JP6054764B2 - X線管装置 - Google Patents

X線管装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6054764B2
JP6054764B2 JP2013025706A JP2013025706A JP6054764B2 JP 6054764 B2 JP6054764 B2 JP 6054764B2 JP 2013025706 A JP2013025706 A JP 2013025706A JP 2013025706 A JP2013025706 A JP 2013025706A JP 6054764 B2 JP6054764 B2 JP 6054764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray tube
bearings
rotating shaft
peripheral surface
respect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013025706A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014154497A (ja
Inventor
雄太郎 田邊
雄太郎 田邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2013025706A priority Critical patent/JP6054764B2/ja
Publication of JP2014154497A publication Critical patent/JP2014154497A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6054764B2 publication Critical patent/JP6054764B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • X-Ray Techniques (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、X線撮影装置等のX線管を備えた装置に関するものであり、特に、回転陽極型のX線管内の異物の浮遊を防止する構造に係わる。
X線管を搭載したX線管装置は、X線管が発生したX線を被検体に照射し、被検体を透過したX線の線量を測定し、その測定線量に基づいてX線画像を作成する装置であり、X線画像を用いて被検体の検査や診断を行う用途に用いられる。例えば、X線管装置は、医療の分野ではX線透視装置やX線撮影装置等として、また工業用の分野では、種々の製品の欠陥検査や異物検査等として、広く利用されている。
X線管は、陰極から放出された電子を陽極に衝突させてX線を放出させる。陰極と陽極との間には十数万Vの高電圧がかけられる。このため、陰極と陽極が収容されるX線管球内は真空に保たれ、陰極と陽極間の絶縁性を高めている。
X線管球内に異物が浮遊していると、浮遊物を起点に放電を起こしてしまうため、異物がX線管球内に飛び散らないような構造が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている構造は、陽極の回転軸を固定部に対して回転可能に支持する転がり軸受の摩耗粉や潤滑剤等の異物がX線管球内に飛散しないようにするために、転がり軸受の近傍の空間を塞ぐキャップを取り付け、異物の移動をキャップにより防ぐ。また、キャップを磁性体により形成し、磁性を帯びた異物をキャップに付着させることも開示されている。
特開2006−179231号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構造は、転がり軸受近傍の小さな空間を塞ぐキャップを用いるため、部品点数が増える。また、形状精度の高い小さなキャップを製造して、陽極の回転軸の回転や転がり軸受のアライメントに影響を与えないように、精度よく取り付ける必要があり、製造工程が複雑になる。さらに、陽極の回転軸の軸ぶれを生じさせないように、キャップの配置を設計する必要がある。
本発明の目的は、単純な構成で、2つの転がり軸受から生じる異物の飛散を防止し、かつ、陽極の回転軸ぶれを抑制することのできるX線管装置を提供することにある。
本発明では、2つの軸受の近傍に磁化した領域を1以上設ける。磁化する領域は、2つの軸受から等しい距離に位置する面に対して対称に配置する。
具体的には、本発明のX線管装置は、陰極と、陽極と、陰極と陽極を収容する外囲器とを有する。陽極は、円板状のターゲットと、ターゲットに接続された筒状のロータと、ロータの内側に配置され、ロータに接続された回転軸と、ロータと回転軸との間の空間に配置された筒状の固定部と、固定部と回転軸の間に配置され、回転軸を固定部に対して回転可能に支持する2つの軸受けと、2つの軸受けの間に配置された間座とを備えている。2つの軸受は、回転軸の軸方向について離れた位置に配置されている。回転軸の外周面、固定部の内周面および間座の少なくとも一つには、1以上の磁化領域が設けられている。1以上の磁化領域は、2つの軸受けから等しい距離に位置する面に対して、対称に配置されている。
このような配置により、軸受けから脱落した異物を磁化領域に付着させるだけでなく、磁化領域とコイルの磁界との間に働く磁気的吸引力または反発力を、2つの転がり軸受から等距離にある面に対して、対称に生じさせることができる。これにより、2つの転がり軸受から生じる異物の飛散を防止し、かつ、陽極の回転軸ぶれを抑制することができる。
実施形態のX線管装置のブロック図。 図1のX線管の陽極の一部断面図。 図2の陽極に印加される磁界の方向を示す説明図。 図2の陽極から異物が移動する流れを示す説明図。 第1の実施形態の磁化領域40と磁気的吸引力(または反発力)を示す説明図。 第2の実施形態の磁化領域41a,41bと磁気的吸引力(または反発力)を示す説明図。 第3の実施形態の磁化領域40、41a,41bと磁気的吸引力(または反発力)を示す説明図。 第4の実施形態の磁化領域42と磁気的吸引力(または反発力)を示す説明図。 第5の実施形態の磁化領域43a,43bと磁気的吸引力(または反発力)を示す説明図。 第6の実施形態の磁化領域42、43a,43bと磁気的吸引力(または反発力)を示す説明図。 第7の実施形態の磁化領域44と磁気的吸引力(または反発力)を示す説明図。
本発明の一実施形態のX線管装置について図面を用いて説明する。
図1にX線管装置の全体構成のブロック図を示す。X線管装置は、筐体1の内部に、X線管10と、X線管10の陽極を回転駆動する磁界を発生するためにX線管10の周囲に配置されたコイル3とを備えている。筐体1には、X線管10から放射されたX線を透過させるための放射窓4が備えられている。筐体1とX線管10との間の空間には、電気的絶縁性を保つための液体が満たされている。
X線管10は、陰極12と、陰極12と対向して配置された陽極14と、陰極12と陽極14を真空気密に収容する外囲器16とを備えている。外囲器10内の空間は真空に維持されている。
陰極12は、陽極14に向けて電子線を発生する部分であり、熱電子を放出するフィラメント(不図示)と、熱電子を電子線に集束する集束電極12aと、集束電極12aを支持する支持体12bとを含む。フィラメントは、集束電極12a内に収容されている。
図2に陽極14の断面図を示す。陽極14は、陰極12からの電子線が衝突してX線を発生する円盤状のターゲット20と、ターゲット20の裏面に固定された蓄熱体21と、ターゲット20に固定された円筒状のロータ22と、ロータ22の内部に配置され、ロータ22に固定された回転軸24と、回転軸24とロータ22との間の空間に挿入された円筒状の固定部28と、固定部28に対して回転軸24を回転自在に支持する2個の転がり軸受26a、26bとを備えて構成される。また、2個の転がり軸受26a、26bの間には、これらの間隔を保つための円筒状の間座31が挿入されている。固定部28の端部28bは、外囲器16に接続され、陽極電位が給電される。
ターゲット20は、円盤の上面が傾斜しており、この傾斜した部分は、タングステンやタングステン合金などの高融点金属で構成されている。ターゲット20の傾斜した部分に陰極12からの電子線が照射されることにより、X線が放射される。
ロータ22は、非磁性の金属(例えば、Cu)により構成されている。固定部28は、非磁性金属(例えば、CuやMo)で構成された本体の外周表面を、磁性体部材(Fe等)28aで覆った構成である。図3のように、コイル3から陽極14の回転軸24に向かう磁界71が発生すると、磁界71は、透磁率の高い磁性体部材28aに向かい、磁性体部材28aを磁路として通過し、磁性体部材28aの端部からコイル3に戻る。これにより、ロータ22には誘導電流が流れ、磁界71を陽極14の回転軸24を中心に移動させることにより、ロータ22が回転する。
ロータ22の回転に伴い、ターゲット20が回転するため、陰極12からの電子線のターゲット20上の照射位置を移動させることができる。
回転軸24は、高速度鋼により形成されている。間座31は、例えば、ステンレス鋼等により形成されている。
転がり軸受26a、26bは、玉軸受で、外輪とボール(転動体)と内輪を有し、高強度の鋼材から成る。転がり軸受26a、26bの内輪は、回転軸24の外周に結合され、外輪は、固定部28の内周に結合されている。なお、内輪または外輪の一方を省略し、回転軸24の外周面または固定部28の内周面にボール転送用の溝を設けることも可能である。外輪および内輪とボールとが接触する面には、潤滑剤が付着している。潤滑剤としては、銀や鉛などの軟質金属や二硫化モリブデンなどの潤滑性化合物を用いることができる。
X線発生時には陰極12と陽極14間に高電圧が印加され、ターゲット20には、電子線が照射される。これにより、ターゲット20には電子線による大きな熱入力が繰り返され、ターゲット20は温度が変動しながら高温になる。転がり軸受26a、26bは、温度が絶えず変動する条件の下で長時間回転動作するため、転がり軸受108から磨耗粉が発生し、これが異物として脱落することがある。また、潤滑剤が溶融して流動体になって転がり軸受26a、26bの表面から異物として脱落し、摩耗粉と混じりあって異物を構成することもある。外囲器10内の空間は真空気密になっているため、転がり軸受26a、26bからの異物が、図4の矢印のような経路を通り、陽極14から外囲器16内の空間に放出されて浮遊すると、放電を引き起こす可能性がある。
本実施形態では、転がり軸受26a、26bの近傍に磁化した領域を1以上設け、異物を付着させる。このとき、磁化する領域を、2つの転がり軸受26a、26bから等しい距離に位置する面(回転軸24の回転中心軸に垂直な面)に対して対称に配置する。このような配置により、磁化した領域とコイル3の磁束との間に働く磁気的吸引力または反発力を、2つの転がり軸受26a、26bから等距離にある面に対して、対称に生じさせることができる。これにより、2つの転がり軸受26a、26bからの異物を磁化した領域に付着させることができるだけでなく、回転軸24が回転の中心軸に対して傾いたり、センターずれを生じた場合に、これを補正する力(磁気的吸引力または反発力)を作用させることができる。よって、異物による放電を生じにくく、しかも陽極14の軸ぶれを防止し、安定した回転を実現可能なX線管10が得られる。
以下、磁化領域の配置の具体的について説明する。
(第1の実施形態)
図5を用いて、第1の実施形態の磁化領域40を備えたX線管10について説明する。
図5のように、回転軸24の外周面には、2つの転がり軸受26a、26bの間に磁化領域40が備えられている。磁化領域40は、回転軸24の周方向に沿って設けられ、2つの転がり軸受26a、26bから等距離にある面(以下、中心面と呼ぶ)61に対して、対称な形状を有している。中心面61は、回転の中心軸62に対して垂直な面である。磁化領域40は、2つの転がり軸受26a、26bからの距離が等しい。また、磁化領域40内の磁化の向きは、中心面61に対して対称である。
磁化領域40は、回転軸24の表面に周方向に沿って凹部に永久磁石を配置することによって形成することが可能である。回転軸24を構成する鋼材の領域40の部分を磁化することによって形成することも可能である。
2つの転がり軸受26a、26bから脱落した異物のうち摩耗粉等の磁性を帯びた異物は、磁化領域40に付着する。これにより、X線管10内の空間に異物が浮遊して放電の原因になるのを防止することができる。
また、磁化領域40は、2つの転がり軸受26a、26bの間の中心面61に対して、対称な形状を有しているため、磁化領域40とコイル3の磁界との間に働く磁気的吸引力(または反発力)50が、2つの転がり軸受26a、26bの間の中心面61に対して対称に生じる。この力50は、回転軸24が回転の中心軸62に対して傾いたり、センターずれを生じた場合に、これを補正する方向に作用するため、回転軸の軸ぶれを防止し、安定した回転を実現させることができる。
(第2の実施形態)
図6を用いて、第2の実施形態の磁化領域41a、41bを備えたX線管10について説明する。
図6のように、回転軸24の外周面には、中心面61に対して、2つの転がり軸受26a、26bの両外側に磁化領域41a、41bが備えられている。2つの磁化領域41a,41bは、回転軸24の周方向に沿って設けられ、2つの転がり軸受26a、26bからの距離が等しくなるように設けられている。また、磁化領域41aおよび41bの磁化方向は、中心面61に対して対称である。すなわち、磁化領域41aの磁化方向と磁化領域41bの磁化方向は、同じ向きである。
磁化領域41a,41bは、回転軸24の表面に周方向に沿って設けた凹部に永久磁石を配置することによって形成することが可能である。回転軸24を構成する鋼材の領域40の部分を着磁することによっても形成可能である。
2つの転がり軸受26a、26bから軸方向について外側に脱落した異物は、磁化領域41a、41bにそれぞれ付着する。これにより、X線管10内の空間に異物が浮遊して放電の原因になるのを防止することができる。
また、磁化領域41a,41bは、2つの転がり軸受26a、26bの間の中心面61に対して対称に配置されているため、磁化領域41aとコイル3の磁束との間に働く磁気的吸引力(または反発力)51aは、磁化領域41bとコイル3の磁束との間に働く磁気的吸引力(または反発力)51bと中心面61に対して対称である。よって、力51a,51bは、回転軸24が回転の中心軸62に対して傾いたり、センターずれを生じた場合に、これを補正する方向に作用するため、回転軸の軸ぶれを防止し、安定した回転を実現させることができる。
(第3の実施形態)
図7を用いて第3の実施形態のX線管10を説明する。第3の実施形態のX線管10は、図7のように第1の実施形態の磁化領域40と第2の実施形態の磁化領域41の両方を備えている。
図7のX線管10においては、転がり軸受26a、26bから中心面51側に脱落した異物は、磁化領域40に付着し、外側に脱落した異物は、磁化領域41a,41bに付着するため、異物がX線管10内に浮遊するのをより効果的に低減できる。
また、磁化領域40も磁化領域41a,41bも、中心面61に対して対称に配置されているため、回転軸24が回転の中心軸62に対する傾きや、センターずれを補正する力を生じることができる。
転がり軸受26a,26bの間の領域は、転がり軸受26a、26bの両外側の領域よりも広いため、軸方向に長い磁化領域40を配置しやすい。よって、転がり軸受26a,26bの間に位置する磁化領域40の軸方向の長さを、両外側に位置する磁化領域41aおよび41bのそれぞれの軸方向の長さより長くすることが好ましい。これにより、回転軸24の傾きやセンターずれの補正の作用を効果的に生じさせることができる。
なお、磁化領域40の生じる力50と、磁化領域41a,41bの生じる力51a、51bは、必ずしも図7のように同じ向きでなくてもよく、力50と力51a,51bが逆向きであってもよい。
(第4の実施形態)
図8を用いて、第4の実施形態の磁化領域42を備えたX線管10について説明する。
図8のように、固定部28の内周面には、2つの転がり軸受26a、26bの間に磁化領域42が備えられている。磁化領域42は、固定部28の内周方向に沿って設けられ、2つの転がり軸受26a、26bの間の中心面61に対して、対称な形状を有し、2つの転がり軸受26a、26bからの距離が等しい。また、磁化領域42内の磁化の向きは、中心面61に対して対称である。
磁化領域42は、固定部28の内周面に周方向に沿って設けた凹部に永久磁石を配置することによって形成することが可能である。
磁化領域42には、転がり軸受26a,26bから中心面61側に脱落した異物が付着するため、X線管10内に浮遊する異物を低減できる。
また、回転軸24の少なくとも外周面を磁性体により構成することにより、磁化領域42と回転軸24との磁気的吸引力52が生じる。また、回転軸24の外周面を着磁している場合には、着磁の向きに応じて、力52は、磁気的吸引力または反発力となる。磁化領域42が中心面61に対して対称な形状であるため、力52は、中心面61に対して対称である。よって、力52は、回転軸24の回転の中心軸62に対する傾きや、センターずれを補正する作用をすることができ、回転軸24の軸ぶれを防止し、安定した回転を実現させることができる。
(第5の実施形態)
図9を用いて、第5の実施形態の磁化領域43a,43bを備えたX線管10について説明する。
図9のように、固定部28の内周面には、2つの転がり軸受26a、26bの、中心面61に対して外側にそれぞれ磁化領域43a、43bが備えられている。2つの磁化領域43a,43bは、固定部28の周方向に沿って設けられ、2つの転がり軸受26a、26bからの距離が等しくなるように設けられている。また、磁化領域43aの磁化方向は、磁化領域43bの磁化方向は、同じ向きであって、中心面61に対して対称である。
磁化領域43a,43bは、固定部28の内周面に周方向に沿って設けた凹部に永久磁石を配置することによって形成することが可能である。
磁化領域43a,43bには、転がり軸受26a,26bから外側に脱落した異物が付着するため、X線管10内に浮遊する異物を低減できる。
また、回転軸24の少なくとも外周面をを磁性体により構成することにより、磁化領域43aと回転軸24との間に働く磁気的吸引力53aと、磁化領域43bと回転軸24とのの間に働く磁気的吸引力53bが、中心面61に対して対称に生じる。回転軸24の外周を着磁している場合には、着磁の向きに応じて、力53a,53bは、磁気的吸引力または反発力となる。領域43a,43bの磁化の向きが、中心面51に対して対称であるため、力53a,53bは中心面61に対して対称に生じる。よって、力53a,53bは、回転軸24の回転の中心軸62に対する傾きや、センターずれを補正する作用をすることができる。これにより、回転軸24の軸ぶれを防止し、安定した回転を実現させることができる。
(第6の実施形態)
図10を用いて、第6の実施形態のX線管10について説明する。第6の実施形態のX線管10は、図10のように、第4の実施形態の磁化領域42と第5の実施形態の磁化領域43a,43bとを両方備えている。
図10のX線管10においては、転がり軸受26a、26bから中心面51側に脱落した異物は、磁化領域42に付着し、外側に脱落した異物は、磁化領域43a,43bに付着するため、異物がX線管10内に浮遊するのをより効果的に低減できる。
また、回転軸24の少なくとも外周面を磁性体により構成することにより、第4及び第5の実施形態で説明したように、磁化領域42および磁化領域43a,43bと回転軸24との間に生じる磁気的吸引力(または反発力)52および53a,53bが、回転軸24が回転の中心軸62に対する傾きや、センターずれを補正する作用をするため、回転軸24の軸ぶれを防止し、安定した回転を実現させることができる。
なお、磁化領域42と回転軸24との間の磁気的吸引力(または反発力)52と、磁化領域41a,41bと回転軸24との間の磁気的吸引力(または反発力)53a、53bは、必ずしも図10のように同じ向きでなくてもよく、逆向きに生じさせるように磁化領域42または43a,43bを着磁してもよい。
(第7の実施形態)
図11を用いて、第7の実施形態の磁化領域44を備えたX線管10について説明する。
第7の実施形態では、間座31の外周面に図11のように磁化領域44が備えられている。磁化領域44は、2つの転がり軸受26a、26bの間の中心面61に対して、対称な形状を有し、2つの転がり軸受26a、26bからの距離が等しい。また、磁化領域42内の磁化の向きは、中心面61に対して対称である。
磁化領域44は、間座31の外周面に周方向に沿って設けた凹部に永久磁石を配置することによって形成することが可能である。または、間座31を磁性体材料によって形成し、磁化領域44を着磁する構成としてもよい。
磁化領域44には、転がり軸受26a,26bから中心面61側に脱落した異物が付着するため、X線管10内に浮遊する異物を低減できる。
また、回転軸24の少なくとも外周面を磁性体により構成することにより、磁化領域44と回転軸24との磁気的吸引力54が生じる。回転軸24の外周を着磁している場合には、着磁の向きに応じて、力54は、磁気的吸引力または反発力となる。磁化領域44の形状が中心面61に対して対称であるため、力54は、中心面61に対して対称に生じ、回転軸24の回転の中心軸62に対する傾きや、センターずれを補正する作用をすることができる。これにより、回転軸24の軸ぶれを防止し、安定した回転を実現させることができる。
なお、図11では、間座31の外周面に磁化領域44を設けているが、間座31の内周面に磁化領域44を配置することも可能である。
第7の実施形態の磁化領域44に加えて、第1〜第6の実施形態のいずれかの磁化領域をさらに備えるX線管を構成することも可能である。
上述の実施形態においては、転がり軸受26a、26bを用いた場合について説明したが、転がり軸受に限定されるものではなく、異物が脱落する軸受であれば、滑り軸受や流体軸受け等の他の軸受けを用いた場合にも、異物低減および回転軸24の軸ぶれ防止の作用を得ることができる。
1…筐体、3…コイル、10…X線管、12…陰極、12a…集束電極、12b…支持部、14…陽極、16…外囲器、20…ターゲット、21…蓄熱体、22…ロータ、24…回転軸、26a,26b…転がり軸受、28…固定部、28a…磁性体部材、31…間座、40、41a,41b、42、43a、43b、44…磁化領域、61…中心面、50、51a,51b、52、53a、53b、54…磁気的吸引力(または反発力)、62…回転の中心軸

Claims (9)

  1. 陰極と、陽極と、前記陰極と陽極を収容する外囲器とを有し、
    前記陽極は、円板状のターゲットと、前記ターゲットに接続された筒状のロータと、前記ロータの内側に配置され、前記ロータに接続された回転軸と、前記ロータと前記回転軸との間の空間に配置された筒状の固定部と、前記固定部と前記回転軸の間に配置され、前記回転軸を前記固定部に対して回転可能に支持する2つの軸受けと、前記2つの軸受けの間に配置された間座とを有し、
    前記軸受は、前記回転軸の軸方向に離れた位置にそれぞれ配置され、
    前記回転軸の外周面、前記固定部の内周面および前記間座の少なくとも一つには、1以上の磁化領域が設けられ、
    前記1以上の磁化領域は、前記2つの軸受の間の、前記2つの軸受けから等しい距離に位置する面に対して、対称に配置されていることを有することを特徴とするX線管装置。
  2. 請求項1に記載のX線管装置において、前記磁化領域のうちの1つは、前記2つの軸受けの間の、前記回転軸の外周面または前記固定部の内周面に配置され、前記2つの軸受けから等しい距離に位置する前記面に対して対称な形状を有することを特徴とするX線管装置。
  3. 請求項2に記載のX線管装置において、前記2つの軸受けの間に配置される磁化領域の磁化の向きは、前記2つの軸受けから等しい距離に位置する面に対して対称であることを特徴とするX線管装置。
  4. 請求項1に記載のX線管装置において、前記磁化領域のうちの2つは、前記回転軸の軸方向について前記2つの軸受けよりも外側の、前記回転軸の外周面または前記固定部の内周面に配置され、前記2つの軸受けから等しい距離に位置する前記面に対して対称な形状を有することを特徴とするX線管装置。
  5. 請求項4に記載のX線管装置において、前記2つの軸受けよりも外側に配置される2つの磁化領域の磁化の向きは、前記2つの軸受けから等しい距離に位置する前記面に対して対称であることを特徴とするX線管装置。
  6. 請求項1に記載のX線管装置において、前記磁化領域のうちの1つは、前記間座に配置され、前記2つの軸受けから等しい距離に位置する前記面に対して対称な形状を有することを特徴とするX線管装置。
  7. 請求項1に記載のX線管装置において、前記磁化領域は、永久磁石であることを特徴とするX線管装置。
  8. 請求項1に記載のX線管装置において、前記磁化領域は、前記回転軸の外周面、前記固定部の内周面および前記間座の表面のうちの一部を着磁した領域であることを特徴とするX線管装置。
  9. 請求項1に記載のX線管装置において、前記磁化領域が前記固定部の内周面および前記間座の表面に配置されている場合、前記回転軸は、少なくとも外周面が磁性体によって形成されていることを特徴とするX線管装置。
JP2013025706A 2013-02-13 2013-02-13 X線管装置 Expired - Fee Related JP6054764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013025706A JP6054764B2 (ja) 2013-02-13 2013-02-13 X線管装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013025706A JP6054764B2 (ja) 2013-02-13 2013-02-13 X線管装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014154497A JP2014154497A (ja) 2014-08-25
JP6054764B2 true JP6054764B2 (ja) 2016-12-27

Family

ID=51576134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013025706A Expired - Fee Related JP6054764B2 (ja) 2013-02-13 2013-02-13 X線管装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6054764B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10460900B2 (en) 2014-11-21 2019-10-29 Hitachi, Ltd. X-ray tube device and x-ray CT apparatus
KR101957246B1 (ko) * 2015-01-27 2019-06-27 캐논 덴시칸 디바이스 가부시키가이샤 회전 양극형 x선관
KR102226594B1 (ko) * 2020-08-14 2021-03-10 오준호 회전 다중 양극을 이용한 다중 에너지 x-선 발생장치 및 그 제어 방법
JP7433274B2 (ja) 2021-06-25 2024-02-19 富士フイルムヘルスケア株式会社 X線管装置及びx線ct装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5717547A (en) * 1980-07-04 1982-01-29 Hitachi Ltd Rotary anode type x-ray tube
JPS6438750U (ja) * 1987-09-02 1989-03-08
JP2006179231A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Hitachi Medical Corp 回転陽極x線管

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014154497A (ja) 2014-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6054764B2 (ja) X線管装置
JP6003993B2 (ja) X線管装置およびx線管装置の使用方法
JP6223973B2 (ja) X線管
US20080118030A1 (en) Novel Method of Reducing High Voltage Arcs in X-Ray Tubes
JPWO2006009053A1 (ja) 固定陽極x線管とそれを用いたx線検査装置及びx線照射装置
JP5342317B2 (ja) X線管
JP2018067529A (ja) X線管内の相対的なベアリングシャフトの撓みを減少させるためのシステムおよび方法
US10460900B2 (en) X-ray tube device and x-ray CT apparatus
WO2015186409A1 (ja) 回転陽極型x線管
US2141924A (en) Electrical discharge device
JP7098469B2 (ja) 回転陽極x線管
KR20180066686A (ko) 플레인 베어링, 및 이를 구비한 양극 회전형 엑스선관
US9524845B2 (en) X-ray tube cathode with magnetic electron beam steering
JP2018060621A (ja) X線管
JP5531293B2 (ja) 回転陽極型x線管及びx線管装置
JP2009021182A (ja) X線管装置
JP2018018642A (ja) X線管装置及びx線ct装置
JP2016004766A (ja) X線管装置、およびx線撮影装置
JP2021044226A (ja) X線管
JP2006179231A (ja) 回転陽極x線管
KR101759090B1 (ko) 양극 회전형 엑스선관
JP2024060833A (ja) 回転陽極x線管
JP2024009635A (ja) 回転陽極x線管
JP2007157640A (ja) 回転陽極型x線管及びx線管装置
JP5574672B2 (ja) X線管装置及びx線装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160122

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6054764

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees