JP2014160604A - 回転陽極型x線管 - Google Patents

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哲也 米澤
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Abstract

【課題】 第1円筒と第2円筒と接合部の温度の制限を緩和することができ、放電の発生を抑制することができる回転陽極型X線管を提供する。
【解決手段】 回転陽極型X線管は、回転軸と、回転体2とを備える。回転体2は、陽極ターゲット5と、第1ねじ部6a及び第2ねじ部6bが形成された第1円筒6と、第2円筒7と、第3円筒8とを有する。第2円筒7は第1回転方向に回して第3ねじ部7aを第1ねじ部6aに締め付けることにより第1円筒6に連結される。第3円筒8は、第2回転方向に回して第4ねじ部8aを第2ねじ部6bに締め付けることにより第1円筒6に連結される。第2円筒7と第3円筒8とは互いに固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、回転陽極型X線管に関する。
一般に、X線管装置として、回転陽極型のX線管装置が使用されている。回転陽極型のX線管装置は、X線を放射する回転陽極型X線管と、ステータコイルと、これら回転陽極型X線管及びステータコイルを収容した筐体と、を備えている。回転陽極型X線管は、回転軸と、回転体と、陰極と、真空外囲器と、を備えている。回転体は、陽極ターゲットと、第1円筒と、第2円筒とを有している。第1円筒と第2円筒とは、ろう付けにより接合されている。第1円筒と陽極ターゲットとは、ねじ締結により接合されている。
上記回転陽極型のX線管装置の動作状態において、ステータコイルは回転体に与える磁界を発生するため、回転体は回転する。また、陰極は陽極ターゲットに対して電子ビームを照射する。これにより、陽極ターゲットは、電子と衝突するときにX線を放出する。
特許第3703522号公報 特公平6−70896号公報
ところで、陽極ターゲットへの入力(電子ビームの照射)により陽極ターゲットが加熱されると、陽極ターゲットの熱は軸受部の第1円筒を伝い、第1円筒と第2円筒とのろう付け部を加熱することになる。陽極ターゲットへの入力量(電子ビームの照射量)を上げると、陽極ターゲットが加熱され、ろう付け部のろう材が溶解する恐れがある。
ろう材が溶解すると、第2円筒が第1円筒に対して偏芯したり、若しくは第2円筒が第1円筒から脱落したりし得る。ろう付け部の温度が所定の値以下となるように陽極ターゲットへの入力量を制限することが必要となってしまう。このため、陽極ターゲットへの入力量の制限を緩和する技術(実使用時の陽極ターゲットの温度の制限を緩和する技術)、すなわち第1円筒と第2円筒と接合部の温度の制限を緩和する技術が求められている。
また、X線管の組立て時において、次の回転体を用意している。まず、第1円筒と第2円筒とをろう付けにより接合し、第1円筒と陽極ターゲットとをねじ締結により接合し、回転体を形成する。その後、回転体から放出されるガスの量を低減する目的で、回転体を真空雰囲気中で高温に加熱し、回転体に吸着したガスを放出する。回転体(陽極ターゲット)に吸着したガスの放出が十分でない場合、陽極ターゲットから真空外囲器の内部にガスが放出されることにより、X線管に放電が発生する恐れがあるためである。これにより、回転体の準備が完了する。
回転体を真空雰囲気中で加熱する脱気処理において、陽極ターゲットを1000℃以上に加熱している。しかしながら、この場合、陽極ターゲットの熱は第1円筒を伝い、第1円筒と第2円筒とのろう付け部を加熱することとなり、ろう付け部のろう材が溶解する恐れがある。ろう材が溶解すると、上記のように第2円筒の偏芯、若しくは脱落が起こり得る。一方、陽極ターゲットの加熱温度を下げると、陽極ターゲットの脱気を十分に行うことができないものである。このため、回転体に吸着したガスを十分に放出する技術、すなわちX線管における放電の発生を抑制する技術が求められている。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、第1円筒と第2円筒と接合部の温度の制限を緩和することができ、放電の発生を抑制することができる回転陽極型X線管を提供することにある。
一実施形態に係る回転陽極型X線管は、
回転軸と、
前記回転軸の周囲で軸受により回転自在に支持された回転体と、を備え、
前記回転体は、
電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
外面に第1ねじ部が形成され、内面に第2ねじ部が形成された第1円筒と、
内面に第3ねじ部が形成され、第1回転方向に回して前記第3ねじ部を前記第1ねじ部に締め付けることにより前記第1円筒に連結される第2円筒と、
外面に第4ねじ部が形成され、第1回転方向の逆の回りである第2回転方向に回して前記第4ねじ部を前記第2ねじ部に締め付けることにより前記第1円筒に連結される第3円筒と、を有し、
前記第2円筒と前記第3円筒とは互いに固定されている。
図1は、第1の実施形態に係る回転陽極型X線管を示す概略断面図であり、回転体を取り出して示す図である。 図2は、第2の実施形態に係る回転陽極型X線管を示す概略断面図であり、回転軸、回転体及び軸受を取り出して示す図である。 図3は、第3の実施形態に係る回転陽極型X線管を示す概略断面図であり、回転軸、回転体及び軸受を取り出して示す図である。 図4は、第4の実施形態に係る回転陽極型X線管を示す概略断面図であり、回転軸、回転体及び軸受を取り出して示す図である。 図5は、第5の実施形態に係る回転陽極型X線管を示す概略断面図であり、回転軸、回転体及び軸受を取り出して示す図である。 図6は、第6の実施形態に係る回転陽極型X線管を示す概略断面図であり、回転軸、回転体及び軸受を取り出して示す図である。 図7は、比較例の回転陽極型X線管を示す概略断面図であり、回転体を取り出して示す図である。
以下、図面を参照しながら第1の実施形態に係る回転陽極型X線管について詳細に説明する。
図1に示すように、回転陽極型X線管は、回転体2を備えている。図示しないが、回転陽極型X線管は、回転軸、陰極及び真空外囲器なども備えている。回転体2は、回転軸の周囲で軸受により回転自在に支持されている。陰極は、電子を放出する。真空外囲器は、回転体2、回転軸及び陰極などを収容している。
回転陽極型X線管は、図示しないステータコイル(回転駆動部)、筐体及び絶縁油(冷却液)などとともに回転陽極型X線管装置に利用されている。ステータコイルは、回転体2に対向し、真空外囲器の外側を囲むように設けられている。ステータコイルは、所定の電流が供給されることにより磁界を発生し、回転体2を回転させる。筐体は、回転陽極型X線管及びステータコイルを収容している。絶縁油は、回転陽極型X線管と筐体との間の空間に充填されている。
回転体2は、陽極ターゲット5と、第1円筒6と、第2円筒7と、第3円筒8と、第4円筒9とを備えている。陽極ターゲット5、第1円筒6、第2円筒7、第3円筒8及び第4円筒9は、回転軸と同軸的に設けられている。
陽極ターゲット5は、陰極から放出された電子が衝突されることによりX線を放出する。陽極ターゲット5は、形状が円環状であり、重金属等の材料で形成されている。この実施形態において、陽極ターゲット5は、モリブデン合金で形成されている。
第1円筒6は、形状が一端が閉塞された筒状であり、重金属等の材料で形成されている。この実施形態において、第1円筒6は、モリブデン合金で形成され、陽極ターゲット5に接合されている。第1円筒6と陽極ターゲット5とを同一材料で形成する場合、これらを同時に一体的に形成することができる。
第1円筒6の他端部側において、第1円筒6は、外面に形成された第1ねじ部6aと、内面に形成された第2ねじ部6bとを有している。第1ねじ部6aはおねじであり、第2ねじ部6bはめねじである。
第2円筒7は、筒状であり、金属等の材料で形成されている。この実施形態において、第2円筒7は、鉄合金で形成されている。第2円筒7は内面に形成された第3ねじ部7aを有している。第3ねじ部7aはめねじである。第3ねじ部7aの有効径と第1ねじ部6aの有効径とは概ね同一である。また、第2円筒7は、第2ねじ部6bの谷の径と概ね同一の内径を有する滑らかな内周面を有している。
第2円筒7を第1回転方向に回して第3ねじ部7aを第1ねじ部6aに締め付けることにより、第2円筒7は、第1円筒6に連結される。この実施形態において、第3ねじ部7a及び第1ねじ部6aに右ねじを使用し、第1回転方向は右回りの方向である。
また、この実施形態において、回転体2は、回転軸を中心に左回転するように、ステータコイルから磁界が与えられる。
第3円筒8は、筒状であり、金属等の材料で形成されている。この実施形態において、第3円筒8は、鉄合金で形成されている。第3円筒8は、外面に形成された第4ねじ部8aを有している。第4ねじ部8aの有効径と第2ねじ部6bの有効径とは概ね同一である。また、第3円筒8は、第4ねじ部8aの谷の径と概ね同一の外径を有する滑らかな外周面を有している。
第3円筒8を第1回転方向の逆の回りである第2回転方向に回して第4ねじ部8aを第2ねじ部6bに締め付けることにより、第3円筒8は、第1円筒6に連結される。この実施形態において、第4ねじ部8a及び第2ねじ部6bに左ねじを使用し、第2回転方向は左回りの方向である。
第2円筒7と第3円筒8とは互いに固定されている。上記固定する手法としては、溶接や、第3円筒8を冷却して行う冷やし嵌め、第1円筒6及び第2円筒7を加熱して行う焼き嵌め、第3円筒8を圧入して行う圧入嵌めなどの締り嵌めや、かしめや、ねじ締結や、ピン打ちなどを採ることができる。
この実施形態において、第2円筒7と第3円筒8とは溶接により互いに固定されている。例えば、第1円筒6より第2円筒7側における第3円筒8の端部と第2円筒7とは、全周に亘って溶接されている。
また、第3円筒8より第1円筒6側における第2円筒7の端部と第1円筒6とは、全周に亘って溶接されている。
第4円筒9は、筒状であり、例えば銅で形成されている。第4円筒9は、第2円筒7の外周面と接合され、第2円筒7に固定されている。第4円筒9に関しても上述した手法により固定することができる。この実施形態において、第4円筒9は締り嵌めにより固定されている。なお、ステータコイルが発生する磁界は第4円筒9に与えられる。
上記のように構成された第1の実施形態に係る回転陽極型X線管によれば、回転陽極型X線管は、回転軸と、回転体2とを備えている。回転体2は、陽極ターゲット5、第1円筒6、第2円筒7及び第3円筒8などを有している。第2円筒7は、第1回転方向に回して第3ねじ部7aを第1ねじ部6aに締め付けることにより第1円筒6に連結される。
ねじを使用して第1円筒6と第2円筒7とを連結することができる。第1円筒6と第2円筒7との接合にろう付けを利用する必要はないため、連結部の温度によらずに第1円筒6と第2円筒7との連結(接合)を維持することができる。ひいては、陽極ターゲット5への入力量の制限を緩和すること(実使用時の陽極ターゲット5の温度の制限を緩和すること)ができ、すなわち第1円筒6と第2円筒7と接合部の温度の制限を緩和することができる。
なお、図7に示すが、比較例の回転陽極型X線管のように、第1円筒6と第2円筒7との接合にろう付けを利用した場合、第2円筒7が第1円筒6に対して偏芯したり、若しくは第2円筒7が第1円筒6から脱落したりし得るものである。また、陽極ターゲット5の脱気を十分に行うことができないため、X線管に放電が発生し易くなるものである。
また、X線管の組立て時において、陽極ターゲット5を1000℃以上に加熱することができる。陽極ターゲット5(回転体2)に吸着したガスを十分に放出することができるため、X線管における放電の発生を抑制することができる。
回転体2の回転方向と、第3ねじ部7aを締め付ける際に回す第1回転方向とは逆方向である。回転体2の回転開始時(起動時)に、第2円筒7(第4円筒9)は左回りの回転トルクを受ける。第3ねじ部7a及び第1ねじ部6aは、回転トルクの方向(左回り)に対して緩まないねじ(右ねじ)である。言い換えると、回転体2の回転開始時に、第3ねじ部7a及び第1ねじ部6aは、締まり勝手となる。
一方、回転体2の回転終了時(停止時)に、第2円筒7(第4円筒9)は右回りの回転トルクを受ける。第3ねじ部7a及び第1ねじ部6aは、回転トルクの方向(右回り)に対して緩むねじ(右ねじ)である。
そこで、回転体2は、上記第3円筒8をさらに有している。第3円筒8は、第2回転方向に回して第4ねじ部8aを第2ねじ部6bに締め付けることにより第1円筒6に連結される。第2円筒7と第3円筒8とは互いに固定されている。回転体2の回転終了時に、第4ねじ部8a及び第2ねじ部6bは、回転トルクの方向(右回り)に対して緩まないねじ(左ねじ)である。言い換えると、回転体2の回転終了時に、第4ねじ部8a及び第2ねじ部6bは、締まり勝手となり、第3ねじ部7a及び第1ねじ部6aの緩みを抑制することができる。
このため、回転体2の回転開始時においても回転終了時においても、第3ねじ部7a及び第1ねじ部6aの緩みを抑制することができ、第2円筒7が第1円筒6から脱落することなどを防止することができる。
上記のことから、第1円筒6と第2円筒7と接合部の温度の制限を緩和することができ、放電の発生を抑制することができる回転陽極型X線管を得ることができる。
そして、第1円筒6と第2円筒7と接合部の温度によらずに、実使用時に陽極ターゲット5への入力を上げたり、脱気処理時に陽極ターゲット5の温度を上げてガス放出による放電を防いだりすることができる。
陽極ターゲット5への入力を上げることにより、X線管のX線の出力を増加することができたり、X線装置の解像度の向上に寄与することができたり、患者診断のスループットの向上に寄与することができたりすることが期待できる。放電を防ぐことにより、X線管の製品寿命を延ばすことができる。
次に、第2の実施形態に係る回転陽極型X線管について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図2に示すように、X線管は、回転軸1を有している。回転軸1は、円柱状であり、鉄などの金属材料で形成されている。回転軸1は、回転陽極型X線管の管軸方向に延出して形成されている。
この実施形態において、第2円筒7と第3円筒8とは締り嵌めにより互いに固定されている。このため、第2円筒7と第3円筒8は溶接されていない。なお、第2円筒7と第1円筒6も溶接されていない。
軸受B1は、回転軸1と第1円筒6(回転体2)との間に形成され、回転軸1を中心に回転体2を回転可能に支持する。この実施形態において、軸受B1は、玉軸受11及び玉軸受12を有している。玉軸受11、12は、回転軸1と第1円筒6との間に固定されている。上記固定する手法としては、上述した各種の手法を採ることができる。例えば、まず回転軸1に玉軸受11、12を設け、次いで第1円筒6などを加熱し、その後第1円筒6内に回転軸1及び玉軸受11、12を圧入する手法を採ることができる。
上記のように構成された第2の実施形態に係る回転陽極型X線管によれば、回転陽極型X線管は、回転軸1と、回転体2とを備えている。回転体2は、陽極ターゲット5、第1円筒6、第2円筒7及び第3円筒8などを有している。上記第1の実施形態と同様に、第1円筒6と第2円筒7は右ねじを利用して連結され、第1円筒6と第3円筒8は左ねじを利用して連結されている。このため、上記第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、第1円筒6と第2円筒7と接合部の温度の制限を緩和することができ、放電の発生を抑制することができる回転陽極型X線管を得ることができる。
次に、第3の実施形態に係る回転陽極型X線管について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図3に示すように、X線管は、回転軸1を有している。回転軸1は、円柱状であり、鉄などの金属材料で形成されている。回転軸1は、回転陽極型X線管の管軸方向に延出して形成されている。X線管は、さらに潤滑剤としての液体金属LMを備え、軸受B1に動圧形のすべり軸受を使っている。
回転軸1は、外面に位置したラジアル軸受面S1aを有している。ラジアル軸受面S1aは、回転軸1の外面に全周に亘って形成されている。第1円筒6は、ラジアル軸受面S1aに隙間を置いて対向したラジアル軸受面S6aを有している。ラジアル軸受面S6aは、第1円筒6の内面に全周に亘って形成されている。
ラジアル軸受面S6aの内径は、ラジアル軸受面S1aの直径より「わずかに」大きい。回転体2及び回転軸1は、軸受面同士が対向した領域を含む全対向領域で、互いに隙間(微小な隙間)を置いて設けられている。上記隙間は、数十μm程度である。
液体金属LMは、回転軸1と回転体2との間の隙間に充填されている。液体金属LMは、GaIn(ガリウム・インジウム)合金又はGaInSn(ガリウム・インジウム・錫)合金等の材料を利用することができる。液体金属LMは、常温で液状となる特性を持っている。また、液体金属LMは、蒸気圧が低いという特性も持っている。このため、真空状態の回転陽極型X線管の内部で使用することができる。液体金属LMは、ラジアル軸受面S1a及びラジアル軸受面S6aとともに動圧形のラジアルすべり軸受(B1)を形成している。
上記のように構成された第3の実施形態に係る回転陽極型X線管によれば、回転陽極型X線管は、回転軸1と、回転体2とを備えている。回転体2は、陽極ターゲット5、第1円筒6、第2円筒7及び第3円筒8などを有している。上記第1の実施形態と同様に、第1円筒6と第2円筒7は右ねじを利用して連結され、第1円筒6と第3円筒8は左ねじを利用して連結されている。このため、上記第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、第1円筒6と第2円筒7と接合部の温度の制限を緩和することができ、放電の発生を抑制することができる回転陽極型X線管を得ることができる。
次に、第4の実施形態に係る回転陽極型X線管について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した第3の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図4に示すように、X線管は、軸受B1の他、軸受B2、B3に動圧形のすべり軸受を使っている。
回転軸1は、スラストすべり軸受を形成する突出部10を有している。突出部10は、回転軸1の中心軸に沿った方向にラジアル軸受面S1aに並んで設けられ、筒状に形成されている。回転軸1は、突出部10の一端にスラスト軸受面S1bを有し他端にスラスト軸受面S1cを有している。スラスト軸受面S1b及びスラスト軸受面S1cは環状に形成されている。
第1円筒6は、スラスト軸受面S1bに隙間を置いて対向した環状のスラスト軸受面S6bを有している。第3円筒8は、スラスト軸受面S1cに隙間を置いて対向した環状のスラスト軸受面S8aを有している。
回転軸1及び回転体2は、全対向領域で、互いに隙間を置いて設けられている。スラスト軸受面S1b及びスラスト軸受面S6b間の隙間、スラスト軸受面S1c及びスラスト軸受面S8a間の隙間は、数十μm程度である。
液体金属LMは、回転軸1と回転体2との間の隙間に充填されている。液体金属LMは、スラスト軸受面S1b及びスラスト軸受面S6bとともに動圧形のスラストすべり軸受(B2)を形成している。液体金属LMは、スラスト軸受面S1c及びスラスト軸受面S8aとともに動圧形のスラストすべり軸受(B3)を形成している。軸受B2、B3は、回転軸1及び回転体2の中心軸に沿った方向への相対的なズレを規制するものである。
また、第3円筒8と回転軸1との間の隙間(クリアランス)は、回転体2の回転を維持するとともに液体金属LMの漏洩を抑制できる値に設定されている。以上のことから、上記隙間は僅かであり、第3円筒8はラビリンスシールリング(labyrinth seal ring)として機能するものである。
上記のように構成された第4の実施形態に係る回転陽極型X線管によれば、回転陽極型X線管は、回転軸1と、回転体2とを備えている。回転体2は、陽極ターゲット5、第1円筒6、第2円筒7及び第3円筒8などを有している。上記第1の実施形態と同様に、第1円筒6と第2円筒7は右ねじを利用して連結され、第1円筒6と第3円筒8は左ねじを利用して連結されている。このため、上記第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
第3円筒8の端部と第2円筒7とは全周に亘って溶接され、封止されている。第2円筒7の端部と第1円筒6とは全周に亘って溶接され、封止されている。これにより、第1ねじ部6a及び第3ねじ部7a間の隙間や、第2ねじ部6b及び第4ねじ部8a間の隙間を伝うことによる回転体2の外側への液体金属LMの漏れを防止することができる。
上記のことから、第1円筒6と第2円筒7と接合部の温度の制限を緩和することができ、放電の発生を抑制することができる回転陽極型X線管を得ることができる。
次に、第5の実施形態に係る回転陽極型X線管について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した第4の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5に示すように、第2円筒7と第3円筒8との溶接個所は円環状に突出して形成されている。これにより、溶接に関する作業及び精度の向上を図ることができる。
次に、第6の実施形態に係る回転陽極型X線管について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した第5の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6に示すように、回転陽極型X線管は、回転軸1と、回転体2と、潤滑剤としての液体金属LMとを備えている。回転軸1は、鉄、鉄合金などの鉄系金属で形成されている。回転体2は、動圧形のすべり軸受(B1、B2、B3)により回転軸1の周囲に回転自在に支持されている。回転体2は、陽極ターゲット5と、第1円筒6と、第2円筒7と、第3円筒8と、第4円筒9と、支持部材15とを有している。
陽極ターゲット5は、支持部材15により第2円筒7に接合され、第2円筒7などとともに回転自在である。陽極ターゲット5は、形状が円板状であり、モリブデン又はモリブデン合金などの重金属等の材料で形成されている。図示しないが、陽極ターゲット5は、電子が衝突されるターゲット層を有している。ターゲット層は、モリブデン、モリブデン合金、タングステン合金等の金属で形成されている。
支持部材15は、例えば円柱状に形成され、回転軸1などと同軸的に設けられている。回転軸1の中心軸に沿った方向において、支持部材15は、陽極ターゲット5と、第2円筒7との間に位置している。支持部材15は、モリブデン又はモリブデン合金で形成されている。
第1円筒6は、一端部が閉塞された筒状に形成されている。第1円筒6は鉄系金属で形成されている。第2円筒7は、一端部が閉塞された筒状に形成されている。第2円筒7は、第1円筒6の外側に位置している。第2円筒7の一端部は、陽極ターゲット5と第2円筒7との間の領域に位置している。
第3円筒8は、第1円筒6の開口した他端部に設けられている。また、この実施形態においても、第2円筒7と第3円筒8との溶接個所は円環状に突出して形成されている。第4円筒9は、第2円筒7の外側に位置している。第4円筒9の一端部は、第2円筒7に向かう方向(中心軸に向かう方向)に突出して形成され、第2円筒7の一端部の近傍に接合されている。
上記のように構成された第6の実施形態に係る回転陽極型X線管によれば、回転陽極型X線管は、回転軸1と、回転体2とを備えている。回転体2は、陽極ターゲット5、第1円筒6、第2円筒7及び第3円筒8などを有している。上記第1の実施形態と同様に、第1円筒6と第2円筒7は右ねじを利用して連結され、第1円筒6と第3円筒8は左ねじを利用して連結されている。このため、上記第1の実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
陽極ターゲット5は、電子衝撃により1000℃以上の高温となる。陽極ターゲット5で発生した熱は、陽極ターゲット5の表面からの輻射によって散逸する。また、陽極ターゲット5で発生した熱は、支持部材15、第2円筒7、第1円筒6及び液体金属LMを介して回転軸1に伝達される。支持部材15及び第2円筒7により陽極ターゲット5から第1円筒6への熱伝達パスをより長くすることができる。また、熱伝達率の低い材料(例えば鉄、ニッケル合金)で第2円筒7を形成することができる。
これにより、陽極ターゲット5から第1円筒6へ伝達する熱量を一層低減することができる。回転軸1や第1円筒6を高価なモリブデンなどではなく、安価な鉄系金属を利用して形成することができる。これにより、回転陽極型X線管の製造コストの低減を図ることができる。
上記のことから、第1円筒6と第2円筒7と接合部の温度の制限を緩和することができ、放電の発生を抑制することができる回転陽極型X線管を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上述した回転陽極型X線管は、動圧形の軸受や玉軸受など、各種の軸受を使用することが可能である。第3ねじ部7a及び第1ねじ部6aに左ねじを使用し、第4ねじ部8a及び第2ねじ部6bに右ねじを使用してもよい。この場合も、上述した効果を得ることができる。
本発明の実施形態は、上述した回転陽極型X線管に限定されるものではなく、各種の回転陽極型X線管に適用可能である。
1…回転軸、2…回転体、5…陽極ターゲット、6…第1円筒、7…第2円筒、8…第3円筒、6a…第1ねじ部、6b…第2ねじ部、7a…第3ねじ部、8a…第4ねじ部、LM…液体金属、B1,B2,B3…軸受、S1a,S6a…ラジアル軸受面、S1b,S1c,S6b,S8a…スラスト軸受面。

Claims (7)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸の周囲で軸受により回転自在に支持された回転体と、を備え、
    前記回転体は、
    電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
    外面に第1ねじ部が形成され、内面に第2ねじ部が形成された第1円筒と、
    内面に第3ねじ部が形成され、第1回転方向に回して前記第3ねじ部を前記第1ねじ部に締め付けることにより前記第1円筒に連結される第2円筒と、
    外面に第4ねじ部が形成され、第1回転方向の逆の回りである第2回転方向に回して前記第4ねじ部を前記第2ねじ部に締め付けることにより前記第1円筒に連結される第3円筒と、を有し、
    前記第2円筒と前記第3円筒とは互いに固定されている回転陽極型X線管。
  2. 前記第3円筒より前記第1円筒側における前記第2円筒の端部と前記第1円筒とは、全周に亘って溶接され、
    前記第1円筒より前記第2円筒側における前記第3円筒の端部と前記第2円筒とは、全周に亘って溶接され、
    前記第2円筒と前記第3円筒とは前記溶接により互いに固定されている請求項1に記載の回転陽極型X線管。
  3. 前記第2円筒と前記第3円筒との溶接個所は突出して形成されている請求項2に記載の回転陽極型X線管。
  4. 前記軸受は、玉軸受である請求項1に記載の回転陽極型X線管。
  5. 前記軸受は、潤滑剤を用いた動圧形のすべり軸受である請求項1に記載の回転陽極型X線管。
  6. 前記潤滑剤は液体金属である請求項5に記載の回転陽極型X線管。
  7. 前記回転軸は、第1ラジアル軸受面、第1スラスト軸受面及び第2スラスト軸受面を有し、
    前記第1円筒は、第1ラジアル軸受面及び潤滑剤とともに動圧形のラジアルすべり軸受を形成する第2ラジアル軸受面と、前記第1スラスト軸受面及び潤滑剤とともに動圧形の第1スラスト軸受を形成する第3スラスト軸受面と、を有し、
    前記第3円筒は、前記第2スラスト軸受面及び潤滑剤とともに動圧形の第2スラスト軸受を形成する第4スラスト軸受面を有する請求項5に記載の回転陽極型X線管。
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