JP2016009617A - 回転陽極型x線管 - Google Patents

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哲也 米澤
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Abstract

【課題】長寿命化が可能な回転陽極型X線管を提供する。
【解決手段】回転陽極型X線管は、固定軸と、回転体20と、陰極と、陽極ターゲットと、を備える。回転体20は、第1円筒21と、第2円筒22と、第3円筒23と、を備える。第2円筒22と第3円筒23とは互いに固定されている。第1ねじ部21aと第3ねじ部22aの間隔20aより第1平滑部21cと第3平滑部22bの間隔が小さい。第2ねじ部21bと第4ねじ部23aの間隔20cより第2平滑部21dと第4平滑部23bの間隔は小さい。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、回転陽極型X線管に関する。
従来、X線を使用して被写体を診断する医療用機器や工業用機器には、X線発生源としてX線管装置が使用されている。X線管装置として、回転陽極型のX線管を備えた回転陽極型X線管装置が知られている。
回転陽極型X線管装置は、X線を放射する回転陽極型X線管と、ステータコイルと、これら回転陽極型X線管及びステータコイルを収容した筐体と、を備えている。回転陽極型X線管は、固定軸と、電子を発生する陰極と、陽極ターゲットと、回転体と、真空外囲器と、を備えている。回転体は、円筒部などを備え、陽極ターゲットに接続されている。回転体はステータコイルから発生する磁界により回転する。また、陰極は電子を放出する。陽極ターゲットに電子が衝突することにより、X線が放出される。
特許第3703522号公報 特公平6−70896号公報
本実施形態の目的は、長寿命化が可能な回転陽極型X線管を提供することにある。
一実施形態に係る回転陽極型X線管は、固定軸と、前記固定軸の周囲で軸受により支持された回転体と、電子を放出する陰極と、回転体に接続され、前記陰極から放出された電子が衝突しX線を発生する陽極ターゲットと、を備え、前記回転体は、外面に第1ねじ部と第1平滑部とが形成され、内面に第2ねじ部と第2平滑部とが形成された第1円筒と、内面に第3ねじ部と第3平滑部が形成され、第1回転方向に回して前記第3ねじ部を前記第1ねじ部に締め付けることにより前記第1円筒に連結された第2円筒と、外面に第4ねじ部と第4平滑部が形成され、前記第1回転方向とは逆向きの第2回転方向にまわして前記第4ねじ部を前記第2ねじ部に締め付けることにより、前記第1円筒に連結された第3円筒と、を備え、前記第2円筒と前記第3円筒とは互いに固定され、前記第1ねじ部と前記第3ねじ部の間隔より前記第1平滑部と前記第3平滑部の間隔は小さく、前記第2ねじ部と前記第4ねじ部の間隔より前記第2平滑部と前記第4平滑部の間隔は小さい。
図1は、一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を概略的に示す断面図である。 図2は、図1に示した回転陽極型X線管装置の回転体の一部を概略的に示す断面図である。 図3は、上記実施形態の第1の変形例に係る回転陽極型X線管装置を概略的に示す断面図である。 図4は、上記実施形態の第2の変形例に係る回転陽極型X線管装置を概略的に示す断面図である。 図5は、上記実施形態の第3の変形例に係る回転陽極型X線管装置を概略的に示す断面図である。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、一実施形態に係る回転陽極型X線管装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る回転陽極型X線管装置を概略的に示す断面図である。
図1に示すように、回転陽極型X線管装置は、回転陽極型X線管1及び磁界を発生させるコイルであるステータコイル2等を備えている。回転陽極型X線管1は、陰極60と、陽極ターゲット50と、回転体20と、固定軸10と、真空外囲器70と、を備えている。
陰極60は、陽極ターゲット50上のX線放射層51に対向して配置されている。陰極60は、真空外囲器70の内壁に取り付けられている。陰極60は、電子を放出するフィラメント61を備えている。
回転体20は、固定軸10の周囲で軸受により支持されている。回転体20は、第1円筒21と、第2円筒22と、第3円筒23と、第4円筒24とを備えている。第1円筒21、第2円筒22、第3円筒23及び第4円筒24は、固定軸10と同軸的に設けられている。
陽極ターゲット50は回転体20に接続されている。陽極ターゲット50は、固定軸10等と同軸的に設けられている。陽極ターゲット50は、円環状に形成され、第1円筒21に接続されている。陽極ターゲット50は、一般に重金属等の材料で形成され、本実施形態においては、モリブデン合金で形成されている。陽極ターゲット50は、回転体20と一体的に回転する。陽極ターゲット50は、円環状のX線放射層51を有している。X線放射層51に、陰極60から放出された電子が衝突することによりX線が放射される。X線放射層51は、融点の高い金属で形成される必要がある。ここでは、X線放射層51は、タングステン合金で形成されている。
本実施形態において、陽極ターゲット50は、第1円筒21と同一材料で一体に形成されている。なお、陽極ターゲット50は、第1円筒21の側面に接合されていてもよい。この場合、第1円筒21と陽極ターゲット50とは、同一材料により形成されていてもよく、又は、互いに異なる材料により形成されていてもよい。また、本実施形態における陽極ターゲット50の形状は一例であり、陽極ターゲット50は、円盤状等、種々の形状をとることが可能である。
真空外囲器70は、固定軸10、回転体20及び陰極60等を収容している。真空外囲器70は密閉され、内部が真空状態に維持されている。真空外囲器70は、例えば、ガラスで形成されている。
ステータコイル2は、第4円筒24と対向し、真空外囲器70の外側を環状に囲むように設けられている。
固定軸10は、円筒状に形成されている。固定軸10の一端部は、真空外囲器70の開口部71を通り、真空外囲器70の外側に延出している。固定軸10は真空外囲器70に気密に接続されている。固定軸10は、内部に管部30を備える。円環部40は、固定軸10の一端部に液密に接合されている。管部30は、外周面が円環部40の開口部に液密に接合され、固定軸10の外部に延出している。固定軸10は、管部30とともに冷却液Lの流路を形成している。
管部30は、この内部に冷却液Lを取り入れる取入口30aと、冷却液Lを固定軸10の内部に吐き出す吐出口30bを有している。取入口30aは、固定軸10の一端部から外部に延出した側に位置している。また吐出口30bは、固定軸10の他端部に隙間を置いて位置している。
固定軸10の一端部には、開口部が形成され、この開口部には管部35が液密に接合されている。管部35は、冷却液Lを外部に取り出す取出口35aを有している。
以上のことから、回転陽極型X線管1の内部を循環する冷却液Lは、取入口30aから取り入れられ、管部30の内部を通り、吐出口30bから固定軸10の内部に吐出され、管部30及び固定軸10の間を通り、管部35の取出口35aから取り出される。なお、上記冷却液Lは、逆方向に循環してもよい。この場合、管部35が冷却液Lの取入口を形成し、管部30が冷却液Lの取出口を形成する。冷却液Lの流路は、特に限定されるものではなく、例えば、固定軸10の一端から固定軸10の中に流入し、固定軸10の他端から流出するような、固定軸10を貫通する様な形状をとっても良い。
X線管装置の動作において、ステータコイル2は第4円筒24に与える磁界を発生するため、回転体20は陽極ターゲット50とともに一体に回転する。また、陰極60に相対的に負の電圧が印加され、陽極ターゲット50に相対的に正の電圧が印加される。陰極60及び陽極ターゲット50に電位差が生じる。フィラメント61から放出された電子は、陽極ターゲット50に向かって加速され、X線放射層51に衝突する。これにより、X線放射層51から発生したX線は、真空外囲器70を透過し真空外囲器70の外部に放出される。
図2は、図1に示した回転陽極型X線管装置の回転体の一部を概略的に示す断面図である。なお、図2は回転体20の中心軸R20を通る断面図である。図2において、中心軸R20を中心に対称な回転体20の構造には、同一の符号及び名称を付すことができる。
図2に示すように、回転体20は、第1円筒21、第2円筒22、第3円筒23等を備えている。
第1円筒21は、外面に第1ねじ部21aと第1平滑部21cが形成され、内面に第2ねじ部21bと第2平滑部21dが形成されている。第1平滑部21cはねじが刻まれていない滑らかな外周面を有し、第2平滑部21dはねじが刻まれていない滑らかな内周面を有している。
第1円筒21は、一端が閉塞し、他端が開口した筒状に形成されている。第1円筒21は、重金属等の金属で形成され、例えばモリブデン合金で形成される。また、第1ねじ部21aはおねじであり、第2ねじ部21bはめねじである。
第2円筒22の内面には第3ねじ部22aと第3平滑部22bが形成されている。第3平滑部22bはねじが刻まれていない滑らかな内周面を有している。第3ねじ部22aは、第1ねじ部21aのねじピッチと同等のねじピッチを有している。第2円筒22は、筒状に形成され、第1円筒21に連結されている。第2円筒22は、金属として、例えば鉄合金で形成されている。また、第3ねじ部22aはめねじである。
第3円筒23は、外面に第4ねじ部23aと第4平滑部23bが形成されている。第4平滑部23bはねじが刻まれていない滑らかな外周面を有している。第4ねじ部23aは、第2ねじ部21bのねじピッチと同等のねじピッチを有している。第3円筒23は、筒状の形状をとっており、第1円筒21に連結されている。また、第2円筒22と第3円筒23は互いに固定されている。第3円筒23は、金属として、例えば鉄合金で形成されている。また、第4ねじ部23aはおねじである。
第4円筒24は、筒状に形成され、第2円筒22の外周面に接合され、第2円筒22に固定されている。第4円筒24は、金属として、例えば、銅で形成される。
第3ねじ部22aを第1回転方向に回して第1ねじ部21aに締め付けることにより、第2円筒22は第1円筒21に連結される。本実施形態において、第1ねじ部21a及び第3ねじ部22aに右ねじが使用される。中心軸20Rの法線方向において、第1ねじ部21a及び第3ねじ部22aは、間隔20aを置いて互いに対向している。中心軸20Rの法線方向において、第1平滑部21c及び第3平滑部22bは、間隔20bを置いて互いに対向している。間隔20bは間隔20aより小さい。一例を挙げると、間隔20aは100μmであり、間隔20bは20μmである。
第4ねじ部23aを第2回転方向に回して第2ねじ部21bに締め付けることにより、第3円筒23は第1円筒21に連結される。第2ねじ部21b及び第4ねじ部23aに左ねじが使用される。第1回転方向と第2回転方向は逆回りであり、本実施形態において、第1回転方向は右回りであり、第2回転方向は左回りである。中心軸20Rの法線方向において、第2ねじ部21b及び第4ねじ部23aは、間隔20cを置いて互いにと対向している。中心軸20Rの法線方向において、第2平滑部21d及び第4平滑部23bは、間隔20dを置いて互いに対向している。間隔20dは間隔20cより小さい。一例を挙げると、間隔20cは100μmであり、間隔20dは20μmである。
第1円筒21は、中心軸R20に交差する第1先端面21eを備えている。第2円筒22は、中心軸R20に交差し、中心軸R20に平行な方向に第1先端面21eと対向する第1当接面22cを備えている。ここでは、例示的に示しているが、第1先端面21eは中心軸R20に垂直な一平面上に位置し、第1当接面22cも中心軸R20に垂直な一平面上に位置している。第1当接面22cが第1先端面21eに突き当たる(接する)まで、第3ねじ部22aは第1ねじ部21aに締め付けられている。
第3円筒23は、中心軸R20に交差する第2先端面23cを備えている。第1円筒21は、中心軸R20に交差し、中心軸R20に平行な方向に第2先端面23cと対向する第2当接面21fを備えている。ここでは、例示的に示しているが、第2先端面23cは中心軸R20に垂直な一平面上に位置し、第2当接面21fも中心軸R20に垂直な一平面上に位置している。第2先端面23cが第2当接面21fに突き当たる(接する)まで、第4ねじ部23aは第2ねじ部21bに締め付けられている。
回転陽極型X線管1は、溶接部20e及び溶接部20fを備えている。溶接部20e,20fは、回転体20の外部から溶接可能な個所に形成されている。
溶接部20eは、第2円筒22と第3円筒23との溶接部である。本実施形態において、第2円筒22の内面と第3円筒23の外面とが溶接されることにより、第2円筒22と第3円筒23とが互いに固定されている。溶接部20eは、第2円筒22の内面と第3円筒23の外面とを、第2円筒22の内面の全周に亘って溶接する溶接部であってもよい。これにより、溶接部20eは、第2円筒22の内面と第3円筒23の外面とを液密に閉塞することができる。又は、溶接部20eは、第2円筒22の内面と第3円筒23の外面との複数個所を、部分的に溶接する溶接部であってもよい。又は、後述する変形例でも示すが、回転陽極型X線管1は、軸受の形態に応じて溶接部20e無しに形成されていてもよい。この場合、溶接部20e以外の手段にて、第2円筒22と第3円筒23とが互いに固定される。
溶接部20fは、第1円筒21と第2円筒22との溶接部である。本実施形態において、溶接部20fは、第2円筒22の内面と第1円筒21の外面とを、第2円筒22の内面の全周に亘って溶接する溶接部である。これにより、溶接部20fは、第2円筒22の内面と第1円筒21の外面とを液密に閉塞することができる。なお、溶接部20fは、第2円筒22の内面と第1円筒21の外面との複数個所を、部分的に溶接する溶接部であってもよい。また、溶接部20fは、必要に応じて形成されていればよい。例えば、後述する変形例でも示すが、回転陽極型X線管1は、軸受の形態に応じて溶接部20f無しに形成されていてもよい。
上記のように構成された一実施形態に係る回転陽極型X線管によれば、間隔20bは間隔20aより小さい。また、間隔20dは間隔20cより小さい。回転体20が上記間隔20b,20dを有している場合は、回転体20が上記間隔20b,20dを有していない場合と比べて、回転体20のアンバランスの発生を抑えることができ、回転体20及び陽極ターゲット50に生じる振動を低減することができる。よって、回転陽極X線管1全体に発生する振動を低減し、回転体20及び陽極ターゲット50の回転の安定性を得ることが可能となる。X線画像の解像度の低下や、騒音の発生の抑制も可能である。したがって長寿命化が可能な回転陽極型X線管を得ることが可能である。
回転体20は第1円筒21、第2円筒22、第3円筒23及び第4円筒24を備えている。第2円筒22は、第1回転方向に回して第3ねじ部22aを第1ねじ部21aに締め付けることにより第1円筒21に連結される。なお、第1円筒21と第2円筒22の連結にろう付けを利用する場合では、第2円筒22の第1円筒21に対する偏芯や、第2円筒22の第1円筒21からの脱落の恐れがある。また陽極ターゲット50の脱気を十分に行うことができないため、X線管に放電が発生しやすくなるものである。本実施形態においては、第1円筒21と第2円筒22との連結にろう付けを使用する必要はないため、連結部の温度によらずに第1円筒21と第2円筒22との連結を維持することができる。ひいては、陽極ターゲット50への温度の制限を緩和することができる。
また、X線管の組み立て時において、陽極ターゲット50を1000℃以上に加熱することができる。陽極ターゲット50に吸着されたガスを十分に放出することができるため、X線管における放電の発生を抑制することができる。
第1円筒21は、陽極ターゲット50が接続されているので、耐熱性の高い材料で形成される。第2円筒22と第3円筒23と第4円筒24は第1円筒21に比べて低い耐熱性の材料を用いることが可能であり、回転陽極型X線管装置の低コスト化が可能である。
回転体20動作時の回転方向と、第3ねじ部22aを締め付ける際に回す第1回転方向とは逆方向である。回転体20の回転開始時に、第2円筒22は左回りの回転トルクを受ける。第3ねじ部22a及び第1ねじ部21aは、回転トルクの方向に対して緩まないねじである。一方回転体20の回転終了時に、第2円筒22は右回りの回転トルクを受ける。第3ねじ部22a及び第1ねじ部21aは、回転トルクの方向に対して緩むねじである。そこで、回転体20は、上記第3円筒23をさらに有している。第3円筒23は、第4ねじ部23aを第2ねじ部21bに第2回転方向に締め付けることにより第1円筒21に連結される。第2円筒22と第3円筒23とは互いに固定されている。回転体20の回転終了時に、第4ねじ部23a及び第2ねじ部21bは、回転トルクの方向に対して緩まないねじである。このため、回転体20の回転開始時においても回転終了時においても、第3ねじ部22a及び第1ねじ部21aのゆるみを抑制することができ、第2円筒22が第1円筒21から脱落することなどを防止することができる。
第1円筒21の第1先端面21eと第2円筒22の第1当接面22cとは互いに接している。第3円筒23の第2先端面23cと第1円筒21の第2当接面21fとは互いに接している。上記先端面や当接面を利用して円筒同士の位置決めを行うことができるため、回転体20の製造ばらつきを抑制することができる。回転体20を容易に組み立てることができる。煩雑な組み立て作業を要しないため、回転体20を効率よく組み立てることができる。また、回転体20作動時の振動を低減することが可能となる。
次に、上記実施形態の第1の変形例に係る回転陽極型X線管装置について説明する。図3は、上記実施形態の第1の変形例に係る回転陽極型X線管装置を概略的に示す断面図である。本変形例は、上述した実施形態と比較して、大まかに、軸受のタイプが異なる点で相違している。
図3に示すように、固定軸10は円柱状であり、鉄などの金属材料で形成されている。固定軸10は、中心軸R20に沿って延出して形成されている。本変形例において、第2円筒22と第3円筒23とは締り嵌めにより互いに固定されている。このため、第2円筒22と第3円筒23は溶接されていない。なお、第2円筒22と第1円筒21も溶接されていない。
軸受は、固定軸10と第1円筒21(回転体20)との間に形成され、固定軸10を中心に回転体20を回転可能に支持する。本変形例において、軸受B1は、玉軸受B1a及び玉軸受B1bを有している。玉軸受B1a,B1bは固定軸10と第1円筒21の間に設けられ固定されている。上記固定する手法としては、各種の手法を採ることができる。例えば、まず固定軸10に玉軸受B1a,B1bを設け、次いで第1円筒21などを加熱し、その後第1円筒21内に固定軸10及び玉軸受B1a,B1bを圧入する手法を採ることができる。
上記第1の変形例においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、上記実施形態の第2の変形例に係る回転陽極型X線管装置について説明する。図4は、上記実施形態の第2の変形例に係る回転陽極型X線管装置を概略的に示す断面図である。
図4に示すように、固定軸10は、円柱状であり、鉄などの金属材料で形成されている。X線管は、さらに潤滑剤としての液体金属LMを備え、軸受B1に動圧軸受を使っている。
固定軸10は、外面に位置したラジアル軸受面S10aを有している。ラジアル軸受面S10aは、固定軸10の外面に全周に亘って形成されている。第1円筒21は、ラジアル軸受面S10aに隙間を置いて対向したラジアル軸受面S21aを有している。ラジアル軸受面S21aは、第1円筒21の内面に全周に亘って形成されている。
ラジアル軸受面S21aの内径は、ラジアル軸受面S10aの直径より「わずかに」大きい。回転体20及び固定軸10は、軸受面同士が対向した領域を含む全対向領域で、互いに隙間(微小な隙間)を置いて設けられている。
液体金属LMは、固定軸10と回転体20との間の隙間に充填されている。軸受B1は、固定軸10の第1ラジアル軸受面S10aと、第1円筒21の第2ラジアル軸受面S21aと、液体金属LMと、を有したラジアル動圧軸受である。液体金属LMは、GaIn(ガリウム・インジウム)合金またはGaInSn(ガリウム・インジウム・錫)合金等の材料を利用することができる。液体金属LMは、常温で液状となる特性を持っている。また、液体金属LMは、蒸気圧が低いという特性も持っている。このため、真空状態の回転陽極型X線管の内部で液体金属LMを使用することができる。
上記第2の変形例においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
溶接部20eは、第2円筒22の内面と第3円筒23の外面とを、第2円筒22の内面の全周に亘って溶接し、液密に閉塞している。溶接部20fは、第1円筒21の外面と第2円筒22の内面とを、第2円筒22の内面の全周に亘って溶接し、液密に閉塞している。これにより、第1円筒21と第2円筒22との間の隙間、第1円筒21と第3円筒23との間の隙間、第2円筒22と第2円筒23との間の隙間、をそれぞれ伝うことによる回転体20の外側への液体金属LMの漏れを防止することができる。これにより、放電の発生や、真空外囲器70内の真空度の低下や、軸受B1における液体金属LMの不足を、それぞれ抑制することができる。
次に、上記実施形態の第3の変形例に係る回転陽極型X線管装置について説明する。図5は、上記実施形態の第3の変形例に係る回転陽極型X線管装置を概略的に示す断面図である。本変形例は、上述した第2の変形例と比較して、大まかに、回転陽極型X線管1が軸受B1だけでなく軸受B2,B3も有している点で相違している。
固定軸10は、スラスト動圧軸受を形成する鍔部11を有している。鍔部11は、固定軸10の中心軸R20に平行な方向に第1ラジアル軸受面S10aに並んで設けられ、筒状に形成されている。固定軸10は、鍔部11の一端に第1スラスト軸受面S11aを有し他端に第2スラスト軸受面S11bを有している。第1スラスト軸受面S11a及び第2スラスト軸受面S11bは環状に形成されている。
第1円筒21は、第1スラスト軸受面S11aに隙間を置いて対向した環状の第3スラスト軸受面S21bを有している。第3円筒23は、第2スラスト軸受面S11bに隙間を置いて対向した環状の第4スラスト軸受面S23aを有している。固定軸10及び回転体20は、全対向領域で、互いに隙間を置いて設けられている。液体金属LMは、固定軸10と回転体20との間の隙間に充填されている。
軸受B2は、第1スラスト軸受面S11aと、第3スラスト軸受面S21bと、液体金属LMと、を有した第1スラスト動圧軸受である。軸受B3は、第2スラスト軸受面S11bと、第4スラスト軸受面S23aと、液体金属LMと、を有した第2スラスト動圧軸受である。軸受B2及び軸受B3は、固定軸10及び回転体20の中心軸R20に沿った方向への相対的なズレを規制するものである。また、第3円筒23と固定軸10との間の隙間(クリアランス)は、回転体20の回転を維持するとともに液体金属LMの漏洩を抑制できる値に設定されている。以上のことから、上記隙間は僅かであり、第3円筒23はラビリンスシールリング(labyrinth seal ring)として機能するものである。
上記第3の変形例においても、上述した第2の変形例と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述した実施形態において、第1回転方向を右回り、第2回転方向を左回りとして説明したが、これに限らず、第1回転方向を左回り、第2回転方向を右回りとしてもよい。この場合、第1ねじ部21a及び第3ねじ部22aに左ねじを使用し、第2ねじ部21b及び第4ねじ部23aに右ねじを使用すればよい。
上述した実施形態において、第1先端面21eと第1当接面22cとが接し、第2先端面23cと第2当接面21fとが接する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、回転体20は、第1当接面22c及び第1先端面21eのみが接するように形成されていてもよい。又は、回転体20は、第2先端面23c及び第2当接面21fのみが接するように形成されていてもよい。
中心軸R20に平行な方向において、第1円筒21の第1円筒21の第1ねじ部21a及び第1平滑部21cの位置は逆であってもよい。この場合、第2円筒22の第3ねじ部22a及び第3平滑部22bの位置も逆となる。又は、中心軸R20に平行な方向において、第1円筒21の第2ねじ部21b及び第2平滑部21dの位置は逆であってもよい。この場合、第3円筒23の第4ねじ部23a及び第4平滑部23bの位置も逆となる。
上述した実施形態において、間隔20bが第1平滑部21cと第3平滑部22bの間隔である場合について説明したが、これに限定されるものではない。間隔20bは、中心軸20Rの法線方向において、互いに対向する、第2円筒22の平滑部と第3円筒23の平滑部の間隔であってもよい。
又は、上述した実施形態において、間隔20dが第2平滑部21d及び第4平滑部23bの間隔である場合について説明したが、これに限定されるものではない。間隔20dは、中心軸20Rの法線方向において、互いに対向する、第2円筒22の平滑部と第3円筒23の平滑部の間隔であってもよい。
又は、回転体20は、間隔20b及び間隔20dの替わりに、上記の互いに対向する第2円筒22の平滑部と第3円筒23の平滑部の間隔を有していてもよい。この場合、互いに対向する第2円筒22の平滑部と第3円筒23の平滑部の間隔が、間隔20a,20cより小さいことは言うまでもない。
本発明の実施形態は、上述した回転陽極型X線管及び回転陽極型X線管装置に限定されるものではなく、各種の回転陽極型X線管及び回転陽極型X線管装置に適用可能である。
10…固定軸、20…回転体、21…第1円筒、22…第2円筒、23…第3円筒、
21a…第1ねじ部、21b…第2ねじ部、21c…第1平滑部、21d…第2平滑部、
21e…第1先端面、21f…第2当接面、22a…第3ねじ部、22b…第3平滑部、
22c…第1当接面、23a…第4ねじ部、23b…第4平滑部、23c…第2先端面、
20a,20b,20c,20d…間隔、
20e,20f…溶接部。

Claims (10)

  1. 固定軸と、
    前記固定軸の周囲で軸受により支持された回転体と、
    電子を放出する陰極と、
    回転体に接続され、前記陰極から放出された電子が衝突しX線を発生する陽極ターゲットと、を備え、
    前記回転体は、
    外面に第1ねじ部と第1平滑部とが形成され、内面に第2ねじ部と第2平滑部とが形成された第1円筒と、
    内面に第3ねじ部と第3平滑部が形成され、第1回転方向に回して前記第3ねじ部を前記第1ねじ部に締め付けることにより前記第1円筒に連結された第2円筒と、
    外面に第4ねじ部と第4平滑部が形成され、前記第1回転方向とは逆向きの第2回転方向にまわして前記第4ねじ部を前記第2ねじ部に締め付けることにより、前記第1円筒に連結された第3円筒と、を備え、
    前記第2円筒と前記第3円筒とは互いに固定され、
    前記第1ねじ部と前記第3ねじ部の間隔より前記第1平滑部と前記第3平滑部の間隔は小さく、
    前記第2ねじ部と前記第4ねじ部の間隔より前記第2平滑部と前記第4平滑部の間隔は小さい回転陽極型X線管。
  2. 前記第1円筒は、前記回転体の中心軸に交差する第1先端面を備え、
    前記第2円筒は、前記第1先端面と対向する第1当接面を備え、
    前記第1先端面と前記第1当接面とは互いに接する請求項1に記載の回転陽極型X線管。
  3. 前記第3円筒は、前記回転体の中心軸に交差する第2先端面を備え、
    前記第1円筒は、前記第2先端面と対向する第2当接面を備え、
    前記第2先端面と前記第2当接面とは互いに接する請求項1又は2に記載の回転陽極型X線管。
  4. 前記第2円筒の内面と前記第3円筒の外面とが溶接されることにより前記第2円筒と前記第3円筒とが固定されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の回転陽極型X線管。
  5. 前記第2円筒の内面と前記第3円筒の外面とは、前記第2円筒の内面の全周に亘って溶接されている請求項4に記載の回転陽極型X線管。
  6. 前記第2円筒の内面と前記第1円筒の外面は、前記第2円筒の内面の全周に亘って溶接されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の回転陽極型X線管。
  7. 前記軸受は玉軸受である請求項1乃至6の何れか1項に記載の回転陽極型X線管。
  8. 前記軸受は潤滑剤を用いた動圧軸受である請求項1乃至6の何れか1項に記載の回転陽極型X線管。
  9. 前記潤滑剤は液体金属である請求項8に記載の回転陽極型X線管。
  10. 前記固定軸は、第1ラジアル軸受面と、第1スラスト軸受面と、第2スラスト軸受面と、を備え、
    前記第1円筒は、第2ラジアル軸受面と、第3スラスト軸受面と、を備え、
    前記第3円筒は第4スラスト軸受面を備え、
    前記第1ラジアル軸受面、第2ラジアル軸受面及び潤滑剤は、ラジアル動圧軸受を形成し、
    前記第1スラスト軸受面、第3スラスト軸受面及び潤滑剤は、第1スラスト動圧軸受を形成し、
    前記第2スラスト軸受面、第4スラスト軸受面及び潤滑剤は、第2スラスト動圧軸受を形成する請求項8又は9に記載の回転陽極型X線管。
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KR20180029307A (ko) * 2016-09-12 2018-03-21 트리니티 글라스 인터네셔널 Lvl을 이용한 강도 보강 도어
US10734185B2 (en) 2015-01-16 2020-08-04 Canon Electron Tubes & Devices Co., Ltd. Rotating anode type X-ray tube
WO2023127184A1 (ja) 2021-12-27 2023-07-06 キヤノン電子管デバイス株式会社 すべり軸受ユニット及び回転陽極型x線管
WO2023228430A1 (ja) * 2022-05-27 2023-11-30 キヤノン電子管デバイス株式会社 回転陽極型x線管

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