JP5528621B2 - 車両シート用継手 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１のプリアンブルの特徴を有する車両シート用継手に関する。

特許文献１は、このタイプの継手を開示する。前記継手の複数の内側ストッパは、クランプリング及び第２継手部品上に形成される。当該ストッパは、傾斜調整を制限するべく相互作用する。しかしながら、第２継手部品は、特に内側ストッパが不要な状況において、当該第２継手部品のさらなる設計が必要となる場合に製造コストが増加する。

独国特許出願公開第１０２００９０４０５０４（Ａ１）号明細書

本発明は、導入部で述べたタイプの代替的な継手を与えることを目的とする。本目的は、請求項１の特徴を有する継手による本願発明に従って達成される。有利な改善が従属請求項の主題を形成する。

阻止ストッパを第２継手部品から構造部品に移すことにより、第２継手の製造コストが低減される。構造部品（又はアダプタ）は一般に、特定の車両シートのために別個に形成されるので、これにより、製造コストの著しい増加が不要とされる。クランプリングから制限ストッパを突出させることと、構造部品に阻止ストッパを設けることとによりストッパ面が径方向外側に変位し、これにより、大きなトルクが可能となるか又は、同じトルクの場合には、ストップ力が低減される。制限ストッパが、第１継手部品上のクランプリングのセンタリング部として機能する段部を有する場合（互いに継ぎ合わせられる前）、有利な組み合わせがもたらされる。制限ストッパをクランプリング上に設けることは、第１継手部品に固定され（その結果クランプリングに固定的に接続され）る構造部品又はアダプタ上の制限ストッパよりも有利である。当該ストッパに対する代替の形成がクランプリング上にもたらされる一方、第１継手部品に固定され、かつ、クランプリングよりも著しく大きい、例えばバックレストに固定される構造部品（又は対応するアダプタ）が、この点で同じ部品のままであり、これによりツールのコストが低減されるからである。加えて、径方向に突出する制限ストッパは、クランプリングの周方向面に形成される制限ストッパと比較して、当該クランプリングの材料が弱められることがないという利点を有する。

第１継手部品と第２継手部品との間に偏心エピサイクリック歯車システムを使用することにより、バックレストの傾斜を連続的に調整することができる。遊星ギアシステムと比較して中心ピニオンが省略されるので、継手部品の相対回転に重畳される波打ち動の発生がもたらされる。偏心エピサイクリック歯車は手動又はモータにより駆動することができる。

偏心エピサイクリック歯車の阻止を行う主要コンポーネントは、偏心器と当該２つの継手部品の一方、好ましくは当該偏心器を支持するカラーを有することが好ましい第２継手部品、との間の摩擦により与えられる。偏心器を画定するウェッジ部は、歯付きホイール及び歯付きリムの転動の阻止及び駆動双方の機能を果たす。動荷重下で継手を阻止する機能を果たす阻止要素が付加的に設けられることが好ましい。

偏心器を受け入れる第１継手部品に歯付きリムを形成することと、偏心器を支持する第２継手部品に歯付きホイールを形成することとが材料及び構成空間を節約する。歯付きホイールを、第２継手部品の径方向外側境界（これはさらに、第１継手部品に固定されたクランプリングを包囲する）に構成することができるにもかかわらず、継手を取り付けるための十分大きな接続領域が第２継手部品に存在するからである。

本発明は、車両シートにおける継手と構造部品との間で使用することができるが、車両シートの他のコンポーネントに使用することもできる。

以下において、図面に示される実施例を参照して本発明が修正例とともに詳細に記載される。

シート部品に据え付けられるアダプタを伴う継手の斜視図を示す。 シート部品に据え付けられるアダプタ、第２継手部品、及び２つの代替クランプリングの異なる斜視図を示す。 クランプリングの図を示す。 図３のＩＶ−ＩＶ線断面を示す。 継手の断面を示す。 車両シートの概略図を示す。 継手の分解図を示す。制限ストッパは隠されている。 修正例のクランプリングの斜視図を示す。 さらなる修正例のクランプリングの斜視図を示す。

自動車用車両シート１はシート部品３及びバックレスト４を有し、バックレスト４は、シート部品３に対する傾斜が調整可能である。バックレスト４の傾斜を調整するには、シート部品３とバックレスト４との移行領域に水平に配列された駆動シャフト７が手動で、例えばハンドホイール５によって、又はモータによって、例えば電気モータによって、回転される。車両シート１の両側部では、駆動シャフト７が、回転方向に結合されて対応する継手１０に係合する。駆動シャフト７は、使用される円筒座標系の詳細な方向を画定する。

継手１０は、第１継手部品１１及び第２継手部品１２を有する。これらは互いに相対回転する。２つの継手部品１１及び１２はそれぞれ、概ね円板形状で記載することができる。２つの継手部品１１及び１２は、少なくとも複数の領域が硬化される金属、特に鋼、からなるのが好ましい。軸方向に作用する力を受け入れるべく、すなわち継手部品１１及び１２を一緒に保持するべく、クランプリング１３が設けられる。クランプリングによって当該部品を一緒に保持する原理は、例えば米国特許第６，７９９，８０６（Ｂ２）号明細書に記載されている。クランプリング１３は、好ましくは未硬化の金属、特に鋼、からなるのが好ましい。クランプリング１３は、実質的に平坦なリング形状を有し、本場合においては、（径方向）内側リング部１３ａと、（径方向）外側リング部１３ｂと、オプションとしての少なくとも一つのセンタリング部１３ｃと、オプションとしてのこれらの間の接続部とを有する。

クランプリング１３は、２つの継手部品１１及び１２の一方に固定的に接続される。本場合においては、例えば外側リング部１３ｂにおいて第１継手部品１１に溶接される。また、代替実施例においては、圧着される（周方向において少なくとも部分的に）。径方向内側を向く境界、すなわち本場合における軸方向に対して垂直な平面に配列される内側リング部１３ａ、によって、クランプリング１３は、２つの継手部品１１及び１２の他方の径方向外側（すなわち径方向外側境界領域）を、オプションとして別個の相対的に可動な滑りリングの介在を伴いながら、２つの継手部品１１及び１２の相対回転を妨げることなく包囲する。加えて、２つの継手部品１１及び１２の互いに向き合う内表面が、異物の侵入に対し並びに汚れ及び損傷から保護される。

外側リング部１３ｂは、内側リング部１３ａから第１継手部品１１に向かって軸方向にわずかに（例えば滑りリングの材料厚さ分）ずれた平面に配列され得るか、又は内側リング部１３ａに対して外形を所定角度曲げられ得る。しかしながら、外側リング部１３ｂ及び内側リング部１３ａを互いに合流して平坦に（すなわち段部及び／又は曲げ部がないことにより気付かない程度に）なること、すなわち異なる継手部品１１及び１２との対応隣接部によってのみ画定されること、もできる。外側リング部１３ｂによって、クランプリング１３は、好ましくはシートに類似する態様で、第１継手部品１１の内表面を、詳しくはその内側端側部の径方向外側境界部を、支承してこの位置で第１継手部品１１に固定される。

したがって、クランプリング１３及びこれに固定的に接続された継手部品１１又は１２は、当該クランプリング及び他の継手部品に対して可動な２つの継手部品１１及び１２の他方をクランプする。したがって、構造的観点上、２つの継手部品１１及び１２は（クランプリング１３とともに）一緒に円板形状ユニットを形成する。

オプションのセンタリング部１３ｃは、外側リング部１３ｂに対して、好ましくは最大クランプリング１３の一材料厚さ分だけ、軸方向に延びる。センタリング部１３ｃは、径方向外側から第１継手部品１１を包囲する。すなわち、センタリング部１３ｃは、第１継手部品１１の外表面を、詳しくはその外表面の円筒領域を、部分的に覆う。センタリング部１３ｃは、打ち出し加工（すなわち、外側リング部１３ｂの境界において材料が、例えばクランプリング１３の材料厚さの半分だけ軸方向に前進）され得る。センタリング部１３ｃはまた、境界の変位（すなわち、外側リング部１３ａの境界において材料が９０°だけ曲げられること）により形成され得る。周方向おいて、センタリング部１３ｃは、完全に閉じた態様で一周してもよく、又は、例えば２つの広い弧片に、３つの狭い弧片に、若しくは一の狭い弧片及び２つの広い弧片になるように分断されてもよい。いずれの場合も、センタリング部１３ｃは第１継手部品１１を固定する前において、クランプリング１３を正確に、すなわち第１継手部品１１に対して同心に、位置決めするべく機能する。加えて、センタリング部１３ｃは、組み付けが完了した継手１０の強度を増加させる。第１継手部品１１上に位置決めする前に周方向に完全に一周する代替実施例において、センタリング部１３ｃは、クランプリング１３のリング形状を、例えば打ち抜き操作後の輸送中に、軸方向に作用する変形から保護する。

クランプリング１３は、レーザ溶接によって、又は他の公知固定技術によって第１継手部品１１に固定することができる。レーザ溶接の場合、例えば外側リング部１３ｂと第１継手部品１１との突き合わせ接合部にＩ字継ぎ目Ｉをもたらすことができる。または、具体的には軸方向からの又は径方向からの重なり接合部にＩ字継ぎ目Ｉをもたらすこと（「穿孔」）ができる。Ｉ字継ぎ目Ｉは、複数の個別に分断された溶接継ぎ目を有して又は一の円周溶接継ぎ目を有して周方向にわたる分散態様で形成し得る。

継手１０の取り付けについては、例えば、第１継手部品１１が、バックレスト４の構造物に固定的に接続される。すなわち当該バックレストに据え付けられる。第２継手部品１２がその後、シート部品３の構造物に固定的に接続される。すなわちシート部品に据え付けられる。継手部品１１及び１２の前記割り当ては、継手１０と相対的に薄いバックレストプレートとの固定箇所間の径方向距離がバックレストの側方支柱として可能な限り大きくなるように意図される場合に好ましい。しかしながら、継手部品１１及び１２の割り当ては互換可能でもある。すなわち、第１継手部品１１がシート部品に据え付けられ、第２継手部品１２がバックレストに据え付けられる。継手１０は、バックレスト４とシート部品３との間の力の流れの中にある。

シート部品３及びバックレスト４の構造物に対して画定された継手１０の交差部に対しては、軸方向に突出する輪郭が２つの継手部品１１及び１２に対して設けられる。前記輪郭は、シート部品３の及びバックレスト４の構造部品における対応する開口と、形状嵌め形態、例えば顧客特有のアダプタ、において、又はシートフレームの側方部品若しくはバックレスト側方支柱において直接、相互作用する。この実施例において、当該構造部品３ａは、シート部品に据え付けられたアダプタにより代表されている。こうして予め位置決めされた継手１０はその後、レーザ溶接又はＭＡＧ溶接により特定の構造部品に固定することができる。レーザ溶接においては、Ｉ字継ぎ目Ｉが、一周の（又は部分的に分断された）溶接継ぎ目として継手１０と構造部品３ａとの間に設けられ得る。突き合わせ接合においては、Ｉ字継ぎ目Ｉが、軸方向に突出する輪郭と当該輪郭を受け入れる開口の境界との間に又は重なり接合部に設けられ得る。ＭＡＧ溶接の場合においては、溶接継ぎ目は、突き合わせ接合部沿いの個別にマークされた箇所にのみ設けられるのが好ましい。オプションとして突き合わせ接合部は、開口の境界に段部又は斜角部が設けられることにより、部分的に広げられてクリアランスを有する。その結果、溶接継ぎ目は、当該間に良好に浸透し、また径方向の良好な接続態様で作用する。

本場合において第１継手部品１１には、第２継手部品１２から離れる方に向かう端側部上に、例えば第１継手部品１１の打ち出し加工中に押し出される材料によって、円形リング肩部１１ａが形成される。リング肩部１１ａは、形状嵌め形態で、バックレスト側方支柱の円形開口を貫通する。その結果、バックレスト側方支柱が、第１継手部品１１を、リング肩部１１ａの径方向外側に配列される第１継手部品１１の端側部の当該部位において支承する。その後溶接継ぎ目が、リング肩部１１ａの外側周縁沿いに設けられる。レーザ溶接の場合、溶接継ぎ目は、リング肩部１１ａの外側周縁の、円形リング形状の外形沿いにジグザグ進行し得る。

本場合において、第２継手部品１２の、第１継手部品１１から離れる方に向かう端側部上に、星形肩部１２ａが形成される。星形肩部１２ａは、実質的に対称的な星形の複数アームを有する（本場合においては４つのアーム十字）。実質的に対称的な星形の形状は、正確に対称的であってもよく、又はそれに対して偏りがあってもよい。そのサイズは、星形肩部１２ａの（径方向）寸法よりも小さく、これにより（当該星形の形状に加えて）位置決め補助又は回転に対する固定手段が与えられ、正確に一つの可能な配向において構造部品３ａとの形状嵌め接続が強制される。

ここで星形肩部１２ａの場合、各アーム端は凸形の弧（及び直線部）を有し、本場合においては、複数のアームはそれぞれが互いに、凹形の弧（及び直線部）を有する接線方向に合流する。円弧、すなわち一定曲率を有すること、が好ましいが、他の弧、特に三角法の弧も考慮できる。本場合において、構成空間上の理由から、星形肩部１２ａの中心にはさらなる押し出し部が設けられる星形肩部１２ａは、形状嵌め形態で、シート部品に据え付けられたアダプタの（又はシートフレームの）正確に整合する開口を貫通する。その結果、シート部品に据え付けられたアダプタ（又はシートフレーム）が、第２継手部品１２を、星形肩部１２ａの径方向外側に配列される第２継手部品１２の端側部の当該部位において支承する。その後溶接継ぎ目が、星形肩部１２ａの外側周縁沿いに設けられる。レーザ溶接の場合、前記溶接継ぎ目は、星形肩部１２ａの外側周縁沿いにジグザグ進行し得る。ＭＡＧ溶接の場合においては、例えば各アーム端に短い溶接継ぎ目が設けられる。

星形肩部１２ａは、その形成工程中において第２継手部品１２の材料の所定部分のみを押し出し（プレス出し）する必要があってもなお当該複数の固定箇所間に相対的に大きな距離が生じる点で有利である。加えて、必要に応じて（星形の形状ゆえに及びオプションとして正確な対称性からの偏りゆえに）、第２継手部品１２の所定配向を強制することができる。修正例において、星形肩部はまた、リング肩部１１ａの代わりとして第１継手部品１１に設けることもできる。

バックレスト４の順方向及び／又は逆方向の傾斜調整中の調整範囲を制限するべく、すなわち第１継手部品１１の及び第２継手部品１２の相対回転を制限するべく、複数のストッパが設けられる。当該ストッパの少なくとも一つが毎回、継手部品１１又は１２の一方に対して直接又は間接に固定的に接続される。本場合においては、（正確に）一つの阻止ストッパ１５が、第２継手部品１２に固定された構造部品３ａから軸方向に突出し、（第１継手部品１１に固定されたクランプリング１３の）（正確に）２つの制限ストッパ１３ｇが、これらの間に前記阻止ストッパを周方向に受け入れる。当該ストッパの数及び機能は反対にすることができる。２つの制限ストッパ１３ｇは、クランプリング１３の外側リング部１３ｂから径方向外側に、及びこれに加えてオプションとして周方向に突出する。阻止ストッパ１５は、構造部品３ａに統合的に形成されるのが好ましい。例えば、構造部品３ａから押し出されるのが好ましい。阻止ストッパ１５はまた、別個に形成されて構造部品３ａに固定、特に溶接、され得る。阻止ストッパ１５の周方向を向く２つの側部１５’は、本場合において、押し出し操作によりＪ字形状とされてストッパ面として機能する。

制限ストッパ１３ｇは、クランプリング１３に統合的に形成されるのが好ましい。すなわち、これの一体部品として形成されるのが好ましい。しかし、別個に形成してこれに固定することもできる。センタリング部１３ｃ及び制限ストッパ１３ｇは、互いに独立してクランプリング１３の外側リング部１３ｂ（図２）（ここでは、センタリング部１３ｃも省略され得る）に配列され得る。または、センタリング部１３ｃの２つの広い弧片が、２つの制限ストッパ１３ｇ（図３及び４）の移行部を形成する。すなわち、制限ストッパ１３ｇが、センタリング部１３ｃに統合的に形成されて、外側リング部１３ｂに対する段部となる。制限ストッパ１３ｇは、径方向に及び／又は周方向に突出する部分と、当該ストッパに（好ましくは）垂直及び他方の制限ストッパ１３ｇの方を毎回向く部分と、当該ストッパに垂直すなわち軸方向に突出する部分であって、周方向に阻止ストッパ１５（及びこれの側部１５’）の方を向くストッパ面１３ｊを有する部分とを備えるフック形状設計である。

代替的には、ストッパなしのクランプリング１３又は制限ストッパ１３ｇありのクランプリング１３のいずれかが選択される様々な使用のための構成一式と、これに対して整合する態様で、阻止ストッパ１５なし又はありのシート部品に据え付けられるアダプタ３ａとを設けることが考慮される（図２）。

図８は、修正例のクランプリング１３’’を示す。２つの制限ストッパ１３ｇそれぞれが、周方向の両側部に、径方向曲がり部を有する。曲がり部の周方向を向く各自由端が、ストッパ面１３ｊとして機能する。曲がり部は、ばねを構成することにより、ストッパ面１３ｊの阻止ストッパ１５の緩やかな支承をもたらす。図９は、さらなる修正例のクランプリング１３’’’を示す。２つの制限ストッパ１３ｇは、軸方向に曲げられている。これにより、Ｕ字形状のストッパ面１３ｊがもたらされる。

継手１０は、第１継手部品１１及び第２継手部品１２が、調整及び固定を目的とする歯車によって、詳しくは、本場合においては自己阻止する偏心エピサイクリック歯車システムによって、互いに接続される歯車付き継手として設計される。これは、例えば独国特許出願公開第４４３６１０１（Ａ１）号明細書に記載されている。

歯車を形成するべく外歯付きホイール１６が第２継手部品１２に形成され、内歯付きリム１７が第１継手部品１１に形成される。前記歯付きホイールと歯付きリムとが互いに噛合する。歯付きホイール１６の外歯の歯先円直径は、歯付きリム１７の内歯の歯元円直径よりも少なくとも一歯たけ分小さい。歯付きホイール１６と歯付きリム１７との少なくとも一歯分の歯数の対応する違いにより、歯付きリム１７の歯付きホイール１６上での転動が可能となる。歯付きホイール１６及び歯付きリム１７は、継手部品１１及び１２を開始材料から同時にパンチする一回のスタンピング及びパンチング操作によって形成するのが好ましい。代替的に、継手部品１１及び１２は、鍛造成形（好ましくは冷間押出成形又は熱間押出成形）により、類似の形状及び同一の機能をもって製造することもできる。本場合には、歯付きホイール１６が第２継手部品１２の外側境界を形成する。すなわち、第２継手部品１２が、その径方向外側において歯付きホイール１６に終端する。

２つの継手部品１１及び１２の一方はカラー１９を有する。本場合において、第２継手部品１２は歯付きホイール１６と同心である。カラー１９は、カラー形成として前記継手部品と統合的に形成される（すなわち一体に形成される）か又は別個のスリーブの形態で前記継手部品に固定される。駆動体２１がハブ２２によってカラー１９に回転可能に据え付けられる。駆動体２１はプラスチックからなるのが好ましい。駆動体２１のハブ２２には、駆動シャフト７を受け入れるボア２３が中心に設けられる。ボア２３の外形は駆動シャフト７の外形、本場合においてはスプライン、に整合するべく形成される。駆動体２１は、そのハブ２２に引き続き、カバーディスク２５を有する。カバーディスク２５は、ハブ２２と一体に形成され、直径がハブ２２よりも大きい。

２つのウェッジ部２７は、これらの内側曲面によってカラー１９に支持され、前記ウェッジ部は、これらの外側曲面によって２つの継手部品１１及び１２の他方、本場合においては第１継手部品１１、を支承する。これを目的として、当該継手部品のレセプタクルが滑り軸受ブッシュ２８により覆われる。滑り軸受ブッシュ２８は好ましくは回転不可能にプレスされ、ウェッジ部２７の外表面がこれを支承する。用語「支持」及び「支承」は、継手１０を通る所定方向の力の流れに限られることを意図しない。前記方向は、継手１０の取り付けに依存するからである。

駆動体２１は、ハブ２２から径方向に離間して、駆動体部２９を有する。駆動体部２９は、ウェッジ部２７の狭い側部間に遊びをもって保持され、カバーディスク２５及びハブ２２と一体的に形成される。ウェッジ部２７は、その広い側部が互いに面する。ウェッジ部２７はそれぞれ、例えば対応する開口によって又は材料突出部が画定する凹部によって、Ω字形状のばね３５の折れ曲がった端部フィンガ３５ａを受け入れる。ばね３５は、ウェッジ部２７に対して周方向に作用し、特に前記ウェッジ部を押して分離する。ウェッジ部２７の広い側部は、動作中に互いに接触しかつ作用し合うことができる。

駆動体２１は、カラー１９を有する継手部品の外側側部に固定リング４３によって軸方向に固定される。これは好ましくはクリップ留めされる。固定リング４３はハブ２２の一部に沿って軸方向に延びるので、ハブ２２は、カラー１９の内側側部を直接支承するのではなく、固定リング４３の介在を伴ってカラー１９に据え付けられる（その結果駆動体２１は第２継手部品１２に据え付けられる）。滑り軸受ブッシュ２８を有する継手部品（本場合においては第１継手部品１１）の外側側部において、例えばゴム又は軟質プラスチック製である封止リング４４が、前記継手部品の径方向外側境界とカバーディスク２５との間に設けられ、カバーディスク２５に接続、特にクリップ留め、される。封止リング４４はまた、金属から形成されて第１継手部品１１に固定的に接続、例えば溶接、される。カバーディスク２５はその後、封止リング４４に対して可動とされる。オプションとして分離リング４５が、２つの継手部品１１及び１２間の構成空間内に内部シールとして設けられる。前記分離リングは、例えばプラスチックからなる。

ウェッジ部２７（及びばね３５）が偏心器を画定する。偏心器は、偏心方向の延長部として、係合点において歯付きホイール１６を歯付きリム１７に圧入する。（複数回）回転する駆動シャフト７による駆動中、トルクがまず駆動体２１に伝達され、次に駆動体部２９によって、当該態様で画定された偏心器に伝達される。偏心器は、滑り軸受ブッシュ２８に沿って滑り、偏心方向を変位させることにより歯付きホイール１６の歯付きリム１７における係合点を変位させる。これは波打ち転動の形態で、すなわち波打ち動が重畳された相対回転として、表される。その結果、バックレスト４の傾斜が複数の使用位置間で無段調整可能となる。

制限ストッパ１３ｇの一方が阻止ストッパ１５を支承すると、回転動ゆえのバックレスト４の傾斜調整が中断される。

動的な動作挙動を向上させるべく、阻止ばね５１がさらに、阻止要素として設けられるのが好ましい。これは、例えば、独国特許第１９５４８８０９（Ｃ１）号明細書に開示されている。本場合においては、阻止ばね５１が、第１継手部品１１上のさらなる歯付きリムとして形成される歯５５と相互作用する。滑り軸受ブッシュ２８の軸方向突出長さ部分に可動に据え付けられるのが好ましい阻止ばね５１は毎回、ウェッジ部２７を非駆動状態に阻止し（阻止ばね５１が端部フィンガ３５ａを支承する軸受によってばね３５を阻止することにより）、駆動体２１によって解放される。

本発明に係るストッパは歯車付き継手に対して記載しているが、例えば独国実用新案第２０２００９０１５２３５（Ｕ１）号明細書に開示されているようにラッチ継手に対しても有用である。

１ 車両シート
３ シート部品
３ａ 構造部品
４ バックレスト
５ ハンドホイール
７ 駆動シャフト
１０ 継手
１１ 第１継手部品
１２ 第２継手部品
１２ａ 星形肩部
１３、１３’’、１３’’’ クランプリング
１３ａ 内側境界部
１３ｂ 外側境界部
１３ｃ センタリング部
１３ｇ 制限ストッパ
１３ｊ ストッパ面
１５ 阻止ストッパ
１５’ 側部
１６ 歯付きホイール
１７ 歯付きリム
１９ カラー
２１ 駆動体
２２ ハブ
２３ ボア
２５ カバーディスク
２７ ウェッジ部
２８ 滑り軸受ブッシュ
２９ 駆動体部
３５ ばね
３５ａ 端部フィンガ
４３ 固定リング
４４ 封止リング
４５ 分離リング
５１ 阻止ばね
５５ 歯
Ｉ Ｉ字継ぎ目

Claims (9)

1. 車両シート用の継手であって、
   互いに対して回転可能な第１継手部品（１１）及び第２継手部品（１２）と、
   ２つの前記継手部品（１１、１２）をともに軸方向に保持するべく外側リング部（１３ｂ）によって前記第１継手部品（１１）に固定され及び前記第２継手部品（１２）を内側リング部（１３ａ）によって包囲するクランプリング（１３）と、
   ２つの前記継手部品（１１、１２）の相対回転を制限するべく機能するストッパ（１３ｇ、１５）と
   を含み、
   前記ストッパは、
   前記クランプリング（１３）に形成される少なくとも一つの制限ストッパ（１３ｇ）と、
   前記第２継手部品（１２）に接続される少なくとも一つの阻止ストッパ（１５）と
   を含み、
   前記制限ストッパ（１３ｇ）は、前記クランプリング（１３）の前記外側リング部（１３ｂ）から外方に突出し、
   前記阻止ストッパ（１５）は、前記第２継手部品（１２）に固定される構造部品（３ａ）に設けられ、
   前記制限ストッパ（１３ｇ）は、
   前記クランプリング（１３）から少なくとも径方向に突出する部分と、
   前記部分から突出し及びストッパ面（１３ｊ）を有する少なくとも一つの部分と
   を含むフック形状設計であり、
   前記ストッパ面（１３ｊ）は周方向に前記阻止ストッパ（１５）の方を向く継手。
2. 前記制限ストッパ（１３ｇ）は、前記クランプリング（１３）の前記外側リング部（１３ｂ）と一体に形成されるか又は固定される、請求項１に記載の継手。
3. 前記クランプリング（１３）は少なくとも一つのセンタリング部（１３ｃ）を含み、
   前記センタリング部は前記外側リング部（１３ｂ）から軸方向に延び、
   前記センタリング部は、前記第１継手部品（１１）の径方向外側を包囲し及びその外表面を部分的に覆う、請求項１又は２に記載の継手。
4. 前記制限ストッパ（１３ｇ）は、移行部としての前記センタリング部（１３ｃ）と一体に形成されることによって前記クランプリング（１３）の前記外側リング部（１３ｂ）と一体に形成される、請求項３に記載の継手。
5. 前記阻止ストッパ（１５）は、前記構造部品（３ａ）と一体に形成される、請求項１から４のいずれか一項に記載の継手。
6. 正確に２つの制限ストッパ（１３ｇ）がこれらの間に正確に一つの前記阻止ストッパ（１５）を周方向に受け入れるか又は正確に２つの阻止ストッパ（１５）がこれらの間に正確に一つの前記制限ストッパ（１３ｇ）を受け入れる、請求項１から５のいずれか一項に記載の継手。
7. 前記外側リング部（１３ｂ）は、前記内側リング部（１３ａ）から前記第１継手部品（１１）に向かって軸方向にずれた平面に配列されるか又は前記外側リング部（１３ｂ）及び前記内側リング部（１３ａ）が一つの平面に配列される、請求項１から６のいずれか一項に記載の継手。
8. 前記継手部品（１１、１２）の一方に歯付きリム（１７）が形成され、
   前記継手部品（１１、１２）の他方に歯付きホイール（１６）が形成され、
   前記歯付きリム及び前記歯付きホイールが互いに噛合する結果、２つの前記継手部品（１１、１２）は互いに歯車接続され、
   回転可能に据え付けられる回転偏心器（２７）が歯付きホイール（１６）及び歯付きリム（１７）の相対回転動を駆動するべく設けられ、
   前記回転偏心器（２７）は駆動体（２１）によって駆動される、請求項１から７のいずれか一項に記載の継手。
9. 請求項１から８のいずれか一項に記載の継手を有する車両シート。

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