JP5152379B2 - 位置決め装置のメンテナンス方法及びicハンドラの位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置のメンテナンス方法及びicハンドラの位置決め装置 Download PDF

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Description

本発明は、位置決め装置のメンテナンス方法及びICハンドラの位置決め装置に関する。
半導体デバイスなどの電子部品は、出荷前にIC検査装置にて検査される。IC検査装置は、ICハンドラとも呼ばれ、該ICハンドラには測定ロボットが備えられている。該測定ロボットは、吸着パットにて電子部品を真空吸着して把持し、テスタの検査用ソケットに装着する。このとき、電子部品は、所定の力で押圧させながら検査用ソケットに装着され、電子部品に設けた端子と検査用ソケットに設けた端子とが電気的に接続され、検査が行われる。そして、テスタで検査が終了すると、測定ロボットは、検査用ソケットに装着された電子部品を真空吸着して検査用ソケットから外し、検査結果に応じた回収トレイに配置する。
ところで、電子部品の検査は、電子部品と検査用ソケットとに設けられた端子が電気的に接続されないと検査を行うことができない。そのため、電子部品の端子と検査ソケットの端子とは、正確に接続されなければならない。従って、電子部品は、検査用ソケットに対して高い精度で位置調整した上で装着されることが望ましい。しかしながら、より高い精度に位置調整を行うと、効率よく検査を行うことができなかった。
そこで、検査の効率と位置調整の精度とを考慮して、一方にガイドピンと他方にガイド孔とを設けてそれらを係合させることで、電子部品を検査ソケットに対して位置調整する方法が考案されている(たとえば、特許文献1)。さらに、ガイド孔にスリットを設けて、より高い精度で位置調整する考案がなされている(たとえば、特許文献2)。
特開平10−185993号公報 特開平5−41599号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の方法は、ガイド孔とガイドピンとを繰り返し係合させると、どちらかが摩耗して摩り減っていく。それに伴って、ガイドピンとガイド孔とが係合したときに、該ガイドピンと該ガイド孔との隙間が大きくなってくる。この隙間によって、摩耗する前のような高い精度の位置調整を行うことができなくなってしまう。
従って、さらに摩耗が進むと、電子部品の端子と検査用ソケットの端子とが電気的に接続できなくなり、検査を行うことができなくなってしまう。特許文献1及び特許文献2の方法は、ガイドピンとガイド孔の摩耗状態を確認する確認手段を備えていないため、摩耗状態を確認する作業は多大な労力を必要としていた。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、電子部品を検査ソケットに装着する際の位置調整を、ガイドピンとガイド孔とを係合させることによって行うICハンドラにおいて、該ガイドピンと該ガイド孔との摩耗状態を把握することができ、摩耗による検査不良を未然に起こさないようにすることができるICハンドラを提供することにある。
本発明の位置決め装置のメンテナンス方法は、電子部品を把持する把持部材と、電子部品を収容する収容部を備えた受け部材と、を備え、前記把持部材と前記受け部材とのどちらか一方にガイド孔を設け、他方に前記ガイド孔に貫挿され摺動可能なガイドピンとを設け、前記把持部材に把持した電子部品を前記収容部に配置するときに、前記ガイド孔に前記ガイドピンを貫挿摺接させながら、前記受け部材と前記把持部材とを近づけることによって、前記把持部材に把持された電子部品を、前記収容部に対して位置決めする位置決め装置のメンテナンス方法であって、前記ガイド孔の内周面または前記ガイドピンの外周面のどちらか一方に、電気抵抗膜を形成し、前記ガイド孔に前記ガイドピンが貫挿しているとき、前記ガイド孔の内周面と前記ガイドピンの外周面との間の電気抵抗に基づいて、前記電気抵抗膜の摩耗を検出することを特徴とする。
本発明の位置決め装置のメンテナンス方法によれば、ガイド孔とガイドピンとが繰り返し貫挿し摺接されることにより、電気抵抗膜が摩耗する。この摩耗によって、ガイド孔の内周面とガイドピンの外周面とが電気的に短絡状態、ずなわち、ガイド部材とガイドピンとの間の電気抵抗値が小さくなる。
この電気抵抗の変化によって、ガイド孔とガイドピンとの間の摩耗状態が把握でき、交換時期等の予測が可能となる。
本発明のICハンドラの位置決め装置は、電子部品を把持する把持部材と、電子部品を収容する収容部を備えた受け部材と、を備え、前記把持部材と前記受け部材とのどちらか一方にガイド孔を設け、他方に前記ガイド孔に貫挿され摺動可能なガイドピンを設け、前記把持部材に把持した電子部品を前記収容部に配置するときに、前記ガイド孔に前記ガイドピンを貫挿摺接させながら、前記受け部材と前記把持部材とを近づけることによって、前記把持部材に把持された電子部品を、前記収容部に対して位置決めするICハンドラの位置決め装置であって、前記ガイド孔の内周面または前記ガイドピンの外周面のどちらか一方に形成した電気抵抗膜と、前記ガイド孔の内周面と前記ガイドピンの外周面との間の電気抵抗を計測する計測手段と、を設けたことを特徴とする。
本発明のICハンドラの位置決め装置によれば、ガイド孔とガイドピンとが繰り返し貫挿し、摺接されることにより、電気抵抗膜が摩耗する。この摩耗によって、ガイド孔の内周面とガイドピンの外周面とが直接接触することになる。このとき、ガイド孔の内周面とガイドピンの外周面とが電気的に短絡状態、すなわち、ガイド部材とガイドピンとの間の電気抵抗値が小さくなる。
従って、たとえば、電気抵抗値が予め定めた電気抵抗値よりも小さくなったとき、警報ランプを点灯させて電気抵抗膜が摩耗していることを明示すれば、電子部品の位置決め精度が低下していることを容易に知ることができ、事前に交換時期を知らせることができる。
このICハンドラの位置決め装置は、前記収容部は、電子部品の端子が接触して電気的検査を行う検査ソケットであってもよい。
このICハンドラの位置決め装置によれば、電子部品は、検査ソケットに差し込まれて、電子部品の良否を検査することができる。
このICハンドラの位置決め装置は、前記電気抵抗膜は、電気的絶縁体であってもよい。
このICハンドラの位置決め装置によれば、電気抵抗膜が摩耗したときに、ガイド孔の内周面とガイドピンの外周面とが直接接触し、短絡することによって電気抵抗値が小さくなる。従って、計測手段は、予め定めた電気抵抗値よりも小さくなったことを検出し、電気抵抗膜が摩耗していることを明示することができる。
このICハンドラの位置決め装置は、前記電気抵抗膜は、前記ガイド孔の内周面に設けられてもよい。
このICハンドラの位置決め装置によれば、電気抵抗膜をガイド孔の内周面に設けたので、電気抵抗膜の肉厚を精度よく形成することができる。たとえば、ガイド孔の内周面に電気抵抗膜を形成した後、所定の内径になるようにドリルなどの工具を用いて電気抵抗膜の肉厚を調整することができる。従って、ガイドピンに形成した電気抵抗膜の肉厚を調整するよりも効率よく製造することができる。その結果、ICハンドラのコストを低減することができる。
ICハンドラの全体構成を示す平面図。 ICハンドラに備えた測定ロボットを説明するための斜視図。 (a)測定ロボットの押圧装置と検査用ソケットの断面図(b)ICチップを検査用ソケットに装着したときの断面図。 (a)絶縁層を備えたガイド孔にガイドピンが貫挿されたときの模式図(b)絶縁層が摩耗したガイド孔にガイドピンが貫挿されたときの模式図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。図1は、ICハンドラの構成を示す平面図である。ICハンドラ10は、ベース11、安全カバー12、高温チャンバ13、供給ロボット14、回収ロボット15、第1スライドテーブル16、第2スライドテーブル17、複数のコンベアC1〜C6を備えている。
ベース11は、その上面に前記要素を搭載している。安全カバー12は、ベース11の大きな領域を囲っていて、この内部には、ドライエアーが供給されている。また、安全カバー12内には、前記供給ロボット14、回収ロボット15、第1スライドテーブル16及び第2スライドテーブル17が収容されている。
複数のコンベアC1〜C6は、その一端部側が、安全カバー12の外に位置し、他端部が安全カバー12内に位置するように、ベース11に設けられている。各コンベアC1〜C6は、電子部品としてのICチップTを複数収容したトレイ18を、安全カバー12の外から安全カバー12の中へ搬送したり、反対に、トレイ18を、安全カバー12の中から安全カバー12の外へ搬送したりする。
供給ロボット14は、X軸フレームFXと第1のY軸フレームFY1により構成されている。回収ロボット15は、該X軸フレームFXと第2のY軸フレームFY2により構成されている。X軸フレームFXは、X方向に配置されている。第1のY軸フレームFY1及び第2のY軸フレームFY2は、Y方向に沿って互いに平行になるように配置され、前記X軸フレームFXに対して、X方向に移動可能に支持されている。そして、第1のY軸フレームFY1及び第2のY軸フレームFY2は、X軸フレームFXに設けた図示しないそれぞれのモータによって、該X軸フレームFXに沿って往復移動する。
第1のY軸フレームFY1の下側には、供給側ロボットハンドユニット20がY方向に移動可能に支持されている。供給側ロボットハンドユニット20は、第1のY軸フレームFY1に設けた図示しないモータによって、該第1のY軸フレームFY1に沿ってY方向に往復移動する。そして、供給側ロボットハンドユニット20は、例えば、コンベアC1のトレイ18に収容した検査前のICチップTを、例えば、第1スライドテーブル16に供給する。
第2のY軸フレームFY2の下側には、回収側ロボットハンドユニット21がY方向に移動可能に支持されている。回収側ロボットハンドユニット21は、第2のY軸フレームFY2に設けた図示しないモータによって、該第2のY軸フレームFY2に沿ってY方向に往復移動する。そして、回収側ロボットハンドユニット21は、例えば、第2スライドテーブル17に供給された検査後のICチップTを、例えば、コンベアC6のトレイ18に供給する。
ベース11の上面であって、供給ロボット14と回収ロボット15の間には2本のレール22が固設されている。一方のレール22には、第1スライドテーブル16がX軸方向に往復可能に備えられており、他方のレール22には、第2スライドテーブル17がX軸方向に往復可能に備えられている。
高温チャンバ13内には、位置決め装置を構成する測定ロボット25が設けられている。測定ロボット25は、たとえば、第1スライドテーブル16に供給された検査前のICチップTを、一対のレール22の間に設けられたテスタ64に備えた収容部としての検査用ソケット65(図3参照)に装着する。検査用ソケット65に装着されたICチップTは、電気的検査(以下、単に検査という)が行われる。また、測定ロボット25は、検査用ソケット65に装着された検査終了後のICチップTを、たとえば、第2スライドテーブル17に供給する。
図2は、測定ロボット25の全体斜視図を示し、測定ロボット25は測定ロボット側壁30を備えている。測定ロボット側壁30は、測定ロボット25のロボット本体に設けた図示しないY軸モータにて、ロボット本体に対して、Y方向に往復移動可能に設けられている。
測定ロボット側壁30には、移動手段としてのZ軸モータMZが固設されている。Z軸モータMZは、エンコーダSE1を備え、同エンコーダSE1からの検出信号によって同Z軸モータMZの回転数、回転位置、回転方向が検出されるようになっている。
測定ロボット側壁30であって、Z軸モータMZに隣接した位置には、Z方向(上下方向)に延びたボールネジ31が上下一対の軸受32にて回転可能に支持されている。ボールネジ31の上部の軸受32から突出した部分には従動プーリ33が固着されている。従動プーリ33は、連結ベルト34を介してZ軸モータMZの回転軸に固着した駆動プーリ35と駆動連結されている。従って、Z軸モータMZが正逆回転すると、ボールネジ31は駆動プーリ35、連結ベルト34、従動プーリ33を介して正逆回転する。
測定ロボット側壁30であって、Z軸モータMZとボールネジ31との間には、Z方向(上下方向)に延びたガイドレール36が固設されている。ガイドレール36には、同ガイドレール36に沿って移動可能に設けられたキャリッジ37が設けられ、キャリッジ37には連結部材38が設けられている。連結部材38には、前記ボールネジ31が螺合する雌ネジが形成された螺合部38aが設けられている。従って、ボールネジ31が正逆回転すると、ボールネジ31と螺合する連結部材38(キャリッジ37)は、ガイドレール36に沿って移動可能なことから、コンタクトアーム39はZ方向(上下方向)に往復移動する。
連結部材38には、コンタクトアーム39が連結固定されている。コンタクトアーム39は、連結部材38から反X方向(前方)に延び、その下面にコンプライアンスユニットCUが設けられている。
コンプライアンスユニットCUは、押圧装置40を備えている。押圧装置40は、ICチップTを把持(吸着保持)して、テスタベース68(図3(a)参照)に設けた検査用ソケット65に押圧するものであってコンタクトアーム39の下面に固設されている。
また、コンプライアンスユニットCUは、コンタクトアーム39に対して着脱可能に連結され、検査対象のICチップTの数や配置に応じて適宜交換可能になっている。
次に、押圧装置40について図3(a)に従って説明する。
図3(a)において、押圧装置40は、連結ベース41に固設されたエアシリンダSLと、そのエアシリンダSLの先端部に連結されたデバイスチャックDCとから構成されている。
エアシリンダSLは、シリンダチューブ42の基端部が連結ベース41に固着されている。シリンダチューブ42は、有底筒状のチューブ本体42aと、チューブ本体42aの開口を塞ぐフロントプレート42bとからなり、チューブ本体42aとフロントプレート42bとで形成されるシリンダ室内に作動体としてのピストン43がZ方向(上下方向)に移動可能に配設されている。従って、シリンダ室、ピストン43によって上側に第1室aと、下側に第2室bとに区画される。
ピストン43は、弾性部材としてのスプリングSPによって、上方に持ち上げられ、ピストン43の第1室a側の面が、図3(a)に示すチューブ本体42aの底面と当接する位置(以下これを最上端位置という)に位置するようになっている。
チューブ本体42aの第1室a側の端部には、エア導入口44が形成され、そのエア導入口44には、第1連結ポートP1が取着されている。第1連結ポートP1は、図示しないエア供給管を介して図示しない電空レギュレータに連結されている。そして、電空レギュレータからエアが第1室aに供給されると、ピストン43は、そのエアの圧力によって、チューブ本体42aの底面と当接した最上端位置から、デバイスチャックDCのスプリングSPの弾性力に抗して、下方に移動するようになっている。
ちなみに、ピストン43のストローク量は、ピストン43が図3(a)に示す実線で示す最上端位置にある時から、ピストン43の下面がフロントプレート42bの内側面に当接する位置(最下端位置)までの距離、すなわち、図3(a)に示す第2室bの上下方向の間隔と一致する。
デバイスチャックDCは、連結ブロック51を備え、その上面に形成した連結凹部51aがフロントプレート42bに形成した貫通穴を介して、ピストン43とネジNで連結固定されている。従って、連結ブロック51(デバイスチャックDC)は、ピストン43とともに上下方向に移動する。
また、連結ブロック51と連結ベース41の間には、スプリングSPが連結されている。つまり、連結ブロック51は、連結ベース41に対して、スプリングSPを介して弾性的に吊るされている。そして、本実施形態では、スプリングSPは、連結ブロック51を介して、ピストン43が最上端位置に位置するように、ピストン43を押し上げている。そして、第1室aにエアが供給されると、その圧力によって、ピストン43はスプリングSPの弾性力に抗して、下方に移動し、やがて、最下端位置に到達してフロントプレート42bに当接し、下方への移動が規制される。
連結ブロック51には、下面中央位置が凹設され、その凹設した位置から外側面に向かって貫通孔を形成することによって、真空案内路52が形成されている。そして、連結ブロック51の外側面の真空案内路52には、第2連結ポートP2が取着されている。第2連結ポートP2は、図示しない空圧装置に連通している。空圧装置は、第2連結ポートP2を介して、吸引管55を負圧状態または大気圧状態にする。
連結ブロック51の下側には、中間ブロック53が連結固着され、その中間ブロック53の下側には、把持部材としてのガイドブロック54が連結固着されている。
中間ブロック53とガイドブロック54との中央位置には、連結ブロック51に形成した真空案内路52と連通する収容穴がそれぞれ貫通形成され、それら収容穴には吸引管55が配設されている。
吸引管55の先端部には、吸着パット56が連結固着されている。そして、吸引管55内を負圧状態することによって、吸着パット56は、図3(a)に示すように、ICチップTを吸着保持するようになっている。反対に、吸引管55内の負圧を解除することによって、吸着パット56は、吸着保持しているICチップTを、たとえば、テスタ64のテスタベース68に設けた検査用ソケット65に配置する。
また、ガイドブロック54には、所定の位置に貫通形成された円柱状のガイド孔59が設けられている(本実施形態では2箇所)。ガイド孔59は、テスタ64の検査用ソケット65(テスタベース68)に対して、吸着パット56が保持しているICチップT(ガイドブロック54)を位置決めするために使用される貫通孔である。ガイド孔59は下側開口部において、下側開口面積を大きくするテーパが設けられており、ガイド孔59の内周面59aには、電気的絶縁体(たとえば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂など)からなる電気抵抗膜としての絶縁層60が均一な厚さで形成されている。
なお、ガイドブロック54は導電体であって、周辺の部品(たとえば、中間ブロック53など)とは、電気的に絶縁されている。
テスタ64は、テスタベース68と検査用ソケット65とガイドピン69とを備えている。
テスタベース68は、周辺の部品とは絶縁されている導電体からなり、検査用ソケット65が設けられている。検査用ソケット65は、上端に接触部61を有するスプリングピン62が、ICチップTの端子Taの数だけ設けられている。スプリングピン62は、検査用ソケット65に対して所定のストロークで上下動する。そして、図3(b)のように、ICチップTが下方へ押し下げられると、ICチップTの各端子Taが、上方からそれぞれ対応する接触部61と当接し、スプリングピン62を下方に押し下げる。これによって、ICチップTの各端子Taと検査用ソケット65の接触部61とが電気的に接触して検査が行われる。従って、ICチップTは、検査用ソケット65に正確に配置されないと検査を行うことができないので、位置調整を行って検査用ソケット65に配置される。
テスタベース68には、図3(a)に示すように、ガイドブロック54に形成した各ガイド孔59に貫挿され摺接可能なガイドピン69が形成されている。つまり、ガイドブロック54のガイド孔59にテスタベース68に設けたガイドピン69を貫挿させながらガイドブロック54を下降させることによって、ガイドブロック54(ICチップT)がテスタベース68(検査用ソケット65)に対して位置決め調整されるようになっている。
ガイドピン69は、円柱状の導電性の金属体からなり、ガイド孔59との間で軸線方向に摺動して相対移動するとともに、その先端部がガイド孔59に貫挿しやすいように略半球状に形成されている。
そして、ガイド孔59とガイドピン69とが摺動状態しているときには、絶縁層60が摩耗するようにしている。また、ガイド孔59とガイドピン69とは、絶縁層60が摩耗してなくなった状態でも、ガイド孔にガイドピン69に貫挿させてICチップTの位置調整を行い、ICチップTの検査が行えるように形成されている。
ガイドブロック54とテスタベース68には、図4に示すように、摩耗検出装置80のリード端子がそれぞれ接続されている。摩耗検出装置80は、本実施形態では、電気抵抗測定器であって、ガイド孔59にガイドピン69が貫挿された状態での、ガイドブロック54とテスタベース68の間の電気抵抗の値(以下、単に抵抗値という)を検出する。つまり、図4(a)のように、ガイド孔59の絶縁層60が摩耗していないとき、絶縁層60によってガイドブロック54とテスタベース68の間は高抵抗値となる。反対に、図4(b)のように、ガイド孔59の絶縁層60が摩耗しているとき、ガイドピン69がガイドブロック54に直接接触するため、短絡してガイドブロック54とテスタベース68の間は低抵抗値となる。
そして、摩耗検出装置80は、ガイド孔59の絶縁層60が摩耗してガイドブロック54とテスタベース68の間が低抵抗値になったことを検出すると、警報ランプ81を点灯させるようになっている。従って、警報ランプ81の点灯によって、ガイド孔59の絶縁層60が摩耗して、ガイドブロック54(ICチップ)がテスタベース68(検査用ソケット65)に対して位置決め調整が精度よくできない状態にきていることを知ることができる。
上記実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、ガイド孔59の内周面59aに絶縁層60を設けた。そして、ガイド孔59とガイドピン69とが摺動しているときに、絶縁層60が摩耗するようにした。また、テスタベース68とガイドブロック54との間の抵抗値を検出する摩耗検出装置80を設けた。そして、図4(b)のように、絶縁層60が摩耗したとき、ガイド孔59の内周面59aとガイドピン69とが直接接触するため、短絡してガイドブロック54とテスタベース68との間が低抵抗値になると、摩耗検出装置80は、低抵抗値になったことを検出し、警報ランプ81を点灯させるようにした。
従って、この警報ランプ81の点灯によって、ガイドブロック54(ICチップT)がテスタベース68(検査用ソケット65)に対して、位置決め調整が精度よく行われていないことを、すなわち、位置決め精度が低下していることを容易に知ることができる。
(2)上記実施形態によれば、ガイド孔59とガイドピン69は、絶縁層60が摩耗してなくなった状態でも、ICチップTの検査を行うことができるように形成した。従って、図4(b)のように、絶縁層60が摩耗してなくなった状態でも、ICチップTの検査を引き続き行うことができる。その結果、ICチップTの位置ずれによる検査不良を未然に防止するとともに、ICチップTの検査を効率よく確実に行うことができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、電気抵抗膜として絶縁層60を設けた。これに限らず、抵抗値の高い導電体を用いて電気抵抗膜を形成してもよい。これによれば、電気抵抗膜の摩耗に伴って、すなわち、電気抵抗膜の肉厚の減少に伴って、ガイドブロック54とテスタベース68との間の抵抗値は小さくなっていく。そして、ガイドブロック54とテスタベース68との間の抵抗値が、予め定めた抵抗値よりも小さくなったとき、摩耗検出装置80は警報ランプ81を点灯させるようにするとよい。
・上記実施形態では、ガイド孔59の内周面59aに絶縁層60を設けたが、これに限らず、ガイドピン69の外周面に絶縁層60を設けてもよい。このとき、ガイドピン69は、ねじなどを用いてテスタベース68に固設して適宜交換可能とするとよい。
・上記実施形態では、ガイド孔59はガイドブロック54、ガイドピン69はテスタベース68にそれぞれ設けた。これに限らす、ガイド孔59をテスタベース68、ガイドピン69をガイドブロック54にそれぞれ設けてもよい。
・上記実施形態では、ガイドブロック54とテスタベース68との間の抵抗値を測定することにより、絶縁層60の摩耗状態を確認できるようにした。これに限らす、ガイドブロック54とテスタベース68との間の電流値によって摩耗状態を確認するようにしてもよい。
・上記実施形態では、ガイドブロック54は、ICチップTを1つ真空吸着し、把持できるものとした。これに限らず、ガイドブロック54に複数のICチップTを真空吸着し、把持できるものに具体化してもよい。このとき、検査用ソケット65とガイド孔59とガイドピン69との位置や数を適宜変更するとよい。
・上記実施形態では、コンタクトアーム39にコンプライアンスユニットCUを1つ設けた。これに限らず、コンタクトアーム39に複数のコンプライアンスユニットCUを設けてもよい。このとき、検査用ソケット65とガイド孔59とガイドピン69との位置や数を適宜変更するとよい。
・上記実施形態では、警報ランプ81を用いて、絶縁層60が摩耗したことを明示した。これに限らず、警報ブザーまたはICハンドラのコントローラに警報信号を伝え、装置が停止するように用いてもよい。
10…ICハンドラ、14…供給ロボット、15…回収ロボット15、16…第1スライドテーブル、17…第2スライドテーブル、25…測定ロボット、54…ガイドブロック、59…ガイド孔、59a…ガイド孔59の内周面、60…絶縁層、64…テスタ、65…検査用ソケット、68…テスタベース、69…ガイドピン、80…摩耗検出装置、81…警報ランプ、CU…コンプライアンスユニット、DC…デバイスチャック、T…ICチップ、Ta…端子。

Claims (3)

  1. 電子部品を把持する把持部材に設けられたガイド孔に、電子部品を収容する収容部を備えた受け部材に設けられたガイドピンを貫挿摺接させながら、前記受け部材と前記把持部材とを近づけることによって、前記把持部材に把持された電子部品を、前記収容部に対して位置決めする位置決め装置のメンテナンス方法であって、
    前記ガイド孔の内周面には電気抵抗膜が形成されており、前記ガイド孔に前記ガイドピンが貫挿しているときの、前記ガイド孔の内周面と前記ガイドピンの外周面との間の電気抵抗に基づいて、前記電気抵抗膜の摩耗を検出することを特徴とする位置決め装置のメンテナンス方法。
  2. 電子部品を把持する把持部材に設けられたガイド孔に、電子部品を収容する収容部を備えた受け部材に設けられたガイドピンを貫挿摺接させながら、前記受け部材と前記把持部材とを近づけることによって、前記把持部材に把持された電子部品を、前記収容部に対して位置決めする位置決め装置であって、
    前記ガイド孔の内周面に形成された電気抵抗膜と、
    前記ガイド孔の内周面と前記ガイドピンの外周面との間の電気抵抗を計測する計測手段 と、を設けたことを特徴とする位置決め装置。
  3. 電子部品を把持および搬送する把持部材と、
    前記電子部品が収容され、前記電子部品の端子が接触して電気的検査を行うための検査ソケットを備えるための受け部材と、
    前記把持部材に設けられたガイド孔と、
    前記受け部材に設けられたガイドピンと、
    前記ガイド孔の内周面に形成された電気抵抗膜と、
    前記ガイド孔に前記ガイドピンが貫挿摺接された際に、前記ガイド孔の内周面と前記ガイドピンの外周面との間の電気抵抗を計測する計測手段と、を備え、
    前記把持部材は、前記ガイドピンが前記ガイド孔に貫挿することにより位置決めされることを特徴とするICハンドラ。
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