JPH06136342A - 金属用接着剤 - Google Patents

金属用接着剤

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JPH06136342A
JPH06136342A JP28729992A JP28729992A JPH06136342A JP H06136342 A JPH06136342 A JP H06136342A JP 28729992 A JP28729992 A JP 28729992A JP 28729992 A JP28729992 A JP 28729992A JP H06136342 A JPH06136342 A JP H06136342A
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JP
Japan
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group
parts
adhesive
weight
silicon
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JP28729992A
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English (en)
Inventor
Hisayuki Nagaoka
久幸 長岡
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 縮合反応型の室温硬化性ポリオルガノシロキ
サン組成物に、一般式 【化6】 (分子中、R1 のうち少なくとも1個は、−(CH2
n Si(OR2)a3 3-a である)で示されるケイ素官
能性イソシアヌレートと有機溶媒とを配合したポリオル
ガノシロキサン組成物からなる金属用接着剤。 【効果】 炭化水素油などで汚染された金属面を洗浄せ
ずに良好な接着性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリオルガノシロキサン
組成物からなる金属用接着剤に関し、さらに詳細には、
必須成分としてケイ素官能性イソシアヌレートと有機溶
媒とを含有することにより、防錆油やエンジンオイルな
どの炭化水素油のような有機油状物で汚染された金属表
面に対しても高い接着性を示し、とくに現場成形ガスケ
ット(以下、FIPGという)として用いられるシール
剤として有用な、室温で硬化しうる接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンに用いる材料に対する耐
熱性の要求が高まるにつれて、エンジン廻りのシール用
として、シリコーンゴムガスケットが広く用いられてい
る。なかでも、従来の定形ガスケットに代えて、ガスケ
ットの在庫管理およびエンジン製作の工程管理が容易で
あり、シール性能も信頼性が高いことから、室温硬化性
のシリコーンゴムを利用したFIPG方式が採用されて
おり、作業性や耐熱性などにおいて高い評価が得られて
いる。
【0003】しかしながら、エンジン周辺のシール部
は、しばしば、防錆油で濡れていたり、エンジン部品の
組立ての際にその作業を円滑に行うためにエンジンオイ
ルに浸され、濡れているなど、炭化水素油をはじめ、動
植物油、合成油などの有機油状物に汚染されている状態
にある。このため、これらの汚染された表面よりウェス
などで上記炭化水素油などをぬぐい去ってから、この部
分にFIPG用シール剤を用いてシールする。しかし、
この部分に付着した炭化水素油のような有機油状物が完
全に取り除かれてはいないことから、接着シールが完全
には行われず、たとえばオイルパンのシールにおいて、
このような汚染面にFIPGによるシール作業が行われ
た場合には、使用中にエンジンオイルの漏洩などのトラ
ブルを発生することがあった。また、FIPGシール剤
はロボットにより自動塗布されているが、前述のウェス
による拭取り作業は手作業で行われるため、これが一連
の作業の自動化を阻むという不具合があった。
【0004】このような問題を解決するために、特表昭
63−500178号公報には、室温硬化性ポリオルガ
ノシロキサン組成物に、定着剤としてオキシム(アルコ
キシ)シリルアルキル炭素化合物を含む接着剤が開示さ
れている。しかしながら、この化合物を利用しても、組
成物に上記の問題を解消させるような油汚染面接着性を
付与するまでには至っていない。
【0005】また、特開昭48−15960号公報およ
び特開昭54−90350号公報には、室温硬化性ポリ
オルガノシロキサン組成物に、接着性付与剤としてトリ
ス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートの
ようなケイ素官能性イソシアヌレートを用いることが開
示されている。しかし、単にこのようなケイ素官能性イ
ソシアヌレートを配合したものは、清浄な金属面に対し
ては優れた接着性を示すけれども、炭化水素油などで汚
染された金属面への接着性は悪いので、油汚染面接着用
のFIPGシール剤として用いることはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
のような従来技術の欠点を克服して、防錆油やエンジン
オイルなどの炭化水素油のような有機油状物で汚染され
た金属面より、該有機油状物をぬぐい去ることなしにF
IPGシールのような接着作業を行っても、接着不良箇
所が発生しないような、油汚染面接着性に優れた室温硬
化性のポリオルガノシロキサン組成物からなる金属用接
着剤を提供することである。
【0007】本発明のもうひとつの目的は、そのような
接着剤を用い、炭化水素油のような有機油状物で汚染さ
れた金属表面を清浄することなしに接着する方法を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために検討を重ねた結果、縮合反応型の室温
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に、特定のケイ素
官能性イソシアヌレートおよび有機溶媒を併用すること
により、上記の目的に適合し、油汚染金属表面に対して
も良好な接着性を有する接着剤が得られることを見出し
て、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の金属用接着剤は、 (A)末端がシラノール基またはアルコキシ基で封鎖さ
れたポリオルガノシロキサン100重量部に対し、 (B)分子中に、ケイ素原子に結合した加水分解可能な
基が平均2個を越えて存在する有機ケイ素化合物0.1
〜20重量部; (C)一般式
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 はたがいに同一でも相異なっ
ていてもよく、水素原子、1価の置換もしくは非置換の
炭化水素基または−(CH2n Si(OR2a3
3-a基を表わす。ただし、分子中、R1 のうち少なくと
も1個は−(CH2n Si(OR2a3 3-a基であ
る。ここにR2 は炭素数1〜6のアルキル基またはアル
コキシアルキル基を表わし;R3 は炭素数1〜3のアル
キル基を表わし;nは1〜5の整数であり;aは1〜3
の整数である)で示され、分子中に少なくとも3個の−
OR2 基を有するケイ素官能性イソシアヌレート0.1
〜10重量部;および (D)有機溶媒0.5〜50重量部 を含むことを特徴とする。
【0012】また、本発明の接着方法は、上記の接着剤
を用いて、有機油状物で汚染された金属表面を、清浄す
ることなしに接着する方法である。
【0013】以下、本発明の接着剤に用いられる各成分
について説明する。
【0014】本発明で用いられる(A)成分は、通常こ
の種の室温で硬化しうる縮合型ポリオルガノシロキサン
組成物に用いられる、末端がシラノール基またはアルコ
キシ基で封鎖されたポリオルガノシロキサンであって、
とくに、硬化前の組成物に適度の押出し性を与えるとと
もに、硬化後のゴム状弾性体に優れた機械的性質を与え
るために、25℃における粘度が100〜500,00
0cSt の範囲であることが好ましい。粘度が100cSt
未満では硬化後のゴム状弾性体の機械的特性が十分でな
く、500,000cSt を越えると、良好な機械的特性
を得るために無機質充填剤を適合したときに、均一な組
成物が得にくく、押出し作業性も悪くなる。とくに好ま
しい範囲は、2,000〜100,000cSt である。
ケイ素原子に直接結合する有機基としては、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ヘキシルのようなアルキル
基;ビニル、アリルのようなアルケニル基;フェニルの
ようなアリール基、2−フェニルエチル、2−フェニル
プロピルのようなアラルキル基;およびクロロメチル、
β−シアノエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル
のような1価の置換炭化水素基などが例示されるが、合
成が容易なことからメチル基、ビニル基またはフェニル
基が一般に有利であり、その他の有機基は、硬化後のゴ
ム状弾性体に耐寒性、耐熱性、耐油性のような特殊な性
質を与えるときにのみ推奨される。また、中でもメチル
基は原料中間体が最も容易に得られるばかりでなく、シ
ロキサンの重合度の割に最も低い粘度を与え、硬化前の
組成物の押出し作業性と硬化後のゴム状弾性体の物性の
バランスを有利にするので、全有機基の85%以上がメ
チル基であることが好ましく、実質的にすべての有機基
がメチル基であることがさらに好ましい。ただし、硬化
後のゴム状弾性体に耐寒性や耐熱性を必要とするときに
はフェニル基を、また、耐油性をとくに必要とするとき
は3,3,3−トリフルオロプロピル基を、有機基の一
部として有することが推奨される。
【0015】分子末端のシラノール基またはアルコキシ
基は、(B)成分の加水分解生成物との反応によって硬
化に寄与するもので、アルコキシ基としてはメトキシ、
エトキシ、イソプロポキシなどが例示される。これらの
末端基のうち、反応性からシラノール基またはメトキシ
基が好ましい。
【0016】本発明で用いられる(B)成分は、湿気に
よって加水分解をされ、(A)成分のシラノール基また
はアルコキシ基と容易に縮合反応を行うもので、ケイ素
原子に結合した加水分解可能な基を、1分子中に平均2
個を越えて存在する有機ケイ素化合物である。加水分解
可能な基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基;プロペ
ノキシなどのエノキシ基;イソシアナト基;アセトンオ
キシム、ブタノンオキシムなどのオキシム基;ジメチル
アミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、イソ
プロピルアミノなどのオルガノアミノ基;およびN−メ
チルアセトアミドなどのアミド基などが例示される。場
合によっては塩素原子などのハロゲン原子、アセトキ
シ、ベンゾキシなどのアシロキシ基であってもよいが、
一般には、加水分解によって生成するハロゲン化水素や
酸の腐食性と刺激性のために好ましくない。
【0017】上記の加水分解可能な基の他に、(B)成
分のケイ素原子に結合する基は、(A)成分におけるケ
イ素原子に直接結合する有機基と同様の、置換または非
置換の炭化水素基であるが、この有機ケイ素化合物自体
の合成の容易さと架橋速度から、炭素数1〜8のアルキ
ル基、炭素数2〜5のアルケニル基、およびフェニル基
が好ましい。
【0018】このような(B)成分の具体例としては、
メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、エチルオルソシリケート、プロピルオルソシリケ
ートなどのアルコキシシランおよびその部分加水分解縮
合物;メチルトリイソプロペノキシシランなどのエノキ
シシランおよびその部分加水分解縮合物;テトライソシ
アナトシラン、メチルトリイソシアナトシランなどのイ
ソシアナトシランおよびその部分加水分解縮合物;メチ
ルトリス(アセトンオキシム)シラン、メチルトリス
(ブタノンオキシム)シラン、ビニルトリス(ブタノン
オキシム)シランなどのオキシムシランおよびその部分
加水分解縮合物;メチルトリス(ジメチルアミノ)シラ
ン、メチルトリス(ジエチルアミノ)シラン、メチルト
リス(イソプロピルアミノ)シラン、メチルトリス(シ
クロヘキシルアミノ)シランのようなアミノシランおよ
びその部分加水分解縮合物;メチルトリス(N−メチル
アセトアミド)シランなどのアミドシランおよびその部
分加水分解縮合物などが挙げられる。
【0019】(B)成分の配合量は、(A)成分中のシ
ラノール基またはアルコキシ基の量と、目的とするゴム
状弾性体の性質によっても異なるが、(A)成分100
重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5
〜10重量である。(B)成分が0.1重量部未満では
架橋が十分に行われず、10重量部を越えると硬化後の
物性が低下するからである。
【0020】本発明で用いられる(C)成分のケイ素官
能性イソシアヌレートは、(D)成分とともに本発明の
接着剤の油汚染面接着性に寄与する成分であり、一般式
【0021】
【化3】
【0022】(式中、R1 は前述のとおり)で表わされ
る。分子中の3個のR1 のうち少なくとも1個は、一般
式−(CH2n Si(OR2a3 3-aで示される、
ケイ素官能性基−OR2 を有する基である。また、該ケ
イ素官能性イソシアヌレートは、組成物に優れた油汚染
面接着性を付与するために、ケイ素官能性基−OR2
分子中に少なくとも3個有している。R2 は直鎖状でも
分岐状でもよく、メチル、エチル、プロピル、ブチルの
ようなアルキル基;およびメトキシエチル、エトキシエ
チル、ブトキシエチルのようなアルコキシアルキル基が
例示され、反応性の点から、メチル、エチル、プロピル
およびメトキシエチルが好ましい。nは合成および取扱
の容易なことから1〜5の整数から選ばれ、耐加水分解
性およびそれによる組成物の接着性の持続性、ならびに
合成が容易なことを勘案して、nが3であることが好ま
しい。aは1〜3の整数であり、少量の(C)成分の配
合で優れた油汚染面接着性が得られることからは、aは
3であることが好ましい。R3 としてはメチル、エチル
およびプロピルが挙げられ、合成が容易なことからメチ
ルが好ましい。
【0023】このようなケイ素官能性基−OR2 を有す
るR1 の存在が、イソシアヌル環の存在とともに、本発
明の接着剤の油汚染面接着性に大きく寄与している。こ
のようなR1 としては、トリメトキシシリルプロピル、
トリエトキシシリルプロピル、トリプロポキシシリルプ
ロピル、トリブトキシシリルプロピル、トリス(メトキ
シエトキシ)シリルプロピル、トリス(エトキシエトキ
シ)シリルプロピル、トリス(ブトキシエトキシ)シリ
ルプロピル、トリメトキシシリルメチル、トリエトキシ
シリルメチル、ジメトキシ(メチル)シリルプロピル、
ジエトキシ(メチル)シリルプロピル、メチルビス(メ
トキシエトキシ)シリルプロピル、メトキシ(ジメチ
ル)シリルプロピルなどが例示され、合成が容易で効果
が大きいことから、トリメトキシシリルプロピル、トリ
エトキシシリルプロピル、トリス(メトキシエトキシ)
シリルプロピルなどが好ましい。
【0024】上記のケイ素含有基以外のR1 としては、
水素原子のほか;メチル、エチル、プロピル、ブチル、
ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルのよ
うなアルキル基;2−フェニルエチルのようなアラルキ
ル基;フェニルのようなアリール基;ビニル、アリルの
ようなアルケニル基;およびクロロメチル、2−アミノ
エチル、3−アミノプロピルのような1価の置換炭化水
素基が例示され、合成が容易なことから、水素原子、メ
チル基、アリル基などが好ましい。
【0025】(C)成分の配合量は、(A)成分100
重量部あたり0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜
5重量部の範囲である。0.1重量部未満では油汚染面
接着性の向上が十分ではなく、10重量部を越えると接
着性に好ましくない影響を生ずるからである。
【0026】本発明に用いられる(D)成分の有機溶媒
は、金属表面に存在する油膜を希釈して、接着面への
(C)成分の配向を容易にすることにより、(C)成分
とともに、本発明の接着剤に油汚染面接着性を付与する
役割を果たすものである。(D)成分としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、n−ヘプタンのような炭化水素溶媒;ジオキサン、
テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのよ
うなケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸ブチルのようなエステル系溶媒;およびオク
タメチルシクロテトラシロキサンのようなシロキサン系
溶媒などが例示される。これらは単独で用いても、2種
以上を混合して用いてもよい。
【0027】(D)成分の配合量は、(A)成分100
重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜2
5重量部の範囲である。0.5重量部未満では効果がな
く、50重量部を越えると硬化後のゴム状弾性体の機械
的特性が低下する。
【0028】本発明の接着剤は、(B)成分の種類によ
っては、常温で触媒なしに反応が進行するものもある
が、大部分は、架橋反応を促進するための触媒を添加す
ることが好ましい。触媒としては、ジメチルヘキシルア
ミン、ジエチルヒドロキシルアミン、テトラメチルグア
ニジン、テトラメチルグアニジノプロピルトリメトキシ
シランなどのアミン化合物;塩化テトラメチルアンモニ
ウム、塩化トリメチルヘキシルアンモニウムなどの第四
級アンモニウム塩類;オクタン酸亜鉛、オクタン酸スズ
などの金属有機酸塩;ジブチルスズジアセテート、ジブ
チルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウネート、
ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエー
トなどの有機金属化合物;テトラブチルチタネート、
1,3−ジオキシプロパンチタンビス(エチルアセトア
セテート)などのチタン化合物などが使用される。添加
量はとくに限定されないが、たとえばジブチルスズジラ
ウレートの場合、(A)成分100重量部に対して0.
05〜1重量部が適当である。
【0029】上記の(A)〜(D)成分を含む本発明の
接着剤には、硬化後のゴム状弾性体に機械的強度や硬さ
を付与する目的で、通常、無機質充填剤が併用される。
無機質充填剤としては、当該業者の間で公知なものでよ
く、たとえば煙霧質シリカ、沈殿シリカ、シリカエアロ
ゲル、粉砕シリカ、けいそう土、炭酸カルシウムなどが
挙げられる。これらの無機質充填剤は、単独で用いても
2種以上を混合して用いてもよく、また、そのまま用い
ても、表面をポリジメチルシロキサン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシラザンのよう
な有機ケイ素化合物で処理して用いてもよい。
【0030】このような充填剤の配合量は、充填剤の種
類や組成物の使用目的によっても異なるが、(A)成分
100重量部に対して150重量部以下が好ましい。1
50重量部を越えると、未硬化の状態における作業性が
悪く、また、硬化後の組成物が十分な機械的性質を示さ
ない。
【0031】本発明の接着剤に、さらに他の接着性向上
剤を併用しても差支えない。また、油希釈剤や廃油剤を
配合しても差支えない。
【0032】本発明の接着剤は、(A)〜(D)成分
や、必要に応じて無機質充填剤、触媒、および/または
各種の添加剤を、湿気をしゃ断した状態で混合すること
により調製できる。
【0033】本発明の接着剤は、湿気を通さない密閉容
器に保存し、使用の際に、容器よりノズルを経て処理す
べき金属面に塗布することができる。たとえばペール缶
に保存し、高粘性物用のペールポンプにより、吐出装置
(ディスペンサ)を用いて塗布してもよい。また、少量
を使用する場合は、カートリッジに保存し、コーキング
ガンによって塗布してもよい。金属面に塗布された本発
明の接着剤は、常温で放置すると、空気中の水分と接触
して硬化し、前述のように、金属面が油汚染面であって
も接着性を発現する。したがって、一方の金属面に塗布
した後、未硬化の状態で他方の金属面を圧着し、放置す
ることにより、金属用接着剤として用いることができ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明の接着剤は、(C)成分と(D)
成分をともに含有することにより、防錆油やエンジンオ
イルなどの炭化水素油のような有機油状物で濡れた金属
面に対して優れた接着耐久性を示す。
【0035】とくに本発明の接着剤をFIPGシール剤
として用いることによって、このような有機油状物で汚
染された金属表面を、ウェスなどで清浄することなくF
IPGシール作業を行っても、接着不良のない完全な接
着シールが可能になった。このため、金属表面の清浄作
業を省略できるので、エンジン製造などにおける工程の
合理化に、きわめて有効である。
【0036】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例および比較例中、部はすべて重量部を意味す
る。
【0037】実施例および比較例において(C)成分と
して用いられるケイ素官能性イソシアヌレート化合物
は、次のC−1〜C−4であり、その分子構造は下記の
とおりである。
【0038】 C−1:トリス(トリエトキシシリルプロピル)イソシ
アヌレート C−2:トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシ
アヌレート C−3:ビス(トリプロポキシシリルプロピル)イソシ
アヌレート C−4:トリメトキシシリルプロピルジアリルイソシア
ヌレート C−5:トリス[トリ(2−メトキシエトキシ)シリル
プロピル]イソシアヌレート C−6:ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)アリ
ルイソシアヌレート
【0039】
【化4】
【0040】
【化5】
【0041】実施例1 25℃における粘度が10,000cSt であり、シラノ
ール基で両末端を封鎖されたポリジメチルシロキサン1
00部に、ジメチルジクロロシランで表面処理された煙
霧質シリカ(比表面積約200m2/g)14部を加え
て、均一になるまで混練し、ついで湿気をしゃ断した状
態で、ビニルトリス(ブタノンオキシム)シラン8部、
ケイ素官能性イソシアヌレートC−1を1.5部、ジブ
チルスズジマレエート0.2部およびキシレン6部を加
えて混練することにより、室温硬化性ポリオルガノシロ
キサン組成物からなる接着剤を得た。
【0042】長さ8cm、幅2.5cm、厚さ0.2cmのア
ルミニウム被着体とスチール被着体のそれぞれに5W−
30エンジンオイルを0.05g ずつ塗布した。これら
の被着体を使って、上記接着剤を被着体のエンジンオイ
ル塗布面で挟み込むようにして、図1に示すようなアル
ミニウムとスチールとのせん断接着試験体を作製した。
20℃、55%RHで7日間養生した後、引張試験によ
って引張速度50mm/minでせん断接着試験を行い、せん
断接着強さと凝集破壊率を求めた。その結果を表1に示
す。また、5W−30オイルを塗布しないで同様の試験
を行った結果も、表1に併記する。
【0043】
【表1】
【0044】実施例2、比較例1〜3 表1のように(C)、(D)成分を配合した以外は実施
例1と同様にして、接着剤を調製した。すなわち、実施
例1に対して、実施例2は(C)成分としてケイ素官能
性イソシアヌレートのエトキシ基をメトキシ基に代えた
C−2を用い、(D)成分のキシレンの代わりに酢酸n
−ブチルを用いたもの、比較例1は(C)、(D)成分
を配合しないもの、比較例2および3は実施例1に用い
た(C)、(D)成分のそれぞれ一方のみを用いたもの
である。これらの接着剤を使って、実施例1と同様にし
てそれぞれせん断接着体を作製し、せん断接着試験を行
った。その結果を表1に示す。
【0045】実施例3 25℃における粘度が40,000cSt であり、シラノ
ール基で両末端を封鎖されたポリジメチルシロキサン1
00部に、ポリジメチルシロキサンで表面処理された煙
霧質シリカ(比表面積約200m2/g)24部を加え
て、均一になるまで混練し、ついで湿気をしゃ断した状
態で、メチルトリイソプロペノキシシラン8部、テトラ
メチルグアニジノプロピルトリメトキシシラン0.5
部、ケイ素官能性イソシアヌレートC−3を1.2部お
よびメチルイソブチルケトン18部を加えて混練するこ
とにより、ポリオルガノシロキサン組成物からなる接着
剤を調製した。これを用いて、実施例1と同様な方法に
より、せん断試験体を作製して養生した。作製した試験
体のうち、半分については10W−30エンジンオイル
に浸漬して、120℃で10日間の劣化試験を行い、そ
の後、実施例1と同様にして、5W−30エンジンオイ
ルを塗布し、または塗布しないでせん断接着試験を行っ
た。得られた結果を表2に示す。試験体の残余について
は、10W−30エンジンオイルによる塗布、劣化を行
わずに、同様のせん断試験を実施した。得られた結果を
表2に併記する。
【0046】
【表2】
【0047】実施例4 25℃における粘度が20,000cSt であり、メチル
ジメトキシシリル基で両末端を封鎖されたポリジメチル
シロキサン100部に、ヘキサメチルジシラサンで表面
処理された煙霧質シリカ(比表面積約180m2/g)1
6部を加えて、均一になるまで混練し、ついで湿気をし
ゃ断した状態で、フェニルトリエトキシシラン3部、ケ
イ素官能性イソシアヌレートC−4を2.5部、ジブチ
ルスズジラウレート0.1部およびオクタメチルシクロ
テトラシロキサン10部を加えて混練することにより、
接着剤を得た。これを用いて、実施例3と同様にしてせ
ん断試験体を作製し、養生した試験体について、実施例
3と同様のせん断接着試験を行った。得られた結果を表
2に示す。
【0048】実施例5、6 (C)成分として、C−1の代わりに表3に示す種類と
量のケイ素官能性イソシアヌレートをそれぞれ配合した
以外は実施例1と同様にして、接着剤を調製した。すな
わち、(C)成分として、実施例5ではトリス(2−メ
トキシエトキシ)シリルプロピル基を、実施例6ではメ
チルジメトキシシリルプロピル基をケイ素官能基として
有するものを用いた。これらの接着剤を用いて、それぞ
れ実施例1と同様のせん断接着試験体を作製し、5W−
30オイル塗布面および非塗布面について、それぞれせ
ん断接着試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】せん断接着試験の試験体の概略図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板 2 スチール板 3 エンジンオイル塗布面 4 接着性組成物

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)末端がシラノール基またはアルコ
    キシ基で封鎖されたポリオルガノシロキサン100重量
    部に対し、 (B)分子中に、ケイ素原子に結合した加水分解可能な
    基が平均2個を越えて存在する有機ケイ素化合物0.1
    〜20重量部; (C)一般式 【化1】 (式中、R1 はたがいに同一でも相異なっていてもよ
    く、水素原子、1価の置換もしくは非置換の炭化水素基
    または−(CH2n Si(OR2a3 3-a基を表わ
    す。ただし、分子中、R1 のうち少なくとも1個は−
    (CH2n Si(OR2a3 3-a基である。ここに
    2 は炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシアル
    キル基を表わし;R3 は炭素数1〜3のアルキル基を表
    わし;nは1〜5の整数であり;aは1〜3の整数であ
    る)で示され、分子中に少なくとも3個の−OR2 基を
    有するケイ素官能性イソシアヌレート0.1〜10重量
    部;および (D)有機溶媒0.5〜50重量部 を含むポリオリガノシロキサン組成物からなる金属用接
    着剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の接着剤を用い、有機油状
    物で汚染された金属表面を清浄することなしに接着する
    方法。
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