以下、本発明を具体化した一実施形態について図に従って説明する。図1は、電子部品検査装置としてのICハンドラ10を示す平面図である。
ICハンドラ10は、ベース11、安全カバー12、高温チャンバ13、供給ロボット14、回収ロボット15、第1シャトル16、第2シャトル17、複数のコンベアC1〜C6を備えている。
ベース11は、その上面に前記各要素を搭載している。安全カバー12は、ベース11の大きな領域を囲っていて、この内部には、供給ロボット14、回収ロボット15、第1シャトル16及び第2シャトル17が収容されている。
複数のコンベアC1〜C6は、その一端部側が、安全カバー12の外側に位置し、他端部が安全カバー12の内側に位置するように、ベース11に設けられている。各コンベアC1〜C6は、電子部品などのICチップTを複数収容した搬送用トレイとしてのトレイ18を、安全カバー12の外側から安全カバー12の内側へ搬送したり、反対に、トレイ18を、安全カバー12の内側から安全カバー12の外側へ搬送したりする。なお、ICチップTは、シリコンチップや樹脂モジュールされたものでもよく、またそのサイズにも制限はないが、近年、小型化が進行してきており、例えば一辺が2mmのチップもある。このように小型化されたチップは、単位面積あたりに配置される数が増える一方で、それらを個々に目視により確認することを難しくしてきている。
供給ロボット14は、X軸フレームFX、第1のY軸フレームFY1及び供給側ロボットハンドユニット20により構成されている。回収ロボット15は、該X軸フレームFX、第2のY軸フレームFY2及び回収側ロボットハンドユニット21により構成されている。X軸フレームFXは、X方向に配置されている。第1のY軸フレームFY1及び第2のY軸フレームFY2は、Y方向に沿って互いに平行となるように配置され、前記X軸フレームFXに対して、X方向に移動可能に支持されている。そして、第1のY軸フレームFY1及び第2のY軸フレームFY2は、X軸フレームFXに設けた図示しないそれぞれのモーターによって、該X軸フレームFXに沿ってX方向に往復移動する。
第1のY軸フレームFY1の下側には、供給側ロボットハンドユニット20がY方向に移動可能に支持されている。供給側ロボットハンドユニット20は、第1のY軸フレームFY1に設けた図示しないそれぞれのモーターによって、該第1のY軸フレームFY1に沿ってY方向に往復移動する。供給側ロボットハンドユニット20には、モーター(図示略)駆動によりZ方向への移動が可能であるとともに、コンベアC1のトレイ18に収容されている検査前のICチップTの複数を一括把持する把持部(図示略)が設けられている。把持部には、当接した部品を負圧(真空吸引)により吸着保持する複数の吸着部が設けられており、各吸着部はその吸着面(吸着パッド)に負圧または大気圧が供給されるようになっている。これにより吸着部は、吸着面に供給される負圧によりICチップTを吸着把持するとともに、吸着面に把持したICチップTを吸着面に供給される大気圧により離脱させるようにしている。これにより、例えば、供給側ロボットハンドユニット20は、トレイ18の上方に移動されてから把持部をモーター駆動により所定の位置まで下降させてコンベアC1のトレイ18に収容されている複数の検査前のICチップTを各吸着部に吸着把持させるとともに同把持部を上昇させる。そして、複数のICチップTを吸着把持しつつ第1シャトル16の上方に移動してから同把持部をモーター駆動により所定の位置まで下降させるとともに各吸着部からICチップTを離脱させることにより把持していた複数のICチップTを第1シャトル16に供給する。
第2のY軸フレームFY2の下側には、回収側ロボットハンドユニット21がY方向に移動可能に支持されている。回収側ロボットハンドユニット21は、第2のY軸フレームFY2に設けた図示しないそれぞれのモーターによって、該第2のY軸フレームFY2に沿ってY方向に往復移動する。回収側ロボットハンドユニット21には、モーター(図示略)駆動によりZ方向への移動が可能であるとともに、各シャトル16,17に収容されている検査済みのICチップTの複数を一括把持する、供給側ロボットハンドユニット20の把持部と同様の、把持部(図示略)が設けられている。この把持部にも、当接した部品を吸着保持する複数の吸着部が設けられ、各吸着部はその吸着面(吸着パッド)に供給される負圧によりICチップTをそれぞれ吸着把持し、同吸着面に供給される大気圧により吸着把持されたICチップTを離脱させるようにしている。これにより、例えば、回収側ロボットハンドユニット21は、第1シャトル16の上方に移動されてから把持部をモーター駆動により所定の位置まで下降させて第1シャトル16に収容されている複数の検査済みのICチップTを各吸着部に吸着把持させるとともに同把持部を上昇させる。そして、複数のICチップTを吸着把持しつつコンベアC6のトレイ18の上方に移動してから同把持部をモーター駆動により所定の位置まで下降させるとともに各吸着部からICチップTを離脱させることにより把持していた複数のICチップTをコンベアC6のトレイ18に供給する。
ベース11の上面であって、供給ロボット14と回収ロボット15の間には、第1のレール24A及び第2のレール24BがそれぞれX軸方向に平行して配設されている。第1のレール24Aには、第1シャトル16がX軸方向に往復動可能に備えられている。また、第2のレール24Bには、第2シャトル17がX軸方向に往復動可能に備えられている。
第1シャトル16は、X軸方向に長い略板状のベース部材16Aを備えていて、その底面の図示しないレール受けによって第1のレール24Aに摺接されている。そして、第1シャトル16に設けた図示しないモーターによって、第1のレール24Aに沿って往復動される。ベース部材16Aの上面の両端には、それぞれチェンジキット16B,16Cがネジなどで交換可能に固着されている。また、第2シャトル17は、X軸方向に長い略板状のベース部材17Aを備えていて、その底面の図示しないレール受けによって第2のレール24Bに摺接されている。そして、第2シャトル17に設けた図示しないモーターによって、第2のレール24Bに沿って往復動される。ベース部材17Aの上面の両端には、それぞれチェンジキット17B,17Cがネジなどで交換可能に固着されている。
各チェンジキット16B,17Bにはそれぞれ未検査の検査対象のICチップTが収容されるポケットPSが複数設けられており、各チェンジキット16C,17Cにはそれぞれ検査済みの検査対象のICチップTが収容されるポケットPSが複数設けられており、それらの各ポケットPSにICチップTが保持されるようになっている。これにより、各チェンジキット16B,17Bの各ポケットPSには供給ロボット14の供給側ロボットハンドユニット20から複数のICチップTが一括搬送され、各チェンジキット16C,17CのポケットPSからは複数のICチップTが回収ロボット15の回収側ロボットハンドユニット21により一括搬出される。
ベース11の上面であって、第1及び第2シャトル16,17との間には検査部23が設けられている。検査部23には、検査対象のICチップTが配置される配置位置としての検査用ソケット50が複数設けられている。すなわち検査用ソケット50には、上記各シャトル16,17の各ポケットPSに収容された各ICチップTがそれぞれ配置される。
第1及び第2シャトル16,17と各検査用ソケット50との上方には、各シャトル16,17と各検査用ソケット50との間でICチップTを相互に搬送する、Y方向に往復移動可能な検査用ヘッド22が、ベース11の高温チャンバ13内に設けられているフレーム25(図2参照)にY方向に往復移動可能に支持されている。
図2に示すように、フレーム25は、ベース11上に4本の脚25Lにて支持される天板25Aを有しており、天板25AにはY方向(同図において左右方向)に延びる開口部25Hが設けられている。そして検査用ヘッド22は、フレーム25に対してY方向に往復移動可能に天板25Aに支持されているとともに、天板25Aの開口部25Hを貫通配置されている。すなわち、検査用ヘッド22は、天板25Aの開口部25H内をY方向に往復移動する。
検査用ヘッド22は、フレーム25の天板25Aに対してY方向(図2において左右方向)に移動可能に連結された水平移動部26と、水平移動部26に対してZ方向(図2において上下方向)に移動可能に連結された垂直移動部27と、垂直移動部27の下端部に連結された把持装置28とを有している。
水平移動部26は、天板25A上に配置されるZ方向(上下方向)に長い筐体を有しており、その下端部が天板25AをY方向に移動可能に同天板25A上のレール(図示略)に連結され、同天板25Aに設けられたY軸モーターMYの正逆回転により同天板25Aの開口部25Hに沿ってY方向に往復移動される。また水平移動部26の筐体には、その筐体の長さ方向(Z方向)に延びるボールねじ26Bを収容する同じく長さ方向(Z方向)に延びる凹部26Rが開口部25H側に形成されている。水平移動部26の上部には、凹部26Rの端部を閉じるとともにボールねじ26Bを回動可能に支持する上面が形成され、同上面にはボールねじ26Bを回転駆動させるZ軸モーターMZが配置され、Z軸モーターMZにボールねじ26Bが回転駆動可能に連結されている。これによりZ軸モーターMZの正逆回転によってボールねじ26Bが正逆回転される。なお、Z軸モーターMZは、例えばサーボモーターなどであって、Z軸モーターMZには、同Z軸モーターMZが駆動されていないときにその回転軸を固定して同回転軸が外力により回転されることを防止するZ軸モーターブレーキBMZ(図5参照)が設けられている。これによりZ軸モーターMZは、その駆動時にはZ軸モーターブレーキBMZを開放させて回転軸を回転駆動するとともに、非駆動時などにはZ軸モーターブレーキBMZを締結させて回転軸を固定するようになっている。なお、Z軸モーターブレーキBMZは、その開放・締結をZ軸モーターMZの駆動に同期させることができるとともに、Z軸モーターMZの非駆動時には、任意に開放・締結できるようにもなっている。さらに、Z軸モーターMZの非駆動時には、Z軸モーターMZは回生動作を行うことができるようにもなっている。
水平移動部26の凹部26Rには、垂直移動部27の可動連結部27Aが同凹部26Rを上下移動可能に設けられているとともに、可動連結部27Aにはボールねじ26Bが螺合されている。すなわち、可動連結部27Aはその上下方向にボールねじ26Bを貫通させるねじ溝(図示略)が形成されており、そのねじ溝にボールねじ26Bが螺合されており、ボールねじ26Bの正逆回転に応じて水平移動部26の凹部26Rを上下方向(Z軸方向)に直線移動する。可動連結部27Aには、水平移動部26の上端との間にカウンターばね26Sが設けられている。カウンターばね26Sは、その両端に引く力を付与する引きばねであって、可動連結部27Aに水平移動部26の上端方向への力を付与する。これにより、可動連結部27Aとそれに付加されている装置との総重量、すなわち下方にかかる自重が軽減されるようになる。なお、本実施形態では、カウンターばね26Sは、例えば可動連結部27Aに10N(ニュートン)の上方向への力を付与しているが、可動連結部27A等の自重などにより必要に応じて、このカウンターばね26Sの有無の選択や、カウンターばね26Sの力の選択を適宜行なうことは可能である。
可動連結部27AのX方向に向く側面であって、開口部25H側の側面は、X方向に開口部25Hの上方まで突出されており、同突出された開口部25H側の側面には、下方(反Z方向)に延びる支持柱27Bが連結されている。支持柱27Bは、その上端が可動連結部27Aに連結される態様でフレーム25の天板25A上に配置され、その下端が開口部25Hを貫通してフレーム25内に延びている。そして、フレーム25内に配置される同下端には把持装置28が連結されている。
このような構造により、垂直移動部27は、水平移動部26に設けられたZ軸モーターMZの正逆回転により同水平移動部26に沿って上下方向に往復移動され、その上下移動に伴って、その下端の把持装置28がフレーム25内を上下方向に往復移動される。すなわち、垂直移動部27は下端に設けられた同把持装置28を上下動させて、ICチップTがポケットPSへ給排されるときや検査用ソケット50に配置されるときの高さである配置高さや、検査用ヘッド22により前後方向(Y方向)へ移動されるときの高さである移動高さなど各工程に応じた高さに配置させる。なお、本実施形態では、把持装置28は、Z軸モーターMZの回転駆動により下方に対して所定の圧力、例えば下方に12MPa(メガパスカル)の圧力で下降されるようになっている。なお、この力はモーターの種類やICチップTの種類、把持装置28や検査用ソケット50の種類などにより適切な値に変更可能である。
把持装置28は、複数個(図2では4個)の押圧装置30、いわゆるコンプライアンスユニットを備えている。押圧装置30は、半導体チップとしてのICチップTを把持(吸着保持)して、検査部23に設けた検査用ソケット50に押圧するものであって、垂直移動部27の下端に取付板29を介して固設されている。本実施形態では、4個の押圧装置30を備えたことによって、一度に4個のICチップTを保持搬送する。尚、把持装置28は、その取付板29が垂直移動部27の下端に対して着脱可能に連結され、検査対象のICチップTの数や配置に応じて適宜交換可能になっている。
次に、押圧装置30について図3に従って説明する。
図3において、押圧装置30は、取付板29の下面に取付けられる連結ベース31に固設されたエアシリンダSLと、そのエアシリンダSLの先端部に連結されたデバイスチャックDCとから構成されている。
エアシリンダSLは、シリンダーチューブ32の基端部が連結ベース31に固着されている。シリンダーチューブ32は、有底筒状のチューブ本体32aと、チューブ本体32aの開口を塞ぐフロントプレート32bとからなり、チューブ本体32aとフロントプレート32bとで形成されるシリンダ室内に作動体としてのピストン33がZ方向(上下方向)に移動可能に配設されている。従って、シリンダ室は、ピストン33によって、上側に第1室a、下側に第2室bとに区画される。
ピストン33は、後述する弾性部材としてのスプリングSPによって、上方に持ち上げられ、ピストン33の第1室a側の面が、図3に示す、チューブ本体32aの底面と当接する位置(以下、これを最上端位置という)に位置するようになっている。
チューブ本体32aの第1室a側の端部には、エアー導入口34が形成され、そのエアー導入口34には、第1連結ポートP1が取着されている。第1連結ポートP1は、エアー供給管R1を介して電空レギュレータ回路61に連結されている。そして。電空レギュレータ回路61からエアーが第1室aに供給されると、ピストン33は、そのエアーの圧力によって、チューブ本体32aの底面と当接した最上端位置から、デバイスチャックDCのスプリングSPの弾性力に抗して、下方に移動するようになっている。ちなみに、ピストン33のストローク量は、ピストン33が図3に実線で示す最上端位置にある時の、ピストン33の下面がフロントプレート32bの内側面に当接する位置(最下端位置)までの距離、即ち、図3に示す第2室bの上下方向の間隔33Lと一致する。
電空レギュレータ回路61は、設定された任意の値に対応する圧力の空気を供給することができるようになっており、特に本実施形態では、第1連結ポートP1にICチップTへ検査用の圧力を付与する検査用エアーと、同検査用エアーよりも高い圧力の高圧エアー(例えば、0.5MPa)とを供給することができるようになっている。すなわち、検査用エアーの供給されたピストン33は、垂直移動部27からの下降圧力にかかわらず、当該ピストン33のストローク量の範囲で上下動して検査用ソケット50のICチップTに所定の検査用の圧力を付与する、いわいるバッファー機能を発揮させて安定的に検査用の圧力を付与するようになっている。一方、高圧エアーの供給されたピストン33は、当該ピストン33に下方から検査用の圧力が印加されても最下端位置から移動せずに、いわゆるバッファー機能が無効化されて、垂直移動部27の下降圧力が検査用の圧力以上の圧力であれ、それを下方、例えば検査用ソケット50などにそのまま付与するようになっている。なお電空レギュレータ回路61には、把持装置28に設けられた複数の押圧装置30が接続されており、電空レギュレータ回路61は、接続される各押圧装置30に同一の圧力の空気を供給するようになっている。
また、把持装置28に設けられた複数の押圧装置30は、そのICチップTの吸着面の高さにそれぞれ若干の相違が生じるようなこともあるが、上述したようなバッファー機能により、ピストン33のストローク範囲である若干の相違であれば、そのような高さの違いは吸収される。これにより、複数の押圧装置30がそれぞれ把持する各ICチップTを対応する検査用ソケット50に配置するときには、各押圧装置30各別の高さ制御を行うことなく、把持装置28の高さ制御のみ行えば各ICチップTが適切な圧力で各検査用ソケット50に配置されるようにもなっている。
デバイスチャックDCは、連結ブロック41を備え、その上面に形成した連結凸部41aがフロントプレート32bに形成した貫通穴を介して、ピストン33とネジNで連結固定されている。従って、連結ブロック41(デバイスチャックDC)は、ピストン33とともに上下方向に移動する。
また、連結ブロック41と連結ベース31の間には、スプリングSPが連結されている。つまり、連結ブロック41は、連結ベース31に対して、スプリングSPを介して弾性的に吊下されている。そして、本実施形態では、スプリングSPは、連結ブロック41を介して、ピストン33が最上端位置に位置するように、ピストン33を、押し上げている。そして、第1室aにエアーが供給されると、その圧力によって、ピストン33はスプリングSPの弾性力に抗して、下方に移動し、やがて、最下端位置に到達してフロントプレート32bに当接し下方への移動が規制される。
連結ブロック41には、下面中央位置が凹設され、その凹設した位置から外側面に向かって貫通孔を形成されることによって、真空案内路42が形成されている。そして、連結ブロック41の外側面の真空案内路42には、第2連結ポートP2が取着されている。第2連結ポートP2は、エアー供給管R2を介してバルブ駆動回路62に駆動制御される吸着用バルブ63に連結されている。そしてバルブ駆動回路62は吸着用バルブ63を駆動制御して、エアー供給管R2に供給する正圧及び負圧を必要に応じて切替えるようになっている。
連結ブロック41の下側には、中間ブロック43が連結固着され、その中間ブロック43の下側にはガイドブロック44が連結固着されている。中間ブロック43及びガイドブロック44の中央位置には、連結ブロック41に形成した真空案内路42と連通する収容穴がそれぞれ貫通形成され、それら収容穴には吸引管45が配設されている。
吸引管45の先端部には、吸着パッド46が連結固着されている。そして、バルブ駆動回路62がエアー供給管R2に供給する圧力を負圧に切り替えて吸引管45内を負圧の状態にすることによって、吸着パッド46は、図3に示すように、ICチップTを吸着保持するようになっている。反対に、バルブ駆動回路62がエアー供給管R2に供給する圧力を正圧に切り替えて吸引管45内の負圧を解除する(正圧にする)ことによって、吸着パッド46は、吸着保持しているICチップTを、例えば、検査部23に設けた検査用ソケット50に配置する。
連結ブロック41の外側面には、被検出片47がボルト48にて固定されている。被検出片47は、その先端部が連結ベース31に固設された相対位置検出手段としてのホトカプラよりなる相対位置検出センサーSE2にて検出されるようになっている。詳述すると、相対位置検出センサーSE2は、ピストン33(デバイスチャックDC)の上下方向の移動とともに上下動する被検出片47の移動位置、すなわち、ピストン33(デバイスチャックDC)とシリンダーチューブ32との相対位置を検出する。
なお、本実施形態では、フレーム25や検査用ソケット50に対して上下方向(Z方向)に移動される垂直移動部27とそれに連結される把持装置28とによりZ軸が構成されている。すなわち、Z軸には、把持装置28に連結されている4つの押圧装置30も含まれる。また、垂直移動部27と把持装置28とを含むZ軸の重量が、Z軸モーターMZに下方の力を加える自重、例えば3kgの自重(30N相当)となっているが、その自重の値は、ICチップの種類やそれらに対応した押圧装置30の種類などによって選択的に変更される。
検査部23の検査用ソケット50は、そのソケット内に接触部51を有するスプリングピン52が、ICチップTの端子Taの数だけ設けられている。スプリングピン52は、検査用ソケット50に対して所定のストローク50Lで上下動作をする。そして、ICチップTが下方に押し下げられると、ICチップTの各端子Taが、上方からそれぞれ対応する接触部51と当接しスプリングピン52を下方に押し下げる。これによって、ICチップTの各端子Taと検査用ソケット50の接触部51とが電気的に接触し、その状態で電気的検査が行われる。そして、検査終了後、デバイスチャックDCにより検査済のICチップTが検査用ソケット50から取り上げられ、各シャトル16,17に搬送されて、それら各シャトル16,17からその検査結果に対応した所定のトレイ18に回収ロボット15により区分搬送される。
検査用ソケット50の外側にはストッパー55が設けられている。ストッパー55は、変形の少ない樹脂などにより形成されており、押圧装置30が所定の高さよりも下降してきたとき、押圧装置30のガイドブロック44の下面が当接して押圧装置30の下降を停止させるようになっている。これにより、押圧装置30が過剰な圧力でICチップTを検査用ソケット50に押しつけ、ICチップTや検査用ソケット50にダメージを与えるようなことを防止するようになっている。すなわち、押圧装置30によるICチップの検査用ソケット50への押圧が正常に行なわれている場合にはガイドブロック44がストッパー55に当接しないようになっている。
なお、本実施形態では、ベース11の上面であって、供給ロボット14の稼動範囲に設けられている作業エリア19にクリーニングチップCCが配置されている。クリーニングチップCCは各シャトル16,17及び検査用ヘッド22を介して検査用ソケット50に配置されることにより、検査用ソケット50の接触部51に付着した汚れを除去することなどにより接触部51とICチップTの端子Taとの間の電気的な接触を良好に維持させる。クリーニングチップCCは、所定のルールに基づき、例えば所定回数のICチップTの検査毎に検査用ソケット50に押圧配置されて電気的接触を好適に維持させるようにするとともに、使用後は作業エリア19に戻される。
次に、ICハンドラ10がICチップTを検査用ソケット50などに搬送処理するための電気的構成について図4を参照して説明する。
ICハンドラ10には、制御装置80が備えられている。制御装置80は、中央演算処理装置(CPU)、記憶装置(不揮発性メモリ、揮発性メモリなど)を有するマイクロコンピュータを中心に構成されており、メモリに格納されている各種データ及びプログラムに基づいて各種制御を実行する。本実施形態では、制御装置80にて検査用ソケット50やトレイ18、各シャトル16,17のポケットPSなどにICチップTが取り残されていないかを検出する残デバイス有無判定処理が実行される。また不揮発性メモリには、残デバイス有無判定処理に必要な各種のパラメータなどが予め保存されている。
制御装置80は、入出力装置85と電気的に接続されている。入出力装置85は、各種スイッチと状態表示機を有しており、前記各処理の実行を開始する指令信号や、各処理を実行するための初期値データ等を制御装置80に出力する。本実施形態では、各種ICチップT及びクリーニングチップCCの寸法に関する情報や、それらICチップTの種類に応じて設定されている検査用ヘッド22、供給ロボット14、回収ロボット15の移動位置情報などが制御装置80に出力される。
制御装置80は、Y軸モーター駆動回路MYD及びZ軸モーター駆動回路MZDとそれぞれ電気的に接続されている。
Y軸モーター駆動回路MYDは、制御装置80から受けた駆動信号に応答して、同駆動信号に基づく駆動量を演算し、演算された駆動量に基づいてY軸モーターMYを駆動制御するようになっている。また制御装置80には、Y軸モーター駆動回路MYDを介してY軸モーターエンコーダーEMYによって検出されたY軸モーターMYの回転速度が入力される。これにより制御装置80は、検査用ヘッド22の前後方向の位置を把握するとともに、その把握した位置と検査用ソケット50の上方位置や第1又は第2シャトル16,17の上方位置などの目標位置とのずれを求めて、Y軸モーターMYを駆動制御して検査用ヘッド22を目標位置移動させるようになっている。
Z軸モーター駆動回路MZDは、制御装置80から受けた駆動信号に応答して、同駆動信号に基づく駆動量を演算し、演算された駆動量に基づいてZ軸モーターMZを駆動制御するようになっている。またZ軸モーター駆動回路MZDは、Z軸モーターMZの駆動制御に同期して、もしくはZ軸モーターMZの非駆動時に制御装置80から受けたブレーキ信号に応答して、Z軸モーターブレーキBMZの開放・締結を行うようになっている。さらに、Z軸モーター駆動回路MZDは、制御装置80から受けた回生信号に応答して、非駆動時のZ軸モーターMZに回生動作をさせることができるようにもなっている。また制御装置80には、Z軸モーター駆動回路MZDを介してZ軸モーターエンコーダーEMZによって検出されたZ軸モーターMZの回転速度が入力される。これにより制御装置80は、把持装置28(押圧装置30)の上下方向の位置を把握するとともに、その高さと目標の高さである配置高さや移動高さとのずれを求めて、Z軸モーターMZを駆動制御して押圧装置30を目標の高さに移動させるようになっている。
制御装置80は、バルブ駆動回路62と電気的に接続されている。バルブ駆動回路62は、制御装置80から受けた制御信号に応答して吸着用バルブ63を駆動制御するようになっている。また制御装置80により駆動制御される吸着用バルブ63は、ガイドブロック44底面の吸着パッド46の圧力を大気圧と負圧とに切り替える。吸着パッド46が負圧にされたときにICチップTがガイドブロック44に吸着把持される。
制御装置80は、押圧装置30のシリンダーチューブ32に対応して設けられた電空レギュレータ回路61と電気的に接続されている。電空レギュレータ回路61は、制御装置80から入力される制御信号に応答して、圧縮空気である検査用エアーもしくは降圧エアーを押圧装置30のシリンダーチューブ32に選択的に供給する。これにより押圧装置30では、そのピストン33が圧縮空気により最上端位置から最上端位置まで下動される。
次に、このICハンドラ10に取り残したICチップを検出する原理について図5〜図7に従って説明する。図5は、検出される押圧装置の高さを説明する説明図であり、(a)及び(b)はダミー部品を使用しない場合の図、(c)はダミー部品を使用した場合の図であり、図6は、取り残されたICチップが検出されるときの検査ヘッドの態様について説明する図であり、図7は、検出される検査用ヘッドの高さの分布範囲を模式的に示すグラフである。
まず、図5に従って、検査用ソケット50にICチップTが取り残されているか否かを判断する、いわゆる残デバイス有無判定処理について説明する。図5(a)に示すように、残デバイス有無判定処理では、押圧装置30を検査用ソケット50に下降させるが、このとき垂直移動部27が押圧装置30を下降させる下降圧力は、ICチップTの検査用の圧力よりも低い圧力としている。具体的には、Z軸モーターMZを非駆動状態のままでZ軸モーターブレーキBMZを開放することにより、垂直移動部27がその自重、例えば重量3kg(30N相当)からカウンターばねの上方への与圧10N(重量1kg相当)を引いた2kgの重さ(20N相当)に基づく下降圧力(0.2MPa相当)で下降するようにしている。これにより、押圧装置30は、Z軸モーターMZの駆動により下降されるときの圧力(例えば12MPa)よりも低い圧力である下降圧力(例えば0.2MPa)にて下降されるようになる。このような低圧であれば、図5(a)に示すように、検査用の圧力であればストローク50Lだけ下動するスプリングピン52が、例えば、図5(b)に示すように、低い圧力であれば検査用のダミー部品T1により押圧されても押し下げなられないようになる。これにより、押圧装置30の上下方向の位置を、スプリングピン52がストローク50Lの範囲を可動して変化されることながいようにしている。
また、この処理に際しては、ピストン33には、高圧エアーを供給してピストン33のバッファー機能を無効化させるようにもしている。これにより、押圧装置30の上下方向の位置を、ピストン33がストロークの間隔33Lの範囲を可動して変化されることがないようにしている。
このようにして、押圧装置30が検査用ソケット50に接触することなどにより、同下降が停止された上下方向の位置(高さ)をZ軸モーターMZのZ軸モーターエンコーダーEMZにより検出するようにしている。
例えば、図5(a)に示すように、低い下降圧力にて下降される押圧装置30にも検査用ソケット50にもICチップTがない場合、押圧装置30は、そのガイドブロック44がストッパー55に当接してその下降が停止され、ストッパー55とガイドブロック44との対向面の間の距離L0は「0」である。そして、例えば、このときの高さを基準高さとする。すなわちこのときの押圧装置30の高さは、基準高さであると検出される。
また、図5(b)に示すように、押圧装置30が検知用のダミー部品T1を有し、検査用ソケット50にはICチップTがない場合、押圧装置30は、ダミー部品T1が接触部51に当接すると、スプリングピン52を押し下げることなくその下降が停止される。なお、説明の便宜上、ダミー部品T1は、ICチップTと同様の寸法を有する部品であるものとする。そしてこのときの、押圧装置30の高さは、基準高さに、ストッパー55とガイドブロック44との対向面の間の距離L1を加えた高さとなり、例えば距離L1を0.5(mm)とすれば、基準高さ+0.5(mm)として検出される。なお、この距離L1は、検査用ソケット50にICチップTを押圧する際、押圧装置30が下降し過ぎてICチップTに過剰圧力が印加されることを防止するために押圧装置30を停止させるための距離であり、ICチップTの厚みによらず所定の値とされている。また、検査用ソケット50にICチップT(T1)があるとき、押圧装置30が検知用のダミー部品T1を把持せず低い下降圧力にて下降した場合も同様に、押圧装置30の高さは、基準高さに、距離L1を加えた高さとなる。
また、図5(c)に示すように、押圧装置30が検知用のダミー部品T1を有し、検査用ソケット50にはICチップTがある場合、押圧装置30は、ダミー部品T1がICチップTの上面に当接すると、ICチップTにスプリングピン52を押し下げさせることなくその下降が停止される。そしてこのときの、押圧装置30の高さは、基準高さに、ストッパー55とガイドブロック44との対向面の間の距離L2を加えた高さとなる。この距離L2は、先の距離L1にダミー部品T1の厚みを加えた高さとなり、例えば距離L1が0.5(mm)、ダミー部品T1の厚みが1.5(mm)とすれば、基準高さ+2.0(mm)として検出される。
このことにより、このように検出された押圧装置30の高さから検査用ソケット50にICチップが取り残されているか、すなわち残デバイスの有無が判断される。
次に、残デバイスの有無の判断について説明する。なお、説明の便宜上、基準高さを「0(mm)」として説明する。
例えば、押圧装置30にダミー部品T1を把持させずに、低い下降圧力で検査用ソケット50に下降させると、検査用ソケット50にICチップTがない場合、押圧装置30の高さとして、図5(a)に示すように、基準高さ「0(mm)」が検出される。一方、検査用ソケット50にICチップTがある場合、仮に図5(b)に示すダミー部品T1をICチップTとすると、距離L1が検出される。このことから、基準高さ「0(mm)」と距離L1との間に閾値TH1を設けて押圧装置30の高さと比較することで、押圧装置30の高さが閾値TH1よりも低ければ検査用ソケット50にICチップTがないと判断され、閾値TH1以上であれば検査用ソケット50にICチップTがあると判断されるようになる。すなわち、閾値TH1として距離L1よりも小さい値を選択することが可能である。例えば、距離L1が0.5(mm)であれば、閾値TH1として0.5(mm)より小さい値を選択することが可能であるが、検出される押圧装置30の高さのばらつきがICチップTの有無にかかわらず同程度であれば距離L1の中間値近辺である0.2〜0.3(mm)を選択することが好適である。
また例えば、押圧装置30にダミー部品T1を把持させて、低い下降圧力で検査用ソケット50に下降させると、検査用ソケット50にICチップTがない場合、押圧装置30の高さとして、図5(b)に示すように、距離L1が検出される。一方、検査用ソケット50にICチップTがある場合、押圧装置30の高さとして、図5(c)に示すように、距離L2が検出される。このことから、距離L1と距離L2との間に閾値TH2を設けて押圧装置30の高さと比較することで、押圧装置30の高さが閾値TH2よりも低ければ検査用ソケット50にICチップTがないと判断され、閾値TH2よりも高ければ検査用ソケット50にICチップTがあると判断されるようになる。すなわち、閾値TH2として距離L1より大きく距離L2より小さい値を選択することが可能である。例えば、距離L1が0.5(mm)、距離L2が2.0(mm)、であれば、閾値TH2として0.5(mm)より大きく2.0(mm)より小さい値を選択することが可能である。このとき検出される押圧装置30の高さのばらつきがICチップTの有無にかかわらず同程度であれば距離L1と距離L2の中間値近辺である1.0〜1.5(mm)を選択することが好適である。
ところで、図6に示すように、把持装置28には、複数の押圧装置30が設けられ、それぞれが対応する検査用ソケット50にICチップTを載置するようにしている場合、それら検査用ソケット50のいずれかひとつのみにICチップTが取り残されている可能性が高い。このような場合であれ、その自重で下降されるZ軸の各押圧装置30は各検査用ソケット50のスプリングピン52を押し下げず、また各押圧装置30のバッファー機能が無効化されることにより、取り残されたICチップTのひとつにでも当接するとZ軸の下降が停止され、Z軸としての上下方向の位置(高さ)が検出されるようになる。このことにより、複数の押圧装置30を備える把持装置28であれ、低い下降圧力で下降させられて検出された上下方向の位置(図6の距離L2)に基づいて、少なくともいずれかひとつの検査用ソケット50にICチップTが取り残されていることが判定されるようになる。
なお、本実施形態ではバッファー機能が無効化されるため、把持装置28に設けられている複数の押圧装置30の高さ方向の誤差が吸収されなくなるためその誤差をICチップTの厚さよりも小さくすることが好ましい。例えば、ICチップTの厚みが0.3(mm)で有るような場合、その誤差は0.2(mm)以下に調整するようにする。
上述のように、把持装置28に設けられている複数の押圧装置30の高さには多少の相違があり、また、複数の検査用ソケット50の接触部51の高さにも多少の相違がある。そのため、図7に示すように、ICチップTのない検査用ソケット50に、各押圧装置30にダミー部品T1を把持させずに低い下降圧力で下降させた場合、各押圧装置30の上下方向(Z軸)の高さは、H01〜H02の間の範囲A0に分布する。ところで、本実施形態では、複数の押圧装置30の高さが、把持装置28を介して垂直移動部27を駆動させるZ軸モーターエンコーダーEMZによりZ軸の高さとして一括して計測されることとなるので、Z軸としての高さはその値は範囲A0の一点に対応する。
また、ICチップTのある検査用ソケット50に、ダミー部品T1を把持しない押圧装置30を低い下降圧力で下降させた場合、もしくは、ICチップTのない検査用ソケット50に、ダミー部品T1を把持した押圧装置30を低い下降圧力で下降させた場合、Z軸の上下方向の高さは、H11〜H12の間の範囲A1に分布する。
さらに、ICチップTのある検査用ソケット50に、ダミー部品T1を把持する押圧装置30を低い下降圧力で下降させた場合、その上下方向(Z軸)の高さは、H21〜H22の間の範囲A2に分布する。この場合、Z軸としての高さは範囲A2の一点に対応する。
ところで押圧装置30にダミー部品T1を把持しない場合、ICチップTが取り残されているか否かが範囲A0にある一点の高さと、範囲A1にある一点の高さとの比較により行なわれることとなる。このことから、ICチップTが正常に検査用ソケット50に配置されるときのガイドブロック44とストッパー55との対向面の差が大きく、範囲A0と範囲A1との間隔が広いときに有用である。
一方、ガイドブロック44とストッパー55との対向面の差が小さく範囲A0と範囲A1との間隔が狭いと場合、さらには範囲A0と範囲A1との一部が重なり合うような場合、Z軸の範囲A0にある一点の高さと範囲A1にある一点の高さとの比較からはICチップTの有無を好適に判定できないおそれもある。そのような場合には、押圧装置30にダミー部品T1を把持させて押圧装置30の高さを検出するようにする。すなわち、押圧装置30にダミー部品T1を把持する場合、ICチップTが取り残されているか否かをZ軸の高さとして範囲A1にある一点の高さと範囲A2にある一点の高さとから行なうことになる。これにより、範囲A1と範囲A2との間には少なくともICチップTの厚みに基づく差を得ることができ、その差が範囲A0と範囲A1との差よりも大きければ検査用ソケット50のICチップTが取り残されているか否かがの判断がより好適になされるようになる。
次に、このICハンドラ10による取り残したICチップの検出動作について図8〜図13に従って説明する。図8〜図11は、取り残されたICチップの検出処理のための事前準備にかかるフローチャートであり、図12及び図13は、取り残されたICチップの検出処理にかかるフローチャートである。
本実施形態の残デバイス有無判定処理を行うためには、その事前準備として同判定に用いられる基準の高さなどを予め計測して初期設定することなどが必要とされる。
はじめに、事前準備について説明する。事前準備は、ICチップTの種類が変更されるなどして各種値の初期設定が必要なときに行なわれる処理である。事前準備が開始されると、まず制御装置80は、基準高さを設定する(図8のステップS10)。基準高さは、検査用ソケット50に対して低い下降圧力で下降させたICチップTを把持しないZ軸の下降が停止された高さである。すなわち図9に示すように、基準高さ設定では、制御装置80は押圧装置30のピストン33に高圧エアーを供給して上下方向の位置の差を吸収するバッファー機能を無効化させる(ステップS11)。次に、制御装置80はZ軸モーターMZを非駆動かつ回生状態にさせるとともにZ軸モーターブレーキBMZを開放させて、Z軸を自重で下降させる(ステップS12)。そして、制御装置80はZ軸の下降が停止された上下方向(Z方向)の高さを検出し(ステップS13)、このとき検出された高さを基準高さとして不揮発性メモリの所定の領域に設定する(ステップS14)。その後、制御装置80は、Z軸モーターMZを駆動制御させてZ軸を検査用ソケット50から離脱させる(ステップS15)。
また制御装置80は、デバイス配置高さ設定をする(図8のステップS20)。デバイス配置高さは、検査用ソケット50に対して低い下降圧力で下降させたICチップTを把持しているZ軸の下降が停止された高さである。すなわち図10に示すように、デバイス配置高さ設定では、制御装置80は高さを測るデバイスとしてICチップTを各押圧装置30に把持させる(ステップS21)とともに、押圧装置30の上下方向の位置の差を吸収するバッファー機能を無効化させる(ステップS22)。次に、制御装置80はZ軸モーターMZを非駆動にするとともにZ軸モーターブレーキBMZを開放して、Z軸を自重で下降させる(ステップS23)。そして、制御装置80はZ軸の下降が停止された上下方向(Z方向)の高さを検出し(ステップS24)、このとき検出された高さをデバイス配置高さとして不揮発性メモリの所定の領域に設定する(ステップS25)。その後、制御装置80は、Z軸モーターMZを駆動制御させてZ軸を検査用ソケット50から離脱させる(ステップS26)。
さらに制御装置80は、ダミー部品配置高さ設定をする(図8のステップS30)。ダミー部品配置高さは、検査用ソケット50に対して低い下降圧力で下降させたICチップTを把持しているZ軸の下降が停止された高さである。すなわち図11に示すように、ダミー部品配置高さ設定では、先の図10に示したデバイス配置高さ設定と同様に、制御装置80はダミー部品として例えばクリーニングチップCCを各押圧装置30に把持させる(ステップS31)。さらに、押圧装置30のバッファー機能を無効化し(ステップS32)、Z軸モーターMZを非駆動にするとともにZ軸モーターブレーキBMZを開放して、Z軸を自重で下降させる(ステップS33)。そして、制御装置80はZ軸の下降が停止された上下方向(Z方向)の高さを検出し(ステップS34)、このとき検出された高さをダミー部品配置高さとして不揮発性メモリの所定の領域に設定して(ステップS35)、Z軸モーターMZの駆動によりZ軸を検査用ソケット50から離脱させる(ステップS36)。
それから制御装置80は、図8に示すように、検出用閾値を設定する。検出用閾値として、ダミー部品を使用せずに残デバイス有無の判定に用いられる閾値TH1が基準高さとデバイス配置高さなどに基づいて設定され、ダミー部品を使用して残デバイス有無を判定する場合に用いられる閾値TH2がデバイス配置高さとダミー部品配置高さなどに基づいて設定される。
これにより、事前準備が終了される。
次に、ICチップTの検査が自動的に実行されている最中における残デバイス有無判定について説明する。本実施形態では、ICチップTの検査が自動的に実行されている最中において、検査用ソケットにICチップが取り残されている可能性の高い条件となった場合に残デバイス有無判定を行うようにしている。すなわち、ICチップTの検査の自動実行が開始される、もしくは同実行が再開されると、制御装置80は、残デバイス有無判定を行う(図12のステップS50)。ICチップTの検査の自動実行の再開とは、どのような理由であれ自動実行が停止された後の再開であり、停止の理由としては例えば、搬送途中のハンドリングミスや、検査ソフトプログラムのチェックのために作業者が手作業でICを挿入した後や、ICチップTの吸着センサー(図示略)による吸着異常の検知などが含まれる。
図13に示すように、残デバイス有無判定では、制御装置80は、検査用ヘッド22にて押圧装置30に把持させたダミー部品としてのクリーニングチップCCを検査用ソケット50に搬送させる(ステップS51)。さらに、押圧装置30のバッファー機能を無効化し(ステップS52)、Z軸モーターMZの非駆動とZ軸モーターブレーキBMZの開放によりZ軸を自重で下降させる(ステップS53)。そして、制御装置80はZ軸の下降が停止された上下方向(Z方向)の高さを検出し(ステップS54)、この高さをダミー部品を使用して残デバイス有無を判定する場合に用いられる閾値TH2と比較して(ステップS55)残デバイスの有無、すなわち取り残されたICチップTがあるか否かを判定する(ステップS56)。例えば、検出された高さが、閾値TH2よりも低ければ、検査用ソケット50にはダミー部品しか存在しない、すなわち、ICチップTは取り残されていないと判定される。一方、検出された高さが、閾値TH2よりも高ければ、検査用ソケット50にはダミー部品以外の部品が存在する、すなわち、ICチップTが取り残されていると判定される。ICチップTは取り残されていないと判定された場合(ステップS56でNO)、制御装置80は、残デバイス有無判定フラグに「残デバイスなし」を意味するフラグ、例えば「0」を設定する(ステップS57)。一方、ICチップTが取り残されていると判定された場合(ステップS56でYES)、制御装置80は、残デバイス有無判定フラグに「残デバイス有り」を意味するフラグ、例えば「1」を設定する(ステップS58)。残デバイス有無判定フラグにいずれかのフラグが設定されると、制御装置80は、Z軸を検査用ソケット50から離脱させる(ステップS59)。
残デバイス有無判定が終了すると、制御装置80は、図12に示すように、残デバイス有無判定フラグを参照して残デバイスが有ることを示す「1」が設定されている場合(ステップS61でYES)、残デバイス排除処理を行う(ステップS62)。残デバイス排除処理は、自動的に行なわれてもよいし、状況をオペレーターに通知してオペレーターに作業等をさせるように促してもよい。そして、残デバイス排除処理が完了されると、再度、残デバイス有無判定を行う(ステップS50)。残デバイス排除処理の完了は、自動的に残デバイスを排除したのであれば自動的に設定され、オペレーターの作業等により排除されたものであれば、オペレーターからの完了の操作や自動検査運転の再開の操作などで判断される。
一方、制御装置80は、残デバイス有無判定フラグを参照して残デバイスがないことを示す「0」が設定されている場合(ステップS61でNO)、未検査デバイスとして未検査のICチップTがあるか否かを判断する(ステップS63)。未検査のICチップTはないと判断される場合(ステップS63でNO)、制御装置80は、ICチップTの自動的な検査を終了する。
また一方、未検査のICチップTがあると判断される場合(ステップS63でYES)、制御装置80は、未検査デバイスとしてのICチップTを搬送して(ステップS64)、検査用ソケット50に配置させて(ステップS65)、デバイス検査処理としてのICチップTの電気的試験を行う(ステップS66)。ICチップTの電気的試験が終了すると、制御装置80は、ICチップTを検査用ソケット50から排出させるとともに、デバイスとしてのICチップTが正しく回収されたか否かを判定する(ステップS68)。ICチップTが正しく回収されたか否かは、すべての押圧装置30の吸着圧や吸着センサーの値が正常であったか否かや、回収ロボット15にて所定の数のICチップが回収されたか否かなどにより判定される。ICチップTが正しく回収されたと判定された場合(ステップS68でYES)、制御装置80は、未検査デバイスがあるかを判定する処理に戻り(ステップS63)、以降、上述の処理が実行される。一方、ICチップTが正しく回収されていないと判定された場合(ステップS68でNO)、制御装置80は、オペレーターに警報を通知する(ステップS69)。このような警報通知により自動運転が中止され、同警報に対してオペレーターが対応し、オペレーターによる対応が終了するとオペレーターによる対応完了の操作により自動検査運転が再開されて、残デバイス有無判定する処理に戻り(ステップS50)が行われ、以降、上述の処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態の電子部品検査装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)把持装置28の下降が停止されたときの上下方向の高さを検出して検査用ソケット50に残されたICチップTの有無を判別したので、きわめて簡単な構造によりICチップTの有無を判別できるようになる。このとき、特に、把持装置28を検査用の圧力よりも低い下降圧力にて下降させることから、例えば検査用ソケット50にICチップTが残っていたとしても当該ICチップTにダメージ等を与えることがない。
(2)複数のICチップTに対して一括してその上下方向の位置を計測するので構造が簡単であり、従来からのICハンドラ(電子部品検査装置)への適用の可能性も高い。これにより、きわめて簡単な構造でありながら、このような電子部品検査装置の検査の信頼性が高められるようになる。
(3)さらに電子部品の高さの検出に、当該ICチップTの搬送に用いる把持装置28を用いた。これにより、ICチップTの種類が変更されたときであれ、把持装置28などを当該ICチップTに対応させるように変更すれば、その他に取り残したICチップTを検出するための、例えばセンサーなどの調整の必要がなく、簡単でありながら高い利便性が維持される。
(4)Z軸モーターMZを回生させつつ把持装置28を自重により下降させた。これにより、把持装置28の下降速度が適切に調整されて、検査用ソケット50に電子部品が取り残されていた場合であれ同ICチップTに過度の負荷を与えて、同ICチップTや同ICチップTの配置されている検査用ソケット50にダメージを与えるおそれを低減させる。これにより、このような電子部品検査装置の利用価値が高められる。
(5)把持装置28の自重を軽減するカウンターばね26Sにより把持装置28の自重を調整した。これにより把持装置28の下降速度が調整されるのでこれによっても検査用ソケット50にICチップTが取り残されていた場合であれICチップTやそれが配置されている検査用ソケット50に過度の負荷を与えるおそれを低減させる。
(6)ストッパー55によりICチップTの有無による上下方向の位置(高さ)の差が小さくなる場合、ダミー部品を用いることにより、ICチップTの有無による上下方向の位置をICチップT自身の高さの差により検出した。これにより、このような電子部品検査装置のICチップTの取り残し検出が確実とされるようになり、電子部品検査装置の検査の信頼性も高められるようになる。
(7)ダミー部品として、従来から設置されていることの多いクリーニングチップCCを活用した。これにより、このような電子部品検査装置の実施がより容易となる。
(8)一層の小型化により目視による確認が難しくなってきているICチップTであれ、検査用ソケット50への取り残しを確認することができるようにした。検査用ソケット50へのICチップTの取り残しが確認できることで、取り残しを原因としての検査結果に生じるミスをも防止できるようになり、このよう電子部品検査装置の信頼性を向上させることができるようになる。
(9)検査用ソケット50にはICチップTの端子が押し付けられると可動するスプリングピン52が設けられている。そこで、把持装置を低い下降圧力で下降させることにより、検査用ソケット50のスプリングピン52のピンを押し下げることなく、把持装置の下降された上下方向の位置を検出するので、取り残されたICチップTの検出精度も高く維持されるようになる。
(10)ICチップTを所定の圧力で検査用ソケット50に押圧するとともに、多少の高さ誤差を吸収する押圧装置30のピストン33に高圧エアーを供給した。これにより押圧装置30は、把持装置が検査用ソケット50に当接したとしても可動しない、すなわちバッファー機能が無効化される。その結果、押圧装置30により検査用ソケット50にICチップTを押圧する電子部品検査装置であれ、押圧装置30のバッファー機能の影響を排除して好適に検査用ソケット50に取り残されたICチップTを検出することができるようになる。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、残デバイス有無判定処理を取り残されたICチップTの検出に用いる場合について例示したが、これに限らず、残デバイス有無判定処理を、ICチップが取り残されたものであるか否かにかかわらず、ICチップの有無に用いてもよい。
・上記実施形態では、Z軸は、垂直移動部27、把持装置28とから構成されている場合ついて例示した。しかしこれに限らず、Z軸は、吸着した電子部品を上下に移動させるための構成を有していればよく、例えば、垂直移動部と吸着パッドとパッドの保護部から構成されていてもよい。すなわち、このような取り残されたICチップの検出が、供給側ロボットハンドユニットや回収側ロボットハンドユニットにて行われてもよい。供給側ロボットハンドユニットや回収側ロボットハンドユニットに設けられれば、ICチップの配置位置としてトレイのポケットやシャトルのポケットなどに対してもICチップの取り残し検出が行えるようになる。これにより、このような取り残されたICチップを検出が行える構成が高められ、取り残されたICチップによる不具合を減少させ、電子部品検査装置の利便性、信頼性が一層より高められる。
・上記実施形態では、電空レギュレータ回路61に複数の押圧装置30が接続されている場合について例示した。しかしこれに限らず、各押圧装置30に同様の圧力の空気を供給できるのであれば、1つ又は一部の押圧装置30毎に対応する電空レギュレータ回路を設けてもよい。
・上記実施形態では、電空レギュレータ回路61にて押圧装置30へ圧縮空気を供給する場合について例示した。しかしこれに限らず、押圧装置に複数の圧力の空気を選択や調整して供給することができるのであれば、例えば、予め用意されている複数の圧力の空気をバルブにより選択して押圧装置に供給するようにしてもよい。すなわち、複数の圧力の空気を押圧装置に供給する方法には制限はない。
・上記実施形態では、電空レギュレータ回路61は、検査用エアーと高圧エアーとの2種類の圧力の空気を供給する場合について例示した。しかしこれに限らず、電空レギュレータ回路は、押圧装置に複数の任意の圧力の空気、例えば、検査用エアーと大気圧や、3種類以上の種類の圧力の空気等を供給するようにしてもよい。これにより、ICチップの種類などによって供給する空気の圧力を適切な圧力にすることができるようになる。
・上記実施形態では、ピストン33に高圧エアーを供給する場合について例示した。しかしこれに限らず、ピストンには、例えばピストンの圧力が下降圧力よりも低い圧力となるように低い圧力を供給したり、ピストンへの空気の出入りを自由にして容易に動く非能動にしたりしてもよい。これにより、下降圧力で下降された押圧装置であれ、そのピストンが容易に動くので、そのバッファー機能が無効化され、バッファー機能の影響を受けない下降が停止された位置が検出されるようになる。これによっても、停止された高さの検出精度が高められ取り残されたICチップTの検出精度を向上させるようになる。
・上記実施形態では、Z軸が自重で下降する場合について例示した。しかしこれに限らず、Z軸をZ軸モーターの駆動により下降させてもよい。この場合、Z軸モーターの駆動による下降トルクを低く抑えられればよいが、低く抑えることが難しいような場合には、カウンターばねの上方への張力を調整して下降トルクが低くなるようにしてもよい。
例えば、把持装置をモーター駆動を利用して低い下降圧力にて下降させる場合、下降トルクをカウンターばねにより軽減させるように同ばねを調整すれば、低い下降圧力の把持装置の下降にモーターを適用する可能性が高められ、すなわち、低トルクの調整の難しいモーターであれその適用可能性が高められる。
・上記実施形態では、Z軸を自重で下降させる距離については特に制限しなかった。すなわち、Z軸を自重で下降させる距離は、検査用ソケット上方に搬送されたときの把持装置の高さからでもよいし、検査用ソケットにICチップが取り残されているとした場合、当該ICチップに接触する手前(例えば0.1〜5(mm))までモーター駆動にて下降させてからでもよい。例えば、ICチップに接触する手前までモーター駆動にて下降させれば、自重による下降にかかる時間を減少させて取り残されたICチップの検出時間を短縮させることもできるようになる。これにより、電子部品検査装置としての利便性が高められる。
なお、モーター駆動による下降から自重による下降に切り替える際、下降を一旦停止させてから切り替えても、モーターによる下降の勢いを残しつつ自重に切り替えるようにしてもよい。これにより、押圧装置がICチップに当接するときの衝撃を調整することができるようになる。
・上記実施形態では、ダミー部品としてクリーニングチップCCを用いる場合について例示した。しかしこれに限らず、ダミー部品は、高さ検出用の部品であってもよいし、検査対象のICチップTを用いてもよい。
・上記実施形態では、ICチップTとダミー部品の寸法が同様である場合について例示した。しかしこれに限らず、ダミー部品の寸法は検査対象のICチップと異なっていてもよい。これにより、ダミー部品の利用価値が高められるようになり、このような電子部品検査装置としても利便性が高められる。
・上記実施形態では、検査用ソケット50の外部にストッパー55が設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、検査用ソケットの外部にストッパーが設けられていなくてもよい。これにより、電子部品検査装置の構成の自由度が高められる。
なお、ストッパー55がない場合には、ダミー部品を使用せずに取り残されたICチップを検出するための閾値(上記実施形態で閾値TH1に相当)をICチップの厚みに基づいて決めることができる。例えば、ICチップの厚みが0.3(mm)であれば、閾値として0.2(mm)を設定するようにすることができる。
・上記実施形態では、Z軸が下降されるときZ軸モーターMZが回生制動される場合について例示した。しかしこれに限らず、Z軸モーターは回生制動されなくてもよい。
・上記実施形態では、Z軸モーターMZが回転駆動する場合について例示した。しかしこれに限らず、Z軸モーターは、リニアモータでもよい。
・上記実施形態では、Z軸の自重がカウンターばね26Sにより軽減される場合について例示した。しかしこれに限らず、Z軸の自重の調整が不要であるか、他の方法により調整できるのであればカウンターばねが設けられなくてもよい。これにより、電子部品検査装置としての構成の自由度が高められるようになる。
・上記実施形態では、Z軸にはカウンターばね26Sにより弾性力が付与される場合について例示した。しかしこれに限らず、Z軸の自重の自重を調整するものであれば、Z軸に弾性力を付与するものは、引きばね以外に圧縮ばねや板ばねなど、ばねの種類に制限はなく、またその他の弾性力を生ずるもの、例えば空気ばねなどでもよい。
・上記実施形態では、上下方向の高さが、Z軸モーターエンコーダーEMZにより検出される場合について例示した。しかしこれに限らず、上下方向の高さは、それが正しく検出されるのであれば、リニアゲージや非接触式距離センサーにより検出されてもよい。これにより、電子部品検査装置としての構成の自由度が高められるようになる。
・上記実施形態では、ICチップTの寸法が一辺2mmのものがあることを明示したが、ICチップTの寸法としては、2mmより長い長さの辺を有するのもでも、2mmより短い長さの辺を有するものでもよい。また、形状としては、矩形以外の多角形でも、円形や楕円形などでもよい。さらに、ICチップとしては、シリコンチップそのままであっても、樹脂などによりモールドされたものであってもよい。
(その他の技術的思想)
(イ)搬入された電子部品を同電子部品を配置させる所定の配置位置に移動配置させることを通じて前記搬入された電子部品を同電子部品の電気的検査を行なう検査用ソケットに検査用の所定の圧力で押圧してその電気的検査を行う機能と、該検査された電子部品を排出する機能とを含む電子部品検査装置であって、前記電子部品の複数を一括把持する把持手段と、この把持手段を上下動可能に保持しつつ前記所定の配置位置の上方に移動させる上下移動手段と、これら把持手段及び上下移動手段の制御を行う制御手段とを備え、前記上下移動手段は、前記所定の配置位置の上方に移動した把持手段を前記検査用の圧力よりも低い圧力にて下降させ、該下降が停止されたときの同把持手段の上下方向の位置を検出し、前記制御手段は、この上下移動手段により検出された把持手段の上下方向の位置から前記所定の配置位置に取り残された電子部品の有無を判別することを特徴とする電子部品検査装置。このような構成によれば、きわめて簡単な構造による電子部品の有無の判別が行なえるようになる。