JP5532332B2 - 回転陽極型x線管及びx線管装置 - Google Patents

回転陽極型x線管及びx線管装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、回転陽極型X線管及びX線管装置に関する。
一般に、X線管装置として、回転陽極型のX線管装置が使用されている。回転陽極型のX線管装置は、X線を放射する回転陽極型X線管と、ステータコイルと、これら回転陽極型X線管及びステータコイルを収容した筐体と、を備えている。回転陽極型X線管は、陽極ターゲットと、陰極と、真空外囲器と、を備え、動圧式のすべり軸受を使っている。
すべり軸受は、回転軸を中心に回転可能な筒状の回転体と、この回転体の内部に嵌合され、回転体を回転可能に支持する固定シャフトと、回転体及び固定シャフト間の隙間に充填された液体金属とを有している。
上記回転陽極型X線管装置の動作状態において、ステータコイルは回転体に与える磁界を発生するため、回転体及び陽極ターゲットは回転する。また、陰極は陽極ターゲットに対して電子ビームを照射する。これにより、陽極ターゲットは、電子が衝突するときにX線を放出する。
上記固定シャフトは、円柱状に形成され、スラスト軸受面を有している。上記回転体は、筒状に形成された本体と、環状に形成された蓋部とを含んでいる。蓋部は、上記スラスト軸受面に隙間を置いて対向した他のスラスト軸受面を有している。蓋部は、本体にネジ留めされ、固定されている。これにより、蓋部及び本体は、スラスト方向に密接した密接界面を形成している。
蓋部及び本体は、構成上、スラスト方向の密接界面を複数形成することは困難であるため、通常、密接界面を1つ形成している。上記密接界面により、蓋部及び本体間からの液体金属の漏れを抑制することができる。
特開2003−51278号公報
ところで、上記密接界面は、スラストすべり軸受のごく近傍に形成されている。スラストすべり軸受を形成する液体金属は、遠心力による動圧と、スラストすべり軸受の動作により発生する動圧とを受けることになる。このため、密接界面では、常に液体金属の圧力に対抗した面圧が確保されている必要がある。
しかしながら、回転陽極型X線管に発生する熱や、例えば回転陽極型X線管がCT装置に搭載された場合にCT装置の回転により発生する荷重により、回転体にごく微小な変形が発生する恐れがある。上記変形が生じると、場合によっては密接界面の面圧が低下し、蓋部及び本体間から液体金属が漏れる恐れがある。このため、液体金属等の潤滑剤の漏れを防止することのできる技術が求められている。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、潤滑剤の漏れを防止することができる回転陽極型X線管及び上記回転陽極型X線管を備えたX線管装置を提供することにある。
一実施形態に係る回転陽極型X線管は、
円柱状に形成され、スラスト軸受面を有した固定体と、
前記固定体と同軸的に延出して筒状に形成され、前記固定体が内部に嵌合された本体と、前記固定体及び本体と同軸の環状に形成され、前記本体に固定され、前記スラスト軸受面に隙間を置いて対向した他のスラスト軸受面を有した蓋部と、を含み、前記固定体を中心に回転可能な回転体と、
前記固定体及び回転体間の隙間に充填され、前記スラスト軸受面及び他のスラスト軸受面とともに動圧形のスラストすべり軸受を形成する潤滑剤と、
前記回転体に固定され、電子が入射されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
前記陽極ターゲットに照射する電子を放出する陰極と、
前記固定体、回転体、陽極ターゲット及び陰極を収容し、前記固定体を固定する真空外囲器と、を備え、
前記蓋部は、前記本体の開口した端部の内周面に全体に亘って密接されていることを特徴としている。
また、一実施形態に係るX線管装置は、
円柱状に形成され、スラスト軸受面を有した固定体と、前記固定体と同軸的に延出して筒状に形成され、前記固定体が内部に嵌合された本体と、前記固定体及び本体と同軸の環状に形成され、前記本体に固定され、前記スラスト軸受面に隙間を置いて対向した他のスラスト軸受面を有した蓋部と、を含み、前記固定体を中心に回転可能な回転体と、前記固定体及び回転体間の隙間に充填され、前記スラスト軸受面及び他のスラスト軸受面とともに動圧形のスラストすべり軸受を形成する潤滑剤と、前記回転体に固定され、電子が入射されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、前記陽極ターゲットに照射する電子を放出する陰極と、前記固定体、回転体、陽極ターゲット及び陰極を収容し、前記固定体を固定する真空外囲器と、を備えた回転陽極型X線管と、
前記回転体に与える磁界を発生して前記回転体及び陽極ターゲットを回転させるコイルと、
前記回転陽極型X線管及びコイルを収容した筐体と、を具備し、
前記蓋部は、前記本体の開口した端部の内周面に全体に亘って密接されていることを特徴としている。
図1は、第1の実施形態に係る回転陽極型X線管を備えたX線管装置を示す断面図である。 図2は、図1に示した回転陽極型X線管の一部を示す断面図である。 図3は、図2に示した回転陽極型X線管の一部を示す分解断面図である。 図4は、第2の実施形態に係る回転陽極型X線管の一部を示す断面図である。 図5は、図4に示した回転陽極型X線管の一部を示す分解断面図である。 図6は、第3の実施形態に係る回転陽極型X線管の一部を示す断面図である。 図7は、図6に示した回転陽極型X線管の一部を示す分解断面図である。
以下、図面を参照しながら第1の実施形態に係る回転陽極型X線管及び回転陽極型X線管を備えたX線管装置について詳細に説明する。
図1に示すように、回転陽極型X線管装置は、回転陽極型X線管1と、磁界を発生させるコイルとしてのステータコイル2と、回転陽極型X線管1及びステータコイル2を収容した筐体3と、筐体3内に充填された冷却液7とを備えている。
図1及び図2に示すように、回転陽極型X線管1は、陽極ターゲット50と、陰極60と、真空外囲器70とを備えている。さらに、回転陽極型X線管1は、固定体としての固定シャフト10と、回転体20と、潤滑剤としての液体金属LMとを備え、すべり軸受を使っている。
図1及び図2に示すように、固定シャフト10は、第1固定部11、第2固定部12及び第3固定部13を有している。第1固定部11、第2固定部12及び第3固定部13は、同軸的に一体に形成されている。固定シャフト10は、Fe(鉄)合金やMo(モリブデン)合金等の金属で形成されている。
第1固定部11は、円柱状に形成されている。第1固定部11は、一端に位置した第1スラスト軸受面S11a、他端に位置した第2スラスト軸受面S11b及び側面に位置したラジアル軸受面S11cを有している。第1スラスト軸受面S11aは円形状に形成され、第2スラスト軸受面S11bは環状に形成され、ラジアル軸受面S11cは第1固定部11の側面に全周に亘って形成されている。
第2固定部12は、第1固定部11より外径の小さい円柱状に形成されている。第2固定部12の一端は、第1固定部11の他端側に位置している。第3固定部13は、第2固定部12より外径の小さい円柱状に形成されている。第3固定部13の一端は、第2固定部12の他端側に位置している。
回転体20は、第1スラスト軸受面S11aに対向した一端部が閉塞され他端部が円形枠状に窪められた筒状に形成され、固定シャフト10と同軸的に設けられている。回転体20は、回転体20の中心軸に沿った方向に延出している。
詳しくは、回転体20は、一端部が閉塞された筒状の本体21と、蓋部22と、トラップ部材23と、締め具としてのネジ24とで形成されている。回転体20は、炭素鋼、Fe合金、Mo合金等の金属で形成されている。この実施形態において、回転体20は、炭素鋼で形成されている。固定シャフト10は回転体20の内部に嵌合されている。回転体20は、固定シャフト10を中心に回転可能である。
蓋部22は、固定シャフト10及び本体21と同軸の環状に形成されている。蓋部22は、本体21の開口した端部内に挿入されている。蓋部22は、本体21の開口した端部の内周面に全体に亘って密接されている。蓋部22は、本体21の開口した端部とともに密接界面I1を形成している。蓋部22及び第1固定部11の他端は、固定シャフト10及び回転体20の上記中心軸に沿った方向への相対的なズレを規制するものである。
また、蓋部22及び固定シャフト10(第2固定部12)間の隙間(クリアランス)は、回転体20の回転を維持するとともに液体金属LMの漏洩を抑制できる値に設定されている。以上のことから、上記隙間は僅かであり、適切な構造、例えばラビリンスシール(例えば、国際公開第2008/069195号パンプレット参照)等により液体金属LMの漏洩を抑制している。
トラップ部材23は、蓋部22に対して本体21の反対側に位置している。トラップ部材23は環状に形成されている。トラップ部材23は、蓋部22及び第2固定部12間の隙間から液体金属LMが流出した場合、流出した液体金属LMを捕捉し、回転陽極型X線管1の外部への液体金属LMの漏れを抑制するものである。
蓋部22及びトラップ部材23は、ネジ24により、本体21の他端部に取り外し可能にネジ留めされている。これにより、蓋部22及びトラップ部材23は、本体21の他端部に固定される。蓋部22は、本体21の開口した端部とともに密接界面I2をさらに形成している。
回転体20は、第1スラスト軸受面S11aに隙間を置いて対向した他の第1スラスト軸受面S21aと、第2スラスト軸受面S11bに隙間を置いて対向した他の第2スラスト軸受面S22aと、ラジアル軸受面S11cに隙間を置いて対向した他のラジアル軸受面S21bとを有している。第1スラスト軸受面S21aは円形状に形成され、第2スラスト軸受面S22aは環状に形成されている。
なお、第2スラスト軸受面S22a及び密接界面I2は、同一平面上に位置している。
また、回転体20は、筒部25を有している。筒部25は、本体21の側面と接合され、本体21に固定されている。筒部25は、例えばCu(銅)で形成されている。
固定シャフト10及び回転体20は、全対向領域で、互いに隙間を置いて設けられている。第1スラスト軸受面S11a及び第1スラスト軸受面S21a間の隙間、第2スラスト軸受面S11b及び第2スラスト軸受面S22a間の隙間、並びにラジアル軸受面S11c及びラジアル軸受面S21b間の隙間は、数10μm程度である。第1固定部11は回転体20で覆われている。第3固定部13は回転体20の外側に突出している。固定シャフト10は回転体20を回転可能に支持している。
液体金属LMは、固定シャフト10及び回転体20間の隙間に充填されている。液体金属LMは、GaIn(ガリウム・インジウム)合金又はGaInSn(ガリウム・インジウム・錫)合金等の材料を利用することができる。液体金属LMは、常温で液状となる特性を持っている。また、液体金属LMは、蒸気圧が低いという特性も持っている。このため、真空状態の回転陽極型X線管1内部で使用することができる。
液体金属LMは、第1スラスト軸受面S11a及び第1スラスト軸受面S21aとともに動圧形の第1スラストすべり軸受B1を形成している。液体金属LMは、第2スラスト軸受面S11b及び第2スラスト軸受面S22aとともに動圧形の第2スラストすべり軸受B2を形成している。液体金属LMは、ラジアル軸受面S11c及びラジアル軸受面S21bとともに動圧形のラジアルすべり軸受B3を形成している。
ここで、ラジアルすべり軸受B3ついて詳細に説明する。なお、図1において、固定シャフト10は断面ではなく、正面を示している。
図1に示すように、第1固定部11は、回転軸に沿った方向に並んだ複数の掻き込み部15a、15b、15c、15dを有している。掻き込み部15a、15b、15c、15dは、ラジアル軸受面S11cに形成され、かつ、回転体20の回転方向に沿って並べられているとともに回転方向に対して斜線状に延出して配列されている複数のパターン部Pをそれぞれ有している。この実施の形態において、パターン部Pは、数十μmの深さを有した溝で形成されている。
隣合う一対の掻き込み部15a、15bは、ヘリンボン・パターンを形作っている。隣合う一対の掻き込み部15c、15dは、ヘリンボン・パターンを形作っている。このため、2組のヘリンボン・パターンが第1固定部11に形作られている。
陽極ターゲット50は、円盤状に形成され、固定シャフト10及び回転体20と同軸的に設けられている。陽極ターゲット50は、継手40を介して回転体20の一端部に固定されている。ここでは、陽極ターゲット50は、継手40にナット80で固定されている。陽極ターゲット50は、陽極本体51と、陽極本体51の外面の一部に設けられたターゲット層52とを有している。陽極ターゲット50は、回転体20とともに回転可能である。陽極ターゲット50は、ターゲット層52に電子が入射されることによりX線を放出するものである。
陰極60は、陽極ターゲット50のターゲット層52に間隔を置いて対向配置されている。陰極60は、真空外囲器70の内壁に取付けられている。陰極60は、ターゲット層52に照射する電子を放出する電子放出源としてのフィラメント61を有している。
真空外囲器70は、円筒状に形成されている。真空外囲器70はガラスもしくは金属で形成されている。真空外囲器70において、陽極ターゲット50と対向した個所の径は、回転体20と対向した個所の径より大きい。真空外囲器70は開口部71を有している。真空外囲器70は、密閉され、固定シャフト10、回転体20、陽極ターゲット50及び陰極60等を収容している。真空外囲器70の内部は真空状態に維持されている。
真空外囲器70の密閉状態を維持するよう、開口部71は、固定シャフト10の他端部に密着している。この実施形態において、回転陽極型X線管1は、片端支持軸受構造を採用している。真空外囲器70は、固定シャフト10の第3固定部13を固定している。
ステータコイル2は、回転体20の側面、より詳しくは筒部25の側面に対向して真空外囲器70の外側を囲むように設けられている。ステータコイル2の形状は環状である。
筐体3は、陰極60と対向したターゲット層52付近にX線を透過させるX線透過窓3aを有している。筐体3の内部には、回転陽極型X線管1及びステータコイル2が収容されている他、冷却液7が充填されている。
上記のように回転陽極型X線管1を備えたX線管装置が形成されている。
次に、回転陽極型X線管1の製造工程のうち、回転体20に固定シャフト10を嵌合する製造工程について説明する。
図1及び図3に示すように、まず、本体21内に固定シャフト10を差し込む。続いて、外径D22をもつ蓋部22を用意する。上記密接界面I1に重なった位置において、蓋部22の外径D22は、本体21の開口した端部(他端部)の内径D21より大きくなるように設定されている(D22>D21)。次いで、用意した蓋部22を冷却し、蓋部22の外径D22を縮小する。
その後、冷却した蓋部22を本体21の開口した端部内に挿入し、蓋部22を、用意したトラップ部材23とともに、ネジ24により、本体21の他端部にネジ留めする。これにより、蓋部22及び本体21間に密接界面I2が形成される。そして、冷却された蓋部22が常温に戻ることにより、蓋部22及び本体21間に密接界面I1が形成される。このため、蓋部22は、本体21の開口した端部(他端部)に締り嵌め、より詳しくは冷やし嵌めにより取付けられている。
これにより、回転体20に固定シャフト10を嵌合する製造工程が終了する。
上記X線管装置の動作状態において、ステータコイル2は回転体20(特に筒部25)に与える磁界を発生するため、回転体20は回転する。これにより、陽極ターゲット50は回転する。また、陰極60に相対的に負の電圧が印加され、陽極ターゲット50に相対的に正の電圧が印加される。陰極60及び陽極ターゲット50間に電位差が生じるため、フィラメント61は、電子を放出すると、この電子は、加速され、ターゲット層52に衝突される。これにより、ターゲット層52は、電子と衝突するときにX線を放出し、放出されたX線は真空外囲器70及びX線透過窓3aを透過し、筐体3の外部に放出される。
上記のように構成された第1の実施形態に係る回転陽極型X線管及びX線管装置によれば、回転陽極型X線管1は、固定シャフト10と、回転体20と、液体金属LMと、陽極ターゲット50と、陰極60と、真空外囲器70とを備えている。
固定シャフト10は、円柱状に形成され、第2スラスト軸受面S11bを有している。回転体20は、固定シャフト10と同軸的に延出して筒状に形成され、固定シャフト10が内部に嵌合された本体21と、固定シャフト10及び本体21と同軸の環状に形成され、本体21に固定され、第2スラスト軸受面S11bに隙間を置いて対向した第2スラスト軸受面S22aを有した蓋部22とを含み、固定シャフト10を中心に回転可能である。
液体金属LMは、固定シャフト10及び回転体20間の隙間に充填され、第2スラスト軸受面S11b及び第2スラスト軸受面S22aとともに動圧形のスラストすべり軸受B2を形成している。蓋部22は、本体21の開口した端部の内周面に全体に亘って密接されている。
蓋部22は、本体21とともに密接界面I2を形成している。液体金属LMが、遠心力による動圧と、スラストすべり軸受B2の動作により発生する動圧とを受けても、密接界面I2により、液体金属LMの圧力に対抗した面圧が確保することができる。
回転体20にごく微小な変形が生じると、密接界面I2の面圧が低下し、蓋部22及び本体21間の隙間や、蓋部22及びトラップ部材23に形成されたネジ孔から液体金属LMが漏れる恐れがあるが、蓋部22は、本体21とともに密接界面I1をさらに形成している。このため、密接界面I1、I2により、常に液体金属LMの圧力に対抗した面圧が確保することができる。
これにより、蓋部22及び本体21間の隙間や上記ネジ孔からの液体金属LMの漏れを抑制することができる。そして、真空外囲器70内部への液体金属LMの飛散は抑制されるため、回転陽極型X線管1に生じる恐れのある放電の発生を抑制することができ、ひいては、製品寿命の長期化を図ることができ、製品信頼性の向上を図ることができる。
上記のことから、液体金属LMの漏れを防止することができる回転陽極型X線管1及び上記回転陽極型X線管を備えたX線管装置を得ることができる。
次に、第2の実施形態に係る回転陽極型X線管及び回転陽極型X線管を備えたX線管装置について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図4に示すように、蓋部22は、本体21の他端部(開口した端部)内に圧入されることにより、本体21の他端部の内周面に密接されている。蓋部22は、複数のフィン26を有している。複数のフィン26は、それぞれ、蓋部22の外周に位置し、環状に形成され、軸に沿った方向に間隔を置いて並べられている。複数のフィン26は、本体21の他端部の内周面に対向した凹凸面S22bを形成している。複数のフィン26の外周面は、同一円周面上に位置している。このため、本体21の他端部の内周面には、複数のフィン26の外周面が密接されている。
次に、回転陽極型X線管1の製造工程のうち、回転体20に固定シャフト10を嵌合する製造工程について説明する。
図4及び図5に示すように、まず、本体21内に固定シャフト10を差し込む。続いて、外径D22をもつ蓋部22を用意する。上記密接界面I1に重なった位置において、蓋部22の外径D22は、本体21の開口した端部(他端部)の内径D21より大きくなるように設定されている(D22>D21)。次いで、図示しない加圧治具を用い、用意した蓋部22を、本体21の他端部内に圧入する。この際、フィン26の曲がりにより、蓋部22の圧入を容易に行うことができる。
その後、蓋部22を、用意したトラップ部材23とともに、ネジ24により、本体21の他端部にネジ留めする。これにより、蓋部22及び本体21間に密接界面I2が形成される。また、蓋部22(複数のフィン26)及び本体21間に密接界面I1が形成される。
これにより、回転体20に固定シャフト10を嵌合する製造工程が終了する。
上記のように構成された第2の実施形態に係る回転陽極型X線管及びX線管装置によれば、回転陽極型X線管1は、固定シャフト10と、回転体20と、液体金属LMと、陽極ターゲット50と、陰極60と、真空外囲器70とを備えている。蓋部22は、本体21とともに密接界面I1、I2を形成している。このため、密接界面I1、I2により、常に液体金属LMの圧力に対抗した面圧が確保することができる。
これにより、蓋部22及び本体21間の隙間や上記ネジ孔からの液体金属LMの漏れを抑制することができる。そして、真空外囲器70内部への液体金属LMの飛散は抑制されるため、回転陽極型X線管1に生じる恐れのある放電の発生を抑制することができ、ひいては、製品寿命の長期化を図ることができ、製品信頼性の向上を図ることができる。
蓋部22は、凹凸面S22bを有しているため、蓋部22を冷却して行う冷やし嵌め等の締り嵌めを利用することなく、蓋部22を本体21の他端部内に挿入することができる。このため、上述した第1の実施形態に比べてより簡便な手法により、蓋部22を本体21の他端部内に挿入することができる。
上記のことから、液体金属LMの漏れを防止することができる回転陽極型X線管1及び上記回転陽極型X線管を備えたX線管装置を得ることができる。
次に、第3の実施形態に係る回転陽極型X線管及び回転陽極型X線管を備えたX線管装置について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6に示すように、互いに対向した本体21の他端部(開口した端部)の内周面及び蓋部22の外周面は、それぞれ蓋部22の圧入方向に沿って次第に縮小するテーパを有している。本体21は、テーパ面S21cを有している。蓋部22は、テーパ面S22cを有している。このため、密接界面I1は、テーパ面S21c及びテーパ面S22cが密接して形成されている。
次に、回転陽極型X線管1の製造工程のうち、回転体20に固定シャフト10を嵌合する製造工程について説明する。
図6及び図7に示すように、まず、本体21内に固定シャフト10を差し込む。続いて、外径D22をもつ蓋部22を用意する。上記密接界面I1に重なった位置において、蓋部22の外径D22は、本体21の開口した端部(他端部)の内径D21より大きくなるように設定されている(D22>D21)。次いで、図示しない加圧治具を用い、用意した蓋部22を、本体21の他端部内に圧入する。この際、本体21はテーパ面S21cを有し、蓋部22はテーパ面S22cを有しているため、蓋部22の圧入を容易に行うことができる。
その後、蓋部22を、用意したトラップ部材23とともに、ネジ24により、本体21の他端部にネジ留めする。これにより、蓋部22及び本体21間に密接界面I2が形成される。また、蓋部22(テーパ面S22c)及び本体21(テーパ面S21c)間に密接界面I1が形成される。
これにより、回転体20に固定シャフト10を嵌合する製造工程が終了する。
上記のように構成された第3の実施形態に係る回転陽極型X線管及びX線管装置によれば、回転陽極型X線管1は、固定シャフト10と、回転体20と、液体金属LMと、陽極ターゲット50と、陰極60と、真空外囲器70とを備えている。蓋部22は、本体21とともに密接界面I1、I2を形成している。このため、密接界面I1、I2により、常に液体金属LMの圧力に対抗した面圧が確保することができる。
これにより、蓋部22及び本体21間の隙間や上記ネジ孔からの液体金属LMの漏れを抑制することができる。そして、真空外囲器70内部への液体金属LMの飛散は抑制されるため、回転陽極型X線管1に生じる恐れのある放電の発生を抑制することができ、ひいては、製品寿命の長期化を図ることができ、製品信頼性の向上を図ることができる。
本体21はテーパ面S21cを有し、蓋部22はテーパ面S22cを有しているため、蓋部22を冷却して行う冷やし嵌め等の締り嵌めを利用することなく、蓋部22を本体21の他端部内に挿入することができる。このため、上述した第1の実施形態に比べてより簡便な手法により、蓋部22を本体21の他端部内に挿入することができる。
上記のことから、液体金属LMの漏れを防止することができる回転陽極型X線管1及び上記回転陽極型X線管を備えたX線管装置を得ることができる。
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、蓋部22は、本体21の開口した端部(他端部)に締り嵌めする際、焼き嵌めを利用することも可能である。この場合、本体21を加熱して外径D21を拡大した後、本体21内に固定シャフト10を差し込み、続いて、蓋部22を本体21の開口した端部内に挿入すればよい。その後、蓋部22は、用意したトラップ部材23とともに、ネジ24により、本体21の他端部にネジ留めされる。そして、加熱された本体21が常温に戻ることにより、蓋部22及び本体21間に密接界面I1が形成される。
この発明は、上記回転陽極型X線管及びX線管装置に限らず、各種の回転陽極型X線管及びX線管装置に適用することができる。
1…回転陽極型X線管、2…ステータコイル、3…筐体、7…冷却液、10…固定シャフト、11…第1固定部、12…第2固定部、13…第3固定部、20…回転体、21…本体、22…蓋部、26…フィン、50…陽極ターゲット、51…陽極本体、52…ターゲット層、60…陰極、61…フィラメント、70…真空外囲器、LM…液体金属、I1.I2…密接界面、S22b…凹凸面、S21c,S22c…テーパ面、S11a,S21a…第1スラスト軸受面、S11b,S22a…第2スラスト軸受面、S11c,S21b…ラジアル軸受面、B1…第1スラストすべり軸受、B2…第2スラストすべり軸受、B3…ラジアルすべり軸受。

Claims (7)

  1. 円柱状に形成され、スラスト軸受面を有した固定体と、
    前記固定体と同軸的に延出して筒状に形成され、前記固定体が内部に嵌合された本体と、前記固定体及び本体と同軸の環状に形成され、前記本体に固定され、前記スラスト軸受面に隙間を置いて対向した他のスラスト軸受面を有した蓋部と、を含み、前記固定体を中心に回転可能な回転体と、
    前記固定体及び回転体間の隙間に充填され、前記スラスト軸受面及び他のスラスト軸受面とともに動圧形のスラストすべり軸受を形成する潤滑剤と、
    前記回転体に固定され、電子が入射されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
    前記陽極ターゲットに照射する電子を放出する陰極と、
    前記固定体、回転体、陽極ターゲット及び陰極を収容し、前記固定体を固定する真空外囲器と、を備え、
    前記蓋部は、前記本体の開口した端部の内周面に全体に亘って密接されていることを特徴とする回転陽極型X線管。
  2. 前記蓋部は、締り嵌めにより、前記本体の端部の内周面に密接されていることを特徴とする請求項1に記載の回転陽極型X線管。
  3. 前記蓋部は、前記本体の端部内に圧入されることにより、前記本体の端部の内周面に密接されていることを特徴とする請求項1に記載の回転陽極型X線管。
  4. 前記蓋部は、それぞれ、外周に位置し、環状に形成され、軸に沿った方向に間隔を置いて並べられ、前記本体の端部の内周面に対向した凹凸面を形成する複数のフィンを有し、
    前記複数のフィンの外周面が、前記本体の端部の内周面に密接されていることを特徴とする請求項3に記載の回転陽極型X線管。
  5. 前記複数のフィンの外周面は、同一円周面上に位置していることを特徴とする請求項4に記載の回転陽極型X線管。
  6. 互いに対向した前記本体の端部の内周面及び前記蓋部の外周面は、それぞれ前記蓋部の圧入方向に沿って次第に縮小するテーパを有していることを特徴とする請求項3に記載の回転陽極型X線管。
  7. 円柱状に形成され、スラスト軸受面を有した固定体と、前記固定体と同軸的に延出して筒状に形成され、前記固定体が内部に嵌合された本体と、前記固定体及び本体と同軸の環状に形成され、前記本体に固定され、前記スラスト軸受面に隙間を置いて対向した他のスラスト軸受面を有した蓋部と、を含み、前記固定体を中心に回転可能な回転体と、前記固定体及び回転体間の隙間に充填され、前記スラスト軸受面及び他のスラスト軸受面とともに動圧形のスラストすべり軸受を形成する潤滑剤と、前記回転体に固定され、電子が入射されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、前記陽極ターゲットに照射する電子を放出する陰極と、前記固定体、回転体、陽極ターゲット及び陰極を収容し、前記固定体を固定する真空外囲器と、を備えた回転陽極型X線管と、
    前記回転体に与える磁界を発生して前記回転体及び陽極ターゲットを回転させるコイルと、
    前記回転陽極型X線管及びコイルを収容した筐体と、を具備し、
    前記蓋部は、前記本体の開口した端部の内周面に全体に亘って密接されていることを特徴とするX線管装置。
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