特に、本発明は、式(I)
[式中、
R
1は、CF
3、CHF
2、CH
2F、CH
3CHF−、CH
3CF
2−、エチルまたはイソ−プロピルを表し、
R
2は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アシル、ヒドロキシ、オキソ(=O)、アルコキシ、シクロアルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1以上の置換基により置換されているアルキルを表すか、または
R
2は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1以上の置換基により置換されているヘテロシクリルアルキル(heterocyclylakyl)を表すか、または
R
2は、シアノ、ヒドロキシ、アルカンジイル、アルケンジイル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ホルミル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1以上の置換基により置換されているフェニルを表すか、または
R
2は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシアルキル(hydroxalkyl)、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アシル、アルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1以上の置換基により場合により置換されていてもよいヘテロシクリルを表し、それにより、この複素環は炭素原子によりフェニル環と結合される]
で示される化合物およびそれらの塩を提供する。
本明細書では、特に断りのない限り、次の定義を適用する。
「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、好ましくは、直鎖または分枝鎖C1−12アルキルを表し、特に好ましくは、直鎖または分枝鎖C1−6アルキル、例えば、メチル、エチル、n−またはイソ−プロピル、n−、イソ−、sec−またはtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルを表し、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピルおよびtert−ブチルが特に好ましい。
「アルカンジイル」とは、異なる2つの炭素原子により分子に結合している直鎖または分枝鎖アルカンジイル基を表し、好ましくは、直鎖または分枝鎖C1−12アルカンジイルを表し、特に好ましくは、直鎖または分枝鎖C1−6アルカンジイル、例えば、メタンジイル(−CH2−)、1,2−エタンジイル(−CH2−CH2−)、1,1−エタンジイル((−CH(CH3)−)、1,1−、1,2−、1,3−プロパンジイルおよび1,1−、1,2−、1,3−、1,4−ブタンジイルを表し、メタンジイル、1,1−エタンジイル、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイルが特に好ましい。
「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「アルコキシカルボニル」、「アルコキシカルボニルアルキル」および「ハロゲンアルキル」の各アルキル部分は、上記の「アルキル」の定義で記載したものと同義を有するものとする。
「アルケニル」とは、直鎖または分枝鎖アルケニル基、好ましくは、C2−6アルケニル、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルなどを表し、好ましくは、C2−4アルケニルを表す。
「アルケンジイル」とは、異なる2つの炭素原子により分子に結合している直鎖または分枝鎖アルケンジイル基を表し、好ましくは、直鎖または分枝鎖C2−6アルケンジイル、例えば、−CH=CH−、−CH=C(CH3)−、−CH=CH−CH2−、−C(CH3)=CH−CH2−、−CH=C(CH3)−CH2−、−CH=CH−C(CH3)H−、−CH=CH−CH=CH−、−C(CH3)=CH−CH=CH−、−CH=C(CH3)−CH=CH−を表し、−CH=CH−CH2−、−CH=CH−CH=CH−が特に好ましい。
「アシル」とは、アルキルカルボニル、アリールカルボニルまたはアラルキルカルボニルである。
「アルキニル」とは、直鎖または分枝鎖アルキニル基、好ましくは、C2−6アルキニル、例えば、エテニル、プロパルギル、1−プロピニル、イソプロペニル、1−(2−または3)ブチニル、1−(2−または3)ペンテニル、1−(2−または3)ヘキセニルなどを表し、好ましくは、C2−4アルキニルを表し、特に好ましくは、エチニルを表す。
「アリール」とは、芳香族炭化水素基を表し、好ましくは、C6−10芳香族炭化水素基、例えば、フェニル、ナフチル、特に、フェニルを表す。
「アラルキル」とは、「アルキル」と結合している「アリール」(双方とも上記定義の通り)を表し、例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、2−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、特に、ベンジルを表す。
「複素環」とは、少なくとも1つのヘテロ原子を含む飽和、部分飽和または芳香族環系を表す。好ましくは、複素環は3〜11個の環原子からなり、そのうち1〜3個の環原子はヘテロ原子である。複素環は単環系として存在しても二環系または三環系として存在していてもよく、単環系としてまたはベンズアニール環系として存在する。二環系または三環系は、例えば酸素、硫黄、窒素などの架橋原子により、または例えばアルカンジイルもしくはアルケンジイルなどの架橋基により2以上の環がアニーリングすることにより形成され得る。複素環は、オキソ(=O)、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルカンジイル、アルケンジイル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルからなる群から選択される1以上の置換基により置換されていてもよい。複素環式部分の例としては、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾール、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、フラザン(オキサジアゾール)、ジオキソラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、イソキサゾール、イソキサゾリン、イソキサゾリジン、チアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアジアゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、ピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、テトラヒドロチオピラン、オキサジン、チアジン、ジオキシン、モルホリン、プリン、プテリジン、および対応するベンズアニール複素環、例えば、インドール、イソインドール、クマリン、イソキノリン、キノリンなどがある。
「ヘテロ原子」とは、炭素および水素以外の原子、好ましくは、窒素(N)、酸素(O)または硫黄(S)である。
「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを表し、好ましくは、フルオロ、クロロまたはブロモを表し、特に好ましくは、クロロを表す。
式(I)の化合物は遊離形態、塩または両性イオンとして存在する。本明細書では、特に断りのない限り、「式(I)の化合物」などの語は、例えば遊離塩基または酸付加塩形態などのいずれの形態の化合物も包含すると理解すべきである。ピクリン酸塩または過塩素酸塩など、医薬用として不適切ではあるが、例えば式(I)の遊離化合物の単離または精製に使用可能な塩も含まれる。治療用としては、医薬上許容される塩または遊離化合物だけが用いられ(医薬製剤の形態で適用できる場合)、従って、それらが好ましい。塩は、適用できる場合、酸または塩基の付加により形成された生理学上許容される塩であることが好ましい。
式(I)の化合物は種々の互変異性体の形態で存在し得る。例えば、式(I)の化合物はケト−エノール−互変異性を示し得る。本明細書では、1つの可能性としての互変異性体の化学式は、あり得る他の互変異性体も含む。式(I)の化合物の互変異性体も本発明に含まれる。
式(I)の化合物は、種々の両性イオンの形態で存在し得る。例えば、式(I)の化合物は、プロトン化アミノ基および脱プロトン化カルボキシ基を示し得る。さらに、スルホンアミド部分構造のアミノ基は脱プロトン化されていてもよい。本明細書では、遊離形態での化合物の図は、あり得る他の両性イオンも含む。この式(I)の化合物の両性イオンもまた、本発明に含まれる。
式(I)の化合物は光学的に活性な形態または光学異性体混合物の形態、例えば、ラセミ混合物またはジアステレオマー混合物の形態で存在し得る。特に、式(I)の化合物およびそれらの塩には不斉炭素原子が存在し得る。全ての光学異性体、およびラセミ混合物をはじめとするそれらの混合物が本発明に含まれる。
式(I)の化合物は、例えば一重結合上の立体障害回転により、光学的に活性な形態または配座異性体混合物の形態で存在し得る。特に、R2と分子核との間の立体障害回転が配座異性体の源泉となり得る。全ての配座異性体、およびラセミ混合物をはじめとするそれらの混合物が本発明に含まれる。
好ましい置換基、好ましい数値範囲または式(I)および対応する中間化合物に存在し得る基の好ましい範囲を次に定義する。
R1は、CF3、CHF2、CF2Hまたはイソプロピルを表す。
R1は、極めて好ましくはCF3またはイソプロピルを表す。
R1は、極めて特に好ましくはCF3を表す。
R1は、極めて特に好ましくはイソプロピルを表す。
R2は、好ましくは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、HCO、(C1−C4)アルキルカルボニル、ヒドロキシ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−C4)アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、アシルアミノ、(C1−C4)アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されている(C1−C4)アルキルを表す。
R2は、好ましくは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、オキソ、(C1−C4)アルコキシ、(C3−C7)シクロアルコキシ、(C1−C4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−C4)アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C1−C4)アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されているヘテロシクリル(C1−C4)アルキルを表し、このヘテロシクリルは3〜11個の環原子からなり、そのうち1〜3個の環原子はヘテロ原子である。
R2は、好ましくは、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルカンジイル、アルケンジイル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−C4)アルコキシカルボニルオキシ、(C1−C4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−C4)アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、アミノ(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキル、ジ(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキルアミノ、(C1−C4)アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルを表す。
R2は、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1−C4)アルキル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシアルキル、アミノ(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキル、ジ(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキル、HCO、(C1−C4)アルキルカルボニル、(C1−C4)アルコキシ、アシルオキシ、(C1−C4)アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、アシルアミノ、(C1−C4)アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1〜3個の置換基により場合により置換されていてもよいヘテロシクリルを表し、このヘテロシクリルは3〜11個の環原子からなり、そのうち1〜3個の環原子はヘテロ原子であり、それにより、この複素環は炭素原子によりフェニル環に結合されている。
R2は、特に好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、シアノ、HCO、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、i−プロピルカルボニル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、HCONH、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、i−プロピルカルボニルアミノ、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、n−プロポキシカルボニルオキシ、i−プロポキシカルボニルオキシ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(i−プロピル)アミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、i−プロポキシカルボニルアミノからなる群から選択される1個の置換基により置換されている(C1−C4)アルキルを表す。
R2は、特に好ましくは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、i−プロピルカルボニルオキシ、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、n−プロポキシカルボニルオキシ、i−プロポキシカルボニルオキシ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(i−プロピル)アミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、i−プロポキシカルボニルアミノからなる群から選択される1個の置換基により置換されているヘテロシクリルメチルを表し、このヘテロシクリルはピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾール、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、フラザン(オキサジアゾール)、ジオキソラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、イソキサゾール、イソキサゾリン、イソキサゾリジン、チアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアジアゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、ピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、テトラヒドロチオピラン、オキサジン、チアジン、ジオキシン、モルホリン、プリン、プテリジン、および対応するベンズアニール複素環、例えば、インドール、イソインドール、クマリン、イソキノリン、キノリンからなる群から選択される。
R2は、特に好ましくは、シアノ、ヒドロキシ、アルカンジイル、アルケンジイル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、i−プロピルカルボニルオキシ、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、n−プロポキシカルボニルオキシ、i−プロポキシカルボニルオキシ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(i−プロピル)アミノ、アミノメチル、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、n−プロピルアミノメチル、i−プロピルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、ジエチルアミノメチル、ジ(n−プロピル)アミノメチル、ジ(i−プロピル)アミノメチル、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、i−プロポキシカルボニルアミノからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルを表す。
R
2は、特に好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシ−n−プロピル、ヒドロキシ−i−プロピル、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシ−n−プロピル、メトキシ−i−プロピル、アミノメチル、アミノエチル、アミノ−n−プロピル、アミノ−i−プロピル、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノ−n−プロピル、メチルアミノ−i−プロピル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノ−n−プロピル、ジメチルアミノ−i−プロピル、HCO、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、i−プロピルカルボニル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、HCONH、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、i−プロピルカルボニルアミノHCO、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、i−プロピルカルボニル、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、i−プロピルカルボニルオキシ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、i−プロポキシカルボニルアミノからなる群から選択される1または2個の置換基により場合により置換されていてもよいヘテロシクリルを表し、このヘテロシクリルは、
からなる群から選択され、それにより、この複素環は炭素原子によりフェニル環に結合されている。
R
2は、特に好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルからなる群から選択される1または2個の置換基により場合により置換されていてもよいヘテロシクリルを表し、このヘテロシクリルは、
からなる群から選択され、それにより、この複素環は炭素原子によりフェニル環に結合されている。
さらに、R2がトリフルオロメチルを表さない式(I)の化合物も好ましい。
さらなる実施形態において、本発明は、
R1がCF3、CHF2、CF2Hまたはイソプロピルを表し、
R2が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アシル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ(トリフルオロメチルを除く)からなる群から選択される1以上の置換基により置換されているアルキルを表すか、または
R2が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1以上の置換基により置換されているヘテロシクリル(heterocyclylakyl)を表すか、または
R2が、シアノ、ヒドロキシ、アルカンジイル、アルケンジイル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1以上の置換基により置換されているフェニルを表すか、または
R2が、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、アルキル、ヒドロキシアルキル(hydroxalkyl)、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アシル、アルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1以上の置換基により場合により置換されていてもよいヘテロシクリルを表し、それにより、この複素環は炭素原子によりフェニル環に結合されている、式(I)の化合物およびそれらの塩に関する。
これらの置換基の定義は最終生成物ならびに対応する中間体にも当てはまる。これらの置換基の定義、すなわち、好ましい置換基R1と特に好ましい置換基R2は、任意に組み合わせることができる。さらに、選択された定義が適用されなくてもよい。
さらなる態様において、本発明はまた、本発明の化合物の製造方法も提供する。式(I)の化合物は、次のスキームに要約される方法1に従って得ることができる。
この方法のステップ1.1で、置換基R
1は、常法に従って別の置換基R
1へ変換してもよい。
さらに、式(I)の化合物は、次のスキームに要約される方法2に従って得ることができる。
置換パターンによって、方法1または2のいずれが好ましい場合もある。
式(IIX)の出発材料は、次のスキームに要約される方法3に従って得ることができる。
式(I)〜(XII)の化合物およびさらに用いる出発材料の置換基R1およびR2は、式(I)の化合物に関して上記で定義したような意味を有し、置換基R3はC1−C4アルキル、好ましくはメチルを表す。
これらの方法を以下にさらに詳しく記載する。
ステップ1.1:式(VI)の化合物は、H2および例えばパラジウム触媒を用い、式(XII)の化合物を還元条件に曝し(Valgeirsson, J.; Nielsen, E. OE.; Peters, D.; Varming, T.; Mathiesen, C.; Kristensen, A. S.; Madsen, U. J. Med. Chem. 2003, 46, 5834-5843)、その後、MeOHなどのアルコールR3OHおよびHClなどの酸を用いてエステル化反応を行うことにより得ることができる(類似の生成物が製造されている、Hill, D. T.; Stanley, K. G.; Karoglan Williams, J. E.; Loev, B.; Fowler, P. J.; McCafferty, J. P.; Macko, E.; Berkoff, C. E.; Ladd, C. B. J. Med. Chem. 1983, 26, 865-869参照)。
次のスキームは、ステップ1.1をさらに詳しく示す。
式(XII)の出発材料は公知であり、かつ/または公知の方法に従って得ることができ、かつ/または実施例に記載されているように得ることができる。
ステップ1.2:式(V)の化合物は、Ag2SO4の存在下、場合により例えばエタノールなどの溶媒の存在下、場合によりさらなる反応補助剤の存在下で、式(VI)の化合物をヨウ素と反応させることにより得ることができる。
次のスキームは、ステップ1.2をさらに詳しく示す。
ステップ1.3:式(II)の化合物は、式(V)の化合物から、例えばStilleの反応、鈴木の反応またはHeckの反応などのPd触媒反応に曝すことにより製造することができる。このような場合、アミノ基は例えばアセトアミド基に変換することにより保護するのが好適である。
トリブチルエトキシビニルスズ、トリブチル(ビニル)スズ、テトラヒドロ−2−(2−プロピニルオキシ)−2H−ピラン、トリメチルシリルエチニル、トリブチルスタンニルまたは(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−ピラゾール中間体、トリブチルスタンニルピロール、3−フランボロン酸などの好適なカップリング試薬は公知である。
好適なパラジウム触媒、すなわち、テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、[1,1’−ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン複合体は公知である。置換パターンに応じ、反応はCuIの存在下で行うこともできる。
必要であれば、トリエチルアミンまたは炭酸カリウムなどの好適な塩基を使用することができる。
好適な溶媒はジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエンである。
次のスキームは、ステップ1.2をさらに詳しく示す。
ステップ1.4:式(IV)の化合物は、場合により希釈剤の存在下、場合により反応補助剤の存在下で、式(II)の化合物を4−クロロフェニル−クロロホルメートと反応させることにより得ることができる。
次のスキームは、ステップ1.4をさらに詳しく示す。
ステップ1.5:式(I)の化合物は、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどの好適な不活性溶媒中、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、またはトリエチルアミンもしくはHuenigの塩基のような有機塩基などの塩基の存在下、またはその後に添加して、式(IV)の化合物に対してスルホニルヒドラジンH2N−NH−SO2−CH3との環式縮合を行うことにより得ることができる。
次のスキームは、ステップ1.5をさらに詳しく示す。
ステップ1.6、1.7:式(III)の化合物は、場合により希釈剤の存在下、場合により反応補助剤の存在下で、ホスゲンまたはトリホスゲンを用いて式(II)の化合物を変換することにより得ることができる。次に、場合によりテトラヒドロフランまたはジオキサンなどの不活性溶媒中、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、またはトリエチルアミンもしくはHuenigの塩基のような有機塩基などの塩基の存在下、またはその後に添加して、スルホニルヒドラジンH2N−NH−SO2−CH3との環式縮合を行うと、式(I)の化合物が形成される。ステップ1.6および1.7は、生じた中間体を単離して行ってもよいし、単離せずに行ってもよい。
次のスキームは、ステップ1.6、1.7をさらに詳しく示す。
ステップ2.1:式(IX)の化合物は、場合によりテトラヒドロフランまたはジオキサンなどの不活性溶媒中、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、またはトリエチルアミンもしくはHuenigの塩基のような有機塩基などの塩基の存在下、またはその後に添加して、式(IIX)の化合物をスルホニルヒドラジンH2N−NH−SO2−CH3と反応させることにより得ることができ、その結果、式(I)の化合物が形成される。ステップ2は、生じた中間体を単離して行ってもよいし、単離せずに行ってもよい。
次のスキームは、ステップ2.1をさらに詳しく示す。
ステップ2.2:式(X)の化合物は、場合によりEtOH−CH3COOHなどの希釈剤の存在下、場合によりPd/Cなどの触媒の存在下で、式(IX)の化合物を、例えば水素と反応させることにより得ることができる。
次のスキームは、ステップ2.2をさらに詳しく示す。
ステップ2.3:式(XI)の化合物は、式(X)の化合物とのザントマイヤー型反応により得ることができる。
次のスキームは、ステップ2.3をさらに詳しく示す。
ステップ2.4:式(I’)の化合物は、場合によりラネーニッケルなどの触媒の存在下、場合により希釈剤の存在下、無水酢酸の存在下で、式(XI)の化合物を例えば水素と反応させることにより得ることができる。
次のスキームは、ステップ2.4をさらに詳しく示す。
ステップ2.5:R2がアシルアミノメチルを表す式(I’)の化合物は、例えば、環化、置換、酸化および/または還元工程などの公知の反応により、式(I)の他の化合物へ変換することができる。
次のスキームは、ステップ2.5をさらに詳しく示す。
ステップ3.1:式(VII)の化合物は、場合により希釈剤の存在下で、例えば、硝酸および硫酸を用いて式(VI)の化合物を硝化することにより得ることができる。このような場合、アミノ基は、例えばアセトアミド基へ変換することにより保護するのが好適である。式(VI)の出発材料は、例えばステップ1.1に従って得ることができる。
次のスキームは、ステップ3.1をさらに詳しく示す。
ステップ3.2:式(IIX)の化合物は、式(VII)の化合物を例えばトルエンなどの希釈剤中、ホスゲンと反応させることにより得ることができる。
次のスキームは、ステップ3.2をさらに詳しく示す。
記載の反応工程、例えば精製目的での塩の形成および異性体の合成中の保護基の使用に関しては、次の考察が当てはまる。
保護基:上記の反応工程では、出発材料において1以上の官能基、例えば、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトを保護基により保護する必要がある場合がある。使用される保護基は前駆体中にすでに存在していてもよいし、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、可溶媒分解および同様の反応などの望ましくない二次反応に対して懸念される官能基を保護しなければならない。保護基はそれら自体、典型的には可溶媒分解、還元、光分解または例えば生理条件と類似した条件下での酵素活性により容易に、すなわち、望ましくない二次反応なく除去可能であり、最終生成物中には存在しない特徴的な保護基である。専門家ならば、どの保護基が上記および下記の反応に好適であるかを知っているか、または容易に確認できる。このような保護基による官能基の保護、保護基自体、およびそれらの除去反応は、例えば、J. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, in T. W. Greene and P. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999, in “The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981, in “Methoden der organischen Chemie” (Methods of organic chemistry), Houben- Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974, in H.-D. Jakubke and H. Jescheit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine” (Amino acids, peptides, proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982, and in Jochen Lehmann,“Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of carbohydrates: monosaccharides and derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974などの標準的な参照文献に記載されている。
塩:酸付加塩は公知の方法で遊離塩基から製造することができ、その逆も可能である。
異性体:光学的に純粋な形態の式Iの化合物は、例えばキラルマトリックスを用いたHPLCなどの周知の手順に従って、対応するラセミ体から得ることができる。あるいは、光学的に純粋な出発材料を使用することもできる。立体異性体混合物、例えばジアステレオマー混合物は、好適な分離方法により、自体公知の様式でそれらの対応する異性体へ分離することができる。例えば、ジアステレオマー混合物は、分別結晶、クロマトグラフィー、溶媒分配および類似の方法により、それらの個々のジアステレオマーへと分離することができる。これらの分離は出発化合物のレベルか式Iの化合物自体で行うことができる。鏡像異性体は、例えば鏡像異性体的に純粋なキラル酸との塩形成などのジアステレオマー塩の形成、または例えばクロマトグラフィー基質をキラルリガンドとともに用いるHPLCなどのクロマトグラフィーにより分離することができる。
上記の反応工程のある種の中間体は新規なものであり、式(I)の化合物の製造に有用である。よって、これらの化合物は本発明のさらなる態様の対象となる。
式(II’)の化合物
[式中、
R
2は式(I)の化合物に関して上記で示した意味を有し、
R
3は水素またはC
1−C
4アルキル、好ましくはメチルを表す]。
式(III’)の化合物
[式中、
R
2は式(I)の化合物に関して上記で示した意味を有し、
R
3は水素またはC
1−C
4アルキル、好ましくはメチルを表す]。
式(IV’)の化合物
[式中、
R
2は式(I)の化合物に関して上記で示した意味を有し、
R
3は水素またはC
1−C
4アルキル、好ましくはメチルを表す]。
式(VII)の化合物
[式中、
R
1は式(I)の化合物に関して上記で示した意味を有し、
R
3は水素またはC
1−C
4アルキル、好ましくはメチルを表す]。
式(IIX)の化合物
[式中、
R
1は式(I)の化合物に関して上記で示した意味を有し、
R
3は水素またはC
1−C
4アルキル、好ましくはメチルを表す]。
式(IX)の化合物
[式中、R
1は式(I)の化合物に関して上記で示した意味を有する]。
式(X)の化合物
[式中、R
1は式(I)の化合物に関して上記で示した意味を有する]。
式(XI)の化合物
[式中、R
1は式(I)の化合物に関して上記で示した意味を有する]。
本発明の化合物は薬理活性を示し、従って、医薬として有用である。特に、これらの化合物は強力な競合的AMPA受容体アンタゴニストである。
本発明の化合物は癲癇、特に、部分発作(二次的全身性発作へと進展する単純発作、複雑発作および部分発作)および全身性発作[欠損発作(定型および非定型)、筋間代発作、間代性発作、強直性発作、間代性強直性発作および弛緩性発作]の処置における医薬として特に有効である。
本発明の化合物はまた、統合失調症、双極性障害、パーキンソン病および薬物性精神病および発作後精神病における精神病の処置、ならびに陽性状態および陰性状態の改善における医薬として特に有効であり、治療耐性患者に有効である(Kalkman HO, Loetscher E GAD67: the link between GABA-deficit hypothesis and the dopaminergic- and glutamatergic theories of psychosis. J. Neural. Transm. 2003, 1110, 803-812参照)。
さらに、本発明の化合物は、変化したAMPA受容体機能またはAMPA受容体が介在するニューロン損傷を含むいずれかの病態、障害または臨床症状、例えば、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病またはアルツハイマー病などの神経変性疾患;統合失調症、特に、慢性統合失調症、不安症、鬱病、双極性気分障害、睡眠障害、認知障害、嘔吐、耳鳴、疼痛、神経痛、片頭痛、感覚脱失、近視、腫瘍成長、禁断症状、脳卒中などの虚血性低酸素症、くも膜下出血、周産期低酸素症、脳脊髄外傷、頭部損傷、高頭蓋圧、および中枢神経系の低酸素症を伴い得る外科術、および感染により起こるものならびに代謝変化および肝不全を伴う肝脳症により起こるものを含む、環境性、外因性の神経毒の作用により起こる状態の処置における医薬として有用である。
これらの化合物は静脈製剤として癲癇重積の処置に有用であり、特に、急性脳外傷および深麻酔を必要とする他の脳損傷の処置に麻酔薬として有用である。
さらに、本発明の適宜同位元素標識された薬剤は、AMPA受容体の選択的標識のための組織病理学的標識剤、造影剤および/またはバイオマーカー(以下、「マーカー)」として有用な特性を示す。より詳しくは、本発明の薬剤は、in vitroまたはin vivoにおいて中枢および末梢のAMPA受容体を標識するためのマーカーとして有用である。特に、適宜同位元素標識された本発明の化合物はPETマーカーとして有用である。このようなPETマーカーは、11C、13N、15O、18Fからなる群から選択される1以上の原子で標識される。
よって、本発明の薬剤は、例えば、AMPA受容体において作用する薬物の受容体占有レベルを決定するため、またはAMPA受容体の不均衡もしくは不全から起こる疾病の診断目的、およびこのような疾病の薬理療法の有効性をモニタリングするために有用である。
上記によれば、本発明は、神経画像法のマーカーとして用いるための本発明の薬剤を提供する。
さらなる態様において、本発明は、本発明の薬剤を含む、in vivoおよびin vitroにおいてAMPA受容体を含む脳神経系構造および末梢神経系構造を標識するための組成物を提供する。
なおさらなる態様において、本発明は、脳組織を本発明の薬剤と接触させることを含む、in vitroまたはin vivoにおいてAMPA受容体を含む脳神経系構造および末梢神経系構造を標識する方法を提供する。
本発明の方法は、本発明の薬剤が標的構造を標識したかどうかを判定することを目的としたさらなる工程を含み得る。該さらなる工程は、陽電子放射型断層撮影法(PET)もしくは単光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)、または放射線の検出を可能とする装置を用いて標的構造を観察することにより達成し得る。
これらの適応では全て、適当な用量はもちろん、例えば、用いる本発明の化合物、宿主、投与様式、ならびに処置する状態の性質および重篤度によって異なる。しかしながら、一般に、1日量約0.1〜約30mg/kg動物体重で、動物において満足のいく結果が得られることが示されている。例えばヒトなどのもっと大きい哺乳類では、示されている1日量は本発明の化合物約5mg〜約2gの範囲であり、例えば、便宜には1日4回までの分割量で投与される。
本発明の有効薬は便宜ないずれの経路によって投与してもよく、特には腸内投与、好ましくは、例えば錠剤もしくはカプセル剤の形態での経口投与、または例えば注射溶液もしくは懸濁液などの形態での非経口投与で投与される。
上記によれば、本発明は、特に、病因にAMPA受容体を含むか、またはAMPA受容体が介在するニューロン損傷を含むいずれかの病態、障害または状態の処置に用いる、また特に、下記に挙げられる特定の適応症のいずれかに用いる医薬として使用するための化合物を提供する。
本発明はまた、化合物を少なくとも1種類の医薬担体または希釈剤とともに含む医薬組成物も提供する。このような組成物は常法にて製造することができる。単位投与形は、例えば、本発明の活性剤約1mg〜約400mgを含む。
本発明はさらに、病因にAMPA受容体を含むか、またはAMPA受容体が介在するニューロン損傷を含むいずれかの病態、障害または状態の処置を目的とした薬剤の製造のための本発明の化合物の使用を提供する。
さらに本発明は、処置を必要とする対象において、病因にAMPA受容体を含むか、またはAMPA受容体が介在するニューロン損傷を含むいずれかの病態、障害または状態の処置方法であって、このような対象に治療上有効な量の本発明の化合物を投与することを含む。
さらに、本発明の化合物は、上記の適応症に有用な他の薬剤と組み合わせることができ、例えば、癲癇の場合、バルビタール酸塩およびその誘導体、ベンゾジアゼピン、カルボキサミド、ヒダントイン、スクシンイミド、バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体、ラモトリジン(Lamotrigine)、レベチラセタム(Levetiracetam)およびその誘導体、トピラメート(Topiramate)、プレガバリン(Pregabalin)、ガバペンチン(Gabapentin)、ゾニサミド(Zonisamide)、スルチアム(Sultiam)、フェルバメート(Felbamate)およびその他のAMPA−アンタゴニストなどの他の抗癲癇薬と組み合わせることができる。本発明の化合物はまた、クロザピン(clozapine)、オランザピン(olanzapine)、リスペリドン(risperidone)などの非定型抗精神病薬、およびハロペリドール(haloperidol)などの定型抗精神病薬からなる群から選択される神経抑制薬と組み合わせることもできる。よって、さらなる態様では、本発明は、
・式(I)の化合物と神経疾患の処置に好適な抗癲癇薬を含む組合せ
・情動障害および注意障害のための式(I)の化合物を含む組合せ
・神経/精神障害の処置に好適な式(I)の化合物を含む組合せ
・眼の障害、特に近視の処置に好適な式(I)の化合物を含む組合せ
・疼痛、特に神経因性疼痛の処置に好適な式(I)の化合物を含む組合せ
・精神/神経疾患、特に統合失調症の処置に好適な式(I)の化合物を含む組合せ
・神経疾患、特に耳鳴の処置に好適な式(I)の化合物を含む組合せ
・認知症の処置に好適な向知性薬を含む式(I)の化合物を含む組合せ
・急性脳傷害、例えば、脳外傷、脳卒中、低酸素症の処置に好適な式(I)の化合物を含む組合せ
・麻酔薬として好適な式(I)の化合物を含む組合せ
に関する。これらの組合せおよびそれらの使用は本明細書の以下にさらに詳しく説明する。「AMPA受容体アンタゴニスト」とは、式(I)により定義されるような化合物を指す。好ましいAMPA受容体アンタゴニストは、実施例で確認されるような化合物である。
神経疾患の処置のための抗癲癇薬を含む組合せ
本発明はまた、神経疾患、特に癲癇の処置に好適な組合せに関する。癲癇は脳のニューロンの異常な放出を特徴とし、典型的には各種発作のような徴候を示す。癲癇患者の20〜30%は現行療法に不応である。
驚くことに、バルビタール酸塩およびその誘導体、ベンゾジアゼピン、カルボキサミド、ヒダントイン、スクシンイミド、バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体、AMPAアンタゴニストおよびその他の抗癲癇薬からなる群から選択される2種の抗癲癇薬を含む組合せの作用は、組み合わせた抗癲癇薬の相加作用よりも大きい。さらに、本明細書に開示される組合せは、その組合せの一方単独を用いた単剤療法には不応な癲癇を処置するのに使用することもできる。
よって、本発明は、同時使用、個別使用または逐次使用のための、バルビタール酸塩およびその誘導体、ベンゾジアゼピン、カルボキサミド、ヒダントイン、スクシンイミド、バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体、AMPAアンタゴニストおよびその他の抗癲癇薬からなる群から選択される2種の抗癲癇薬(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態または医薬上許容される塩の形態で存在する)と、場合により1種類の医薬上許容される担体とを含む組合せ製剤または医薬組成物などの組合せに関する。
本明細書において「バルビタール酸塩およびその誘導体」としては、限定されるものではないが、フェノバルビタール(phenobarbital)、ペントバルビタール(pentobarbital)、メポバルビタール(mepobarbital)およびプリミドン(primidon)が挙げられる。本明細書において「ベンゾジアゼピン」としては、限定されるものではないが、クロナゼパム(clonazepam)、クロバザム(clobazam)、ジアゼパム(diazepam)およびロラゼパム(lorazepam)が挙げられる。本明細書において「カルボキサミド」としては、限定されるものではないが、カルバマゼピン(carbamazepine)、オキシカルバゼピン(oxcarbazepine)、10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロカルバマゼピン(dihydrocarbamazepine)および式(II)
(式中、R
1’はC
1−C
3アルキルカルボニルを示す)の化合物が挙げられる。本明細書において「ヒダントイン」としては、限定されるものではないが、フェニトイン(phenytoin)が挙げられる。本明細書において「スクシンイミド」としては、限定されるものではないが、エトスクシミド(ethosuximide)、フェンスクシミド(phensuximide)およびメスクシミド(mesuximide)が挙げられる。本明細書において「バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体」としては、限定されるものではないが、バルプロ酸ナトリウム塩、塩酸チアガビン(tiagabine)一水和物およびビガバトリン(vigabatrine)が挙げられる。本明細書において「その他の抗癲癇薬」としては、限定されるものではないが、レベチラセタム(levetiracetam)、ラモトリジン(lamotrigine)、ガバペンチン(gabapentin)、スルチアム(sultiam)、フェルバメート(felbamate)、EP 114 347に開示されている1,2,3−1H−トリアゾール、特に、ルフィナマイド(rufinamide)[1−(2,6−ジフルオロ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸アミド]およびWO99/28320に開示されている2−アリール−8−オキソジヒドロプリンが挙げられる。本明細書において「AMPAアンタゴニスト」としては、限定されるものではないが、式I
(式中、R
1およびR
2は上記定義の通り)
の1H−キナゾリン−2,4−ジオンおよびそれらの塩;CX 691、EGIS 8332(7−アセチル−5−(4−アミノフェニル)−8,9−ジヒドロ−8−メチル−7H−1,3−ジオキソロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−8−カルボニトリル)、GYKI 47261(4−(8−クロロ−2−メチル−11H−イミダゾ[1,2−c][2,3]ベンゾジアゼピン−6−イル)ベンゼンアミン)、イラムパネル(Irampanel)(BIIR 561;N,N−ジメチル−2−[2−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)フェノキシ]エタンアミン)、KRP 199(7−[4−[[[[(4−カルボキシフェニル)-アミノ]カルボニル]オキシ]メチル]−1H−イミダゾール−1−イル]−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−2−キノキサリンカルボン酸)、NS 1209(2−[[[5−[4−[(ジメチルアミノ)-スルホニル]フェニル]−1,2,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−8−メチル−2−オキソ−3H−ピロロ[3,2−h]イソキノリン−3−イリデン]アミノ]オキシ]−4−ヒドロキシ酪酸一ナトリウム塩、例えば、WO98/14447に記載されているように製造)、トピラメート(topiramate)(TOPAMAX、2,3:4,5−ビス−O−(1−メチルエチリデン)−β−D−フルクトピラノーススルファメート、例えば、米国特許第535475号に記載されているように製造)、タラムパネル(talampanel)((R)−7−アセチル−5−(4−アミノフェニル)−8,9−ジヒドロ−8−メチル−7H−1,3−ジオキソロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン、例えば、EP492485に記載されているように製造、および1,2,3,4−テトラヒドロ−7−ニトロ−2,3−ジオキソ−5−キノキサリニル)メチル]アミノ]メチル]ホスホン酸脱水物が挙げられる。
フェノバルビタールは、例えば、商品名Luminal(商標)として市販されている形態で投与することができる。プリミドンは、例えば、商品名Mylepsinum(商標)として市販されている形態で投与することができる。クロナゼパムは、例えば、商品名Antelepsin(商標)として市販されている形態で投与することができる。ジアゼパムは、例えば、商品名Diazepam Desitin(商標)として市販されている形態で投与することができる。ロラゼパムは、例えば、商品名Tavor(商標)として市販されている形態で投与することができる。カルバマゼピンは、例えば、商品名Tegretal(商標)またはTegretol(商標)として市販されている形態で投与することができる。オキシカルバゼピンは、例えば、商品名Trileptal(商標)として市販されている形態で投与することができる。オキシカルバゼピンは、文献から周知である[例えば、Schuetz H. et al., Xenobiotiva (GB), 16(8), 769-778 (1986)参照]。R1’がC1−C3アルキルカルボニルである式IIの化合物の製造およびその医薬上許容される塩は、例えば、米国特許第5,753,646号に記載されている。10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロ-カルバマゼピンは、例えば、米国特許第3,637,661号に開示されているように製造することができる。10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロカルバマゼピンは、米国特許第6,316,417号に記載されている形態で投与することができる。フェニトインは、例えば、商品名Epanutin(商標)として市販されている形態で投与することができる。エトスクシミドは、商品名Suxinutin(商標)として市販されている形態で投与することができる。メスクシミドは、例えば、商品名Petinutin(商標)として市販されている形態で投与することができる。バルプロ酸ナトリウム塩は、例えば、商品名Leptilan(商標)として市販されている形態で投与することができる。塩酸チアガビン一水和物は、例えば、商品名Gabitril(商標)として市販されている形態で投与することができる。ビガバトリンは、例えば、商品名Sabril(商標)として市販されている形態で投与することができる。レベチラセタムは、例えば、商品名Keppra(商標)として市販されている形態で投与することができる。ラモトリジンは、例えば、商品名Lamictal(商標)として市販されている形態で投与することができる。ガバペンチンは、例えば、商品名Neurontin(商標)として市販されている形態で投与することができる。スルチアムは、例えば、商品名Ospolot(商標)として市販されている形態で投与することができる。フェルバメートは、例えば、商品名Taloxa(商標)として市販されている形態で投与することができる。トピラメートは、例えば、商品名Topamax(商標)として市販されている形態で投与することができる。EP 114 347に開示されている1,2,3−1H−トリアゾールは、例えば、米国特許第6,455,556号に記載の形態で投与することができる。WO99/28320に開示されている2−アリール−8−オキソジヒドロプリンは、例えば、WO99/28320に記載されている形態で投与することができる。式Iの化合物ならびにそれらの製造方法およびその医薬組成物は、例えば、WO98/17672から既知である。
コード番号、一般名または商標により特定される有効成分の構造は、標準的な大要「メルク・インデックス」の現版または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)などのデータベースから入手することができる。対応するその内容は出典明示により本明細書の一部とする。当業者ならばこれらの参照に基づき、有効成分を確認することが十分できるとともに、それらを製造し、in vitroおよびin vivoの双方の標準的な試験モデルで医薬適応や特性を試験することができる。
本明細書において「組合せ製剤」とは、上記に定義したような第一および第二の有効成分が独立に、または特徴的な量の成分を含む種々の一定の組合せを用いて、すなわち、同時または異なる時点に投与することができるという意味で、特にパーツキットを定義する。次に、このパーツキットの各パーツは、例えば同時または順次交互に、すなわち異なる時点で、パーツキットの各パーツにつき等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。この時間間隔は、各パーツの組合せ使用において処置される疾病に対する作用が、それらの有効成分のいずれか1つ単独の使用により得られる作用よりも大きくなるように選択することが極めて好ましい。組合せ製剤で投与される有効成分1と有効成分2の総量の比率は、例えば、処置される患者の部分集団の要求、または一人の患者の要求に対処するために様々であってよく、この患者の要求は患者の年齢、性別、体重などによるものであり得る。例えば、第一および第二の有効成分の作用の相互増強などの少なくとも1つの有益な作用、特に、例えば相加作用を超える相乗作用、付加的な有利な作用、低い副作用、第一および第二の有効成分の一方または双方の有効でない用量での組合せ治療作用、特に、第一および第二の有効成分の強力な相乗作用が存在することが好ましい。
方法を述べる場合、有効成分とは医薬上許容される塩も含むことを意味するものと理解される。これらの有効成分が例えば少なくとも1つの塩基中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成し得る。また、所望により、付加的に提供された塩基中心を有する対応する酸付加塩を形成させることもできる。酸基(例えば、COOH)を有する有効成分も塩基を伴って塩を形成することができる。有効成分またはその医薬上許容される塩は水和物の形態で使用することもできるし、あるいは結晶化のために用いられる他の溶媒を含んでもよい。
バルビタール酸塩およびその誘導体、ベンゾジアゼピン、カルボキサミド、ヒダントイン、スクシンイミド、バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体、AMPAアンタゴニストおよびその他の抗癲癇薬からなる群から選択される2種の抗癲癇薬を含む医薬組合せ(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または少なくとも1つの塩形成基が存在する場合には医薬上許容される塩の形態で存在する)は、以下、「本発明の組合せ」と呼ぶ。
驚くことに、本発明の組合せを投与すると、「本発明の組合せ」で使用される医薬上有効な成分の1つだけを適用する単剤療法に比べて有益な、特に、相乗作用、治療作用、またはその他の驚くべき有益な作用、例えば、低い副作用が得られる。
「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、自体公知の前臨床試験、例えば、聴原性発作試験または実施例に記載の方法で明らかにすることができる。
「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、臨床試験で証明することもできる。このような臨床試験は、好ましくは、癲癇患者における無作為化二重盲検臨床試験である。このような試験は特に、「本発明の組合せ」の有効成分の相乗作用を証明する。癲癇に対する有益な作用は、これらの試験結果から直接、または自体当業者に公知の試験計画における変更により判定することができる。これらの試験は特に、有効成分を用いた単剤療法と「本発明の組合せ」の作用を比較するのに適している。
さらなる利点として、「本発明の組合せ」の有効成分をより低用量で使用可能であり、例えば、必要な用量が多くの場合で少なくなるだけでなく、適用頻度も少なくなり、あるいは副作用の発生をなくすためにも使用可能である。これは処置される患者の望みおよび要求に応じたものである。「本発明の組合せ」は特に、単剤療法に不応な癲癇の処置に使用可能である。
極めて好ましいのは、有効成分として2種類の抗癲癇薬を含む「本発明の組合せ」であり、第一の抗癲癇薬はカルボキサミド、特に、カルバマゼピン、オキシカルバゼピン、10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロカルバマゼピン、R1’がアセトキシを表す式IIの化合物、塩酸チアガビン一水和物、フェノバルビタール、レベチラセタム、プレガバリン、ブリバラセタムおよびラモトリジンから選択され、第二の抗癲癇薬はAMPAアンタゴニストである。
本発明の1つの目的は、少なくとも2種類の抗癲癇薬またはその医薬上許容される塩と少なくとも1種類の医薬上許容される担体とを含み、癲癇に対して併せて治療上有効な量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物では、第一および第二の有効成分は、1つの組合せ単位投与形で、または2つの別個の単位投与形で、一緒に、または一方の後に他方を、または個別に投与することができる。この単位投与形はまた、一定の組合せであってもよい。
本発明の医薬組成物は、自体公知の方法により製造することができ、ヒトを含む哺乳類(温血動物)への腸内投与(経口投与または直腸投与など)および非経口投与に好適なものであり、治療上有効な量の少なくとも1種類の薬理有効成分を単独または特に腸内適用または非経口適用に好適な1種類以上の医薬上許容される担体と組み合わせて製造することができる。本発明の投与形の好ましい投与経路は経口である。
新規な医薬組成物は例えば、約10%〜約100%、好ましくは約20%〜約60%の有効成分を含む。腸内投与または非経口投与のための併用療法用の医薬製剤は、例えば、糖衣剤、錠剤、カプセル剤または坐剤、さらにはアンプルなどの単位投与形である。特に断りのない限り、これらは、例えば、通常の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程などにより、自体公知の方法で製造することができる。必要な有効量は複数の投与単位の投与によって達成され得るので、各投与形の個々の用量に含まれる単独有効成分または複数有効成分の単位含量はそれ自体で有効量とならなくてもよいと考えられる。
経口投与形のための組成物の製造においては、例えば、水、グリコール、油またはアルコールなどの通常の医薬媒体;または例えば散剤、カプセル剤および錠剤などの経口固形製剤の場合には、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤などの担体、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのいずれを用いてもよい。投与が簡単なため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口単位投与形であり、この場合には、明らかに固形医薬担体が、用いられる。
さらに、本発明は、癲癇の処置用薬剤の製造のための「本発明の組合せ」に使用に関する。
加えて、本発明は癲癇を有する温血動物を処置する方法を提供し、その方法は、動物に「本発明の組合せ」を癲癇に対して併せて治療上有効な量で投与することを含み、ここでこれらの化合物はまたそれらの医薬上許容される塩の形態で存在してもよい。
さらに、本発明は、有効成分としての「本発明の組合せ」を、癲癇の処置におけるその同時、個別または逐次使用に関する説明書とともに含む市販パッケージを提供する。
特に、「本発明の組合せ」の治療上有効な量の各有効成分は、同時に、または任意の順序で逐次に投与してもよく、これらの成分は個別にまたは一定の組合せとして投与してもよい。例えば、本発明の疾病の処置方法は、(i)第一の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で投与すること、および(ii)第二の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で、併せて治療上有効な量、好ましくは相乗作用的に有効な量、例えば本明細書に記載の量に相当する一日量で、同時または任意の順序で逐次に投与することを含み得る。「本発明の組合せ」の個々の有効成分は治療過程の異なる時点で個別に投与することもできるし、あるいは分割された、または単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。さらに、投与するとはまた、in vivoで有効成分に変換する有効成分のプロドラッグの使用も包含する。よって、本発明は、このような同時処置および交互処置の全てを包含し、「投与する」も相応に解釈されるものと理解される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、「本発明の組合せ」は単剤療法に不応な癲癇の処置に使用される。
「本発明の組合せ」に使用される各有効成分の有効用量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置する状態の重篤度によって異なる。よって、「本発明の組合せ」の投与計画は、投与経路および患者の腎機能や肝機能を含む様々な因子に応じて選択される。熟練した医師、臨床家または獣医ならば、その状態の進行を抑制、対抗または中止するのに必要な単一の有効成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なく効力をもたらす範囲内の有効成分濃度を達成することを最適に精密化するには、標的部位に対する有効成分のアベイラビリティーの動態に基づいた計画が必要である。これには有効成分の分布、平衡および排泄の考慮が含まれる。
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
特に、フェノバルビタールは成人患者に対して約1〜約3mg/kg体重の間の総一日量で、また、小児患者に対して約3〜約4mg/kg体重の総一日量で、2単位に分けて投与することができる。
プリミドンは、成人患者および少なくとも9歳の小児に対して0.75〜1.5gの総一日量で投与することができる。
クロナゼパムは、成人患者に対して約3〜約8mgの間の総一日量で、また、小児患者に対して約0.5〜約3mgの間の総一日量で、3〜4単位に分けて投与することができる。
ジアゼパムは、成人患者に対して約5〜約10mgの間の総一日量で、また、小児患者に対して約5〜約10mgの間の総一日量で投与することができる。
ロラゼパムは、成人患者に対して約0.044mg/kg体重〜約0.05mg/kg体重の間の総一日量で投与することができる。
カルバマゼピンは、成人患者に対して約600〜約2000mgの間の総一日量で、また、6歳を超える小児患者に対して約400〜約600mgの間の総一日量で投与することができる。
オキシカルバゼピンは、成人患者に対して約600〜約2400mgの間の総一日量で、また、小児患者に対して約30〜約46mg/kg体重の間の総一日量で投与することができる。
フェニトインは、成人患者に対して約100〜約300mgの間の総一日量で、また、小児患者に対して約100〜約200mgの間の総一日量で投与することができる。
エトスクシミドは、成人患者に対して約15mg/kg体重の総一日量で、また、小児患者に対して約20mg/kg体重の総一日量で投与することができる。
バルプロ酸ナトリウム塩は、成人患者に対して約20mg/kg体重の総一日量で、また小児患者に対して約30mg/kg体重の総一日量で投与することができる。
塩酸チアガビン一水和物は、成人患者に対して約15〜約70mgの間の総一日量で投与することができる。
ビガバトリンは、成人患者に対して約2〜約3gの間の総一日量で投与することができる。
レベチラセタムは、16歳を超える患者に対して約1000〜約3000mgの間の総一日量で投与することができる。
ラモトリジンは、12歳を超える患者に対して約100〜約200mgの間の総一日量で投与することができる。
ガバペンチンは、患者に対して約900〜約2400mgの間の総一日量で投与することができる。
スルチアムは、患者に対して約5〜約10mg/kg体重の間の総一日量で投与することができる。
フェルバメートは、14歳を超える患者に対して約2400〜約3600mgの間の総一日量で投与することができる。
トピラメートは、成人患者に対して約250〜約500mgの間の総一日量で投与することができる。
情動障害および注意障害のための組合せ
本発明はまた、神経/精神障害、特に、情動障害および注意障害の処置に好適な組合せにも関する。
驚くことに、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、リチウム、バルプロ酸ナトリウム塩、定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬、ラモトリジン、メチルフェニデート、抗鬱薬および抗癲癇薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物とを含む組合せの作用は、組み合わせた薬剤の相加作用より大きい。さらに、本明細書に開示される組合せは、組合せ相手の一方を単独で用いる単剤療法に不応な情動障害および注意障害を処置するために使用することができる。
よって、本発明は、同時使用、個別使用または逐次使用のための、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、リチウム、バルプロ酸ナトリウム塩、定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬、ラモトリジン、メチルフェニデート、抗鬱薬および抗癲癇薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または医薬上許容される塩の形態で存在する)と、場合により少なくとも1種類の医薬上許容される担体とを含む組合せ製剤または医薬組成物などの組合せに関する。
本明細書において「情動障害および注意障害」としては、限定されるものではないが、双極性障害、例えば、躁鬱病、精神病的特徴を持つまたは持たない躁病、注意欠陥多動障害(ADHD)、およびその他の注意障害、例えば、自閉症、ならびにひきこもりを特徴とする行動状態、例えば、陰性状態が挙げられる。
本明細書において「リチウム」としては、限定されるものではないが、酢酸リチウム、炭酸リチウム、塩化リチウム、クエン酸リチウムおよび硫酸リチウムが挙げられる。本明細書において「定型抗精神病薬」としては、限定されるものではないが、ハロペリドール(haloperidol)およびフルフェナジン(fluphenazine)が挙げられる。本明細書において「非定型抗精神病薬」としては、限定されるものではないが、オランザピン(olanzapine)、クエチアピン(quetiapine)およびリスペリドン(risperidone)が挙げられる。本明細書において「抗鬱薬」としては、限定されるものではないが、三環系抗鬱薬、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)が挙げられる。本発明に好適な三環系抗鬱薬は、特に、アミトリプチリン(amitriptyline)、ブトリプチリン(butriptyline)、クロミプラミン(clomipramine)、デシプラミン(desipramine)、ジベンゼピン(dibenzepin)、ドチエピン(dothiepin)、ドキセピン(doxepin)、イミプラミン(imipramine)、ノルトリプチリン(nortriptyline)、オピプラモール(opipramol)、プロトリプチリン(protriptyline)、トリミプラミン(trimipramine)、マプロチリン(maprotiline)、ミアンセリン(mianserin)、およびミルタゼピン(mirtazepine)から選択される。本発明に好適なSSRIは、特に、フルオキセチン(fluoxetine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、セルトラリン(sertraline)、パロキセチン(paroxetine)、シタロプラム(citalopram)およびエスシタロプラム(escitalopram)から選択され、SNRIはベンラファキシン(venlafaxine)およびデュロキセチン(duloxetine)から選択される。
本明細書において「抗癲癇薬」としては、限定されるものではないが、バルビタール酸塩およびその誘導体、ベンゾジアゼピン、カルボキサミド、ヒダントイン、スクシンイミド、バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体、AMPAアンタゴニストおよびその他の抗癲癇薬が挙げられ、ここで、これらの有効成分は各場合において、同時使用、個別使用または逐次使用のための、遊離形態、または医薬上許容される塩の形態で、場合により少なくとも1種類の医薬上許容される担体とともに存在する。
本明細書において「バルビタール酸塩およびその誘導体」としては、限定されるものではないが、フェノバルビタール、ペントバルビタール、メポバルビタールおよびプリミドンが挙げられる。本明細書において「ベンゾジアゼピン」としては、限定されるものではないが、クロナゼパム、ジアゼパムおよびロラゼパムが挙げられる。本明細書において「カルボキサミド」としては、限定されるものではないが、カルバマゼピン、オキシカルバゼピン、10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロカルバマゼピンおよび式II
(式中、R
1’はC
1−C
3アルキルカルボニルを表す)
の化合物が挙げられる。本明細書において「ヒダントイン」としては、限定されるものではないが、フェニトインが挙げられる。本明細書において「スクシンイミド」としては、限定されるものではないが、エトスクシミド、フェンスクシミドおよびメスクシミドが挙げられる。本明細書において「バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体」としては、限定されるものではないが、バルプロ酸ナトリウム塩、塩酸チアガビン一水和物およびビガバトリンが挙げられる。本明細書において「その他の抗癲癇薬」としては、限定されるものではないが、レベチラセタム、ラモトリジン、ガバペンチン、スルチアム、フェルバメート、EP 114 347に開示されている1,2,3−1H−トリアゾール、特に、ルフィナマイド[1−(2,6−ジフルオロ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸アミド]およびWO99/28320に開示されている2−アリール−8−オキソジヒドロプリンが挙げられる。
酢酸リチウムは、例えば、商品名Quilonorm(商標)として市販されている形態で投与することができる。炭酸リチウムは、例えば、商品名Eskalith(商標)として市販されている形態で投与することができる。クエン酸リチウムは、例えば、商品名Litarex(商標)として市販されている形態で投与することができる。硫酸リチウムは、例えば、商品名Lithyum−Duriles(商標)として市販されている形態で、または例えば経皮放出(米国特許第6,375,990号)により、投与することができる。バルプロ酸ナトリウム塩は、例えば、商品名Divalproex Sodium(商標)として市販されている形態で投与することができる。ハロペリドールは、例えば、商品名Haloperidol STADA(商標)として市販されている形態で投与することができる。オランザピンは、例えば、商品名Zyprexa(商標)として市販されている形態で投与することができる。リスペリドンは、例えば、商品名Risperdal(商標)として市販されている形態で投与することができる。クエチアピンは、例えば、商品名Seroquel(商標)として市販されている形態で投与することができる。フルフェナジンは、例えば、商品名Prolixin(商標)として市販されているようなその二塩酸塩の形態で投与することができる。ラモトリジンは、例えば、商品名Lamictal(商標)として市販されている形態で投与することができる。フルオキセチンは、例えば、商品名Prozac(商標)として市販されているようなその塩酸塩の形態で投与することができる。パロキセチンは、例えば、商品名Paxil(商標)として市販されている形態で投与することができる。メチルフェニデートは、例えば、商品名Ritalin(商標)として市販されている形態で投与することができる。
メチルフェニデートは、米国の小児に対し、主として注意欠陥障害(ADD)および注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断された小児の処置に最もよく処方されている向精神薬であり、従って、広く利用可能である。メチルフェニデートは米国特許第2,838,519号および同第2,957,880号に記載されている。米国特許第5,922,736号、同第5,908,850号、同第5,773,478号、同第6,113,879号には、神経系障害を処置するためにd−スレオメチルフェニデートを投与することが記載されている。米国特許第6,100,401号、同第6,121,453号、および同第6,162,919号には、実質的に単一の鏡像異性体d−スレオメチルフェニデートを製造する方法が記載されている。米国特許第5,874,090号および同第5,837,284号には、メチルフェニデートの徐放性製剤が記載されている。これらの引例は全て出典明示により本明細書の一部とする。
トピラメートは、例えば、商標Topamax(商標)として市販されている形態で投与することができる。式Iの化合物ならびにそれらの製造方法およびそれらの医薬組成物は、例えばWO98/17672から既知である。
コード番号、一般名または商標およびそれらの製造方法により特定される有効成分の構造は、標準的な大要「メルク・インデックス」(例えば、M. J. O'Neil et al., ed., ‘The Merck Index’, 13th ed., Merck Research Laboratories, 2001)の現版または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)などのデータベースから入手することができる。対応するその内容は出典明示により本明細書の一部とする。当業者ならばこれらの参照に基づき、有効成分を確認することが十分できるとともに、それらを製造し、in vitroおよびin vivoの双方の標準的な試験モデルで医薬適応や特性を試験することができる。
本明細書において「組合せ製剤」とは、上記に定義したような第一および第二の有効成分が独立に、または特徴的な量の成分を含む種々の一定の組合せを用いて、すなわち、同時または異なる時点に投与することができるという意味で、特にパーツキットを定義する。次に、このパーツキットの各パーツは、例えば同時または順次交互に、すなわち異なる時点で、パーツキットの各パーツにつき等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。この時間間隔は、各パーツの組合せ使用において処置される疾病に対する作用が、それらの有効成分のいずれか1つ単独の使用により得られる作用よりも大きくなるように選択することが極めて好ましい。組合せ製剤で投与される有効成分1と有効成分2の総量の比率は、例えば、処置される患者の部分集団の要求、または一人の患者の要求に対処するために様々であってよく、この患者の要求は患者の年齢、性別、体重などによるものであり得る。例えば、第一および第二の有効成分の作用の相互増強などの少なくとも1つの有益な作用、特に、例えば相加作用を超える相乗作用、付加的な有利な作用、低い副作用、第一および第二の有効成分の一方または双方の有効でない用量での組合せ治療作用、特に、第一および第二の有効成分の強力な相乗作用が存在することが好ましい。
方法を述べる場合、有効成分とは医薬上許容される塩も含むことを意味するものと理解される。これらの有効成分が例えば少なくとも1つの塩基中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成し得る。また、所望により、付加的に提供された塩基中心を有する対応する酸付加塩を形成させることもできる。酸基(例えば、COOH)を有する有効成分も塩基を伴って塩を形成することができる。有効成分またはその医薬上許容される塩は水和物の形態で使用することもできるし、あるいは結晶化のために用いられる他の溶媒を含んでもよい。
少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、リチウム、バルプロ酸ナトリウム塩、定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬、ラモトリジン、メチルフェニデートおよび抗鬱薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物とを含む医薬組合せ(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または少なくとも1つの塩形成基が存在する場合には医薬上許容される塩の形態で存在する)は、以下、「本発明の組合せ」と呼ぶ。
驚くことに、本発明の組合せを投与すると、「本発明の組合せ」で使用される医薬上有効な成分の1つだけを適用する単剤療法に比べて有益な、特に、相乗作用、治療作用、またはその他の驚くべき有益な作用、例えば、低い副作用が得られる。
情動障害の処置における「本発明の組合せ」の活性は、例えば、精神運動刺激作用を逆転させる薬剤を検出するのに好適な前臨床試験で明らかにされる。
試験1:NMDA−アンタゴニスト誘導性の歩行運動:
雄のラットを使用する。基本的に次の8つの処置群を設ける。
1)歩行活動に対するAMPA受容体アンタゴニストの作用を調べるための、AMPA受容体アンタゴニスト、次いで溶媒2および溶媒3
2)歩行活動に対する組合せ相手の作用を調べるための、溶媒1、組合せ相手および溶媒3
3)歩行活動亢進の誘導を調べるための、溶媒1、溶媒2、次いで競合的NMDA受容体アンタゴニスト(S)−2−アミノ−3−(2’−クロロ−5−ホスホノメチル−ビフェニル−3−イル)−プロピオン酸(以下、SDZ 220−581)(10mg/kg)
4)AMPA受容体アンタゴニスト、次いで溶媒2およびSDZ 220−581
5)溶媒1、次いで組合せ相手およびSDZ 220−581
6)「本発明の組合せ」(各有効成分の用量は閾値付近の用量)、次いで溶媒3
7)「本発明の組合せ」(各有効成分の用量は閾値付近の用量)次いでSDZ 220−581(10mg/kg)
8)溶媒1−溶媒2−溶媒3
ラットをこれらの前処置群に無作為に割り付ける(n=10/投与群)。薬剤をSDZ 220−581の15分前に皮下投与(s.c.)する。動物にSDZ 220−581を投与した後すぐに活動モニターに60分間乗せる。最初の30分間の歩行活動を分析する。
歩行運動をビデオシステムに録画する。動物を標準的な12/12時間昼夜周期に置き、6時に光を当てる。試験は7時から15時の間、薄光室で行う。動物をグレーのポリ塩化ビニルプラスチック製の円台(直径42cm、高さ32cm)に乗せる。
試験2:NMDA−チャネル遮断薬誘導性の頭部揺動および回転
成体雄ラットを用いる。動物を次の処置群に割り付ける(n=10/群)。
1)AMPA受容体アンタゴニストを単独で与えた場合に頭部揺動および回転が誘導されるかどうかを調べるための、AMPA受容体アンタゴニスト(t=−15分)、次いで溶媒2(t=−15分)および溶媒3(t=0分)
2)組合せ相手を単独で与えた場合に頭部揺動および回転が誘導されるかどうかを調べるための、溶媒1(t=−15分)、組合せ相手(t=−15分)および溶媒3(t=0分)
3)回転および頭部揺動を誘導するための、溶媒1(t=−15分)、溶媒2(t=−15分)、次いでフェンシクリジン(PCP;NMDAチャネル遮断薬、用量3および10mg/kg、t=0分)
4)AMPA受容体アンタゴニスト(t=−15分)、次いで溶媒2(t=−15分)およびPCP(t=0分)
5)溶媒1(t=−15分)、次いで組合せ相手(t=−15分)およびPCP(t=0分)
6)「本発明の組合せ」(各有効成分の用量は閾値付近の用量(t=−15分))、次いで溶媒3(t=0分)
7)「本発明の組合せ」(各有効成分の用量は閾値付近の用量(t=−15分))、次いでPCP(3および10mg/kg、t=0分)
8)溶媒1(t=−15分)、溶媒2(t=−15分)、溶媒3(t=0分)
「本発明の組合せ」(t=−15分)およびPCP(t=0分)を、1mL/kgの容量で皮下投与する。動物の前処置について知らない観察者が、PCPの後0〜30分の間動物の行動のビデオ録画をスコアリングする。頭部揺動(左右少なくとも2cm繰り返し頭を揺する)および回転(前脚で向きを変えるが、後脚は元の位置に多少とも残っている)の有(1)および無(0)として、5分ごとに1分間スコアリングする。各動物のスコアを合計し、群のスコアとして統計分析(ボンフェローニ補正t検定)に用いる。
NMDA−アンタゴニスト誘導性の歩行運動応答は精神病/躁様状態を反映する。この活性の遮断は、抗精神病、抗躁病活性を示す。さらに、頭部揺動および回転の増進は、行動的脱抑制(=抗不安様/抗鬱様)および社会指向活動を示唆する。よって、これらの化合物は、例えば躁鬱病などの双極性障害、例えば、精神病的特徴を有する躁病および行動の安定化が望まれるような過度な気分変動などの極端な精神病状態を含む情動障害の処置に有用である。さらに、「本発明の組合せ」はADHD(注意欠陥多動性障害)および例えば自閉症などのその他の注意障害、ならびに例えば陰性状態など、ひきこもりを特徴とする行動状態に指示される。
「本発明の組合せ」の薬理活性はまた、臨床試験でも証明され得る。このような臨床試験は好ましくは、情動障害および注意障害患者における無作為化二重盲検臨床試験である。このような試験は特に、「本発明の組合せ」の有効成分の相乗作用を証明する。情動障害および注意障害に対する有益な作用は、これらの試験結果から直接、または自体当業者に公知の試験計画における変更により判定することができる。これらの試験は特に、有効成分を用いた単剤療法と「本発明の組合せ」の作用を比較するのに適している。
さらなる利点として、「本発明の組合せ」の有効成分をより低用量で使用可能であり、例えば、必要な用量が多くの場合で少なくなるだけでなく、適用頻度も少なくなり、あるいは副作用の発生をなくすためにも使用可能である。これは処置される患者の望みおよび要求に応じたものである。「本発明の組合せ」は特に、単剤療法に不応な情動障害および注意障害の処置に使用可能である。
本発明の1つの目的は、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、リチウム、バルプロ酸ナトリウム塩、定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬、ラモトリジン、メチルフェニデートおよび抗鬱薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物と、少なくとも1種類の医薬上許容される担体とを含み、情動障害および注意障害に対して併せて治療上有効な量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物では、第一および第二の有効成分は、1つの組合せ単位投与形で、または2つの別個の単位投与形で、一緒に、または一方の後に他方を、または個別に投与することができる。この単位投与形はまた、一定の組合せであってもよい。
本発明の医薬組成物は、自体公知の方法により製造することができ、ヒトを含む哺乳類(温血動物)への腸内投与(経口投与または直腸投与など)および非経口投与に好適なものであり、治療上有効な量の少なくとも1種類の薬理有効成分を単独または特に腸内適用または非経口適用に好適な1種類以上の医薬上許容される担体と組み合わせて製造することができる。本発明の投与形の好ましい投与経路は経口である。
新規な医薬組成物は例えば、約10%〜約100%、好ましくは約20%〜約60%の有効成分を含む。腸内投与または非経口投与のための併用療法用の医薬製剤は、例えば、糖衣剤、錠剤、カプセル剤または坐剤、さらにはアンプルなどの単位投与形である。特に断りのない限り、これらは、例えば、通常の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程などにより、自体公知の方法で製造することができる。必要な有効量は複数の投与単位の投与によって達成され得るので、各投与形の個々の用量に含まれる単独有効成分または複数有効成分の単位含量はそれ自体で有効量とならなくてもよいと考えられる。
経口投与形のための組成物の製造においては、例えば、水、グリコール、油またはアルコールなどの通常の医薬媒体;または例えば散剤、カプセル剤および錠剤などの経口固形製剤の場合には、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤などの担体、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのいずれを用いてもよい。投与が簡単なため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口単位投与形であり、この場合には、明らかに固形医薬担体が、用いられる。
さらに、本発明は、情動障害および注意障害の処置用薬剤の製造のための「本発明の組合せ」に使用に関する。
加えて、本発明は情動障害および注意障害を有する温血動物を処置する方法を提供し、その方法は、動物に「本発明の組合せ」を情動障害および注意障害に対して併せて治療上有効な量で投与することを含み、ここでこれらの化合物はまたそれらの医薬上許容される塩の形態で存在してもよい。
さらに、本発明は、有効成分としての「本発明の組合せ」を、情動障害および注意障害の処置におけるその同時、個別または逐次使用に関する説明書とともに含む市販パッケージを提供する。
特に、「本発明の組合せ」の治療上有効な量の各有効成分は、同時に、または任意の順序で逐次に投与してもよく、これらの成分は個別にまたは一定の組合せとして投与してもよい。例えば、本発明の情動障害および注意障害の処置方法は、(i)第一の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で投与すること、および(ii)第二の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で、併せて治療上有効な量、好ましくは相乗作用的に有効な量、例えば本明細書に記載の量に相当する一日量で、同時または任意の順序で逐次に投与することを含み得る。「本発明の組合せ」の個々の有効成分は治療過程の異なる時点で個別に投与することもできるし、あるいは分割された、または単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。さらに、投与するとはまた、in vivoで有効成分に変換する有効成分のプロドラッグの使用も包含する。よって、本発明は、このような同時処置および交互処置の全てを包含し、「投与する」も相応に解釈されるものと理解される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、「本発明の組合せ」は単剤療法に不応な情動障害および注意障害の処置に使用される。
「本発明の組合せ」に使用される各有効成分の有効用量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置する状態の重篤度によって異なる。よって、「本発明の組合せ」の投与計画は、投与経路および患者の腎機能や肝機能を含む様々な因子に応じて選択される。熟練した医師、臨床家または獣医ならば、その状態の進行を抑制、対抗または中止するのに必要な単一の有効成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なく効力をもたらす範囲内の有効成分濃度を達成することを最適に精密化するには、標的部位に対する有効成分のアベイラビリティーの動態に基づいた計画が必要である。これには有効成分の分布、平衡および排泄の考慮が含まれる。
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
特に、トピラメートは、成人患者に対して約250〜約500mgの間の総一日量で投与することができる。
ハロペリドールは、患者に対して約2.5〜約30mgの間の総一日量で投与することができる。
リチウムは、患者に対して約0.5〜約2gの間の総一日量で投与することができる。
オランザピンは、患者に対して約2.5〜約20mgの間の総一日量で投与することができる。
クエチアピンは、患者に対して約500〜約600mgの間の総一日量で投与することができる。
リスペリドンは、患者に対して約2〜約6mgの間の総一日量で投与することができる。
バルプロ酸ナトリウム塩は、患者に対して約2000〜約3000mgの間の総一日量で投与することができる。
アミトリプチリンは、患者に対して約30〜約300mgの間の総一日量で投与することができる。
クロミプラミンは、患者に対して約30〜約150mgの間の総一日量で投与することができる。
デシプラミンは、患者に対して約25〜約200mgの間の総一日量で投与することができる。
{[(7−ニトロ−2,3−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−5−イルメチル)−アミノ]−メチル}−ホスホン酸は、患者に対して約60〜約400mgの間の総一日量で投与することができる。
不安症のための組合せ
本発明はまた、神経/精神障害、特に、不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害の処置に好適な組合せに関する。
驚くことに、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、ベンゾジアゼピン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、ブスピロンおよびプレガバリンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物とを含む組合せの作用は、組み合わせた薬剤の相加作用より大きい。さらに、本明細書に開示される組合せは、組合せ相手の一方を単独で用いる単剤療法に不応な不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害を処置するために使用することができる。
よって、本発明は、同時使用、個別使用または逐次使用のための、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、ベンゾジアゼピン、SSRI、SNRI、ブスピロンおよびプレガバリンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または医薬上許容される塩の形態で存在する)と、場合により少なくとも1種類の医薬上許容される担体とを含む組合せ製剤または医薬組成物などの組合せに関する。
本明細書において「不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害」としては、限定されるものではないが、一般不安障害、社会的不安障害、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、精神刺激薬の中止後に起こるパニックおよび不安、または乱用性を有するその他の向精神薬の摂取などの不安障害が挙げられる。
本発明に好適なSSRIは、特に、フルオキセチン、フボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラムおよびエスシタロプラムから選択される。
本発明に好適なSNRIは、特に、ベンラファキシンおよびデュロキセチンから選択される。
本明細書において「ベンゾジアゼピン」としては、限定されるものではないが、クロナゼパム、ジアゼパムおよびロラゼパムが挙げられる。
ブスピロンは、遊離形態でまたは塩として、例えば、その塩酸塩として、例えば、商品名Anxut(商標)、Buspar(商標)またはBespar(商標)として市販されている形態で投与することができる。ブスピロンは例えば、米国特許第3,717,634号に記載されているように製造および投与することができる。トピラメートは、例えば、商品名Topamax(商標)として市販されている形態で投与することができる。式Iの化合物ならびにそれらの製造方法およびそれらの医薬組成物は、例えばWO98/17672から既知である。フルオキセチンは、例えば、商品名Prozac(商標)として市販されているその塩酸塩の形態で投与することができる。フルオキセチンは、例えば、CA2002182に記載されているように製造および投与することができる。パロキセチン((3S,4R)−3−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)メチル]−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン)は、例えば、商品名Paxil(商標)として市販されている形態で投与することができる。パロキセチンは、例えば、米国特許第3,912,743号に記載されているように製造および投与することができる。セルトラリンは、例えば、商品名Zoloft(商標)として市販されている形態で投与することができる。セルトラリンは、例えば、米国特許第4,536,518号に記載されているように製造および投与することができる。クロナゼパムは、例えば、商品名Antelepsin(商標)として市販されている形態で投与することができる。ジアゼパムは、例えば、商品名Diazepam Desitinとして市販されている形態で投与することができる。ロラゼパムは、例えば、商品名Tavor(商標)として市販されている形態で投与することができる。シタロプラムは、遊離形態で、または塩として、例えば、その臭化水素酸塩として、例えば、商品名Cipramil(商標)として市販されている形態で投与することができる。エスシタロプラムは、例えば、商品名Cipralex(商標)として市販されている形態で投与することができる。エスシタロプラムは、例えば、AU623144に記載されているように製造および投与することができる。ベンラファキシンは、商品名Trevilor(商標)として市販されている形態で投与することができる。デュロキセチンは、例えば、商品名Cymbalta(商標)として市販されている形態で投与することができる。デュロキセチンは、例えば、CA 1302421に記載されているように製造および投与することができる。
コード番号、一般名または商標により特定される有効成分の構造は、標準的な大要「メルク・インデックス」の現版または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)などのデータベースから入手することができる。対応するその内容は出典明示により本明細書の一部とする。当業者ならばこれらの参照に基づき、有効成分を確認することが十分できるとともに、それらを製造し、in vitroおよびin vivoの双方の標準的な試験モデルで医薬適応や特性を試験することができる。
本明細書において「組合せ製剤」とは、上記に定義したような第一および第二の有効成分が独立に、または特徴的な量の成分を含む種々の一定の組合せを用いて、すなわち、同時または異なる時点に投与することができるという意味で、特にパーツキットを定義する。次に、このパーツキットの各パーツは、例えば同時または順次交互に、すなわち異なる時点で、パーツキットの各パーツにつき等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。この時間間隔は、各パーツの組合せ使用において処置される疾病に対する作用が、それらの有効成分のいずれか1つ単独の使用により得られる作用よりも大きくなるように選択することが極めて好ましい。組合せ製剤で投与される有効成分1と有効成分2の総量の比率は、例えば、処置される患者の部分集団の要求、または一人の患者の要求に対処するために様々であってよく、この患者の要求は患者の年齢、性別、体重などによるものであり得る。例えば、第一および第二の有効成分の作用の相互増強などの少なくとも1つの有益な作用、特に、例えば相加作用を超える相乗作用、付加的な有利な作用、低い副作用、第一および第二の有効成分の一方または双方の有効でない用量での組合せ治療作用、特に、第一および第二の有効成分の強力な相乗作用が存在することが好ましい。
方法を述べる場合、有効成分とは医薬上許容される塩も含むことを意味するものと理解される。これらの有効成分が例えば少なくとも1つの塩基中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成し得る。また、所望により、付加的に提供された塩基中心を有する対応する酸付加塩を形成させることもできる。酸基(例えば、COOH)を有する有効成分も塩基を伴って塩を形成することができる。有効成分またはその医薬上許容される塩は水和物の形態で使用することもできるし、あるいは結晶化のために用いられる他の溶媒を含んでもよい。
少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、ベンゾジアゼピン、SSRI、SNRI、ブスピロンおよびプレガバリンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む医薬組合せ(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または少なくとも1つの塩形成基が存在する場合には医薬上許容される塩の形態で存在する)は、以下、「本発明の組合せ」と呼ぶ。
驚くことに、本発明の組合せを投与すると、「本発明の組合せ」で使用される医薬上有効な成分の1つだけを適用する単剤療法に比べて有益な、特に、相乗作用、治療作用、またはその他の驚くべき有益な作用、例えば、低い副作用が得られる。
不安症候の処置における「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、自体公知の前臨床試験、例えば、ストレス誘発性高熱モデルで明らかにすることができる。
以下の例は本発明を例示するものであり、本発明をその範囲に限定するものではない。
雄マウスを用いる。処置したマウスはホームケージに1時間置く。この時間は組合せ相手によって異なる場合があり、従って、長くなる場合も短くなる場合もある。この前処置時間の後、直腸探針を用いて中核体温を測定する。次に、動物をケージに戻し、15分後に測定を繰り返す。手で触れることを含む最初の直腸測定は動物にとってはストレス状態であり、体温上昇が起こる。抗不安化合物は、この最初の測定に応じた中核体温の上昇を防ぐことが知られている。基本的に、次の4つの処置群を設ける。
1)溶媒、次いで、溶媒
2)溶媒前処置、次いで、組合せ相手
3)AMPA受容体アンタゴニスト、次いで、溶媒
4)「本発明の組合せ」(各有効成分は低用量)
マウスをこれらの前処置群に無作為に割り付ける(n=10/投与群)。薬剤は、単独で投与する場合の閾値付近の用量で皮下投与(s.c.)または経口投与(p.o.)する。
「本発明の組合せ」の薬理活性はまた、例えば、臨床試験で証明することもできる。このような臨床試験は、好ましくは、不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害患者における無作為化二重盲検臨床試験である。このような試験は特に、「本発明の組合せ」の有効成分の相乗作用を証明する。不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害に対する有益な作用は、これらの試験結果から直接、または自体当業者に公知の試験計画における変更により判定することができる。これらの試験は特に、有効成分を用いた単剤療法と「本発明の組合せ」の作用を比較するのに適している。
さらなる利点として、「本発明の組合せ」の有効成分をより低用量で使用可能であり、例えば、必要な用量が多くの場合で少なくなるだけでなく、適用頻度も少なくなり、あるいは副作用の発生をなくすためにも使用可能である。これは処置される患者の望みおよび要求に応じたものである。「本発明の組合せ」は特に、単剤療法に不応な不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害の処置に使用可能である。
本発明の1つの目的は、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、ベンゾジアゼピン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、ブスピロンおよびプレガバリンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物と、少なくとも1種類の医薬上許容される担体とを含み、不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害に対して併せて治療上有効な量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物では、第一および第二の有効成分は、1つの組合せ単位投与形で、または2つの別個の単位投与形で、一緒に、または一方の後に他方を、または個別に投与することができる。この単位投与形はまた、一定の組合せであってもよい。
本発明の医薬組成物は、自体公知の方法により製造することができ、ヒトを含む哺乳類(温血動物)への腸内投与(経口投与または直腸投与など)および非経口投与に好適なものであり、治療上有効な量の少なくとも1種類の薬理有効成分を単独または特に腸内適用または非経口適用に好適な1種類以上の医薬上許容される担体と組み合わせて製造することができる。本発明の投与形の好ましい投与経路は経口である。
新規な医薬組成物は例えば、約10%〜約100%、好ましくは約20%〜約60%の有効成分を含む。腸内投与または非経口投与のための併用療法用の医薬製剤は、例えば、糖衣剤、錠剤、カプセル剤または坐剤、さらにはアンプルなどの単位投与形である。特に断りのない限り、これらは、例えば、通常の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程などにより、自体公知の方法で製造することができる。必要な有効量は複数の投与単位の投与によって達成され得るので、各投与形の個々の用量に含まれる単独有効成分または複数有効成分の単位含量はそれ自体で有効量とならなくてもよいと考えられる。
経口投与形のための組成物の製造においては、例えば、水、グリコール、油またはアルコールなどの通常の医薬媒体;または例えば散剤、カプセル剤および錠剤などの経口固形製剤の場合には、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤などの担体、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのいずれを用いてもよい。投与が簡単なため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口単位投与形であり、この場合には、明らかに固形医薬担体が、用いられる。
さらに、本発明は、不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害の処置用薬剤の製造のための「本発明の組合せ」に使用に関する。
加えて、本発明は特定の範例においてモデル化された不安症を有する温血動物を処置する方法を提供し、その方法は、動物に「本発明の組合せ」を不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害に対して併せて治療上有効な量で投与することを含み、ここでこれらの化合物はまたそれらの医薬上許容される塩の形態で存在してもよい。
さらに、本発明は、有効成分としての「本発明の組合せ」を、不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害の処置におけるその同時、個別または逐次使用に関する説明書とともに含む市販パッケージを提供する。
特に、「本発明の組合せ」の治療上有効な量の各有効成分は、同時に、または任意の順序で逐次に投与してもよく、これらの成分は個別にまたは一定の組合せとして投与してもよい。例えば、本発明の不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害の処置方法は、(i)第一の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で投与すること、および(ii)第二の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で、併せて治療上有効な量、好ましくは相乗作用的に有効な量、例えば本明細書に記載の量に相当する一日量で、同時または任意の順序で逐次に投与することを含み得る。「本発明の組合せ」の個々の有効成分は治療過程の異なる時点で個別に投与することもできるし、あるいは分割された、または単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。さらに、投与するとはまた、in vivoで有効成分に変換する有効成分のプロドラッグの使用も包含する。よって、本発明は、このような同時処置および交互処置の全てを包含し、「投与する」も相応に解釈されるものと理解される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、「本発明の組合せ」は単剤療法に不応な不安障害または基底不安症候を有するその他の精神障害の処置に使用される。
「本発明の組合せ」に使用される各有効成分の有効用量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置する状態の重篤度によって異なる。よって、「本発明の組合せ」の投与計画は、投与経路および患者の腎機能や肝機能を含む様々な因子に応じて選択される。熟練した医師、臨床家または獣医ならば、その状態の進行を抑制、対抗または中止するのに必要な単一の有効成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なく効力をもたらす範囲内の有効成分濃度を達成することを最適に精密化するには、標的部位に対する有効成分のアベイラビリティーの動態に基づいた計画が必要である。これには有効成分の分布、平衡および排泄の考慮が含まれる。
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
特に、トピラメートは、成人患者に対して約250〜約500mgの間の総一日量で投与することができる。
ブスピロンは、約15〜約60mgの間の総一日量で投与することができる。
クロナゼパムは、成人患者に対して約3〜約8mgの間の総一日量で、また、小児患者に対して約0.5〜約3mgの間の総一日量で、3〜4単位に分けて投与することができる。
ジアゼパムは、成人患者に対して約5〜約10mgの総一日量で、また、小児患者に対して約5〜約10mgの間の総一日量で投与することができる。
ロラゼパムは、成人患者に対して約0.044 mg/kg体重〜約0.05 mg/kg体重の総一日量で投与することができる。
シタロプラムは、約20〜約60mgの総一日量で投与することができる。
パロキセチンは、約20〜約50mgの間の総一日量で投与することができる。
ベンラファキシンは、約70〜約150mgの間の総一日量で投与することができる。
{[(7−ニトロ−2,3−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−5−イルメチル)−アミノ]−メチル}−ホスホン酸は、患者に対して約60〜約400mgの間の総一日量で投与することができる。
近視のための組合せ
本発明はまた、眼の障害、特に、近視の処置に好適な組合せに関する。
近視は、遠くの物がぼやけて見える目の焦点合わせの誤りである。近視者はJaegerの視力表(近見表)は容易に読めるが、Snellenの視力表(遠見表)は読むのが困難である。このような視朦は、眼の物理的長さが光学的長さよりも大きい場合に生じる。このため、近視は急速に成長する学童、すなわち10代の子供で発症することが多く、成長期に進行し、眼鏡またはコンタクトレンズの頻繁な交換が必要になる。近視は通常、20代はじめに成長が完了した際に進行が止まる。近視は男性、女性に等しく影響を及ぼし、近視の家族歴を持つ人は近視を発症する可能性が高い。近視は、焦点を網膜側に移動させる眼鏡やコンタクトレンズの使用により矯正できる場合が多い。さらに、角膜を整形して焦点を網膜の手前から網膜側へ移動させる外科術がいくつかある。近視のほとんどの眼は健康的には問題がないが、少数の近視者ではレチナール分解の形態を生じる。
驚くことに、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、ピレンゼピン、テレンゼピン、オルト−メトキシ−シラ−ヘキソシクリウム、γ−アミノ酪酸(GABA)およびGABAアゴニストからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む組合せの作用は、組み合わせた薬剤の相加作用よりも大きい。さらに、本明細書に開示される組合せは、その組合せ相手の一方単独を用いた単剤療法に不応な近視を処置するのに使用することもできる。
よって、本発明は、同時使用、個別使用または逐次使用のための、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、ピレンゼピン、テレンゼピン、オルト−メトキシ−シラ−ヘキソシクリウム、γ−アミノ酪酸(GABA)およびGABAアゴニストからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態または医薬上許容される塩の形態で存在する)と、場合により1種類の医薬上許容される担体とを含む組合せ製剤または医薬組成物などの組合せに関する。
トピラメートは、例えば、商標Topamax(商標)として市販されている形態で投与することができる。式Iの化合物ならびにそれらの製造方法およびそれらの医薬組成物は、例えば、WO98/17672から既知である。
ピレンゼピン、テレンゼピンおよびオルト−メトキシ−シラ−ヘキソシクリウムは、米国特許第5,122,522号に記載されているように適用することができる。
本明細書において「γ−アミノ酪酸(GABA)およびGABAゴニスト」として、限定されるものではないが、WO03/032975に開示されている化合物が挙げられる。
コード番号、一般名または商標により特定される有効成分の構造は、標準的な大要「メルク・インデックス」の現版または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)などのデータベースから入手することができる。対応するその内容は出典明示により本明細書の一部とする。当業者ならばこれらの参照に基づき、有効成分を確認することが十分できるとともに、それらを製造し、in vitroおよびin vivoの双方の標準的な試験モデルで医薬適応や特性を試験することができる。
本明細書において「組合せ製剤」とは、上記に定義したような第一および第二の有効成分が独立に、または特徴的な量の成分を含む種々の一定の組合せを用いて、すなわち、同時または異なる時点に投与することができるという意味で、特にパーツキットを定義する。次に、このパーツキットの各パーツは、例えば同時または順次交互に、すなわち異なる時点で、パーツキットの各パーツにつき等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。この時間間隔は、各パーツの組合せ使用において処置される疾病に対する作用が、それらの有効成分のいずれか1つ単独の使用により得られる作用よりも大きくなるように選択することが極めて好ましい。組合せ製剤で投与される有効成分1と有効成分2の総量の比率は、例えば、処置される患者の部分集団の要求、または一人の患者の要求に対処するために様々であってよく、この患者の要求は患者の年齢、性別、体重などによるものであり得る。例えば、第一および第二の有効成分の作用の相互増強などの少なくとも1つの有益な作用、特に、例えば相加作用を超える相乗作用、付加的な有利な作用、低い副作用、第一および第二の有効成分の一方または双方の有効でない用量での組合せ治療作用、特に、第一および第二の有効成分の強力な相乗作用が存在することが好ましい。
方法を述べる場合、有効成分とは医薬上許容される塩も含むことを意味するものと理解される。これらの有効成分が例えば少なくとも1つの塩基中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成し得る。また、所望により、付加的に提供された塩基中心を有する対応する酸付加塩を形成させることもできる。酸基(例えば、COOH)を有する有効成分も塩基を伴って塩を形成することができる。有効成分またはその医薬上許容される塩は水和物の形態で使用することもできるし、あるいは結晶化のために用いられる他の溶媒を含んでもよい。
少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、ピレンゼピン、テレンゼピン、オルト−メトキシ−シラ−ヘキソシクリウム、γ−アミノ酪酸(GABA)およびGABAアゴニストからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む医薬組合せ(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または少なくとも1つの塩形成基が存在する場合には医薬上許容される塩の形態で存在する)は、以下、「本発明の組合せ」と呼ぶ。
驚くことに、本発明の組合せを投与すると、「本発明の組合せ」で使用される医薬上有効な成分の1つだけを適用する単剤療法に比べて有益な、特に、相乗作用、治療作用、またはその他の驚くべき有益な作用、例えば、低い副作用が得られる。
「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、自体公知の前臨床試験、例えば、本明細書に記載の方法で明らかにすることができる。
これらの化合物の近視に対する活性は、例えば、標準的な試験、例えば、R.A. Stone et al. [Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 86, 704-706 (1989)] のモデルで示され、ここでは、ニワトリにおいて「本発明の組合せ」約0.1〜約1mg/kgを点眼剤として投与した際に実験的近視が生じる。
さらに、「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、臨床試験で証明することもできる。このような臨床試験は、好ましくは、近視患者における無作為化二重盲検臨床試験である。このような試験は特に、「本発明の組合せ」の有効成分の相乗作用を証明する。近視に対する有益な作用は、これらの試験結果から直接、または自体当業者に公知の試験計画における変更により判定することができる。これらの試験は特に、有効成分を用いた単剤療法と「本発明の組合せ」の作用を比較するのに適している。
さらなる利点として、「本発明の組合せ」の有効成分をより低用量で使用可能であり、例えば、必要な用量が多くの場合で少なくなるだけでなく、適用頻度も少なくなり、あるいは副作用の発生をなくすためにも使用可能である。これは処置される患者の望みおよび要求に応じたものである。「本発明の組合せ」は特に、単剤療法に不応な近視の処置に使用可能である。
本発明の一実施形態では、本発明で使用するAMPA受容体アンタゴニストは競合的AMPA受容体アンタゴニストである。
本発明の1つの目的は、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、ピレンゼピン、テレンゼピン、オルト−メトキシ−シラ−ヘキソシクリウム、γ−アミノ酪酸(GABA)およびGABAアゴニストからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物と少なくとも1種類の医薬上許容される担体とを含み、近視に対して併せて治療上有効な量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物では、第一および第二の有効成分は、1つの組合せ単位投与形で、または2つの別個の単位投与形で、一緒に、または一方の後に他方を、または個別に投与することができる。この単位投与形はまた、一定の組合せであってもよい。
本発明の医薬組成物は自体公知の方法で製造することができ、治療上有効な量の少なくとも1種類の薬理活性成分を単独または1以上の医薬上許容される担体と組み合わせて含む。「本発明の組合せ」は、約0.002〜約0.02%眼科溶液として眼に局所適用するのが好ましい。この眼用ビヒクルは、眼の角膜領域および内部領域に「本発明の組合せ」を浸透させるに十分な時間、「本発明の組合せ」は眼の表面との接触を維持するようなものである。医薬上許容される眼用ビヒクルとしては、例えば、軟膏、植物油またはカプセル剤であってよい。
さらに、本発明は、近視の処置用薬剤の製造のための「本発明の組合せ」に使用に関する。
加えて、本発明は近視を有する温血動物を処置する方法を提供し、その方法は、動物に「本発明の組合せ」を近視に対して併せて治療上有効な量で投与することを含み、ここでこれらの化合物はまたそれらの医薬上許容される塩の形態で存在してもよい。
加えて、本発明は、成熟温血動物、特にヒトの眼の出生後成長を制御する方法を提供し、その方法は、「本発明の組合せ」を出生後成長の制御に対して併せて治療上有効な量で投与することを含む。
さらに、本発明は、有効成分としての「本発明の組合せ」を、近視の処置におけるその同時、個別または逐次使用に関する説明書とともに含む市販パッケージを提供する。
特に、「本発明の組合せ」の治療上有効な量の各有効成分は、同時に、または任意の順序で逐次に投与してもよく、これらの成分は個別にまたは一定の組合せとして投与してもよい。例えば、本発明の疾病の処置方法は、(i)第一の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で投与すること、および(ii)第二の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で、併せて治療上有効な量、好ましくは相乗作用的に有効な量、例えば本明細書に記載の量に相当する一日量で、同時または任意の順序で逐次に投与することを含み得る。「本発明の組合せ」の個々の有効成分は治療過程の異なる時点で個別に投与することもできるし、あるいは分割された、または単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。さらに、投与するとはまた、in vivoで有効成分に変換する有効成分のプロドラッグの使用も包含する。よって、本発明は、このような同時処置および交互処置の全てを包含し、「投与する」も相応に解釈されるものと理解される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、「本発明の組合せ」は単剤療法に不応な近視の処置に使用される。
「本発明の組合せ」に使用される各有効成分の有効用量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置する状態の重篤度によって異なる。よって、「本発明の組合せ」の投与計画は、投与経路および患者の腎機能や肝機能を含む様々な因子に応じて選択される。熟練した医師、臨床家、眼科医または獣医ならば、その状態の進行を抑制、対抗または中止するのに必要な単一の有効成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なく効力をもたらす範囲内の有効成分濃度を達成することを最適に精密化するには、標的部位に対する有効成分のアベイラビリティーの動態に基づいた計画が必要である。これには有効成分の分布、平衡および排泄の考慮が含まれる。
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
特に、トピラメートは、成人患者に対して約250〜約500mgの間の総一日量で投与することができる。
例1:点眼剤:以下に示す成分を含む点眼剤は常法により製造される。
組成 mg/ml
本発明の組合せ 1.0
グリセロール 25.0
塩化ベンザルコニウム 0.105
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.0
注射水 1.0mlまで
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
神経因性疼痛のための組合せ
本発明はまた、疼痛、特に神経因性疼痛の処置に好適な組合せを提供する。
本発明は、種々の起源または病因の疼痛の処置に好適な組合せに関する。
「種々の起源または病因の疼痛」としては、限定されるものではないが、炎症性疼痛、痛覚過敏、特に慢性疼痛が挙げられ、特に外傷の結果生じる疼痛、例えば、火傷、捻挫、骨折などに伴う疼痛、外科的介入後の疼痛(例えば、術後鎮痛薬として)、ならびに多様な起源の炎症性疼痛、例えば、骨および関節痛(骨関節炎)、筋膜疼痛(例えば、筋肉損傷)、腰痛、慢性炎症性疼痛、繊維筋痛症、慢性神経因性疼痛、例えば、糖尿病性神経障害、幻肢痛および術中疼痛(一般手術、婦人科手術)、ならびに例えば狭心症、月経または癌に伴う疼痛を意味する。
本明細書において「神経因性疼痛」としては、限定されるものではないが、切断、または糖尿病、疱疹後神経痛もしくは三叉神経痛などの状態を含む一定の病態から起こる神経傷害をしばしば伴う疼痛が挙げられる。神経因性疼痛に関連する痛覚過敏症および異痛症は特に難治性であり、オピエートなどの処置による処置では十分な治療ができない。
驚くことに、少なくとも1種類AMPA受容体アンタゴニストと、少なくとも1つの組合せ相手〜からなる群から選択されるシクロオキシゲナーゼ阻害剤、バニロイド受容体アンタゴニスト、オピオイド、三環系抗鬱薬、抗痙攣薬、カテプシンS阻害剤およびGABAB受容体アゴニストからなる群から選択される少なくとも1種類の組合せ相手を含む組合せの作用は、組み合わせた薬剤の相加作用よりも大きい。さらに、本明細書に開示される組合せは、その組合せ相手の一方単独を用いた単剤療法に不応な疼痛を処置するのに使用することもできる。
よって、本発明は、同時使用、個別使用または逐次使用のための、少なくとも1種類AMPA受容体アンタゴニストと、少なくとも1つの組合せ相手〜からなる群から選択されるシクロオキシゲナーゼ阻害剤、バニロイド受容体アンタゴニスト、オピオイド、三環系抗鬱薬、抗痙攣薬、カテプシンS阻害剤およびGABAB受容体アゴニストからなる群から選択される少なくとも1種類の組合せ相手(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態または医薬上許容される塩の形態で存在する)と、場合により1種類の医薬上許容される担体とを含む組合せ製剤または医薬組成物などの組合せに関する。
「疼痛」とは、限定されるものではないが、特に神経因性疼痛に関する。
本明細書においてシクロオキシゲナーゼ阻害剤としては、限定されるものではないが、例えば、セレコキシブおよびロフェコキシブなどの特定のCOX−2阻害剤、ならびに例えば、アセチルサリチル酸およびプロピオン酸誘導体などの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が挙げられる。
本明細書において「三環系抗鬱薬」としては、限定されるものではないが、Anafranil(登録商標)、Asendin(登録商標)、Aventyl(登録商標)、Elavil(登録商標)、Endep(登録商標)、Norfranil(登録商標)、Norpramin(登録商標)、Pamelor(登録商標)、Sinequan(登録商標)、Surmontil(登録商標)、Tipramine(登録商標)、Tofranil(登録商標)、Vivactil(登録商標)およびTofranil−PM(登録商標)が挙げられる。
本明細書において「抗痙攣薬」としては、限定されるものではないが、オキシカルバゼピンおよびガバペンチンが挙げられる。
本明細書において「カテプシンS阻害剤」としは、限定されるものではないが、WO03/020287に開示されている化合物が挙げられる。
本明細書において「GABAB受容体アゴニスト」としては、限定されるものではないが、L−バクロフェンが挙げられる。
本明細書において「オピオイド」とは、モルヒネ様作用を有する天然および合成双方のあらゆる薬剤を指す。本発明に好適なオピオイドとしては、特に、アルフェンタニル(alfentanil)、アリルプロジン(allylprodine)、アルファプロジン(alphaprodine)、アニレリジン(anileridine)、ベンジルモルヒネ(benzylmorphine)、ベジトラミド(bezitramide)、ブプレノルフィン(buprenorphine)、ブトルファノール(butorphanol) 、クロニタゼン(clonitazene)、コデイン(codeine)、シクロルファン(cyclorphan)、デソモルヒネ(desomorphine)、デキストロモラミド(dextromoramide)、デゾシン(dezocine)、ジアンプロミド(diampromide)、ジヒドロコデイン(dihydrocodeine)、ジヒドロモルヒネ(dihydromorphine)、エプタゾシン(eptazocine)、エチルモルヒネ(ethylmorphine)、フェンタニル(fentanyl)、ヒドロコドン(hydrocodone)、ヒドロモルホン(hydromorphone)、ヒドロキシペチジン(hydroxypethidine)、レボフェナシルモルファン(levophenacylmorphane)、レボルファノール(levorphanol)、ロフェンタニル(lofentanil)、メチルモルヒネ(methylmorphine)、モルヒネ(morphine)、ネコモルヒネ(necomorphine)、ノルメタドン(normethadone)、ノルモルヒネ(normorphine) 、オピウム(opium)、オキシコドン(oxycodone)、オキシモルフォン(oxymorphone)、フォルコジン(pholcodine)、プロファドール(profadol)およびスフェンタニル(sufentanil)からなる群から選択される。
例えば、アルフェンタニルは、例えば、商品名Rapifen(商標)として市販されている形態で投与することができ;アリルプロジンは、例えば、商品名Alperidine(商標)として市販されている形態で投与することができ;アニレリジンは、例えば、商品名Leritine(商標)として市販されている形態で投与することができ;ベンジルモルヒネは、例えば、商品名Peronine(商標)として市販されている形態で投与することができ;ベジトラミドは、例えば、商品名Burgodin(商標)として市販されている形態で投与することができ;ブプレノルフィンは、例えば、商品名Buprenex(商標)として市販されている形態で投与することができ;ブトルファノールは、例えば、商品名Torate(商標)として市販されている形態で投与することができ;デキストロモラミドは、例えば、商品名Palfium(商標)として市販されている形態で投与することができ;デゾシンは、例えば、商品名Dalgan(商標)として市販されている形態で投与することができ;ジヒドロコデインは、例えば、商品名Novicodin(商標)として市販されている形態で投与することができ;ジヒドロモルヒネは、例えば、商品名Paramorphan(商標)として市販されている形態で投与することができ;エプタゾシンは、例えば、商品名Sedapain(商標)として市販されている形態で投与することができ;エチルモルヒネは、例えば、商品名Dionin(商標)として市販されている形態で投与することができ;フェンタニルは、例えば、商品名Fentanest(商標)またはLeptanal(商標)として市販されている形態で投与することができ;ヒドロコドンは、例えば、商品名Bekadid(商標)またはCalmodid(商標)として市販されている形態で投与することができ;ヒドロモルホンは、例えば、商品名Novolaudon(商標)として市販されている形態で投与することができ;ヒドロキシペチジンは、例えば、商品名Bemidone(商標)として市販されている形態で投与することができ;レボルファノールは、例えば、商品名Dromoran(商標)として市販されている形態で投与することができ;ノルメタドンは、例えば、商品名Ticarda(商標)として市販されている形態で投与することができ;オキシコドンは、例えば、商品名Dihydrone(商標)として市販されている形態で投与することができ;オキシモルホンは、例えば、商品名Numorphan(商標)として市販されている形態で投与することができる。
トピラメートは、例えば、商品名Topamax(商標)として市販されている形態で投与することができる。式Iの化合物ならびにそれらの製造方法およびその医薬組成物は、例えば、WO98/17672から既知である。
コード番号、一般名または商標により特定される有効成分の構造は、標準的な大要「メルク・インデックス」の現版または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)などのデータベースから入手することができる。対応するその内容は出典明示により本明細書の一部とする。当業者ならばこれらの参照に基づき、有効成分を確認することが十分できるとともに、それらを製造し、in vitroおよびin vivoの双方の標準的な試験モデルで医薬適応や特性を試験することができる。
本明細書において「組合せ製剤」とは、上記に定義したような第一および第二の有効成分が独立に、または特徴的な量の成分を含む種々の一定の組合せを用いて、すなわち、同時または異なる時点に投与することができるという意味で、特にパーツキットを定義する。次に、このパーツキットの各パーツは、例えば同時または順次交互に、すなわち異なる時点で、パーツキットの各パーツにつき等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。この時間間隔は、各パーツの組合せ使用において処置される疾病に対する作用が、それらの有効成分のいずれか1つ単独の使用により得られる作用よりも大きくなるように選択することが極めて好ましい。組合せ製剤で投与される有効成分1と有効成分2の総量の比率は、例えば、処置される患者の部分集団の要求、または一人の患者の要求に対処するために様々であってよく、この患者の要求は患者の年齢、性別、体重などによるものであり得る。例えば、第一および第二の有効成分の作用の相互増強などの少なくとも1つの有益な作用、特に、例えば相加作用を超える相乗作用、付加的な有利な作用、低い副作用、第一および第二の有効成分の一方または双方の有効でない用量での組合せ治療作用、特に、第一および第二の有効成分の強力な相乗作用が存在することが好ましい。
方法を述べる場合、有効成分とは医薬上許容される塩も含むことを意味するものと理解される。これらの有効成分が例えば少なくとも1つの塩基中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成し得る。また、所望により、付加的に提供された塩基中心を有する対応する酸付加塩を形成させることもできる。酸基(例えば、COOH)を有する有効成分も塩基を伴って塩を形成することができる。有効成分またはその医薬上許容される塩は水和物の形態で使用することもできるし、あるいは結晶化のために用いられる他の溶媒を含んでもよい。
少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、バニロイド受容体アンタゴニスト、オピオイド、三環系抗鬱薬、抗痙攣薬、カテプシンS阻害剤およびGABAB受容体アゴニストからなる群から選択される少なくとも1種類の組合せ相手を含む医薬組合せ(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または少なくとも1つの塩形成基が存在する場合には医薬上許容される塩の形態で存在する)は、以下、「本発明の組合せ」と呼ぶ。
驚くことに、本発明の組合せを投与すると、「本発明の組合せ」で使用される医薬上有効な成分の1つだけを適用する単剤療法に比べて有益な、特に、相乗作用、治療作用、またはその他の驚くべき有益な作用、例えば、低い副作用が得られる。
「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、自体公知の前臨床試験、例えば、実施例に記載の方法で明らかにすることができる。
「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、臨床試験で証明することもできる。このような臨床試験は、好ましくは、疼痛患者における無作為化二重盲検臨床試験である。このような試験は特に、「本発明の組合せ」の有効成分の相乗作用を証明する。疼痛に対する有益な作用は、これらの試験結果から直接、または自体当業者に公知の試験計画における変更により判定することができる。これらの試験は特に、有効成分を用いた単剤療法と「本発明の組合せ」の作用を比較するのに適している。
さらなる利点として、「本発明の組合せ」の有効成分をより低用量で使用可能であり、例えば、必要な用量が多くの場合で少なくなるだけでなく、適用頻度も少なくなり、あるいは副作用の発生をなくすためにも使用可能である。これは処置される患者の望みおよび要求に応じたものである。「本発明の組合せ」は特に、単剤療法に不応な疼痛の処置に使用可能である。
本発明の一実施形態では、本発明で使用されるAMPA受容体アンタゴニストは競合的AMPA受容体アンタゴニストである。
本発明のもう1つの実施形態では、AMPA受容体アンタゴニストは、EGIS 8332(7−アセチル−5−(4−アミノフェニル)−8,9−ジヒドロ−8−メチル−7H−1,3−ジオキソロ[4,5−h][2,3]ベンゾジアゼピン−8−カルボニトリル)、GYKI 47261 4−(7−クロロ−2−メチル−4H−3,10,10a−トリアザ−ベンゾ[f]アズレン−9−イル)−フェニルアミン)、イランパネル(irampanel)(BIIR 561;N,N−ジメチル−2−[2−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)フェノキシ]エタンアミン)、KRP 199(7−[4−[[[[(4−カルボキシフェニル)−アミノ]カルボニル]オキシ]メチル]−1H−イミダゾール−1−イル]−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−2−キノキサリンカルボン酸)、NS 1209(2−[[[5−[4−[(ジメチルアミノ)−スルホニル]フェニル]−1,2,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−8−メチル−2−オキソ−3H−ピロロ[3,2−h]イソキノリン−3−イリデン]アミノ]オキシ]−4−ヒドロキシ酪酸一ナトリウム塩、例えば、WO98/14447に記載されているように製造)、トピラメート(TOPAMAX、2,3:4,5−ビス−O−(1−メチル-エチリデン)−β−D−フルクトピラノーススルファメート、米国特許第535475号に記載されているように製造)、タランパネル(talampanel)(LY−300164、(R)−7−アセチル−5−(4−アミノフェニル)−8,9−ジヒドロ−8−メチル−7H−1,3−ジオキソロ[4,5−h][2,3]ベンゾ−ジアゼピン、例えば、EP492485に記載されているように製造)、YM90K(6−イミダゾール−1−イル−7−ニトロ−1,4−ジヒドロ−キノキサリン−2,3−ジオン)、S−34730(7−クロロ−6−スルファモイル−2−(1H)−キノリノン−3−ホスホン酸)、ゾナンパネル(Zonampanel)(YM−872;(7−イミダゾール−1−イル−6−ニトロ−2,3−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イル)−酢酸)、GYKI−52466(4−(8−メチル−9H−1,3−ジオキサ−6,7−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−5−イル)−フェニルアミン)、ZK−200775(MPQX、(7−モルホリン−4−イル−2,3−ジオキソ−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノキサリン−1−イルメチル)−ホスホン酸)、CP−465022(3−(2−クロロ−フェニル)−2−[2−(6−ジエチルアミノメチル−ピリジン−2−イル)−ビニル]−6−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン)、SYM−2189(4−(4−アミノ−フェニル)−6−メトキシ−1−メチル−1H−フタラジン−2−カルボン酸プロピルアミド)、SYM−2206(8−(4−アミノ−フェニル)−5−メチル−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−g]フタラジン−6−カルボン酸プロピルアミド、RPR−117824((4−オキソ−2−ホスホノ−5,10−ジヒドロ−4H−イミダゾ[1,2−a]インデノ[1,2−e]ピラジン−9−イル)−酢酸)、LY−293558(6−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチル]−デカヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸)、および1,2,3,4−テトラヒドロ−7−ニトロ−2,3−ジオキソ−5−キノキサリニル)メチル]アミノ]メチル]ホスホン酸脱水物から選択される。
本発明の1つの目的は、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、バニロイド受容体アンタゴニスト、オピオイド、三環系抗鬱薬、抗痙攣薬、カテプシンS阻害剤およびGABAB受容体アゴニストからなる群から選択される少なくとも1種類の組合せ相手と、少なくとも1種類の医薬上許容される担体とを含み、疼痛に対して併せて治療上有効な量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物では、第一および第二の有効成分は、1つの組合せ単位投与形で、または2つの別個の単位投与形で、一緒に、または一方の後に他方を、または個別に投与することができる。この単位投与形はまた、一定の組合せであってもよい。
本発明の医薬組成物は、自体公知の方法により製造することができ、ヒトを含む哺乳類(温血動物)への腸内投与(経口投与または直腸投与など)および非経口投与に好適なものであり、治療上有効な量の少なくとも1種類の薬理有効成分を単独または特に腸内適用または非経口適用に好適な1種類以上の医薬上許容される担体と組み合わせて製造することができる。本発明の投与形の好ましい投与経路は経口である。
新規な医薬組成物は例えば、約10%〜約100%、好ましくは約20%〜約60%の有効成分を含む。腸内投与または非経口投与のための併用療法用の医薬製剤は、例えば、糖衣剤、錠剤、カプセル剤または坐剤、さらにはアンプルなどの単位投与形である。特に断りのない限り、これらは、例えば、通常の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程などにより、自体公知の方法で製造することができる。必要な有効量は複数の投与単位の投与によって達成され得るので、各投与形の個々の用量に含まれる単独有効成分または複数有効成分の単位含量はそれ自体で有効量とならなくてもよいと考えられる。
経口投与形のための組成物の製造においては、例えば、水、グリコール、油またはアルコールなどの通常の医薬媒体;または例えば散剤、カプセル剤および錠剤などの経口固形製剤の場合には、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤などの担体、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのいずれを用いてもよい。投与が簡単なため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口単位投与形であり、この場合には、明らかに固形医薬担体が、用いられる。
さらに、本発明は、疼痛の処置用薬剤の製造のための「本発明の組合せ」に使用に関する。
加えて、本発明は疼痛を有する温血動物を処置する方法を提供し、その方法は、動物に「本発明の組合せ」を疼痛に対して併せて治療上有効な量で投与することを含み、ここでこれらの化合物はまたそれらの医薬上許容される塩の形態で存在してもよい。
さらに、本発明は、有効成分としての「本発明の組合せ」を、疼痛の処置におけるその同時、個別または逐次使用に関する説明書とともに含む市販パッケージを提供する。
特に、「本発明の組合せ」の治療上有効な量の各有効成分は、同時に、または任意の順序で逐次に投与してもよく、これらの成分は個別にまたは一定の組合せとして投与してもよい。例えば、本発明の疾病の処置方法は、(i)第一の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で投与すること、および(ii)第二の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で、併せて治療上有効な量、好ましくは相乗作用的に有効な量、例えば本明細書に記載の量に相当する一日量で、同時または任意の順序で逐次に投与することを含み得る。「本発明の組合せ」の個々の有効成分は治療過程の異なる時点で個別に投与することもできるし、あるいは分割された、または単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。さらに、投与するとはまた、in vivoで有効成分に変換する有効成分のプロドラッグの使用も包含する。よって、本発明は、このような同時処置および交互処置の全てを包含し、「投与する」も相応に解釈されるものと理解される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、「本発明の組合せ」は単剤療法に不応な疼痛の処置に使用される。
「本発明の組合せ」に使用される各有効成分の有効用量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置する状態の重篤度によって異なる。よって、「本発明の組合せ」の投与計画は、投与経路および患者の腎機能や肝機能を含む様々な因子に応じて選択される。熟練した医師、臨床家または獣医ならば、その状態の進行を抑制、対抗または中止するのに必要な単一の有効成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なく効力をもたらす範囲内の有効成分濃度を達成することを最適に精密化するには、標的部位に対する有効成分のアベイラビリティーの動態に基づいた計画が必要である。これには有効成分の分布、平衡および排泄の考慮が含まれる。
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
特に、トピラメートは、成人患者に対して約250〜約500mgの間の総一日量で投与することができる。
「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、次のような「慢性神経因性疼痛モデル」などの前臨床モデルで証明することができる。ウィスターラットをエンフルランで麻酔し、一方の大腿の中央を小さく切開して坐骨神経を露出させる。神経から結合組織を取り除き、その神経の厚みの背側1/3〜1/2が結紮内に収まるようにしっかり結紮する。筋肉と皮膚を縫合糸およびクリップで閉じ、傷口に抗生物質粉末を付ける。この施術により、機械的痛覚過敏がもたらされ、2〜3以内に発症し、少なくとも4週間持続する。機械的痛覚過敏は、同側(結紮)と対側(結紮なし)双方で、アナルゲシメーター(analgesymeter)(Ugo-Basile)をくさび型探針(面積1.75mm2)とともに用い、カットオフ閾値を250gとして脚にかける圧力を高め、脚の払いのけ閾値を測定することにより評価する。エンドポイントを疼痛応答の最初の徴候(もがく、鳴く、または脚を払いのける)とする。痛覚過敏は同側と対側の払いのけ閾値の違いにより示される。確立された痛覚過敏の、化合物の投与による逆転を、術後12〜14日目に各処置群6個体の動物を用いて測定する。
基本的に、4つの処置群を設ける。
1)溶媒、次いで、溶媒
2)溶媒前処置、次いで、組合せ相手
3)AMPA受容体アンタゴニスト、次いで、溶媒
4)「本発明の組合せ」(各有効成分は低用量)
薬剤または溶媒の投与前と薬剤または溶媒を投与して6時間後までに脚の払いのけ閾値を測定する。統計分析は払いのけ閾値の測定値に対し、薬剤処置動物と時間を合わせたビヒクル処置動物を含むANOVAと、その後のTukeyのHSD検定を用いて行う。
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
統合失調症のための組合せ
本発明はまた、精神/神経疾患、特に、統合失調症の処置に好適な組合せに関する。
驚くことに、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、(a)バルビタール酸塩およびその誘導体、ベンゾジアゼピン、カルボキサミド、ヒダントイン、スクシンイミド、バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体、ならびにその他の抗癲癇薬から選択される抗癲癇薬、(b)定型抗精神病薬、および(c)非定型抗精神病薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む組合せの作用は、組み合わせた薬剤の相加作用よりも大きい。さらに、本明細書に開示される組合せは、その組合せ相手の一方単独を用いた単剤療法に不応な統合失調症を処置するのに使用することもできる。
よって、本発明は、同時使用、個別使用または逐次使用のための、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、(a)バルビタール酸塩およびその誘導体、ベンゾジアゼピン、カルボキサミド、ヒダントイン、スクシンイミド、バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体、ならびにその他の抗癲癇薬から選択される抗癲癇薬、(b)定型抗精神病薬、および(c)非定型抗精神病薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態または医薬上許容される塩の形態で存在する)と、場合により1種類の医薬上許容される担体とを含む組合せ製剤または医薬組成物などの組合せに関する。
本明細書において「バルビタール酸塩およびその誘導体」としては、限定されるものではないが、フェノバルビタール、ペントバルビタール、メポバルビタールおよびプリミドンが挙げられる。本明細書において「ベンゾジアゼピン」としては、限定されるものではないが、クロナゼパム、ジアゼパムおよびロラゼパムが挙げられる。本明細書において「カルボキサミド」としては、限定されるものではないが、カルバマゼピン、オキシカルバゼピン、10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロカルバマゼピンおよび式(II)
(式中、R
1’はC
1−C
3アルキルカルボニルを示す)の化合物が挙げられる。本明細書において「ヒダントイン」としては、限定されるものではないが、フェニトインが挙げられる。本明細書において「スクシンイミド」としては、限定されるものではないが、エトスクシミド、フェンスクシミドおよびメスクシミドが挙げられる。本明細書において「バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体」としては、限定されるものではないが、バルプロ酸ナトリウム塩、塩酸チアガビン一水和物およびビガバトリンが挙げられる。本明細書において「その他の抗癲癇薬」としては、限定されるものではないが、レベチラセタム、ラモトリジン、ガバペンチン、スルチアム、フェルバメート、EP 114 347に開示されている1,2,3−1H−トリアゾールおよびWO99/28320に開示されている2−アリール−8−オキソジヒドロプリンが挙げられる。
本明細書において「定型抗精神病薬」としては、限定されるものではないが、ハロペリドール(haloperidol)、フルフェナジン(fluphenazine)、チオチキセン(thiotixene)およびフルペンチキソール(flupentixol)が挙げられる。
本明細書において「非定型抗精神病薬」としては、クロザリル(clozaril)、リスペリドン(risperidone)、オランザピン(olanzapine)、クエチアピン(quetiapine)、ジプラシドン(ziprasidone)およびアリピプラゾール(aripiprazol)が挙げられる。
コード番号、一般名または商標およびそれらの製造方法により特定される有効成分の構造は、標準的な大要「メルク・インデックス」(例えば、M. J. O'Neil et al., ed., ‘The Merck Index’, 13th ed., Merck Research Laboratories, 2001)の現版または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)などのデータベースから入手することができる。対応するその内容は出典明示により本明細書の一部とする。当業者ならばこれらの参照に基づき、有効成分を確認することが十分できるとともに、それらを製造し、in vitroおよびin vivoの双方の標準的な試験モデルで医薬適応や特性を試験することができる。
フェノバルビタールは、例えば、商品名Luminal(商標)として市販されている形態で投与することができる。プリミドンは、例えば、商品名Mylepsinum(商標)として市販されている形態で投与することができる。クロナゼパムは、例えば、商品名Antelepsin(商標)として市販されている形態で投与することができる。ジアゼパムは、例えば、商品名Diazepam Desitin(商標)として市販されている形態で投与することができる。ロラゼパムは、例えば、商品名Tavor(商標)として市販されている形態で投与することができる。カルバマゼピンは、例えば、商品名Tegretal(商標)またはTegretol(商標)として市販されている形態で投与することができる。オキシカルバゼピンは、例えば、商品名Trileptal(商標)として市販されている形態で投与することができる。オキシカルバゼピンは、文献から周知である[例えば、Schuetz H. et al., Xenobiotiva (GB), 16(8), 769-778 (1986)参照]。R1’がC1−C3アルキルカルボニルである式IIの化合物の製造およびその医薬上許容される塩は、例えば、米国特許第5,753,646号に記載されている。10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロカルバマゼピンは、例えば、米国特許第3,637,661号に開示されているように製造することができる。10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロカルバマゼピンは、米国特許第6,316,417号に記載されている形態で投与することができる。フェニトインは、例えば、商品名Epanutin(商標)として市販されている形態で投与することができる。エトスクシミドは、商品名Suxinutin(商標)として市販されている形態で投与することができる。メスクシミドは、例えば、商品名Petinutin(商標)として市販されている形態で投与することができる。バルプロ酸ナトリウム塩は、例えば、商品名Leptilan(商標)として市販されている形態で投与することができる。塩酸チアガビン一水和物は、例えば、商品名Gabitril(商標)として市販されている形態で投与することができる。ビガバトリンは、例えば、商品名Sabril(商標)として市販されている形態で投与することができる。レベチラセタムは、例えば、商品名Keppra(商標)として市販されている形態で投与することができる。ラモトリジンは、例えば、商品名Lamictal(商標)として市販されている形態で投与することができる。ガバペンチンは、例えば、商品名Neurontin(商標)として市販されている形態で投与することができる。スルチアムは、例えば、商品名Ospolot(商標)として市販されている形態で投与することができる。フェルバメートは、例えば、商品名Taloxa(商標)として市販されている形態で投与することができる。トピラメートは、例えば、商品名Topamax(商標)として市販されている形態で投与することができる。EP 114 347に開示されている1,2,3−1H−トリアゾールは、例えば、米国特許第6,455,556号に記載の形態で投与することができる。WO99/28320に開示されている2−アリール−8−オキソジヒドロプリンは、例えば、WO99/28320に記載されている形態で投与することができる。ハロペリドールは、例えば、商品名Haloperidol STADA(商標)として市販されている形態で投与することができる。フルフェナジンは、商品名Prolixin(商標)として市販されているその二塩酸の形態で投与することができる。チオチキセンは、例えば、商品名Navane(商標)として市販されている形態で投与することができる。チオチキセンは、例えば、米国特許第3,310,553号に記載されているように製造することができる。フルペンチキソールは、例えば、商品名Emergil(商標)として市販されているその二塩酸塩の形態で、または商品名Depixol(商標)として市販されているそのデカン酸塩の形態で投与することができる。フルペンチキソールは、例えば、BP 925,538に記載されているように製造することができる。クロザリルは、例えば、商品名Leponex(商標)として市販されている形態で投与することができる。クロザリルは、例えば、米国特許第3,539,573号に記載されているように製造することができる。リスペリドンは、例えば、商品名Risperdal(商標)として市販されている形態で投与することができる。オランザピンは、例えば、商品名Zyprexa(商標)として市販されている形態で投与することができる。クエチアピンは、例えば、商品名Seroquel(商標)として市販されている形態で投与することができる。ジプラシドンは、例えば、商品名Geodon(商標)として市販されている形態で投与することができる。ジプラシドンは、例えば、GB 281,309に記載されているように製造することができる。アリピラゾールは、例えば、商品名Abilify(商標)として市販されている形態で投与することができる。アリピラゾールは、例えば、米国特許第5,006,528号に記載されているように製造することができる。トピラメートは、例えば、商品名Topamax(商標)として市販されている形態で投与することができる。式Iの化合物ならびにそれらの製造方法およびその医薬組成物は、例えば、WO98/17672から既知である。
本明細書において「組合せ製剤」とは、上記に定義したような第一および第二の有効成分が独立に、または特徴的な量の成分を含む種々の一定の組合せを用いて、すなわち、同時または異なる時点に投与することができるという意味で、特にパーツキットを定義する。次に、このパーツキットの各パーツは、例えば同時または順次交互に、すなわち異なる時点で、パーツキットの各パーツにつき等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。この時間間隔は、各パーツの組合せ使用において処置される疾病に対する作用が、それらの有効成分のいずれか1つ単独の使用により得られる作用よりも大きくなるように選択することが極めて好ましい。組合せ製剤で投与される有効成分1と有効成分2の総量の比率は、例えば、処置される患者の部分集団の要求、または一人の患者の要求に対処するために様々であってよく、この患者の要求は患者の年齢、性別、体重などによるものであり得る。例えば、第一および第二の有効成分の作用の相互増強などの少なくとも1つの有益な作用、特に、例えば相加作用を超える相乗作用、付加的な有利な作用、低い副作用、第一および第二の有効成分の一方または双方の有効でない用量での組合せ治療作用、特に、第一および第二の有効成分の強力な相乗作用が存在することが好ましい。
方法を述べる場合、有効成分とは医薬上許容される塩も含むことを意味するものと理解される。これらの有効成分が例えば少なくとも1つの塩基中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成し得る。また、所望により、付加的に提供された塩基中心を有する対応する酸付加塩を形成させることもできる。酸基(例えば、COOH)を有する有効成分も塩基を伴って塩を形成することができる。有効成分またはその医薬上許容される塩は水和物の形態で使用することもできるし、あるいは結晶化のために用いられる他の溶媒を含んでもよい。
少なくとも1種類のAMPAアンタゴニストと、(a)バルビタール酸塩およびその誘導体、ベンゾジアゼピン、カルボキサミド、ヒダントイン、スクシンイミド、バルプロ酸およびその他の脂肪酸誘導体、ならびにその他の抗癲癇薬から選択される抗癲癇薬、(b)定型抗精神病薬、および(c)非定型抗精神病薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む医薬組合せ(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または少なくとも1つの塩形成基が存在する場合には医薬上許容される塩の形態で存在する)は、以下、「本発明の組合せ」と呼ぶ。
驚くことに、本発明の組合せを投与すると、「本発明の組合せ」で使用される医薬上有効な成分の1つだけを適用する単剤療法に比べて有益な、特に、相乗作用、治療作用、またはその他の驚くべき有益な作用、例えば、低い副作用が得られる。
「本発明の組合せ」の抗精神病性の効力は、例えば、自体公知の前臨床試験、例えば、本明細書に記載の方法で明らかにすることができる。
「本発明の組合せ」の抗精神病性の効力は、例えば、アンフェタミン誘導性の歩行運動亢進試験などの標準的な試験で示される。アンフェタミン誘導性の歩行運動亢進の阻害は、抗統合失調症活性のスクリーニング範例として周知のものである。
雄のラットを使用する。基本的に次の4つの処置群を設ける。
1)歩行活動に対するAMPA受容体アンタゴニストの作用を調べるための、AMPA受容体アンタゴニスト、次いで溶媒2および溶媒3
2)歩行活動に対する組合せ相手の作用を調べるための、溶媒1、組合せ相手および溶媒3
3)歩行活動亢進の誘導を調べるための、溶媒1、溶媒2、次いでアンフェタミン
4)AMPA受容体アンタゴニスト、次いで溶媒2およびアンフェタミン
5)溶媒1、次いで組合せ相手およびアンフェタミン
6)「本発明の組合せ」(各有効成分の用量は閾値付近の用量)、次いで溶媒3
7)「本発明の組合せ」(各有効成分の用量は閾値付近の用量)、次いでアンフェタミン
8)溶媒1−溶媒2−溶媒3
ラットをこれらの前処置群に無作為に割り付ける(n=10/投与群)。薬剤をSDZ 220−581の15分前に皮下投与(s.c.)する。動物にアンフェタミンを投与した後すぐに活動モニターに60分間乗せる。最初の30分間の歩行活動を分析する。
組合せ相手の各有効成分の閾値用量を用いる。アンフェタミンは1mg/kg(皮下)で投与する。歩行運動をビデオシステムに録画する。動物を標準的な12/12時間昼夜周期に置き、6時に光を当てる。試験は7時から15時の間、薄光室で行う。動物をグレーのポリ塩化ビニルプラスチック製の円台(直径42cm、高さ32cm)に乗せる。4匹(各台1匹ずつ)が同時に録画できるようにカメラを設置する。
群間の比較はボンフェローニの方法を用い、多重検定として補正し、スチューデントのt検定を行う。
さらに、「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、臨床試験で証明することもできる。このような臨床試験は、好ましくは、統合失調症患者における無作為化二重盲検臨床試験である。このような試験は特に、「本発明の組合せ」の有効成分の相乗作用を証明する。統合失調症癲癇に対する有益な作用は、これらの試験結果から直接、または自体当業者に公知の試験計画における変更により判定することができる。これらの試験は特に、有効成分を用いた単剤療法と「本発明の組合せ」の作用を比較するのに適している。
「本発明の組合せ」は、特に、統合失調症および/または精神病の陽性状態、陰性状態、気分症状および/または認知症状の処置に利益をもたらす。さらに、「本発明の組合せ」のいくつかは、統合失調症患者の衝動的および/または暴力的行動の制御にも有益な作用を示す。
さらなる利点として、「本発明の組合せ」の有効成分をより低用量で使用可能であり、例えば、必要な用量が多くの場合で少なくなるだけでなく、適用頻度も少なくなり、あるいは副作用の発生をなくすためにも使用可能である。これは処置される患者の望みおよび要求に応じたものである。「本発明の組合せ」は特に、単剤療法に不応な統合失調症の処置に使用可能である。
本発明の1つの目的は、少なくとも1種類のAMPAアンタゴニストと、上記に明示した群から選択される少なくとも1種類の化合物と、少なくとも1種類の医薬上許容される担体とを含み、統合失調症に対して併せて治療上有効な量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物では、第一および第二の有効成分は、1つの組合せ単位投与形で、または2つの別個の単位投与形で、一緒に、または一方の後に他方を、または個別に投与することができる。この単位投与形はまた、一定の組合せであってもよい。
本発明の医薬組成物は、自体公知の方法により製造することができ、ヒトを含む哺乳類(温血動物)への腸内投与(経口投与または直腸投与など)および非経口投与に好適なものであり、治療上有効な量の少なくとも1種類の薬理有効成分を単独または特に腸内適用または非経口適用に好適な1種類以上の医薬上許容される担体と組み合わせて製造することができる。本発明の投与形の好ましい投与経路は経口である。
新規な医薬組成物は例えば、約10%〜約100%、好ましくは約20%〜約60%の有効成分を含む。腸内投与または非経口投与のための併用療法用の医薬製剤は、例えば、糖衣剤、錠剤、カプセル剤または坐剤、さらにはアンプルなどの単位投与形である。特に断りのない限り、これらは、例えば、通常の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程などにより、自体公知の方法で製造することができる。必要な有効量は複数の投与単位の投与によって達成され得るので、各投与形の個々の用量に含まれる単独有効成分または複数有効成分の単位含量はそれ自体で有効量とならなくてもよいと考えられる。
経口投与形のための組成物の製造においては、例えば、水、グリコール、油またはアルコールなどの通常の医薬媒体;または例えば散剤、カプセル剤および錠剤などの経口固形製剤の場合には、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤などの担体、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのいずれを用いてもよい。投与が簡単なため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口単位投与形であり、この場合には、明らかに固形医薬担体が、用いられる。
さらに、本発明は、統合失調症の処置用薬剤の製造のための「本発明の組合せ」に使用に関する。
加えて、本発明は統合失調症を有する温血動物を処置する方法を提供し、その方法は、動物に「本発明の組合せ」を統合失調症に対して併せて治療上有効な量で投与することを含み、ここでこれらの化合物はまたそれらの医薬上許容される塩の形態で存在してもよい。
さらに、本発明は、有効成分としての「本発明の組合せ」を、統合失調症の処置におけるその同時、個別または逐次使用に関する説明書とともに含む市販パッケージを提供する。
特に、「本発明の組合せ」の治療上有効な量の各有効成分は、同時に、または任意の順序で逐次に投与してもよく、これらの成分は個別にまたは一定の組合せとして投与してもよい。例えば、本発明の統合失調症の処置方法は、(i)第一の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で投与すること、および(ii)第二の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で、併せて治療上有効な量、好ましくは相乗作用的に有効な量、例えば本明細書に記載の量に相当する一日量で、同時または任意の順序で逐次に投与することを含み得る。「本発明の組合せ」の個々の有効成分は治療過程の異なる時点で個別に投与することもできるし、あるいは分割された、または単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。さらに、投与するとはまた、in vivoで有効成分に変換する有効成分のプロドラッグの使用も包含する。よって、本発明は、このような同時処置および交互処置の全てを包含し、「投与する」も相応に解釈されるものと理解される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、「本発明の組合せ」は単剤療法に不応な統合失調症の処置に使用される。
「本発明の組合せ」に使用される各有効成分の有効用量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置する状態の重篤度によって異なる。よって、「本発明の組合せ」の投与計画は、投与経路および患者の腎機能や肝機能を含む様々な因子に応じて選択される。熟練した医師、臨床家または獣医ならば、その状態の進行を抑制、対抗または中止するのに必要な単一の有効成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なく効力をもたらす範囲内の有効成分濃度を達成することを最適に精密化するには、標的部位に対する有効成分のアベイラビリティーの動態に基づいた計画が必要である。これには有効成分の分布、平衡および排泄の考慮が含まれる。
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
特に、ペントバルビタールは、成人患者に対して約1〜約3mg/kg体重の間の総一日量で、また、小児患者に対して約3〜約4mg/kg体重の間の総一日量で、2単位に分けて投与することができる。
プリミドンは、成人患者および少なくとも9歳の小児に対して0.75〜1.5gの総一日量で投与することができる。
クロナゼパムは、成人患者に対して約3〜約8mgの総一日量で、また、小児患者に対して約0.5〜約3mgの間の総一日量で、3〜4単位に分けて投与することができる。
ジアゼパムは、成人患者に対して約5〜約10mgの間の総一日量で、また、小児患者に対して約5〜約10mgの間の総一日量で投与することができる。
ロラゼパムは、成人患者に対して約0.044mg/kg体重〜約0.05mg/kg体重の間の総一日量で投与することができる。
カルバマゼピンは、成人患者に対して約600〜約2000mgの間の総一日量で、また、6歳を超える小児患者に対して約400〜約600mgの間の総一日量で投与することができる。
オキシカルバゼピンは、成人患者に対して約600〜約2400mgの間の総一日量で、また、小児患者に対して約30〜約46mg/kg体重の総一日量で投与することができる。
フェニトインは、成人患者に対して約100〜約300mgの間の総一日量で、また、小児患者に対して約100〜約200mgの間の総一日量で投与することができる。
エトスクシミドは、成人患者に対して約15mg/kg体重の総一日量で、また、小児患者に対して約20mg/kg体重の総一日量で投与することができる。
バルプロ酸ナトリウム塩は、成人患者に対して約20mg/kg体重の総一日量で、また、小児患者に対して約30mg/kg体重の総一日量で投与することができる。
塩酸チアガビン一水和物は、成人患者に対して約15〜約70mgの間の総一日量で投与することができる。
ビガバトリンは、成人患者に対して約2〜約3gの間の総一日量で投与することができる。
レベチラセタムは、16歳を超える患者に対して約1000〜約3000mgの間の総一日量で投与することができる。
ラモトリジンは、12歳を超える患者に対して約100〜約200mgの間の総一日量で投与することができる。
ガバペンチンは、患者に対して約900〜約2400mgの間の総一日量で投与することができる。
スルチアムは、患者に対して約5〜約10mg/kg体重の間の総一日量で投与することができる。
フェルバメートは、14歳を超える患者に対して約2400〜約3600mgの間の総一日量で投与することができる。
トピラメートは、成人患者に対して約250〜約500mgの間の総一日量で投与することができる。
クロザリルは、成人患者に対して約300〜約900mgの間の総一日量で投与することができる。
ハロペリドールは、患者に対して約2.5〜約30mgの間の総一日量で投与することができる。
オランザピンは、患者に対して約2.5〜約20mgの間の総一日量で投与することができる。
クエチアピンは、患者に対して約500〜約600mgの間の総一日量で投与することができる。
リスペリドンは、患者に対して約2〜約6mgの間の総一日量で投与することができる。
{[(7−ニトロ−2,3−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−5−イルメチル)−アミノ]−メチル}−ホスホン酸は、患者に対して約60〜約400mgの間の総一日量で投与することができる。
タランパネルは、患者に対して25〜約75mgの間の総一日量で投与することができる。
耳鳴のための組合せ
本発明はまた、神経疾患、特に耳鳴の処置に好適な組合せに関する。
耳鳴は、耳または頭内の喘鳴、ブンブンいう音、クリック音、ホイッスル音、シューという音、または高いベル音を表す医学用語である。耳鳴は片耳または両耳に持続的または間欠的に起こり得る。どのようにして耳鳴が起こるかには多くの理論があり、その起源に関する科学的コンセンサスはまだない。耳鳴には頭部強打、多量のアスピリン、貧血、騒音、ストレス、耳垢の詰まり、高血圧症およびある種の投薬および腫瘍から起こる。
驚くことに、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、抗不安薬、抗鬱薬、抗ヒスタミン薬、抗痙攣薬、血管拡張薬、亜鉛塩および麻酔薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む組合せの作用は、組み合わせた薬剤の相加作用よりも大きい。さらに、本明細書に開示される組合せは、その組合せ相手の一方単独を用いた単剤療法に不応な耳鳴を処置するのに使用することもできる。
よって、本発明は、同時使用、個別使用または逐次使用のための、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、抗不安薬、抗鬱薬、抗ヒスタミン薬、抗痙攣薬、血管拡張薬、亜鉛塩および麻酔薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態または医薬上許容される塩の形態で存在する)と、場合により1種類の医薬上許容される担体とを含む組合せ製剤または医薬組成物などの組合せに関する。
本明細書において「抗不安薬」としては、限定されるものではないが、アルプラゾラム(alprazolam)が挙げられる。
本明細書において「抗鬱薬」としては、限定されるものではないが、ノルトリプチリン(nortriptylin)(N−メチル−3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプタン−5−イリデン)プロピルアミン)が挙げられる。
本明細書において「抗痙攣薬」としては、限定されるものではないが、オキシカルバゼピン(oxcarbazepin)が挙げられる。
本明細書において「麻酔薬 」としては、限定されるものではないが、リドカイン(lidocaine)が挙げられる。
本明細書において「血管拡張薬」としては、限定されるものではないが、ペントキシフィリン(pentoxifylline)が挙げられる。
本明細書において「亜鉛塩」としては、限定されるものではないが、硫酸亜鉛が挙げられる。
トピラメートは、例えば、商品名Topamax(商標)として市販されている形態で投与することができる。式Iの化合物ならびにそれらの製造方法およびそれらの医薬組成物は、例えば、WO98/17672から既知である。アルプラゾラムは、例えば、商品名Xanax(商標)として市販されている形態で投与することができる。ノルトリプチリンは、例えば、商品名Nortrilen(商標)として市販されている形態で投与することができる。オキシカルバゼピンは、例えば、商品名Trileptal(商標)として市販されている形態で投与することができる。リドカインは、例えば、商品名Heweneural(商標)として、例えば、注射溶液として市販されている形態で、その塩酸塩の形態で投与することができる。硫酸亜鉛は、例えば、商品名Zink−Sandoz(商標)として市販されている形態で投与することができる。ペントキシフィリンは、例えば、商品名Trental(商標)として市販されている形態で投与することができる。
コード番号、一般名または商標により特定される有効成分の構造は、標準的な大要「メルク・インデックス」の現版または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)などのデータベースから入手することができる。対応するその内容は出典明示により本明細書の一部とする。当業者ならばこれらの参照に基づき、有効成分を確認することが十分できるとともに、それらを製造し、in vitroおよびin vivoの双方の標準的な試験モデルで医薬適応や特性を試験することができる。
本明細書において「組合せ製剤」とは、上記に定義したような第一および第二の有効成分が独立に、または特徴的な量の成分を含む種々の一定の組合せを用いて、すなわち、同時または異なる時点に投与することができるという意味で、特にパーツキットを定義する。次に、このパーツキットの各パーツは、例えば同時または順次交互に、すなわち異なる時点で、パーツキットの各パーツにつき等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。この時間間隔は、各パーツの組合せ使用において処置される疾病に対する作用が、それらの有効成分のいずれか1つ単独の使用により得られる作用よりも大きくなるように選択することが極めて好ましい。組合せ製剤で投与される有効成分1と有効成分2の総量の比率は、例えば、処置される患者の部分集団の要求、または一人の患者の要求に対処するために様々であってよく、この患者の要求は患者の年齢、性別、体重などによるものであり得る。例えば、第一および第二の有効成分の作用の相互増強などの少なくとも1つの有益な作用、特に、例えば相加作用を超える相乗作用、付加的な有利な作用、低い副作用、第一および第二の有効成分の一方または双方の有効でない用量での組合せ治療作用、特に、第一および第二の有効成分の強力な相乗作用が存在することが好ましい。
方法を述べる場合、有効成分とは医薬上許容される塩も含むことを意味するものと理解される。これらの有効成分が例えば少なくとも1つの塩基中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成し得る。また、所望により、付加的に提供された塩基中心を有する対応する酸付加塩を形成させることもできる。酸基(例えば、COOH)を有する有効成分も塩基を伴って塩を形成することができる。有効成分またはその医薬上許容される塩は水和物の形態で使用することもできるし、あるいは結晶化のために用いられる他の溶媒を含んでもよい。
少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと、抗不安薬、抗鬱薬、抗ヒスタミン薬、抗痙攣薬、血管拡張薬、亜鉛塩および麻酔薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む医薬組合せ(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または少なくとも1つの塩形成基が存在する場合には医薬上許容される塩の形態で存在する)は、以下、「本発明の組合せ」と呼ぶ。
驚くことに、本発明の組合せを投与すると、「本発明の組合せ」で使用される医薬上有効な成分の1つだけを適用する単剤療法に比べて有益な、特に、相乗作用、治療作用、またはその他の驚くべき有益な作用、例えば、低い副作用が得られる。
「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、自体公知の前臨床試験、例えば、本明細書に記載の方法で明らかにすることができる。
「本発明の組合せ」の耳鳴における活性は、標準的な試験、例えば、サリチル酸誘導耳鳴モデルで示すことができる。
慢性的にサリチル酸塩に曝されると、ラットの下丘(IC)でグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)の発現のアップレギュレーションが起こり、これが耳鳴の発生に関連していることが示されている[C.A. Bauer et al., Hearing Research 147 (2000) 175-182]。
さらに、パッチクランプ記録法を用いた聴覚ニューロンからの電気生理学的記録[D. Peruzzi et al. Neuroscience 101 (2000) 403-416, X. Lin et al., Journal of Neurophysiology 79 (1998) 2503-2512]および単一ニューロン記録[J.J. Eggermont and M. Kenmochi, Hearing Research 117 (1998) 149-160]によれば、サリチル酸塩およびキニーネ処置の後にニューロンの興奮性が変化することが示されている。
サリチル酸塩またはキニーネを投与すると、細胞外電気生理学的記録法により測定される聴覚ニューロンの発火率に上昇が起こった。in vitro電気生理学的記録法を用い、サリチル酸塩を注入すると、記録されたニューロンの興奮性が上昇する。「本発明の組合せ」を約1nM〜100μMの濃度で投与すると、これらのサリチル酸塩の作用は逆転した。
さらに、「本発明の組合せ」の薬理活性は、例えば、臨床試験で証明することもできる。このような臨床試験は、好ましくは、耳鳴患者における無作為化二重盲検臨床試験である。このような試験は特に、「本発明の組合せ」の有効成分の相乗作用を証明する。耳鳴に対する有益な作用は、これらの試験結果から直接、または自体当業者に公知の試験計画における変更により判定することができる。これらの試験は特に、有効成分を用いた単剤療法と「本発明の組合せ」の作用を比較するのに適している。
さらなる利点として、「本発明の組合せ」の有効成分をより低用量で使用可能であり、例えば、必要な用量が多くの場合で少なくなるだけでなく、適用頻度も少なくなり、あるいは副作用の発生をなくすためにも使用可能である。これは処置される患者の望みおよび要求に応じたものである。「本発明の組合せ」は特に、単剤療法に不応な耳鳴の処置に使用可能である。
本発明の1つの目的は、少なくとも1種類のAMPAアンタゴニストと、抗不安薬、抗鬱薬、抗ヒスタミン薬、抗痙攣薬、血管拡張薬、亜鉛塩および麻酔薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態、または少なくとも1つの塩形成基が存在する場合には医薬上許容される塩の形態で存在する)と、場合により少なくとも1種類の医薬上許容される担体とを含み、耳鳴に対して併せて治療上有効な量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物では、第一および第二の有効成分は、1つの組合せ単位投与形で、または2つの別個の単位投与形で、一緒に、または一方の後に他方を、または個別に投与することができる。この単位投与形はまた、一定の組合せであってもよい。
本発明の医薬組成物は、自体公知の方法により製造することができ、ヒトを含む哺乳類(温血動物)への腸内投与(経口投与または直腸投与など)および非経口投与に好適なものであり、治療上有効な量の少なくとも1種類の薬理有効成分を単独または特に腸内適用もしくは非経口適用または耳鳴を示す耳内への局所適用に好適な1種類以上の医薬上許容される担体と組み合わせて製造することができる。本発明の投与形の好ましい投与経路は経口である。
新規な医薬組成物は例えば、約10%〜約100%、好ましくは約20%〜約60%の有効成分を含む。腸内投与または非経口投与のための併用療法用の医薬製剤は、例えば、糖衣剤、錠剤、カプセル剤または坐剤、さらにはアンプルなどの単位投与形である。特に断りのない限り、これらは、例えば、通常の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程などにより、自体公知の方法で製造することができる。必要な有効量は複数の投与単位の投与によって達成され得るので、各投与形の個々の用量に含まれる単独有効成分または複数有効成分の単位含量はそれ自体で有効量とならなくてもよいと考えられる。
経口投与形のための組成物の製造においては、例えば、水、グリコール、油またはアルコールなどの通常の医薬媒体;または例えば散剤、カプセル剤および錠剤などの経口固形製剤の場合には、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤などの担体、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのいずれを用いてもよい。投与が簡単なため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口単位投与形であり、この場合には、明らかに固形医薬担体が、用いられる。
単位投与形は、例えば、約2.5mg〜約500mgの有効成分を含み得る。
さらに、本発明は、耳鳴の処置用薬剤の製造のための「本発明の組合せ」に使用に関する。
加えて、本発明は耳鳴を有する温血動物を処置する方法を提供し、その方法は、動物に「本発明の組合せ」を耳鳴に対して併せて治療上有効な量で投与することを含み、ここでこれらの化合物はまたそれらの医薬上許容される塩の形態で存在してもよい。
さらに、本発明は、有効成分としての「本発明の組合せ」を、耳鳴の処置におけるその同時、個別または逐次使用に関する説明書とともに含む市販パッケージを提供する。
特に、「本発明の組合せ」の治療上有効な量の各有効成分は、同時に、または任意の順序で逐次に投与してもよく、これらの成分は個別にまたは一定の組合せとして投与してもよい。例えば、本発明の疾病の処置方法は、(i)第一の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で投与すること、および(ii)第二の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で、併せて治療上有効な量、好ましくは相乗作用的に有効な量、例えば本明細書に記載の量に相当する一日量で、同時または任意の順序で逐次に投与することを含み得る。「本発明の組合せ」の個々の有効成分は治療過程の異なる時点で個別に投与することもできるし、あるいは分割された、または単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。さらに、投与するとはまた、in vivoで有効成分に変換する有効成分のプロドラッグの使用も包含する。よって、本発明は、このような同時処置および交互処置の全てを包含し、「投与する」も相応に解釈されるものと理解される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、「本発明の組合せ」は単剤療法に不応な耳鳴の処置に使用される。
「本発明の組合せ」に使用される各有効成分の有効用量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置する状態の重篤度によって異なる。よって、「本発明の組合せ」の投与計画は、投与経路および患者の腎機能や肝機能を含む様々な因子に応じて選択される。熟練した医師、臨床家または獣医ならば、その状態の進行を抑制、対抗または中止するのに必要な単一の有効成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なく効力をもたらす範囲内の有効成分濃度を達成することを最適に精密化するには、標的部位に対する有効成分のアベイラビリティーの動態に基づいた計画が必要である。これには有効成分の分布、平衡および排泄の考慮が含まれる。
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
特に、トピラメートは、成人患者に対して約250〜約500mgの間の総一日量で投与することができる。{[(7−ニトロ−2,3−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−5−イルメチル)−アミノ]−メチル}−ホスホン酸は、患者に対して約60〜約400mgの間の総一日量で投与することができる。
認知症の処置に好適な向知性薬を含む組合せ
本発明はまた、認知症の処置に好適な向知性薬を含む組合せに関する。
驚くことに、認知症は、AMPA受容体アンタゴニストを向知性薬と組み合わせて投与することにより処置することができる。よって、本発明は、それを必要とするヒトを含む温血動物に有効量のAMPA受容体アンタゴニストを向知性薬と組み合わせて投与するステップを含む認知症の処置および/または予防方法に関する。
本明細書において「認知症」としては、限定されるものではないが、精神病状態を伴う、または伴わないアルツハイマー性認知症が挙げられる。特に、本明細書に記載の方法および材料はこのような種類の認知症とともに見られる行動障害の処置に好適である。
本明細書において「向知性薬」としては、限定されるものではないが、向知性植物抽出物、カルシウムアンタゴニスト、コリンエステラーゼ阻害剤、ジヒドロエルゴトキシン、ニセルゴリン(nicergoline)、ピラセタム(piracetame)、プリン誘導体、ピリチノール(pyritinol)、ビンカミン(vincamine)およびビンポセチン(vinpocetine)が挙げられる。本発明の好ましい実施形態では、組合せ相手はコリンエステラーゼ阻害剤である。
本明細書において「向知性植物抽出物」としては、限定されるものではないが、イチョウの葉の抽出物が挙げられる。本明細書において「カルシウムアンタゴニスト」としては、限定されるものではないが、シンナリジン(cinnarizine)およびニモジピン(nimodipine)が挙げられる。本明細書において「コリンエステラーゼ阻害剤」としては、限定されるものではないが、塩酸ドネピジル(donepezil)、リバスチグミン(rivastigmine)および臭化水素酸ガランタミン(galantamine)が挙げられる。本明細書において「プリン誘導体」としては、限定されるものではないが、ペンチフィリン(pentifyllin)が挙げられる。
イチョウの葉からの抽出物は、例えば、商品名Ginkodilat(商標)として市販されている形態で、添付文書に示されている情報に従って投与することができる。シンナリジンは、例えば、商品名Cinnarizin forte−ratiopharm(商標)として市販されている形態で投与することができる。ニモジピンは、例えば、商品名Nimotop(商標)として市販されている形態で投与することができる。塩酸ドネピジルは、例えば、商品名Aricept(商標)として市販されている形態で投与することができる。リバスチグミンは、米国特許第5,602,176号に開示されているように製造することができる。リバスチグミンは、例えば、商品名Exelon(商標)として市販されている形態で投与することができる。臭化水素酸ガランタミンは、例えば、商品名Reminyl(商標)として市販されている形態で投与することができる。ジヒドロエルゴトキシンは、例えば、商品名Hydergin(商標)として市販されている形態で投与することができる。ニセルゴリンは、例えば、商品名Sermion(商標)として市販されている形態で投与することができる。ピラセタムは、例えば、商品名Cerebroforte(商標)として市販されている形態で投与することができる。ペンチフィリンは、例えば、商品名Cosaldon(商標)として市販されている形態で投与することができる。ピリチノールは、例えば、商品名Encephabol(商標)として市販されている形態で投与することができる。ビンポセチンは、例えば、商品名Cavinton(商標)として市販されている形態で投与することができる。
本明細書に記載されているコード番号、一般名または商標により特定される有効成分の構造は、標準的な大要「メルク・インデックス」の現版または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)などのデータベースから入手することができる。対応するその内容は出典明示により本明細書の一部とする。当業者ならばこれらの参照に基づき、有効成分を確認することが十分できるとともに、それらを製造し、in vitroおよびin vivoの双方の標準的な試験モデルで医薬適応や特性を試験することができる。
よって、一態様において、本発明は、同時使用、個別使用または逐次使用のための、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと少なくとも1種類の向知性薬(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態または医薬上許容される塩の形態で存在する)と、場合により1種類の医薬上許容される担体とを含む組合せ製剤または医薬組成物などの組合せに関する。
本明細書において「組合せ製剤」とは、上記に定義したような第一および第二の有効成分が独立に、または特徴的な量の成分を含む種々の一定の組合せを用いて、すなわち、同時または異なる時点に投与することができるという意味で、特にパーツキットを定義する。次に、このパーツキットの各パーツは、例えば同時または順次交互に、すなわち異なる時点で、パーツキットの各パーツにつき等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。この時間間隔は、各パーツの組合せ使用において処置される疾病に対する作用が、それらの有効成分のいずれか1つ単独の使用により得られる作用よりも大きくなるように選択することが極めて好ましい。組合せ製剤で投与される有効成分1と有効成分2の総量の比率は、例えば、処置される患者の部分集団の要求、または一人の患者の要求に対処するために様々であってよく、この患者の要求は患者の年齢、性別、体重などによるものであり得る。例えば、第一および第二の有効成分の作用の相互増強などの少なくとも1つの有益な作用、特に、例えば相加作用を超える相乗作用、付加的な有利な作用、低い副作用、第一および第二の有効成分の一方または双方の有効でない用量での組合せ治療作用、特に、第一および第二の有効成分の強力な相乗作用が存在することが好ましい。
方法を述べる場合、有効成分とは医薬上許容される塩も含むことを意味するものと理解される。これらの有効成分が例えば少なくとも1つの塩基中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成し得る。また、所望により、付加的に提供された塩基中心を有する対応する酸付加塩を形成させることもできる。酸基(例えば、COOH)を有する有効成分も塩基を伴って塩を形成することができる。有効成分またはその医薬上許容される塩は水和物の形態で使用することもできるし、あるいは結晶化のために用いられる他の溶媒を含んでもよい。
少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと少なくとも1種類の向知性薬含む医薬組合せ(ここで、これらの有効成分は各場合において、遊離形態または、少なくとも1つの塩形成基が存在する場合には医薬上許容される塩の形態で存在する)は、以下、「本発明の組合せ」と呼ぶ。
AMPA受容体アンタゴニストまたは「本発明の組合せ」の薬理活性はまた、例えば、臨床試験で証明することもできる。このような臨床試験は、好ましくは、アルツハイマー病患者における無作為化二重盲検臨床試験である。このような試験は特に、「本発明の組合せ」の有効成分の相乗作用を証明する。アルツハイマー病に対する有益な作用は、これらの試験結果から直接、または自体当業者に公知の試験計画における変更により判定することができる。これらの試験は特に、有効成分を用いた単剤療法と「本発明の組合せ」の作用を比較するのに適している。
さらなる利点として、「本発明の組合せ」の有効成分をより低用量で使用可能であり、例えば、必要な用量が多くの場合で少なくなるだけでなく、適用頻度も少なくなり、あるいは副作用の発生をなくすためにも使用可能である。これは処置される患者の望みおよび要求に応じたものである。「本発明の組合せ」は特に、単剤療法に不応な認知症の処置に使用可能である。
本発明の1つの目的は、少なくとも1種類のAMPA受容体アンタゴニストと少なくとも1種類の向知性薬と少なくとも1種類の含む医薬医薬上許容される担体とを含み、認知症に対して併せて治療上有効な量を含む医薬組成物を提供することである。この組成物では、第一および第二の有効成分は、1つの組合せ単位投与形で、または2つの別個の単位投与形で、一緒に、または一方の後に他方を、または個別に投与することができる。この単位投与形はまた、一定の組合せであってもよい。
本発明の医薬組成物は、自体公知の方法により製造することができ、ヒトを含む哺乳類(温血動物)への腸内投与(経口投与または直腸投与など)および非経口投与に好適なものであり、治療上有効な量の少なくとも1種類の薬理有効成分を単独または特に腸内適用または非経口適用に好適な1種類以上の医薬上許容される担体と組み合わせて製造することができる。本発明の投与形の好ましい投与経路は経口である。
新規な医薬組成物は例えば、約10%〜約100%、好ましくは約20%〜約60%の有効成分を含む。腸内投与または非経口投与のための併用療法用の医薬製剤は、例えば、糖衣剤、錠剤、カプセル剤または坐剤、さらにはアンプルなどの単位投与形である。特に断りのない限り、これらは、例えば、通常の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程などにより、自体公知の方法で製造することができる。必要な有効量は複数の投与単位の投与によって達成され得るので、各投与形の個々の用量に含まれる単独有効成分または複数有効成分の単位含量はそれ自体で有効量とならなくてもよいと考えられる。
経口投与形のための組成物の製造においては、例えば、水、グリコール、油またはアルコールなどの通常の医薬媒体;または例えば散剤、カプセル剤および錠剤などの経口固形製剤の場合には、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤などの担体、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのいずれを用いてもよい。投与が簡単なため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口単位投与形であり、この場合には、明らかに固形医薬担体が、用いられる。
さらに、本発明は、認知症の処置用薬剤の製造のための「本発明の組合せ」に使用に関する。
加えて、本発明は認知症を有する温血動物を処置する方法を提供し、その方法は、動物に「本発明の組合せ」を認知症に対して併せて治療上有効な量で投与することを含み、ここでこれらの化合物はまたそれらの医薬上許容される塩の形態で存在してもよい。
さらに、本発明は、有効成分としての「本発明の組合せ」を、認知症の処置におけるその同時、個別または逐次使用に関する説明書とともに含む市販パッケージを提供する。
本発明の1つの好ましい実施形態では、「本発明の組合せ」は、単剤療法に不応な認知症の処置に使用される。
特に、「本発明の組合せ」の治療上有効な量の各有効成分は、同時に、または任意の順序で逐次に投与してもよく、これらの成分は個別にまたは一定の組合せとして投与してもよい。例えば、本発明の疾病の処置方法は、(i)第一の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で投与すること、および(ii)第二の有効成分を遊離形態または医薬上許容される塩の形態で、併せて治療上有効な量、好ましくは相乗作用的に有効な量、例えば本明細書に記載の量に相当する一日量で、同時または任意の順序で逐次に投与することを含み得る。「本発明の組合せ」の個々の有効成分は治療過程の異なる時点で個別に投与することもできるし、あるいは分割された、または単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。さらに、投与するとはまた、in vivoで有効成分に変換する有効成分のプロドラッグの使用も包含する。よって、本発明は、このような同時処置および交互処置の全てを包含し、「投与する」も相応に解釈されるものと理解される。
「本発明の組合せ」に使用される各有効成分の有効用量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置する状態の重篤度によって異なる。よって、「本発明の組合せ」の投与計画は、投与経路および患者の腎機能や肝機能を含む様々な因子に応じて選択される。熟練した医師、臨床家または獣医ならば、その状態の進行を抑制、対抗または中止するのに必要な単一の有効成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なく効力をもたらす範囲内の有効成分濃度を達成することを最適に精密化するには、標的部位に対する有効成分のアベイラビリティーの動態に基づいた計画が必要である。これには有効成分の分布、平衡および排泄の考慮が含まれる。
「本発明の組合せ」に使用される組合せ相手が市販の単剤としての形態で適用される場合、それらの用量および投与様式は、特に断りのない限り、本明細書に記載の有益な作用をもたらすために個々の市販薬の添付文書に示されている情報に従って行うことができる。
特に、シンナリジンは、患者に対して約75〜約150mgの間の総一日量で投与することができる。
ニモジピンは、患者に対して約60〜約120mgの間の総一日量で投与することができる。
塩酸ドネピジルは、患者に対して約5mg〜10mgの間の総一日量で投与することができる。
リバスチグミンは、患者に対して約6〜約12mgの間の総一日量で投与することができる。
ガランタミンは、患者に対して約12〜24mgの間の総一日量で、例えば、12mg1日2回、投与することができる。
ジヒドロエルゴトキシンは、患者に対して約4mg〜10mgの間、例えば約8mgの総一日量で投与することができる。
ニセルゴリンは、患者に対して約4mg〜8mgの間の総一日量で筋肉内注射により、その酒石酸塩の形態で投与することができる。
ピラセタムは、患者に対して約1200〜5000mgに間の総一日量、例えば、4800mg/日で投与することができる。
ペンチフィリンは、患者に対して約400〜800mgの間の総一日量で投与することができる。
ピリチノールは、患者に対して約600mgの総一日量でその塩酸塩の形態で投与することができる。
ビンポセチンは、患者に対して約10〜15mgの間の総一日量で投与することができる。
限定されるものではないが、以下の実施例で本明細書に記載の発明を説明する。
次の省略形を用いる。
CNQX 7−ニトロ−2,3−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−6−カルボニトリル
d 日
DAST (ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド
DCM ジクロロメタン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMSO ジメチルスルホキシド
equiv 当量
ESI−MS エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸
H 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IR 赤外線分光法
MeOH メタノール
min 分
m.p. 融点
MPLC 中速液体クロマトグラフィー
m/z 質量/電荷比
RP 逆相
rt 保持時間
r.t. 室温
SPL 音圧レベル
TFA トリフルオロ酢酸
実施例1:N−(6−アセチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2−アミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸
MeOH(600mL)中、2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸(100g,425mmol)の溶液をパラジウム/炭素(10%)で処理し、この混合物を水素(7バール)下、室温で2時間攪拌した。その後、この混合物を濾過し、真空濃縮し、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸(87.2g,425mmol,100%)を黄色固体として得た。融点172〜173℃,ESI−MS:m/z206[M+H]
+。
2−アミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
MeOH(1000mL)中、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸(72.0g,351mmol)の溶液に、濃硫酸(50mL)を滴下した。この混合物を窒素下で16時間加熱還流し、室温まで冷却した後、その容量の1/4まで真空濃縮した。この混合物をEtOAcに取り、水、10%炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。次に、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 9:1)により精製し、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(57.8g,264mmol,75%)を白色粉末として得た。融点59℃,ESI−MS:m/z218[M−H]
−。
2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
EtOH(1560mL)中、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(51.5g,235mmol)、ヨウ素(55.1g,217mmol)および硫酸銀(73.3g,234mmol)の混合物を窒素下、室温で1時間攪拌した。次に、この懸濁液を濾過し、濾液をEtOAcで希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で一回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(67.5g,196mmol,83%)を褐色固体として得た。融点101〜103℃,ESI−MS:m/z346[M+H]
+。
2−アセチルアミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
トルエン(400mL)中、2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(42.0g,122mmol)の溶液を無水酢酸(12.8mL,135mmol)で処理し、この混合物を窒素下で16時間加熱還流した。次に、これを室温まで冷却し、水で希釈した。この混合物を、少量の炭酸水素ナトリウムを加えることで中性とし、有機層を分離した。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をヘキサン中で再結晶させ、2−アセチルアミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(43.4g,112mmol,92%)を白色粉末として得た。融点96〜98℃,ESI−MS:m/z388[M+H]
+。
2−アセチルアミノ−5−(1−エトキシ−ビニル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(100mL)中、2−アセチルアミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(17.8g,46.1mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(2.67g,2.30mmol)、およびトリブチル−(エトキシビニル)−スズ(25.0g,69.2mmol)の溶液を窒素下で20時間、110℃まで加熱した。この混合物を室温まで冷却した後、濾過した。濾液を真空濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 3:1)により精製し、粗2−アセチルアミノ−5−(1−エトキシ−ビニル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルを橙色固体として得た。融点65〜73℃,ESI−MS:m/z332[M+H]
+。この粗生成物は、これ以上精製せずに次の工程に用いた。
5−アセチル−2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
THF(100mL)中、上記で得られた粗2−アセチルアミノ−5−(1−エトキシ−ビニル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルの溶液を塩酸水溶液(1N,50mL)で処理し、この混合物を窒素下、室温で1時間攪拌した。次に、この混合物をEtOAcに注ぎ、水で1回洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 2:1)により精製し、5−アセチル−2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(10.7g,35.1mmol,二段階で76%)を白色粉末として得た。融点66〜69℃,ESI−MS:m/z326[M+Na]
+。
5−アセチル−2−アミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
MeOH(120mL)/水(24mL)中、5−アセチル−2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(11.5g,37.8mmol)の溶液を0℃まで冷却し、濃硫酸(15.0mL,271mmol)を滴下した。添加が完了したところで、この混合物を窒素下で45分間加熱還流した後、室温まで冷却した。この混合物をEtOAcで希釈し、水で1回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、5−アセチル−2−アミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(9.87g,37.8mmol,定量的)を白色固体として得た。融点118〜121℃,ESI−MS:m/z262[M+H]
+。
N−(6−アセチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
THF(250mL)中、5−アセチル−2−アミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(10.2g,39.0mmol)の溶液を(CCl
3O)
2CO(3.86g,12.9mmol)で処理し、この混合物を窒素下、室温で15分間攪拌した。この溶液にEt
3N(5.55mL,39.0mmol)を加え、この混合物を室温でさらに3時間攪拌した。次に、この混合物をCH
3SO
2NHNH
2(4.38g,39.0mmol)で処理し、室温で1時間攪拌した。次に、水酸化ナトリウム水溶液(1M,78mL,78.0mmol)を加え、この溶液を室温で18時間攪拌した。この混合物を塩酸水溶液(4N)でpH=3〜4まで酸性化した後、EtOAcで希釈した。次に、これを水で1回洗浄し、その後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、生成物が沈殿するまで濃縮した。次に、この懸濁液を0℃まで冷却し、その後、濾過した。白色固体を真空乾燥させ、N−(6−アセチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(12.1g,33.2mmol,85%)を得た。融点258〜265℃,ESI−MS:m/z366[M+H]
+。
実施例2:N−[6−(1−ヒドロキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
窒素下、THF(150mL)/MeOH(150mL)中、N−(6−アセチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(12.1g,33.1mmol)の溶液を、室温で18時間かけ、水素化ホウ素ナトリウム(25.0g,660mmol)少量ずつで処理した。次に、この懸濁液を氷/濃EtOAcの混合物に注いだ。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,DCM/MeOH 9:1)により精製して無色の結晶を得、これをEtOAc中で再結晶させ、N−[6−(1−ヒドロキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(8.85g,24.1mmol,73%)を白色粉末として得た。融点263〜268℃。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 8.41 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 5.66 (m, 1 H), 5.03 (br s, 1 H), 3.18 (s, 3H), 1.36 (d, J=6.2 Hz, 3 H)
N−[6−(1−ヒドロキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(5.28g,144mmol)のラセミ混合物をキラル分取HPLC(Chiracel OJ,ヘキサン/EtOH 7:3,1.0mL/分)により精製し、2.34g(63.7mmol)の鏡像異性体1(S)−N−[6−(1−ヒドロキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(保持時間8.99分,[α]589=−39.3)と2.05g(55.8mmol)の鏡像異性体2(R)−N−[6−(1−ヒドロキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(保持時間12.77分,[α]589=+38.8)を得た。
実施例3:N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
THF(10mL)中、5−アセチル−2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.0g,3.3mmol)および100mgのパラジウム/炭素(10%)の懸濁液を水素(5バール)下、室温で2時間攪拌した。次に、この混合物を濾過し、真空濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 2:1)により精製し、2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(917mg,3.0mmol,91%)を白色固体として得た。融点120〜122℃,ESI−MS:m/z306[M+H]
+。
2−アミノ−5−(1−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
DCM(6mL)中、2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(600mg,1.97mmol)およびEt
3N(412μL,3.0mmol)の溶液を0℃まで冷却し、塩化メタンスルホニル(194μL,2.46mmol)で滴下処理した。この混合物を室温まで温め、2時間攪拌した。次に、この混合物をDCMで希釈し、水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して褐色油状物を得、これをMeOHに取った。この溶液を室温で60時間静置した。次に、この混合物を真空濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 5:1)により精製し、2−アミノ−5−(1−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(196mg,0.71mmol,36%)を白色粉末として得た。融点112〜114℃,ESI−MS:m/z278[M+H]
+。
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
THF中、2−アミノ−5−(1−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(190mg,0.69mmol)の溶液を(CCl
3O)
2CO(178mg,0.6mmol)で処理し、この混合物をアルゴン下、室温で15分間攪拌した。この溶液にEt
3N(84μL,0.6mmol)を加え、この混合物を室温でさらに3時間攪拌した。次に、この混合物をCH
3SO
2NHNH
2(66mg,0.6mmol)で処理し、室温で1時間攪拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液(1M,3mL,3mmol)を加え、この溶液を室温で18時間攪拌した。この混合物を塩酸水溶液(4N)でpH=3〜4まで酸性化した後、EtOAcで希釈した。層を分離した後、有機相を水で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 2:1)により精製して淡黄色固体を得、これをEtOAcに溶解させた。次に、白色生成物が沈殿するまでペンタンを加えた。この混合物を0℃で16時間静置した後、白色固体を濾過し、60℃で真空乾燥させ、N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(180mg,0.47mmol,68%)を白色粉末として得た。融点233〜236℃,ESI−MS:m/z382[M+H]
+。
このラセミ体の分離を、キラルクロマトグラフィーを用いて行い、2つの鏡像異性体を得た。HPLC分析は、Merck−Hitaschi L−4500ダイオードアレイデテクターとMerck−Hitaschi Lahrom D−7000分光計に接続したMerck−Hitaschi L−6200Aポンプ、50μLループインジェクションバルブおよびChiralcel OJ−Hカラム(250×4.6mm)を含むシステムを用い、ヘキサン/エタノール/メタノール90:5:5+0.1%トリフルオロ酢酸の混合物を流して行った。溶媒流速は0.5mL/分とした。鏡像異性体1:保持時間=48.19分、鏡像異性体2:保持時間=52.56分。
実施例4:N−[6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−(1−エトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
EtOH(5mL)中、2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(500mg,1.64mmol)の溶液をp−トルエンスルホン酸一水和物(100mg,0.518mmol)で処理し、室温で5日間攪拌した。反応混合物をEtOAcに取り、NaHCO
3飽和水溶液で洗浄した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,5:1ヘキサン/EtOAc)により精製し、標題生成物(270mg,57%)を無色の結晶として得た。融点:100〜103℃,API−ES:m/z292[M+H]
+。
N−[6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドに関して記載したものと同様の手順に従い、2−アミノ−5−(1−エトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(250mg,0.857mmol)を、無色の泡沫としてのN−[6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(272mg,80%)に変換した。融点:105〜112℃,API−ES:m/z396[M+H]
+。
実施例5:N−[6−(1−イソプロポキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
THF(40mL)中、5−アセチル−2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(4g,13.2mmol)の溶液を、室温、Pd−C(10%,250mg)上で2時間水素化した。この反応混合物を焼結漏斗で濾過した。濾液を真空濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,2:1ヘキサン/EtOAc)により精製し、標題生成物(3.66g,収率91%)を無色の結晶として得た。融点:120〜123℃,ESI−MS:m/z306[M+H]
+。
2−アミノ−5−(1−イソプロポキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
i−PrOH(5mL)中、2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(500mg,1.64mmol)の溶液を、p−トルエンスルホン酸一水和物(99.9mg,0.517mmol)を加えることで処理し、80℃で18時間攪拌した。この反応混合物を冷却した後、真空濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,5:1ヘキサン/EtOAc)により精製し、標題生成物(69mg,収率14%)を無色の結晶として得た。融点:87〜90℃,API−ES:m/z306[M+H]
+。
N−[6−(1−イソプロポキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドに関して記載したものと同様の手順に従い、2−アミノ−5−(1−イソプロポキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(65mg,0.213mmol)を、無色の泡沫としてのN−[6−(1−イソプロポキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドに変換した(52mg,収率60%)。融点:110〜115℃,API−ES:m/z410[M+H]
+。
HPLC分析は、Merck−Hitaschi L−4500ダイオードアレイデテクターとMerck−Hitaschi Lahrom D−7000分光計に接続したMerck−Hitaschi L−6200Aポンプ、50μLループインジェクションバルブおよびChiralpak AS−Hカラム(250×4.6mm)を含むシステムを用い、ヘキサン/エタノール90:10+0.1%トリフルオロ酢酸の混合物を流して行った。溶媒流速は1.0mL/分とした。鏡像異性体1:保持時間=9.68分、鏡像異性体2:保持時間=13.84分。
実施例6:N−(2,4−ジオキソ−6−プロピオニル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−5−ビニル−安息香酸メチルエステル
乾燥トルエン(72mL)中、2−アセチルアミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(18.0g,46.5mmol)の溶液を超音波槽で5分間脱気した。次に、この溶液をトリブチル(ビニル)スズ(28mL,93mmol)およびテトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(2.77g,2.33mmol)で処理し、2時間加熱還流した。この混合物を室温まで冷却した後、フッ化カリウム二水和物(22g)を加えた。この懸濁液を室温で30分間攪拌した後、シリカゲルのショートパッドで濾過した。この濾材をジエチルエーテルで洗浄し、濾液を真空濃縮した。粗生成物をヘキサンに取り、この懸濁液を濾過した。濾液を再び真空濃縮し、室温で7日間静置した。生じた固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、先に単離した生成物と合わせ、2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−5−ビニル−安息香酸メチルエステル(10.0g,34.8mmol,75%)をベージュ色の固体として得た。融点79〜81℃,ESI−MS:m/z288[M+H]
+。
2−アセチルアミノ−5−ホルミル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
DCM(70mL)中、2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−5−ビニル−安息香酸メチルエステル(708mg,2.46mmol)の溶液を−68℃まで冷却し、この混合物に、深緑色になるまでオゾン流を通した。次に、この混合物に酸素流を30分間通し、硫化ジメチル(360μL,4.86mmol)を加えた。この混合物を室温で30分間攪拌し、トリフェニルホスフィン(327mg,1.23mmol)を加えた。この溶液をアルゴン下、室温で60時間静置した。その後、これを真空濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 100:0→80:20)により精製し、2−アセチルアミノ−5−ホルミル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(591mg,2.04mmol,83%)をベージュ色の粉末として得た。融点106〜108℃,ESI−MS:m/z290[M+H]
+。
2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−プロピル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
乾燥ジエチルエーテル(29mL)中、2−アセチルアミノ−5−ホルミル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(840mg,2.90mmol)の溶液を0℃まで冷却し、臭化エチルマグネシウム溶液(THF中1M,5.8mL,5.8mmol)を滴下した。この混合物を0℃で1時間攪拌し、塩化アンモニウム水溶液を加えることでこの反応をクエンチした。この混合物をEtOAcで1回抽出し。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 80:20→70:30)により精製し、2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−プロピル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(262mg,0.82mmol,28%)を白色固体として得た。融点120〜122℃,ESI−MS:m/z320[M+H]
+。
2−アセチルアミノ−5−プロピオニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
DCM(2.6mL)中、デス・マーチン・ペルヨージナン(556mg,1.31mmol)の溶液に、DCM(1.3mL)中、2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−プロピル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(262mg,0.82mmol)の溶液を加え、この混合物を室温で1時間攪拌した。次に、これをチオ硫酸ナトリウム水溶液に注ぎ、この混合物をEtOAcで抽出した。その後、有機相を炭酸水素カリウム水溶液(pH=8)で2回、ブラインで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して粗2−アセチルアミノ−5−プロピオニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルを白色固体として得、これをこれ以上精製せずに次の工程で用いた。ESI−MS:m/z318[M+H]
+。
2−アミノ−5−プロピオニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
MeOH(2.6mL)および水(0.54mL)中、2−アセチルアミノ−5−プロピオニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(260mg,0.82mmol)の溶液を濃硫酸(0.26mL)で処理し、この混合物を1時間60℃まで加熱した。次に、これを室温まで冷却し、EtOAcで希釈した。この混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(pH=8)で2回、ブラインで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 100:0→80:20)により精製し、2−アミノ−5−プロピオニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(185mg,0.67mmol,82%)を白色粉末として得た。融点141〜144℃,ESI−MS:m/z276[M+H]
+。
N−(2,4−ジオキソ−6−プロピオニル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
THF(2.6mL)中、2−メチル−5−プロピオニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(180mg,0.65mmol)の溶液を、アルゴン下、室温にて、(CCl
3O)
2CO(65.3mg,0.22mmol)で処理した。この混合物を15分間攪拌し、Et
3N(91μL,0.65mmol)を加えた。この懸濁液をさらに3時間攪拌し、CH
3SO
2NHNH
2(73.5mg,0.65mmol)を加えた。20時間後、水酸化ナトリウム水溶液(1N,0.87mL)を加え、この黄色懸濁液を室温で4時間攪拌した。次に、この混合物のpHを塩酸水溶液(1N)で4〜5に調整し、その後、これをEtOAcで希釈した。層を分離し、有機相を水で1回、ブラインで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をDCM中で再結晶させ、N−(2,4−ジオキソ−6−プロピオニル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(195mg,0.51mmol,79%)を白色固体として得た。融点234〜236℃,ESI−MS:m/z380[M+H]
+。
実施例7:N−[6−(1−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
THF(1mL)およびMeOH(1mL)中、N−(2,4−ジオキソ−6−プロピオニル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(50mg,0.132mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(80mg,2.11mmol)を加えた。得られた混合物を20時間攪拌した。その後、これをEtOAcおよび水で希釈し、pHを塩酸水溶液(1N)で4〜5に調整した。有機相を分離し、ブラインで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60,DCM/MeOH 100:0→90:10)により精製し、N−[6−(1−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(39mg,0.102mmol,78%)を白色粉末として得た。融点219〜222℃。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 11.93 (br s, 1H), 10.38 (br s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 5.63 (m, 1H), 5.27 (m, 1 H), 3.17 (s, 3H), 1.60 (m, 2H), 0.93 (m, 3H)
実施例8:N−[2,4−ジオキソ−6−(1−プロポキシ−プロピル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−(1−プロポキシ−プロピル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
1−プロパノール(2mL)中、2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−プロピル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(200mg,0.626mmol)の溶液を室温にてp−トルエンスルホン酸一水和物(38mg,0.198mmol)で処理し、この反応物を室温で10日間攪拌した。この反応混合物を水およびEtOAcで希釈し、KHCO
3飽和水溶液でpH8まで塩基性化した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(20gシリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:1→3:7))により精製し、標題生成物(88mg,収率44%)を淡黄色油状物として得た。ESI−MS:m/z320[M+H]
+,m/z318[M−H]
−。
N−[2,4−ジオキソ−6−(1−プロポキシ−プロピル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドに関して記載したものと同様の手順に従い、2−アミノ−5−(1−プロポキシ−プロピル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(86mg,0.269mmol)を、無色の泡沫としてのN−[2,4−ジオキソ−6−(1−プロポキシ−プロピル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドに変換した(95mg,収率83%)。ESI−MS:m/z424[M+H]
+,m/z422[M−H]
−。
実施例9:N−[6−(1−イソプロポキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−(1−イソプロポキシ−プロピル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−プロパノール(2mL)中、2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−プロピル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(394mg,1.23mmol)の溶液を室温にてp−トルエンスルホン酸一水和物(75.3mg,0.39mmol)で処理し、この反応物を室温で13日間攪拌した。この反応混合物を水およびEtOAcで希釈し、KHCO
3飽和水溶液でpH8まで塩基性化した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(20gシリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:1→3:7))により精製し、標題生成物(48mg,12%)を無色の結晶として得た。融点:54〜56℃,ESI−MS:m/z320[M+H]
+。
N−[6−(1−イソプロポキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドに関して記載したものと同様の手順に従い、2−アミノ−5−(1−イソプロポキシ−プロピル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(46mg,0.144mmol)を、無色の泡沫としてのN−[6−(1−イソプロポキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドに変換した(36mg,59%)。ESI−MS:m/z424[M+H]
+,m/z422[M−H]
−。
実施例10:N−(6−ブチリル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−ブチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
アルゴン下、無水Et
2O(52mL)中、2−アセチルアミノ−5−ホルミル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.52g,5.26mmol)の溶液に、20℃で5分間かけて塩化プロピルマグネシウム溶液(Et
2O中2.0M,5.3mL,11mmol)を加えた。すぐに発熱を伴って結晶化が起こった。氷/水浴を用い、この反応混合物を20℃まで冷却した。この反応混合物を室温で1時間攪拌した後、NH
4Cl飽和水溶液およびEtOAcに注いだ。pHをNH
4Cl飽和水溶液で7に調整し、層を分離した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(25gシリカゲル,ヘキサン/EtOAc(1:0→7:3))により精製し、生成物を無色の結晶として得た(409mg,23%)。融点:97〜101℃,ESI−MS:m/z334[M+H]
+,m/z332[M−H]
−。
2−アセチルアミノ−5−ブチリル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
室温にて、DCM(2.5mL)中、デス・マーチン・ペルヨージナン(514mg,1.18mmol)の溶液に、2−アセチルアミノ−5−(1−ヒドロキシ−ブチル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(245mg,0.735mmol)を加えた。この反応物を室温で1時間攪拌した後、EtOAcで希釈し、水/Na
2SO
3飽和水溶液1:1混合物に注いだ。有機相をKHCO
3水溶液で2回およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。濾液を真空濃縮し、標題化合物(237mg,収率97%)をベージュ色の生成物として得た。ESI−MS:m/z332[M+H]
+,m/z330[M−H]
−。
2−アミノ−5−ブチリル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アセチルアミノ−5−ブチリル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(234mg,0.706mmol)をMeOH(2.4mL)に溶解させた。水(500μL)を加えた後、濃H
2SO
4(254μL)を滴下した。この反応混合物を1時間60℃まで加熱し、淡黄色の懸濁液を得た。この反応混合物をEtOAcで希釈し、水/EtOAcに注ぎ、pHをKHCO
3飽和水溶液で8に調整した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。濾液を真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10gシリカゲル,ヘキサン/EtOAc(1:0→7:3))により精製し、標題化合物(168mg,82%)を無色の泡沫として得た。ESI−MS:m/z290[M+H]
+,m/z288[M−H]
−。
N−(6−ブチリル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドに関して記載したものと同様の手順に従い、2−アミノ−5−ブチリル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(165mg,0.570mmol)を、無色の結晶としてのN−(6−ブチリル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミドに変換した(188mg,収率84%)。融点:236〜239℃,ESI−MS:m/z394[M+H]
+,m/z392[M−H]
−。
実施例11:N−[6−(1−ヒドロキシ−ブチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
THF(3mL)およびMeOH(3mL)中、N−(6−ブチリル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(131mg,0.333mmol)の溶液に、室温で10分間かけてNaBH
4(131mg,3.32mmol)を少量ずつ加えた。この反応混合物を室温で18時間攪拌し、水およびEtOAcの混合物に注ぎ、その後、1N HCl水溶液を加えてpH3〜4に調整した。有機相をブラインで2回洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10gシリカゲル,DCM/MeOH(1:0→9:1)により精製し、標題化合物(94mg,71%)を無色の結晶として得た。融点:223〜226℃,ESI−MS:m/z396[M+H]
+,m/z394[M−H]
−。
実施例12:N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
トリブチル−(4,5−ジヒドロ−フラン−2−イル)−スタンナン
無水THF(80mL)中、2,3−ジヒドロフラン(10.7mL,141mmol)の溶液を−60℃まで冷却した。t−BuLi溶液(ペンタン中1.7M,100mL,170mmol)を滴下した。この黄色溶液を−60℃で10分間、その後、0℃で50分間攪拌した。この反応混合物を−60℃まで冷却し、Bu
3SnCl(52.7mL,185mmol)を滴下して無色の溶液を得、0℃で90分間攪拌した。NH
4Cl飽和水溶液を滴下し、この反応混合物をEt
2Oで抽出した。水相をEt
2Oでさらに抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。粗残渣を150℃、24ミリバールの真空下で蒸留し、残渣を再び154℃、22ミリバールの真空下で蒸留し、標題化合物(55g,100%)を淡黄色の液体として得た。
2−アセチルアミノ−5−(4,5−ジヒドロ−フラン−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン中、2−アセチルアミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(10g,25.8mmol)の溶液に、トリブチル−(4,5−ジヒドロ−フラン−2−イル)−スタンナン(13.9g,38.7mmol)、(Ph
3P)
4Pd、次いで、Et
3N(4.52mL,32.3mmol)を加えた。この反応混合物を18時間加熱還流して褐色懸濁液を得、これを室温まで冷却した。この反応混合物を焼結漏斗で濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,1:4 EtOAc/ヘキサン)により精製し、標題化合物(7.3g,86%)をベージュ色の結晶として得た。融点:120〜125℃,API−ES:m/z330[M+H]
+。
2−アセチルアミノ−5−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
乾燥THF(250mL)中、2−アセチルアミノ−5−(4,5−ジヒドロ−フラン−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(13.2g,40.1mmol)の溶液をH
2(5バール)下、室温、ラネーニッケル(6.0g,B113W,Degussa)の存在下で46時間振盪した。次に、この反応混合物を焼結漏斗で濾過し、濾液を真空濃縮し、標題生成物(7.5g,100%)を黄色油状物として得た。API−ES:m/z332[M+H]
+。
2−アミノ−5−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
MeOH(100mL)および水(10mL)中、2−アセチルアミノ−5−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(8.25g,24.9mmol)の溶液を0℃まで冷却した。濃H
2SO
4(6.88mL,125mmol)を滴下した。この溶液を45分間還流し、室温まで冷却し、氷/水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,1:4 EtOAc/ヘキサン)により精製し、標題生成物(5.06g,68%)を無色の結晶として得た。融点:131〜136℃,API−ES:m/z290[M+H]
+。
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
無水THF(30mL)中、2−アミノ−5−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(2g,6.91mmol)の溶液を(CCl
3O)
2CO(684mg,2.28mmol)で処理した。得られた黄色溶液を室温で15分間攪拌した後、Et
3N(967μL,6.91mmol)を加えた。粘稠な懸濁液が形成し、これを無水THF(20mL)で希釈した。この懸濁液を室温で3時間攪拌した。CH
3SO
2NHNH
2(777mg,6.91mmol)を加え、この反応物を1時間攪拌した。次に、この反応混合物をNaOH水溶液(1N,14mL,14mmol)で処理し、得られた橙赤色の溶液を室温で1時間攪拌した。この反応混合物をHCl水溶液(4N)でpH3〜4まで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。残渣をDCMに取り、トリチュレートした。この無色の懸濁液を真空濾過により集め、60℃でさらに真空乾燥させ、標題生成物(2.36g,87%)を無色の結晶として得た。融点:254〜257℃,API−ES:m/z394[M+H]。
これらの鏡像異性体をキラルクロマトグラフィーにより分離した。HPLC分析は、Merck−Hitaschi L−4500ダイオードアレイデテクターとMerck−Hitaschi Lahrom D−7000分光計に接続したMerck−Hitaschi L−6200Aポンプ、50μLループインジェクションバルブおよびChiralpak AD−Hカラム(250×4.6mm)を含むシステムを用い、ヘキサン/エタノール/メタノール80:10:10の混合物を流して行った。溶媒流速は1.0mL/分とした。鏡像異性体1:保持時間=12.13分、鏡像異性体2:保持時間=15.84分。
次の生成物も同様の手順により合成した。
実施例13:N−[7−ジフルオロメチル−6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI-MS: m/z 378 [M+H]
+,
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) 9.42 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.15 (t, J = 54.7 Hz, 1H), 4.77 (q, J = 6.4 Hz, 1H), 3.33-3.48 (m, 2H), 3.39 (s, 3H), 1.53 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.23 (t, J = 6.9 Hz, 3H).
実施例14:N−[2,4−ジオキソ−6−(1−プロポキシ−エチル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
融点:95〜105℃ API−ES:m/z410[M+H]
+
実施例15:N−[6−(1−ブトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
融点:84〜0℃ API−ES:m/z424[M+H]
+
実施例16:N−[6−(1−イソブトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
API-ES: m/z 424 [M+H]
+,
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 11.98 (s, 1H), 10.39 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 4.70 (m, 1H), 3.18 (s, 3H), 3.12 (m, 1H), 2.91 (m, 1H), 1.77 (m, 1H), 1.39 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.85 (t, J = 5.9 Hz, 6H).
実施例17:N−[6−(1−シクロペンチルオキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
融点:188〜192℃ API−ES:m/z436[M+H]
+
実施例18:N−[6−(1−エトキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI-MS: m/z 410 [M+H]
+,
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 11.98 (s, 1H), 10.38 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 4.48 (br s, 1H), 3.23-3.31 (m, 2H), 3.19 (s, 3H), 1.56-1.72 (m, 2H), 1.10 (t, J = 7 Hz, 3H), 0.92 (t, J = 7 Hz, 3H).
実施例19:N−[6−(1−メトキシ−ブチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI-MS: m/z 410 [M+H]
+,
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) 9.48 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 4.57 (m, 1H), 3.39 (s, 3H), 3.22 (s, 3H), 1.39-1.76 (m, 4H), 0.96 (t, J = 8 Hz, 3H).
実施例20:N−[2,4−ジオキソ−6−(2,2,2,−トリフルオロ−アセチル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
融点:262〜265℃ ESI−MS:m/z418[M−H]
−
実施例21:N−(6−イソブチリル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
融点:228〜231℃ ESI−MS:m/z394[M+H]
+
実施例22
N−[6−(1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
融点:232〜235℃ ESI−MS:m/z396[M+H]
+
実施例23:N−[6−(1−メトキシ−2−メチル−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
融点:227〜229℃ ESI−MS:m/z410[M+H]
+
実施例24:N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
融点:275〜280℃ ESI−MS:m/z408[M+H]
+
実施例25:N−[6−(3−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−[3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−プロプ−1−イニル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(15mL)およびEt
3N(15mL)中、2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(2.0g,5.80mmol)、テトラヒドロ−2−(2−プロピニルオキシ)−2H−ピラン(2.44mL,17.4mmol)、ヨウ化銅(55.0mg,0.29mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(407mg,0.58mmol)の溶液を窒素下で16時間加熱還流した。次に、この混合物を室温まで冷却し、濾過し、濾液をAcOEtで希釈した。この混合物を水で1回洗浄した。次に、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 5:1)により精製して橙色の油状物を得、これをヘキサン中で再結晶させ、2−アミノ−5−[3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−プロプ−1−イニル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.50g,4.20mmol,72%)を淡褐色粉末として得た。融点88℃,ESI−MS:m/z358[M+H]
+。
2−アミノ−5−[3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−プロピル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
THF(15mL)中、2−アミノ−5−[3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−プロプ−1−イニル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(2.20g,6.16mmol)およびパラジウム/炭素(250mg,10%)の懸濁液を水素(5バール)下、室温で30分間攪拌した。次に、この混合物を濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 5:1)により精製し、2−アミノ−5−[3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−プロピル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.99g,5.51mmol,89%)を無色の油状物として得た。ESI−MS:m/z384[M+Na]
+,保持時間6.20分)。
N−[6−(3−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
THF(10mL)中、2−アミノ−5−[3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−プロピル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.00g,2.77mmol)の溶液を(CCl
3O)
2CO(279mg,0.94mmol)で処理し、この混合物を窒素下、室温で15分間攪拌した。この溶液にEt
3N(0.39mL,2.77mmol)を滴下し、この混合物をさらにTHF(20mL)で希釈し、室温でさらに3時間攪拌した。次に、この混合物をCH
3SO
2NHNH
2(305mg,2.77mmol)で処理し、室温で16時間攪拌した。次に、水酸化ナトリウム水溶液(1M,10mL,10mmol)を加え、この溶液を室温で3時間攪拌した。この混合物を塩酸水溶液(4N)でpH=3〜4まで酸性化した後、EtOAcで希釈した。層を分離し、有機相を水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。得られた白色固体をEtOAcに取り、室温で1時間攪拌した。この懸濁液を濾過し、白色固体を乾燥させた。次に、この固体をTHFに取り、この溶液を塩酸水溶液(4M)で酸性化した。この混合物を真空濃縮して白色固体を得、これをEtOAc中で再結晶させた。次に、この固体をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/EtOAc 2:1)により精製し、N−[6−(3−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(100mg,0.26mmol,9%)を白色粉末として得た。融点243〜247℃,ESI−MS:m/z382[M+H]+。1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) 8.04 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 4.60 (m, 1H), 3.48 (m, 2H), 3.18 (s, 3H), 2.83, (m, 2H), 1.74 (m, 2H).
実施例26:N−[6−(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−(3−メトキシ−プロプ−1−イニル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
乾燥ジオキサン(22mL)中、2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(3.0g,8.69mmol)およびEt
3N(22mL)の溶液をアルゴンで15分間パージした。(Ph
3P)
2PdCl
2(305mg,0.435mmol)、CuI(166mg)および3−メトキシ−プロピン(2.20mL,26.08mmol)を加え、この混合物を100分間55℃まで加熱した。冷却後、この反応混合物を濾過し、濾液をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させた(Na
2SO
4)。揮発性物質を蒸発させて残渣を得、これをMPLC(シリカゲル,シクロヘキサン/EtOAc 4:1)により精製し、標題化合物(1.94g,78%)をベージュ色の固体として得た。融点107〜111℃。
2−アミノ−5−(3−メトキシ−プロピオニル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
MeOH(100mL)中、2−アミノ−5−(3−メトキシ−プロプ−1−イニル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.19g,4.15mmol)の溶液に、硫化ナトリウム溶液(0.1M,12.4mL,1.24mmol)、次いで、10%HCl水溶液(3.70mL,12.45mmol)を連続的に加えた。この反応混合物を29時間75℃まで加熱し、冷却し、セライトで濾過した。濾液を蒸発させて黄色油状物を得、これをMPLC(oRP−C18カラム(粒径5〜21μM))により、1:1 CH
3CN/水を用いて精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを留去し、残った水相をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空除去し、標題化合物(0.167g,13%)を白色粉末として得た。融点89〜91℃。IR(透過型FTIR顕微鏡):1696m,1674s cm
−1。
2−イソシアナト−5−(3−メトキシ−プロピオニル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
乾燥させ、アルゴンでパージしたフラスコ内で、乾燥トルエン(4.7mL)中、2−アミノ−5−(3−メトキシ−プロピオニル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(154mg,0.504mmol)の溶液を0℃まで冷却し、トルエン中ホスゲン溶液(20%,4.9mL)で滴下処理した。ホスゲン流をゆっくり導入し、この反応混合物を2時間加熱還流した。この黄色溶液にアルゴンを吹き込み、溶媒を留去すると、次の工程に十分純粋な標題化合物(168mg,100%)が油性残渣として残った。
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.20 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 4.00 (s, 3H), 3.75 (t, J=8 Hz, 2H), 3.35 (s, 3H), 3.10 (t, J=8 Hz, 2H).
N−[6−(3−メトキシ−プロピオニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
乾燥THF(2.6mL)中、2−イソシアナト−5−(3−メトキシ−プロピオニル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(167mg,0.505mmol)の溶液に、THF(1mL)中、CH
3SO
2NHNH
2(61mg,0.555mmol)の溶液をゆっくり滴下した。この混合物を室温で105分間攪拌した後、NaOH水溶液(1M,0.53mL)を加え、60分間攪拌を続けた。この反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcに取り、水で洗浄した。水相をEtOAcで抽出し(3回)、全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を蒸発させて乾固し、標題化合物(194mg,94%)を白色粉末として得た。融点186〜191℃。
N−[6−(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
MeOH(3mL)中、N−[6−(3−メトキシ−プロピオニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(118mg,0.288mmol)の溶液を室温にてNaBH
4(77mg,2.03mmol)を3時間かけて少量ずつ加えて処理した。出発材料がなくなった後、この反応混合物を2M HCl水溶液で酸性化し、水で希釈した。水相をEtOAcで抽出し(2回)、有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、蒸発させた。得られた白色粉末をMPLC(RP−C18カラム(粒径5〜21μM)により、CH
3CN/水 1:2を用いて精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを留去し、残った水相をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空除去し、標題化合物(112mg,94%)を白色粉末として得た。融点180〜184℃。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): 11.80 (br s, 1H), 10.35 (br s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 5.65 (d, J=6 Hz, 1H), 4.98 - 4.92 (m, 1H), 3.60 - 3.52 (m, 1H), 3.42 - 3.35 (m, 1H), 3.20 (s, 3H), 3.15 (s, 3H), 1.86 - 1.67 (m, 2H).
本実施例で特に断りのない限り、次の例に使用するHPLC法:
HPLC分析は、Gilson UV/VIS 152デテクターとFinnigan AQA 分光計(ESI)に接続したGilson 331ポンプ、50μLループインジェクションバルブおよびWaters XTerra MS C18 3.5μm 4.6×50mmカラムを含むシステムを用い、次のように0.05%TFAを含む5%〜90%アセトニトリルの勾配を流して行った:0〜1分:5%CH3CN;1〜6分:5〜90%CH3CN;6〜8分:90%CH3CN。溶媒流速は1.5mL/分とした。保持時間(rt)は新しい化合物全てに関して記録した。
実施例51〜54では、HPLC分析は次のシステムおよび方法を用いて行った:
LC−MSシステム:Finnigan LTQライナーイオントラップに接続したCapillary LC Agilent、カラム:Xterra MS C18 1×50mm 2.5μm(50℃に維持)、流速:35μL/分、移動相:A:水+3mM酢酸アンモニウム+0.05%ギ酸、B:アセトニトリル+0.05%ギ酸、勾配:0〜100%B 9分、100%B 1分、100%Aに戻し、100%Aで再平衡化5分。
実施例27:N−[7−トリフルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
下記のカップリング反応に必要な1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾールは、次の手順に従って製造した。
−78℃にて、THF(70mL)中、ジイソプロピルアミン(4.2mL,1.2当量)の溶液に、n−BuLi(18.6mL,ヘキサン中1.6M,1.2当量)を加えた。この混合物を15分間攪拌した後、THF中、メチルピラゾール(2mL,24.36mmol)の溶液を加えた。30分後、Bu
3SnCl(7.9mL,1.2当量)を加え、その後、この混合物を30分かけて室温とし、この温度で一晩攪拌した。この混合物を水(250mL)に注いだ後、EtOAcで2回抽出した。有機相を合わせ、飽和NaHCO
3で洗浄し、乾燥させた(Na
2SO
4)。真空濃縮および乾燥を行い、黄色油状物(9.1g)を得、これをこれ以上精製せずに用いた。
(Yagi and coll. Heterocycles 1997, 45(8), 1643-1646.)
2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(7g,20.29mmol)および1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(9.03g,1.2当量)を空気中で秤量し、火炎乾燥したフラスコに加えた。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(2.18g,0.15当量)およびジオキサン(100mL)を加え、この混合物を100℃で18時間攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(4:6))により精製し、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(4.6g,76%)を橙色固体として得た(ESI−MS:m/z300.3[M+H]
+,保持時間5.15分)。
N−[7−トリフルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(60mL)およびEt
3N(10.7mL,5当量)中、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(4.6g,15.4mmol)に、(CCl
3O)
2CO(3.9g,0.85当量)を少量ずつ加えた。この混合物を室温で2時間攪拌した後、真空中で濃縮乾固させた。得られたペーストをTHF(60mL)に溶解させ、CH
3SO
2NHNH
2(2.02g,1.2当量)を加えた。この混合物を室温で1時間攪拌した。NaOH水溶液(1N,15.4mL,1当量)を加え、この混合物を室温で1時間攪拌した。次に、この混合物を水に注ぎ、水相をAcOEtで抽出した。水層を2N HCl水溶液を加えてpH3まで酸性化した後、AcOEtで抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗固体を得た(7g)。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン(1:9)〜EtOAc)により精製した。最終化合物を含有する画分を真空濃縮し、灰白色固体を得た。この固体をDCM中で音波処理し、生じた沈殿を濾別し、真空乾燥させ、標題化合物(3.0g,48%)を灰白色固体として得た(ESI−MS:m/z404.3[M+H]
+,保持時間4.20分)。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 11.7 (s, 1H), 10.45 (s, 1H), 8.0 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 6.35 (s, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.20 (s, 3H).
実施例28:N−[6−(1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−トリメチルシラニルエチニル−安息香酸メチルエステル
DCM(60mL)中、2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(2.0g,5.80mmol)の溶液に、Et
3N(10mL)、トリメチルシリルエチニル(1.2mL,1.5当量)、Cl
2Pd(PPh
3)
2(391mg,0.1当量)およびCuI(112mg,0.1当量)を加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。この溶液を真空濃縮して褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(25:75))により精製し、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−トリメチルシラニルエチニル−安息香酸メチルエステル(1.65g,90%)を橙色固体として得た(ESI−MS:m/z357.4[M+H]
+,保持時間6.77分)。
2−アミノ−5−エチニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
THF(20mL)中、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−トリメチルシラニルエチニル−安息香酸メチルエステル(1.65g,5.23mmol)の溶液に、THF中TBAF溶液(1M,10.5mL,2当量)を加え、得られた溶液を室温で10分間攪拌した。溶媒を真空除去し、粗油状物をAcOEtに溶解させた。有機相を飽和NH
4Clおよび水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、暗赤色の油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン(1:3))により精製し、2−アミノ−5−エチニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(750mg,55%)を橙色油状物として得た(ESI−MS:m/z285.3[M+CH
3CN+H]
+,保持時間5.60分)。
2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−(1−トリメチルシラニルメチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−安息香酸メチルエステル
t−BuOH/H
2O(1/1,10mL)中、2−アミノ−5−エチニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(300mg,1.23mmol)の溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(3×80mg)、CuSO
4(3×10mg)およびアジ化トリメチルシリル(3×240mg,3×1.5当量)を半日ごとに3回に分けて加えた。得られた混合物を室温で2日間攪拌した。この混合物を水で希釈し、AcOEtで抽出した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−(1−トリメチルシラニルメチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−安息香酸メチルエステル(420mg,91%)を褐色ペースト状固体として得、これをこれ以上精製せずに次の工程で用いた(ESI−MS:m/z415.6[M+CH
3CN+H]
+,保持時間5.80分)。
2−アミノ−5−(1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−(1−トリメチルシラニルメチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−安息香酸メチルエステル(420mg,1.12mmol)をTHF(10mL)に溶解させた。THF中TBAF溶液(1M,2.25mL,2当量)を加えた後、この混合物を室温で30分間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をAcOEtに取った。有機相を水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン(1:9)〜EtOAc/ヘキサン(6:4))により精製し、2−アミノ−5−(1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(240mg,71%)を色固体として得た(ESI−MS:m/z301.3[M+H]
+,保持時間4.62分)。
2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−5−(1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アミノ−5−(1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(240mg,0.8mmol)をジオキサンに溶解させ、クロロギ酸クロロフェニル(222μL,2当量)を加えた。この混合物を100℃で1時間攪拌した。溶媒を真空除去し、ヘキサン(15mL)を加えた。音波処理の後、沈殿を濾別し、ヘキサンで洗浄し、高真空中で乾燥させ、標題化合物(260mg,71.5%)を灰白色固体として得た(ESI−MS:m/z455.5[M+H]
+,保持時間6.26分)。
N−[6−(1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−5−(1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(260mg,0.57mmol)をジオキサン(15mL)に溶解させた。i−Pr
2NEt(294μL,3当量)およびCH
3SO
2NHNH
2(126mg,2当量)を加えた後、溶液を100℃で2時間攪拌した。溶媒を真空除去し、粗生成物を2時間真空乾燥させた。次に、DCM(5mL)を加え、音波処理の後、この溶液を冷凍庫に16時間入れた。生じた固体を濾別し、DCMで洗浄し、乾燥させ、N−[6−(1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(180mg,78%)を灰白色固体として得た(ESI−MS:m/z446.5[M+CH
3CN+H]
+,保持時間3.71分)。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 8.33 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 4.13 (s, 3H), 3.16 (s, 3H).
実施例29:N−[6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
3−メチル−5−トリブチルスタンニル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾールの合成
3−メチル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾールおよび5−メチル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾール
THF(50mL)中、NaH(鉱油中60%,1.31g,1当量)の懸濁液に、3−メチルピラゾール(2.64mL,32.8mmol)を滴下した。1時間後、SEM−Cl(5.81mL,1当量)を加え、この混合物を0℃で30分間、その後、室温で2時間攪拌した。水を加え、水相をAcOEtで抽出した(3回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(25/75))により精製し、3−メチル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾールおよび5−メチル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾールの混合物(NMR比1:1)(5.32g,75%)を無色のシロップとして得た(TLC保持時間0.55、EtOAc/ヘキサン1:4中)。
3−メチル−5−トリブチルスタンニル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾール
−78℃にて、THF(20mL)中、3−メチル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾールおよび5−メチル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾールの1:1混合物(1.5g,7.06mmol)を含む溶液に、温度を−70℃以下に維持しながら、n−BuLi(ヘキサン中1.6M,4.4mL,1当量)を滴下した。次に、この混合物を−78℃で30分間攪拌した後、塩化トリブチルスズ(1.9mL,1当量)を加えた(温度を−70℃以下に維持した)。この混合物を−78℃で30分間、その後、室温で2時間攪拌した。この混合物にヘキサンを加え、不溶物を濾去した。この溶液を真空濃縮し、無色のシロップを得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(20/80))により精製し、3−メチル−5−トリブチルスタンニル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾール(847mg,24%)を無色のシロップとして得た(TLC 保持時間0.33、EtOAc/ヘキサン5:95中)。
2−アミノ−5−[5−メチル−2−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(583mg,1.69mmol)および3−メチル−5−トリブチルスタンニル−1−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−1H−ピラゾール(847mg,1当量)を空気中で秤量し、火炎乾燥させたフラスコに加えた。ビストリフェニルホスフィンジクロロパラジウム(119mg,0.1当量)を加えた。ジオキサン(15mL)を加え、この混合物を90℃で18時間攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(1:4))により精製し、2−アミノ−5−[5−メチル−2−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(426mg,59%)を黄色ペーストとして得た(ESI−MS:m/z430.5[M+H]
+,保持時間6.54分)。
N−{6−[5−メチル−2−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド
Et
3N(0.55mL,4当量)を含むDCM(10mL)中、2−アミノ−5−[5−メチル−2−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(426mg,0.99mmol)の溶液に、(CCl
3O)
2CO(147mg,0.5当量)を少量ずつ加えた。この混合物を室温で2時間攪拌した後、真空中で濃縮乾固させた。得られたペーストをTHF(10mL)に溶解させ、CH
3SO
2NHNH
2(109mg,1当量)を加えた。この混合物を室温で1時間攪拌した後、NaOH水溶液(1N,1mL,1当量)を加えた。この混合物を室温で2時間攪拌した。次に、この混合物を水に注ぎ、水相をAcOEtで抽出した(3回)。有機相を合わせ、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗固体を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(3:1))により精製し、N−{6−[5−メチル−2−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド(140mg,26%)を黄色ペーストとして得た(ESI−MS:m/z534.6[M+H]
+,保持時間5.69分)。
N−[6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ジオキサン(5mL)中、N−{6−[5−メチル−2−(2−トリメチルシラニルメトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド(140mg,0.26mmol)の溶液に、EtOH中HCl溶液(1N,0.6mL,2当量)を加えた。この溶液を60℃で4時間攪拌した。溶媒を真空除去し、得られたペーストをDCM 5mL中で音波処理した。固体を濾別し、DCMで洗浄し、真空乾燥させ、N−[6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(59mg,56%)を白色固体として得た(ESI−MS:m/z445.4[M+CH
3CN+H]
+,保持時間4.16分)。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 12.0 (s, 1H), 10.36 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 3.15 (s, 3H), 2.28 (s, 3H).
実施例30:N−[6−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
1,3−ジメチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾールの合成
1,3−ジメチル−1H−ピラゾール+1,5−ジメチル−1H−ピラゾール(Butler, D. E.; Alexander, S. M. J. Org. Chem. 1972, 37(2), 215-220)
4,4−ジメトキシ−2−ブタノン(10.63mL,80mmol)にメチルヒドラジン(4.25mL,80mmol)を、温度を25℃以下に維持しながら加え、この混合物を室温で16時間攪拌した。この混合物を攪拌しながらHCl水溶液(6N,16mL,1.2当量)に注いだ。MeOHを真空除去した後、50%NaOH水溶液を、pHが塩基性となるまで加えた。この混合物をジエチルエーテルで抽出した(3回)。有機相を合わせ、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、1,3−ジメチル−1H−ピラゾールと1,5−ジメチル−1H−ピラゾールの混合物(NMR比4:1)(7.32g,95%)を黄色シロップとして得、これをこれ以上精製せずに次の工程で用いた。
1,3−ジメチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール
−78℃にて、THF(80mL)中、LDA(ジイソプロピルアミン(3.6mL,1.1当量)とn−BuLi(ヘキサン中1.6M,14.3mL,1.1当量)から製造)の溶液に、THF(5mL)中、1,3−ジメチル−1H−ピラゾールと1,5−ジメチル−1H−ピラゾール(2g,1当量)の1:1混合物を含む溶液を、温度を−70℃以下に維持しながら滴下した。添加が終了したところで、この混合物を−78℃で30分間攪拌した後、塩化トリブチルスズ(6.16mL,1.1当量)を、温度を−70℃以下に維持しながら加えた。次に、この混合物を−78℃で30分間、その後、室温で2時間攪拌した。この混合物を水に注いだ後、AcOEtで抽出した(3回)。有機相を合わせ、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、黄色ペーストを得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(40:60))により精製し、1,3−ジメチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(2.88g,36%)を無色のシロップとして得た(TLC 保持時間0.46、EtOAc/ヘキサン20:80中)。
2−アミノ−5−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(15mL)中、2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.0g,2.9mmol)、1,3−ジメチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(1.34,1.2当量)およびビストリフェニルホスフィンジクロロパラジウム(207mg,0.1当量)を含む混合物を80℃で18時間攪拌した。ビストリフェニルホスフィンジクロロパラジウム(0.1当量)および追加のスタンニル誘導体(0.4当量)を加え、この混合物を80℃で24時間攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(1:1))により精製し、2−アミノ−5−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(651mg,72%)を黄色ペーストとして得た(ESI−MS:m/z314.2[M+H]
+,保持時間5.12分)。
N−[6−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
Et
3N(1.1mL,4当量)を含むDCM(20mL)中、2−アミノ−5−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(610mg,1.95mmol)の溶液に、(CCl
3O)
2CO(294mg,0.5当量)を少量ずつ加えた。この混合物を室温で2時間攪拌し、溶媒を真空除去した。得られたペーストをTHF(20mL)に溶解させ、CH
3SO
2NHNH
2(214mg,1当量)を加えた。この混合物を室温で1時間攪拌し、NaOH水溶液(1N,1.95mL,1当量)を加えた。この混合物を室温で2時間攪拌した。次に、この混合物を水に注ぎ、水相をAcOEtで抽出した。水層を、2N HCl水溶液を加えてpH3まで酸性化した後、AcOEtで抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、褐色シロップを得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン(25:75)〜EtOAc)により精製し、N−[6−(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(213mg,26%)を白色粉末として得た(ESI−MS:m/z418.4[M+H]
+,保持時間4.30分)。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 12.1 (s, 1H), 10.38 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 6.08 (s, 1H), 3.47 (s, 3H), 3.16 (s, 3H), 2.17 (s, 3H).
実施例31:N−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(300mg,0.87mmol)および1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)1H−ピラゾール(181mg,1.0当量)、K
2CO
3(303mg,2.5当量)およびトリフェニルホスフィン(45mg,0.2当量)を空気中で秤量し、火炎乾燥させたフラスコに加えた。ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(25mg,0.05当量)を加え、このフラスコをセプタムで封じた。ジオキサン(6mL)を加え、この混合物を90℃で18時間(TLC対照)攪拌した。触媒を濾去し、EtOAcで洗浄した。濾液を蒸発乾固させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,EtOAc/ヘキサン1/3〜1/2)により精製し、2−アミノ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4yl)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(0.57mmol,66%)を白色固体として得た。ESI−MS:m/z300[M+H]
+,保持時間:4.97分。
2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(1.1mL)中、2−アミノ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(170mg,0.57mmol)の溶液に、4−クロロフェニル−クロロホルメート(155μL,2当量)を加えた。この混合物を85℃で1時間(TLC対照)攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。得られた黄色固体をこれ以上精製せずに次の工程で用いた(保持時間6.48分)。
N−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ジオキサン(11mL)中、2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(224mg,0.49mmol)の溶液に、CH
3SO
2NHNH
2(130mg,2.4当量)およびi−Pr
2NEt(169μL,2当量)を加えた。この混合物を90℃で19時間(TLC対照)攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をヘキサンおよびDCMでトリチュレートした。生じた沈殿を濾過し、ヘキサンで洗浄し、N−[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(83mg,42%)を白色固体として得た。ESI−MS:m/z404[M+H]
+。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 7.91 (s, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.54 (s, 1 H), 3.88 (s, 3 H), 3.14 (s, 3H).
実施例32:N−[6−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(400mg,1.16mmol)および1−メチル−2−トリブチルスタンニル−1H−ピロール(643mg,1.5当量)を空気中で秤量し、火炎乾燥させたフラスコに加えた。[ビストリフェニルホスフィン]ジクロロパラジウム(124.5mg,0.15当量)を加え、このフラスコをセプタムで封じた。ジオキサン(16mL)を加え、この混合物を100℃で1時間(TLC対照)攪拌した。1時間後、1−メチル−2−トリブチルスタンニル−1H−ピロール(429mg,1当量)を加え、この混合物を100℃で35時間(TLC対照)攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMに取り、NaHCO
3飽和溶液、水およびブラインで洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(4:6))により精製し、2−アミノ−5−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(50mg,14.5%)を黄色油状物として得た。ESI−MS:m/z299[M+H]
+,保持時間5.78分。
2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−5−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(2mL)中、2−アミノ−5−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(54mg,0.181mmol)の溶液に、4−クロロフェニル−クロロホルメート(24.7μL,1当量)を加えた。この混合物を100℃で2時間(TLC対照)攪拌した。この混合物を蒸発乾固させ、2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−5−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(70mg,0.154mmol,85%)を黄色油状物として得、これをこれ以上精製せずに次の工程で用いた(保持時間:7.00分)。
N−[6−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ジオキサン(2mL)中、2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−5−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(70mg,0.155mmol)の溶液に、CH
3SO
2NHNH
2(25.5mg,1.5当量)およびi−Pr
2NEt(26.5μL,1当量)を加えた。この混合物を95℃で2時間(TLC対照)攪拌した。次に、CH
3SO
2NHNH
2(25.5mg,1.5当量)およびi−Pr
2NEt(26.5μL,1当量)を加えた。この混合物を95℃で48時間攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,EtOAc/ヘキサン7/3)により精製し、N−[6−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(50mg,80%)を黄色固体として得た。ESI−MS:m/z420[M+NH
4]
+,保持時間:4.83分。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 7.91 (s, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.54 (s, 1 H), 3.88 (s, 3 H), 3.14 (s, 3H).
実施例33:N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2
H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アセチルアミノ−5−フラン−3−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
3−ヨード−4−トリフルオロメチル−6−アセトアミドメチルベンゾエート(500mg,1.29mmol)、3−フランボロン酸(159mg,1.1当量)およびCs
2CO
3(1.1g,2.5当量)を空気中で秤量し、火炎乾燥させたフラスコに加えた。ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン複合体(52.7mg,0.1当量)を加え、空気をN
2に置き換え、このフラスコをセプタムで封じた。DMEを加え、この混合物を70℃で3日間(TLC対照)攪拌した。この混合物をEtOAcで希釈し、濾過し、濾液を真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン(1:9))により精製し、2−アセチルアミノ−5−フラン−3−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルを白色固体として得た(176mg,42%)(328[M+H]
+,保持時間5.8分)。
2−アミノ−5−フラン−3−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
MeOH(15mL)中、2−アセチルアミノ−5−フラン−3−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(156mg,0.47mmol)の溶液に、濃H
2SO
4(1.4mL)を加えた。この混合物を90℃で1時間(TLC対照)攪拌した。この混合物をセライトで濾過し、減圧下で蒸発させた。得られた黄色固体をこれ以上精製せずに次の工程で用いた(保持時間5.95分)。
2−アミノ−5−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アミノ−5−フラン−3−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(110mg,0.38mmol)をTHF(15mL)に溶解させ、H
2O中B113W(Degussa)Ra/Ni(〜200mg)を加えた後、この混合物を60℃で26日間(TLC対照)攪拌した。この混合物をセライトで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、溶離剤としてヘキサン〜ヘキサン/EtOAc80:20を用い、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た(51.3mg,収率46%)(290[M+H]
+,保持時間5.52分)。
2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−5−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(500μL)中、2−アミノ−5−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(51.3mg,0.18mmol)の溶液に、クロロギ酸4−クロロフェニル(27.3μL,1.1当量)を加えた。次に、この混合物を80℃で2時間(TLC対照)攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。この生成物をこれ以上精製せずに次の工程で用いた(保持時間6.87分)。
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−5−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(80mg,0.18mmol)をジオキサン(1mL)に溶解させ、CH
3SO
2NHNH
2(21.8mg,1.1当量)およびi−Pr
2NEt(61.7μL,2当量)を加えた後、この混合物を80℃で18時間(TLC対照)攪拌した。この粗生成物を、溶離剤としてDCM〜DCM/MeOH85:15を用い、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。得られた生成物を乾燥させ、少量のDCMに溶解させ、ヘキサンで沈殿させた。白色固体を濾別し、乾燥させ、標題化合物を得た(50mg,収率70%)(394[M+H]
+,保持時間4.58分)。
実施例34:N−[6−(3−シアノ−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
4−アセチルアミノ−3’−シアノ−6−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
ジオキサン(100mL)中、2−アセチルアミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(3g,7.75mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.446g,0.775mmol)、および3−トリブチルスタンニル−ベンゾニトリル(3.65g,9.3mmol)の溶液を窒素下で96時間、110℃で加熱した。この混合物を室温まで冷却した後、濾過した。濾液を真空濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,ヘキサン/DCM 9:1)により精製し、4−アセチルアミノ−3’−シアノ−6−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(1.2g,3.3mmol,43%)を黄色油状物として得た。ESI−MS:m/z363[M+H]
+。
4−アミノ−3’−シアノ−6−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
MeOH(10mL)/水(2mL)中、4−アセチルアミノ−3’−シアノ−6−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(1.2g,3.3mmol)の溶液を0℃に冷却し、濃硫酸(0.7mL)を滴下した。添加が完了したところで、この混合物を窒素下で2時間加熱還流し、その後、室温まで冷却した。この混合物を氷水に注ぎ、各25mLのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相を水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、4−アミノ−3’−シアノ−6−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(700mg,2.19mmol,66%)を黄色泡沫として得た。ESI−MS:m/z321[M+H]
+。
N−[6−(3−シアノ−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ジオキサン(15mL)中、4−アミノ−3’−シアノ−6−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(0.7g,2.19mmol)の溶液をi−Pr
2NEt(0.5mL,2.92mmol)および(CCl
3O)
2CO(0.655g,2.19mmol)で処理し、この混合物を窒素下、60℃で1時間攪拌した。この溶液にCH
3SO
2NHNH
2(0.24g,2.19mmol)を加え、60℃で1時間、その後、室温で16時間攪拌を続けた。この混合物を真空濃縮し、水で希釈し、各25mLのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水で2回洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を蒸発させた。生成物をMeOH/DCM 3:1から再結晶させ、N−[6−(3−シアノ−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(0.78g,1.84mmol,84%)を得た。融点291〜292℃,ESI−MS:m/z425[M+H]
+。
実施例35:N−[6−(4−シアノ−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
同様の手順を用い、4−トリブチルスタンニル−ベンゾニトリルから出発し、対応するパラ置換誘導体N−[6−(4−シアノ−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドを製造した。融点145−147℃,ESI−MS:m/z425[M+H]
+。
実施例36:N−[6−(3−アセチル−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
同様の手順を用い、1−(3−トリブチルスタンニル−フェニル)−エタノンから出発し、対応するメチルケトン誘導体N−[6−(3−アセチル−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドを製造した。融点220〜222℃,ESI−MS:m/z442[M+H]
+。
実施例37:N−{6−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド
実施例1に記載のように水素化ホウ素ナトリウムで還元を行い、収率89%でN−{6−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタン−スルホンアミドを得た。融点165〜169℃,ESI−MS:m/z444[M+H]
+。
実施例38:N−[6−(3−アミノメチル−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
5%アンモニア(20mL)を含むMeOH中、N−[6−(3−シアノ−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(0.18g,0.42mmol)の溶液に、ラネーニッケル(60mg)を加え、この攪拌溶液を常圧下、周囲温度で18時間水素化した。懸濁液を濾過し、溶媒を真空蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,MeOH/DCM 9:1)により精製した後、MeOH中、5M HCl溶液で処理した。再結晶化させ、N−[6−(3−アミノメチル−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド塩酸塩(117mg,0.27mmol,59%)を得た。融点282〜284℃,ESI−MS:m/z429[M+H]
+。
実施例39:N−[6−(3−ジメチルアミノメチル−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ジオキサン(5mL)中、N−[6−(3−アミノメチル−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(15mg,35μmol)の溶液に、ホルムアルデヒド溶液(水μ中36%,0.013mL,175μmol)およびを加え、亜リン酸二水素ナトリウムの1N水溶液(5mL)を加えた。この溶液を60℃で20分間攪拌し、周囲温度まで冷却し、真空蒸発させた。粗生成物をプレートクロマトグラフィー(シリカゲル60,MeOH/DCM 9:1)で精製し、N−[6−(3−ジメチルアミノメチル−フェニル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(12mg,26μmol,75%)を得た。融点346〜348℃,ESI−MS:m/z457[M+H]
+。
実施例40:N−(3−メタンスルホニルアミノ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キナゾリン−6−イルメチル)−アセトアミド
2−アミノ−5−ニトロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
濃硝酸(0.49mL)と濃硫酸(3.9mL)の混合物を−20℃まで冷却し、2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(2.10g,8.04mmol)を少量ずつ加えた。この混合物を室温までゆっくり温め、その後、30分間45℃まで加熱した。この混合物を氷に注ぎ、白色沈殿を濾別した。次に、この白色固体をMeOH(8mL)に溶解させ、この溶液を硫酸(0.8mL)で処理し、45分間加熱還流した。この混合物を真空濃縮した後、EtOAcに取り、炭酸水素カリウム水溶液で2回、ブラインで1回洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60,トルエン/EtOAc 96:4)により精製し、淡黄色の結晶を得、これをEtOAc中で再結晶させ、2−アミノ−5−ニトロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(116mg,0.44mmol,5%)を白色固体として得た。融点175〜177℃。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 8.59 (s, 1H), 8.04 (br s, 2H), 7.40 (s, 1H), 3.88 (s, 3H).
2−イソシアナト−5−ニトロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
乾燥トルエン(1.5mL)中、2−アミノ−5−ニトロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(100mg,0.379mmol)の懸濁液に、−15℃のトルエン中ホスゲン溶液(20%,1.5mL)を加えた。室温まで温めた後、この懸濁液にホスゲン流を導入し、同時に加熱を開始した。還流下でこのホスゲン流を1時間維持した後、さらに1時間アルゴン流に置き換えた。トルエンを留去すると、2−イソシアナト−5−ニトロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(110mg,100%)がベージュ色の固体として残った。IR (CHCl
3): 2260 cm
-1 (s).
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 4.05 (s, 3H), 7.55 (s, 1H), 8.65 (s, 1H).
N−(6−ニトロ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
室温にて、乾燥THF(1.7mL)中、2−イソシアナト−5−ニトロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(110mg,0.379mmol)の溶液に、乾燥THF(0.6mL)中、CH
3SO
2NHNH
2(41.7mg,0.379mmol)の溶液を加えた。得られた混合物は白色懸濁液となり、これを1時間攪拌した。1M NaOH水溶液(0.379mL)を加え、この透明な溶液の攪拌を4時間続けた。2M HCl溶液(0.472mL)を加え、THFを蒸発させた後、沈殿を濾過し、50℃/0.1mmで乾燥させ、N−(6−ニトロ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(114mg,81%)を若干黄色がかった粉末として得た。融点220〜232℃(分解)。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz): 3.15 (s, 3H), 7.66 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 10.50 (s, 1H), 12.41 (s, 1H).
N−(6−アミノ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
1:1 EtOH:CH
3CO
2H(6mL)中、N−(6−ニトロ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(109mg)の溶液を、10%パラジウム/炭素(30mg)の存在下で水素化した。出発材料が消失した後(TLC対照)、反応混合物をEtOHおよびCH
3CO
2Hで希釈し、わずかに温めた。触媒を濾去し、濾液を濃縮乾固させた。残渣をEtOAcでトリチュレートし、N−(6−アミノ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(61mg,61%)を黄色粉末として得た。融点240℃(分解)。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz): 3.12 (s, 3H), 5.66 (s, 2H), 7.24 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 10.3 (br s, 1H), 11.4 (br s, 1H).
N−(6−シアノ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
CH
3CO
2H(6mL)中、N−(6−アミノ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(3g,8.87mmol)の懸濁液に、水(8mL)および濃硫酸(980μL,17.7mmol)を加えた。この混合物を0℃まで冷却した。次に、水(4mL)中、亜硝酸ナトリウム(680mg,9.76mmol)の溶液を5分間かけてゆっくり加え、0℃で攪拌を30分間行った。
別のフラスコで、0℃の水(4mL)中、シアン化カリウム(2.88g,44.34mmol)の溶液に、水(4mL)中、硫酸銅(II)(2.65g,10.64mmol)の溶液を5分間かけてゆっくり加えた。この硫酸銅−シアン化カリウム溶液に炭酸水素ナトリウム(7.47g,88.69mmol)およびトルエンを加え、この混合物を0℃で10分間攪拌した。この混合物に、ジアゾニウム中間体を含む懸濁液を1時間かけてゆっくり加え、反応物を0℃でさらに1時間攪拌した。次に、EtOAc(200mL)を加え、この混合物を0.5時間攪拌し、層を分離した。有機相を水で3回抽出した。有機層を乾燥させ、溶媒を蒸発させ、黄色〜橙色の固体を得、EtOAcに再溶解させ、2M HCl水溶液で洗浄した。有機層をもう一度乾燥させ、溶媒を真空除去し、N−(6−シアノ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(2.8g,8.04mmol,91%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) 3.22 ppm (s, 3H, SO2-CH3) ;LC−MS 保持時間=3.07分;MS:m/z370.9[M+Na]+,カラム:SunFireC18,4.6×50mn,3.5μm;ポジティブMS 5分で水/アセトニトリル95:5〜5:95,流速:1.5mL/分。
N−[3−(アセチル−メタンスルホニル−アミノ)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キナゾリン−6−イルメチル]−アセトアミド
無水酢酸(160mL)中、N−(6−シアノ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(2.8g,8.04mmol)の溶液に、水中ラネーニッケル(5.24g,88.4mmol)を加え、この混合物を室温、水素圧(5バール)下で9時間攪拌した。この反応混合物をhyflo(登録商標)で濾過し、MeOHで2回洗浄した。濾液の溶媒を蒸発させ、N−[3−(アセチル−メタンスルホニル−アミノ)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キナゾリン−6−イルメチル]−アセトアミド(4.05g,7.52mmol,94%)を淡橙色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 3.57 ppm (s, 3H, SO
2-CH
3);LC−MS 保持時間=2.82分;MS:m/z458.9[M+Na]
+カラム:SunFireC18,4.6×50mn,3.5μm;ポジティブMS 5分で水/アセトニトリル95:5〜5:95,流速:1.5mL/分。
N−(3−メタンスルホニルアミノ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キナゾリン−6−イルメチル)−アセトアミド
2M HCl水溶液(5mL)中、N−[3−(アセチル−メタンスルホニル−アミノ)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キナゾリン−6−イルメチル]−アセトアミド(305mg,0.70mmol)の溶液を、80℃で1日攪拌した。次に、溶媒を蒸発させ、粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(DCM/MeOH 8/2)により精製し、N−(3−メタンスルホニルアミノ−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キナゾリン−6−イルメチル)−アセトアミド(22mg,0.056mmol,8%)を淡ベージュ色の固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 3.13 ppm (s, 3H, SO
2-CH
3);LC−MS 保持時間=2.35分;MS:m/z394.9[M+H]
+カラム:SunFireC18,4.6×50mn,3.5μm;ポジティブMS 5分で水/アセトニトリル95:5〜5:95,流速:1.5mL/分。
実施例41:N−(6−ホルミルアミノメチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
N−(6−アミノメチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2M HCl水溶液(5.2mL)中、N−[3−(アセチル−メタンスルホニル−アミノ)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キナゾリン−6−イルメチル]−アセトアミド(1.8g,4.13mmol)の溶液を80℃で2日間攪拌した。半日おきに2M塩酸(1mL)を加えた。次に、溶媒を蒸発させ、淡黄色の残渣をイオン交換樹脂(DOWEX 50×2−100,MeOH)により精製し、粗生成物をMeOHに溶解させ、MeOH中DOWEXの懸濁液と混合し、この混合物を室温で2時間攪拌した。次に、樹脂を濾過し、MeOHで洗浄した(このMeOH画分は廃棄した)。この樹脂をMeOH中のアンモニア溶液(7M,300mL)に懸濁させ、2時間攪拌し、濾過し、濾液を集めた。樹脂を上記のようにMeOH中のアンモニア溶液でさらに2回処理し、濾液を集めた。合わせた溶媒画分を蒸発させ、N−(6−アミノメチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(1.12g,3.18mmol,77%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 3.14 ppm (s, 3H, SO
2-CH
3);LC−MS 保持時間=0.523分;MS:m/z352.9[M+H]
+カラム:SunFireC18,4.6×50mn,3.5μm;ポジティブMS 5分で水/アセトニトリル95:5〜5:95,流速:1.5mL/分。
N−(6−ホルミルアミノメチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ギ酸エチル(27.4mL,340.7mmol)およびTHF(25mL)中、N−(6−アミノメチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(400mg,1.14mmol)の懸濁液を60℃で16時間攪拌した。次に、溶媒を蒸発させ、残渣を2時間真空乾燥させた。粗生成物をフラッシュ−マスタークロマトグラフィー(DCM100〜90/MeOH0〜10%勾配)により精製し、N−(6−ホルミルアミノメチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(316mg,0.831mmol,73%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 3.17 ppm (s, 3H, SO
2-CH
3);LC−MS 保持時間=2.32分;MS:m/z380.9[M+H]
+カラム:SunFireC18,4.6×50mn,3.5μm;ポジティブMS 5分で水/アセトニトリル95:5〜5:95,流速:1.5mL/分。
実施例42:N−(2,4−ジオキソ−6−ピロール−1−イルメチル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
濃CH
3CO
2H(8mL)中、N−(6−アミノメチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(100mg,0.28mmol)の溶液に、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(41.3μL,0.31mmol)を加え、この反応混合物を還流温度で20分間攪拌した。次に、溶媒を蒸発させ、粗褐色残渣をEtOAc/シクロヘキサンから再結晶させ、N−(2,4−ジオキソ−6−ピロール−1−イルメチル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(108mg,0.27mmol,95%)を淡褐色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 3.12 ppm (s, 3H, SO
2-CH
3);LC−MS 保持時間=3.757分;MS:m/z402.9[M+H]
+カラム:SunFireC18,4.6×50mn,3.5μm;ポジティブMS 5分で水/アセトニトリル95:5〜5:95,流速:1.5mL/分。
実施例43:N−[6−(2−メチル−ピロール−1−イルメチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
濃CH
3CO
2H(10mL)中、N−(6−アミノメチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド(150mg,0.43mmol)の溶液に、2−メチル−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(62.2mg,0.43mmol)を加え、この反応混合物を還流温度で2時間攪拌した。次に、溶媒を蒸発させ、粗淡黄色残渣をEtOAc/シクロヘキサンから再結晶させ、N−[6−(2−メチル−ピロール−1−イルメチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(130mg,0.312mmol,73%)を淡橙色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 3.11 ppm (s, 3H, SO
2-CH
3);LC−MS 保持時間=3.994分;MS:m/z416.9[M+H]
+カラム:SunFireC18,4.6×50mn,3.5μm;ポジティブMS 5分で水/アセトニトリル95:5〜5:95,流速:1.5mL/分。
実施例44:N−[7−イソプロピル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−4−イソプロピル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
下記のカップリング反応に必要な2−アミノ−5−ヨード−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステルは、WO2004/033435A1に記載の手順に従って製造した。
カップリング反応に必要な1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾールは、上記の手順に従って製造した。
2−アミノ−5−ヨード−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステル(300mg,0.94mmol)および1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(523mg,1.5当量)を空気中で秤量し、火炎乾燥させたフラスコに加えた。[ビストリフェニルホスフィン]ジクロロパラジウム(67.3mg,0.1当量)を加え、このフラスコをセプタムで封じた。ジオキサン(1mL)を加え、この混合物を100℃で18時間(TLC対照)攪拌した。この混合物をEtOAcに溶解させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(4:6))により精製し、2−アミノ−4−イソプロピル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(169mg,66%)を黄色固体として得た(ESI−MS:m/z274[M+H]+,保持時間5.20分)。
2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−4−イソプロピル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(1.5mL)中、2−アミノ−4−イソプロピル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(156mg,0.57mmol)の溶液に、4−クロロフェニル−クロロホルメート(88μL,1.1当量)を加えた。この混合物を80℃で2時間(TLC対照)攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。得られた黄色固体をこれ以上精製せずに次の工程で用いた(保持時間6.77分)。
N−[7−イソプロピル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ジオキサン(8mL)中、2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−4−イソプロピル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(281mg,0.65mmol)の溶液に、CH
3SO
2NHNH
2(79.5mg,1.1当量)およびi−Pr
2NEt(225μL,2当量)を加えた。この混合物を80℃で16時間(TLC対照)攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM(1:9))により精製し、N−[7−イソプロピル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドを白色固体として得た(120mg,48%)(ESI−MS:m/z378[M+H]
+,保持時間4.20分)。
次の生成物も類似の手順により合成した。
実施例45:N−[7−イソプロピル−2,4−ジオキソ−6−(2H−ピラゾール−3−イル)−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z364[M+H]
+,保持時間4.00分
実施例46:N−[7−イソプロピル−2,4−ジオキソ−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z364[M+H]
+,保持時間3.76分
実施例47:N−[7−イソプロピル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z378[M+H]
+,保持時間3.99分
実施例48:N−(2,4−ジオキソ−6−ピリジン−4−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z401[M+H]
+,保持時間0.91分
実施例49:N−(2,4−ジオキソ−6−ピリジン−3−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z401[M+H]
+,保持時間0.97分
実施例50:N−[6−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z431[M+H]
+,保持時間4.68分
実施例51:N−(2,4−ジオキソ−6−ピリジン−2−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ES−MS:m/z401[M+H]
+,rt:8.54分
実施例52:N−(2,4−ジオキソ−6−ピリミジン−4−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ES−MS:m/z402[M+H]
+,保持時間:7.90分
実施例53:N−[2,4−ジオキソ−6−(1H−ピロール−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]メタンスルホンアミド
ES−MS:m/z420[M+NH
4]
+,保持時間4.67分
実施例54:N−[6−(1H−インドール−2−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]メタンスルホンアミド
ES−MS:m/z437[M−H]
−,保持時間:9.29分
実施例55:N−[6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
1−イソプロピル−1H−ピラゾール
ピラゾール(5g,73.44mmol)、NaHCO
3(12.2g,2当量)および2−ブロモプロパン(15mL,2当量)の混合物を120℃で90時間攪拌した。この間、適当量を保つ必要がある場合には2−ブロモプロパンを加えた。固体を濾去し、得られた溶液を蒸留した。この蒸留物から無色のシロップ(4.6g,bp148
oC,57%)を回収した。
1−イソプロピル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール
THF中、LDA(n−BuLi(7.99mL,1.6M,1.1当量)およびジイソプロピルアミン(1.82mL,1.1当量)から製造)の冷却(−78℃)溶液に、THF中、1−イソプロピル−1H−ピラゾール(1.28g,11.6mmol)の溶液を、温度を−70℃以下に維持しながら滴下した。添加が終了したところで、この混合物を−78℃で30分間攪拌した。次に、塩化トリブチルスズ(3.44mL,1.1当量)を、温度を−70℃以下に維持しながら滴下した。添加が終了したところで、この混合物を−78℃で1時間、その後、室温で2時間攪拌した。溶媒を真空除去し、粗油状物をAcOEtに溶解させた。有機相を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。この溶液を真空濃縮し、黄色油状物を得た(3.82g,82%)。
2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(40mL)中、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(1.56g,4.52mmol)の溶液に、1−イソプロピル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(2.34g,1.3当量)およびPd(dppf)
2Cl
2(369mg,0.1当量)を加え、得られた混合物を100℃で18時間攪拌した。2回目の触媒(0.1当量)を追加し、この混合物を100℃で24時間攪拌した。最後の触媒(0.1当量)を追加し、この混合物を100℃で72時間維持した。溶媒を真空除去して暗色の油状物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜50:50))により精製し、標題化合物(666mg,45%)を灰白色固体として得た(ES−MS:m/z328.3[M+H]
+,保持時間5.60分)。
N−[7−トリフルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(20mL)中、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(510mg,1.56mmol)の溶液に、Et
3N(0.88mL,4当量)、次いで、(CCl
3O)
2CO(377mg,0.8当量)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を真空除去し、粗中間体をTHF中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(116mg,1.0当量)を加え、この混合物を室温で1時間攪拌した。次に、NaOH水溶液(1N,1.56mL)を加え、この混合物を30分間攪拌した。溶媒を真空除去し、水を加えた。1N HCl水溶液を加えてpH3〜4に調整した。水相をAcOEtで2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮して粗固体を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(25:75〜100:0))により精製し、白色固体を得た(285mg,42%)(ES−MS:m/z432.4[M+H]
+,保持時間4.61分)。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 12.05 (bs, 1H); 10.4 (bs, 1H); 7.88 (s, 1H); 7.66 (s, 1H); 7.55 (s, 1H); 6.27 (s, 1H); 4.08 (m, 1H);3.16 (s, 1H); 1.31 (bd, 6H).
実施例56:N−[6−(2−ヒドロキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ピラゾール−1−オール
AcOEt(500mL)中、ピラゾール(10g,147mmol)およびmCPBA(36.2g,147mmol)の混合物を室温で10日間攪拌した。この溶液を真空濃縮して黄色ペーストを得、これを水(6×100mL)および濃HCl(100mL)で抽出した。水相をDCM(2×100mL)で洗浄した。有機層を合わせ、真空濃縮し、濃HCl(50mL)で抽出した。水相を合わせ、115gのリン酸三ナトリウム12水和物を加え、その後、NaOHをpH10になるまで加えた。水相を容量400mLまで真空濃縮した後、DCM/Et
2O(2/3)で連続的に40時間抽出した。有機相を真空濃縮し、残渣をCHCl
3に溶解させた。不溶物を濾去し、クロロホルムで洗浄した。水相を200mLの濃HClで酸性化した後、DCM/Et
2O(2/3)で連続的に70時間抽出した。有機相を合わせ、真空濃縮し、ピラゾール−1−オール(4.7g,38%)を黄色シロップとして得た。
1−ベンジルオキシ−1H−ピラゾール
0℃にて、DCM(15mL)中、ピラゾール−1−オール(1g,11.9mmol)およびi−Pr
2NEt(2.02mL,11.9mL)の混合物に、BnBr(4.09mL,23.8mmol)を加えた。この混合物を室温まで温め、この温度で22時間攪拌した。この混合物を真空濃縮し、黄色ペーストを得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン/DCM/Et
2O(100:0:0〜80:10:10、ヘキサン/DCM/Et
2O(34:3:3)中でR
f0.23)により精製し、標題生成物を黄色油状物として得た(1.17g,56%)。
1−ベンジルオキシ−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール
−78にて、THF(15mL)中、1−ベンジルオキシ−1H−ピラゾール(1.17g,6.72mmol)の溶液に、n−BuLi(4.6mL,1.6M,7.4mmol)を滴下した。この混合物を−78℃で2時間攪拌した後、Bu
3SnCl(1.99mL,7.38mmol)を加えた。この混合物をこの温度で1時間維持した後、室温まで温め、1時間攪拌した。この混合物を真空濃縮し、ヘキサンを加えた。不溶物を濾去し、濾液を真空濃縮し、1−ベンジルオキシ−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(3.3g,100%)を黄色シロップとして得た。
2−アミノ−5−(2−ベンジルオキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(15mL)中、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(750mg,2.17mmol)の溶液に、1−ベンジルオキシ−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(1.24g,2.60mmol)およびPd(dppf)
2Cl
2(177mg,0.217mmol)を加え、得られた混合物を100℃で16時間攪拌した。触媒(0.1当量)を追加し、この混合物を100℃でさらに24時間攪拌した。溶媒を真空除去し、暗色の油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜50:50))により精製し、標題化合物を灰白色固体として得た(263mg,31%)。ES−MS:m/z392.3[M+H]
+,保持時間6.48分。
N−[6−(2−ベンジルオキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(15mL)中、2−アミノ−5−(2−ベンジルオキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(263mg,0.672mmol)の溶液に、Et
3N(0.37mL,2.69mmol)および次いで(CCl
3O)
2CO(163mg,0.53mmol)を連続的に加えた。得られた混合物を室温で2.5時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をTHF中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(98mg,0.87mmol)を加えた。この混合物を室温で2.5時間攪拌した後、NaOH水溶液(1N,0.87mL)で30分間処理した。溶媒を真空除去し、水を加えた。1N HCl水溶液を加えてpHを3〜4に調整した。水相をAcOEtで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、黄色シロップを得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,DCM/MeOH(100:0〜90:10))により精製し、標題化合物を灰白色固体として得た(100mg,30%)。ES−MS:m/z496.3[M+H]
+,保持時間5.81分。
N−[6−(2−ヒドロキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
N−[6−(2−ベンジルオキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(100mg,0.202mmol)を室温、MeOH(5mL)中、10%Pd/C上で16時間水素化した。触媒をセライトで濾去した。溶液を真空濃縮し、得られた樹脂をDCM(1mL)に溶解させた。ヘキサン(4mL)を加え、沈殿を濾別し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、標題化合物を灰色の粉末として得た(66mg,収率81%)。ES−MS:m/z447.3[M+CH
3CN+H]
+,保持時間4.90分。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 8.00 (s, H), 7.63 (s, 1H), 7.26 (d, J=2.34 Hz, 1H), 6.30 (d, J=1.89 Hz, 1H), 3.17 (s, 3H).
実施例57:N−{6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド
2−アセチルアミノ−5−((E)−3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
5−アセチル−2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(2.46g,8.1mmol)およびN,Nジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1.1mL,8.1mmol)の混合物を90℃で4時間攪拌した。この混合物をAcOEtで希釈した。有機相を水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空濃縮し、黄色ペーストを得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(50:50〜100:0))により精製し、標題化合物をベージュ色のペーストとして得た(1.12g,39%)。ES−MS:m/z359.3[M+H]+,保持時間4.77分。
2−アセチルアミノ−5−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
トルエン(10mL)中、2−アセチルアミノ−5−((E)−3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(600mg,1.67mmol)および(2−メトキシ−エチル)−ヒドラジン(151mg,1.68mmol)の混合物を90℃で40時間攪拌した。(2−メトキシ−エチル)−ヒドラジンを4回に分けて(毎日1当量ずつ)4日かけて加え、この混合物を90℃に維持した。この混合物を真空中で濃縮乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,DCM/MeOH(100:0〜60:40))により精製し、標題化合物を黄色シロップとして得た(352mg,55%)。ES−MS:m/z386.3[M+H]
+,保持時間5.50分。
2−アミノ−5−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アセチルアミノ−5−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(352mg,0.913mmol)を、10%の濃H
2SO
4(10mL)を含むMeOHで処理し、得られた溶液を70℃で2時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣を水に溶解させた。2N NaOH水溶液を加えてpHを10〜11に調整した。水相をAcOEtで抽出した(2回)。有機相を合わせ、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、標題化合物(238mg,76%)を得た。ES−MS:m/z344.3[M+H]
+,保持時間5.52分。
N−{6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド
DCM(15mL)中、2−アミノ−5−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(238mg,0.69mmol)の溶液に、Et
3N(0.39mL,2.77mmol)、次いで、(CCl
3O)
2CO(168mg,0.55mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をTHF中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(94mg,0.84mmol)を加え、この混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を真空除去し、水を加えた。1N HCl水溶液を加えてpHを2〜3に調整した。水相をAcOEtで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、黄色シロップを得た。この粗生成物をまず、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(50:50〜100:0))により精製した。抽出された生成物を含有する画分を濃縮した。DCM/ヘキサン中で沈殿させた後、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,DCM/MeOH(100:0〜70:30))により再精製し、標題化合物を白色粉末として得た(35mg,12%)。ES−MS:m/z448.3[M+H]
+,保持時間5.01分。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 12.06 (s, 1H), 10.40 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 6.29 (s, 1H), 3.94 (bs, 2H), 3.59 (bs, 2H), 3.15 (s, 3H), 3.09 (s, 3H).
実施例58:N−[6−(3−メチル−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール
MeOH(50mL)中、NaOMe(3.91g,72.4mmol)の溶液に、1,2,3−1H−トリアゾール(5g,72.4mmol)を加えた。次に、この混合物を0℃まで冷却し、MeI(4.53mL,72.4mmol)を滴下した。この混合物を室温まで攪拌して室温まで温め、この温度で2時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣を温トルエン(40mL)で処理した後、濾過し、黄色ペーストを得た。このペーストを温CHCl
3中でスラリーとし、固体を濾別した。この固体を温CHCl
3で洗浄した(2回)。濾液を合わせ、真空濃縮し、残渣を蒸留し(112〜116℃,水ポンプ)、出発材料と最終生成物の混合物を得た。この蒸留物をTHFに溶解させ、NaHを少量ずつ加えた。不溶物を濾去し、Et
2Oで洗浄し、真空濃縮し、1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール(1.33g,22%)を黄色シロップとして得た。
1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−[1,2,3]トリアゾール
−78℃にて、THF(20mL)中、1−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール(1.33g,16mmol)の溶液に、n−BuLi(11mL,1.6M,18mmol)を滴下した。この混合物を−78℃で2時間攪拌した後、Bu
3SnCl(4.75mL,17.6mmol)を加えた。この混合物をこの温度で1時間、その後、室温で1時間攪拌した。この混合物を真空濃縮し、ヘキサンを加えた。不溶物を濾去し、濾液を真空濃縮し、1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−[1,2,3]トリアゾール(6.12g,収率82%)を黄色シロップとして得た。
2−アミノ−5−(3−メチル−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(20mL)中、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(1g,2.90mmol)の溶液に、1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−[1,2,3]トリアゾール(2.02g,4.34mmol)およびPd(dppf)
2Cl
2(237mg,0.29mmol)を加え、得られた混合物を100℃で24時間攪拌した。少量の触媒(0.1当量)を加え、この混合物を100℃でさらに7時間攪拌した。溶媒を真空除去し、暗色の油状物を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:1000〜40:60))により精製し、標題化合物を灰白色固体として得た(357mg,収率41%)。ES−MS:m/z301.2[M+H]
+,保持時間4.49分。
N−[6−(3−メチル−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(20mL)中、2−アミノ−5−(3−メチル−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(357mg,1.19mmol)の溶液に、Et
3N(0.67mL,4.76mmol)、および次いで(CCl
3O)
2CO(288mg,0.95mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をTHF中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(170mg,1.54mmol)を加え、この混合物を室温で2.5時間攪拌した。次に、NaOH水溶液(1N,1.6mL)を加え、この混合物を30分間攪拌した。溶媒を真空除去し、水を加えた。1N HCl水溶液を加えてpHを2〜3に調整した。水相をAcOEtで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、黄色シロップを得た。黄色シロップをDCM(2mL)に溶解させた。ヘキサン(8mL)を加え、生じた沈殿を濾別し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、標題化合物を灰色の粉末として得た(213mg,44%)。ES−MS:m/z405.3[M+CH
3CN+H]
+,保持時間4.1分。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 12.16 (s, 1H), 10.40 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.16 (s, 3H).
実施例59:N−[7−フルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−4−ヒドロキシメチル−安息香酸メチルエステル
−15℃にて、DME(90mL)中、1−メチル2−アミノテレフタレート(10.0g,51.2mmol)およびNMM(5.75mL,1当量)の溶液に、IBCl(6.7mL,1当量)を滴下した。この混合物をこの温度で15分間攪拌した。塩を濾去し、溶液を−15℃まで冷却した。水(30mL)中、NaBH
4(3.06g,1.5当量)の溶液を注意深く滴下した。添加が完了したところで、水(100mL)を加え、この混合物を室温で15分間攪拌した。NaOH水溶液(2N,50mL)を加え、水相をAcOEtで2回抽出した。有機相を合わせ、乾燥させた(Na
2SO
4)。この溶液を真空濃縮し、白色固体を得た(8.0g,86%)(ES−MS:m/z182.1[M+H]
+,保持時間3.50分)。
2−アセチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(150mL)中、2−アミノ−4−ヒドロキシメチル−安息香酸メチルエステル(7.8g,43mmol)の溶液に、塩化アセチル(3.04mL,1当量)を加え、得られた混合物を90℃で18時間攪拌した。この溶液を真空濃縮し、得られた油状物をDCM/ヘキサン(2/8)中で音波処理した。固体を濾別し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、白色固体を得た(7.03g,73.2%)(ES−MS:m/z224.2[M+H]
+,保持時間3.75分)。
2−アセチルアミノ−4−メタンスルホニルオキシメチル−安息香酸メチルエステル
0℃にて、DCM(100mL)中、2−アセチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−安息香酸メチルエステル(4g,17.9mmol)およびEt
3N(7.5mL,3.0当量)の溶液に、MsCl(2.1mL,1.5当量)を滴下した。添加が終了したところで、この混合物を0℃で1時間攪拌した。有機相をNaHCO
3の飽和溶液で洗浄し、た後、乾燥させた(Na
2SO
4)。この溶液を真空濃縮し、標題化合物を褐色のペーストとして得た(5.4g,100%)(ES−MS:m/z302.2[M+H]
+,保持時間4.58分)。
2−アセチルアミノ−4−フルオロメチル−安息香酸メチルエステル
予め攪拌しておいた、CH
3CN(40mL)中、フッ化カリウム(2.01g,2当量)と18−クラウン−6(461mg,0.1当量)の混合物に、CH
3CN(10mL)中、2−アセチルアミノ−4−メタンスルホニルオキシメチル−安息香酸メチルエステル(5.2g,17.3mmol)の溶液を、10分間かけて加えた。次に、この混合物を80℃で48時間攪拌した。この混合物を冷却し、AcOEtで希釈した。有機相をHCl 1N水溶液、NaHCO
3の飽和溶液およびでブライン洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、褐色残渣(2.6g)を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜40:60))により精製し、白色固体を得た(1.5g,39%)(ES−MS:m/z267.2[M+CH
3CN+H]
+,保持時間4.86分)。
2−アミノ−4−フルオロメチル−安息香酸メチルエステル
MeOH(50mL)中、2−アセチルアミノ−4−フルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.5g,6.66当量)の溶液に、濃硫酸(4mL)を加え、この混合物を1時間還流した。この混合物を冷却し、真空濃縮した。水を加え、2N NaOHを加えてpHを9〜10に調整した。水相をAcOEtで抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させた(Na
2SO
4)。この溶液を真空濃縮し、標題化合物を黄色〜橙色の油状物として得た(1.24g,100%)(ES−MS:m/z184.1[M+H]
+,保持時間4.91分)。
2−アミノ−4−フルオロメチル−5−ヨード−安息香酸メチルエステル
EtOH(50mL)中、2−アミノ−4−フルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.24g,6.77mmol)の溶液に、硫酸銀(2.12g,1当量)およびヨウ素(1.72g,1当量)を加え、得られた混合物を室温で1時間攪拌した。この混合物をセライトパッドで濾過し、EtOHで洗浄した。この溶液を真空濃縮した後、AcOEtで希釈した。有機相をNaHCO
3飽和水溶液、1Mチオ硫酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、淡色の固体を得た(2.4g)。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜20:80))により精製し、灰白色固体を得た(1.55g,74%)(ES−MS:m/z351.2[M+CH
3CN+H]
+,保持時間5.81分)。
2−アミノ−4−フルオロメチル−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(30mL)中、2−アミノ−4−フルオロメチル−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(650mg,2.10mmol)の溶液に、1−イソプロピル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(1.01g,1.2当量)およびPd(dppf)
2Cl
2(172mg,0.1当量)を加え、得られた混合物を90℃で18時間攪拌した。0.1当量の触媒を加え、この混合物を90℃で24時間攪拌した。溶媒を真空除去し、暗色の油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜35:75))により精製し、淡黄色固体を得た(243mg,40%)(ES−MS:m/z292.3[M+H]
+,保持時間5.31分)。
N−[7−フルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(15mL)中、2−アミノ−4−フルオロメチル−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(243mg,0.834mmol)の溶液に、Et
3N(0.35mL,3当量)、および次いで(CCl
3O)
2CO(177mg,0.7当量)を加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空除去し、この粗物質をTHF中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(101mg,1.1当量)を加え、この混合物を室温で1時間攪拌した。次に、NaOH水溶液(1N,0.92mL)を加え、この混合物を30分間攪拌した。溶媒を真空除去し、水を加えた。1N HCl水溶液を加えてpHを3〜4に調整した。水相をAcOEtで2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗固体を得た。この固体を10mLのDCMに溶解させ、10mlのヘキサンを加えた。この混合物を1分間音波処理した。得られた固体を濾別し、ヘキサンで洗浄し、高真空乾燥させ、標題化合物(227mg,69%)を灰白色固体として得た(ES−MS:m/z396.4[M+H]
+,保持時間4.39分)。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 11.07 (bs, 1H); 7.76 (d, 1H, J=1.07 Hz); 7.55 (d, 1H, J=1.58 Hz); 7.40 (s, 1H); 6.30 (d, 1H, J=1.77 Hz); 5.30 (d, 2H, J=46.55 Hz); 4.14 (m, 1H);3.16 (s, 1H); 1.31 (d, 6H, J=6.51 Hz).
実施例60:N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アセチルアミノ−4−ホルミル−安息香酸メチルエステル
DCM(40mL)中、2−アセチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−安息香酸メチルエステル(1.7g,7.62mmol)の懸濁液に、MnO
2(1.32g,2当量)を加え、得られた混合物を50℃で18時間攪拌した。MnO
2(0.66g,1当量)を加え、この混合物を50℃で2時間攪拌した。この混合物を冷却し、セライトパッドで濾過し、DCMで洗浄した。溶媒を真空除去し、粗黄色固体を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜50:50))により精製し、標題化合物を淡黄色固体として得た(1.15g,68%)(ES−MS:m/z263.2[M+CH
3CN+H]
+,保持時間4.29分)。
2−アセチルアミノ−4−ジフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
DCM(50mL)中、2−アセチルアミノ−4−ホルミル−安息香酸メチルエステル(1.1g,4.97mmol)の溶液に、デオキソ−フルオル(3.56mL,1.7当量)を加え、得られた溶液を室温で18時間攪拌した。この混合物を飽和水溶液NaHCO
3(100mL)に注いだ後、15分間攪拌した。有機相を水相から分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗橙色油状物を得た(1.5g)。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜40:60))により精製し、標題化合物を黄色固体として得た(670mg,55%)。ES−MS:m/z285.3[M+CH
3CN+H]
+,保持時間5.03分。
2−アミノ−4−ジフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アセチルアミノ−4−ジフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(3.3g,13.6mmol)をMeOH(100mL)に溶解させ、濃H
2SO
4(8mL)を加えた。得られた溶液を1時間還流した。この混合物を冷却し、真空濃縮した。水を加え、2N NaOHを加えてpHを9〜10に調整した。水相をAcOEtで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させた(Na
2SO
4)。この溶液を真空濃縮し、黄色油状物を得た(2.6g)。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜40:60))により精製し、標題化合物を淡黄色固体として得た(1.98g,収率72.5%)。ES−MS:m/z243.2[M+CH
3CN+H]
+,保持時間5.20分。
2−アミノ−4−ジフルオロメチル−5−ヨード−安息香酸メチルエステル
EtOH(75mL)中、2−アミノ−4−ジフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.98g,9.84mmol)の溶液に、Ag
2SO
4(3.08g,1当量)およびI
2(2.50g,1当量)を加え、得られた混合物を室温で1時間攪拌した。この混合物をセライトパッドで濾過し、EtOHで洗浄した。この溶液を真空濃縮した後、AcOEtで希釈した。有機相をNaHCO
3飽和水溶液、1M Na
2S
2O
3水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させた(Na
2SO
4)。この溶液を真空濃縮し、標題化合物を灰白色固体として得た(2.9g,収率90%)。ES−MS:m/z369.2[M+CH
3CN+H]
+,保持時間5.87分。
2−アミノ−4−ジフルオロメチル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(30mL)中、2−アミノ−4−ジフルオロメチル−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(750mg,2.29mmol)の溶液に、1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(1.28g,1.5当量)およびPd(PPh
3)
2Cl
2(246mg,0.15当量)を加え、得られた混合物を90℃で18時間攪拌した。溶媒を真空除去し、暗色の油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜50:50))により精製し、標題化合物を黄色油状物として得た(200mg,31%)。ES−MS:m/z282.3[M+H]
+,保持時間4.97分。
N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(15mL)中、2−アミノ−4−ジフルオロメチル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(200mg,0.71mmol)の溶液に、(CCl
3O)
2CO(151mg,0.7当量)を加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をTHF中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(86mg,1.1当量)を加え、室温で1時間攪拌した後、この混合物をNaOH水溶液(1N,0.78mL)で30分間処理した。溶媒を真空除去し、水を加えた。1N HCl水溶液を加えてpHを3〜4に調整した。水相をAcOEtで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗固体を得た。この固体を15mLのDCM/ヘキサン(1/1)でトリチュレートした。得られた固体を濾別し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、標題化合物を灰白色固体として得た(150mg,55%)。ES−MS:m/z386.3[M+H]
+,保持時間4.16分。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 12.04 (s, 1H), 10.34 (s, 1H); 7.93 (s, 1H); 7.55 (s, 1H); 7.52 (s, 1H); 6.83 (t, 1H, J = 54 Hz), 6.34 (s, 1H). 3.62 (s, 3H); 3.17 (s, 1H)
実施例61:N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−4−ジフルオロメチル−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(30mL)中、2−アミノ−4−ジフルオロメチル−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(750mg,2.29mmol)の溶液に、1−イソプロピル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(1.1g,1.2当量)およびPd(dppf)
2Cl
2(187mg,0.1当量)を加え、得られた混合物を90℃で18時間攪拌した。触媒(0.1当量)を追加し、この混合物を90℃でさらに6時間攪拌した。溶媒を真空除去し、暗色の油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:100〜30:70))により精製し、標題化合物を灰白色固体として得た(380mg,54%)。ES−MS:m/z310.3[M+H]
+,保持時間5.54分。
N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(15mL)中、2−アミノ−4−ジフルオロメチル−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(380mg,1.23mmol)の溶液に、Et
3N(0.52mL,3当量)、および次いで(CCl
3O)
2CO(261mg,0.7当量)を加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をTHF中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(149mg,1.1当量)を加え、この混合物を室温で1時間攪拌した。次に、NaOH水溶液(1N,1.4mL)を加え、この混合物を室温で30分間攪拌した。溶媒を真空除去し、水を加えた。1N HCl水溶液を加えてpHを3〜4に調整した。水相をAcOEtで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗固体を得た。この固体をDCM(10mL)に溶解させ、ヘキサン(10mL)を加えた。この混合物を1分間音波処理した。得られた固体を濾別し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、標題化合物を灰白色固体として得た(305mg,60%)。ES−MS:m/z414.4[M+H]
+,保持時間4.52分。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 11.23 (bs, 1H); 7.83 (s, 1H); 7.57 (d, 1H, J=1.64 Hz); 7.55 (s, 1H); 6.80 (t, 1H, J=54.1 Hz); 6.32 (d, 1H, J=1.71 Hz); 4.12 (m, 1H);3.16 (s, 1H); 1.31 (d, 6H, J=6.38 Hz).
実施例62:N−[7−エチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
4−ブロモ−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル
0℃にて、DMF(200mL)中、4−ブロモ−2−ニトロ安息香酸(25.3g,103mmol)の溶液に、DBU(79.1mL,514.8mmol)およびMeI(32.2mL,515mmol)を加えた。この反応混合物をこの温度で15分間、その後、室温で72時間攪拌した。この混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を水で洗浄し(2回)、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,7:3ヘキサン:EtOAc)により精製し、標題化合物(26.24g,98%)を黄色油状物として得た。
2−ニトロ−4−ビニル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(5mL)中、4−ブロモ−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(1g,3.85mmol)の溶液に、トリブチルビニルスズ(1.7mL,5.76mmol)およびPd(Ph
3P)
2Cl
2(275.4mg,0.385mmol)を加えた。この反応混合物を80℃で18時間攪拌し、室温まで冷却し、EtOAcで希釈した。沈殿を濾去した後、この溶液を真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン→1:1ヘキサン:EtOAc)により精製し、標題化合物(820mg,100%,HPLCによる純度97%)を黄色油状物として得た。ESI−MS:m/z208.2[M+H]
+,保持時間5.14分。
2−アミノ−4−エチル−安息香酸メチルエステル
MeOH(15mL)中、2−ニトロ−4−ビニル−安息香酸メチルエステル(820mg,3.96mmol)の溶液を、H
2(0.1バール)下、Pd/C(10%,0.2g)の存在下、50℃で5時間振盪した。室温まで冷却した後、この反応混合物を濾過し、溶媒を真空除去し、標題生成物(680mg,96%)を得、これをこれ以上精製せずに次の工程で用いた。ESI−MS:m/z180.1[M+H]
+,保持時間5.13分。
2−アミノ−4−エチル−5−ヨード−安息香酸メチルエステル
EtOH(2mL)中、2−アミノ−4−エチル−安息香酸メチルエステル(500mg,2.79mmol)の溶液に、Ag
2SO
4(868.15mg,2.79mmol)およびI
2(708.1mg,2.79mmol)を加え、得られた混合物を室温で3時間攪拌した。この反応混合物を濾過し、溶媒を真空除去した。残渣をEtOAcに溶解させ、有機相を1M Na
2S
2O
3およびNaHCO
3飽和水溶液で洗浄した。溶媒を真空除去し、橙色油状物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン→4:1ヘキサン:EtOAc)により精製し、標題化合物(620mg,73%)を橙色固体として得た。ESI−MS:m/z306.2[M+H]
+,保持時間6.03分。
2−アミノ−4−エチル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
このカップリング反応に必要な1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾールは、上記の手順に従って製造した。
2−アミノ−5−ヨード−4−エチル−安息香酸メチルエステル(280mg,0.92mmol)および1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(409mg,1.2当量)を空気中で秤量し、火炎乾燥させたフラスコに加えた。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(75mg,0.1当量)を加え、このフラスコをセプタムで封じた。ジオキサン(1mL)を加え、この混合物を100℃で18時間(TLC対照)攪拌した。この混合物をEtOAcに溶解させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(4:6))により精製し、2−アミノ−4−エチル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(163mg,収率68%)を黄色固体として得た。ESI−MS:m/z260.3[M+H]+,保持時間6.37分。
2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−4−エチル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(1.5mL)中、2−アミノ−4−エチル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(145mg,0.56mmol)の溶液に、4−クロロフェニル−クロロホルメート(86μL,1.1当量)を加えた。この混合物を80℃で2時間(TLC対照)攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。得られた黄色固体をこれ以上精製せずに次の工程で用いた(保持時間6.81分)。
N−[7−エチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ジオキサン(1mL)中、2−(4−クロロ−フェノキシカルボニルアミノ)−4−イソプロピル−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(262mg,0.63mmol)の溶液に、メタンスルホニルヒドラジド(77mg,1.1当量)およびi−Pr
2NEt(217μL,2当量)を加えた。この混合物を80℃で16時間(TLC対照)攪拌した。この混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM(1:9))により精製し、N−[7−エチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(172mg,収率74%)を白色固体として得た。ESI−MS:m/z364.4[M+H]
+,保持時間4.54分)。
次の生成物も類似の手順により合成した。
実施例63:N−[7−エチル−6−(2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z378.4[M+H]
+,保持時間 4.06分
実施例64:N−[7−エチル−6−(
2−イソプロピル−
2H−ピラゾール−
3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
(ESI−MS:m/z392.4[M+H]
+,保持時間 4.19分)
実施例65:N−{7−イソプロピル−6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z422.4[M+H]
+,保持時間4.83分
実施例66:N−[7−イソプロピル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z406.4[M+H]
+,保持時間4.68分
実施例67:N−[2,4−ジオキソ−6−(2H−ピラゾール−3−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z431.3[M+H+CH
3CN]
+,保持時間4.01分
実施例68:N−[6−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z404.3[M+H]
+,保持時間2.85分
実施例69
N−(6−メタンスルホニルメチル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z416.2[M+H]
+,保持時間3.63分
実施例70:N−[7−フルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
ESI−MS:m/z368.3[M+H]
+,保持時間3.73分
実施例71:N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
4−ブロモ−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル
0℃に冷却したジメチルホルムアミド(36mL)中、4−ブロモ−2−ニトロ−安息香酸(9g,36.58mmol)の溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンド−7−エン(28.09mL,182.9mmol)およびMeI(11.4mL,182.5mmol)を加えた。この反応混合物を0℃で15分間、その後、室温で48時間攪拌した。この混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機相を水で洗浄し(2回)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(4:6))により精製し、4−ブロモ−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(8.62g,33.147mmol,90%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) 8.02 (s, 1 H), 7.81 (dd, J=2.3, 10.5Hz 1H), 7.66 (d, J=8.2 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H).
4−(1−エトキシ−ビニル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(125mL)中、4−ブロモ−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(10g,38.5mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(4.44g,3.84mmol)、およびトリブチル−(エトキシビニル)−スズ(21.5g,57.8mmol)の溶液を140℃で19時間加熱した。この混合物を室温まで冷却した後、水およびEtOAcを加えた。水相をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮乾固させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(4:6)により精製し、4−(1−エトキシ−ビニル)−安息香酸メチルエステル(7.63g,30.4mmol,79%)を褐色固体として得た。ES−MS:m/z252[M+H]
+,保持時間 6.04分。
4−アセチル−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル
THF(100mL)中、4−(1−エトキシ−ビニル)−安息香酸メチルエステル(7.63g,30.4mmol)の溶液をHCl水溶液(1N,43mL)で処理し、この混合物を室温で1時間攪拌した。次に、この混合物をEtOAcに注ぎ、水で洗浄した(2回)。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン(1:9〜1:1)により精製し、4−アセチル−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(6.37g,28.5mmol,94%)を得た。保持時間4.79分。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) 8.50 (d, J= 1.6 Hz, 1 H), 8.28 (dd, J=1.6, 9.8 Hz 1H), 7.87 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 2.73 (s, 3H).
4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル
DCM(100mL)中、4−アセチル−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(1.0g,4.48mmol)の溶液に、デオキソフルオル(2.83mL,6.7mmol)を加えた。この反応混合物を室温で48時間攪拌し、デオキソフルオル(0.95mL,2.23mmol)を追加した。この反応混合物を室温で48時間攪拌した。NaHCO
3飽和水溶液を加え、この溶液を室温で15分間攪拌した。水相をDCMで抽出し(3回)、合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(1:1))により精製し、4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(0.627g,2.56mmol,57%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) 8.02 (s, 1 H), 7.79 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 1.95 (t, J = 18.5 Hz, 3H).
2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−安息香酸メチルエステル
MeOH(40mL)中、4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(1.61g,6.57mmol)の溶液を、EtOH(400mL)中、ラネーニッケルで処理し、この混合物をH
2(0.1バール)下、室温で5時間攪拌した。次に、この混合物を濾過し、真空濃縮し、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−安息香酸メチルエステル(1.30g,6.05mmol,92%)を黄色油状物として得た。ESI−MS:m/z216[M+H]
+,保持時間6.30分。
2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−ヨード−安息香酸メチルエステル
EtOH(40mL)中、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−安息香酸メチルエステル(1.3g,6.04mmol)、I
2(1.53g,6.03mmol)およびAg
2SO
4(1.89g,6.03mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した。次に、この懸濁液を濾過し、濾液をEtOAcで希釈し、10%Na
2SO
3水溶液で1回洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮し、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(1.98g,5.8mmol,96%)を褐色固体として得た。ESI−MS:m/z383[M+CH
3CN+H]
+,保持時間6.71分。
2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(10mL)中、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(0.809g,2.37mmol)の溶液に、1−イソプロピル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(1.14g,2.84mmol)およびPd(PPh
3)
2Cl
2(170mg,0.237mmol)を加え、得られた混合物を90℃で72時間攪拌した。溶媒を真空除去し、暗色の油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:10〜3:7))により精製し、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(141mg,0.436mmol,18%)を得た。ES−MS:m/z324[M+H]
+,保持時間6.39分。
N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(10mL)中、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(141mg,0.436mmol)の溶液に、Et
3N(0.244mL,1.74mmol)、および次いで(CCl
3O)
2CO(106mg,0.349mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を真空除去し、粗物質をTHF(5mL)中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(44.8mg,0.399mmol)を加え、この混合物を室温で2時間攪拌した。その後、NaOH水溶液(1N,0.4mL,0.4mmol)を加えた。この混合物を室温で1時間攪拌した後、NaOH水溶液(1N,0.4mL,0.4mmol)を追加し、12時間攪拌を続けた。溶媒を真空除去し、水を加えた。2N HClを加えてpHを3〜4に調整した。水相をEtOAcで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗固体を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(1:1〜10:0))により精製し、N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドを黄色固体として得た(52mg,0.122mmol,39%)。ES−MS:m/z428.4[M+H]
+,保持時間5.94分。
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz) 10.15 (s, 1H); 7.99 (s, 1H); 7.90 (br s, 1H); 7.58 (d, J = 1.7 Hz, 1H); 7.54 (s, 2H); 6.17 (d, J = 1.8 Hz, 1H); 4.02 (m, 1H);3.33 (s, 1H); 1.71 (t, J = 18.7 Hz, 3H), 1.41 (br d, 6H).
実施例72:N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(10mL)中、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(0.80g,2.35mmol)の溶液に、1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(1.05g,2.81mmol)およびPd(PPh
3)
2Cl
2(168mg,0.235mmol)を加え、得られた混合物を90℃で72時間攪拌した。溶媒を真空除去し、暗色の油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:10〜3:7))により精製し、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−(2メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(430mg,1.46mmol,62%)を得た。ES−MS:m/z296[M+H]
+,保持時間6.05分。
N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド:
DCM(33mL)中、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−(2メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(430mg,1.43mmol)の溶液に、Et
3N(0.820mL,5.82mmol)および(CCl
3O)
2CO(353mg,1.16mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をTHF(33mL)中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(213mg,1.90mmol)を加え、この混合物を室温で2時間攪拌した。次に、NaOH水溶液(1N,1.9mL,1.9mmol)を加え、この混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空除去し、水を加えた。2N HCl水溶液を加えてpHを3〜4に調整した。水相をEtOAcで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗固体を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン〜EtOAc/MeOH(1:1〜8:2))により精製し、N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドを黄色固体として得た(470mg,1.18mmol,80%)。ES−MS:m/z400.4[M+H]
+,保持時間5.52分。
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz) 9.23 (br s, 1H); 8.06 (s, 1H); 7.90 (br s, 1H); 7.55 (d, J = 2.05 Hz, 1H); 7.48 (s, 2H); 7.45 (s, 1H); 6.26 (d, J=1.8 Hz, 1H); 3.64 (s, 3H); 3.36 (s, 1H); 1.70 (t, J = 18.7 Hz, 3H).
実施例73:N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
4−(1−ヒドロキシ−エチル)−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル
MeOH(5mL)中、4−アセチル−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(1g,4.48mmol)の溶液に、NaBH
4を加えた。この反応混合物を室温で24時間(TLC対照)攪拌した。この反応混合物に、白濁溶液となるまで水を加え、この反応物を室温で15分間攪拌した。減圧下でMeOHを除去した。水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、4−(1−ヒドロキシ−エチル)−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(0.742g,73%)を褐色油状物として得、これをこれ以上精製せずに次の工程で用いた。保持時間4.74分。
4−(1−フルオロ−エチル)−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル
−50℃に冷却したDCM(15mL)中、4−(1−ヒドロキシ−エチル)−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(1.09g,4.84mmol)の溶液に、DCM(2mL)中、DAST(0.734mL,5.32mmol)の溶液を滴下した。この反応物を−50℃で2時間攪拌した。この反応混合物にNaHCO
3飽和水溶液を加え、この溶液を室温で1時間攪拌した。水相をDCMで抽出し(3回)、合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン〜EtOAc/ヘキサン(4:6))により精製し、4−(1−フルオロ−エチル)−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(0.60g,2.64mmol,56%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz) 7.85 (s, 1H); 7.75 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 7.7.61 (d, J = 7.3 Hz, 1H); 5.60-5.82 (qd, J = 6.45, 47.2 Hz, 1H); 3.92 (s, 3H); 1.70 (dd, J = 6.4, 23.7 Hz, 3H).
N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−安息香酸メチルエステル
MeOH(15mL)中、4−(1−フルオロ−エチル)−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(0.6g,2.64mmol)の溶液を、EtOH(254mL)中、ラネーニッケルで処理し、この混合物をH
2(0.1バール)下、室温で3時間攪拌した。次に、この混合物を濾過し、真空濃縮し、2−アミノ−4−(1−フルオロ(fluro)−エチル)−安息香酸メチルエステル(334g,1.69mmol,93%)を黄色油状物として得た。ESI−MS:m/z198[M+H]
+,保持時間4.86分。
2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−5−ヨード−安息香酸メチルエステル
EtOH(15mL)中、2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−安息香酸メチルエステル(0.334g,1.69mmol)、I
2(0.430g,1.69mmol)およびAg
2SO
4(0.533g,1.69mmol)の混合物を室温で2時間攪拌した。次に、この懸濁液を濾過し、濾液をEtOAcで希釈し、10%Na
2SO
4水溶液で1回洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空濃縮し、2−アミノ−4−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(0.561g,1.69mmol,100%)を得、これをこれ以上精製せずに次の工程で用いた。ESI−MS:m/z365[M+CH
3CN+H]
+。保持時間6.57分。
2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(5mL)中、2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(0.561g,1.74mmol)の溶液に、1−イソプロピル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(0.84g,2.08mmol)およびPd(PPh
3)
2Cl
2(142mg,0.174mmol)を加え、得られた混合物を90℃で24時間攪拌した。溶媒を真空除去し、暗色の油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:10〜3:7))により精製し、2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステルを得た(90mg,0.287mmol,16%)。ES−MS:m/z306[M+H]
+,保持時間6.47分。
N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(7mL)中、2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−5−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(90mg,0.295mmol)の溶液に、Et
3N(0.165mL,1.18mmol)、および次いで(CCl
3O)
2CO(71.4mg,0.236mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をTHF(5mL)中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(44.1mg,0.392mmol)を加え、この混合物を室温で2時間攪拌した。次に、NaOH水溶液(1N,0.39mL,0.4mmol)を加え、1時間攪拌を行った後、NaOH水溶液(1N,0.4mL,0.4mmol)を追加した。48時間攪拌した後、溶媒を真空除去し、水を加えた。2N HClを加えてpHを3〜4に調整した。水相をEtOAcで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗固体を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(3:7〜7:3))により精製し、DCM/ヘキサン(2/8)でのトリチュレーションおよび濾過を行った後、N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドを白色固体として得た(19mg,0.047mmol,15%)。ES−MS:m/z410[M+H]
+,保持時間6.05分。
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) 10.6 (bs, 2H); 7.73 (s, 1H); 7.54 (s, 1H); 7.44 (s,1H); 6.27 (s, 1H); 5.45(qd, J = 6.6, 47.5 Hz 1H);4.12 (m, 1H); 3.15 (s, 1H); 1.44 (dd, J = 5.6, 24.6 Hz, 3H), 1.41 (dd, J = 6.6, 12.9 Hz, 6H).
実施例74:N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(5mL)中、2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(0.339g,1.05mmol)の溶液に、1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1H−ピラゾール(0.842g,2.14mmol)およびPd(PPh
3)
2Cl
2(75.1mg,0.105mmol)を加え、得られた混合物を90℃で24時間攪拌した。溶媒を真空除去し、暗色の油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(0:10〜4:6))により精製し、2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステルを得た(280mg,0.982mmol,93%)。ES−MS:m/z278[M+H]
+,保持時間4.66分。
N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
DCM(20mL)中、2−アミノ−4−(1−フルオロ−エチル)−5−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−安息香酸メチルエステル(280mg,1.01mmol)の溶液に。Et
3N(0.565mL,4.04mmol)、および次いで(CCl
3O)
2CO(245mg,0.808mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をTHF(20mL)中で可溶化した。CH
3SO
2NHNH
2(152mg,1.35mmol)を加え、室温で3時間攪拌した後、2回目のCH
3SO
2NHNH
2(117mg)を追加し、反応を1時間進行させた。次に、NaOH水溶液(1N,1.4mL,1.4mmol)を加え、この混合物を19時間攪拌した。溶媒を真空除去し、水を加えた。2N HCl水溶液を加えてpHを3〜4に調整した。水相をEtOAcで抽出した(2回)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮し、粗固体を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(3:7〜10:0)により精製し、N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド(150mg,0.383mmol,36%)を淡黄色固体として得た。ES−MS:m/z382[M+H]
+。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) 10.5 (s, 1H); 8.02 (s, 1H); 7.61 (d, J = 1.6 Hz, 1H); 7.53 (s, 1H); 6.27 (d, J = 1.95Hz, 1H); 5.44-5.45 (qd, J = 6.3, 46.9 Hz, 1H); 3.72 (s, 3H); 3.33 (s, 1H); 1.40-1.48 (dd, J = 6.3, 24.2 Hz, 3H).
特に断りのない限り、以下の実施例で用いたHPLC法:
HPLC分析は、UV/ビジブルダイオードアレイ(範囲190〜400nm、2nm漸増)と組み合わせたAgilent 1100シリーズ(4連ポンプ、DAD、オートサンプラー、カラムサーモスタット)で行った。カラム:Nucleosil C18HD 4×70mm 3μm;流速:1.0mL/分;温度:35.0℃;注入量:5.0μL。溶媒A:水中0.05%TFA;溶媒B:CH3CN中0.05%TFA。方法N_20_100:20%→100%(6分)、100%(1.5分)、100%→20%(0.5分)。
実施例75
N−(2,4−ジオキソ−6−ピリダジン−4−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−エチニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(80mL)中、2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.5g,4.35mmol)の溶液に、トリブチル(エチニル)スズ(1.4mL,4.78mmol)および(Ph
3P)
4Pd(251.2mg,0.217mmol)を加え、この混合物を120℃で1.5時間加熱した。室温まで冷却した後、溶媒を真空除去し、残渣を2つの連続的フラッシュクロマトグラフィー(150gシリカゲル,ヘキサン→DCM:ヘキサン(3:7〜1:1)、その後、(50gシリカゲル,ヘキサン→EtOAc:ヘキサン(1:9))により精製し、標題化合物(730mg,69%)をベージュ色〜橙色の固体として得た。API−ES:m/z244[M+H]
+,保持時間5.14分。
2−アミノ−5−ピリダジン−4−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
密閉試験管にて、1,2−ジクロロエタン(3mL)中、2−アミノ−5−エチニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(150mg,0.62mmol)およびテトラジン(55.7mg,0.68mmol)の溶液をマイクロ波で130℃にて40分、その後、120℃で40分加熱した。室温まで冷却した後、溶媒を真空除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10gシリカゲル,ヘキサン→EtOAc:ヘキサン(2:3))により精製し、2−アミノ−5−ピリダジン−4−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(74mg,40%)を固体として得た。API−ES:m/z298[M+H]
+,保持時間3.54分。
テトラジンは、J. Heterocycl. Chem. 1987, 24, 545-548に記載の手順に従って合成した。
N−(2,4−ジオキソ−6−ピリダジン−4−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ジオキサン(3mL)中、2−アミノ−5−ピリダジン−4−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(65.5mg,0.22mmol)およびクロロギ酸4−クロロフェニル(34μL,0.24mmol)を含む溶液を80℃で1.5時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却した後、CH
3SO
2NHNH
2(48.5mg,0.44mmol)およびi−Pr
2NEt(38.5μL,0.22mmol)を加えた。この混合物を1時間80℃まで加熱し、室温まで冷却した後、溶媒を真空除去した。残渣をDCMに溶解させ、Et
2Oを加えて生成物を沈殿させた。濾過および乾燥を行い、標題生成物(34.4mg,39%)を白色固体として得た。API−ES:m/z402[M+H]
+,保持時間2.02分。
実施例76:N−(7−イソプロピル−2,4−ジオキソ−6−ピリダジン−4−イル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−エチニル−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(80mL)中、2−アミノ−5−ヨード−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステル(1.5g,4.7mmol)、Bu
3SnCCH(1.5mL,5.17mmol)および(Ph
3P)
4Pd(271.6mg,0.235mmol)の溶液を120℃で1.5時間加熱した。溶媒を真空除去した。残渣を2つの連続的フラッシュクロマトグラフィー(160gシリカゲル,ヘキサン→EtOAc:ヘキサン(3:7〜1:1)、その後、(50gシリカゲル,ヘキサン→EtOAc:ヘキサン(1:9))により精製し、2−アミノ−5−エチニル−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステル(738mg,72%)を黄色がかった油状物として得た。API−ES:m/z218[M+H]
+,保持時間5.45分。
2−アミノ−4−イソプロピル−5−ピリダジン−4−イル−安息香酸メチルエステル
密閉試験管にて、1,2−ジクロロエタン(15mL)中、2−アミノ−5−エチニル−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステル(718mg,3.3mmol)およびテトラジン(406.8mg,5.0mmol)の溶液を、マイクロ波にて130℃で45分加熱した。次に、この反応混合物を真空濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(50gシリカゲル,ヘキサン→EtOAc:ヘキサン(1:1))により精製し、標題化合物を得た(236mg,26%)。API−ES:m/z272[M+H]
+,保持時間3.38分。
N−(7−イソプロピル−2,4−ジオキソ−6−ピリダジン−4−イル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ジオキサン(10mL)中、2−アミノ−4−イソプロピル−5−ピリダジン−4−イル−安息香酸メチルエステル(220mg,0.81mmol)およびクロロギ酸4−クロロフェニル(170μL,1.22mmol)の溶液を室温で10分間、その後、80℃で30分間攪拌した。室温まで冷却した後、CH
3SO
2NHNH
2(178.6mg,1.6mmol)およびi−Pr
2NEt(425μL,2.43mmol)を加えた。この混合物を80℃で1.5分間加熱し、室温まで冷却し、溶媒を真空除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(100gシリカゲル,DCM→DCM中MeOH(2.5%〜5%))により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、真空濃縮し、残渣をさらにMeOH−Et
2Oでトリチュレートすることにより精製した。濾過および乾燥を行った後、標題化合物(156mg,51%)を白色粉末として単離した。API−ES:m/z376[M+H]
+,保持時間2.12分。
実施例77:N−(2,4−ジオキソ−6−ピラジン−2−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−ピラジン−2−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ジオキサン(40mL)中、2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(750mg,2.17mmol)、2−トリブチルスタンニルピラジン(1.0g,2.7mmol)および(Ph
3P)
4Pd(125.6mg,0.109mmol)を含む溶液を120℃℃で17時間加熱した。LiCl(276.4mg,6.5mmol)を加え、この反応混合物を1.5時間還流した後、ジ−t−ブチル−p−クレゾール(188mg,0.85mmol)を加え、(Ph
3P)
4Pd(251.2mg,0.22mmol)を追加した。加熱を16時間続け、総反応時間36時間とした。室温まで冷却した後、溶媒を真空除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(200gシリカゲル,ヘキサン→EtOAc:ヘキサン(3:7〜1:1))により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、真空濃縮した。得られた油状物をさらにCH
3CNとヘキサンで分液することにより精製した。アセトニトリル層を真空濃縮し、標題化合物(248mg,38%)を固体として得た。API−ES:m/z298[M+H]
+,保持時間4.18分。
N−(2,4−ジオキソ−6−ピラジン−2−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ジオキサン(8mL)中、2−アミノ−5−ピラジン−2−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(235mg,0.79mmol)およびクロロギ酸4−クロロフェニル(133μL,0.95mmol)の溶液を80℃で105分間攪拌した。室温まで冷却した後、CH
3SO
2NHNH
2(130.6mg,1.19mmol)およびi−Pr
2NEt(276μL,1.58mmol)を加えた。この混合物を80℃で45分間加熱し、室温まで冷却し、溶媒を真空除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(50gシリカゲル,DCM→DCM中MeOH(2%〜5%))により精製し、標題化合物(241.5mg,76%)を白色粉末として得た。API−ES:m/z402[M+H]
+,保持時間2.69分。
実施例78:N−(2,4−ジオキソ−6−ピリミジン−5−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−ピリミジン−5−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
DME(50mL)中、2−アミノ−5−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.5g,4.35mmol)の溶液に、ピリミジン−5−ボロン酸(538.7mg,4.35mmol)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(355mg,0.43mmol)、Cs
2CO
3(2.8g,8.7mmol)を加え、得られた混合物を還流温度で36時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(120gシリカゲル,ヘキサン→EtOAc/ヘキサン(3:7〜1:1))により精製し、標題生成物(528mg,41%)をベージュ色の固体として得た。API−ES:m/z298[M+H]
+,保持時間4.06分。
N−(2,4−ジオキソ−6−ピリミジン−5−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ジオキサン(8mL)中、2−アミノ−5−ピリミジン−5−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(518mg,1.74mmol)およびクロロギ酸4−クロロフェニル(244μL,1.74mmol)の溶液を80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却した後、CH
3SO
2NHNH
2(230.4mg,2.1mmol)およびi−Pr
2NEt(609μL,3.49mmol)を加えた。この混合物を80℃で4時間加熱し、室温まで冷却し、溶媒を真空除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(120gシリカゲル,DCM→DCM中MeOH(2%〜5%))により精製した。この生成物をMeOH/Et
2O中で音波処理し、標題化合物(252mg,36%)をベージュ色の粉末として得た。API−ES:m/z402[M+H]
+,保持時間2.52分。
実施例79:N−(2,4−ジオキソ−6−ピリダジン−3−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2−アセチルアミノ−5−[1−(エトキシカルボニル−ヒドラゾノ)−エチル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
ディーン・スタークを取り付けた丸底フラスコにて、トルエン(16mL)中、5−アセチル−2−アセチルアミノ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(2.384g,7.86mmol)の溶液をエチルカルバゼート(2.61g,25mmol)、その後、p−トルエンスルホンアミド(103mg,0.60mmol)で処理した。この反応物を150℃で40時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,1:1 EtOAc/ヘキサン)により精製し、標題化合物を得た(1.24g,40%)。API−ES:m/z390.1[M+H]
+,保持時間4.14分,4.20分:シスおよびトランスの混合物。
3−(4−アセチルアミノ−5−メトキシカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−4−クロロ−6−エトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−カルボン酸エチルエステル
CCl
4(18mL)中、2−アセチルアミノ−5−[1−(エトキシカルボニル−ヒドラゾノ)−エチル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(1.1g,2.83mmol)の溶液に、N−クロロスクシンイミド(770mg,5.65mmol)を加えた。この反応容器をアルゴンでフラッシュし、反応混合物を110℃で38時間加熱した。室温まで冷却した後、この混合物を濾過し、濾液を真空濃縮し、中間体2−アセチルアミノ−5−[2,2−ジクロロ−1−(エトキシカルボニル−ヒドラゾノ)−エチル]−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルを得、これをそのまま次の工程で用いた(API−ES:m/z455.9[M−H]
−,保持時間5.04分)。
アルゴン下、DCM(10mL)中、エチルビニルエーテル(1.35mL,14.1mmol)およびi−Pr2NEt(1.2mL,7.0mmol)の溶液に、DCM(10mL)中、この粗残渣の溶液を滴下した。この反応混合物を65℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、この混合物をEtOAcで希釈し、H2Oで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、溶媒を真空除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,1:4 EtOAc/ヘキサン)により精製し、標題生成物を得た(401mg,29%)。API−ES:m/z494.1[M+H]+,保持時間5.39分。
2−アミノ−5−ピリダジン−3−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸
KOH(227mg,4.05mmol)を含むEtOH(20mL)中、3−(4−アセチルアミノ−5−メトキシカルボニル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−4−クロロ−6−エトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−カルボン酸エチルエステル(400mg,0.81mmol)の溶液を110℃で18時間加熱した。水(2mL)を加え、反応物を8時間110℃まで加熱した。この溶液を氷/水/2N HCl水溶液(2.5mL)に注いだ後、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を真空除去し、標題化合物を得た(170mg,74%)。API−ES:m/z284.0[M+H]
+,保持時間2.78分。
2−アミノ−5−ピリダジン−3−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
2−アミノ−5−ピリダジン−3−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸(165mg,0.583mmol)をMeOH(15mL)に溶解させた。濃H
2SO
4(360μL)を加え、この溶液を110℃で11.5時間加熱した。この溶液を真空濃縮し、残渣を水(2mL)に溶解させた。水層をNaOH水溶液(2N)で中和し、DCMで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc/ヘキサン(1:4〜1:1))により精製し、標題化合物を得た(79mg,46%)。API−ES:m/z298.1[M+H]
+,保持時間3.48分。
N−(2,4−ジオキソ−6−ピリダジン−3−イル−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
アルゴン下、ジオキサン(4mL)中、2−アミノ−5−ピリダジン−3−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(79mg,0.266mmol)の溶液に、クロロギ酸4−クロロフェニル(44.6μL,0.319mmol)を加えた。この溶液を85℃で30分間攪拌し、室温まで冷却した。CH
3SO
2NHNH
2(58.5mg,0.531mmol)およびi−Pr
2NEt(46.4μL,0.266mmol)を加え、この反応混合物を再び85℃で3時間加熱した。この混合物を真空濃縮し、残渣を2つの連続的フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,DCM→DCM中5%MeOH)、その後、(シリカゲル,7:3 EtOAc/ヘキサン)により精製した。この生成物を最少量のEtOAcに懸濁させ、音波処理の後、ヘキサンに取った。固体を真空濾過により回収し、標題化合物(13mg,12%)を白色固体として得た。API−ES:m/z402.0[M+H]
+,保持時間3.36分,方法N_05_100:5%→100%(6分),100%(1.5分),100%→5%(0.5分)。
実施例80:N−(6−オキサール−5−イル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
2−アミノ−5−オキサゾール−5−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル:
MeOH(10mL)中、2−アセチルアミノ−5−ホルミル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(880mg,3.043mmol)を炭酸カリウム(463mg,3.35mmol)およびトルエン−4−スルホニルメチルイソシアニド(594mg,3.04mmol)で処理し、この混合物を5時間還流させた。この反応混合物を室温まで冷却し、真空濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(100gシリカゲル,DCM)により精製し、標題生成物(248mg,28%)を黄色粉末として得た。API−ES:m/z287.1[M+H]
+,保持時間4.40分。
N−(6−オキサゾール−5−イル−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
ジオキサン(4mL)中、2−アミノ−5−オキサゾール−5−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(248mg,0.866mmol)およびクロロギ酸4−クロロフェニル(121μL,0.886mmol)の混合物を80℃で1時間加熱した。この反応混合物を真空濃縮した。粗残渣をジオキサン(4mL)に溶解させ、CH
3SO
2NHNH
2(191mg,1.732mmol)およびi−Pr
2NEt(454μL,2.60mmol)で処理した。80℃で1時間加熱した後、反応混合物を真空濃縮した。残渣を2つの連続的フラッシュクロマトグラフィー(70gシリカゲル,DCM中2%MeOH)、その後、(20gシリカゲル,DCM→DCM中MeOH(1%〜3%))により精製し、標題化合物(65mg)を灰白色粉末として得た。この固体をDCM中での音波処理により精製し、24mgの純粋な生成物を得た。濾液を真空濃縮し、Et
2O中で音波処理し、27.8mgの標題生成物を得、合計51.8mg(15%)の標題化合物を灰白色粉末として得た。API−ES:m/z408.0[M+NH
4]
+,保持時間2.89分。
実施例81:N−(7−イソプロピル−2,4−ジオキソ−6−ピリミジン−5−イル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−メタンスルホンアミド
この化合物も類似の方法により合成した。
API−ES:m/z393.1[M+NH
4]
+,m/z374.0[M−H]
−,保持時間2.51分。
生物学的アッセイ
AMPA受容体の結合
これは例えば[3H]CNQX結合試験(Honore et al. Biochem. Pharmacol. 1989, 38: 3207-3212)などの標準的な試験で証明することができる。この試験は次のようにして行う。
脳膜:動物を断頭し、脳を取り出し、10容量の氷冷10%スクロース中、ガラス/テフロンホモジナイザーを用い、ポジション5で30秒間ホモジナイズする。この膜を1000xgで10分間遠心分離し、上清を20,000xgで15分間遠心分離する。得られたペレットを10容量の冷水に、組織ホモジナイザー(Brinkman Polytron)を用い、ポジション5で15秒間再懸濁させ、この懸濁液を8000xgで10分間遠心分離する。軟膜層を含む上清を40,000xgで20分間遠心分離し、ペレットを5容量の水に再懸濁させ、懸濁液の冷凍(乾燥氷/MeOH中で20〜30分)および解凍(水浴37℃)を2回行う。この懸濁液を40,000xgで20分間遠心分離し、ペレットを50mM HEPES/KOH,pH7.5に再懸濁させ、さらに40,000xgで10分間遠心分離する。最終ペレットを、ガラス/テフロンホモジナイザーを用い、5容量のHEPES/KOHバッファーに再懸濁させ、2mLずつ液体窒素中で凍結および保存する。
膜の前処理:膜を35℃で解凍し、50mM HEPES/KOHを用い、39,000xgで10分間遠心分離することにより1回洗浄する。最終ペレットを、ガラス/テフロンホモジナイザーを用い、同じバッファーに再懸濁させる。
放射性リガンド結合アッセイ:96ウェルマイクロタイタープレートを用い、0.3mL容量の50mM HEPES/KOH,pH7.2、100μg膜タンパク質、5nM[3H]−CNQX(NEN)および供試化合物中で行う。4℃で40分間インキュベーションし、3700xgで30分間遠心分離(Sigma 4K10)することにより反応を終了させる。ペレットを冷バッファーで1回洗浄した後、0.02mLの組織可溶化ソルエントに20分間溶解させる。200μLのシンチレーション液Microscint 20(Packard)を加え、Packard Topcountシンチレーションカウンターにて40〜45%の効率で放射活性を測定する。非特異的結合を10μM CNQXにより定義する。アッセイは3回行う。
例えば、このアッセイでは、実施例4の化合物のIC50は1μMより良い。
AMPA受容体活性の機能試験
AMPA受容体における機能的促進作用または拮抗作用を判定するため、これまでに詳細に記載されているアフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞(Urwyler et al., Mol. Pharmacol. 2001, 60, 963-971)に対して試験を行うことができる。要するに、GluR3 AMPA受容体を発現するアフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞から二電極ボルテージクランプ記録を行う。ラットGluR3−(flop)のプラスミド(Hollmann et al., Science 1991, 252, 851-853)を線状化し、in vitro RNA合成キット(Ambion, Texas)をT7ポリメラーゼとともに用い、キャップcRNAへと転写する。原溶液は70%EtOH中で維持する。使用前、cRNAを沈殿させ、DEPC処理水に再懸濁させる。卵母細胞を、ラットGluR3−(flop)AMPA受容体をコードするRNAとともに注入する。記録のため、卵母細胞を、カエルリンゲル液を持続的に重力流動させた灌流チャンバーに入れる。rGluR3−(flop)受容体を発現する卵母細胞からの記録のため、Mg2+を含むカエルリンゲル液(81mM NaCl;2.5mM KCl;1mM CaCl2;1mM MgCl2、2.5mM NaHCO3、5mM HEPES、pH7.4)を使用する。試験化合物を重量流により洗浄する。
例えば、このアッセイでは、実施例4の化合物は、3μMより良いIC50値を有する、rGluR3AMPA受容体におけるアンタゴニストである。
聴原性発作モデル
例えば、本発明の化合物は、例えばマウスにおいて、音、電気ショックまたはメトラゾールにより誘発される痙攣に関するそれらの顕著な保護作用に見られるような、in vivoで実証される顕著な抗痙攣特性を有する。
DBA/2マウスにおいて音誘導性の発作を誘発した(Collins RL in: Experimental models of epilepsy, eds Pupura, Penry Tower, Woodbury Walter; Raven Press, New York, 1972)。試験のため、20日齢の動物を消音チャンバーに入れた。60秒の馴化期間の後、最大60秒間持続する帯域制限ノイズ(14〜20kHz,118 dB SPL)を用いて動物を刺激する。DBA/2マウスは、音響刺激に対し、一連のワイルドランニング(wild running)、慢性発作、強直性発作、および呼吸停止を示す。データ分析のため、発生率ならびに種々の挙動相の持続時間を測定する。種々の挙動相のED50値を算出する。全身系薬剤適用(腹腔内、皮下、経口)の後のED50値は、0.5mg/kg〜100mg/kgの範囲である。
さらに、本発明の化合物は十分確立された電気ショックマウスモデルまたはSchmutz et al, Naunyn-Schmiedeberg's Arch Pharmacol 1990, 342, 61-66のメトラゾール誘導性痙攣のマウスモデルで顕著な作用を示す。ED50値は1mg/kg〜200mg/kgの範囲である。
本発明の化合物の抗統合失調症活性は、例えば、アンフェタミン誘導性歩行運動亢進で実証することができる。アンフェタミン誘導性歩行運動亢進の阻害は、抗統合失調症活性のスクリーニング範例として周知のものである。