JP5529884B2 - 微粉末の製造方法及び同方法で製造された微粉末 - Google Patents

微粉末の製造方法及び同方法で製造された微粉末 Download PDF

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Description

本発明は、医薬品、化粧品、塗料、複写機、太陽電池、二次電池、記録媒体等の種々の分野の製品に使用される種々の原材料を微粉化し、これらの原材料の微粉末を生成するために使用される、微粉末の製造方法に関するものである。本発明は、また、この方法で製造された微粉末に関するものである。本発明は特に溶解性および混合均一性が著しく向上した微粉末の製造方法に関する。
現在の医薬品の候補化合物は、難溶解性のものが多い。難溶解性の医薬品は、消化管吸収率が低いため、投与量が多くなり、個体差による吸収のばらつきも大きくなる結果、医薬品として製品化が困難な場合がある。また、医薬品製剤においては、その医薬品の活性成分が占める割合が極めて少ない場合がある。したがって、各製剤における活性成分の含量均一性を確保することは、所期の薬効を得るために重要である。
従来、粒体や粉体等の種々の形態を備えた被粉砕原料の粒子を、更に細かく粉砕することにより、及び/又は、凝集した粒子を分散させることにより、被粉砕原料の微粉末が生成されている。このようにして微粉末を生成するための方法として、ジェットミルやハンマーミルに代表される乾式粉砕法や、ボールミル、サンドミル、ビーズミル等の固体粉砕媒体を用いる湿式媒体粉砕法が使用されている。ビーズミルを用いる湿式媒体粉砕法では、被粉砕原料を含むスラリーを、数百ミクロンから数ミリメートル程度の直径を有する球体で構成された多数のビーズと共に容器内で撹拌し、スラリー中を運動する多数のビーズの衝突等によって、被粉砕原料を粉砕し、また、凝集した二次粒子を分散させて、微粉末にする。このような粉砕用又は分散用のビーズとしては、従来、化学的に安定で硬度が高いジルコニア等で作られたセラミックスビーズや、金属コンタミネーションの発生が少ないウレタンやナイロン等で作られた樹脂ビーズや、耐摩耗性に優れたステンレス鋼等で作られた金属ビーズ等が使用されている。
一般に、湿式媒体粉砕法で使用される粉砕用又は分散用のビーズは、被粉砕原料の硬度よりも高い硬度を有する材料によって構成される。また、これらのビーズは、ビーズミル等の湿式媒体粉砕機の高速回転するディスクによって駆動され、これにより相応の運動量を付与されて、相応の速度で懸濁液中を移動する。この結果、ビーズは、湿式媒体粉砕機のベッセルの内壁やディスクの回転軸に衝突して、ベッセルの内壁やディスクの回転軸を摩耗させ、ベッセルの材料やディスクの回転軸の材料が懸濁液中に混入して、被粉砕原料を汚染する虞がある。また、ビーズ同士が衝突してビーズが摩耗し、ビーズの材料が懸濁液中に混入する虞がある。
特開平3−68444号公報には、100ミクロン未満、例えば10ミクロン未満の粒度を有する微細粉末を極低温液体又は凝固点降下液体中に装入することにより、粉末粒子の凝集を防止し、異種粉末を均質に混合することができると記載されている。
特開2001―46899号公報は、湿式媒体粉砕機のベッセル等の摩耗を防止するために、筒状の撹拌槽内に所定間隔をおいて配置された複数の撹拌部材と、撹拌槽内に充填されたビーズ状の分散媒体と撹拌槽内に注入されるスラリー状の被分散材料を撹拌する撹拌部と、撹拌部の上部に配置され、分散媒体を被分散材料から遠心分離し、被分散材料を撹拌槽外に取り出す、遠心分離部と、遠心分離部の上面及び撹拌槽の内壁の摩耗を防止する摩耗防止手段とを有する、連続循環式のビーズミルを開示する。
特開2002―30694号公報は、未分散顔料による目詰まりや分散用ビーズによる摩耗を生じることなく、微小粒径の分散用ビーズを使用可能にするため、ローター外周とベゼル内周とによって画成される環状隙間から、ローターの内部を通ってベゼルの排出口に至る流路を形成し、ローター内のこの流路の途中に遠心分離装置を設け、遠心分離装置の羽根車の回転に伴う遠心力により分散ペーストから分散用ビーズを遠心分離し、遠心分離された分散用ビーズをローターに形成された循環用開口部から前述の環状隙間に送り出すように構成した、連続循環式のビーズミルを開示する。
次に、湿式媒体粉砕機によって生成された被粉砕原料の微粉末は、湿式媒体粉砕機のベッセル(粉砕室)に貯留された懸濁液中に、粉砕用又は分散用のビーズと混在する。したがって、同一の湿式媒体粉砕機を使用して他の被粉砕原料を微粉化するには、ベッセルから懸濁液とビーズを取り出し、ベッセルの洗浄を行うと共に、必要に応じて、湿式媒体粉砕機の洗浄運転や取り出されたビーズの洗浄等を行う。
特開2007―268403号公報は、粉砕機のメンテナンスを容易化するため、粉砕機内に残留するスラリー原料をできる限り少なくすると共に、粉砕機から残留スラリーと微小ビーズを短時間で完全にかつ容易に取り出すことができるビーズミルを開示する。
前述のように、湿式媒体粉砕機によって生成された被粉砕原料の微粉末は、湿式媒体粉砕機のベッセルに貯留された懸濁液中に、粉砕用又は分散用のビーズと共に混在する。通常は、懸濁液から、先ず、ビーズを分離し、次いで、微粉末を分離する。懸濁液から分離された微粉末はスラリー状であるため、乾燥工程を経て、乾燥粉末にする必要がある。乾燥工程で加熱された粉体が再凝集する場合には、再度、粉砕又は分散処理を施す必要がある。
特開2003―1129号公報は、湿式媒体粉砕機を使用して被粉砕原料の乾燥した微粉末を生成するに際し、従来の乾燥工程を不要にするため、湿式媒体粉砕機に通常の粉砕用ビーズと共に低温の液化不活性ガスを注入し、液化不活性ガス内に被粉砕原料を分散させた懸濁液を生成し、この懸濁液を粉砕用ビーズと共に撹拌して被粉砕原料を粉砕し、その後、液化不活性ガスを気化させて乾燥粉末を生成する、微粉末の製造方法を開示する。
特開平3−68444号公報 特開2001−36899号公報 特開2002−306940号公報 特開2007−268403号公報 特開2003−1129号公報
湿式媒体粉砕機の遠心分離部の上面や撹拌槽の内壁の摩耗を防止する種々の手段が提案されているが、これらの摩耗防止手段によっては、粉砕又は分散動作中にビーズ同士が衝突して発生するビーズの摩耗を防止することはできない。ジルコニアは、硬く、耐摩耗性の高い、優れたビーズ材料であるが、たとえジルコニアビーズを使用しても、ある程度の摩耗は避けられない。医薬原体などの純度の高い微粉末を生成する場合には、人に対する安全性を担保するため、微粉末にビーズ材料が混入することを防止する必要がある。
また、湿式媒体粉砕機を使用した従来の湿式媒体粉砕法は、粉砕され、及び/又は、分散された微粉末を回収するために、遠心分離機等を使用して、懸濁液から粉砕用又は分散用のビーズを分離する工程を必要とする。媒体粉砕完了時に、粉砕用又は分散用のビーズは懸濁液中に残存し、生成された被粉砕原料の微粉末と懸濁液中に混在するためである。このようなビーズ分離工程は、湿式媒体粉砕法によって微粉末を生成するための工程数を増加させることになる。
更に、粉砕用又は分散用のビーズの表面には、生成された微粉末が付着しているため、懸濁液からビーズを分離すると、ビーズ表面に付着した微粉末はビーズと共に懸濁液から分離されてしまう。ビーズ表面に付着した微粉末を回収するには、更に別の工程が必要であり、また、微小なビーズ表面から微粉末を完全に回収することは困難である。したがって、懸濁液から粉砕媒体又は分散媒体としてのビーズを分離する工程を必要とする従来の湿式媒体粉砕法は、微粉末の回収率の低下が避けられないから、医薬原体等の高価な原料を微粉砕する方法として、必ずしも適当な方法ではない。
従来の湿式媒体粉砕法で使用される分散媒体は、主として、水であり、また、粉砕は常温で行われる。したがって、水分解性があり、かつ熱に弱い被粉砕原料を微粉化することができる粉砕法が求められている。また、分散媒体として水を使用したときには、懸濁液から微粉末を分離する工程が必要であり、更に、分離された微粉末はスラリー状であるから、特殊な乾燥工程を必要とする。また、スラリー状の微粉末は、乾燥後に凝集を生じやすいという欠点がある。
また、粉砕用又は分散用の固体ビーズを使用して被粉砕原料の微粉化を促進するには、微粉化が進むにつれて、より粒径の小さいビーズを使用して更なる微粉化を行う必要がある。換言すると、被粉砕原料の粉砕工程又は分散工程の途中で、ビーズを交換する必要がある。ビーズの粒径が小さい程、細かい微粉末を得ることができるからである。粉砕用又は分散用のビーズを交換するには、懸濁液からビーズを分離する工程と、より粒径の小さいビーズを懸濁液に投入する工程が必要である。したがって、微粉末の製造工程が増加するばかりでなく、ビーズに付着した微粉末の回収が困難になるから、微粉末の回収率が低下するという不都合を生じる。
本発明の第一の目的は、サブミクロンサイズからナノサイズまで粉砕可能であり、低融点の物質や水に溶けやすい物質を粉砕可能であり、より均一に微粉化することが可能であり、被粉砕物の結晶状態を維持したまま粉砕することが可能であり、固液分離操作を行なうことなく乾燥粉末を得ることが可能な、超低温媒体粉砕方法を提供することにある。
本発明の第二の目的は、医薬品材料の原末等の溶解性を格段に向上させることができる超低温媒体粉砕方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、不純物によって汚染される虞が少ない微粉末の製造方法と、この製造方法によって製造された微粉末を提供することにある。
本発明の他の目的は、粉砕用及び/又は分散用のビーズを懸濁液から分離する工程を不要にした微粉末の製造方法と、この製造方法によって製造された微粉末を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、微粉末の回収率が高い微粉末の製造方法と、この製造方法によって製造された微粉末を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、微粉末の乾燥が容易で、乾燥後に微粉末の凝集がほとんど発生しない、微粉末の製造方法と、この製造方法によって製造された微粉末を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、粉砕用及び/又は分散用のビーズを交換することなく、微粉化を促進することができる、微粉末の製造方法と、この製造方法によって製造された微粉末を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、安価に、かつ容易に、少ない工程で製造することができる、微粉末の製造方法と、この製造方法によって製造された微粉末を提供することにある。
本発明の第一の態様では、医薬品の原末および分散剤等の添加剤など被粉砕原料を液体窒素などの液化不活性ガス中に懸濁させ、これを超低温下で媒体粉砕法によって乾式粉砕処理し、サブミクロンサイズ乃至ナノサイズに微粉砕する。
本発明の第二の態様では、被粉砕原料および添加剤を、液体窒素などの液化不活性ガス中でジルコニアビーズ等の粉砕材によって個別粉砕あるいは共粉砕し、粉砕材を除去し、液化不活性ガスを蒸発させる。これにより、サブミクロン領域乃至ナノ領域への微粉砕を実現することができるとともに、被粉砕物質と添加剤とが均一に混合された混合物を得る。粉砕材は好ましくは、ジルコニア、メノウ、石英、チタニア、タングステンカーバイト、窒化ケイ素、アルミナ、ステンレス鋼、ソーダガラス、低ソーダガラス、ソーダレスガラス、高比重ガラス、又は、ドライアイス(二酸化炭素、亜酸化窒素)などのビーズである。ビーズの粒径は好ましくは、0.03乃至25mmの範囲あり、より好ましくは、0.03乃至2mmの範囲ある。上記液化不活性ガスは、液体窒素、液体ヘリウム、液体ネオン、液体アルゴン、液体クリプトン、液体キセノンなどである。上記添加剤は、好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、ポリビニルピロリドン(PVP)、メタアクリル酸ポリマー(Eudragit L100)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、微結晶セルロース(MMC)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)又は乳糖を始めとする医薬品用水溶性添加剤あるいは分散促進剤である。
本発明の第三の態様では、液化不活性ガスを分散媒体として被粉砕原料と粒状ドライアイスの懸濁液を生成し、前記懸濁液を粉砕機で撹拌することにより、前記懸濁液中で前記被粉砕原料を微粉化する。ここで、被粉砕原料の微粉化とは、被粉砕原料の粉砕と分散のいずれか一方又は双方を意味する。従来の粉砕用のビーズに代えて、粒状ドライアイスを使用することにより、粉砕機の粉砕容器の内壁や回転軸等が従来のビーズの衝突によって摩耗し、それらの材料粉が懸濁液に混入することや、従来のビーズ同士が衝突して、ビーズが摩耗し、ビーズの材料粉が懸濁液に混入することを防止することができる。ここにいう従来のビーズとは、アルミナ、メノウ、ジルコニア、窒化珪素、チタニア等の材料で構成されたセラミックビーズや、スチール、タングステンカーバイト、ステンレス鋼等の材料で構成された金属ビーズや、ソーダガラス、石英ガラス等の材料で構成されたガラス系ビーズや、ウレタン等の材料で構成された樹脂ビーズを含む。これらの従来のビーズの使用に際しては、被粉砕材料よりも硬度が高い材料で構成されたビーズが選択される。これらのビーズは、衝撃圧縮、摩擦、剪断、ずり応力等を利用して被粉砕原料を粉砕するから、ビーズの材料の硬度が被粉砕材料の硬度よりも低いと、ビーズが粉砕されて異物が発生するという問題を生じるからである。これに対し、本発明で使用する粒状ドライアイスは、微粉化後に昇華して消滅するから、生成された微粉末を汚染しない。
本発明のこの態様では、更に、懸濁液中で被粉砕原料を微粉化した後、前記懸濁液から前記液化不活性ガスを気化させ、かつ前記粒状ドライアイスを昇華させて、前記被粉砕原料の乾燥した微粉末を生成することを特徴とする。液化不活性ガスの気化及びドライアイスの昇華は、懸濁液を室温で放置することによっても行うことができる。懸濁液中で被粉砕原料を微粉化した後、懸濁液から液化不活性ガスを気化させ、ドライアイスを昇華させれば、微粉化された被粉砕原料が残るから、被粉砕原料の微粉末を直接回収することができる。換言すると、被粉砕原料の微粉末を回収するため、懸濁液から液化不活性ガスを分離する工程や、懸濁液からドライアイスを分離する工程を必要としないから、微粉化された被粉砕原料が液化不活性ガスやドライアイスと共に懸濁液中から外部に排出されることを確実に防止することができる。よって、被粉砕原料の微粉末の回収率を著しく向上させることができる。更に、回収された微粉末の水分含有率は低いから、容易に乾燥させることができると共に、乾燥後に微粉末の凝集が発生することを防止することができる。
本発明は、分散媒体として液化不活性ガスを使用するが、好ましい液化不活性ガスとして、液体窒素、液体ヘリウム、液体ネオン、液体アルゴン、液体クリプトン、液体キセノンを挙げることができる。
本発明で使用するドライアイスとしては、二酸化炭素又は亜酸化窒素を挙げることができるが、固体二酸化炭素が好ましい。
本発明で使用するドライアイスは、ドライアイス粉末を金型等で成型した、所謂、「硬いドライアイス」を、適当な方法で粉砕して形成することができる。本発明で使用する粒状ドライアイスの平均粒径は、例えば、0.01乃至25.0mmに設定することができる。この粒状ドライアイスの平均粒径は、また、0.10乃至1.00mmであることができる。粉砕を主たる目的とするときは、粒状ドライアイスの平均粒径を0.30乃至1.00mmに設定することができる。また、分散を主たる目的とするときは、粒状ドライアイスの平均粒径を0.03乃至0.30mmに設定することができる。なお、粒状ドライアイスの代わりに塊状ドライアイスを用意し、粉砕機を使用して塊状ドライアイスと被粉砕原料を液化不活性ガス中で撹拌することにより、塊状ドライアイスを粒状ドライアイスに粉砕すると共に、この粒状ドライアイスで被粉砕原料を破砕し、及び/又は、分散させて、所望の粒径の微粉末を得ることもできる。更に、液化不活性ガス中にジルコニアビース等の粉砕用ビーズと塊状又は粒状ドライアイスを投入し、粉砕機を使用して、所定時間、ドライアイスを粉砕し、その後、粉砕用ビーズを分離することによって、ドライアイスの粒径を所定範囲に調整することもできる。なお、予め、粒状ドライアイスに被粉砕物質を内包させておくこともできる。
この実施態様で使用する粒状ドライアイスは、液化ガス保存容器中に液化窒素を充填し、この液化窒素中に例えばショットブラスト用ドライアイス(ショットドライ)を投入し、12時間浸漬することによって生成することができる。このとき、液化窒素とドライアイスの容積比率が2:1になるように混合する。12時間浸漬した後、液化窒素を分離すると粒状ドライアイスを得ることができる。こうして得られた粒状ドライアイスは、粉砕用ドライアイスビーズとして使用することができる。例えば、この方法で、直径3.0mm、長さ5.0乃至30.0mmの円柱形状のショットブラスト用ドライアイス(ショットドライ)を液化窒素中に12時間浸漬させると、平均粒子径が0.5乃至1.5mmの粒状ドライアイスが生成される。
本発明の微粉末の製造方法は、また、液化不活性ガスを分散媒体として被粉砕原料と粒状ドライアイスの懸濁液を生成し、前記懸濁液を粉砕機で撹拌することにより、前記懸濁液中で前記被粉砕原料を微粉化する間に、前記粒状ドライアイスの粒径が減少することを特徴とする。粒状ドライアイスの粒径が摩耗等によって徐々に減少すると、従来、粒径の小さいビーズに交換して微粉化を促進していたのと同様の作用を生じ、被粉砕原料はより微細な粉末に微粉化される。したがって、本発明の微粉末の製造方法によれば、粉砕用及び/又は分散用のビーズを交換することなく、粉砕機の運転時間を延長するのみで、効果的に微粉化を促進することができる。
また、本発明の微粉末の製造方法は、液化不活性ガスを分散媒体として被粉砕原料の懸濁液を生成し、前記懸濁液を粉砕機によって粉砕用又は分散用ビーズと共に撹拌することにより、前記懸濁液中で前記被粉砕原料を微粉化する、微粉末の製造方法において、前記粉砕用又は分散用ビーズの全部又は一部に代えて粒状ドライアイスを使用することを特徴とする。粉砕機で従来から使用されている粉砕用又は分散用ビーズの全部又は一部を粒状ドライアイスで置換することにより、粉砕用又は分散用ビーズの使用量を減少させることができるから、ビーズ等の摩耗量を減少させ、微粉末の汚染度を軽減することができる。また、粉砕用又は分散用ビーズの一部を粒状ドライアイスで置換することにより、ビーズによる粉砕や分散と粒状ドライアイスによる粉砕や分散とを同時に行うことができる。ここで、液化不活性ガスを液体窒素とし、粉砕機をビーズミルとすることができる。また、粒状ドライアイスは、0.30乃至1.00mmの粒径を有する、二酸化炭素の固体粒子で構成することができる。
本発明によれば、超低温下での物質の低温脆性と粒子細部まで浸透した分散媒の凝集障壁効果により、従来の粉砕方法では達成できないサブミクロン領域乃至ナノ領域への微粉砕を実現することができる。
従来の粉砕方法では、粉砕後に原末の非晶質化が認められるが、本発明の方法では、粉砕の前後で、原末の結晶転移や結晶性の低下は認められない。換言すると、本発明の方法によれば、原末の結晶形・結晶性を維持したまま原末の粉砕を行なうことができる。
本発明の方法によれば、低融点の物質や水に溶けやすい物質を粉砕することができる。また、本発明の方法によれば、常温粉砕方法で粉砕するよりも、均一に微粉化をすることができる。更に、液体窒素などの液化不活性ガスは自然蒸発するから、粉砕処理後にそのまま乾燥粉末を得ることができる。これにより、医薬品原末の溶解性の向上を図ることができるから、特に、難溶性の医薬品原末の溶解性の向上に伴う経口投与時の生物学的利用能の改善を図った製剤の開発に資することができる。これにより、本発明の方法は、医薬品の有効成分の溶出性を劇的に改善することができる他、工業材料に適用すれば、工業材料の溶解性乃至溶解速度を格段に向上させることができる。
本発明の微粉末の製造方法によれば、被粉砕物質と添加剤のサブミクロン領域乃至ナノ領域への微粉砕が可能であるから、その溶解性を格段に向上させることができると同時に、簡便な操作で、サブミクロン領域乃至ナノ領域に微粉砕された被粉砕物質と添加剤の均一な混合物を得ることができる。
本発明の微粉末の製造方法によれば、より安価に、かつ、より容易に、更に、より少ない工程で、微粉末を製造することができる。また、本発明で粉砕可能な原料は特に制限されるものではないが、従来の湿式媒体粉砕法によっては粉砕が困難な水溶性の被粉砕原料や、微量の不純物の混入も避けなければならない医薬品原体を効果的に粉砕し、及び/又は、分散させることができる。特に、近年、医薬品原体として使用される難容性医薬が増加している。これらの難容性医薬は、微粉化により、その溶出性を向上させることが切望されている。本発明の微粉末の製造方法によれば、従来のビーズ交換をすることなく、粉砕時間を延長するのみで微粉化を促進することができるから、微粉化度の制御が容易になり、ひいては難容性医薬の溶解度や溶解速度を向上させることが期待される。また、本発明の微粉末の製造方法は、高価な医薬品原末を汚染することがないばかりか、その微粉末の回収率を向上させることができる。なお、本発明の微粉末の製造方法は、液化不活性ガスを分散媒体として使用するから、分散媒体に高分子分散剤や界面活性剤等の凝集防止剤を混入させることなく、被粉砕原料を微粉化することができる。よって、生成される微粉末が分散を促進する異成分によって汚染されることはない。
本発明のその他の特徴及び作用効果は、以下の実施例の説明から明らかになる。
図1は、本発明の超低温媒体粉砕方法を実施するための装置の模式図である。 図2は、難溶性薬物としてのフェニトイン(Phenytoin)を走査型電子顕微鏡によって撮影した図面代用写真であり、図2(A)は、フェニトイン原末の3000倍の電子顕微鏡写真であり、図2(B)は、本発明の超低温媒体粉砕方法によって粉砕されたフェニトインの10000倍の電子顕微鏡写真であり、図2(C)は、乾式ジェットミル法によって粉砕されたフェニトインの10000倍の電子顕微鏡写真である。 図3は、難溶性薬物としてのイブプロフェン(Ibuprofen)を走査型電子顕微鏡によって撮影した図面代用写真であり、図3(A)は、イブプロフェン原末の1000倍の電子顕微鏡写真であり、図3(B)は、本発明の超低温媒体粉砕方法によって粉砕されたイブプロフェンの5000倍の電子顕微鏡写真であり、図3(C)は、乾式ジェットミル法によって粉砕されたイブプロフェンの5000倍の電子顕微鏡写真である。 図4は、水溶性薬物としての硫酸サルブタモール(Salbutamol)を走査型電子顕微鏡によって撮影した図面代用写真であり、図4(A)は、硫酸サルブタモール原末の1000倍の電子顕微鏡写真であり、図4(B)は、本発明の超低温媒体粉砕方法によって粉砕された硫酸サルブタモールの5000倍の電子顕微鏡写真であり、図4(C)は、乾式ジェットミル法によって粉砕された硫酸サルブタモールの5000倍の電子顕微鏡写真である。 図5は、フェニトインとヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)との混合粉砕物の溶出性を示す図である。(実施例12) 図6は、フェニトインを粉砕した粉砕物の溶出性を示す図である。(参考例1) 図7は、フェニトインと市販の添加剤(乳糖とL−HPC)との混合物の溶出性を示す図である。(参考例2) 図8は、フェニトインとポリビニルピロリドン(PVP)との混合粉砕物の溶出性を示す図である。(実施例13) 図9は、フェニトインとメタアクリル酸ポリマー(Eudragit L100)との混合粉砕物の溶出性を示す図である。(実施例14) 図10は、フェニトインとカルボキシメチルセルロース(CMC)との混合粉砕物の溶出性を示す図である。(実施例15) 図11は、フェニトインと微結晶セルロース(MCC)との混合粉砕物の溶出性を示す図である。(実施例16) 図12は、フェニトインと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)との混合粉砕物の溶出性を示す図である。(実施例17) 図13は、フェニトインとヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)との混合粉砕物の溶出性を示す図である。(実施例18)。 図14は、被粉砕物質と添加剤の溶解度を示す図である。(実施例19) 図15は、化合物(フェニトイン)と添加剤(PVP)を共粉砕した試料と、それぞれを別々に単独粉砕し、液体窒素を乾燥させる前に混合した試料の溶出性を示す図である。(実施例20) 図16は、化合物(フェニトイン)だけ粉砕し、未処理の添加剤(PVP)を添加した場合の溶出性を示す図である。(実施例21) 図17は、本発明の微粉末の製造方法に使用可能な湿式媒体撹拌ミルの全体図である。図17(A)は、その正面図であり、図17(B)は、その左側面図である。 図18は、図17の湿式媒体撹拌ミルの粉砕容器の縦断面図である。 図19は、図17及び図18の湿式媒体撹拌ミルの標準ディスクの図面代用写真である。 図20は、図17及び図18の湿式媒体撹拌ミルの旋回翼付きディスクの図面代用写真である。 図21は、微粉化前のドライアイス粒子をデジタル式光学顕微鏡(倍率100倍)で撮影した図面代用写真である。 図22は、微粉化後のドライアイス粒子をデジタル式光学顕微鏡(倍率100倍)で撮影した図面代用写真である。 図23は、本発明の微粉末の製造方法に従って30分間粉砕したフェニトインを電子顕微鏡(10,000倍)で撮影した図面代用写真である。 図24は、本発明の微粉末の製造方法に従って60分間粉砕したフェニトインを電子顕微鏡(10,000倍)で撮影した図面代用写真である。 図25は、本発明の微粉末の製造方法に従って120分間粉砕したフェニトインを電子顕微鏡(10,000倍)で撮影した図面代用写真である。 図26は、本発明の微粉末の製造方法に従ってフェニトインを粒状ドライアイスによって30分間粉砕し、液体窒素を気化させた後に、フェニトインとドライアイスが混じった状態をデジタル式光学顕微鏡(倍率100倍)で撮影した図面代用写真である。 図27は、本発明の微粉末の製造方法に従って60分間粉砕したインドメタシンを電子顕微鏡(10,000倍)で撮影した図面代用写真である。 図28は、本発明の微粉末の製造方法に従って120分間粉砕したインドメタシンを電子顕微鏡(10,000倍)で撮影した図面代用写真である。
本発明の方法によって粉砕可能な被粉砕原料は、特に限定されるものではないが、特に難溶出性の医薬物質に適用すると有効である。かかる難溶出性の物質としては、例えば、フェニトイン(Phenytoin)、イブプロフェン(Ibuprofen)などが挙げられる。
本発明で使用される添加剤は、例えば、医薬品の添加剤として通常使用されているものを使用することができる。このような添加剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、ポリビニルピロリドン(PVP)、メタアクリル酸ポリマー(Eudragit L100)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、微結晶セルロース(MCC)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)、乳糖などが挙げられる。添加剤は、共粉砕する被粉砕物質の種類によって適宜選択するのがよい。
本発明において使用可能なビーズとして、例えば、ジルコニア、メノウ、石英、チタニア、タングステンカーバイト、窒化ケイ素、アルミナ、ステンレス鋼、ソーダガラス、低ソーダガラス、ソーダレスガラス、高比重ガラス、ドライアイス(二酸化炭素、亜酸化窒素)ビーズが考えられる。また、ビーズの粒径は、0.03乃至25mm、好ましくは0.03乃至2mmの範囲にあるのが適当であると考えられる。使用するビーズの種類や粒径は、被粉砕物質ならびに添加剤の種類、粉砕物質の目標粒度などにより適宜選択される。
本発明の方法は、液化不活性ガスによる超低温下で行われることから、使用できる液化不活性ガスとしては、例えば、液体窒素、液体ヘリウム、液体ネオン、液体アルゴン、液体クリプトン、液体キセノンなどをあげることができ、このうちでも液体窒素が好ましい。
本発明の粉砕方法は、被粉砕物質と添加物とを液化不活性ガスによる超低温下でビーズ媒体を使用して粉砕した後、その媒体を当該技術分野で慣用されている手段で除去し、液化不活性ガスを蒸発、好ましくは自然蒸発させることによって均一に混合された粉砕物を得ることができる。
被粉砕物質と添加物とを液化不活性ガスによる超低温下でビーズ媒体を使用して共粉砕すると、被粉砕物質と添加物とを同時にサブミクロンからナノサイズまでの広い領域に粉砕可能であり、溶解性が改善された粉砕物を製造することができる。被粉砕物質と添加物との共粉砕後、その媒体を当該技術分野で慣用されている手段で除去し、液化不活性ガスを蒸発、好ましくは自然蒸発させることによって、溶解性が改善され、均一に混合された粉砕物を得ることができる。
被粉砕物質および添加剤を、液化不活性ガスによる超低温下でビーズ媒体を使用して個別に粉砕し、その媒体を当該技術分野で慣用されている手段で除去した後、粉砕された被粉砕物を含有する懸濁液と粉砕された添加物を含有する懸濁液を混合し、液体窒素を蒸発させ、好ましくは自然蒸発させることによって、均一に混合された粉砕物を得ることができる。
なお、本発明の方法は、ビーズミル等を使用し、当該技術分野において慣用されている操作手法に従って実施することができるので、本明細書では、その操作手法についての詳細な説明は省略する。
実施例1から4の概要
材料について
難溶性薬剤としてフェニトイン及びイブプロフェン(低融点:76℃)を用い、水溶性薬剤として硫酸サルブタモールを使用した。また、粉砕媒体として、0.1、0.3、0.6、1.0mmφの各サイズのジルコニア製ビーズ(小球体)(YTZボール、ニッカトー)を使用した。
粉砕装置について
図1に模式的に示した超低温媒体粉砕装置(LN2ビーズミル)を使用した。この粉砕装置は、バッチ式ビーズ粉砕機(レディーミル RMB−04、アイメックス)を液体窒素粉砕用に改良したもので、容器(ベッセル)1と回転軸(シャフト)2と回転盤(ディスク)3を備え、これらの容器1、回転軸2及び回転盤3は、すべてジルコニア製である。
液体窒素(LN2)の基礎物性について
低反応性・無毒性:接触物質と反応しない。
沸点:−196℃
低溶解能:ほとんどの固体物質を溶解させない。
表面張力:10.5mN/m(水の約1/7であり、粉体への濡れ性が高い。)
粘度:0.15×10―2poise(水の約1/7であり、細孔内へ浸潤し易い。)
蒸発潜熱:47.7kcal/kg(水の1/11であり、常温常圧で急速に蒸発する。)
超低温媒体粉砕による粉砕方法について
図1の超低温媒体粉砕装置(LN2ビーズミル)の400mLの容量を有する容器1に、直径0.1、0.3、0.6、あるいは1.0mmφのジルコニア製ビーズ(小球体)4を嵩体積として180mL分(重量として658g)充填し、ここに嵩体積として50mL分(重量として15乃至20g)の薬物を仕込んだ。容器1の体積の90%が満たされるように液体窒素5を充填し、設定速度で回転軸2を回転させ、媒体粉砕(ビーズミル)を行なった。気化による損失分の液体窒素5を随時補充しながら、30分間回転を連続させた。粉砕後、ジルコニアビーズに応じた目開きの篩を用いてビーズを篩別し、篩過した懸濁液を室温・大気圧下で放置して液体窒素を揮発させ、粉砕粒子から成る乾燥粉末を得た。
ジェットミルによる乾式粉砕方法について
薬物原末20gを0.7MPaの空気圧でジェットミル粉砕(A−O jet mill、セイシン企業)し、超低温媒体粉砕の結果と比較対照した。
粉砕粒子の評価方法について
(1)電子顕微鏡(SEM)による観察
白金蒸着した粉砕粒子の外観を走査型電子顕微鏡(JSM−6060、日本電子)によって観察した。
(2)粒度分布
粉砕粒子を圧縮空気(0.4MPa)で分散させ、レーザー回折式粒度分布装置(LMS−30、セイシン企業)によって乾式粒度分布を測定した。一方、精製水に超音波分散(30秒)させた懸濁液をレーザー回折式粒度分布装置(SALD−2100、島津製作所)によって湿式粒度分布を測定した。
(3)結晶特性
粉末X線回析装置(RAD−2VC、リガク)、及び示差走査熱量計(DSC−60、島津製作所)によって原末と粉砕粒子の結晶状態を測定した。なお、DCS曲線の融点ピーク面積から融解熱量(J/g)を算出し、結晶化度の指標とした。
図2は、フェニトインの原末と粉砕粒子のSEM写真を示す。図2(B)、(C)を比較すると、ジェットミルによる粉砕品よりも、LN2媒体粉砕品の方が粒度が細かく、長短度が小さい形状の揃った粒子を形成していることが解る。図2(B)に示したフェニトインのLN2粉砕品では、1μm以下の粒子が多数を占め、通常の乾式粉砕では困難と言われているサブミクロンサイズへの粉砕が達成されていることが解る。
表1は、回転軸2の回転速度がフェニトインの粉砕粒子寸法に与える影響を表わす乾式粒度分布を示し、表2は、回転盤3の回転速度がフェニトインの粉砕粒子寸法に与える影響を表わす湿式粒度分布を示す。前述のように、乾式粒度分布は、レーザー回折散乱法(乾式法:Dry method)によって測定され、湿式粒度分布は、レーザー回折法(湿式法:Wet method)によって測定された。
Figure 0005529884
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表3は、ビーズ径がフェニトインの粉砕粒子寸法に与える影響を表わす湿式粒度分布を示す。この湿式粒度分布は、前述のように、レーザー回折法(湿式法:Wet method)によって測定された。
Figure 0005529884
表4は、フェニトイン原末(OriB)の粒度分布と、フェニトインを乾式ジェットミルで粉砕した粉砕品(Jet)の粒度分布と、フェニトインを本発明の超低温媒体粉砕装置(LN2ビーズミル)で粉砕した粉砕品(LN2)の粒度分布を、前述の乾式法(Dry method)で測定した結果を示す。表5は、フェニトイン原末(OriB)の粒度分布と、フェニトインを乾式ジェットミルで粉砕した粉砕品(Jet)の粒度分布と、フェニトインを本発明の超低温媒体粉砕装置(LN2ビーズミル)で粉砕した粉砕品(LN2)の粒度分布を、前述の湿式法(Wet method)で測定した結果を示す。フェニトインの粉砕品(LN2)の粒度分布は、乾式法、湿式法ともに、0.3μm程度から10μmまでブロード化し、SEM画像とは整合しない結果となっている。これは、一部凝集体としての粒度を測定しているためと推測される。ただし、1μm以下の粒子が占める質量割合(サブミクロン率)は、湿式法で最大32%となり、ジェットミル品と比較して3.5倍となり、粉砕効果が優れていることが示唆された。また、ジルコニアビーズ径を変更した際の粉砕効果は、0.3乃至1mmφでは大きく変わらないものの、0.1mmφではやや劣る結果となった。ビーズ間の衝突回数と、ビーズ1個の衝突力が粉砕を引き起こしていると推測される。
Figure 0005529884
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表6は、フェニトイン原末(OriB)と、フェニトインを乾式ジェットミルで粉砕した粉砕品(Jet)と、フェニトインを本発明の超低温媒体粉砕装置(LN2ビーズミル)で粉砕した粉砕品(LN2)を、粉末X線回析装置(RAD−2VC、リガク)で計測した粉末X線回析(XRPD)の結果を示す。また、表7は、フェニトイン原末(OriB)と、フェニトインを乾式ジェットミルで粉砕した粉砕品(Jet)と、フェニトインを本発明の超低温媒体粉砕装置(LN2ビーズミル)で粉砕した粉砕品(LN2)を、示差走査熱量分析装置(DSC−60、島津製作所)で計測した示差走査熱量を示す。表7に添付されたサンプル値から明らかなように、オリジナルバルク(フェニトイン原末)のΔH値とLN2ビーズミルによって粉砕された粉砕品(LN2)のΔH値の差は微少であり、LN2ビーズミルによって粉砕された粉砕品に結晶性の低下は見られない。これに対し、乾式ジェットミルで粉砕された粉砕品(Jet)のΔH値とオリジナルバルク(フェニトイン原末)のΔH値とは大きく異なり、乾式ジェットミルで粉砕したときには、結晶化度は81%にまで低減することが認められた。このように、LN2ビーズミルによる粉砕の前後で結晶転移や結晶性の低下は全く見られず、フェニトイン原末の結晶形・結晶性が維持されたまま粉砕が進行することが解る。
Figure 0005529884
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図3は、イブプロフェンの原末と粉砕粒子のSEM写真を示す。図3(B)、(C)を比較すると、ジェットミルによる粉砕品よりも、LN2媒体粉砕品の方が粒度が細かく、長短度が小さい形状の揃った粒子を形成していることが解る。また、イブプロフェンのような低融点(76℃)化合物でも、粉砕時の発熱を直ちに緩和することが可能であり、微粉砕が促進された。
図4は、硫酸サルブタモールの原末と粉砕粒子のSEM写真を示す。図4(B)、(C)を比較すると、ジェットミルによる粉砕品よりも、LN2媒体粉砕品の方が粒度が細かく、長短度が小さい形状の揃った粒子を形成していることが解る。また、硫酸サルブタモールのような水溶性薬物に対しても、本発明方法は有効であることが解る。
本発明の超低温媒体粉砕方法の実施態様の一つとして、医薬品の原末等に分散剤等の添加剤を混合した後、原末と添加剤の混合物を液体窒素中に懸濁させ、この混合物を超低温下で媒体粉砕法によって乾式粉砕処理し、サブミクロンサイズ乃至ナノサイズに微粉砕することができる。従来、難溶性医薬の溶解性を向上させるため、薬剤をナノサイズに微粉化し、薬剤の表面積を増大させるという手法が採られているが、単に薬剤を微粉化すると、表面積が増大した分だけ薬剤表面が活性化し、微粉化した薬剤の凝集が起こる傾向が認められる。凝集した薬剤は、溶解性が低下するから、薬剤を微粉化した効果が十分に発揮されない場合がある。しかしながら、例えば、薬剤の原末に分散剤を混合し、薬剤の原末と分散剤との混合物を、本発明の超低温媒体粉砕方法によって微粉化すると、微粉化された原末と原末の間に分散剤が介在し、原末の凝集を防止することが期待される。また、薬剤の原末と分散剤という異種物質を共粉砕することによって、両者の物性の相異から、原末と分散剤の粒子径を更に小さくすることができると考えられる。これにより、原末の表面積が更に増大するから、体内で原末の分散が極めて急速に行なわれ、薬剤の溶解性を劇的に向上させることができる。更に、分散剤の種類を選択することにより、体内の所望の個所で粉砕薬物粒子の分散を起こすことができるから、所望の薬効を確実に得ることができる。本発明の超低温媒体粉砕方法によって薬剤の原末を微粉化した第一の試料と、本発明の超低温媒体粉砕方法によって薬剤の原末と分散剤を個々に微粉化した後に、微粉化された薬剤の原末と微粉化された分散剤を混合した、第二の試料と、薬剤の原末に分散剤を混合した後、この混合物を本発明の超低温媒体粉砕方法によって微粉化した、第三の試料を用意し、これらの試料の溶解度を時間に関してグラフ化すると、第一の試料の溶解度は、時間の経過と共に、緩やかに、ほぼ直線的に上昇するのに対し、第二の試料の溶解度は、溶解初期において比較的鋭角的に上昇し、その後、次第に緩やかに上昇した後、第一の試料の溶解度の1.3倍程度の値に収束する。これに対し、第三の試料の溶解度は、溶解初期において第二の試料の溶解度の5倍程度の値まで、ほぼ直線的に、極めて急速に増大し、次いで、第二の試料の溶解度の2倍程度の値まで弧を描いて上昇し、その後、第二の試料の溶解度の1.4倍程度の値まで緩やかに上昇することが期待される。溶解初期において、第一の試料の溶解度は1%程度であり、第二の試料の溶解度は10%程度であるのに対し、第三の試料の溶解度は50乃至60%であることが期待される。
被粉砕化合物として医薬品のフェニトインを、また添加剤としてヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)を用いて、混合比率1:1(重量比)の割合で混合し、全体量15gを仕込んで微粉砕して、その微粉砕フェニトインの溶解性、特に溶解速度もしくは溶出速度の改善度合いを調べた。粉砕条件は、媒体としてのビーズとしてはジルコニウムビーズ(ビーズ径:0.6mm;ビーズ量:150cc)を用い、回転数1600rpm、粉砕時間15分で実験を行った。またビーズを除去するために使用した液体窒素は6Lであった。得られた粉砕フェニトインの粒子径は表8に示す通りである(乾式気中分散レーザー回折評価による。以下同じ。)。
実施例5と実質的に同様にして、添加剤としてポリビニルピロリドン(PVP)を使用して、フェニトインを微粉砕した。得られた粉砕フェニトインの粒子径は表8に示す通りである。
実施例5と実質的に同様にして、添加剤としてメタアクリル酸ポリマー(Eudragit L100)を使用して、フェニトインを微粉砕した。得られた粉砕フェニトインの粒子径は表8に示す通りである。
実施例5と実質的に同様にして、添加剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を使用してフェニトインを微粉砕した。得られた粉砕フェニトインの粒子径は表8に示す通りである。
実施例5と実質的に同様にして、添加剤として微結晶セルロース(MCC)を使用してフェニトインを微粉砕した。得られた粉砕フェニトインの粒子径は表8に示す通りである。
実施例5と実質的に同様にして、添加剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)を使用してフェニトインを微粉砕した。得られた粉砕フェニトインの粒子径は表8に示す通りである。
実施例5と実質的に同様にして、添加剤としてヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)を使用してフェニトインを微粉砕した。得られた粉砕フェニトインの粒子径は表8に示す通りである。
Figure 0005529884
表8において、Nano%は粉砕物質の粒径が1μm以下の存在割合を示す.D10、D50およびD90は、累積粒度分布曲線におけるそれぞれ10%、50%、90%粒子径を意味する。なお、フェニトイン単独粉砕に比べて、Eudragit L100共粉砕の場合以外においては、若干の粗大粒子が観測されたが、これは添加剤自身が粉砕されにくい性質を持つため、その存在が全体の粒子径を大きく見せる結果になっている。
実施例5で得られた供試化合物(フェニトイン)と添加物(ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS))との共粉砕で得られた共粉砕物の溶出性の改善度合いを確かめるために、以下のように溶出試験を実施した。試料33.3mgを0.1%(w/v)のTween80を含まない水に懸濁させて、得られた懸濁液を試験液(50Mm リン酸緩衝液、pH6.8)900mLに投入して、薬局方第二法(パドル法)に従って、75回転の条件下で試験をした。得られた結果を図5に示す。
(参考例1)
被粉砕化合物(フェニトイン)のみからなる試料を実施例5に示した条件にて単独粉砕し、粉砕して得られた粉砕物を用いて溶出試験を実施した。試料66.7mgを0.1%(w/v)のTween80を含む水に懸濁して、得られた懸濁液を試験液900mLに投入して、薬局方第二法(パドル法)に従って、75回転の条件下で試験をした。その結果、化合物の単独粉砕によっては粒子径が1μm以下の粒子を含む微粉化をすることは可能であるが、試験液中で凝集するために、溶出性は改善せずに、むしろ悪化した(図6参照)。
(参考例2)
参考例1で使用した試料に対して、溶出試験を行う前に、市販の添加剤(乳糖とL−HPC)とを容器内で手混合により混ぜて溶出実験を実施したところ、化合物の溶出性は少しの改善は見られたが、粉砕する利点はあまり生かされていなかった(図7参照)。
実施例12と実質的に同様にして、添加剤としてポリビニルピロリドン(PVP)を使用して得られた共粉砕物の溶出性の改善度合いを調べた。その結果を図8に示す。
実施例12と実質的に同様にして、添加剤としてメタアクリル酸ポリマー(Eudragit L100)を使用して得られた共粉砕物の溶出性の改善度合いを調べた。その結果を図9に示す。
実施例12と実質的に同様にして、添加剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を使用して得られた共粉砕物の溶出性の改善度合いを調べた。その結果を図10に示す。
実施例12と実質的に同様にして、添加剤として微結晶セルロース(MCC)を使用して得られた共粉砕物の溶出性の改善度合いを調べた。その結果を図11に示す。
実施例12と実質的に同様にして、添加剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)を使用して得られた共粉砕物の溶出性の改善度合いを調べた。その結果を図12に示す。
実施例12と実質的に同様にして、添加剤としてヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)を使用して得られた共粉砕物の溶出性の改善度合いを調べた。その結果を図13に示す。
上記の結果から、本発明による被粉砕物質と添加物との共粉砕による溶出性の改善は、被粉砕物質と添加剤の粒子径の微細化による有効表面積の増大と、添加剤による濡れ性の向上によるものと考えられる。
本実施例は、被粉砕物質の溶解度と、被粉砕物質と市販の添加剤との混合物の溶解度を測定した。測定方法は、フェニトイン50mgと市販の添加剤100mgを、試験液(50Mm リン酸緩衝液、pH6.8)900mL(37℃)に入れ、パドルを250rpmで強制的に撹拌した時の各時間のフェニトインの溶解度を測定した。その結果、市販の添加剤を添加していない場合(Original)と市販の添加剤を入れた系では同様な溶解度を示した。したがって、使用した市販の添加剤が被粉砕物質の溶解度を上昇させているのではないことが分かった(図14)。
実施例12と実質的に同様にして溶出性を測定したところ、化合物(フェニトイン)と添加剤(PVP)を共粉砕するだけでなく、それぞれを単独粉砕し、液体窒素を乾燥させる前に混合することでも、同様な溶出性が見られた(図15)。
本実施例では、化合物(フェニトイン)だけを粉砕し、市販の添加剤(PVP)を添加した場合の溶出性を確認するために実験した。その結果、化合物と添加物とが粉砕されている系(実施例13)に対し、溶出速度の改善効果は小さかった。その理由としては、共存する添加剤の粒子径が大きいため、化合物の溶解に時間が掛かったためと考えられる(図16)。
医薬品の化合物(フェニトイン)をジルコニアビーズを用いて衝撃粉砕したときに、ジルコニアビーズの破壊や摩耗により、粉砕された化合物(フェニトイン)の中へのジルコニアビーズの衝突によるジルコニアの混入が懸念される。そこで、医薬品の化合物(フェニトイン)をジルコニアビーズを用いて粉砕したときの被粉砕物中のジルコニア混入量を測定した。測定方法は、ジルコニアビーズ(550g、すなわち、150cc×3.66g/cc)を用いて基本粉砕条件下で行った。なお、測定の前処理として、被粉砕フェニトイン(0.1g)を硫酸に添加し、加熱しながら硝酸を滴下して有機物を分解し、完全溶解を目視にて確認した後、超純水で希釈して一定重量とした。測定は、ICP−MS法で行った(測定質量数:Zr(90);検量線:0、1、2、5ppb(1,000ppm標準溶液を希釈して使用))。測定の結果、ジルコニウム:0.24ppm(ジルコニア量として0.32ppm)となった。なお、この値は、一般的な金属の残留量が10ppmであるのに比べても非常に少なかった。
液体窒素中における均一混合性を確認するため、未粉砕のフェニトインと未粉砕の添加剤(ポリビニルピロリドン(PVP))とを(全体量15g)、混合比率が重量比で1:99の場合と10:90の場合について、液体窒素中に自然分散させ、軽く混ぜ合わせながら、液体窒素を室温で自然乾燥させた。各混合比率の場合について、10個所から試料を採取し、試料中の化合物量を測定した。この結果、均一性の高い混合物が得られており、実施例20の効果を証明するものとなった。なお、表9及び表10中、RSDは相対標準偏差値を示し、この値は5乃至6以下であることが望ましい。
表9に、フェニトインとポリビニルピロリドン(PVP)との混合比率が、重量比で、1:99の場合を示す。
Figure 0005529884
表10に、フェニトインとポロビニルピロリドン(PVP)の混合比率が、重量比で、10:90の場合を示す。
Figure 0005529884
実施例24乃至28の概要
図17は、以下の実施例で使用したアイメックス株式会社製バッチ式レディーミルRMB−04(ベッセル容量400ml)を示し、図18は、同レディーミルのベッセルの縦断面図を示す。レディーミル11は、縦型の湿式媒体撹拌ミルであり、スタンド12に固定された電動モータ及びその制御部13と、電動モータ及びその制御部13に着脱自在に取付けられたベッセル14を有する。図18に示すように、ベッセル14は冷却ジャケット15によって囲繞され、ベッセル14の上部開口部は蓋体16によって覆われている。蓋体16の中央部には貫通孔17が形成され、貫通孔17には回転軸18が挿通されている。回転軸18は、電動モータ及びその制御部13の電動モータによって駆動される。回転軸18には、間隔を置いて配置された3枚の円盤を備えた標準ディスク19が固定されている。図19は、標準ディスク19を側方から撮った写真である。標準ディスク19の各円盤19a、19b、19cには、各円盤の上面と下面に開口する貫通孔19d、19e、19fと、各円盤の下面から下方へ突出する撹拌用突起19g、19h、19iが形成されている。図20は、標準ディスク19の最下部の円盤19eの代わりに旋回翼を取付けた、旋回翌付きディスクを側方から撮った写真である。この旋回翼付きディスクの旋回翼は、ベッセル14の底部付近に滞留した懸濁液を撹拌し、ベッセル14の上部へ移動させる機能を果たす。
レディーミル11を使用し、液体窒素を分散媒体とし、粒状ドライアイスを用いて、被粉砕原料を粉砕し、及び/又は、分散させるには、先ず、レディーミル11にベッセル14と標準ディスク19又は上述の旋回翼付きディスクをセットする。次に、ベッセル14に液体窒素を注入し、クールダウンする。クールダウン後、ベッセル14に液体窒素を再注入し、次いで、粒状ドライアイスを投入する。そして、予め液体窒素に被粉砕原料を懸濁させておいた懸濁液をベッセル4に注入し、準備は完了する。ここで、レディーミル11の回転軸18を駆動し、標準ディスク19又は旋回翼付きディスクを回転させて、ベッセル14内の懸濁液を撹拌する。これにより、粒状ドライアイスが被粉砕原料の粒子に作用して被粉砕原料を破砕し、所望の粒径を有する被粉砕原料の粒子を生成し、また、懸濁液中で凝集している被粉砕原料の粒子が存在する場合には、この凝集粒子を分散させる。なお、粉砕中は液体窒素が蒸発するので、粉砕作業が終了するまでに、粉砕時間に応じて、ベッセル4に所定量の液体窒素を補充する必要がある。液体窒素の補充時期及び補充量を決定するため、ベッセル14の重量をロードセルで計測し、液体窒素の液面制御を行う。以下の実施例では、粉砕開始直後のベッセル14の総重量を基準にして、ベッセル14の重量を±10gの範囲に制御しながら粉砕を行った。
粒状ドライアイスの生成
前述のレディーミル11を使用して、液体窒素中でドライアイス粒子を単独で粉砕し、所望の粒径を有する粒状ドライアイスを生成することができるか、否かを確認した。レディーミル11に標準ディスク19をセットし、適当な粒径を有するドライアイス粒子を単独で液体窒素中で撹拌した。表31は、粉砕前のドライアイス粒子の粒径を210カ所で計測した値を示し、表32は、液体窒素中で120分間撹拌した後のドライアイス粒子の粒径を200カ所で計測した値を示す。
Figure 0005529884
Figure 0005529884
表11に記載のとおり、微粉化前のドライアイス粒子の平均粒径は375.4μmであり、最大径の平均値は648.9μmであり、最小径の平均値は169.6μmの粒状ドライアイスである。図21に、微粉化前のドライアイス粒子のデジタル式光学顕微鏡写真(倍率100倍)を示す。また、表12に記載のとおり、微粉化後のドライアイス粒子の平均粒径は266.5μmであり、最大径の平均値は452.1μmであり、最小値の平均値は114.0μmである。図22に、微粉化後のドライアイス粒子のデジタル光学顕微鏡写真(倍率100倍)を示す。表11及び表12、図21及び図22から、レディーミル11を使用して、液体窒素中でドライアイス粒子を単独で粉砕することにより、ドライアイス粒子の粒径を小さくすることができることを確認することができる。ここで使用したデジタル式光学顕微鏡は、(株)キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−500である。
前述のように、粒状ドライアイスは、液化ガス保存容器中に液化窒素を充填し、この液化窒素中に例えばショットブラスト用ドライアイス(ショットドライ)を投入し、12時間浸漬することによって生成することもできる。このとき、液化窒素とドライアイスの容積比率が2:1になるように混合する。12時間浸漬した後、液化窒素を分離すると粒状ドライアイスを得ることができる。こうして得られた粒状ドライアイスは、粉砕用ドライアイスビーズとして使用することができる。例えば、この方法で、直径3.0mm、長さ5.0乃至30.0mmの円柱形状のショットブラスト用ドライアイス(ショットドライ)を液化窒素中に12時間浸漬させると、平均粒子径が0.5乃至1.5mmの粒状ドライアイスが生成される。
被粉砕物質の回収率
前述のアイメックス株式会社製バッチ式レディーミルRMB−04(ベッセル容量400ml)のベッセル4に液体窒素を満たし、平均粒径0.5mmのドライアイス150ミリリットルとフェニトイン15グラムを投入し、標準ディスク19を用いて撹拌した。回収したフェニトインは13.18グラムであり、回収率は87%であった。残りのフェニトインは粉砕中にベッセル14から大気中に飛散した。回収率を比較するため、ドライアイスの代わりに直径0.6mmのジルコニアビーズを用いて、同様の条件でフェニトインの粉砕を行った。この結果、回収されたフェニトインは5.36グラムであり、その回収率は35%であった。
フェニトインの粉砕
標準ディスク19を装着したアイメックス株式会社製バッチ式レディーミルRMB−04(ベッセル容量400ml)を用いて、本発明の微粉末の製造法に従って、フェニトイン粒子の粉砕を行った。
実験条件は次のとおりである。
(1)縦型媒体撹拌ミル:ベッセル容量0.4リットル、直径55mmで厚さ5mmの円盤を3枚備えた標準ディスク
(2)標準ディスクの円盤の周速:8.05m/s
(3)粉砕時間:30分から120分まで
(4)ドライアイス容量:150cc
(5)フェニトイン重量:15グラム
粉砕されたフェニトインの粒度を(株)島津製作所製粒度測定装置SALD−2100で測定した。粉砕されたフェニトインの粒度分布を表13に示し、その平均粒径を表14に示す。
Figure 0005529884
Figure 0005529884
図23は、本発明の微粉末の製造方法に従って30分間粉砕したフェニトインの電子顕微鏡写真(10,000倍)を示す。図24は、本発明の微粉末の製造方法に従って60分間粉砕したフェニトインの電子顕微鏡写真(10,000倍)を示す。図25は、本発明の微粉末の製造方法に従って120分間粉砕したフェニトインの電子顕微鏡写真(10,000倍)を示す。図23の顕微鏡写真には大きな粒子CP1が見られるが、図24及び図25の顕微鏡写真には粒子CP1に相当する大きさの粒子は見られない。これにより、粉砕時間が経過するにつれて、フィエニトイン粒子の微粉化が進行していることが解る。図26は、本発明の微粉末の製造方法に従ってフェニトインを粒状ドライアイスによって30分間粉砕し、液体窒素を気化させた後に、フェニトインとドライアイスが混じった状態を撮影したデジタル式光学顕微鏡写真(倍率100倍)を示す。ここで、上記電子顕微鏡写真は、日本電子(株)製走査型電子顕微鏡JXM−6060で撮影した。また、上記デジタル式光学顕微鏡写真は、(株)キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−500で撮影した。
表13及び表14、図23乃至26から、本発明の方法によりフェニトインがドライアイス粒子によって破砕されることが分かる。
インドメタシンの粉砕
標準ディスク19を装着したアイメックス株式会社製バッチ式レディーミルRMB−04(ベッセル容量400ml)を用いて、本発明の微粉末の製造法に従って、インドメタシン粒子の粉砕を行った。
実験条件は次のとおりである。
(1)縦型媒体撹拌ミル:ベッセル容量0.4リットル、直径55mmで厚さ5mmの円盤を3枚備えた標準ディスク
(2)標準ディスクの円盤の周速:8.05m/s
(3)粉砕時間:60分と120分
(4)ドライアイス容量:150cc
(5)インドメタシン重量:15グラム
粉砕されたインドメタシンの粒度を(株)島津製作所製粒度測定装置SALD−2100で測定した。粉砕されたインドメタシンの粒度分布を表15に示し、その平均粒径を表16に示す。
Figure 0005529884
Figure 0005529884
図27は、本発明の微粉末の製造方法に従って60分間粉砕したインドメタシンの電子顕微鏡写真(10,000倍)を示す。図28は、本発明の微粉末の製造方法に従って120分間粉砕したインドメタシンの電子顕微鏡写真(10,000倍)を示す。図27の顕微鏡写真には大きな粒子CP2が見られるが、図28の顕微鏡写真には粒子CP2に相当する大きさの粒子は見られない。これにより、粉砕時間が経過するにつれて、インドメタシンの粒子の微粉化が進行していることが解る。これらの電子顕微鏡写真は、日本電子(株)製走査型電子顕微鏡JSM−6060で撮影した。
フェニトインとポリビニルピロリドン(PVP)共粉砕
標準ディスク19を装着したアイメックス株式会社製バッチ式レディーミルRMB−04(ベッセル容量400ml)を用いて、本発明の微粉末の製造法に従って、フェニトイン7.5グラムとポリビニルピロリドン(PVP)7.5グラムをドライアイスで共粉砕した。比較のため、ドライアイスの代わりにジルコニアビーズを使用した実験も行った。その結果を表17に示す。
実験条件は次のとおりである。
(1)縦型媒体撹拌ミル:ベッセル容量0.4リットル、直径55mmで厚さ5mmの円盤を3枚備えた標準ディスク
(2)標準ディスクの円盤の周速:8.05m/s
(3)粉砕時間:30分から120分
(4)ドライアイス容量:150cc
(5)フェニトイン重量:7.5グラム
(6)ポリビニルピロリドン(PVP)重量:7.5グラム
Figure 0005529884
表17中、定量値(%)とは、共粉砕物に含まれるフェニトイン組成の仕込組成に対する割合を表し、90%以上であれば十分に実用レベルにある。ドライアイスによる粉砕によれば、ジルコニアビーズによる粉砕をした場合に比較して、定量値が遥かに高いことが判る。
上述の実験条件では、標準ディスク19を装着したアイメックス株式会社製バッチ式レディーミルRMB−04(ベッセル容量400ml)を用いたが、標準ディスク19の代わりに、図20に示した旋回翼付きディスクを使用して、上記フェニトインとポリビニルピロリドン(PVP)の共粉砕を行った。この共粉砕の結果、ドライアイスと旋回翼付きディスクの組み合わせが、表18に示すような優れた溶出性を生じることが見いだされた。表18の溶出性はパドル法によって測定された。旋回翼付きディスクの撹拌性能の高さが微粉砕を促進し、ドライアイスと旋回翼付きディスクの組み合わせでは60分で90%程度の溶出性を示しているのが判る。
Figure 0005529884
また、ドライアイスと旋回翼付きディスクの組み合わせでフェニトインとポリビニルピロリドン(PVP)の共粉砕を行った結果、溶出性と同様に、定量値(%)及び各測定値のバラツキを表わすRSD値(相対的標準偏差値)とも高水準を示すことが判明した。RSD値(相対的標準偏差値)が低いほど、フェニトインとPVPの混合均一度が高く、一般的に5.0%程度以下であれば十分な実用レベルの均一度にあるということができる。また、定量値(%)とは、共粉砕物に含まれるフェニトイン組成の仕込組成に対する割合を示し、90%以上であれば十分に実用レベルにあるということができる。旋回翼付きディスクによるドライアイスの効果的な撹拌が混合を促進させていることが判る。
Figure 0005529884
本発明方法は、医薬原末の微粉化に限らず、化粧品、トナー、水性塗料、液晶ディスプレイ材料、デジタルカメラ部品、記録材料、太陽電池部材、携帯電話部品、基盤、電気自動車部品、感熱塗工紙、DDS(Drug Delivery System)への対応等、幅広い技術分野に適用することができる。
1 容器(ベッセル)
2 回転軸(シャフト)
3 回転盤(ディスク)
4 小球体(ビーズ)
5 液体窒素
11 縦型湿式媒体撹拌ミル
14 ベッセル(粉砕容器)
18 回転軸
19 標準ディスク
19a、19b、19c 円盤

Claims (25)

  1. 液化不活性ガスを分散媒体として被粉砕原料と粒状ドライアイスの懸濁液を生成し、前記懸濁液を粉砕機で撹拌することにより、前記懸濁液中で前記被粉砕原料を微粉化することを特徴とする、微粉末の製造方法。
  2. 請求項1に記載した微粉末の製造方法において、前記被粉砕原料を微粉化する間に、前記粒状ドライアイスの粒径が減少することを特徴とする、前記製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載した微粉末の製造方法において、前記懸濁液中で前記被粉砕原料を微粉化した後、前記懸濁液から前記液化不活性ガスを気化させ、かつ前記粒状ドライアイスを昇華させて、前記被粉砕原料の乾燥した微粉末を生成することを特徴とする、前記製造方法。
  4. 請求項2に記載した微粉末の製造方法において、前記微粉末が所望の粒径になるまで、前記粒状ドライアイスを交換することなく、前記被粉砕原料を微粉化することを特徴とする、前記製造方法。
  5. 請求項1に記載した微粉末の製造方法において、前記分散媒体は分散剤を含まないことを特徴とする、前記製造方法。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスは、0.01乃至25.00mmの粒径を有する、二酸化炭素の固体粒子であることを特徴とする、前記製造方法。
  7. 請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスは、0.30乃至1.00mmの粒径を有する、二酸化炭素の固体粒子であることを特徴とする、前記製造方法。
  8. 請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスは、0.03乃至0.30mmの粒径を有する、二酸化炭素の固体粒子であることを特徴とする、前記製造方法。
  9. 請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載した微粉末の製造方法において、前記液化不活性ガスは、液体窒素、液体ヘリウム、液体ネオン、液体アルゴン、液体クリプトン、液体キセノンから選ばれる少なくとも一種類の液化ガスであることを特徴とする、前記製造方法。
  10. 請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載した微粉末の製造方法において、前記被粉砕原料は医薬品原体であることを特徴とする、前記製造方法。
  11. 請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載した製造方法によって製造された、前記被粉砕原料の微粉末であって、前記微粉末の結晶化度は、前記被粉砕原料の結晶化度にほぼ等しい値に保持されていることを特徴とする、前記被粉砕原料の微粉末
  12. 液化不活性ガスを分散媒体として被粉砕原料の懸濁液を生成し、前記懸濁液を粉砕機によって粉砕用又は分散用ビーズと共に撹拌することにより、前記懸濁液中で前記被粉砕原料を微粉化する、微粉末の製造方法において、前記粉砕用又は分散用ビーズの全部又は一部に代えて粒状ドライアイスを使用することを特徴とする、微粉末の製造方法。
  13. 請求項12に記載した微粉末の製造方法において、前記液化不活性ガスは液体窒素であり、前記粉砕機はビーズミルであることを特徴とする、前記製造方法。
  14. 求項12又は13に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスは、0.30乃至1.00mmの粒径を有する、二酸化炭素の固体粒子であることを特徴とする、前記製造方法。
  15. 請求項12に記載した微粉末の製造方法において、前記被粉砕原料を微粉化する間に、前記粒状ドライアイスの粒径が減少することを特徴とする、前記製造方法。
  16. 請求項15に記載した微粉末の製造方法において、前記微粉末が所望の粒径になるまで、前記粒状ドライアイスを交換することなく、前記被粉砕原料を微粉化することを特徴とする、前記製造方法。
  17. 請求項12に記載した微粉末の製造方法において、前記分散媒体は分散剤を含まないことを特徴とする、前記製造方法。
  18. 請求項12に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスは、液化窒素を充填した液化ガス保存容器にドライアイスを投入し、前記ドライアイスを前記液化窒素に所定時間浸漬させた後、前記液化窒素を分離することにより生成されることを特徴とする、前記製造方法。
  19. 請求項18に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスは、液化窒素を充填した液化ガス保存容器にドライアイスを投入し、前記ドライアイスを前記液化窒素にほぼ12時間浸漬させた後、前記液化窒素を分離することにより生成されることを特徴とする、前記製造方法。
  20. 請求項18又は19に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスは、液化窒素を充填した液化ガス保存容器に、液化窒素とドライアイスの容積比率が2:1になるように、ドライアイスを投入し、前記ドライアイスを前記液化窒素に所定時間浸漬させた後、前記液化窒素を分離することにより生成されることを特徴とする、前記製造方法。
  21. 請求項1に記載したドライアイスは、液化窒素を充填した液化ガス保存容器にドライアイスを投入し、前記ドライアイスを前記液化窒素に所定時間浸漬させた後、前記液化窒素を分離することにより生成される粒状ドライアイスであることを特徴とする、前記微粉末の製造方法。
  22. 請求項21に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスは、ドライアイスを前記液化窒素にほぼ12時間浸漬させた後、前記液化窒素を分離することにより生成されることを特徴とする、前記微粉末の製造方法。
  23. 請求項21又は22に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスを生成するための前記液化ガス保存容器中の前記液化窒素と前記ドライアイスの容積比率は2:1であることを特徴とする、前記微粉末の製造方法。
  24. 請求項23に記載した微粉末の製造方法において、前記液化窒素中に直径3.0mm、長さ5.0乃至30.0mmの円柱形状のドライアイスを投入し、前記粒状ドライアイスの平均粒子径を0.5乃至1.5mmに生成してなることを特徴とする、前記微粉末の製造方法。
  25. 請求項21乃至24のうちのいずれか一項に記載した微粉末の製造方法において、前記粒状ドライアイスは粉砕用ビーズであることを特徴とする、前記微粉末の製造方法。
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