JP2006178321A - 電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents

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大輔 窪嶋
Eiichi Miyamoto
栄一 宮本
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一也 浜崎
Norio Nakai
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Abstract

【課題】 感光層内部における空間電荷の発生の抑制による露光メモリ電位の低減と、画像形成装置に対する小型化、イニシャルコストダウンおよび高速化の要求とに対応可能な電子写真感光体、およびそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも電荷発生剤および正孔輸送剤を含有する感光層を備えた電子写真感光体であって、前記正孔輸送剤は下記式(A)および(B)を満たすものとした。好ましくは、上記電荷発生剤および正孔輸送剤を同一層内に含む単層型電子写真感光体とする。
【数5】
Figure 2006178321

【選択図】なし

Description

本発明は、帯電工程、露光工程、現像工程および転写工程などの工程を経た後、次の帯電工程において前周回の露光部分と非露光部分とで生じる電位差(露光メモリ電位)を、効果的に小さくすることができる電子写真感光体と、それを備えた画像形成装置とに関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、感光体を帯電する工程(帯電工程)、画像露光して静電潜像を形成する工程(露光工程)、静電潜像を現像バイアス電圧が印加された状態でトナー現像する工程(現像工程)、形成されるトナー像を転写紙に転写する工程(転写工程)などの工程を経て、さらにそのトナー像を転写紙に定着させることによって、画像形成を行う。また、上記転写工程後において、感光体上の残留トナーをウレタンブレードなどでクリーニングする工程(クリーニング工程)と、感光体上の残留電荷を除電する工程(除電工程)とを備えた画像形成装置がある。また、近年の画像形成装置では、小型化、イニシャルコストダウンおよび高速化が求められている。下記特許文献1には、小型化およびイニシャルコストダウンを図るべく、除電工程を省いた画像形成装置が提案されている。
上記のような工程により画像を形成する画像形成装置では、感光体を回転させて繰り返し使用する。しかし、前周回で露光された部分の電位(明電位)が影響して、次の周の帯電工程を経ても所望する帯電電位を得ることができないことがある。つまり、露光工程での露光部分と非露光部分とにおいては、次の帯電工程で電位差(露光メモリ電位)が生じることがある。この露光メモリ電位が一定以上大きくなって、帯電工程後でも所望の電位を得ることができない場合、メモリ画像が発生する。特に、除電工程のための手段(除電手段)を省いた画像形成装置においては、メモリ画像が多く発生する。このように露光メモリ電位およびメモリ画像が発生するのは、露光された部分の感光層内部に、空間電荷が残留しているためと考えられる。
除電手段を設ければ、前周回の露光部と非露光部の差をなくすことがほぼ可能となる。従って、除電手段のない画像形成装置において、メモリ画像の発生は顕著である。しかしながら、露光メモリ電位の低減のために除電手段を設けた場合、第一に、除電工程によっても電位の減衰が起こるため、感光層内部には空間電荷が生じ、繰り返し特性(帯電電位や明電位)が変化するため、一定の画像が得られないという問題点がある。第二に、除電手段を設ければ画像形成装置の部品点数が増加するため、コンパクトで廉価なプリンタ、複写機、FAXといった画像形成装置を設計することができず、またコストダウンできないという問題点がある。また、特許文献1に記載の画像形成装置では、露光メモリ電位の低減が不十分であるという問題点がある。
特開2001−312075号公報
本発明の課題は、感光層内部における空間電荷の発生の抑制による露光メモリ電位の低減と、画像形成装置に対する小型化、イニシャルコストダウンおよび高速化の要求とに対応可能な電子写真感光体、およびそれを備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一定の条件を満たす正孔輸送剤は、感光層内部における空間電荷の発生および残留を抑制することにより、露光メモリ電位の低減が可能であることを見出して、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の電子写真感光体は、以下の特徴を有する。
(1)少なくとも電荷発生剤および正孔輸送剤を含有する感光層を備えた電子写真感光体であって、前記正孔輸送剤は下記式(A)および(B)を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2006178321
(2)前記正孔輸送剤は、さらに下記式(C)を満たすことを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体。
Figure 2006178321
(3)前記正孔輸送剤の分子量は800以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の電子写真感光体。
(4)前記正孔輸送剤は、下記式(I)または(II)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
Figure 2006178321

(式中、R1〜R4は、同一または異なる基であって、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。R5〜R8は、同一または異なる基であって、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキル基、またはハロゲンを示す。Aはアリーレン基を示す。mおよびnは、0〜2の整数を示す。)
(5)上記電荷発生剤および正孔輸送剤を同一層内に含む単層型電子写真感光体であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真感光体。
また、本発明の画像形成装置は、(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真感光体を備えており、電子写真感光体の回転方向に沿って、順に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段とが配設され、除電手段が設けられていないことを特徴とする。
上記(1)〜(5)によれば、式(A)、より好ましくは式(C)の条件を満たす正孔輸送剤は、感光層中で正孔の授受を阻害する部分が少ないため、正孔の授受が起こりやすい。従って、このような正孔輸送剤を用いれば、感光層内部における空間電荷の発生を抑制して、露光メモリ電位を低減することができる。また、このように感光層内部の空間電荷の発生を抑制すれば、除電工程を用いない場合の繰り返し特性の悪化も抑制することができる。さらに、上記正孔輸送剤は、式(B)の条件を満たすため、画像形成装置の高速化にも対応することができる。その結果、感光層内部における空間電荷の発生の抑制による露光メモリ電位の低減と、画像形成装置に対する小型化、コストダウンおよび高速化の要求とに対応可能な電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明の画像形成装置は、上記電子写真感光体を備えており、除電手段が設けられていない。その結果、露光メモリ電位の低減によるメモリ画像の発生を抑制することができるとともに、小型化、コストダウンおよび高速化の要求に対応可能な画像形成装置を提供することができる。
<正孔輸送剤>
本発明の電子写真感光体に用いられる正孔輸送剤は、上記式(A)を満たしている。この式は、正孔輸送剤の分子量に対して、正孔移動度が一定以上大きな値でなければならないことを示している。この式を満たすには、正孔輸送剤の分子が、パイ電子をより多く持ち、共役平面が大きく広がり、脂肪族性の構造が比較的少なくなければならない。但し、炭素数1〜3程度のアルキル基やアルコキシ基の場合には、超共役による共役平面の拡大効果や、共役平面の電子密度増大の効果があるため、正孔移動度が大きくなることもある。つまり、上記式(A)を満たせば、感光層中でより正孔の授受を阻害する部分が少なくなることになる。このため、より正孔の授受が起こりやすくなり、空間電荷を減少させることが可能となって、露光メモリ電位を効果的に小さくすることができる。また、式(B)をも満たす、つまり一定以上の正孔移動度を有する正孔輸送剤は、画像形成装置の高速化にも対応することができる。
本発明の電子写真感光体に用いられる正孔輸送剤は、上記式(A)だけでなく、上記式(C)をも満たすほうが好ましい。正孔の授受がさらに起こりやすくなり、空間電荷をさらに減少させることができるとともに、露光メモリ電位をさらに効果的に小さくすることができるからである。なお、μ/Mが過度に大きくなると、すなわち正孔移動度が大きく分子量が小さいと、適用できる正孔輸送剤が少なくなるため、μ/Mは、20×10-8未満が好ましく、より好ましくは10×10-8未満である。
本発明で用いる正孔輸送剤は、上記式(I)または(II)で表されることが好ましい。R1〜R4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、neo−ペンチル基、iso−ペンチル基などの炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。R1〜R4のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。R1〜R4のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
5〜R8のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、neo−ペンチル基、iso−ペンチル基などの炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。R5〜R8のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。R5〜R8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。R5〜R8のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。R5〜R8のハロゲンとしては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。なかでも、R5〜R8が炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。この理由としては、R5〜R8が炭素数1〜6のアルキル基であることより、正孔輸送剤の合成が容易であり、且つバインダー樹脂との相溶性が高まるためである。
Aにおけるアリーレン基の基本骨格としては、例えば単環式化合物または多環式化合物の骨格が挙げられ、具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンなどが挙げられる。なお、本発明において、Aはフェニレン基またはナフチレン基であることが好ましい。
上記式(A)および(B)を満たす正孔輸送剤、または上記式(I)〜(II)で表される正孔輸送剤としては、例えば、次に示すHTM−1〜5が挙げられる。
Figure 2006178321
Figure 2006178321
Figure 2006178321
なお、本発明においては、上記式(A)および(B)を満たす正孔輸送剤の1種または2種以上を用いてもよい。また、必要に応じて、本発明における正孔輸送剤は、他の正孔輸送剤と併用してもよい。
<電荷発生剤>
次に、本発明の電子写真感光体を得るために用いる電荷発生剤等について説明する。電荷発生剤としては、例えば無金属フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、α−チタニルフタロシアニン、Y−チタニルフタロシアニン、V−ヒドロキシガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミニウム、アモルファスシリコンといった無機光導電材料などが挙げられる。これらの電荷発生剤は単独でまたは2種以上をブレンドして用いてもよい。
本発明では、特にフタロシアニン系顔料、とりわけ無金属フタロシアニン(例えばX型無金属フタロシアニン)、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンおよびクロロガリウムフタロシアニンから選ばれる少なくとも1種を電荷発生剤として用いるのが、LEDやレーザー等、650nm以上の赤色もしくは赤外光を露光光源としたときの、感光体の電気特性のうえで好ましい。
<電子輸送剤>
電子輸送剤としては、例えばジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、チオキサントン誘導体(2,4,8−トリニトロチオキサントン等)、フルオレノン誘導体(3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体等)、アントラセン誘導体、アクリジン誘導体、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸誘導体、無水マレイン酸誘導体、ジブロモ無水マレイン酸誘導体などの、電子受容性を有する化合物が挙げられる。
<バインダ樹脂>
バインダ樹脂としては、例えばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリウレタン、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレート、ウレタン−アクリレートなどの光硬化性樹脂などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用できるほか、2種以上を併用することもできる。
<導電性基体>
導電性基体としては、導電性を有する各種の材料が使用可能であり、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体、上記金属が蒸着もしくはラミネートされたプラスチック材料、さらにヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラスなどが挙げられる。導電性基体は、使用する画像形成装置の構造に合わせてドラム状、シート状などの形態で使用される。この導電性基体は充分な機械的強度を有しているのが好ましい。
<単層型電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、感光層内部における空間電荷の発生を抑制して、露光メモリ電位を低減するには、上記電荷発生剤および正孔輸送剤を同一層内に含む単層型電子写真感光体であることが好ましい。単層型電子写真感光体は、電荷発生剤、電子輸送剤、バインダ樹脂、必要に応じて正孔輸送剤や他の添加剤を適当な溶剤と共に、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて混合して分散液を調製し、この分散液を導電性基体上にこれを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。乾燥後の感光層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜50μmであるのがよい。
分散液を調製するための溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n‐ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶剤は単独で使用するほか、2種以上を混合して用いてもよい。さらに、電荷発生剤および電荷輸送剤の分散性、感光体表面の平滑性を良くするために、界面活性剤、レベリング剤などを使用してもよい。
単層型電子写真感光体においては、バインダ樹脂100重量部に対して、電荷発生剤を0.1〜50重量部、特に0.5〜30重量部の割合で、正孔輸送剤を5〜500重量部、特に25〜200重量部の割合で含有させるのがよい。電子輸送剤を含有させる場合は、バインダ樹脂100重量部に対して5〜100重量部、特に10〜80重量部の割合でそれぞれ含有させるのがよい。
また、感光層として単層型感光層を備えた電子写真感光体は、構造が簡単で製造が容易である上、被膜欠陥の発生を抑制し、光学的特性を向上させることができる等の利点がある。また、単層型感光層を備えた感光体は、電荷輸送剤として電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用することで、1つの感光体を正帯電型および負帯電型の両方に使用でき、感光体の応用範囲を広げることができる。
<積層型電子写真感光体>
積層型感光体とする場合は、電荷発生剤および電荷輸送剤をそれぞれ適当なバインダ樹脂および溶剤と共に、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて混合して分散液を調製し、この分散液を導電性基体上にこれを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。乾燥後の各層の厚さは、電荷発生層で0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μmであり、電荷輸送層で2〜100μm、好ましくは5〜50μmであるのがよい。
積層型感光体のうち電荷発生層においては、バインダ樹脂100重量部に対して電荷発生剤を5〜1000重量部、特に30〜500重量部の割合で含有させるのがよい。また、電荷輸送層においては、バインダ樹脂100重量部に対して正孔輸送剤を10〜100重量部、特に30〜80重量部の割合で含有させるのがよい。また、正孔輸送剤と電子輸送剤を併用する場合は、その総量がバインダ樹脂100重量部に対して10〜500重量部、特に30〜200重量部の割合で含有させるのがよい。
感光層には、前記した成分のほかに、画像形成に悪影響を与えない範囲で、種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤,増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナーなどが挙げられる。また、感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
単層型感光層または積層型感光層と、導電性基体との間や、積層型感光層を構成する電荷発生層と電荷輸送層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲で中間層、バリア層などを形成してもよい。また、感光層の表面には保護層が形成されていてもよい。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段とを備え、前記転写手段で印加される電圧は帯電手段で印加される電圧とは逆極性である、反転現像式の画像形成装置とすることが好ましい。このような画像形成装置としては、例えばデジタル複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等が挙げられる。本発明の画像形成装置は、上記電子写真感光体を備えているため、露光メモリ電位が非常に小さく、除電手段を有さなくともメモリー画像が発生することはない。また前述のように、画像形成装置の小型化やコストダウン等のために、クリーニング手段を除電手段と同様に省略してもよい。
<カラー用画像形成装置>
本発明の電子写真感光体は、カラー用画像形成装置に用いることができる。例えばブラックトナー、シアントナー、マゼンダトナー、イエロートナーなどの各色のトナーによって、本発明の電子写真感光体表面にトナー像を形成し、所定の転写紙上に順に転写することにより転写紙上にフルカラーの画像を形成することができる。さらに、この転写紙を、転写ベルトの排紙側に配置された定着装置に導入し、転写画像を転写紙に定着させることによって画像形成は行われる。もちろん、各色のトナー毎に専用の電子写真感光体を使用し、これらの電子写真感光体を転写ベルト上に配列した、いわゆるタンデム型フルカラー画像形成装置に、本発明の電子写真感光体を用いてもよい。このタンデム型フルカラー画像形成装置は、転写紙を転写ベルトによって連続的に搬送しながら画像形成を行うことができるという利点を有している。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明の電子写真感光体をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[実施例]
(正孔移動度の測定)
正孔輸送剤として、14種類の正孔輸送剤(HTM−1〜14)を準備し、その正孔移動度を測定した。正孔移動度は、通常のTOF(Time Of Flight)法により25℃の環境下で測定した。電界強度は3ラ105(V/cm)とした。測定サンプルは、バインダー樹脂(パンライトTS2020 帝人化成株式会社製)と電荷輸送剤の合計重量に対して、電荷輸送剤の含有量が30重量%になるように塗布液を作製し、塗布液をアルミニウム基材上に塗布した後80℃、30分間の熱処理を行い作製した。サンプル膜厚は7μmとした。なお、HTM−1〜5は上記と同様である。HTM−6〜14は下記に示す。
Figure 2006178321
[実施例1〜5および比較例1〜9]
<単層型電子写真感光体の作製>
電荷発生剤(X型無金属フタロシアニン)4重量部、正孔輸送剤50重量部、電子輸送剤30重量部およびバインダ樹脂100重量部を、溶剤(テトラヒドロフラン)800重量部と共にボールミルにて50時間混合分散させて、感光体塗布液を調製した。なお、バインダ樹脂は、平均分子量30000のポリカーボネートを用い、実施例1〜5および比較例1〜9で用いた正孔輸送剤は、下記表1に示す。次に、上記感光体塗布液を導電性基板上(アルミニウム素管:直径30mm)にディップコート法にて塗布し、その後100℃で40分間熱風乾燥し、膜厚25μmの単層型電子写真感光体を得た。なお、ここで用いた電荷発生剤、電子輸送剤、およびバインダ樹脂の化学式を下記に示す。
Figure 2006178321
<露光メモリ電位評価>
除電ランプを取り除いた京セラミタ(株)製マルチファンクションプリンタ(Antico40)に、各実施例および比較例の電子写真感光体を搭載し、未露光部の表面電位V1(V)、および露光部の次帯電工程後の表面電位V2(V)を測定し、その差(V1−V2)を露光メモリ電位(V)とした。結果を表1に示す。
<露光メモリ画像評価>
除電ランプを取り除いた京セラミタ(株)製マルチファンクションプリンタ(Antico40)に、各実施例および比較例の電子写真感光体を装着して、印写試験を実施した。具体的には、目視により露光メモリが画像上問題となる程度に現れているか確認した。印写試験には図1に示すような原稿(A4サイズ)を使用し、印写試験を実施した場合、強い露光部分(黒ベタ部)の感光体表面電位の低下により、露光部分のメモリ画像がグレー部分に発生しているかどうかを確認した。結果を表1および図2に示す。
なお、表1の画像評価の項目において、「◎」はメモリ画像が全く見られなかったことを、「○」はメモリ画像がかすかに見られたが問題ないレベルであったことを、「△」はメモリ画像が見られたことを、「×」はメモリ画像が顕著に見られたことを示している。また、正孔輸送剤の分子量は、ソフトウェア(Chem Draw Std.8.0(CambridgeSoft社製))を用いてMol.Wtを求め、小数点第3位を四捨五入して求めた。
Figure 2006178321
表1および図2によれば、実施例1〜5では、μ/Mが2.5×10-8より大きく、露光メモリ電位も50V以下に抑えることができ、画像評価の結果も良好であったことが分かる。特に、μ/Mが4.0×10-8より大きい場合は、画像評価の結果がすべて「◎」であり、極めて良好であったことが分かる。
一方、比較例1〜9では、μ/Mが2.5×10-8より小さいため、露光メモリ電位も70Vより大きい値となり、画像評価の結果も「△」または「×」であり、良好とはいえない結果となった。
実施例の露光メモリ画像評価で用いた原稿と、印写試験におけるメモリ画像とを示す模式図である。 実施例の露光メモリ電位とμ/Mとの関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 少なくとも電荷発生剤および正孔輸送剤を含有する感光層を備えた電子写真感光体であって、前記正孔輸送剤は下記式(A)および(B)を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2006178321
  2. 前記正孔輸送剤は、さらに下記式(C)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2006178321
  3. 前記正孔輸送剤の分子量は800以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記正孔輸送剤は、下記式(I)または(II)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 2006178321

    (式中、R1〜R4は、同一または異なる基であって、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。R5〜R8は、同一または異なる基であって、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキル基、またはハロゲンを示す。Aはアリーレン基を示す。mおよびnは、0〜2の整数を示す。)
  5. 上記電荷発生剤および正孔輸送剤を同一層内に含む単層型電子写真感光体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体を備えており、電子写真感光体の回転方向に沿って、順に帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段とが配設され、除電手段が設けられていないことを特徴とする画像形成装置。

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