JPH11262820A - ワイヤ放電加工機 - Google Patents

ワイヤ放電加工機

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JPH11262820A
JPH11262820A JP8493698A JP8493698A JPH11262820A JP H11262820 A JPH11262820 A JP H11262820A JP 8493698 A JP8493698 A JP 8493698A JP 8493698 A JP8493698 A JP 8493698A JP H11262820 A JPH11262820 A JP H11262820A
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JP
Japan
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guide
electric discharge
wire electrode
wire
wire electric
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JP8493698A
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Inventor
Sadao Sano
定男 佐野
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KHS KK
Sodick Co Ltd
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KHS KK
Sodick Co Ltd
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Publication date
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤ電極の位置決めガイドの摩耗状態、摩
耗量を知るには、機械から取り外して測定器による測定
をするか、テスト加工した加工物を測定する必要があっ
たが、何れも高価な測定器や熟練を要すると共に時間を
必要としていた。 【解決手段】 ガイド本体として耐熱性で導電性を有す
るものを用い、このガイド本体のワイヤ電極と接触する
ガイド面に、耐摩耗性でかつ電気絶縁性の所定厚さの耐
磨材の被覆、例えば気相合成ダイヤモンドの被覆を有せ
しめ、ワイヤ電極とガイド本体間に電圧を印加すると共
にこの電圧印加回路の伝導状態を表示する表示装置を設
け、ガイド面の摩耗が設定限界(所定厚さ)に達したと
き表示し、告知させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の走行経路に
張架されたワイヤ電極を軸方向に所定の張力と速さをも
って走行移動させるワイヤ電極走行機構を有し、前記走
行経路の被加工体とを対向する部位のワイヤ電極を位置
決めして案内するため被加工体の両側に設けられ、少な
くとも一方が載物平面に垂直なZ軸方向に移動するガイ
ドZ軸移動機構を有する一対のワイヤ電極位置決めガイ
ドと、該一対の位置決めガイドと被加工体載物台との間
に載物平面と平行で互いに直交するX軸及びY軸方向の
相対的な移動を与える加工送り機構を有するワイヤ放電
加工機に関し、特に前記一対又は何れか一方のワイヤ電
極位置決めガイドのワイヤ電極摺動案内による摩耗、さ
らには摩耗限界を検出表示又は告知等をし得るようにし
たワイヤ放電加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工機に於ける一対のワイヤ
電極ガイド又はワイヤ電極位置決めガイドには、所謂V
溝ガイド、V溝ガイドにワイヤ電極を嵌合押圧する押圧
片を有するV−平ガイド、及び所謂各種のダイス状ガイ
ド、又は例えば特開昭60−29,236号公報や同6
0−104,618号公報記載のようにワイヤ電極の軸
方向に棒状やV溝等のガイド片の複数個を配置構成した
位置決めガイド等多種多様なものがあり、またそのガイ
ド材としても、鉄系合金や各種の超硬合金から、セラミ
ックス、ルビー、CBN、及びダイヤモンド迄多種多様
なものがあるものの、ワイヤ放電加工に於ける使用の態
様から、所定の張力を付与され走行するワイヤ電極と
の、接触摺動による位置決め案内ガイド面の摩耗が生ず
ることは避けられない。このガイド面の摩耗は、ガイド
内周のガイド面各部位に於てランダムで、均一でなく、
この摩耗部位が、加工送り機構によるXY軸方向の数値
制御送りの際、その移動方向の後方側に位置すると、ワ
イヤ電極ガイドの基準位置決め位置に対しワイヤ電極が
前記移動方向の後方側に偏倚または加工遅れを生じるこ
とになるから、当該移動方向に対し、加工送り方向が変
化する角部等の加工寸法精度を悪化させる。
【0003】また、上記少なくとも上記一方の側のワイ
ヤ電極ガイドを、X軸に平行なU軸とY軸に平行なV軸
とから成るワイヤ電極傾動機構により偏位座標位置に移
動配置させて両ガイド間のワイヤ電極をZ軸に対し所定
角度傾斜させ、X及びY軸の加工送りに関連させてこの
U及びV軸移動を制御することにより、被加工体に上拡
がりまたは下拡がりのテーパ加工を行なう場合には、上
記加工送りの移動方向の後方側に位置するワイヤ電極ガ
イドのガイド面部分の摩耗量に応じ、ワイヤ電極の傾斜
角度が所定の設定値より減少し、テーパ角度精度と共に
加工寸法、精度も悪化する。また、テーパ角度の誤差量
は摩耗量に依存すると共に、摩耗量が同じでも初期設定
テーパ角度が小さいほど大きく現れる。
【0004】しかるに、ワイヤ電極ガイドは、例えばサ
ファイヤやダイヤモンド等で作成されていて高価である
から不要な交換は避けなければならず、しかし、加工オ
シャカを造らないために、ガイドの摩耗の程度を検知し
て交換時期を適確に判断することが望まれるが、従来は
ガイドを機械装置のワイヤ電極への給電子を有するノズ
ル及びガイドブロックに取り付けたままで、摩耗量やそ
の程度を測定又は検知する方法がなかった。即ち、ガイ
ドの摩耗量の測定又は検知には、ガイドを機械から一旦
取り外して測定機により測定するか、又は、角形状等の
テスト加工を行ない、その加工物を測定して判別する必
要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のガイド
の摩耗量測定には、ガイドを固定する特殊な治具や高価
な高倍率の顕微鏡を必要とするだけでなく、測定に時間
及び熟練を要し、又後者のテスト加工も測定精度を高め
るには、実際の加工のテーパ角度及び寸法に近い加工を
行なう必要があり、加工及び加工物の測定に多大な時間
を要するものであった。従って、本発明は、ワイヤ電極
位置決めガイドのガイド本体のワイヤ電極と接触するガ
イド面に於ける摩耗量(厚さ)が、予め設定した摩耗量
に達したときには、それを検知して直ちにガイド摩耗が
所定限度に達したことを表示し、作業者に告知できるよ
うにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の本発明の目的は、
(1)間隔を置いて配置した一対の位置決めガイド間を
軸方向に所定の張力と速さをもって走行移動するワイヤ
電極に、軸にほぼ直角なXY軸平面に沿って被加工体を
微小間隔を隔てて相対向させ、加工液を介在させた状態
で間歇的な電圧パルスを印加して放電を発生させるとと
共に両者間に前記XY軸平面に沿う相対的な加工送りを
与えるワイヤ放電加工に於て、前記ワイヤ電極を位置決
めガイドの両方又は一方が、耐熱性で導電性を有するガ
イド本体と、該ガイド本体を位置決め保持するガイドベ
ースと、前記ガイド本体の少なくともワイヤ電極と接触
して位置決め案内するガイド面に形成された耐摩耗性で
かつ電気絶縁性の所定厚さの耐磨材の被覆とを有して成
ると共に、前記ワイヤ電極と前記ガイド本体間に前記耐
磨材の被覆を介して形成した電圧印加回路と、該電圧印
加回路の伝導状態を表示する表示装置を設けたワイヤ放
電加工機とすることにより達成される。 (2)前記のワイヤ放電加工機としては、特に前記X軸
に平行なU軸とY軸に平行なV軸或いは更に被加工体の
載物平面に直交するZ軸の移動制御軸を有し、前記一対
のワイヤ電極位置決めガイド間に相対的な軸移動変位が
与えられる構成のワイヤ放電加工機に適用するものであ
る。 (3)前記の耐熱性で導電性を有するガイド本体として
は、耐熱性の金属、導電性を有する超硬合金、又は導電
性を有するセラミックスとすることが好ましい。 (4)前記の耐熱性で導電性を有するガイド本体として
は、金属炭化物を有効成分とする超硬合金とすることが
好ましい。 (5)前記の耐熱性で導電性を有するガイド本体として
は、炭化タングステン(WC)を主成分とする焼結超硬
合金とすることが好ましい。 (6)前記のガイド本体の少なくともガイド面に形成さ
れる所定厚さの耐磨材の被覆が気相合成ダイヤモンドと
することが好ましい。又、(7)前記のガイド本体の少
なくともガイド面に形成される耐磨材の被覆の所定の厚
さは1〜30μm、好ましくは3〜20μm、更に好ま
しくは5〜10μmとすることが好ましい。又、(8)
前記のガイド本体の少なくともガイド面に所定厚さの被
覆を有するワイヤ電極位置決めガイドとしては、一対の
近接衝合と後退開離可能なダイス状案内を形成する一対
の割りガイドを採用して適用することが好ましいもので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を、ワイヤ電極位置決めガ
イドが開閉可能な割り型ダイスガイドである実施形態例
につき、図1乃至図2を用いて説明する。図1は、前述
ワイヤ電極位置決め用割り型ダイスガイドのガイド片部
分のみを示す斜上方斜視図で、1及び2は水平面上に於
て、図示の場合左右の1軸方向に互いに、又は一方1を
固定側として他方2が矢符10のように近接密着と後退
開離とが可能に、配置された割り型ダイスガイド本体
で、該ガイド本体1、2は、図示しないノズル及びガイ
ドブロック中にワイヤ電極3への通電コマ等と共に、ワ
イヤ電極に対し、後述するように電気絶縁状態に固定側
ガイドブロック1は固定用ボルト穴1Bによりボルトに
より固定部に固定されると共に、可動側ガイドブロック
2はピン挿入穴2Bへの挿入ピンにより図示しないスラ
イダに係合保持される。又、固定側及び可動側の各ガイ
ド本体1、2は、図示するように近接密着部のほぼ中央
部に、前記密着時にワイヤ電極3を挿通状態で位置決め
案内するダイスガイド穴4を形成し得るものである。
【0008】而して、前記ガイド本体1、2は、好まし
くは高硬度の、そして後述するように、耐熱性で導電性
を有する金属、超硬合金、又はセラミックス、例えば炭
化タングステン(WC−Co)を主成分とする焼結合金
の如き金属炭化物を主成分とする所謂超硬合金等から成
り、ガイド本体部の側断面と本発明の原理的な実施例の
構成を説明する説明図の図2に示すように、前記各ガイ
ド本体1、2の少なくとも前記ダイスを形成するダイス
ガイド穴4のワイヤ電極3と接触するガイド面には、高
硬度で耐摩耗性であり、かつ電気絶縁性の、例えば後述
の気相合成ダイヤ被覆1A、2Aが、所定の厚さに形成
付与されていて、各ガイド本体1、2とワイヤ電極3と
は、そして好ましくはガイド本体1、2間も、常時は接
触状態を保ちながら電気絶縁状態に保たれている。
【0009】図に於て、1C、2Cはガイド本体1、2
の表面が気相合成ダイヤモンドや絶縁材の塗布等により
通常絶縁状態に構成されるところから、それぞれのガイ
ド本体1、2内部の導電部につながるように設けた端
子、5は、ノズル及びガイドブロックのガイドベース、
6は固定側ガイド本体1をボルト7によりガイドベース
5に固定位置決めすると共に、可動側ガイド本体2を前
述のように可動に保持するガイドカバー、8は図示しな
いアクチュエータによって駆動され、矢符10方向に可
動側ガイド本体2を開離、近接させるスライダ、9は該
スライダ8と可動側ガイド本体2とをガイドベース5の
長孔5Aを介して挿通連繋するピンである。
【0010】11は、前記ワイヤ電極3とガイド本体
1、2の少なくとも一方、好ましくは両方に接続して電
圧を印加し、前記ガイド穴4のガイド面に形成した耐磨
材の被覆1A,2Aの摩耗によるワイヤ電極3とガイド
本体1、2間の接触、又は短絡を、その伝導状態により
検出する検出電源で、図示の場合、該電源11と抵抗1
2との直列回路が、ガイド本体1、2に構成付与した端
子1C,2Cと、ワイヤ放電加工のために間歇的な電圧
パルスをワイヤ電極3と図示しない被加工体との間に印
加する対ワイヤ電極3用の通常前述ノズル及びガイドブ
ロック中に設けられる通電コマ13に兼用させてワイヤ
電極3との間に電圧印加を行わせる接続構成となってい
るが、該通電コマ13は前述放電加工用の放電パルス電
力を供給する通電コマとは別個独立に設けられたもので
あってもよい。14は、前記抵抗12の端子電圧が、耐
磨材の被覆1A、2Aの一方又は両方の摩耗が所定レベ
ル以上となって、ワイヤ電極3とガイド本体1、又は2
との接触導通状態が所定レベル(検出電源11の出力電
圧の例えば約80%)以上になったのを検出するコンパ
レータ、15は該コンパレータ15によるワイヤ電極3
とガイド本体1、又は2のガイド穴4のガイド面との接
触を検知した信号を受けて、作業者に告知する表示装置
で、例えば一部に前記告知表示部を有するワイヤ放電加
工用のコンピュータ数値制御装置のCRTやLCD表示
装置であってもよく、又告知のために音響等を付加した
ものであってもよい。
【0011】前記の耐熱性で導電性を有する金属、超硬
合金、又はセラミックス、例えば金属炭化物等を主成分
とする超硬合金の焼結成形体から成る導電性を有するガ
イド本体1、2のガイド穴4のガイド面に形成される高
硬度で、耐摩耗性を有し、かつ電気絶縁性の耐摩材の被
覆1A、2Aとしては、例えば、特開昭58−135,
117号公報や特公昭60−58,197号公報等に記
載されている気相合成ダイヤモンドと通称されている低
圧気相法によって合成されるダイヤモンドが最も好まし
いものである。この気相合成ダイヤモンドは、基板(ガ
イド本体)を700〜1,100℃に加熱した状態で、
6〜60Torrの低圧下で、メタンCH4が体積比で
3%以下の濃度のH2ガスを反応させるプラズマCVD
によるものが多いが、前記ガスとして一酸化炭素・CO
濃度が約80%のH2ガスをマイクロ波プラズマCVD
で反応させるダイヤモンドコーティング法もある。そし
て、これらによるダイヤモンド被覆の主な特性は、比重
約3,516〜3,525、硬度10、熱伝導度4.8
cal/cm・sec・deg、熱膨張係数3.2×1
-6cm/deg、そして比抵抗0.6×1013Ωcm
(15℃)という優れた絶縁性を有する。従って、前述
被覆1A、2Aの厚さを許容寸法、形状精度に応じ、1
〜30μm、好ましくは3〜20μm、より好ましくは
5〜10μmに形成した場合に、ワイヤ電極3とガイド
本体1、2間の電気絶縁の保持と破壊とを電気的検出手
段により充分瞬別し得るものであることが判る。そし
て、上記の如き気相合成ダイヤモンド被覆の耐摩耗性
は、例えば10μm厚コーティング工具とか20μm厚
コーティング工具等として多用されているところから既
に明かであり、又その良好な固体潤滑膜としての性質も
有効に利用し得るものである。
【0012】而して、上述の気相合成ダイヤモンドは多
結晶体であって、被覆1A、2Aの膜はダイヤモンド粒
子の集合からできており、被覆条件にもよるが、その表
面粗さは大凡2〜5μmRmax程度であるから、ガイ
ド面の被覆1A、2Aの表面は、ダイヤ粉末を遊離砥粒
とする研磨法等により、約1μmRmax程度、又はそ
れ以下に研磨して使用することが好ましい。なお、ダイ
ヤモンド被覆の膜は、前述のように良好な電気絶縁体で
あるから、ガイド本体1、2のガイド面に気相合成ダイ
ヤモンドの被膜1A、2Aを形成処理する際に、上記ガ
イド本体1、2が位置決め保持するノズル及びガイドブ
ロックと接触する部分又は接触して短絡させる面、或い
は端子1C、2Cを形成する部分以外の全ての面に気相
合成ダイヤモンドの膜を同時に形成させて用いるように
すれば、前記ノズル及びガイドブロックに組込み構成す
る際に、格別の絶縁構成や絶縁被覆処理等を必要としな
い利点がある。
【0013】又、前記ガイド本体1、2は、導電性で、
好ましくは高硬度の、そして前述のように少なくともガ
イド面に耐摩耗性でかつ電気絶縁性の所定厚の耐磨材、
好ましくは気相合成ダイヤモンドの低気圧、高温下での
被覆形成処理が可能な程度以上に耐熱性で、かつ電気導
電性を有するブロック片であればよく、金属としては、
例えばタングステンやモリブデン等が用いられるが、最
も普通には導電性を有する所謂超硬合金、又は導電性を
有するセラミックスが用いられる。そして、前記導電性
を有する超硬合金としては、主には金属炭化物を有効成
分乃至は主成分とする焼結超硬合金、更に焼結超硬合金
としては、主に炭化タングステン(WC)を有効成分乃
至は主成分とする焼結超硬合金であり、又後者の導電性
を有するセラミックスとしては、例えば、炭化硅素(S
iC)、又は導電性を高める処理又は組成とした炭化硅
素(SiC)の外、導電性付与のためにタングステン又
はその他の金属や導電材、例えば、TiC、TiN、又
はBN等を添加してセラミックスに導電性を持たせた導
電性セラミックスを用いることができる。
【0014】しかし、前述耐熱性で、導電性を有するブ
ロック片でも、これを基板としてCVD法により気相合
成ダイヤモンドを所定厚さに成形しようとする、基板の
材質、熱膨張率や表面面粗度、及び形状等により形成厚
さが変化するので注意が必要である。そして、上述の金
属炭化物を有効成分とする焼結超硬合金の場合、鉄系金
属のコバルトを種々の組成比で結合材として使用してい
るものが多いが、該鉄系金属上に気相合成ダイヤモンド
は成長しにくいようなので、鉄系金属結合材の含有量が
少ない(例えば、重量百分比5%前後又はそれ以下)の
ものを用いるようにするとか、又は予め少なくとも表面
層に対する結合材低減の脱結合材(例えば脱コバルト
等)の前処理をするようにするものである。
【0015】図3乃至図5は、前述ガイド穴4のガイド
面の摩耗状態を説明するための、上側(又はワイヤ電極
供給側)ノズル及びガイドブロックに於ける位置決めガ
イドの固定側ガイド本体1のガイド面の縦断面拡大図
で、摩耗の部位やその量は、それまでにどのようなワイ
ヤ放電加工をしたか、例えば加工送りの方向や付与テー
パ角度の集中及び分散の時間的使用状態等により、摩耗
の部位や量も集中又は分散平均化して現れるもので、図
示のものは平均的な消耗変形状態の想定図である。而し
て、図に於いて、図3は未だ加工使用時間が短く、ガイ
ド穴4径が約1μm以内の拡大状況に収まっている場
合、図4は同じくガイド穴4径が約11μm近く拡大し
ている場合、又図5は約50μm近く拡大している場合
で、例えばガイド穴4のガイド面に対する本発明の気相
合成ダイヤモンド被覆1A、2Aの厚さが5μmである
場合には、図4の摩耗状態に達すると、ワイヤ電極3と
ガイド本体1、2の間の短絡導通により抵抗12を流れ
る電流が所定値を越え、これがコンパレータ14により
検出されて表示装置15に表示されるが如くである。前
記ガイド面に対する気相合成ダイヤモンド等の耐磨材の
被覆1A、2Aの被覆厚さは、本発明の場合被覆厚さを
大きくすると、ワイヤ電極を割りダイスガイド穴の中心
から全ての径方向にその被覆厚さの寸法の偏位をした低
精度の位置決め案内を許容することになるので、その選
定使用には、求める加工精度等により配慮を必要とす
る。
【0016】そして、仮に何等かのワイヤ放電加工中に
ガイド穴4の軸に対する或る方位のガイド面の耐磨材被
覆が限界摩耗状態に達すると、ワイヤ電極3とガイド本
体1、又は2とが短絡し、前述のようにコンパレータ1
4により検出され、表示装置15にガイド寿命のアラー
ム表示がなされると、該表示装置15は前記短絡導通が
一度でも検出されると、これを前述の如く表示し、該ガ
イド寿命のアラーム表示は、作業者が特別にリセットす
るとか、当該割り型ダイスガイドの一部又は全体を取外
し交換又は組換え調整等の特別な作業、操作等をしない
以上リセットされることがないように構成しておくこと
が好ましい。しかし、加工中に上述のように短絡検出に
よりガイド寿命のアラームが表示されても、ワイヤ放電
加工は、通常の場合、そのまま普段通りにその加工の終
わりまで実行されるようにしておくものである。このよ
うにしておくことにより、作業者は表示装置8にガイド
アラームが点灯等表示されていない以上、どんな輪郭形
状の、どんなテーパ角度のワイヤ放電加工も、例えばテ
スト加工等の位置決めガイドにつきチェック、検査等の
作業を行うことなく、次のワイヤ放電加工の作業に入る
ことができる。又、本発明によりガイド寿命のアラーム
表示がなされ、その表示が保持されたままであっても、
作業者がテスト加工等により、次の或るワイヤ放電加工
が要求精度内で加工できると判断して使用することを妨
げるものではない。
【0017】図6乃至図8は、下側(又はワイヤ電極引
き取り側)ノズル及びガイドブロックに於ける位置決め
ガイド(ダイスガイド)の本体の拡大断面図で、前述図
3乃至図5の上側ガイドに対応させて平均的な消耗変形
状態の例を示したものである。図示の場合、ガイド穴の
軸方向直線部の上端縁及び下端縁から摩耗が進み前記直
線部が縦断面に於て円弧化しているが、ワイヤ電極の張
架引き廻しの状態にも依存して変化するものと思われる
が、ワイヤ電極のテーパ角度を含む案内位置決め精度に
関与する上記ガイド穴の直線部の上端縁の摩耗は、上述
本発明により検出可能なことが明かである。
【0018】図9は、ノズル及びガイドブロックに関す
る前述図2の原理的構成説明図に対する一実施例の装置
の断面説明図であり、同一又は同一機能部分には、同一
の符号が付してあり、又図10として上記実施例の割り
型ダイスガイドが開動作中にあるガイド廻りの部分図が
示してある。ノズル及びガイドブロックの全体は、上ア
ーム又は加工ヘッド等の固定側に設けられるスライダ8
操作のアクチュエータ16から延びるシャフト17及
び、ノズル及びガイドホルダ18により保持され、ワイ
ヤ電極3をワイヤ導入ガイド19を介して内部に導入
し、加工用パルス電力を供給する通電コマ13に接触さ
せた後、ガイド本体1、2が形成するダイスガイド穴に
より位置決めされて加工部へ引き出されていくものであ
る。なお、20は前記ワイヤ導入ガイド19の押え取付
けフランジ、21は前記通電コマ13への給電端子ボル
ト、22は可動側ガイド本体2とスライダ8を係合させ
るピン9の止めネジ、23はノズルキャップ、又24は
ノズルである。又、本発明の検出電源11の一方の端子
をワイヤ電極3に接続する通電コマ13は、放電加工電
源用の前記通電コマとは別にノズル及びガイドブロック
外のワイヤ電極3導入側に設けられていてもよい。
【0019】以上は、本発明を図示した原理的説明図及
び実施例により、その大要を説明したところであるが、
本発明はその精神を逸脱しない範囲で各部に変更を加え
た実施が可能なものである。例えば、前述ガイド本体
1、2を構成する超硬合金としては、前述WC系のもの
の外に、TiC系のもの、TaC系のもの、或いはこれ
ら3つの系の内の2つ以上を組合わせた混合系のものの
外、比抵抗は幾分高いものの、SiC系やB4C系のも
の、或いは更にCBN系のもの等或る程度以上の硬度と
電気伝導性を有し、高温加熱状態で気相合成のダイヤモ
ンドの被覆処理が可能で、成形加工可能なチップ状物を
利用することができる。又、ワイヤ電極とガイド本体
1、2間に検出電源11から印加される接触、又は短絡
検出のための印加電圧としては、接続部や接触部に於け
る電蝕を防止するために、直流や電圧パルス等の極性を
有するものではなく、交流、好ましくは或る程度高周波
の交流電圧を使用することを妨げるものではない。
【0020】又、前述図示説明のワイヤ電極位置決めガ
イドは、割り型ダイスガイドの場合につき例示説明した
ものであるが、勿論割り型でないダイスガイドであって
もよいだけでなく、例えばV溝ガイドに平板等によりワ
イヤ電極を押し付けて沿わせる形式のもの、或いはV溝
ガイドでV溝開口側がワイヤ放電加工の加工送り進行方
向に常に向くように回動制御される構成等のものにおい
ても、そのワイヤ電極と接触するガイド面部分に耐磨材
の被覆を形成して本発明を有効に実施することができ
る。
【0021】
【発明の効果】以上、本発明によれば、ワイヤ電極位置
決めガイド本体のワイヤ電極と接触するガイド面に於け
る摩耗量(厚さ)が、予め設定した摩耗量、保証精度内
の加工ができる限界摩耗量に達したときは、それを検知
して表示し、作業者に告知するので、作業者はガイド摩
耗による精度問題の特別なチェック作業等を要すること
なく、加工精度が保証された状態でのワイヤ放電加工を
実施することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例の割り型ダイスガイドの
ガイド本体部分の斜上方斜視図である。
【図2】同一実施形態に於ける本発明の原理的な実施例
の構成を説明する説明図である。
【図3】上側ガイドのガイド面の摩耗状態を想定図とし
て示すための固定側ガイド本体のガイド穴部の縦断面図
で、僅少摩耗状態の図。
【図4】同じく、摩耗状態の想定図で、摩耗状態が中程
度の場合の図。
【図5】同じく、摩耗状態の想定図で、摩耗が過度に生
じている場合の図。
【図6】下側ガイドのガイド面の摩耗状態を想定図とし
て示すための固定側ガイド穴部の断面図で、僅少摩耗状
態の図。
【図7】同じく、摩耗状態の想定図で、摩耗状態が中程
度の場合の図。
【図8】同じく、摩耗状態の想定図で、摩耗が過度に生
じている場合の図。
【図9】本発明のノズル及びガイドブロック部分の一実
施例装置の断面説明図。
【図10】同じく、可動側ガイド本体が開離作動状態の
部分説明図。
【符号の説明】
1,2,割り型ダイスガイドの固定側及び可動側各ダイ
ス本体 1A,2A,ガイド穴のガイド面に形成された耐磨材の
被覆 3,ワイヤ電極 4,ガイド穴 5,ガイドベース 6,ガイドカバー 7,固定ボルト 8,スライダ 9,ピン 11,検出電源 12,抵抗 13,通電コマ 14,コンパレータ 15,表示装置 16,アクチュエータ 17,シャフト 18,ノズル及びガイドブロックホルダ 19,ワイヤ導入ガイド 20,フランジ 21,ボルト 22,止めネジ 23,ノズルキャップ 24,ノズル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間隔を置いて配置した一対の位置決めガ
    イド間を軸方向に所定の張力と速さをもって走行移動す
    るワイヤ電極に、軸にほぼ直角なXY軸平面に沿って被
    加工体を微小間隔を隔てて相対向させ、加工液を介在さ
    せた状態で間歇的な電圧パルスを印加して放電を発生さ
    せるとと共に両者間に前記XY軸平面に沿う相対的な加
    工送りを与えるワイヤ放電加工に於て、 前記ワイヤ電極を位置決めガイドの両方又は一方が、耐
    熱性で導電性を有するガイド本体と、該ガイド本体を位
    置決め保持するガイドベースと、前記ガイド本体の少な
    くともワイヤ電極と接触して位置決め案内するガイド面
    に形成された耐摩耗性でかつ電気絶縁性の所定厚さの耐
    磨材の被覆とを有して成ると共に、前記ワイヤ電極と前
    記ガイド本体間に前記耐磨材の被覆を介して形成した電
    圧印加回路と、該電圧印加回路の伝導状態を表示する表
    示装置を設けたことを特徴とするワイヤ放電加工機。
  2. 【請求項2】 前記ワイヤ放電加工機が前記X軸に平行
    なU軸とY軸に平行なV軸或いは更に被加工体の載物平
    面に直交するZ軸の移動制御軸を有し、前記一対のワイ
    ヤ電極位置決めガイド間に相対的な軸移動変位が与えら
    れるものであることを特徴とする請求項1に記載のワイ
    ヤ放電加工機。
  3. 【請求項3】 前記耐熱性で導電性を有するガイド本体
    が、耐熱性の金属、導電性を有する超硬合金、又は導電
    性を有するセラミックスであることを特徴とする請求項
    1、又は2に記載のワイヤ放電加工機。
  4. 【請求項4】 前記耐熱性で導電性を有するガイド本体
    が、金属炭化物を有効成分とする超硬合金であることを
    特徴とする請求項1、2、又は3に記載のワイヤ放電加
    工機。
  5. 【請求項5】 前記耐熱性で導電性を有するガイド本体
    が炭化タングステン(WC)を主成分とする焼結超硬合
    金であることを特徴とする請求項1、2、3、又は4に
    記載のワイヤ放電加工機。
  6. 【請求項6】 前記ガイド本体の少なくともガイド面に
    形成される所定厚さの耐磨材の被覆が気相合成ダイヤモ
    ンドであることを特徴とする請求項1、2、3、4、又
    は5に記載のワイヤ放電加工機。
  7. 【請求項7】 前記ガイド本体の少なくともガイド面に
    形成される耐磨材の被覆の所定の厚さが1〜30μm、
    好ましくは3〜20μm、更に好ましくは5〜10μm
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、又
    は6に記載のワイヤ放電加工機。
  8. 【請求項8】 前記ガイド本体の少なくともガイド面に
    所定厚さの耐磨材の被覆を有するワイヤ電極位置決めガ
    イドが、一対の近接衝合と後退開離可能なダイス状案内
    を形成する一対の割りガイドであることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載のワイヤ放
    電加工機。
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