JP5524569B2 - 有機ケイ素化合物及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、有機ケイ素化合物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、耐熱耐久性、耐光耐久性に優れた樹脂の金型離型性の改善方法に関する。
一般に、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラや携帯電話に付属のカメラ用のレンズユニットなどの光学材料用高分子材料には、高い透明性と硬度が要求されており、アクリル樹脂、ポリ−カーボネート樹脂、シクロオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂が使用されてきた。近年、小型化や安価製造を目的とし、レンズユニットと受光センサーユニットを一括で製造する方法が考案され、実用化されつつあるが、この一括での製造方法は受光センサーユニットだけでなくレンズを含めたすべての部品がはんだリフロー条件に晒されるため、使用される材料には高い耐熱耐久性が求められる。その結果、これまで使用されてきた熱可塑性樹脂では限界が生じている。
このため、耐熱耐久性に優れた樹脂を用いることが提案されている。例えば、特許文献1では、イソシアヌレート骨格を有する化合物及びシロキサン骨格を有する化合物からなる硬化性樹脂をレンズ用材料に用いることが提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂を用いて金型成型を行った場合、金型表面に対する樹脂の離型性が十分でないため、成型体を取り出す際に金型表面に樹脂カスが付着したままとなり、成型ごとに付着カスを取り除く必要があったり、又は成型体の取り出しが困難な場合があった。
そのため、耐熱耐久性に優れ、かつ、金型離型性のよい透明樹脂の開発が望まれていた。
特開2009−84437号公報
本発明の目的は、耐熱耐久性に優れ、かつ、金型離型性のよい透明樹脂を提供することにある。さらに詳しくは、耐熱耐久性に優れ、かつ、金型離型性のよい透明樹脂硬化物を得る方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、ヒドロシリル化触媒存在下、トリアリルイソシアヌレートと特定のSiH基含有ケイ素化合物を反応させることにより得られる化合物を用いることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
一般式(1)
Figure 0005524569
[式中R1は、一般式(2)
Figure 0005524569
〔式中R2は置換基を有しても良い炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(3)
Figure 0005524569
(式中m及びnは0〜10の整数を表す。)で表わされるシロキシ基を表し、それぞれのR2は異なっていても同一であってもよい。〕で表されるシリル基を表す。]で表されるイソシアヌレート誘導体である。
また、本発明は、上記一般式(2)がビストリメチルシロキシメチルシリル基である請求項1に記載の化合物である。
また、本発明は、一般式(4)
Figure 0005524569
[式中R3は、一般式(5)
Figure 0005524569
〔式中R4は置換基を有しても良い炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(6)
Figure 0005524569
(式中o及びpは0〜10の整数を表す。)で表わされるシロキシ基を表し、それぞれのR2は異なっていても同一であってもよい。〕で表されるシリル基を表す。]で表されるイソシアヌレート誘導体である。
また、本発明は、上記一般式(5)がビストリメチルシロキシメチルシリル基である請求項3に記載の化合物である。
また、本発明はヒドロシリル化反応触媒存在下、トリアリルイソシアヌレートと一般式(7)
Figure 0005524569
〔式中R5は置換基を有しても良い炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(8)
Figure 0005524569
(式中q及びrは0〜10の整数を表す。)で表わされるシロキシ基を表し、それぞれのR5は異なっていても同一であってもよい。〕で表されるシロキサン誘導体とを反応させることを特徴とする一般式(9)
Figure 0005524569
[式中R6は、一般式(10)
Figure 0005524569
〔式中R7は置換基を有しても良い炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(11)
Figure 0005524569
(式中s及びtは0〜10の整数を表す。)で表わされるシロキシ基を表し、それぞれのR2は異なっていても同一であってもよい。〕で表されるシリル基を表す。]で表されるイソシアヌレート誘導体の製造方法である。
また、本発明は、ヒドロシリル化反応触媒存在下、トリアリルイソシアヌレートと一般式(12)
Figure 0005524569
〔式中R8は置換基を有しても良い炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(13)
Figure 0005524569
(式中u及びvは0〜10の整数を表す。)で表わされるシロキシ基を表し、それぞれのR5は異なっていても同一であってもよい。〕で表されるシロキサン誘導体とを反応させることを特徴とする一般式(14)
Figure 0005524569
[式中R9は、一般式(15)
Figure 0005524569
〔式中R10は置換基を有しても良い炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(16)
Figure 0005524569
(式中w及びxは0〜10の整数を表す。)で表わされるシロキシ基を表し、それぞれのR2は異なっていても同一であってもよい。〕で表されるシリル基を表す。]で表されるイソシアヌレート誘導体の製造方法でもある。
本発明によれば、透明性、耐熱耐久性に優れ、さらに金型離型性のよい硬化物を得られうる。
以下に、本発明を実施するにあたって好ましい形態について説明する。
まず、一般式(1)で表される化合物について説明する。
一般式(1)で表される化合物の置換基R1は一般式(2)で表され、一般式(2)について、置換基R2は置換基を有してもよい炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(3)で表されるシロキシ基を表す。
一般式(2)で表わされるシリル基の置換基R2の具体的例としては、炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアラルキル基として、ベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数6〜11のアリール基として、フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基等が挙げられ、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロプロポキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基が挙げられる。
その中でも、耐熱耐久性の観点からメチル基、メトキシ基、又はフェニル基であるのが好ましく、原料入手性の観点からメチル基であるのがより好ましい。
一般式(3)で表されるシロキシ基のm及びnは0〜10の整数で表され、具体例としては、トリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
等が挙げられる。 その中でも原料入手容易性の観点からトリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
がより好ましい。
一般式(2)で表されるシリル基の具体的な例として、
Figure 0005524569
が挙げられる。 その中でも原料の入手容易性の観点から
Figure 0005524569
がより好ましい。
なお、一般式(1)において、R1がビストリメチルシロキシメチルシリル基である化合物は新規化合物であり、トリアリルイソシアヌレートと1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンとをヒドロシリル化反応することにより調製される。一般式(1)の化合物の詳細な調製方法については後述する。
次に、一般式(4)で表される化合物について説明する。
一般式(4)で表される化合物の置換基R3は一般式(5)で表され、一般式(5)について、置換基R4は置換基を有してもよい炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(6)で表されるシロキシ基を表す。
一般式(5)で表わされるシリル基の置換基R4の具体的例としては、炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアラルキル基として、ベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数6〜11のアリール基として、フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基等が挙げられ、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロプロポキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基が挙げられる。
その中でも、耐熱耐久性の観点からメチル基、メトキシ基、又はフェニル基であるのが好ましく、原料入手性の観点からメチル基であるのがより好ましい。
一般式(6)で表されるシロキシ基のo及びpは0〜10の整数で表され、具体例としては、トリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
等が挙げられる。 その中でも原料入手容易性の観点からトリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
がより好ましい。
一般式(5)で表されるシリル基の具体的な例として、
Figure 0005524569
が挙げられる。 その中でも原料の入手容易性の観点から
Figure 0005524569
がより好ましい。
なお、一般式(4)において、R3がビストリメチルシロキシメチルシリル基である化合物は新規化合物であり、トリアリルイソシアヌレートと1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンとをヒドロシリル化反応することにより製造される。一般式(4)の化合物の詳細な製造方法については後述する。
次に、トリアリルイソシアヌレートと一般式(7)で表される化合物をヒドロシリル化反応することにより一般式(9)を製造する方法について説明する。
Figure 0005524569
まず、本反応の主原料の一つであるトリアリルイソシアヌレートは例えば独デグッサ社で商業生産されており、安価かつ容易に入手可能である。
本反応のもう一つの主原料である一般式(7)において、置換基R5は置換基を有してもよい炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(8)で表されるシロキシ基を表す。
一般式(7)における置換基R5の具体的例としては、炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアラルキル基として、ベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数6〜11のアリール基として、フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基等が挙げられ、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロプロポキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基が挙げられる。 その中でも、耐熱耐久性の観点からメチル基、メトキシ基、又はフェニル基であるのが好ましく、原料入手性の観点からメチル基であるのがより好ましい。
一般式(8)で表されるシロキシ基のq及びrは0〜10の整数で表され、具体例としては、トリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
等が挙げられる。 その中でも原料入手容易性の観点からトリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
がより好ましい。
一般式(7)で表される化合物の具体的な例として、
Figure 0005524569
が挙げられる。 その中でも原料の入手容易性の観点から
Figure 0005524569
がより好ましい。
なお、上記ヒドロシリル化反応を実施する際、使用される一般式(7)で表される化合物は1種類のみでも複数種類を混合して使用してもよい。
一般式(9)で表される化合物において、置換基R6の具体例や好ましい例は、原料となる上記式(7)で表される化合物に由来する。すなわち、置換基R6は一般式(10)で表され、置換基R7は置換基を有してもよい炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(11)で表されるシロキシ基を表す。
一般式(10)における置換基R7の具体的例としては、炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアラルキル基として、ベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数6〜11のアリール基として、フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基等が挙げられ、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロプロポキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基が挙げられる。 その中でも、耐熱耐久性の観点からメチル基、メトキシ基、又はフェニル基であるのが好ましく、原料入手性の観点からメチル基であるのがより好ましい。
一般式(11)で表されるシロキシ基のs及びtは0〜10の整数で表され、具体例としては、トリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
等が挙げられる。 その中でも原料入手容易性の観点からトリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
がより好ましい。
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体;アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体;白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH22(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2);白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)a、Pt[(MeViSiO)4b);白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34);白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)34、Pt[P(OBu)34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、a、bは、整数を示す。);ジカルボニルジクロロ白金;カールシュテト(Karstedt)触媒;アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び第3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体;ラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒等が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能である。助触媒の例としては、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物、水等が挙げられる。
助触媒の添加量は特に限定されないが、上記ヒドロシリル化触媒1モルに対して、下限1×10-5モル、上限1×102モルの範囲が好ましく、より好ましくは下限1×10-3モル、上限10モルの範囲である。上記触媒には助触媒を併用することができる。
ヒドロシリル化触媒の添加量は特に限定されないが、十分な反応性を有し、かつ一般式(9)で表される化合物の製造コストを比較的低く抑えるために、SiH基1モルに対して、10-1〜10-8モルの範囲が好ましく、より好ましくは、10-2〜10-6モルの範囲である。
一般式(7)で表される化合物の使用量は一般式(7)で表される化合物の種類や溶媒の種類、反応の条件によって異なるが、トリアリルイソシアヌレートに対して、0.01〜3倍モル量、好ましくは0.1〜2.5倍モル量である。
反応温度としては種々設定できるが、好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなる傾向があり、反応温度が高いと工業的に不利な場合がある。反応は一定の温度で行ってもよく、また必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。反応時間については特に限定されない。経済的な面からは、好ましくは20時間以内、さらに好ましくは10時間以内である。圧力も特に限定されないが、特殊な装置が必要になったり、操作が煩雑になったりする、という面から、好ましくは大気圧〜5MPa、さらに好ましくは大気圧〜2MPaである。
また、反応は無溶媒下、溶媒中のいずれにおいても実施可能であり、溶媒を用いて反応を行う場合、使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されない。具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。上記溶媒は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよく、この場合、その混合比率に特に制限はない。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、反応を均一、かつ、促進させるためには、反応原料を完全に溶解できる量が好ましい。反応原料100重量部に対して20重量部以上500重量部以下が好ましく、50重量部以上300重量部以下がより好ましい。
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
反応終了後は、必要に応じて溶媒を留去後、水に加えるか、又は、水を加えた後、必要に応じて酸を加えて中和し、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルムなどの有機溶媒で抽出、水洗浄、濃縮などの操作を経て化合物(9)を取得することができる。取得した化合物はカラムクロマトグラフィや蒸留によって分離、精製を行ってもよい。
次に、トリアリルイソシアヌレートと一般式(12)で表される化合物をヒドロシリル化反応することにより一般式(14)を製造する方法について説明する。
Figure 0005524569
本反応の主原料の一つであるトリアリルイソシアヌレートはヒドロシリル化反応(I)の説明で述べた通りである。
また、本反応のもう一つの主原料である一般式(12)は、上述のヒドロシリル化反応(I)で述べた一般式(7)と同一の化合物であるため、一般式(12
)の置換基R8は一般式(7)の置換基R5と同一である。すなわち、一般式(12)において、置換基R8は置換基を有してもよい炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(13)で表されるシロキシ基を表す。
一般式(12)における置換基R8の具体的例としては、炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアラルキル基として、ベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数6〜11のアリール基として、フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基等が挙げられ、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロプロポキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基が挙げられる。 その中でも、耐熱耐久性の観点からメチル基、メトキシ基、又はフェニル基であるのが好ましく、原料入手性の観点からメチル基であるのがより好ましい。
一般式(13)で表されるシロキシ基のu及びvは0〜10の整数で表され、具体例としては、トリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
等が挙げられる。 その中でも原料入手容易性の観点からトリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
がより好ましい。
一般式(12)で表される化合物の具体的な例として、
Figure 0005524569
が挙げられる。 その中でも原料の入手容易性の観点から
Figure 0005524569
がより好ましい。
なお、上記ヒドロシリル化反応を実施する際、使用される一般式(12)で表される化合物は1種類のみでも複数種類を混合して使用してもよい。
一般式(14)で表される化合物において、置換基R9の具体例や好ましい例は、原料となる一般式(12)で表される化合物に由来する。すなわち、置換基R9は一般式(15)で表され、置換基R10は置換基を有してもよい炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基、又は、一般式(16)で表されるシロキシ基を表す。
一般式(15)における置換基R10の具体的例としては、炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアラルキル基として、ベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基等が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数6〜11のアリール基として、フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基等が挙げられ、置換基を有しても良い炭素数1〜12の環状若しくは非環状のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロプロポキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基が挙げられる。 その中でも、耐熱耐久性の観点からメチル基、メトキシ基、又はフェニル基であるのが好ましく、原料入手性の観点からメチル基であるのがより好ましい。
一般式(16)で表されるシロキシ基のw及びxは0〜10の整数で表され、具体例としては、トリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
等が挙げられる。 その中でも原料入手容易性の観点からトリメチルシロキシ基、
Figure 0005524569
がより好ましい。
使用するヒドロシリル化触媒は、上述のヒドロシリル化反応(I)で説明した通りである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、上述のヒドロシリル化反応(I)で説明した通りである。
一般式(12)で表される化合物の使用量は一般式(12)で表される化合物の種類や溶媒の種類、反応の条件によって異なるが、トリアリルイソシアヌレートに対して、0.5〜10倍モル量、好ましくは1〜5倍モル量である。
反応温度としては種々設定できるが、好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなる傾向があり、反応温度が高いと工業的に不利な場合がある。反応は一定の温度で行ってもよく、また必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。反応時間については特に限定されない。経済的な面からは、好ましくは20時間以内、さらに好ましくは10時間以内である。圧力も特に限定されないが、特殊な装置が必要になったり、操作が煩雑になったりする、という面から、好ましくは大気圧〜5MPa、さらに好ましくは大気圧〜2MPaである。
また、反応は無溶媒下、溶媒中のいずれにおいても実施可能であり、溶媒を用いて反応を行う場合、使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されない。具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。上記溶媒は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよく、この場合、その混合比率に特に制限はない。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、反応を均一、かつ、促進させるためには、反応原料を完全に溶解できる量が好ましい。反応原料100重量部に対して20重量部以上500重量部以下が好ましく、50重量部以上300重量部以下がより好ましい。
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
反応終了後は、必要に応じて溶媒を留去後、水に加えるか、又は、水を加えた後、必要に応じて酸を加えて中和し、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルムなどの有機溶媒で抽出、水洗浄、濃縮などの操作を経て化合物(14)を取得することができる。取得した化合物はカラムクロマトグラフィや蒸留によって分離、精製を行ってもよい。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(実施例1)
100mLナス型フラスコにトリアリルイソシアヌレート28.01g、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン12.34g、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.138g、トリフェニルホスフィンのトリアリルイソシアヌレート溶液(トリフェニルホスフィン含量5wt%)0.111gを秤量し、内温が104℃になるように加熱しながら6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、反応物40.11gを得た。
この得られた反応物を、H1−NMR、GPC分析した結果、トリアリルイソシアヌレートと1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンがそれぞれ1:1、1:2、1:3のモル比で反応した化合物およびトリアリルイソシアヌレートの混合物であることがわかった。
<GPC分析ピーク面積比>
Figure 0005524569
1H−NMRスペクトルデータ>
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ0.08(2.92H、s)、0.12(0.67H、m)、0.43〜0.48(0.31H,m)、1.62〜1.66(0.34H、m)、3.82〜3.87(0.34H、m)、4.48〜4.50(2H,m)、5.23〜5.33(2H、m)、5.84〜5.91(1H,m)
(実施例2)
100mLナス型フラスコにトリアリルイソシアヌレート21.18g、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン18.83g、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)のトルエン溶液(白金として0.3wt%含有)0.0581gを秤量し、内温90℃で6時間攪拌後、100℃で13.5時間攪拌し、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)のトルエン溶液(白金として0.3wt%含有)0.0573gを追加して105℃で5.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、反応物40.00gを得た。
この得られた反応物を、H1−NMR、GPC分析した結果、トリアリルイソシアヌレートと1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンがそれぞれ1:1、1:2、1:3のモル比で反応した化合物およびトリアリルイソシアヌレートの混合物であることがわかった。
<GPC分析ピーク面積比>
Figure 0005524569
1H−NMRスペクトルデータ>
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ0.08(8.20H、s)、0.12(1.21H、m)、0.43〜0.48(0.87H,m)、1.62〜1.66(0.93H、m)、3.83〜3.87(0.95H、m)、4.48〜4.50(2H,m)、5.23〜5.33(2H、m)、5.84〜5.91(1H,m)
(実施例3)
100mLナス型フラスコにトリアリルイソシアヌレート8.45g、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン24.89g、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.0132gを秤量し、内温100℃で7時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレーターを用いて揮発分を減圧除去することにより反応物31.74gを得た。
この得られた反応物を、H1−NMR、GPC分析した結果、トリアリルイソシアヌレートと1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンが1:3のモル比で反応した化合物であることがわかった。
<GPC分析ピーク面積比>
Figure 0005524569
1H−NMRスペクトルデータ>
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ0.08(21H、s)、0.45〜0.49(2H,m)、1.62〜1.66(2H、m)、3.83〜3.87(2H、t、7.70Hz)
(合成例1)
2Lオートクレーブにトルエン696g、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン556gを加えて、内温が104℃になるように加熱した。そこに、トリアリルイソシアヌレート80g、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.05g、トルエン60gの混合物を滴下し、7時間加熱撹拌させた。未反応の1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。1H−NMRによりこのものは1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したもの(反応物Aと称す、SiH価:9.2mmol/g)であることがわかった。
(金型離型性評価)
実施例1〜3で得られた反応物と合成例1で得られた反応物A、硬化触媒として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)、硬化遅延剤として1−エチニルシクロヘキサノールを用い、以下の表に従い配合した。なお、比較例として実施例1〜3で得られた反応物の代わりにトリアリルイソシアヌレートを用いたものを別途配合した。
Figure 0005524569
ホットプレート上にSUS製平板(50×50×0.5mm)を置いて140℃に加熱し、円柱型(Φ5mm、10mm)の分銅にフックを取り付けたもの(材質:大同特殊鋼株式会社製NAK80)の底面に上記で配合した配合物を付着させたものを乗せて5分間放置して配合物を硬化させた。分銅のフックを引っ張ってSUS製平板から分銅を剥がした時に要した強さ(kgf)を測定した。
上記の条件で作製し、測定したデータを以下の表に示す。
Figure 0005524569
この表に示した結果のとおり、実施例1〜3で得られた反応物を用いた配合物はより弱い力で剥がすことができた。
上述のとおり、本発明により得られる化合物は新規化合物であり、この新規化合物を用いて金型成型を行った場合、金型に対する離型性が改善されることが示された。

Claims (3)

  1. 一般式(4)
    Figure 0005524569
    [式中R3は、一般式(5)
    Figure 0005524569
    〔式中R4は置換基を有しても良い炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、一般式(6)
    Figure 0005524569
    (式中o及びpは0〜10の整数を表す。)で表わされるシロキシ基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。〕で表されるシリル基を表す。]で表されるイソシアヌレート誘導体。
  2. 上記一般式(5)がビストリメチルシロキシメチルシリル基である請求項に記載のイソシアヌレート誘導体
  3. ヒドロシリル化反応触媒存在下、トリアリルイソシアヌレートと一般式(12)
    Figure 0005524569
    〔式中R8は置換基を有しても良い炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、一般式(13)
    Figure 0005524569
    (式中u及びvは0〜10の整数を表す。)で表わされるシロキシ基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。〕で表されるシロキサン誘導体とを反応させることを特徴とする一般式(14)
    Figure 0005524569
    [式中R9は、一般式(15)
    Figure 0005524569
    〔式中R10は置換基を有しても良い炭素数1〜10の環状若しくは非環状のアルキル基、又は、炭素数7〜12の置換基を有しても良いアラルキル基、炭素数6〜11の置換基を有しても良いアリール基、又は、一般式(16)
    Figure 0005524569
    (式中w及びxは0〜10の整数を表す。)で表わされるシロキシ基を表し、それぞれのR10は異なっていても同一であってもよい。〕で表されるシリル基を表す。]で表されるイソシアヌレート誘導体の製造方法。
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