培養担体および細胞培養担体の製造方法に関するものである。
近年、細胞培養技術が、細胞組織工学、医薬品等の安全性試験、治療や診断を目的としたタンパク質の生産等、様々な産業、研究分野で応用されている。
現在、この細胞培養には、付着依存性細胞を大量に効率よく培養するために、培養フラスコによる平面培養ではなく、細胞の足場となる担体を用いた三次元高密度培養(浮遊培養)が用いられている。
この三次元高密度培養には、ポリスチレン製、DEAEセルロース製、ポリアクリルアミド製等の担体が用いられている。
しかし、これらの担体には、細胞の種類や培養条件等によって、細胞がほとんど付着しなかったり、細胞が付着してもほとんど増殖しなかったりする場合がある。
そこで、最近、ポリスチレン製、DEAEセルロース製、ポリアクリルアミド製等で構成される母材に、ハイドロキシアパタイトを被覆した細胞培養担体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このように、母材の表面をハイドロキシアパタイトで被覆すると、付着依存性細胞がカルシウムに対して親和性を有しているため、ハイドロキシアパタイトで被覆しない場合と比較すると、その付着率は向上するが、細胞の増殖効率をより向上させるためには、より高い細胞の付着率を有する担体が求められている。
特開2003−310256号公報
本発明の目的は、細胞が効率よく付着することに起因して増殖率の向上が図られた細胞培養担体、およびかかる細胞培養担体を製造することができる細胞培養担体の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 表面に細胞を付着させ、該細胞を増殖させる細胞培養担体であって、
少なくとも表面がリン酸カルシウム系化合物で構成された母材の表面に、リン脂質が吸着していることを特徴とする細胞培養担体。
これにより、細胞が効率よく細胞培養担体に付着することとなり、その結果、この細胞培養担体で増殖する細胞の増殖率が向上する。
(2) 前記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトである上記(1)に記載の細胞培養担体。
本発明では、リン酸カルシウム系化合物がハイドロキシアパタイトである場合に、その効果が顕著に発揮される。
(3) 前記リン脂質は、前記母材の表面に、リポソームを形成しているリン脂質リポソームの状態で吸着している上記(1)または(2)に記載の細胞培養担体。
このように、リン脂質をリン脂質リポソームの状態とすると、リン脂質が備えるリン酸基がリン脂質リポソームの外側に露出することとなるため、リン脂質リポソームをより確実に母材の表面に吸着させることができる。
(4) 前記リン脂質は、前記リン酸カルシウム系化合物に吸着したカルシウムを介して前記母材の表面に吸着している上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の細胞培養担体。
これにより、母材とリン脂質との密着性がより向上することから、リン脂質を母材に対してより強固に吸着させることができる。
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の細胞培養担体の製造方法であって、
前記母材を用意し、該母材の表面に、前記リン脂質を吸着させるリン脂質吸着工程を有することを特徴とする細胞培養担体の製造方法。
これにより、細胞培養担体に細胞が効率よく付着する細胞付着担体を製造することができる。
(6) 前記リン脂質吸着工程に先立って、前記母材の表面に、前記カルシウムを吸着させるカルシウム吸着工程を有し、前記リン脂質吸着工程において、前記母材の表面に吸着した前記カルシウムを介して、前記リン脂質を吸着させる上記(5)に記載の細胞培養担体の製造方法。
これにより、細胞培養担体に細胞が効率よく付着する細胞付着担体を確実に製造することができる。
(7) 前記カルシウム吸着工程は、カルシウムを含有するカルシウム含有液を前記母材に接触させることにより行われる上記(6)に記載の細胞培養担体の製造方法。
かかる方法によれば、カルシウム含有液を母材に接触させるという簡単な操作で、カルシウムを確実に母材に吸着させることができる。
(8) 前記カルシウム含有液は、塩化カルシウム水溶液である上記(7)に記載の細胞培養担体の製造方法。
塩化カルシウム水溶液を用いれば、ハイドロキシアパタイトに、悪影響を及ぼすことなく、カルシウムを確実に吸着させることができる。
(9) 前記リン脂質吸着工程は、リン脂質を含有するリン脂質含有液を、前記母材に接触させることにより行われる上記(5)ないし(8)のいずれかに記載の細胞培養担体の製造方法。
かかる方法によれば、リン脂質含有液をカルシウムが吸着した母材に接触させるという簡単な操作で、リン脂質をカルシウムが吸着した母材に確実に吸着させることができる。
(10) 前記リン脂質含有液は、リン脂質がリポソームを形成しているリン脂質リポソームを含有する上記(9)に記載の細胞培養担体の製造方法。
このように、リン脂質をリン脂質リポソームの状態とすると、リン脂質が備えるリン酸基がリン脂質リポソームの外側に露出することとなるため、リン脂質リポソームをより確実に母材に吸着させることができる。
本発明の細胞培養担体は、その表面でリン脂質がリン酸カルシウム系化合物に強固に付着しているので、このリン脂質を介して、付着依存性細胞がより効率よく付着することとなるため、細胞の増殖率の向上を図ることができる。
また、本発明の細胞培養担体の製造方法によれば、少なくとも表面がリン酸カルシウム系化合物で構成される母材の表面にリン脂質を確実に付着させることができる。
本発明の細胞培養担体の一例を示す斜視図である。 本発明の細胞培養担体の別例における縦断面図である。 実施例1、2および比較例の細胞培養担体に吸着した細胞の細胞接着率を示す図である。
以下、本発明の細胞培養担体および細胞培養担体の製造方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の細胞培養担体について説明する。
図1および図2は、それぞれ、本発明の細胞培養担体の一例を示す斜視図および別例における縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本発明の細胞培養担体は、少なくとも表面付近がリン酸カルシウム系化合物で構成された母材の表面に、リン脂質が吸着していることを特徴とするものである。
かかる構成の本発明の細胞培養担体において、少なくとも表面付近がリン酸カルシウム系化合物で構成される母材は、I:母材の全体がリン酸カルシウム系化合物を主材料として構成されるものであってもよく、II:母材の形状に成形された基材の表面に、リン酸カルシウム系化合物を主材料とする被膜層が設けられた構成のものであってもよい。
ここで、Iの構成の母材を有する細胞培養担体は、かかる細胞培養担体を骨欠損部位に移植する場合等に、好適に適用される。
また、IIの構成の母材を有する細胞培養担体は、付着依存性細胞を培養する場合、特に、三次元高密度培養(浮遊培養)する場合等に、好適に適用される。
以下、Iの構成の母材を有する細胞培養担体およびIIの構成の母材を有する細胞培養担体について、それぞれ、順次説明する。
<Iの構成の母材を有する細胞培養担体>
かかる構成の細胞培養担体(細胞培養ペレット)1Aは、全体形状が円盤状をなし、その全体が主としてリン酸カルシウム系化合物で構成される。
リン酸カルシウム系化合物としては、特に限定されず、例えば、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム等のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、リン酸カルシウム系化合物としては、ハイドロキシアパタイトを主成分とするものが好ましい。ハイドロキシアパタイトは、骨の主成分または骨に近い成分であり、特に優れた生体親和性(生体適合性)を有し、付着依存性細胞との親和性も高いため、付着依存性細胞を確実に付着させることができる。
また、リン酸カルシウム系化合物が主としてハイドロキシアパタイトで構成される場合、すなわち、細胞培養担体1Aが主としてハイドロキシアパタイトで構成される場合、細胞培養担体1Aの表面は、カルシウムが過多となっているのが好ましい。換言すれば、細胞培養担体1Aの表面で露出しているハイドロキシアパタイトの表面にはカルシウムが吸着しているのが好ましい。これにより、リン脂質は、このカルシウムを介して細胞培養担体1Aに吸着するため、細胞培養担体1Aにおけるリン脂質の密着性がより向上することから、細胞培養担体1Aにおいてリン脂質がその表面により強固に吸着したものとなる。
本発明では、このような細胞培養担体1Aの表面において、リン脂質が吸着している。
ここで、リン脂質は、その構造中にリン酸エステル部位を備える脂質であり、両親媒性を有することから、脂質二重層を形成するため、糖脂質やコレステロールとともに細胞膜の主要な構成成分となる。そのため、このようなリン脂質が細胞培養担体1Aの表面に吸着していると、付着依存性細胞は、リン脂質に対して特に優れた親和性を示すため、かかる構成の細胞培養担体1Aに対して確実に付着することとなる。したがって、リン酸カルシウム系化合物とリン脂質の相乗効果により、付着依存性細胞は、細胞培養担体1Aに対してより優れた吸着性を示すようになる。
リン脂質としては、特に限定されないが、例えば、ホスファチジルコリン(レシチン)、リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルイノシトール、プラズマローゲン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、このようなリン脂質は、細胞培養担体1Aの表面に、リポソームを形成しているリン脂質リポソームの状態で吸着しているのが好ましい。このように、リン脂質をリン脂質リポソームの状態とすると、リン脂質が備えるリン酸基がリン脂質リポソームの外側に露出することとなるため、リン脂質(リン脂質リポソーム)をより確実に細胞培養担体1Aに吸着させることができる。
また、リン脂質リポソームの平均粒径は、特に限定されないが、10〜1000nm程度であるのが好ましく、50〜200nm程度であるのがより好ましい。平均粒径がかかる範囲内であるリン脂質リポソームは、細胞培養担体1Aに対して確実に吸着し得るものとなる。
<IIの構成の母材を有する細胞培養担体>
かかる構成の細胞培養担体1Bは、主として樹脂材料で構成された基材2と、この基材2の表面を覆うように設けられた、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成される被覆層3と、被覆層3に吸着したリン脂質(図示せず)とを有している(図2参照。)。換言すれば、本実施形態の細胞培養担体1Bでは、基材2と、この基材2を被覆する被覆層3とで、母材が構成され、この母材すなわち被覆層3の表面にリン脂質が吸着している。
細胞培養担体1Bは、基材2が粒状(図示の構成では、ほぼ球状)とされ、これにより、その全体が粒状(ほぼ球状)をなしている。このような細胞培養担体1Bの表面には、細胞が均一に付着して、細胞がより効率よく増殖する。また、粒状の細胞培養担体1Bは、培養液中へより均一に懸濁させることができる。このため、細胞培養担体1Bは、細胞に接触する機会が増大することから、細胞をより効率よく付着させることができる。
細胞培養担体1Bの平均粒径は、10〜2000μm程度であるのが好ましく、50〜1000μm程度であるのがより好ましく、100〜300μm程度であるのがさらに好ましい。
基材2は、主として樹脂材料で構成されたものである。樹脂材料を主材料として基材2を構成することにより、細胞培養担体1Bの形状、大きさ、物性(比重等)等の調整がより容易となる。
基材2に用いる樹脂材料としては、各種熱硬化性樹脂、各種熱可塑性樹脂を用いることができ、具体的には、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン等、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、熱硬化性ポリウレタン、エボナイド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような基材2のほぼ全面を覆うように、被覆層3が設けられている。被覆層3は、前述のように、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されている。
リン酸カルシウム系化合物としては、特に限定されないが、例えば、前述した、Iの構成の母材を有する細胞培養担体で説明したのと同様のものを用いることができる。
また、リン酸カルシウム系化合物が主としてハイドロキシアパタイトで構成される場合、すなわち、被覆層3が主としてハイドロキシアパタイトで構成される場合、被覆層3の表面は、カルシウムが過多となっているのが好ましい。換言すれば、被覆層3の表面で露出しているハイドロキシアパタイトの表面にはカルシウムが吸着しているのが好ましい。これにより、リン脂質は、このカルシウムを介して被覆層3に吸着するため、被覆層3とリン脂質との密着性がより向上することから、リン脂質を被覆層3により強固に吸着させることができる。
さらに、被覆層3は、基材2の表面に、リン酸カルシウム系化合物を付着させることにより形成されたものであってもよいが、図2に示すように、基材2の表面付近に、リン酸カルシウム系化合物を主材料として構成された粒子31(以下、単に「粒子31」と言う。)の一部が貫入することにより形成されたものであるのが好ましい。これにより、被覆層3の基材2の表面からの剥離を好適に防止すること、すなわち、細胞培養担体1Bの強度を優れたものとすることができる。
このような被覆層3は、緻密質なものまたは多孔質なもののいずれであってもよい。
被覆層3の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜5μm程度であるのが好ましく、0.5〜2μm程度であるのがより好ましい。被覆層3の平均厚さが前記下限値未満である場合、細胞培養担体1Bでは、部分的に基材2が露出してしまうおそれがある。一方、被覆層3の平均厚さが前記上限値を超えた場合、細胞培養担体1Bの密度の調整が困難となるおそれがある。
なお、細胞培養担体1Bは、その表面により多くの細胞を付着させ、増殖させる観点からは、本実施形態のように、基材2の表面のほぼ全てが被覆層3で覆われているのが好ましいが、付着させる細胞の種類や、基材2の構成材料(樹脂材料)の種類等によっては、その表面の一部が被覆層3から露出するような構成であってもよい。
また、かかる構成の細胞培養担体1Bでは、このような被覆層3の表面に、リン脂質が吸着している。
リン脂質としては、特に限定されないが、例えば、前述した、Iの構成の母材を有する細胞培養担体で説明したのと同様のものを用いることができる。
リン脂質が被覆層3の表面に吸着していると、付着依存性細胞は、リン脂質に対して特に優れた親和性を示すため、リン脂質が吸着した被覆層3に対して確実に付着することとなる。したがって、リン酸カルシウム系化合物とリン脂質の相乗効果により、付着依存性細胞は、リン脂質が吸着した被覆層3に対してより優れた吸着性を示すようになる。
次に、上述した細胞培養担体の製造方法(本発明の細胞培養担体の製造方法)について説明する。
なお、以下では、主としてハイドロキシアパタイトで構成される図1に示す細胞培養担体1Aを製造する場合を一例に説明する。
図1に示す細胞培養担体1Aの製造方法は、ハイドロキシアパタイトを含有するスラリーを得る工程と、このスラリーを乾燥して粉体を得る工程と、この粉体を圧縮して圧粉体を得る工程と、圧粉体を成形する工程と、成形された圧粉体を焼成して焼成体を得る工程と、焼成体の表面にリン脂質を吸着させる工程とを有している。以下、各工程について順次説明する。
[A]ハイドロキシアパタイトを含有するスラリーを得る工程
まず、ハイドロキシアパタイトを含有するスラリーを用意する。
なお、アパタイトは、公知の湿式合成法、乾式合成法などによって合成することができる。
[B]粉体を得る工程
次に、前記工程[A]で得られたスラリーを乾燥して粉体を得る。
スラリーを乾燥する方法としては、例えば、加熱乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。
スラリーの乾燥に際して加熱する場合、スラリーの加熱温度は、40〜300℃程度であるのが好ましく、80〜250℃程度であるのがより好ましい。
なお、例えば、噴霧乾燥のように、スラリーの乾燥物が粉状(粒状)となる場合は、そのまま次工程[C]に供するようにすればよく、ブロック状となる場合は、乾燥物を粉砕するようにすればよい。
粉体の平均粒径は、特に限定されないが、31〜30μm程度であるのが好ましく、8〜25μm程度であるのがより好ましい。このような平均粒径の粉体を用いることにより、より高密度の焼結体を得ることができる。
[C]圧粉体を得る工程
次に、得られた粉体に対し、圧力を加え、圧密化することにより圧粉体を得る。
加圧の方法としては、等方的に加圧する方法や、1軸プレスのように1方向(1軸方向)にのみ加圧する方法等のいずれであってもよいが、等方的に加圧する方法、特に静水圧加圧が好ましい。これにより、加圧後の圧粉体の密度を均一にすることができ、その結果、より高密度の焼結体を得ることができる。
[D]圧粉体を成形する工程
次に、必要に応じて、得られた圧粉体の形状または寸法を整える。
この圧粉体の整形は、例えば、圧粉体に所定の機械加工を施すことにより行われる。機械加工としては、例えば、切削加工、研削加工、研磨加工等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
圧粉体自体は、得られる焼結体に比べてその硬度がはるかに低いため、機械加工等による圧粉体の整形は、容易に行うことができ、特に、低硬度の工具を用いても行うことができ、また、機械加工の加工速度も速い。
[E]圧粉体を焼成する工程
次に、前記工程[D]で得られた圧粉体を焼成(焼結)して、焼成体を得る。これにより、圧粉体(焼成体)の粒子強度をより向上させることができる。
圧粉体を焼成する方法としては、特に限定されないが、例えば、大気炉焼成等が挙げられる。
この場合、圧粉体を焼成する焼成温度は、200〜1200℃程度であるのが好ましく、400〜700℃程度であるのがより好ましい。
以上のような工程を経て、ハイドロキシアパタイト(合成物)の焼成体(母材)が得られる。
なお、得られた焼成体の表面を、必要に応じて研磨材により研磨するようにしても良い。
[F]リン脂質の吸着工程(リン脂質吸着工程)
ここで、焼成体(母材)を構成するハイドロキシアパタイトは、Ca10(PO(OH)で表され、プラスに帯電するカルシウムイオン(カルシウムサイト)と、マイナスに帯電するリン酸基(リン酸サイト)とが高密度に規則的に配列した構造を有し、両性イオン交換体として静電相互作用に基づく吸着能を有する。
これに対して、焼成体に吸着させるリン脂質は、グリセリンやスフィンゴシンを中心骨格として有するものであり、これに脂肪酸とリン酸とが結合し、さらに、リン酸にアルコールがエステル結合した構造を有している。かかる構成のリン脂質において、リン酸は、3つのヒドロキシル基のうち2つが、それぞれ、中心骨格およびアルコールに結合し、残りの1つが電離することによりマイナスに帯電するリン酸サイトを形成している。
そのため、ハイドロキシアパタイトは、リン酸サイトを有するリン脂質に対して、カルシウムサイトにおいて静電相互作用に基づく吸着能を発揮するが、リン酸サイトにおいては、ともにマイナスに帯電しているために斥力が生じる。
このように、マイナスに帯電するリン脂質を、ハイドロキシアパタイトに対して吸着させようとすると、リン酸カルシウム系化合物が、プラスおよびマイナスの双方に帯電している両性イオン交換体としての静電相互作用に基づく吸着能を有することに起因して、焼成体に対する吸着率を十分に向上させることができなかった。
そのため、本発明では、焼成体すなわち被覆層3の表面には、カルシウムが吸着しているのが好ましい。これにより、ハイドロキシアパタイトが有するリン酸サイトがカルシウムと結合し、これに起因して、焼成体における、カルシウムサイトが増加し、かつ、リン酸サイトが減少することとなる。その結果、マイナスに帯電するリン脂質の焼成体に対する吸着能がより向上する。
したがって、焼成体にリン脂質を吸着させる本工程[E]に先立って、焼成体(母材)の表面に、カルシウムを吸着させるカルシウム吸着工程を施すのが好ましい。
焼成体にカルシウムを吸着させる方法としては、特に限定されないが、例えば、カルシウムを含有するカルシウム含有液を焼成体に接触させる方法が挙げられる。かかる方法によれば、カルシウム含有液を焼成体に接触させるという簡単な操作で、カルシウムを確実に焼成体に吸着させることができる。
また、カルシウム含有液としては、特に限定されないが、例えば、塩化カルシウム水溶液、乳酸カルシウム水溶液および硝酸カルシウム水溶液等が挙げられるが、これらの中でも、塩化カルシウム水溶液であるのが好ましい。かかる水溶液を用いれば、焼成体を構成するハイドロキシアパタイトに、悪影響を及ぼすことなく、カルシウムを確実に吸着させることができる。
塩化カルシウム水溶液中における塩化カルシウムの含有量は、特に限定されないが、0.5〜10mM程度であるのが好ましく、1〜3mM程度であるのがより好ましい。
また、塩化カルシウム水溶液のpHは、特に限定されないが、5.0〜9.0程度であるのが好ましく、6.0〜8.0程度であるのがより好ましい。
塩化カルシウム水溶液の条件を上記のように設定すれば、塩化カルシウム水溶液中に含まれるカルシウムを確実に焼成体に吸着させることができる。
なお、ハイドロキシアパタイトの実質全てのリン酸サイトにカルシウムが結合するのが好ましいが、少なくとも焼成体の外表面のリン酸サイトにカルシウムが結合すればよい。外表面におけるハイドロキシアパタイトとの結合割合は、5〜100%程度であるのが好ましく、10〜100%程度であるのがより好ましく、20〜100%であるのがさらに好ましい。リン酸サイトへのカルシウムの結合割合は、例えば、焼成体を充填したカラムに、リン酸サイトに吸着するタンパクを流し、そのタンパクの吸着量から判断すればよく、リン酸サイトにカルシウムがほぼ100%結合している場合は、リン酸サイトに吸着するタンパクが素通りすることになる。
次に、焼成体の表面にリン脂質を吸着させる。
ここで、焼成体の表面には、上述したように、カルシウムが吸着しているのが好ましい。これにより、焼成体の表面における、カルシウムサイトが増加し、かつ、リン酸サイトが減少しているため、マイナスに帯電するリン脂質の焼成体に対する吸着能をより向上させることができる。
焼成体にリン脂質を吸着させる方法としては、特に限定されないが、例えば、リン脂質を含有するリン脂質含有液を焼成体に接触させる方法が挙げられる。かかる方法によれば、リン脂質含有液を、カルシウムが吸着した焼成体に接触させるという簡単な操作で、カルシウムが吸着した焼成体にリン脂質を確実に吸着させることができる。
また、リン脂質は、リン脂質含有液中で、リポソームを形成しているリン脂質リポソームの状態であるのが好ましい。このように、リン脂質をリン脂質リポソームの状態とすると、リン脂質が備えるリン酸基がリン脂質リポソームの外側に露出することとなるため、リン脂質(リン脂質リポソーム)をより確実に焼成体に吸着させることができる。
なお、このようなリン脂質リポソームは、リン脂質を水中に添加した状態で、このものを激し攪拌することにより得ることができる。
また、リン脂質リポソームの平均粒径は、特に限定されないが、10〜1000nm程度であるのが好ましく、50〜200nm程度であるのがより好ましい。平均粒径がかかる範囲内であるリン脂質リポソームは、焼成体に対して確実に吸着し得るものとなる。
以上のような工程を経て、細胞培養担体1Aが得られる。
さらに、前記工程[F]では、焼成体にカルシウムを吸着させる場合、カルシウムを焼成体の表面に吸着させるカルシウム吸着工程を、リン脂質吸着工程[F]に先立って行う場合について説明したが、かかる場合に限定されず、カルシウム吸着工程とリン脂質吸着工程[F]とをほぼ同時に施すようにしてもよい。
次に、このような細胞培養担体1Aを用いた細胞培養方法について説明する。
[1] まず、細胞培養担体1Aに滅菌処理を施す。これにより、細胞培養担体1Aの表面に存在する微生物やカビ等の数を低減、または、これらを完全に死滅させることができる。このように、細胞培養担体1Aに滅菌処理を施しておくことにより、微生物やカビ等による細胞へのダメージが低減または除去され、細胞は、より効率よく増殖することができる。
この滅菌処理には、例えば、細胞培養担体1Aと滅菌液とを接触させる方法、オートクレーブ滅菌、ガス滅菌、放射線滅菌等を用いることができる。
ここで、リン酸カルシウム系化合物は、各種滅菌液に対して不活性であり、本発明の細胞培養担体1Aは、各種滅菌液による劣化が好適に防止される。
滅菌液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、次亜塩素酸ナトリウム水溶液等のアルカリ溶液を好適に使用することができる。これらの滅菌液は、特に、微生物やカビ等の殺菌能(除去能)に優れている。
次いで、滅菌処理後の細胞培養担体1Aを洗浄して、細胞培養担体1Aの表面に付着した滅菌液を除去する。
[2] 次に、細胞(付着させる付着依存性細胞)を懸濁させた培養液を用意する。
細胞としては、例えば、動物細胞、植物細胞、細菌等が挙げられるが、これらの中でも、特に、動物細胞が好適である。細胞として動物細胞を用いることにより、より広範な分野における使用の拡大を図ることができる。
培養液としては、用いる細胞の種類等により適宜選択され、特に限定されないが、例えば、ダルベッコMEM培地、BME培地、MCDB−104培地等が挙げられる。
また、これらの培養液中には、必要に応じて、例えば、血清、アルブミン等の血清タンパク質、各種ビタミン類、アミノ酸、塩類等の添加剤を添加するようにしてもよい。
[3]次に、複数の穴(ウェル)を備えるプレート(培養容器)を用意し、これらの穴の底面に、細胞を付着させ増殖させる細胞付着面4が上側となるように細胞培養担体(細胞培養ペレット)1Aを収納(配置)した後、前記工程[2]で調製した細胞を含む培養液を、各穴内に供給する。
このとき、培養液中に含まれる細胞は、その自重により培養液中において鉛直下方に向かって沈降して、細胞付着面4上に到達・付着することとなる。
そして、細胞付着面4上に細胞が付着した細胞培養担体1Aを所定の条件下で放置することで、細胞が時間の経過とともに増殖して、培養されることになる。
このようにして細胞が培養される際に、本発明では、細胞培養担体1Aの表面にリン脂質が吸着しているため、細胞と細胞培養担体1Aとの親和性が極めて高くなっている。すなわち、細胞が細胞培養担体1Aに効率よく付着する状態となっている。したがって、本実施形態のように、培養液を沈降させて、細胞を細胞培養担体1Aに接触させる構成にしたとしても、細胞培養担体1Aと細胞とが接触しさえすれば、細胞培養担体1Aに細胞を確実に吸着させることができるので、この細胞培養担体1Aで増殖する細胞の増殖率を向上させることができる。
また、培養液の温度(培養温度)は、培養する細胞の種類に応じて適宜設定され、特に限定されないが、通常、20〜40℃程度、好ましくは25〜37℃程度とされる。
なお、本実施形態では、穴内に細胞を供給する方法として、細胞を含む培養液を穴内に注入(供給)する方法を用いたが、このような場合に限定されず、例えば、穴内に、先に培地の供給を行い、次いで細胞の供給を行うようにしてもよい。また、培養容器としては、シャーレなどであってもよい。
以上、本発明の細胞培養担体および細胞培養担体の製造方法について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明の細胞培養担体において、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
また、例えば、本発明の細胞培養担体の製造方法では、任意の目的で、1以上の工程を追加することができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
1.リン脂質含有液の調製
−1A− まず、卵黄由来のレシチン(和光純薬工業社製、Lot No.126-00812)を用意し、攪拌した後に、このもの60μLを、エタノール1.94mLに加え、ローテーター(TAITEC社製、「RT−50」)を用いて、30rpm×15min(室温)の条件で攪拌した。
−2A− 次に、攪拌後のレシチン・エタノール添加物を、8000rpm×5min(室温)の条件で遠心分離した。
−3A− 次に、水30mLを攪拌しつつ、このものに、前記工程−2A−で得られた遠心上清(エタノール可溶性分画)1.5mLを、クロマトインジェクト用500μLマイクロシリンジ(イトー社製、「MS−R500」)を用いて、3回に分けて勢いよく注入し、その後、約3min程度攪拌することにより、リン脂質としてレシチンを含有するリン脂質含有液を調製した。
−4A− 次に、調製したリン脂質含有液に、28kHz(20W)、1分間の条件で超音波処理を施した後、このものを0.22μm膜でろ過滅菌した。
以上のようにして得られたリン脂質含有液について、合計3回、動的散乱粒度分布装置(ベックマンコールター社製、「N5」)を用いて、リン脂質含有液中に含まれるレシチンリポソームの大きさを測定した。
その結果を、表1に示す。
Figure 2011125232
表1から明らかなように、攪拌状態の水に対してエタノール可溶性分画を勢いよく注入することにより、水中において、レシチンをレシチンリポソームの状態で存在させ得ることが判った。
なお、このレシチンリポソームは、そのサイズが粒径100nm程度のものと、このものが凝集または大きな単層リポソームが形成された粒径500nm程度のものとが形成された状態で水中に存在していると推察された。
2.カルシウム含有液の調製
カルシウム含有液として、3mM・CaClを含有する5mM・MESバッファー(pH6.8)を0.22μm膜でろ過滅菌したものを用意した。
3.細胞培養担体の作製
−1B− 母材としてハイドロキシアパタイトペレット(φ7×3.5mm)を用意し、このペレットに、前記2.で調製したカルシウム含有液1mLと、前記1.で調製したリン脂質含有液0.5mLとをこの順で供給した後、37℃の条件で30分間接触させることにより、ペレットの表面にレシチンリポソームを吸着させた。
−2B− 次に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いて、ペレットの表面に吸着していないレシチンリポソームを洗い流すことにより、ペレットの表面にレシチンリポソームが吸着した細胞培養担体を得た。
4.細胞培養担体を用いた細胞の培養
−1C− 前記3.で得た細胞培養担体に、牛胎児血清(FCS)を10wt%含有するMEM培地に懸濁したVero細胞(50×10Cells/mL)1mLを供給した後、37℃、5%CO雰囲気下の条件で1時間インキュベートすることにより、細胞培養担体上でVero細胞を培養した。
−2C− 次に、PBSを用いて、細胞培養担体の表面に吸着していないVero細胞を洗い流すことにより、Vero細胞が吸着した細胞培養担体を得た。
(実施例2)
前記3.の前記工程−1B−における、カルシウム含有液のハイドロキシアパタイトペレットに対する供給を省略したこと以外は、前記実施例1と同様にして、Vero細胞が吸着した細胞培養担体を得た。
(比較例)
前記3.の前記工程−1B−において、ハイドロキシアパタイトペレットに対して、カルシウム含有液とリン脂質含有液とを供給するのに代えて、PBS1.5mLを供給したこと以外は、前記実施例1と同様にして、Vero細胞が吸着した細胞培養担体を得た。
5.評価
実施例1、2および比較例で得られたVero細胞が吸着した細胞培養担体について、それぞれ、細胞培養担体に1%グルタルアルデヒドを固定液として供給した後、30分間保持することにより、Vero細胞を細胞培養担体の表面に固定させた。
次に、固定液を除去した後に、固定化されたVero細胞に対してクリスタルバイオレット染色を施した。
次に、染色された細胞の数を測定することにより、細胞培養担体に吸着したVero細胞の数を求めた。
その結果を、図3に示す。
図3から明らかなように、ハイドロキシアパタイトで構成される母材の表面にリン脂質が吸着した実施例1、2の細胞培養担体では、リン脂質が吸着していない比較例の細胞培養担体と比較して、その表面により多くのVero細胞が吸着していることから、母材の表面にリン脂質を吸着させることにより、増殖する細胞の増殖率の向上を図り得ることが明らかとなった。
また、実施例1では、ハイドロキシアパタイトの表面にカルシウムを吸着させることにより、実施例2と比較して、ハイドロキシアパタイトで構成される母材の表面に対するリン脂質の吸着率が向上し、これに起因して、細胞培養担体の表面により多くのVero細胞が吸着していることが推察された。
1A、1B 細胞培養担体
2 基材
3 被覆層
31 粒子
4 細胞付着面

Claims (10)

  1. 表面に細胞を付着させ、該細胞を増殖させる細胞培養担体であって、
    少なくとも表面がリン酸カルシウム系化合物で構成された母材の表面に、リン脂質が吸着していることを特徴とする細胞培養担体。
  2. 前記リン酸カルシウム系化合物は、ハイドロキシアパタイトである請求項1に記載の細胞培養担体。
  3. 前記リン脂質は、前記母材の表面に、リポソームを形成しているリン脂質リポソームの状態で吸着している請求項1または2に記載の細胞培養担体。
  4. 前記リン脂質は、前記リン酸カルシウム系化合物に吸着したカルシウムを介して前記母材の表面に吸着している請求項1ないし3のいずれかに記載の細胞培養担体。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の細胞培養担体の製造方法であって、
    前記母材を用意し、該母材の表面に、前記リン脂質を吸着させるリン脂質吸着工程を有することを特徴とする細胞培養担体の製造方法。
  6. 前記リン脂質吸着工程に先立って、前記母材の表面に、前記カルシウムを吸着させるカルシウム吸着工程を有し、前記リン脂質吸着工程において、前記母材の表面に吸着した前記カルシウムを介して、前記リン脂質を吸着させる請求項5に記載の細胞培養担体の製造方法。
  7. 前記カルシウム吸着工程は、カルシウムを含有するカルシウム含有液を前記母材に接触させることにより行われる請求項6に記載の細胞培養担体の製造方法。
  8. 前記カルシウム含有液は、塩化カルシウム水溶液である請求項7に記載の細胞培養担体の製造方法。
  9. 前記リン脂質吸着工程は、リン脂質を含有するリン脂質含有液を、前記母材に接触させることにより行われる請求項5ないし8のいずれかに記載の細胞培養担体の製造方法。
  10. 前記リン脂質含有液は、リン脂質がリポソームを形成しているリン脂質リポソームを含有する請求項9に記載の細胞培養担体の製造方法。
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