JP5526674B2 - 電子写真画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真画像形成装置に関する。
従来、感光体が用いられた画像形成装置には、感光体の表面を帯電させるための帯電手段と、この帯電した表面に対して光を照射し静電潜像を形成するための露光手段と、この静電潜像を現像してトナー像を形成するための現像手段と、このトナー像を記録媒体に転写するための転写手段と、を順次配置した画像形成プロセスが採用されている。
この画像形成装置においては、トナー像を記録媒体へ転写した後の感光体中に残留した残留電位を消去するため、例えば光を照射して除電する除電手段が設けられたシステムと、該除電手段を有さないシステムとが採用されている。
例えば、導電性基体上に、電荷発生剤としてのフタロシアニン系化合物、正孔輸送剤および電子輸送剤を結着樹脂中に含有し、フタロシニン系化合物の含有量が結着樹脂の質量に対して0.1質量%以上4質量%以下であり、感光層の膜厚が10μm以上35μm以下であり、且つ露光波長780nm、露光エネルギー1.0μm/cmで測定したプラス極性とマイナス極性の感度の絶対値の差が500V以下である単層型の感光体を使用し、除電手段を有さないシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、正孔輸送剤に特定の構造を有するアミン化合物を用いた感光層を備えた除電手段を有さないシステムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−312075号公報 特開2008−281723号公報
本発明の課題は、構造式(1)または構造式(2)で示される構造を有する化合物を電荷輸送層に含有する感光体を備えない場合に比較し、繰り返し画像を形成しても感光体における残留電位の上昇を抑制することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
円筒状の基体上に、電荷発生層と、下記構造式(1)または下記構造式(2)で示される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種を含有する電荷輸送層と、を備え、軸を中心に回転する感光体と、
前記感光体の回転方向に向かって順に、
前記感光体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電された前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
前記静電潜像を帯電されたトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記感光体および前記トナー像に対し前記トナーとは逆極性のバイアスを印加して、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を有し、
且つ、前記感光体に前記転写装置が対向する位置よりも前記感光体の回転方向に向かって下流側であって、前記感光体に前記帯電装置が対向する位置よりも前記感光体の回転方向に向かって上流側の領域に、前記感光体における電荷を除電するための除電装置を有さない電子写真画像形成装置である。

〔構造式(1)中、R乃至Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6以上30以下のアリール基、あるいはR乃至Rの内の二つの置換基同士が連結した炭化水素環構造を、nおよびmは、それぞれ独立に0以上の整数を、a乃至fは、それぞれ独立に1以上5以下の整数を表す。〕

〔構造式(2)中、R乃至 、R 10 乃至12は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、あるいはメトキシ基を、 は水素原子、あるいはメトキシ基を、g乃至iおよびk乃至lは、それぞれ独立に1以上5以下の整数を、jは1以上4以下の整数を表す。〕
請求項2に係る発明は、
前記電荷発生層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する請求項1に記載の電子写真画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、構造式(1)または構造式(2)で示される構造を有する化合物を電荷輸送層に含有する感光体を備えない場合に比較し、繰り返し画像を形成しても感光体における残留電位の上昇が抑制される。
請求項2に係る発明によれば、電荷発生層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有ない場合に比較し、繰り返し画像を形成しても感光体における残留電位の上昇が抑制される。
本実施形態に係る電子写真画像形成装置の構成を示す概略構成図である。 本実施形態における感光体の構成を示す概略構成図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<電子写真画像形成装置>
本実施形態に係る電子写真画像形成装置(以下単に「画像形成装置」と称すことがある)は、円筒状の基体上に、電荷発生層と、下記構造式(1)または下記構造式(2)で示される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種を含有する電荷輸送層と、を備え、軸を中心に回転する感光体と、前記感光体の回転方向に向かって順に、前記感光体の表面を帯電する帯電装置と、帯電された前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を帯電されたトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記感光体および前記トナー像に対し前記トナーとは逆極性のバイアスを印加して、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を有する。また、前記感光体に前記転写装置が対向する位置よりも前記感光体の回転方向に向かって下流側であって、前記感光体に前記帯電装置が対向する位置よりも前記感光体の回転方向に向かって上流側の領域に、前記感光体における電荷を除電するための除電装置を有さない(以下この構成を「除電レスシステム」と称す)ことを特徴とする。

〔構造式(1)中、R乃至Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6以上30以下のアリール基、あるいはR乃至Rの内の二つの置換基同士が連結した炭化水素環構造を、nおよびmは、それぞれ独立に0以上の整数を、a乃至fは、それぞれ独立に1以上5以下の整数を表す。〕

〔構造式(2)中、R乃至R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6以上30以下のアリール基、あるいはR乃至R12の内の二つの置換基同士が連結した炭化水素環構造を、g乃至iおよびk乃至lは、それぞれ独立に1以上5以下の整数を、jは1以上4以下の整数を表す。〕
尚、本実施形態では、上記構造式(2)におけるR乃至 、R 10 乃至12が、それぞれ独立に水素原子、メチル基、あるいはメトキシ基であり、R が水素原子、あるいはメトキシ基である化合物を用いる。
除電レスシステムの画像形成装置は、転写装置によってトナー像を記録媒体に転写する転写工程よりも後であって、帯電装置によって表面が帯電される帯電工程よりも前の感光体に対し、除電を目的とした露光等を行う公知の除電装置(例えばイレーズランプ等)を有していない。
この除電レスシステムの画像形成装置では、転写工程で転写装置から感光体に与えられる逆極性のバイアスによる除電行為しか除電作用のある工程がないため、表面電位が除電し切れず、感光体にわずかな残留電位が残った状態で次の帯電工程へ進むことがあった。そのため、除電レスシステムの画像形成装置を繰り返し使用すると、感光体の内部で残留電位の上昇が発生した。
これに対し、上記構造式(1)または構造式(2)で示される構造を有する化合物を感光体の感光層における電荷輸送層に含有する本実施形態に係る画像形成装置であれば、除電レスシステムであって、除電作用のある工程が転写工程による逆極性のバイアスの印加のみであっても表面電位が効率的に除電されるため、感光体における電荷の残留が防止され、残留電位の上昇が抑制され、その結果形成される画像における濃度異常やかぶりが抑制される。
また、本実施形態においては、感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層を備えることがより望ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有した電荷発生層を備える場合、感光層に光が照射されると、感光層に含まれるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がフォトンを吸収してキャリアを発生させる。このとき、フタロシアニン化合物は、高い量子効率を有するため、吸収したフォトンを効率よく吸収してキャリアを発生させ、且つ上記構造式(1)または構造式(2)で示される構造を有する化合物である電荷輸送材料を含む電荷輸送層との界面における電荷のやり取りが円滑になり、残留電位の発生がより抑制される。
次いで、本実施形態に係る画像形成装置の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、回転しながら静電潜像が形成され、さらにトナー像が形成される像保持体としての感光体ドラム31、感光体ドラム31の表面を定められた電位で帯電する接触帯電方式の帯電ローラーで構成された帯電器32、帯電された感光体ドラム31を露光して静電潜像を形成するするレーザ露光装置26、感光体ドラム31上に形成された静電潜像を帯電されたトナーで現像してトナー像を形成する現像器33、感光体ドラム31および前記トナー像に対し前記トナーとは逆極性のバイアスを印加して感光体ドラム31上に形成されたトナー像を転写部にて記録媒体である用紙Pに転写させると共に、帯電された感光体ドラム31における電位を除電する転写ロール40、トナー像を転写した後の感光体ドラム31の表面に残留したトナー等を清掃するクリーニング装置としてのクリーニングブレード36、および転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着器(不図示)を備えた、除電レスシステムの画像形成装置である。
以下、各構成部材について説明する。
−感光体−
本実施形態に用いられる感光体は、前述の通り、円筒状の基体上に、前記構造式(1)または前記構造式(2)で示される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種を含有する電荷輸送層を備えることを必須の要件とする。
なお、本実施形態における上記感光層は、図2に示すごとく基体54上に電荷発生層52と電荷輸送層53とを積層させた層構成を有する機能分離型のものであってもよい。また、該感光層の表面(基体54とは反対側の表面)には表面層55を有していてもよく、例えば架橋構造を持つ樹脂を含む表面層が挙げられる。更に、前記感光層と基体51との間に中間層51を設けたり、感光層と表面層55との間に中間層を設けてもよい。
尚、以下の説明においては、本実施形態に用いられる感光体が、機能分離型の有機感光体である場合を前提としてより詳細に説明するが、本実施形態に用いられる感光体の層構成は以下の説明に限定されるものではない。
・基体
円筒状の基体としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基材上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基材に蒸着したもの;金属箔を上記基材にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基材に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。
また、基体として金属製のパイプ基体を用いる場合、該金属製パイプ基体の表面は素管のままであってもよいが、予め表面処理により基体表面を粗面化してもよい。表面処理の方法としては、鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング等が挙げられる。
また、アルミニウム基体の表面に陽極酸化処理を施したものを用いてもよい。
・電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着法により蒸着させて形成するか、有機溶剤および結着樹脂を含む溶液を塗布することにより形成される。
電荷発生材料としては、非晶質セレン、結晶性セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他のセレン化合物;セレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電体;またはこれらを色素増感したもの、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、銅フタロシアニン、錫フタロシアニン、ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニン化合物;スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料;または染料が用いられる。
また、上記有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特にフタロシアニン化合物ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用い得る。
なお、上述した電荷発生材料の中でも、フタロシアニン化合物が望ましい。より望ましくはクロロガリウムフタロシアニンおよびヒドロキシガリウムフタロシアニンであり、特に望ましくはヒドロキシガリウムフタロシアニンである。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、以下のものが例示される。ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプなどのポリカーボネート樹脂およびその共重合体、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール等である。
これらの結着樹脂は、単独であるいは2種以上混合して用いられる。
電荷発生材料と結着樹脂との配合比(電荷発生材料:結着樹脂)は、質量比で10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
また電荷発生層の厚みは、一般には0.01μm以上5μm以下の範囲内であることが望ましく、0.05μm以上2.0μm以下の範囲内であることがより望ましい。
また電荷発生層は、少なくとも1種の電子受容性物質を含有してもよい。電荷発生層に用いられる電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピークリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などが挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に望ましい。
電荷発生材料を樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法が用いられる。
電荷発生層を形成する為の塗布液の溶媒としては、公知の有機溶剤、例えばトルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。
・電荷輸送層
本実施形態における電荷輸送層には、電荷輸送材料として下記構造式(1)または下記構造式(2)で示される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種を含有することを必須の要件とする。

〔構造式(1)中、R乃至Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6以上30以下のアリール基、あるいはR乃至Rの内の二つの置換基同士が連結した炭化水素環構造を、nおよびmは、それぞれ独立に0以上の整数を、a乃至fは、それぞれ独立に1以上5以下の整数を表す。〕

〔構造式(2)中、R乃至R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6以上30以下のアリール基、あるいはR乃至R12の内の二つの置換基同士が連結した炭化水素環構造を、g乃至iおよびk乃至lは、それぞれ独立に1以上5以下の整数を、jは1以上4以下の整数を表す。〕
上記構造式(1)において、R乃至Rで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、これらの中でもフッ素、塩素が望ましい。
上記構造式(1)において、R乃至Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、オクタデシル基などの直鎖のものや、イソプロピル基、t−ブチル基などの分岐鎖が挙げられ、これらの中でもメチル基、エチル基、イソプロピル基等比較的低分子量のものが望ましい。
上記構造式(1)において、R乃至Rで表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられ、これらの中でもメトキシ基が望ましい。
上記構造式(1)において、R乃至Rで表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、ナフチル基が望ましい。
尚、上記アルキル基、アルコキシ基およびアリール基に置換する置換基としては、上記ハロゲン原子やアルコキシ基、アルキル基、アリール基などが挙げられる。
上記構造式(1)において、R乃至Rの内の二つの置換基同士が連結した炭化水素環構造における、R乃至Rの内の二つの置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が望ましい。
上記構造式(1)において、R乃至Rとしては、上記の中でも水素原子もしくはメチル基が望ましい。
上記構造式(1)において、nおよびmは更に0以上2以下が望ましい。
上記構造式(1)において、a乃至fは更に0以上2以下が望ましい。
上記構造式(2)において、R乃至R12で表されるハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、これらの中でもフッ素、塩素が望ましい。
上記構造式(2)において、R乃至R12で表されるアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、オクタデシル基などの直鎖のものや、イソプロピル基、t−ブチル基などの分岐鎖が挙げられ、これらの中でもメチル基、エチル基、イソプロピル基等比較的低分子量のものが望ましい。
上記構造式(2)において、R乃至R12で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられ、これらの中でもメトキシ基が望ましい。
上記構造式(2)において、R乃至R12で表されるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、ナフチル基が望ましい。
尚、上記アルキル基、アルコキシ基およびアリール基に置換する置換基としては、上記ハロゲン原子やアルコキシ基、アルキル基、アリール基などが挙げられる。
上記構造式(2)において、R乃至R12の内の二つの置換基同士が連結した炭化水素環構造における、R乃至R12の内の二つの置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が望ましい。
上記構造式(2)において、R乃至R12としては、上記の中でも水素原子、メチル基、メトキシ基が望ましい。
上記構造式(2)において、g乃至lは更に0以上2以下が望ましい。
以下に、上記構造式(1)および構造式(2)で示される構造を有する化合物の具体例を示す。

尚、電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂とを用いて形成されていてもよい。
また、前記構造式(1)または前記構造式(2)で示される構造を有する化合物以外にも他の電荷輸送材料を含有してもよい。上記他の電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物が挙げられる。
これら他の電荷輸送材料は、単独または2種以上混合して用いてもよく、またこれらに限定されるものではない。
さらに電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材が用いられる。より望ましくはポリカーボネート系樹脂であり、複数のポリカーボネート構造を含む共重合体を用いてもよい。
これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いられる。
電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1乃至1:5が望ましい。
また、全電荷輸送材料中に占める前記構造式(1)または前記構造式(2)で示される構造を有する化合物の割合は、10質量%以上100質量%以下が望ましい。
電荷輸送層の厚みは一般的には、5μm以上50μm以下が望ましく、9μm以上28μm以下がより望ましい。
塗布方法としては、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
さらに電荷輸送層を設ける際に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が単独あるいは2種以上混合して用いられる。
また、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加してもよい。
例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。
また、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させてもよい。本実施形態における電荷輸送層に使用し得る電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に望ましい。
更に、電荷輸送層には各種粒子を添加してもよい。該粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系粒子や“第8回ポリマー材料フォーラム講演要旨集 pp89−90”に示される、前記フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる粒子が挙げられる。これら粒子は、単独で用いても、併用してもよい。
また、シリコーンオイル等のオイルを添加してもよい。シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等が挙げられる。
−帯電装置−
本実施形態に用いられる帯電装置としては接触帯電方式を利用した帯電器が挙げられる。また接触帯電方式ではローラー、ブラシ、フィルム等の種々の公知の形態が用いられるが、特にローラー状の帯電部材が望ましい。ローラー状の帯電部材については感光体に対して250mgf以上600mgf以下の圧力で接触することが望ましい。
ローラー状の帯電部材は帯電部材として有効な電気抵抗(10Ω以上10Ω以下)に調整された材料から構成される物であり、単層または複数の層から構成されていても構わない。
帯電部材を構成する材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムやポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル等からなるエラストマーを主材料とし、導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を配合したものが用いられる。
さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の導電性付与剤を配合し、得られた塗料をディッピング、スプレー、ロール塗布等の手法により積層して用いてもよい。
−露光装置−
本実施形態に用いられる露光装置としては、公知の露光装置が用いられる。例えば、露光光源として、微小スポット径を形成する単一の発光レーザ素子や、複数の半導体レーザ(発光点)が平面内に二次元配列されたの面発光レーザ素子により発光されたレーザをポリゴンミラーにより屈折させるもの、複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)素子を直線または千鳥状に配置したものなどがある。該光源は画像処理装置からの書込用画像データに応じた光を感光体ドラムに照射することで画像の書きこみが行われる。書きこみ時の光量は、感光体の表面上で0.5mJ/m以上5.0mJ/m以下であることが望ましい。
−現像装置−
本実施形態に用いられる現像装置としては、公知のものであれば特に限定されないが、例えば、キャリアとトナーとからなる現像ブラシを感光体に接触させて現像させる二成分現像方式の現像装置や、導電ゴム搬送ロール(現像ロール)上にトナーを付着させ感光体にトナーを現像する接触式一成分現像方式の現像装置などが利用される。
二成分現像方式の場合、現像ロールの回転方向は感光体の回転方向と同方向でも逆方向でもよい。なお、現像ロールに印加する電界は直流でも直流に交流を重畳させてもよい。
また、現像ロール表面に形成される磁気ブラシは、感光体に面する磁気ブラシ密度が変化しないよう層規制部材により層規制されることによって、磁気ブラシ密度が適正な範囲内に調整されることが望ましい。
現像ロールに印加するバイアスは、トナーの正規の極性が負極性である場合、−50V以下−600V以上が望ましく、さらに望ましくは−100V以下−350V以上である。
−トナー−
本実施形態に用いられるトナーとしては、公知のトナーであれば特に限定されない。また、トナーには、結着樹脂や着色剤が含まれ、必要に応じて離型剤が含まれていてもよい。さらに、上述した以外の外添剤が添加されていてもよい。
また、トナーには、さまざまな特性を制御するために、種々の成分を含有させてもよい。例えば、磁性トナーとして用いる場合、磁性粉(例えばフェライトやマグネタイト)、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金またはこれら金属を含む化合物などが含有させられる。さらに、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物やトリフェニルメタン系顔料等の通常使用される帯電制御剤を選択して含有させてもよい。
さらに、トナーには、無機粒子からなる研磨剤に加えて、必要に応じて潤滑剤、転写助剤等の公知の外添剤を外添してもよい。
本実施形態に用いられるトナーを製造する方法は、特に制約されるものではないが、例えば、通常の粉砕法や、分散媒中で作製する湿式溶融球形化法や、懸濁重合、分散重合、乳化重合凝集法等の既知の重合法によるトナー製造法などが用いられる。
−キャリア−
本実施形態に用いられる現像剤がトナーとキャリアとからなる二成分現像剤である場合、使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば、酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物などの芯材のみからなるキャリア(ノンコートキャリア)や、これら芯材の表面に樹脂層を設けた樹脂コートキャリア等が用いられる。
以上に説明したキャリアを用いた二成分現像剤では、トナーとキャリアとの混合比(質量比)が、トナー:キャリア=1:100乃至30:100の範囲であることが望ましく、3:100乃至20:100の範囲がより望ましい。
−転写装置−
本実施形態における転写装置は、感光体およびトナー像に対しトナーとは逆極性のバイアスを印加して感光体上に形成されたトナー像を転写部にて記録媒体に転写させると共に、帯電された感光体における電位を除電する装置である。
本実施形態に用いられる転写装置としては、公知の方式を利用したものが使用される。例えば、コロトロンやスコロトロン等の非接触方式のもの、転写ロールを用いた接触方式のものが挙げられる。
また、感光体からトナー像を転写する際には、記録媒体を静電的に吸着して搬送し感光体上のトナー像を転写する転写ベルト方式を利用した直接転写方式が挙げられるが、直接記録媒体に転写する方式には限られず、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いた中間転写方式であってもよい。
−クリーニング装置−
本実施形態に用いられるクリーニング手段としては公知のクリーニング方式が利用される。例えば、クリーニングブレードを用いる場合、クリーニングブレードは感光体表面に接触する部分が弾性を有する部材からなり、該弾性を有する部材の100%モジュラスが6.5MPa以上であることが望ましく、7.0Mpa以上であることがより望ましく、9.0MPa以上であることがさらに望ましい。一方、弾性を有する部材の100%モジュラスは19.6MPa以下であることが望ましく、15.0MPa以下であることがより望ましい。
また、弾性を有する部材は、その破断伸びが250%以上であることが望ましく、300%以上であることがより望ましく、350%以上であることがさらに望ましい。
クリーニングブレードを構成する材料としては、公知のゴム体が用いられる、またその他の材料を添加してもよい。ゴム体としては、特に限定されないが、ゴムウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ゴムあるいはこれらの複合材が用いられる。また、クリーニングブレードの形状としては板状が好適に用いられ、遠心成形、押し出し成形、型成形等を利用して形成される。
−画像形成装置の動作−
ついで、本実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。
画像形成時には、制御部による制御の下で画像形成動作が実行される。具体的には、コンピュータや画像読取装置等から入力された画像データは、画像処理部によって画像処理が施された後、レーザ露光装置26に供給される。そして、帯電器32によって表面が帯電された感光体ドラム31を、レーザ露光装置26が走査露光する。それにより、感光体ドラム31上には、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器33により現像され、感光体ドラム31上にはトナー像が形成される。ここで、本実施形態の現像器33に用いられるトナーは、マイナス極性を有するものである。
トナー像が転写部に搬送されると、用紙Pが転写部に供給される。転写部では、転写ロール40と感光体ドラム31との間に形成された転写電界の作用により、トナー像は用紙P上に一括して静電転写される。またそれに加えて、上記転写電界の作用により帯電された感光体ドラム31における電位が除電される。
その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着器(不図示)まで搬送され、用紙P上の未定着トナー像は定着器(不図示)によって熱および/または圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙部に搬送される。
転写部での転写処理が行なわれた後の感光体ドラム31の表面では、感光体ドラム31の表面に残留したトナーや転写ロール40から再転写したトナー等がクリーニングブレード36によって除去される。本実施形態に係る画像形成装置では、この画像形成サイクルが繰り返される。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
−感光体の作製−
・下引層
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m/g)100部をメタノール500部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学社製)1.5部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛粒子60部と、アリザリン0.6部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3475、住友バイエルンウレタン社製)13.5部と、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15部と、をメチルエチルケトン85部に溶解した溶液38部と、メチルエチルケトン25部と、を混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール130、GE東芝シリコーン社製)4.0部と、を添加し、下引層用塗布液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にて直径30mmのアルミニウム基体上に塗布し、170℃、30分の乾燥を行い厚さ20μmの下引層を得た。
・電荷発生層
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜および28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶15部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10部およびn−ブチルアルコール300部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層用塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を前記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を得た。
・電荷輸送層
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子8部(平均粒径:0.2μm)およびフッ化アルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量:80000)0.02部をテトラヒドロフラン3部およびトルエン2部と共に48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液Aを得た。次に、電荷輸送材料として前述の「具体例(1)」に示す構造を有するトリス[4−(4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエニル)フェニル]アミンを4部、バインダー樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1部を混合してテトラヒドロフラン24部およびトルエン11部を混合溶解して、混合溶解液Bを得た。このB液に前記A液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧して分散処理を4回繰り返した液に、フッ素変性シリコーンオイル(商品名:FL−100、信越シリコーン社製)を10ppm添加し、攪拌して電荷輸送層用塗布液を得た。
この塗布液を電荷発生層上に塗布して130℃で25分間乾燥し、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、目的の電子写真感光体を得た。
〔実施例2〕
実施例1において、電荷輸送材料を、前述の「具体例(2)」に示す構造を有するエナミン誘導体4部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により、目的の電子写真感光体を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、電荷発生材料を、前述のCuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜および28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶15部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により、目的の電子写真感光体を得た。
〔実施例4〕
実施例1において、電荷発生材料を、下記に示す電荷発生材料(X)で表される無金属フタロシアニン結晶15部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により、目的の電子写真感光体を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、電荷輸送材料を、下記に示す電荷輸送材料(Y)4部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により、目的の電子写真感光体を得た。
〔比較例2〕
比較例1において、電荷発生材料を、下記に示す電荷発生材料(X)で表されるフタロシアニン結晶15部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により、目的の電子写真感光体を得た。

実施例および比較例にて得られた感光体を、図1に示す構成を有する画像形成装置(DocuPrint C2110(富士ゼロックス社製)から除電装置を取り除いた改造機)の感光体ドラム31として組みこみ、以下の評価を行った。
≪評価試験≫
−露光部−非露光部帯電電位差−
露光部−非露光部帯電電位差(ΔVh)は、上記画像形成装置において帯電、露光、転写工程を順に1回づつ実施した後に、帯電工程を行ったときの露光部および非露光部の帯電電位を表面電位計トレック334(トレック社製)を用いて測定し、その電位の差とした。
−残留電位安定性−
残留電位安定性(ΔRp)は、上記画像形成装置において帯電、露光、転写の各工程を行った後の感光体の残留電位を、表面電位計トレック334(トレック社製)を用いて測定した。続けて2,000枚の画像形成ごとに上記方法にて残留電位の測定を行い、10,000枚まで継続して、このときの最初の残留電位と2000枚の画像形成ごとの残留電位の差を残留電位安定性(ΔRp)とした。
また、併せて得られた画像のかぶりの評価をおこなった。かぶりの評価基準は以下のとおりである。
○:目視上カブリ未発生
×:目視上明らかなカブリ発生

26…レーザ露光装置、31…感光体ドラム、32…帯電器、33…現像器、36…クリーニングブレード、40…転写ロール、51…中間層、52…電荷発生層、53…電荷輸送層、54…基体、55…表面層、P…用紙

Claims (2)

  1. 円筒状の基体上に、電荷発生層と、下記構造式(1)または下記構造式(2)で示される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種を含有する電荷輸送層と、を備え、軸を中心に回転する感光体と、
    前記感光体の回転方向に向かって順に、
    前記感光体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電された前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
    前記静電潜像を帯電されたトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記感光体および前記トナー像に対し前記トナーとは逆極性のバイアスを印加して、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を有し、
    且つ、前記感光体に前記転写装置が対向する位置よりも前記感光体の回転方向に向かって下流側であって、前記感光体に前記帯電装置が対向する位置よりも前記感光体の回転方向に向かって上流側の領域に、前記感光体における電荷を除電するための除電装置を有さない電子写真画像形成装置。


    〔構造式(1)中、R乃至Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6以上30以下のアリール基、あるいはR乃至Rの内の二つの置換基同士が連結した炭化水素環構造を、nおよびmは、それぞれ独立に0以上の整数を、a乃至fは、それぞれ独立に1以上5以下の整数を表す。〕


    〔構造式(2)中、R乃至 、R 10 乃至12は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、あるいはメトキシ基を、 は水素原子、あるいはメトキシ基を、g乃至iおよびk乃至lは、それぞれ独立に1以上5以下の整数を、jは1以上4以下の整数を表す。〕
  2. 前記電荷発生層がヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
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