JP5531293B2 - 回転陽極型x線管及びx線管装置 - Google Patents

回転陽極型x線管及びx線管装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、回転陽極型X線管及びX線管装置に関する。
一般に、X線管装置として、回転陽極型のX線管装置が使用されている。回転陽極型のX線管装置は、X線を放射する回転陽極型X線管と、ステータコイルと、これら回転陽極型X線管及びステータコイルを収容した筐体と、を備えている。回転陽極型X線管は、陽極ターゲットと、陰極と、真空外囲器と、を備え、動圧式のすべり軸受を使っている。
すべり軸受は、回転軸を中心に回転可能な筒状の回転体と、この回転体の内部に嵌合され、回転体を回転可能に支持する固定シャフトと、回転体及び固定シャフト間の隙間に充填された液体金属とを有している。固定シャフトの軸受面にらせん溝が形成されている。
上記回転陽極型のX線管装置の動作状態において、ステータコイルは回転体に与える磁界を発生するため、回転体及び陽極ターゲットは回転する。また、陰極は陽極ターゲットに対して電子ビームを照射する。これにより、陽極ターゲットは、電子と衝突するときにX線を放出する。
特開2009−238477号公報 特開2009−283421号公報 国際公開第2008/069195号パンフレット
ところで、上記回転陽極型のX線管装置の動作中、固定体及び回転体間に存在するガスの膨張により、固定体及び回転体間の隙間から、ガスとともに液体金属の一部が軸受外部に噴出してしまう恐れがある。液体金属が外部に噴出すると、回転陽極型X線管の電圧耐久性が劣化し、回転陽極型X線管に放電が発生する恐れがある。回転陽極型X線管に放電が発生すると、回転陽極型X線管は機能を失ってしまう。このため、液体金属等の潤滑剤の漏れを防止することのできる技術が求められている。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、潤滑剤の漏れを防止することができる回転陽極型X線管及び上記回転陽極型X線管を備えたX線管装置を提供することにある。
一実施形態に係る回転陽極型X線管は、
円柱状に形成され、一端に位置したスラスト軸受面及び側面に位置したラジアル軸受面を有した径大部と、前記径大部より外径の小さい円柱状に形成され、前記径大部の一端側に位置し、前記径大部とともに同軸的に一体に形成された径小部と、を具備した固定体と、
筒状に形成され、前記径大部の外周に位置し、前記ラジアル軸受面に隙間を置いて対向した他のラジアル軸受面を有した本体と、筒状に形成され、前記径小部の側面に隙間を置いて位置し、前記本体に固定され、前記スラスト軸受面に隙間を置いて対向した他のスラスト軸受面を有した蓋部と、を具備し、前記固定体と同軸的に延出して形成され、前記固定体を中心に回転可能な回転体と、
前記径大部及び回転体間の隙間に充填され、前記スラスト軸受面及び他のスラスト軸受面とともに動圧形のスラストすべり軸受を形成し、前記ラジアル軸受面及び他のラジアル軸受面とともに動圧形のラジアルすべり軸受を形成する潤滑剤と、
前記回転体に固定され、電子が入射されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
前記陽極ターゲットに照射する電子を放出する陰極と、
前記固定体、回転体、陽極ターゲット及び陰極を収容し、前記固定体を固定する真空外囲器と、を備え、
前記径小部は、前記軸に沿った方向に並べられ、前記径大部から遠くなるにつれて段階的に小さくなる外径を有し、多段外周面を形成する複数の固定部を有し、
前記蓋部は、前記軸に沿った方向に並べられ、前記本体から遠くなるにつれて段階的に小さくなる内径を有し、多段内周面を形成する複数の回転部を有し、
2以上の自然数をNとすると、
前記径大部側から数えてN段目の固定部は、前記本体から数えてN段目の回転部と対向し、
前記N段目の回転部の内径は、前記N段目の固定部の外径より大きく、N−1段目の固定部の外径より小さいことを特徴としている。
また、一実施形態に係るX線管装置は、
円柱状に形成され、一端に位置したスラスト軸受面及び側面に位置したラジアル軸受面を有した径大部と、前記径大部より外径の小さい円柱状に形成され、前記径大部の一端側に位置し、前記径大部とともに同軸的に一体に形成された径小部と、を具備した固定体と、筒状に形成され、前記径大部の外周に位置し、前記ラジアル軸受面に隙間を置いて対向した他のラジアル軸受面を有した本体と、筒状に形成され、前記径小部の側面に隙間を置いて位置し、前記本体に固定され、前記スラスト軸受面に隙間を置いて対向した他のスラスト軸受面を有した蓋部と、を具備し、前記固定体と同軸的に延出して形成され、前記固定体を中心に回転可能な回転体と、前記径大部及び回転体間の隙間に充填され、前記スラスト軸受面及び他のスラスト軸受面とともに動圧形のスラストすべり軸受を形成し、前記ラジアル軸受面及び他のラジアル軸受面とともに動圧形のラジアルすべり軸受を形成する潤滑剤と、前記回転体に固定され、電子が入射されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、前記陽極ターゲットに照射する電子を放出する陰極と、前記固定体、回転体、陽極ターゲット及び陰極を収容し、前記固定体を固定する真空外囲器と、を備えた回転陽極型X線管と、
前記回転体に与える磁界を発生して前記回転体及び陽極ターゲットを回転させるコイルと、
前記回転陽極型X線管及びコイルを収容した筐体と、を備え、
前記径小部は、前記軸に沿った方向に並べられ、前記径大部から遠くなるにつれて段階的に小さくなる外径を有し、多段外周面を形成する複数の固定部を有し、
前記蓋部は、前記軸に沿った方向に並べられ、前記本体から遠くなるにつれて段階的に小さくなる内径を有し、多段内周面を形成する複数の回転部を有し、
2以上の自然数をNとすると、
前記径大部側から数えてN段目の固定部は、前記本体から数えてN段目の回転部と対向し、
前記N段目の回転部の内径は、前記N段目の固定部の外径より大きく、N−1段目の固定部の外径より小さいことを特徴としている。
図1は、第1の実施形態に係る回転陽極型X線管を備えたX線管装置を示す断面図である。 図2は、図1に示した回転陽極型X線管の一部を拡大して示す断面図である。 図3は、第2の実施形態に係る回転陽極型X線管の一部を拡大して示す断面図である。
以下、図面を参照しながら第1の実施形態に係る回転陽極型X線管及び回転陽極型X線管を備えたX線管装置について詳細に説明する。
図1に示すように、回転陽極型のX線管装置は、回転陽極型X線管1と、磁界を発生させるコイルとしてのステータコイル2と、回転陽極型X線管1及びステータコイル2を収容した筐体3と、筐体3内に充填された冷却液7とを備えている。
回転陽極型X線管1は、陽極ターゲット50と、陰極60と、真空外囲器70とを備えている。さらに、回転陽極型X線管1は、固定体としての固定シャフト10と、回転体20と、潤滑剤としての液体金属LMとを備え、すべり軸受を使っている。
図1及び図2に示すように、固定シャフト10は、径大部11及び径小部12を有している。径大部11及び径小部12は、同軸的に一体に形成されている。固定シャフト10は、Fe(鉄)合金やMo(モリブデン)合金等の金属で形成されている。
径大部11は、円柱状に形成されている。径大部11は、一端に位置した第2スラスト軸受面S11b、他端に位置した第1スラスト軸受面S11a及び側面に位置したラジアル軸受面S11cを有している。第1スラスト軸受面S11aは円形状に形成され、第2スラスト軸受面S11bは環状に形成され、ラジアル軸受面S11cは径大部11の側面に全周に亘って形成されている。
径小部12は、径大部11より外径の小さい円柱状に形成され、径大部11の一端側に位置している。
回転体20は、一端部が円形枠状に窪められ、第1スラスト軸受面S11aに対向した他端部が閉塞された筒状に形成され、固定シャフト10と同軸的に設けられている。回転体20は、回転体20の中心軸に沿った方向に延出している。
詳しくは、回転体20は、他端部が閉塞され、径大部11の外周に位置した筒状の本体21と、本体21の一端部に取り外し可能にネジ留めされた蓋部22とで形成されている。蓋部22は、筒状に形成され、径小部12の側面に隙間を置いて位置し、本体21に固定されている。回転体20は、Fe合金やMo合金等の金属で形成されている。
固定シャフト10は回転体20の内部に嵌合されている。回転体20は、固定シャフト10を中心に回転可能である。蓋部22及び径大部11の一端は、固定シャフト10及び回転体20の上記中心軸に沿った方向への相対的なズレを規制するものである。
また、蓋部22及び径小部12間の隙間(クリアランス)は、回転体20の回転を維持するとともに液体金属LMの漏洩を抑制する値に設定されている。以上のことから、上記隙間は僅かであり、蓋部22はラビリンスシールリング(labyrinth seal ring)として機能するものである。
回転体20は、第1スラスト軸受面S11aに隙間を置いて対向した他の第1スラスト軸受面S21aと、第2スラスト軸受面S11bに隙間を置いて対向した他の第2スラスト軸受面S22aと、ラジアル軸受面S11cに隙間を置いて対向した他のラジアル軸受面S21bとを有している。第1スラスト軸受面S21aは円形状に形成され、第2スラスト軸受面S22aは環状に形成されている。
また、回転体20は、筒部26を有している。筒部26は、本体21の側面と接合され、本体21に固定されている。筒部26は、例えばCu(銅)で形成されている。
固定シャフト10及び回転体20は、全対向領域で、互いに隙間を置いて設けられている。第1スラスト軸受面S11a及び第1スラスト軸受面S21a間の隙間、第2スラスト軸受面S11b及び第2スラスト軸受面S22a間の隙間、並びにラジアル軸受面S11c及びラジアル軸受面S21b間の隙間は、10乃至50μm程度である。径大部11は回転体20で覆われている。径小部12は回転体20の外側に突出している。固定シャフト10は回転体20を回転可能に支持している。
液体金属LMは、径大部11及び回転体20間の隙間に充填されている。液体金属LMは、GaIn(ガリウム・インジウム)合金又はGaInSn(ガリウム・インジウム・錫)合金等の材料を利用することができる。
液体金属LMは、第1スラスト軸受面S11a及び第1スラスト軸受面S21aとともに動圧形の第1スラストすべり軸受B1を形成している。液体金属LMは、第2スラスト軸受面S11b及び第2スラスト軸受面S22aとともに動圧形の第2スラストすべり軸受B2を形成している。液体金属LMは、ラジアル軸受面S11c及びラジアル軸受面S21bとともに動圧形のラジアルすべり軸受B3を形成している。
ここで、ラジアルすべり軸受B3ついて詳細に説明する。なお、図2において、固定シャフト10は断面ではなく、正面を示している。
図2に示すように、径大部11は、回転軸に沿った方向に並んだ複数の掻き込み部15a、15bを有している。掻き込み部15a、15bは、ラジアル軸受面S11cに形成され、かつ、回転体20の回転方向に沿って並べられているとともに回転方向に対して斜線状に延出して配列されている複数のパターン部Pをそれぞれ有している。この実施の形態において、パターン部Pは、数十μmの深さを有した溝で形成されている。
隣合う一対の掻き込み部15a、15bは、ヘリンボン・パターンを形作っている。このため、1組のヘリンボン・パターンが径大部11に形作られている。
図1に示すように、陽極ターゲット50は、円盤状に形成され、固定シャフト10及び回転体20と同軸的に設けられている。陽極ターゲット50は、継手40を介して回転体20の他端部に固定されている。ここでは、陽極ターゲット50は、継手40にナット80で固定されている。陽極ターゲット50は、陽極本体51と、陽極本体51の外面の一部に設けられたターゲット層52とを有している。陽極ターゲット50は、回転体20とともに回転可能である。陽極ターゲット50は、ターゲット層52に電子が入射されることによりX線を放出するものである。
陰極60は、陽極ターゲット50のターゲット層52に間隔を置いて対向配置されている。陰極60は、真空外囲器70の内壁に取付けられている。陰極60は、ターゲット層52に照射する電子を放出する電子放出源としてのフィラメント61を有している。
真空外囲器70は、円筒状に形成されている。真空外囲器70はガラス及び金属で形成されている。真空外囲器70において、陽極ターゲット50と対向した個所の径は、回転体20と対向した個所の径より大きい。真空外囲器70は開口部71を有している。真空外囲器70は、密閉され、固定シャフト10、回転体20、陽極ターゲット50及び陰極60等を収容している。真空外囲器70の内部は真空状態に維持されている。
真空外囲器70の密閉状態を維持するよう、開口部71は、固定シャフト10の一端部に密着している。この実施形態において、回転陽極型X線管1は、片端支持軸受構造を採用している。真空外囲器70は、固定シャフト10の径小部12を固定し、径大部11を支持していない。すなわち、径小部12は、軸受の片持ち支持部として機能している。
ステータコイル2は、回転体20の側面、より詳しくは筒部26の側面に対向して真空外囲器70の外側を囲むように設けられている。ステータコイル2の形状は環状である。
筐体3は、陰極60と対向したターゲット層52付近にX線を透過させるX線透過窓3aを有している。筐体3の内部には、回転陽極型X線管1及びステータコイル2が収容されている他、冷却液7が充填されている。
上記のように回転陽極型X線管1を備えたX線管装置が形成されている。
次に、この実施形態の径小部12及び蓋部22について詳細に説明する。
図2に示すように、径小部12は、軸(中心軸)に沿った方向に並べられ、一体に形成された複数の固定部13を有している。複数の固定部13は、径大部11から遠くなるにつれて段階的に小さくなる外径を有し、多段外周面を形成している。ここでは、径小部12は、4段に形成され、4個の固定部13を有している。
蓋部22は、軸(中心軸)に沿った方向に並べられ、一体に形成された複数の回転部23を有している。複数の回転部23は、本体21から遠くなるにつれて段階的に小さくなる内径を有し、多段内周面を形成している。ここでは、蓋部22は、4段に形成され、4個の回転部23を有している。
径小部12及び蓋部22間の隙間(固定部13及び回転部23間の隙間)は、50乃至500μm程度である。
ここで、2以上の自然数をNとする。すると、径大部11側から数えてN段目の固定部13は、本体21から数えてN段目の回転部23と対向している。N段目の回転部23の内径は、N段目の固定部13の外径より大きく、N−1段目の固定部13の外径より小さい。
例えば、2段目の固定部13は、2段目の回転部23と対向している。2段目の回転部23の内径は、2段目の固定部13の外径より大きく、1段目の固定部13の外径より小さい。
上記X線管装置の動作状態において、ステータコイル2は回転体20(特に筒部26)に与える磁界を発生するため、回転体20は回転する。これにより、陽極ターゲット50は回転する。また、陰極60に相対的に負の電圧が印加され、陽極ターゲット50に相対的に正の電圧が印加される。陰極60及び陽極ターゲット50間に電位差が生じるため、フィラメント61は、電子を放出すると、この電子は、加速され、ターゲット層52に衝突される。これにより、ターゲット層52は、電子と衝突するときにX線を放出し、放出されたX線は真空外囲器70及びX線透過窓3aを透過し、筐体3の外部に放出される。
上記のように構成された第1の実施形態に係る回転陽極型X線管及びX線管装置によれば、回転陽極型X線管1は、固定シャフト10と、回転体20と、液体金属LMと、陽極ターゲット50と、陰極60と、真空外囲器70とを備えている。
固定シャフト10は、円柱状に形成され、一端に位置した第2スラスト軸受面S11b及び側面に位置したラジアル軸受面S11cを有した径大部11と、径大部11より外径の小さい円柱状に形成され、径大部11の一端側に位置し、径大部11とともに同軸的に一体に形成された径小部12と、を具備している。
回転体20は、筒状に形成され、径大部11の外周に位置し、ラジアル軸受面S11cに隙間を置いて対向したラジアル軸受面S21bを有した本体21と、筒状に形成され、径小部12の側面に隙間を置いて位置し、本体21に固定され、第2スラスト軸受面S11bに隙間を置いて対向した第2スラスト軸受面S22aを有した蓋部22と、を具備している。回転体20は、固定シャフト10と同軸的に延出して形成され、固定シャフト10を中心に回転可能である。
液体金属LMは、径大部11及び回転体20間の隙間に充填され、第2スラスト軸受面S11b及び第2スラスト軸受面S22aとともに動圧形の第2スラストすべり軸受B2を形成し、ラジアル軸受面S11c及びラジアル軸受面S21bとともに動圧形のラジアルすべり軸受B3を形成している。
径小部12は、軸に沿った方向に並べられ、径大部11から遠くなるにつれて段階的に小さくなる外径を有し、多段外周面を形成する複数の固定部13を有している。蓋部22は、軸に沿った方向に並べられ、本体21から遠くなるにつれて段階的に小さくなる内径を有し、多段内周面を形成する複数の回転部23を有している。
N段目の固定部13は、N段目の回転部23と対向している。N段目の回転部23の内径は、N段目の固定部13の外径より大きく、N−1段目の固定部13の外径より小さい。N段目の固定部13及び回転部23間の隙間から、N−1段目の固定部13及び回転部23間の隙間は見えない。
径小部12及び蓋部22間の隙間は、軸方向に直線的に延出していない。上記X線管装置の動作中、固定シャフト10及び回転体20間に存在するガスの膨張により、固定シャフト10及び回転体20間の隙間から、ガスとともに液体金属LMの一部が軸受外部に瞬間的に噴出しても、噴出した液体金属LMの衝撃を受ける衝撃面を蓋部22の内周面に形成することができる。
これにより、固定シャフト10及び回転体20間の隙間から外部への液体金属LMの噴出(漏れ)を抑制することができる。そして、真空外囲器70内部への液体金属LMの飛散は抑制されるため、回転陽極型X線管1に生じる恐れのある放電の発生を抑制することができ、ひいては、製品寿命の長期化を図ることができ、製品信頼性の向上を図ることができる。そして、回転陽極型X線管は、機能を失うことなく動作を継続することができる。
また、X線管装置の動作中、液体金属LMは、遠心力による動圧を受けるため、径小部12及び蓋部22間に噴出した液体金属LMを第2スラストすべり軸受B2(軸受け)側に戻すことができる。このため、固定シャフト10及び回転体20間の隙間から外部への液体金属LMの噴出を一層抑制することができ、安定した軸受け動作を得ることができる。
上記したことから、液体金属LMの漏れを防止することができる回転陽極型X線管1及びX線管装置を得ることができる。
次に、第2の実施形態に係る回転陽極型X線管及び回転陽極型X線管を備えたX線管装置について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図3に示すように、蓋部22は、少なくとも1つの収容部24を有している。ここでは、蓋部22は、3つの収容部24を有している。各収容部24は、蓋部22の内周面を窪めて形成され、第2スラストすべり軸受B2から押し出された液体金属LMを収容する。
各収容部24は、N段目の固定部13及びN−1段目の固定部13間の境界を跨いでいる。詳しくは、収容部24は、(1)2段目の固定部13及び1段目の固定部13間の境界、(2)3段目の固定部13及び2段目の固定部13間の境界、(3)4段目の固定部13及び3段目の固定部13間の境界を跨いでいる。
上記のように構成された第2の実施形態に係る回転陽極型X線管及びX線管装置によれば、回転陽極型X線管1は、固定シャフト10と、回転体20と、液体金属LMと、陽極ターゲット50と、陰極60と、真空外囲器70とを備えている。
径小部12は、軸に沿った方向に並べられ、径大部11から遠くなるにつれて段階的に小さくなる外径を有し、多段外周面を形成する複数の固定部13を有している。蓋部22は、軸に沿った方向に並べられ、本体21から遠くなるにつれて段階的に小さくなる内径を有し、多段内周面を形成する複数の回転部23を有している。
N段目の固定部13は、N段目の回転部23と対向している。N段目の回転部23の内径は、N段目の固定部13の外径より大きく、N−1段目の固定部13の外径より小さい。N段目の固定部13及び回転部23間の隙間から、N−1段目の固定部13及び回転部23間の隙間は見えない。
径小部12及び蓋部22間の隙間は、軸方向に直線的に延出していない。上記X線管装置の動作中、固定シャフト10及び回転体20間に存在するガスの膨張により、固定シャフト10及び回転体20間の隙間から、ガスとともに液体金属LMの一部が軸受外部に瞬間的に噴出しても、噴出した液体金属LMの衝撃を受ける衝撃面を蓋部22の内周面に形成することができる。
これにより、固定シャフト10及び回転体20間の隙間から外部への液体金属LMの噴出(漏れ)を抑制することができる。そして、真空外囲器70内部への液体金属LMの飛散は抑制されるため、回転陽極型X線管1に生じる恐れのある放電の発生を抑制することができ、ひいては、製品寿命の長期化を図ることができ、製品信頼性の向上を図ることができる。そして、回転陽極型X線管は、機能を失うことなく動作を継続することができる。
収容部24は、上記噴出した液体金属LMを収容することができる。このため、固定シャフト10及び回転体20間の隙間から外部への液体金属LMの噴出を一層抑制することができ、安定した軸受け動作を得ることができる。
上記したことから、液体金属LMの漏れを防止することができる回転陽極型X線管1及びX線管装置を得ることができる。
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、径小部12は、固定部13を4個有していたが、これに限らず、2個、3個又は5個以上有していてもよい。蓋部22は、回転部23を4個有していたが、これに限らず、2個、3個又は5個以上有していてもよい。
この発明は、上記回転陽極型X線管及びX線管装置に限らず、各種の回転陽極型X線管及びX線管装置に適用することができる。
1…回転陽極型X線管、2…ステータコイル、3…筐体、7…冷却液、10…固定シャフト、11…径大部、12…径小部、13…固定部、20…回転体、21…本体、22…蓋部、23…回転部、24…収容部、50…陽極ターゲット、60…陰極、70…真空外囲器、LM…液体金属、S11a,S21a…第1スラスト軸受面、S11b,S22a…第2スラスト軸受面、S11c,S21b…ラジアル軸受面、B1…第1スラストすべり軸受、B2…第2スラストすべり軸受、B3…ラジアルすべり軸受。

Claims (4)

  1. 円柱状に形成され、一端に位置したスラスト軸受面及び側面に位置したラジアル軸受面を有した径大部と、前記径大部より外径の小さい円柱状に形成され、前記径大部の一端側に位置し、前記径大部とともに同軸的に一体に形成された径小部と、を具備した固定体と、
    筒状に形成され、前記径大部の外周に位置し、前記ラジアル軸受面に隙間を置いて対向した他のラジアル軸受面を有した本体と、筒状に形成され、前記径小部の側面に隙間を置いて位置し、前記本体に固定され、前記スラスト軸受面に隙間を置いて対向した他のスラスト軸受面を有した蓋部と、を具備し、前記固定体と同軸的に延出して形成され、前記固定体を中心に回転可能な回転体と、
    前記径大部及び回転体間の隙間に充填され、前記スラスト軸受面及び他のスラスト軸受面とともに動圧形のスラストすべり軸受を形成し、前記ラジアル軸受面及び他のラジアル軸受面とともに動圧形のラジアルすべり軸受を形成する潤滑剤と、
    前記回転体に固定され、電子が入射されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
    前記陽極ターゲットに照射する電子を放出する陰極と、
    前記固定体、回転体、陽極ターゲット及び陰極を収容し、前記固定体を固定する真空外囲器と、を備え、
    前記径小部は、前記軸に沿った方向に並べられ、前記径大部から遠くなるにつれて段階的に小さくなる外径を有し、多段外周面を形成する複数の固定部を有し、
    前記蓋部は、前記軸に沿った方向に並べられ、前記本体から遠くなるにつれて段階的に小さくなる内径を有し、多段内周面を形成する複数の回転部を有し、
    2以上の自然数をNとすると、
    前記径大部側から数えてN段目の固定部は、前記本体から数えてN段目の回転部と対向し、
    前記N段目の回転部の内径は、前記N段目の固定部の外径より大きく、N−1段目の固定部の外径より小さいことを特徴とする回転陽極型X線管。
  2. 前記蓋部は、内周面を窪めて形成され、前記スラストすべり軸受から押し出された前記潤滑剤を収容する収容部をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の回転陽極型X線管。
  3. 前記収容部は、前記N段目の固定部及びN−1段目の固定部間の境界を跨いでいることを特徴とする請求項2に記載の回転陽極型X線管。
  4. 円柱状に形成され、一端に位置したスラスト軸受面及び側面に位置したラジアル軸受面を有した径大部と、前記径大部より外径の小さい円柱状に形成され、前記径大部の一端側に位置し、前記径大部とともに同軸的に一体に形成された径小部と、を具備した固定体と、筒状に形成され、前記径大部の外周に位置し、前記ラジアル軸受面に隙間を置いて対向した他のラジアル軸受面を有した本体と、筒状に形成され、前記径小部の側面に隙間を置いて位置し、前記本体に固定され、前記スラスト軸受面に隙間を置いて対向した他のスラスト軸受面を有した蓋部と、を具備し、前記固定体と同軸的に延出して形成され、前記固定体を中心に回転可能な回転体と、前記径大部及び回転体間の隙間に充填され、前記スラスト軸受面及び他のスラスト軸受面とともに動圧形のスラストすべり軸受を形成し、前記ラジアル軸受面及び他のラジアル軸受面とともに動圧形のラジアルすべり軸受を形成する潤滑剤と、前記回転体に固定され、電子が入射されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、前記陽極ターゲットに照射する電子を放出する陰極と、前記固定体、回転体、陽極ターゲット及び陰極を収容し、前記固定体を固定する真空外囲器と、を備えた回転陽極型X線管と、
    前記回転体に与える磁界を発生して前記回転体及び陽極ターゲットを回転させるコイルと、
    前記回転陽極型X線管及びコイルを収容した筐体と、を備え、
    前記径小部は、前記軸に沿った方向に並べられ、前記径大部から遠くなるにつれて段階的に小さくなる外径を有し、多段外周面を形成する複数の固定部を有し、
    前記蓋部は、前記軸に沿った方向に並べられ、前記本体から遠くなるにつれて段階的に小さくなる内径を有し、多段内周面を形成する複数の回転部を有し、
    2以上の自然数をNとすると、
    前記径大部側から数えてN段目の固定部は、前記本体から数えてN段目の回転部と対向し、
    前記N段目の回転部の内径は、前記N段目の固定部の外径より大きく、N−1段目の固定部の外径より小さいことを特徴とするX線管装置。
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