JP5526544B2 - 重合体およびそれを含むフィルムまたはシート - Google Patents

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Description

本発明は、植物油由来成分を用いた、ポリ乳酸樹脂用軟質化剤として好適な重合体、およびこの重合体とポリ乳酸樹脂との樹脂混合物からなるフィルムまたはシートに関する。
近年、プラスチックの廃棄物処理の問題や環境問題などから、植物由来原料で優れた生分解性を有するポリ乳酸樹脂を、広く汎用ポリマーとして活用しようとする研究が盛んに行われている。ポリ乳酸樹脂組成物に関する多くの研究開発がなされている。しかし一般にポリ乳酸樹脂は、硬質で脆性のポリマーである。このため、ホモポリマーをそのまま汎用ポリマーとして各種用途に展開するには、克服しなくてはならない課題が用途毎に存在する。
特に、ポリ乳酸樹脂をフィルムやシート状に加工して展開する場合、硬質で脆性であることが大きな課題である。それを解決するために様々な研究開発が行われている。中でも、ポリエチレングリコールなどの可塑剤の添加による軟質化技術や脂肪族ポリエステルなどの添加による脆性改良化技術が広く知られている。これらを組み合わせることにより、ポリ乳酸を幅広く活用できるようになってきている。しかしながら、可塑剤として使用するポリエチレングリコールは環境への影響が懸念される。また、脂肪族ポリエステルを添加すると、ポリ乳酸樹脂は不透明になるという課題がある。
このような改良化技術の中で、ポリ乳酸樹脂に用いる添加剤を植物油由来成分や天然油由来成分などの環境低負荷素材へ切換える技術が提案されている。(特許文献1〜3)。これらの技術は従来技術に比べ、より環境への負荷が少なく、ポリ乳酸樹脂の耐熱性や耐衝撃性の向上を達成している。しかし、これらの技術は、軟質化やブリードアウト(抽出)抑制に関する技術ではない。また、これら技術は、単に植物油由来成分や天然油由来成分をポリ乳酸樹脂と配合しているのみである。このため、ポリ乳酸樹脂をフィルムやシート状に加工した場合、十分なブリードアウト(抽出)抑制機能を果たせない。
特開平11−116785号公報 特開2003−002921号公報 特開2006−077126号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、植物油由来成分を用い、ポリ乳酸樹脂の透明性を維持しながらポリ乳酸樹脂を軟質化することができ、同時にポリ乳酸樹脂からのブリードアウト(抽出)が抑制された、ポリ乳酸樹脂用軟質化剤として好適な重合体を提供することを目的とする。
また、本発明は、この重合体とポリ乳酸樹脂との樹脂混合物とを用いたフィルムまたは、シートを提供することを別の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、下記(1)、(2)の特性を有する重合体を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)本発明の重合体(C)は、エポキシ化植物油セグメント(A)とポリ乳酸セグメント(B)とを有する。
(2)本発明の樹脂混合物は、上記重合体(C)とポリ乳酸樹脂(D)とが、(C)/(D)=10/90〜50/50(質量比)の割合で混合されたものである。
本発明の重合体は、エポキシ化植物油セグメント(A)とポリ乳酸セグメント(B)とを有する、植物油由来成分を用いるものである。また、この重合体は、ポリ乳酸樹脂の透明性を維持しながらポリ乳酸樹脂を軟質化することができ、同時にポリ乳酸樹脂からのブリードアウト(抽出)が抑制された、ポリ乳酸樹脂用軟質化剤として好適に用いることができる。
また、この重合体とポリ乳酸樹脂との樹脂混合物とを用いたフィルムまたは、シートは、柔軟性や透明性、耐ブリードアウト性、水蒸気バリア性に優れている。従来の樹脂と同様に成形、加工できるので、種々の用途に用いることができる。
以下日に本発明を詳細に説明する。
[重合体(C)]
本発明の重合体(C)は、エポキシ化植物油セグメント(A)とポリ乳酸セグメント(B)とを有する。
(エポキシ化植物油セグメント(A))
本発明に用いるエポキシ化植物油セグメント(A)は、植物油中に存在する不飽和脂肪酸の不飽和結合をエポキシ化した油脂類である。エポキシ化は公知の方法で行われる。
使用できる植物油としては、特に制限はなく、公知の乾性油、半乾性油、不乾性油およびその他の植物油を用いることができる。具体的には、亜麻仁油、ひまし油、大豆油、大麻油、コーン油、ゴマ油、ヒマワリ油、サフラワー油、菜種油、落花生油、オリーブ油、パーム油、椰子油、椿油などが挙げられる。
エポキシ化植物油セグメント(A)は、安定性に優れ、貯蔵も容易である。また、食品と接触するラップフィルムなどに安定化剤として添加されており、安全性が高く、かつ容易に入手することができるものである。中でも、透明性を維持させる点から、ポリ乳酸樹脂(D)との相溶性が良好で、ポリ乳酸樹脂(D)の屈折率に近いエポキシ化植物油セグメント(A)が好ましい。具体的には、亜麻仁油やひまし油、大豆油のエポキシ化物が好ましく用いられ、特に亜麻仁油をベースとしたエポキシ化亜麻仁油が好適に用いられる。
(ポリ乳酸セグメント(B))
本発明に用いるポリ乳酸セグメント(B)は、その数平均分子量が、100以上3000以下であることが好ましい。数平均分子量が100以下の場合、ポリ乳酸との相溶性やブリードアウト(抽出)抑制に十分な効果が得られにくくなる場合があり、数平均分子量が3000より大きいと、十分な軟質化効果が得られにくくなる場合がある。特に、ブリードアウト(抽出)を強く抑制したい場合には、数平均分子量が500以上3000以下であることが好ましい。また、軟質化効果とブリードアウト(抽出)抑制の効果を最適に発現できる範囲として、数平均分子量が500以上2000以下あることが好ましい。
ポリ乳酸セグメント(B)の光学純度は特に限定しないが、95%以上の光学純度があれば、結晶化により重合体(C)が固形化し取り扱いが容易になること、また、後述するポリ乳酸樹脂(D)との共晶化による高いブリードアウト抑制効果が生まれるため好ましい。
本発明の重合体(C)は、上記エポキシ化植物油セグメント(A)とポリ乳酸セグメント(B)とを反応させて得られる。
本発明の重合体(C)は、下記化学式(1)または(2)で表される構造を有する。
Figure 0005526544
Figure 0005526544
本発明の重合体(C)の合成は、上記化学式に示す構造が得られるものあれば、特に限定しない。例えば、エポキシ化植物油セグメント中のエポキシ基を酸や水などで開環させ、生成した末端OH基とラクチドの開環重合、または乳酸の直接重合により、ポリ乳酸セグメント(B)を生成させる方法などがあるが、これに限られたものではない。
なお、ポリ乳酸セグメント(B)の数平均分子量は以下の方法などで測定することができる。まず、重合体(C)の分子量をGC−MSやH−NMR、GPCなどから測定したのち、アルカリなどによりポリ乳酸セグメント(B)部分を加水分解させる。それを良溶媒と貧溶媒で、エポキシ化植物油セグメント(A)成分とポリ乳酸セグメント(B)が加水分解した乳酸に分離し、エポキシ化植物油セグメント(A)成分を分離する。分離されたエポキシ化植物油セグメント(A)の分子量をH−NMR、13C−NMRやGPCから測定し、重合体(C)の分子量から差し引けば、元のポリ乳酸セグメントの分子量を求めることができる。
重合体(C)中には、本発明の効果を損なわない範囲で、植物油、エポキシ化植物油セグメント、ポリエーテル類、酸化防止剤や触媒失活剤、末端封鎖剤などを用いることができる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール類、ヒンダートアミン類が挙げられ、触媒失活剤には、リン酸化合物やアルキルホスホネート化合物、酢酸アミン類などが挙げられる。末端封鎖剤には、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物が挙げられる。
本発明の重合体(C)は、軟質化、ブリードアウト抑制、透明性を維持する効果を有する。さらに、構成成分のすべて植物由来成分であることから、環境低負荷のポリ乳酸用軟質化剤として好ましく用いられる。
[樹脂混合物]
本発明の樹脂混合物は、上記重合体(C)とポリ乳酸樹脂(D)との混合物である。本発明の重合体(C)をポリ乳酸樹脂(D)に添加した場合に、ポリ乳酸樹脂(D)の透明性を維持しつつ、ポリ乳酸樹脂(D)を軟質化し、ポリ乳酸樹脂(D)から重合体(C)のブリードアウトを抑制した、樹脂混合物(E)を得ることができる。
本発明の樹脂混合物に使用するポリ乳酸樹脂(D)としては、トウモロコシなどの植物を含む天然物を原料とし生分解性を有するポリ乳酸樹脂である。本発明で使用するポリ乳酸樹脂としては、乳酸ホモポリマーであってもよく、乳酸コポリマーもしくはブレンドポリマーであってもよい。ポリ乳酸樹脂におけるL−乳酸単位とD−乳酸単位との構成モル比(L/D)は、100/0〜0/100の範囲のいずれであっても良いが、高い結晶融解熱量を得るにはL乳酸およびD乳酸のいずれかの単位を90モル%以上含むことが好ましい。また、ポリ乳酸樹脂は、他の成分を含んでいてもよい。
本発明で使用するポリ乳酸樹脂は、公知の方法で製造することができる。具体的には、L−乳酸またはD−乳酸を原料として、一旦、環状2量体であるL−ラクチドまたはD−ラクチド、D,L−ラクチドを生成せしめ、その後、2−エチルヘキサン酸スズなどの勤続触媒により開環重合を行う2段階のラクチド法や、当該原料を溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法などが知られており、いずれの製法を利用してもよい。
上記重合体(C)とポリ乳酸樹脂(D)との混合は、(C)/(D)=10/90〜50/50(質量比)の割合で行えばよい。この割合で混合することにより、優れた透明性と軟質化効果、ブリードアウト(抽出)抑制効果を持った樹脂混合物(E)を得ることができる。特に、ブリードアウトを抑制したい場合や高い透明性を得たい場合は、20/80〜50/50(質量比)の範囲で混合することが好ましい。また、軟質化などの効果を最大限に発現するには、30/70〜40/60(質量比)の範囲で混合することが好ましい。重合体(C)の混合量が10(質量比)未満の場合、十分な軟質化効果を得られない場合がある。一方、重合体(C)の混合量が50(質量比)を越える場合、粘度低下による加工性の低下や、機械物性の低下を引き起こす可能性がある。
ポリ乳酸樹脂(D)の分子量は、特に限定しないが、数平均分子量50,000を超える高分子量体であれば加工性や機械物性に優れた樹脂混合物(E)が得られるため好ましい。より好ましくは、数平均分子量70,000以上である。
重合体(C)とポリ乳酸樹脂(D)を混合する方法としては、減圧加熱により乾燥させた重合体(C)と、同様の方法で乾燥させたポリ乳酸(D)を、2軸または単軸の押出機にて溶融混練する方法や、攪拌翼を備えた密閉加熱容器で溶融混練する方法、または、重合体(C)を容器などで合成後、減圧加熱にて乾燥させたポリ乳酸(D)をその容器に投入し混合する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂混合物(E)は、押出成形、射出成形、インフレーション成形、積層成形、プレス成形等の種々の方法により成形加工を行うことができる。本発明の樹脂混合物(E)は、汎用樹脂に使用されている既存装置を用いて成形することができるので、好ましい。
[フィルムまたはシート]
重合体(C)とポリ乳酸樹脂(D)を混合した樹脂混合物(E)は、フィルムまたはシートとして好適に用いることができる。本発明におけるフィルムとは、100μm以下の厚みのシート状物を指し、シートとは、100μmより大きく2000μm以下の厚みのシート状物を指す。樹脂混合物(E)から形成されるフィルムまたはシートの厚みは特に問わないが、10μm以上500μm以下の範囲で重合体(C)の軟質化効果が顕著に得られるため、10μm以上500μm以下の厚みシート状物を製膜することが好ましい。また透明性を重視する場合は、10μm以上100μm以下であることが好ましい。また、食品用ラップフィルムのような粘着性を得たい場合には、10μm以上20μm以下であることが好ましい。ラップフィルムに代表される粘着性は、対象物に対して密着しているかどうかで発現されるため、かかる範囲のフィルムとすることで、形状への追従性が増し、粘着性が発現する。
重合体(C)とポリ乳酸樹脂(D)から得られた樹脂混合物(E)を、フィルムやシートへ成形する方法としては、混合物を吐出する際にT型のダイスを設け、冷却した金属のロールにキャストし、任意に延伸する方法や、丸型のダイスから樹脂を吹き上げ、内包したエア圧で延伸する方法、揮発性の有機溶媒に溶解後、薄膜状にしたのち溶媒を揮発させ、フィルムやシートを得る方法などが挙げられる。
得られたフィルム、またはシートの結晶融解熱量は5J/g以上30J/g以下であることが好ましい。5J/g以下の結晶融解熱量では、結晶化が不十分で十分な耐熱性が得られない場合があり、また、30J/g以上だと、十分な軟質化効果を得られない場合がある。耐熱性と軟質化効果を効果的に発現したい場合、5J/g以上20J/g以下であることが好ましい。
結晶融解熱量をかかる範囲のフィルムに製膜する手段としては、樹脂混合物(E)の結晶性制御や、アニール処理などが挙げられる。
樹脂混合物(E)の結晶性制御とは、混合するポリ乳酸樹脂(D)とポリ乳酸セグメント(B)の光学純度を制御することを指す。具体的には、ポリ乳酸樹脂(D)とポリ乳酸セグメント(B)の全体としての光学純度が90%以上であることが好ましく、より好ましくは、93%以上であることが好ましい。高い結晶融解熱量としたい場合、光学純度は95%以上であることが好ましい。
また、ポリ乳酸にはD体とL体という光学異性体が存在する。ポリ乳酸樹脂(D)とポリ乳酸セグメント(B)が共結晶化により耐ブリードアウト性を強めるため、ポリ乳酸樹脂(D)とポリ乳酸セグメント(B)はD体同士、もしくはL体同士であることが好ましい。
アニール処理は、製膜工程中あるいは製膜後において、樹脂混合物(E)の結晶化温度(Tc)以上融点(Tm)以下の温度で加熱処理することを指す。具体的には、50℃以上120℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以上100℃以下、より好ましくは50℃以上85℃以下である。
上記により得られたフィルムまたはシートの熱収縮率は、0.1%以上15%以下であることが好ましい。15%を超えると、フィルム収縮が著しく、ロール状に保管していた場合、巻き出しにくくなるなどの取り扱いや保管上問題となる場合がある。0.1%未満だと、資材などを梱包した際に梱包対象からフィルム、又はシートが脱落したりするなど、実用上問題となる場合がある。
熱収縮率をかかる範囲にする手段としては、フィルム製膜時の延伸処理などが挙げられる。
延伸処理とは、フィルム製膜時に、フィルムの長手方向(以下、MD方向)とフィルムの幅方向(以下、TD方向)にフィルムを伸張する処理のことで、金属性の冶具によりフィルムの端部を把持しMD方向とTD方向に段階的に延伸する方法、丸型のダイスから筒状に製膜し内包したエア圧などでMD、TD方向に同時に延伸する方法などがある。本発明のフィルムまたはシートにおいて、MD、TD方向に同じ倍率で延伸することが好ましく、具体的な延伸条件としては、1.5倍〜5倍に延伸することが好ましい。より好ましくは、2〜4倍で延伸することが好ましい。
本発明によって得られる樹脂混合物(E)やフィルムまたはシートは、ポリ乳酸の軟質化技術で広く用いられる親水性可塑剤を含んだ軟質ポリ乳酸やその成形加工品と異なり、水蒸気透過率が変化しないものである。つまり、ポリ乳酸の軟質化剤として親水性可塑剤を使用した軟質ポリ乳酸はホモポリマーであるポリ乳酸よりも水蒸気に対して親和性が強くなり、水蒸気透過率が大きくなる。しかし、本発明で使用されているエポキシ化植物油セグメント(A)は親水性が低いため、それらからなる重合体(C)や、樹脂混合物(E)も、水蒸気に対する親和性はホモポリマーであるポリ乳酸(D)と変わらないため、水蒸気透過率はホモPLAの値と変化しない。また、従来技術として、親水性可塑剤の他に、脂肪族ポリエステルによるポリ乳酸の軟質化技術があるが、これらの軟質ポリ乳酸やその成形品は水蒸気透過率は変化しないものの、ポリ乳酸の持つ透明性が著しく失われるものである。
具体的な水蒸気透過率と透明性としては、1{g/(m×Day)}以上30{g/(m×Day)}以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは、1{g/(m×Day)}以上25{g/(m×Day)}以下であり、かつ、厚み10μmにおけるヘイズが0.1%以上1%未満であることが好ましい。
なお本発明における樹脂混合物(E)中には、本発明の効果を損なわない範囲で、エポキシ化植物油、植物油、ポリエーテル類、結晶核剤、末端封鎖剤、酸化防止剤、紫外線安定化剤などを必要に応じて添加してもよい。結晶核剤としては、エチレンビスアミド類、層状珪酸塩類などが挙げられる。末端封鎖剤としては、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などが挙げられる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類が挙げられる。
例えば、フィルムの用途としては、ゴミ袋、レジ袋、一般規格袋、重袋等の袋類、農業用、食品用、工業用、繊維用、雑貨等の包装材用途や、結束テープ、農業用マルチフィルム等、またシート、射出成形品としては、農業用、食品用、工業用シートを始め、トレー、日曜雑貨、食品容器、養生シート、苗木ポット、産業資材、工業用品等として有用である。
以下に実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、物性、評価は以下の方法により測定、評価した。
1.分子量
THF(テトラヒドロフラン)に濃度1mg/mlとなるようにサンプルを溶解させ、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィ)を用いて、ピークが検出されるまでの時間を測定し、既知分子量のポリスチレン検量線から、数平均分子量を換算した。
[GPC装置]
機器:島津製作所製LC−10Aシリーズ
溶媒:THF(高速液体クロマトグラフィ用)
検出器:RI検出器(RID−10A)
カラム:昭和電工社製 Shodex(商標)KF−806L、KF−804L(各300mm×8mmφ)をこの順番で直列に使用。
カラム温度:30℃
流速:1.0ml/min(Heによるオンライン脱気方式)。
検量線作成に用いたポリスチレンはShodex(商標)ポリスチレンスタンダードで、Std.No.がS−3850、S−1190、S−205、S−52.4、S−13.9、S−1.31の6種類を用いた。これら6種をTHFに溶解させ、GPC装置でピーク検出までの時間を測定した。これら6種の数平均分子量は既知であるので、ピーク検出までの時間と数平均分子量を縦軸と横軸にとり、3次式近似の検量線を作成して用いた。
2.組成物の分析方法
エポキシ化植物油セグメント(A)とポリ乳酸セグメント(B)の結合の有無は、H−NMR(核磁気共鳴装置)を用いて分析した。ポリ乳酸セグメントとエポキシ基が結合した部分に由来するピークが現れてくるので、結合しているかどうかの判断とした。
また、GPCカラム測定領域以下の分子量の場合は、NMRで得られるピークの積分強度からポリ乳酸セグメント(B)の分子量を求めた。
3.軟質効果(弾性率)
実施例、比較例で得られたフィルムを、長手方向150mm、幅方向10mmに切り出し、温度23℃、湿度63%RHの雰囲気下でJIS K7161およびJIS K7127に準じて、テンシロン万能測定機UTC−100型(株式会社オリエンテック)を用い、初期長50mm、引張速度300mm/分条件で引張試験を行った。続いて引張試験で得られた応力−歪み曲線の直線部分を用いて、直線上の2点間の応力差を同じ2点間の歪みの差で除し、計5回の試験を行い、平均を求め、それを弾性率(MPa)とした。
測定した弾性率を以下の基準で評価した。
◎(優):650MPa未満
○(良):650MPa以上800MPa未満
△(可):800MPa以上1000MPa未満
×(不可):1000MPa以上
4. ブリードアウト量(重量減少率)
実施例、比較例で得られたフィルムについて、処理前の重量を測定し、90℃の蒸留水中で30分間浸した後水から取出し、30℃、1333Paで6時間減圧乾燥を行い、再度重量を測定した。重量減少率(%)は、以下の式に従って算出した。
重量減少率(%)={(処理前の重量)−(処理後の重量)}/(処理前の重量)×100
得られた重量減少率(%)を以下の通りに評価した。
◎(優):1%未満
○(良):1%以上3%未満
×(不可):3%以上
5.透明性(ヘイズ)
実施例、比較例で得られたフィルムを、長手方向40mm、幅方向に30mmに切り出し、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で24時間調湿した。切り出したフィルムを23℃の雰囲気下でJIS K 7136に準じて、ヘイズメーターHGM−2DP(スガ試験器株式会社)を用い、計5回測定してその平均値を求めた。
なお、上記測定器により得られるフィルムヘイズ値は、散乱光透過率を全光線透過率で除し、100を乗じて得られる値である。
得られたフィルムヘイズ値から以下の通りに評価した。
◎(優):0.6%未満
○(良):0.6%以上0.8%未満
×(不可):0.8%以上
6.水蒸気透過率
透湿度カップ法により測定した。カップの開口部面積は0.002826平方mで、カップの中に純水を20ml注ぎ、カップの開口部を塞ぐように、後述する実施例、比較例で得たフィルムを被せ、専用治具で固定した。次に、全体の重量(M0(単位g)とする。)を電子天秤で測定後、5℃の冷蔵庫に移し、24時間放置した。その後、冷蔵庫より取り出し、乾いた布なので水滴を拭き取ったのち、重量(M1(単位g)とする。)を測定した。水蒸気透過率{g/(m×day)}は以下の式で算出した。
水蒸気透過率{g/(m×day)}=(M0−M1)/0.002826
得られた水蒸気透過率を以下の基準で評価した。
◎(優):20{g/(m×day)}未満
△(可):20{g/(m×day)}以上
7.熱収縮率
フィルムのMD方向に150mm、TD方向に10mmの短冊状にサンプルを切り出し、23℃、湿度60%の雰囲気中に30分間放置し、その雰囲気中で長手方向に100mmの間隔で2つの印をつけ、リニアスケール測長機を用いて、その印の間隔を測定し、その値をLAとした。次に、短冊状サンプルの一端を専用の冶具に取り付け、もう片方の端部に3gの錘を取り付け、錘により釣り下がった状態とした。次に100℃に設定した熱風オーブン内で30分間加熱後、23℃、湿度60%の雰囲気に1時間冷却、調湿した。先につけた印の間隔をリニアスケール測長機で測定し、その値をLBとし、次式により熱収縮率を求めた。
熱収縮率(MD)=(LA−LB)/LA×100
同様に、短冊状サンプルのMDとTDを入れ替えて熱収縮率(TD)を測定し、熱収縮率(MD)と熱収縮率(TD)の平均を熱収縮率とした。
8.食品ラップテスト
厚み10μmに製膜したフィルムを20cm角に切り出し、純水50mlを入れた直径10cm深さ3cmの食器皿の上面を覆うように被せ、余ったフィルムは皿の形状にそわせるように貼り付けた。次に、500Wの電子レンジで2分間加熱した。ラップした皿を取り出し、温度23℃、湿度60%で30分間冷却、調湿したのち、以下の評価を行った。
◎(優):皿の上面と同じ高さでフィルムが張った状態(処理前と同じ状態)
○(良):内部蒸気の圧力により、フィルムが伸び、冷却後自重で皿の底に張り付いた状態
△(可):フィルムが皿から剥離したり、裂けることにより上面を覆っていない状態
9.結晶融解熱量
示差走査熱量分析装置(セイコー電子工業製、RDC220)を用いて測定した。サンプル5mgを用い、20℃から20℃/分の昇温速度で200℃まで加熱した際に、結晶化に由来する発熱より高温側で検出される吸熱の熱量を結晶融解熱量とした。
10.耐熱性
厚さ10μmで製膜したフィルムを20cm角に切り出し、直径6cm高さ8cmのガラス製コップに被せてフィルムの淵を輪ゴムで固定し、温度23℃、湿度60%で30分間調湿した。次に、所定の温度に設定された熱風オーブンに5分間入れた後、23℃、湿度60%の雰囲気で冷却、調湿した。フィルム同士が融着することなく、取り外せる熱風オーブンの温度で次のように評価した。
◎(優):100℃以上
○(良):90℃以上100℃未満
△(可):70℃以上90℃未満
×(不可):70℃未満
〔実施例1〕
三つ口フラスコにエポキシ化亜麻仁油(A)(北村化学産業社製)1030gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を1010g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.1g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、半固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40/60となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度が88%、数平均分子量が12万の非晶性ポリ乳酸と、光学純度98%、数平均分子量11万の結晶性ポリ乳酸を7対3で混合した光学純度91%のポリ乳酸を用いた。これにより、樹脂混合物(E)の光学純度としては、93%となった。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を下記の条件で水分を除去した。
重合体(C):温度40℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
ポリ乳酸(D):温度110℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
これら乾燥した重合体(C)とポリ乳酸(D)を上記重量割合でブレンドしたのち、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例2〕
三つ口フラスコにエポキシ化亜麻仁油(A)(北村化学産業社製)1030gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を101g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.1g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、半固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40/60となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度93%、数平均分子量12万のポリ乳酸を用いた。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例3〕
三つ口フラスコにエポキシ化亜麻仁油(A)(北村化学産業社製)1030gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を3030g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.1g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、半固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40/60となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度が90%、数平均分子量が12万の非晶性ポリ乳酸を用いた。これにより樹脂混合物の光学純度は93%となった。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例4〕
三つ口フラスコにエポキシ化大豆油(A)980gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を1010g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.1g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、半固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40/60となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度が88%、数平均分子量が12万の非晶性ポリ乳酸と、光学純度98%、数平均分子量11万の結晶性ポリ乳酸を7対3で混合した光学純度91%のポリ乳酸を用いた。これにより、樹脂混合物(E)の光学純度としては、93%となった。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例5〕
三つ口フラスコにエポキシ化ひまし油(A)990gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を1010g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.77g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40/60となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度が88%、数平均分子量が12万の非晶性ポリ乳酸と、光学純度98%、数平均分子量11万の結晶性ポリ乳酸を7対3で混合した光学純度91%のポリ乳酸を用いた。これにより、樹脂混合物(E)の光学純度としては、93%となった。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
参考例
三つ口フラスコにエポキシ化ひまし油(A)990gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を3550g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.77g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40/60となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度が90%、数平均分子量が12万の非晶性ポリ乳酸を用いた。これにより樹脂混合物の光学純度は93%となった。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例7〕
三つ口フラスコにエポキシ化ひまし油(A)990gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を101g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.77g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ10/90となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度93%、数平均分子量12万のポリ乳酸を用いた。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例8〕
三つ口フラスコにエポキシ化ひまし油(A)990gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を101g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.77g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ50/50となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度93%、数平均分子量12万のポリ乳酸を用いた。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例9〕
三つ口フラスコにエポキシ化ひまし油(A)990gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を3030g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.1g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、半固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ10/90となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度93%、数平均分子量12万のポリ乳酸を用いた。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例10〕
三つ口フラスコにエポキシ化ひまし油(A)990gをとり、L−乳酸(和光純薬社製)90gを添加した後、マントルヒーターとスターラーを用いて、160℃で2時間攪拌した。その後、L−ラクチド(B)を3030g添加し、雰囲気を窒素ガスに置換した。ラクチド溶解後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を1.77g添加した。
その後4時間、窒素雰囲気下180℃で撹拌し、反応を行った。フラスコから取り出し、固形状の重合体(C)を得た。
得られた重合体(C)のH−NMR、13C−NMRを測定した結果、エポキシ化植物油セグメントとポリ乳酸セグメントの結合に由来するピークが観測された。
次に、以下の方法により重合体(C)とポリ乳酸(D)を用いて、樹脂混合物(E)を得たのち、フィルムを製膜した。
重合体(C)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100とした場合に、重合体(C)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ50/50となるように重合体(C)とポリ乳酸(D)を用意した。
ポリ乳酸(D)は、光学純度88%、数平均分子量12万の非晶性ポリ乳酸を用いた。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例11〕
実施例1で得られた重合体(C)に、光学純度91%のポリ乳酸(D)を用いて、(C)/(D)=5/95の割合で混合し、樹脂混合物(E)を得た。樹脂混合物(E)の光学純度は91%であった。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例12〕
実施例1で得られた重合体(C)に、光学純度91%のポリ乳酸(D)を用いて、(C)/(D)=60/40の割合で混合し、樹脂混合物(E)を得た。樹脂混合物(E)の光学純度は91%であった。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例13〕
実施例1で得られた重合体(C)に、光学純度88%のポリ乳酸(D)を用いて、(C)/(D)=60/40の割合で混合し、樹脂混合物(E)を得た。樹脂混合物(E)の光学純度は88%であった。
これら重合体(C)とポリ乳酸(D)を実施例1と同様の条件で水分除去し、製膜を行い、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例14〕
実施例1で得られた重合体(C)に、光学純度87%の非晶性ポリ乳酸(D)を用いて、(C)/(D)=40/60の割合で混合し、樹脂混合物(E)を得た。樹脂混合物(E)の光学純度は90%であった。
これら樹脂混合物(E)を温度80℃、真空度1333Paで3時間水分を除去し、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例15〕
実施例1で得られた重合体(C)に、光学純度93.5%の結晶性ポリ乳酸(D)を用いて、(C)/(D)=40/60の割合で混合し、樹脂混合物(E)を得た。樹脂混合物(E)の光学純度は95%であった。
以下、実施例14同様の方法で厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例16〕
実施例1で得られた重合体(C)に、光学純度91%のポリ乳酸樹脂(D)を用いて、(C)/(D)=40/60の割合で混合し、樹脂混合物(E)を得た。樹脂混合物(E)の光学純度は93%であった。
これら樹脂混合物(E)を温度80℃、真空度1333Paで3時間水分を除去し、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの1.5倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例17〕
実施例16で得られた樹脂混合物(E)を温度80℃、真空度1333Paで3時間水分を除去し、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの5倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例18〕
実施例1で得られた重合物(C)に、光学純度85%のポリ乳酸樹脂(D)を用いて、(C)/(D)=40/60の割合で混合し、樹脂混合物(E)を得た。樹脂混合物(E)の光学純度は85%であった。
これら樹脂混合物(E)を温度80℃、真空度1333Paで3時間水分を除去し、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔実施例19〕
実施例1で得られた重合物(C)に、光学純度98%のポリ乳酸樹脂(D)を用いて、(C)/(D)=40/60の割合で混合し、樹脂混合物(E)を得た。樹脂混合物(E)の光学純度は98%であった。
これら樹脂混合物(E)を温度80℃、真空度1333Paで3時間水分を除去し、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例1〕
三つ口フラスコに、ひまし油エチレンオキサイド付加物(三洋化成工業社製「トキサノンAH」:分子量約3000)990gを入れ、マントルヒーターとスターラー、油回転式真空ポンプを用いて、温度140℃、真空度10Torrで30分間攪拌した。次にL−ラクチド950gと2−エチルヘキサン酸スズ(II)1.0gを投入し、140℃で3時間攪拌した。その後、フラスコから取り出し、ひまし油ポリエチレングリコール−ポリ乳酸セグメント型の重合体(F)を得た。
得られた組成物のH−NMR、GPC測定を行った結果、ひまし油1分子に分子量1000のポリエチレングリコール単位が3つと、3つのポリエチレングリコール分子鎖末端に分子量1000のポリ乳酸セグメントが結合した構造であった。
次ぎに、得られた重合体(F)とポリ乳酸樹脂(D)を用いて、下記の方法でフィルムを製造した。
重合体(F)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100重量%とした場合に、組成物とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40重量%/60重量%となるように用意した。用いたポリ乳酸(D)は、L―乳酸が91%で、重量平均分子量が11万のホモポリ乳酸である。重合体(F)の光学純度は93%となった。
これら重合体(F)とポリ乳酸(D)を下記の条件で水分を除去した。
重合体(F):温度40℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
ポリ乳酸(D):温度110℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
これら乾燥した重合体(F)とポリ乳酸(D)を上記重量割合でブレンドしたのち、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例2〕
光学純度93%のポリ乳酸樹脂(D)を比較例1の条件で水分除去し、液体添加孔を備えた二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融押出した。二軸押出機の吐出量に応じて、トキサノンAHの添加量が40重量%となるように流量調整した液体添加用ポンプを用いて、液体添加孔からトキサノンAHを供給した。溶融混合された樹脂を、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例3〕
三つ口フラスコに、ひまし油エチレンオキサイド付加物(三洋化成工業社製「トキサノンAH」:分子量約3000)440gを入れ、マントルヒーターとスターラー、油回転式真空ポンプを用いて、温度140℃、真空度10Torrで30分間攪拌した。次にL−ラクチド480gと2−エチルヘキサン酸スズ(II)1.0gを投入し、140℃で3時間攪拌した。その後、フラスコから取り出し、ひまし油ポリエチレングリコール−ポリ乳酸セグメント型の重合体(F)を得た。
得られた組成物のH−NMR、GPC測定を行った結果、ひまし油1分子に分子量1000のポリエチレングリコール単位が3つと、3つのポリエチレングリコール分子鎖末端に分子量3500のポリ乳酸セグメントが結合した構造であった。
得られた重合体(F)とポリ乳酸樹脂(D)を比較例1と同様の方法で、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例4〕
比較例1と同様の合成で得られた重合体(F)とポリ乳酸樹脂(D)を用いて、下記の方法でフィルムを製造した。
重合体(F)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100重量%とした場合に、組成物とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ5重量%/95重量%となるように用意した。用いたポリ乳酸(D)は、光学純度が93%で、重量平均分子量が11万のホモポリ乳酸である。重合体(F)の光学純度は93%となった。
これら組成物とポリ乳酸(D)を下記の条件で水分を除去した。
重合体(F):温度40℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
ポリ乳酸(D):温度110℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
これら乾燥した組成物とポリ乳酸(D)を上記重量割合でブレンドしたのち、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例5〕
比較例1と同様の合成で得られた重合体(F)とポリ乳酸樹脂(D)を用いて、下記の方法でフィルムを製造した。
重合体(F)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100重量%とした場合に、組成物とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ60重量%/40重量%となるように用意した。用いたポリ乳酸(D)は、光学純度が88%で、重量平均分子量が11万のホモポリ乳酸である。重合体(F)の光学純度は93%となった。
これら重合体(F)とポリ乳酸(D)を下記の条件で水分を除去した。
重合体(F):温度40℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
ポリ乳酸(D):温度110℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
これら乾燥した重合体(F)とポリ乳酸(D)を上記重量割合でブレンドしたのち、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例6〕
ポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体(日本インキ化学工業株式会社製「プラメートPD−350」)とポリ乳酸樹脂(D)を用いて、下記の方法でフィルムを製造した。
PD−350とポリ乳酸(D)を合計した重量を100重量%とした場合に、組成物とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40重量%/60重量%となるように用意した。用いたポリ乳酸(D)は、光学純度が95%で、重量平均分子量が11万のホモポリ乳酸である。
ポリ乳酸(D)を下記の条件で水分を除去した。
ポリ乳酸(D):温度110℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
PD−350とポリ乳酸(D)を上記重量割合でブレンドしたのち、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例7〕
比較例1と同様の合成で得られた重合体(F)と光学純度80%のポリ乳酸樹脂(D)を用いて、下記の方法でフィルムを製造した。
重合体(F)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100重量%とした場合に、重合体(F)とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40重量%/60重量%となるように用意した。
これら重合体(F)とポリ乳酸(D)を下記の条件で水分を除去した。
重合体(F):温度40℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
ポリ乳酸(D):温度60℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
これら乾燥した重合体(F)とポリ乳酸(D)を上記重量割合でブレンドしたのち、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度60〜70℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例8〕
比較例1と同様の合成で得られた重合体(F)と光学純度98%のポリ乳酸樹脂(D)を用いて、下記の方法でフィルムを製造した。
重合体(F)とポリ乳酸(D)を合計した重量を100重量%とした場合に、組成物とポリ乳酸(D)の重量割合がそれぞれ40重量%/60重量%となるように用意した。
これら重合体(F)とポリ乳酸(D)を下記の条件で水分を除去した。
重合体(F):温度40℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
ポリ乳酸(D):温度110℃、真空度1333Paの環境下で3時間保管。
これら乾燥した重合体(F)とポリ乳酸(D)を上記重量割合でブレンドしたのち、二軸の押出機に供給し、170〜220℃で溶融混練させ、直線スリットが入ったダイより押出し、20℃のキャストドラムで冷却固化させることにより無延伸フィルムを作成した。次にこの無延伸フィルムの両端を専用冶具に把持させ、温度80〜110℃に加熱されたオーブン内を通し、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの3倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例9〕
比較例1の製膜時に、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの1.5倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
〔比較例10〕
比較例1の製膜時に、フィルムの長手方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)にそれぞれ元の長さの5倍の長さになるように均一に延伸し、厚み10μmのフィルムを製造した。
実施例1〜実施例7〜10、参考例、比較例1〜6のそれぞれの樹脂組成物の成分、成分比、軟質効果、ブリードアウト量、透明性、水蒸気透過率の結果を表1、2に、および重合体から得られたフィルムの結晶融解熱量、樹脂混合物(E)の光学純度、熱収縮率、ラップテスト、延伸倍率、耐熱性、弾性率の結果を表3、4に示す。
Figure 0005526544
Figure 0005526544
表1から、エポキシ化亜麻仁油に、数平均分子量のみが異なるポリ乳酸を結合した樹脂組成物を用いた実施例1〜3のフィルムは、数平均分子量が100である実施例2は、わずかに、ブリードアウトを生じたが、軟質効果、透明性ともに優れ、水蒸気透過率も低いものであった。また、数平均分子量が3000である実施例3のフィルムは、軟質効果がわずかに劣るが、ブリードアウトを生じず、透明性に優れ、水蒸気透過率も低いものであった。
また、実施例1のエポキシ化亜麻仁油の代わりにエポキシ化大豆油を用いた実施例4のフィルムは、ブリードアウトを生じず、軟質効果、透明性ともに優れ、水蒸気透過率も低いものであった。
また、実施例1のエポキシ化亜麻仁油の代わりにエポキシ化ひまし油を用いた実施例5のフィルムは、ブリードアウトを生じず、軟質効果、透明性ともに優れ、水蒸気透過率も低いものであった。
ポリ乳酸セグメントの数平均分子量が3500である以外は実施例5と同様の参考例のフィルムは、軟質効果がわずかに劣るが、ブリードアウトを生じず、透明性に優れ、水蒸気透過率も低いものであった。
エポキシ化ひまし油とポリ乳酸セグメントの混合比が10:90である実施例7、9のフィルムは、ポリ乳酸セグメントの数平均分子量が100、3000と異なっていても、軟質効果がわずかに劣るが、ブリードアウトを生じず、透明性に優れ、水蒸気透過率も低いものであった。
エポキシ化ひまし油とポリ乳酸セグメントの混合比が50:50であり、ポリ乳酸セグメントの数平均分子量が100である実施例8のフィルムは、わずかにブリードアウトを生じ、透明性もわずかに劣ったが、軟質効果に優れ、水蒸気透過率も低いものであった。
エポキシ化ひまし油とポリ乳酸セグメントの混合比が50:50であり、ポリ乳酸セグメントの数平均分子量が3000である実施例10のフィルムは、軟質効果、透明性がわずかに劣ったが、ブリードアウトを生じず、水蒸気透過率も低いものであった。
重合体(C)の混合比が本発明の混合比の範囲より少ない(5:95)以外は、実施例1と同様である実施例11のフィルムは、軟質効果がわずかに劣ったが、透明性に優れ、ブリードアウトを生じず、水蒸気透過率も低いものであった。
重合体(C)の混合比が本発明の混合比の範囲より多い(60:40)以外は、実施例1と同様である実施例12のフィルムは、ブリードアウトをやや生じたが、軟質効果に優れ、透明性に優れ、水蒸気透過率も低いものであった。
重合体(C)の混合比が本発明の混合比が実施例12と同じであり(60:40)、ポリ乳酸樹脂の純度が実施例12に比べ低い以外は、実施例12と同様である実施例13のフィルムは、実施例12のフィルムに比べ、ブリードアウトの量が多かった。
エポキシ化ひまし油の代わりにひまし油エチレンオキサイド付加物を用いた比較例1のフィルムは、軟質効果はあったが、わずかにブリードアウトを生じ、透明性に劣り、水蒸気透過率もかなり高かった。
エポキシ化ひまし油の代わりにひまし油エチレンオキサイド付加物を用い、ポリ乳酸セグメントを用いなかった比較例2のフィルムは、軟質効果はあったが、ブリードアウトを生じ、透明性に劣り、水蒸気透過率もかなり高かった。
エポキシ化ひまし油の代わりにひまし油エチレンオキサイド付加物を用い、数平均分子量が3500のポリ乳酸セグメントを用いた比較例2のフィルムは、わずかに軟質効果が劣り、ブリードアウトをわずかに生じ、透明性に劣り、水蒸気透過率もかなり高かった。エポキシ化ひまし油と数平均分子量が3500のポリ乳酸セグメントを同じ配合割合で用いた参考例のフィルムに比べ、ブリードアウトの発生、透明性、水蒸気透過性において明らかに劣っていた。
エポキシ化ひまし油の代わりにひまし油エチレンオキサイド付加物を用い、数平均分子量が1000のポリ乳酸セグメントを5:95で配合した比較例4のフィルムは、軟質効果が劣っていた。
エポキシ化ひまし油の代わりにひまし油エチレンオキサイド付加物を用い、数平均分子量が1000のポリ乳酸セグメントを60:40で配合した比較例5のフィルムは、軟質効果は優れているが、ブリードアウトを生じ、透明性に劣り、水蒸気透過率もかなり高かった。
エポキシ化植物油セグメント、ポリ乳酸セグメントの代わりに、ポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を用いた比較例6のフィルムは、わずかに軟質効果が劣り、ブリードアウトをわずかに生じ、透明性に劣たが、水蒸気透過率は低かった。
以上から、本発明の重合体を、ポリ乳酸樹脂に混合した樹脂混合物は、ブリードアウトを生じず、軟質効果、透明性ともに優れ、水蒸気透過率が低いという特性を有することがわかる。
Figure 0005526544

Figure 0005526544
表3から、樹脂混合物(E)のポリ乳酸の光学純度が93%である、実施例1の延伸フィルムは、結晶融解熱量が25J/gであり、熱収縮率、ラップテスト、耐熱性、弾性率いずれにも優れることがわかる。
樹脂混合物(E)のポリ乳酸の光学純度が90%である以外は、実施例1の延伸フィルムと同じ実施例14の延伸フィルムは、結晶融解熱量が5J/gであり、実施例1の延伸フィルムに比べ、熱収縮率、ラップテスト、耐熱性、弾性率がわずかに劣るが、熱収縮率、ラップテスト、耐熱性、弾性率熱収縮率に優れることがわかる。
樹脂混合物(E)のポリ乳酸の光学純度が95%である以外は、実施例1の延伸フィルムと同じ実施例15の延伸フィルムは、結晶融解熱量が30J/gであり、実施例1の延伸フィルムと同等以上に熱収縮率、ラップテスト、耐熱性、弾性率に優れることがわかる。
樹脂混合物(E)のポリ乳酸の光学純度が共に93%で、アニール処理をしなかった実施例16とアニール処理をした実施例17の延伸フィルムでは、アニール処理をした実施例17の延伸フィルムのほうが熱収縮率をより低くすることができた。
樹脂混合物(E)のポリ乳酸の光学純度が85%である以外は、実施例1の延伸フィルムと同じ実施例18の延伸フィルムは、結晶融解熱量が2J/gであった。また、実施例18の延伸フィルムは、熱膨張し、ラップテスト、耐熱性がやや劣っていた。
樹脂混合物(E)のポリ乳酸の光学純度が98%である以外は、実施例1の延伸フィルムと同じ実施例19の延伸フィルムは、結晶融解熱量が33J/gであった。また、実施例19の延伸フィルムは、ラップテスト、耐熱性がやや劣っていた。
以上から、樹脂混合物(E)を用いて、フィルム、シートを作製する場合、樹脂混合物(E)のポリ乳酸の光学純度が90%以上のものを用い、アニール処理をすることで、熱収縮率、ラップテスト、耐熱性、弾性率に優れるフィルム、シートが得られることがわかる。
表4から、樹脂混合物(F)のポリ乳酸の光学純度が93%である、比較例1の延伸フィルムは、結晶融解熱量が25J/gであったが、熱膨張を起こし、ラップテストも劣っていた。
樹脂混合物(F)のポリ乳酸の光学純度が85%である以外は、比較例1の延伸フィルムと同様の比較例7の延伸フィルムは、結晶融解熱量が0J/gであり、熱膨張を起こし、ラップテストも劣っており、耐熱性も劣った。
樹脂混合物(F)のポリ乳酸の光学純度が98%である以外は、比較例1の延伸フィルムと同様の比較例8の延伸フィルムは、結晶融解熱量が33J/gであり、ラップテストも劣っていた。
樹脂混合物(F)のポリ乳酸の光学純度が共に93%で、アニール処理をしなかった比較例9とアニール処理をした比較例10の延伸フィルムでは、アニール処理をしていない比較例9の延伸フィルムでは、大きく熱収縮し、ラップテストも不合格であり、耐熱性も劣った。アニール処理をした比較例10の延伸フィルムでは、熱収縮はしなかったが、ラップテストも不合格であり、耐熱性も劣った。
以上から、本発明の重合体を使わなかった場合では、ポリ乳酸の光学純度、アニール処理の有無、結晶融解熱量に関わらず、熱収縮率、ラップテスト、耐熱性、弾性率に優れるフィルム、シートが得られないことがわかる。
本発明の重合体を用いると、ポリ乳酸樹脂の透明性を維持しながらポリ乳酸樹脂を軟質化することができ、同時にポリ乳酸樹脂からのブリードアウト(抽出)が抑制された樹脂混合物を得ることができる。このため、この樹脂混合物は、フィルム、シートその他の様々な成形品に適用することができる。各種包装材料、農業用、工業用、産業用、家庭用の様々な用途に用いられる。



Claims (6)

  1. 下記化学式(1)または(2)で表される構造を有する、エポキシ化植物油セグメント(A)とポリ乳酸セグメント(B)とを有する重合体(C)であって、
    前記ポリ乳酸セグメント(B)の数平均分子量が、100以上3000以下である、重合体(C)
    Figure 0005526544
    Figure 0005526544
  2. 前記エポキシ化植物油セグメントが、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ひまし油またはエポキシ化大豆油である、請求項1記載の重合体(C)。
  3. 請求項1または2記載の重合体(C)とポリ乳酸樹脂(D)とが、(C)/(D)=10/90〜50/50(質量比)の割合で混合された、樹脂混合物(E)。
  4. 請求項3記載の樹脂混合物(E)を用いた、フィルムまたはシート。
  5. 前記フィルムまたはシートは、結晶融解熱量が5J/g以上30J/g以下である、請求項4記載のフィルムまたはシート。
  6. 前記フィルムまたはシートは、熱収縮率が0.1%以上15%以下である、請求項4記載のフィルムまたはシート。
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