JP5522013B2 - クロムフリー絶縁皮膜付き電磁鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は絶縁皮膜付き電磁鋼板とその製造方法に関する。本発明の絶縁皮膜付き電磁鋼板は、絶縁皮膜が6価クロムを含んでおらず、従来の無方向性電磁鋼板の絶縁皮膜として一般的な重クロム酸塩系皮膜と同様の低い焼付け温度にて製造可能で、それと同等もしくはそれ以上の性能を有し、そして歪取り焼鈍後の耐スティッキング性に優れている。
電磁鋼板は、主にモーターやトランス等の鉄心として用いられる。鉄板間に導通があると、鉄心は厚いブロックと同じことになり、鉄板の板厚を薄くしたことによる渦電流損低減という効果がなくなる。このため、電磁鋼板の表面を絶縁皮膜で被覆して使用する。鉄心の形成方法は、絶縁皮膜が形成された電磁鋼板を所定の形状に連続的に打ち抜きを行った後、積層し、積層体を溶接するか、又はかしめとよばれる凹凸部を嵌合させる方法等によって一体化する方法が一般的である。
一体化された鉄心は、そのまま電気機器に組み込まれて使用されるものと、700℃から800℃前後の温度で焼鈍された後、電気機器に組み込まれるものとがある。後者の焼鈍は歪取り焼鈍といわれるもので、打ち抜き/せん断時に鋼板に導入されたせん断歪、端面部の溶接により発生する熱歪、さらにはかしめ部の塑性変形歪などを焼鈍により除去ないしは低減し、鉄心としての磁気特性を高めることが目的である。
そのため、モーターやトランス等の鉄心に使用される電磁鋼板の絶縁皮膜は、層間抵抗(絶縁性)だけでなく、ユーザーにおける利便性を考慮して、打抜性、溶接性、皮膜密着性、耐熱性等の種々の性能が要求される。
絶縁皮膜は、(1)溶接性、耐熱性を重視した歪取り焼鈍に耐える無機系皮膜、(2)打抜性と溶接性の両立を目指した、歪取り焼鈍に耐える無機/有機混合系皮膜(半有機系皮膜とも呼ばれる)、(3)特殊用途向けで歪取り焼鈍不可の有機系皮膜の3種に大別される。一般には歪取り焼鈍が可能な(1)又は(2)の絶縁皮膜が使用され、中でも(2)の半有機系絶縁皮膜は、(1)の無機系絶縁皮膜に比べて打抜性に格段に優れているので、最も多く利用されている。
これまで無機系又は半有機系絶縁皮膜を形成するための処理液の無機成分としては、上記性能を満たす皮膜を形成できることから、重クロム酸塩が広く用いられてきた。重クロム酸塩を含む絶縁皮膜形成用処理液は、6価クロムと多価金属塩とを含む水溶液にエチレングリコールやグリセリンなどの有機還元剤を混合することにより調製される。この処理液を電磁鋼板の両面に塗布した後、200℃から330℃の温度で焼き付け、6価クロムを3価クロムに還元することで造膜でき、絶縁皮膜が形成される。しかし周知のように、処理液に用いられる6価クロムは毒性が強く、環境対策の観点から使用は好ましくない。また絶縁皮膜中に含まれる3価クロムは、6価クロムに比べれば毒性は格段に小さいが、毒性がないとは言いきれない。したがってクロム化合物を全く使用せずに電磁鋼板に絶縁皮膜を形成することが求められている。
重クロム酸塩と同様に絶縁皮膜形成に用いられる無機成分としてリン酸塩がある。リン酸塩水溶液は無機化合物の水溶液として数少ない造膜可能な系であり、かつ比較的安価に得られるため、無機及び半有機の絶縁皮膜形成用の無機成分としてこれまでも検討されてきた(例えば、特許文献1)。
特許文献2には、第一リン酸Alとエマルジョン樹脂と添加剤のOH基含有有機化合物を含む、皮膜特性に優れた無方向性電磁鋼板用のリン酸塩系処理液が開示されている。この特許文献には、有機酸塩の添加により焼付け後の耐吸湿性が向上し、歪取り焼鈍時の耐焼き付性が向上することが述べられている。
特許文献3〜5には、重クロム酸塩系なみの低い焼付け温度で成膜でき、その場合でも優れた耐水性や、密着性、絶縁性等の電磁鋼板用絶縁皮膜に必要な諸性能を有し、優れた成膜性を示す電磁鋼板のリン酸塩系絶縁皮膜形成用処理液が開示されている。
特許文献6には、Al/Caのリン酸塩と、粒子径0.04〜10μmの超微粒子エマルジョン樹脂を20質量%以上含有するエマルジョン樹脂と、Ni,Co,Sr,Fe,Cu,Mnの水溶性有機化合物、水酸化物、酸化物から選ばれた1種又は2種以上の金属化合物(水溶物又は平均粒子径3μm以下の粒子)とを配合した、無方向性電磁鋼板用表面処理液が開示されている。この文献には、前記金属化合物によりフリー燐酸によるベタツキや耐食性劣化、焼鈍時の焼き付性等が改善されることが述べられている。
特許文献7には、酸化物ゾルとほう酸とシランカッブリング剤とを含有する絶縁皮膜が、酸化性雰囲気中で歪取り焼鈍を行って耐スティッキング性に優れることが述べられている。
特許文献8には、無機成分としてリン酸塩を含有し、BET比表面積が10m2/g以上であり、レーザ散乱回折式粒度分布計で測定した50%累積粒径が5μm以下、90%累積粒径が15μm以下の粒度分布を示す無機物粉末(具体的にはアルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア等の酸化物)を前記リン酸塩の固形分量に対し1〜50質量%の割合で含有する処理液が開示されている。この文献には、無機物粉末によりフリーリン酸によるベタツキや癒着を解消できることが述べられている。
しかし、これら従来技術においては、需要家における使用条件によっては要求性能を十分に満足しているとは言えなかった。特に、打抜き加工後の歪みを取り除くため需要家により歪取り焼鈍を施される用途においては、歪取り焼鈍によってスティッキング(重ねた鋼板同士の焼付き)を起こしやすいことが課題であった。
特公昭53−28375号公報 特開平11−152579号公報 特開2001−107261号公報 特開2002―47576号公報 特開2002−249881号公報 特開2004−322079号公報 特開2009−235530号公報 国際公開公報WO09/154139
本発明の目的は、クロムを含有しない絶縁皮膜を備え、優れた防錆性や、密着性等の必要な諸性能を有し、さらに打ち抜き加工後の歪取り焼鈍によりスティッキングを生じない電磁鋼板を提供することにある。
本発明は、鋼板の両面にCrを含まない厚さ0.1〜2μmの絶縁皮膜を有する電磁鋼板であって、前記絶縁皮膜が、カーボンブラックを固形分として1〜10質量%の量で含んでいることを特徴とする絶縁皮膜付き電磁鋼板である。
好適態様において、本発明は下記)〜4)の1又は2以上の構成をさらに満たす
2)前記絶縁皮膜が、固形分として、Al、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnから選ばれた少なくとも1種の金属の塩又は酸化物50〜90質量%と、有機樹脂5〜50質量%とを含む水系処理液から形成されるものである、
3)前記絶縁皮膜が、固形分として、Al、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnから選ばれた少なくとも1種の金属の塩又は酸化物40〜90質量%と、有機樹脂5〜50質量%と、シリカ5〜10質量%とを含む水系処理液から形成されるものである、
4)前記塩又は酸化物の一部又は全部が第一リン酸塩である。
本発明の絶縁皮膜付き電磁鋼板は、歪取り焼鈍を行っても鋼板表面の酸化を絶縁皮膜中の易酸化性元素が抑制するため、耐スティッキング性に優れる。また、従来の重クロム酸塩系皮膜と同様の低い焼付け温度で絶縁皮膜を形成でき、それと同等以上の性能を発揮することができるが、絶縁皮膜中にクロムを含まないため、安全に使用することができる。
本発明の電磁鋼板は、鋼板の両面にCrを含まない厚さ0.1〜2μmの絶縁皮膜を有しており、この絶縁皮膜は、鉄よりも易酸化性の微粒子を固形分として1〜10質量%の量で含んでいる。
「鉄よりも易酸化性の微粒子」としては、値段や粒径の細かいものの入手容易性から、カーボンブラックである。
歪取り焼鈍によりスティッキングが生じる機構は、次のように推定される。歪取り焼鈍は、通常は窒素雰囲気中で行われる。ここで、窒素雰囲気といっても、工業的な実施では微量の酸素や水分等の混入が避けられず、実際には鉄にとってはわずかにではあるが酸化性の雰囲気である。そのため歪取り焼鈍により重ね合わさった鋼板表面が酸化し、これに起因してスティッキングが生じる。
そこで、鉄よりも易酸化性の微粒子(以下、単に「易酸化性微粒子」ともいう)を絶縁皮膜中に所定量添加することで、歪取り焼鈍雰囲気が鉄に対して酸化性を有していても、鋼板表面の酸化を絶縁皮膜中の易酸化性元素が抑制し、鉄の酸化を抑制することで、絶縁皮膜付き電磁鋼板の耐スティッキング性が著しく改善される。
絶縁皮膜中の易酸化性微粒子の量は1〜10質量%の範囲内とする。従って、絶縁皮膜形成用水系処理液には、その全固形分に基づいて1〜10質量%の割合で易酸化性微粒子を添加する。易酸化性微粒子を分散液の状態で入手した時は、易酸化性微粒子の固形分としての量が上記範囲内になるように添加すればよい。易酸化性微粒子の量が1質量%未満では、酸化性を有する雰囲気での歪取り焼鈍におけるスティッキング抑制効果を十分に得ることができない。一方、この量が10質量%を超えると、皮膜の導電性が高くなって、絶縁皮膜として機能しなくなる恐れがある。易酸化性微粒子の好ましい添加量は、質量%で、2.5%以上、7.5%以下である。
易酸化性微粒子の粒径は小さいほど好ましい。粒径が大きくなりすぎると、皮膜の導電性が高くなったり、防錆性に悪影響を及ぼす恐れがあるからである。易酸化性微粒子は、好ましくは平均粒径が0.1μm(=100nm)未満のものである。ここで、平均粒径の粒径とは粒子の一次粒子径を意味する。易酸化性微粒子のより好ましい平均粒径は5nm以上、50nm以下である。易酸化性微粒子が平均粒径5nm未満の超微粒子であると、粒子が凝集しやすく、皮膜特性の劣化につながる。カーボンブラックは平均粒径10〜20nm程度のものを容易に入手できるので、易酸化性微粒子として好適である。絶縁皮膜は、平均粒径が0.1μmを超える粒子を実質的な量(0.5%以上の量)では含有していないことが好ましい。
本発明の電磁鋼板は、絶縁皮膜がAl、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnから選ばれた少なくとも1種の金属の塩又は酸化物である金属化合物と有機樹脂と場合によりさらにシリカを含む水系処理液から形成されたものであることが好ましい。水系処理液中の各成分の好ましい割合(質量%、いずれも処理液中の全固形分に基づく成分の固形分割合)は、シリカ不存在の場合には、前記金属化合物50%〜90%、有機樹脂5〜50%である。水系処理液がシリカをさらに含む場合には、前記金属化合物40〜90%、有機樹脂5〜50%、シリカ5〜10%である。この水系処理液は、さらに上記易酸化性微粒子を1〜10%の割合で含む。
Al、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnから選ばれた金属の塩又は酸化物である金属化合物は、絶縁皮膜中では主としてバインダーとして機能する。これら塩又は酸化物の少なくとも一部、好ましくは全部が第一リン酸塩であることが好ましい。
第一リン酸塩とはリン酸二水素金属塩のことであり、例えば、第一リン酸マグネシウムはMg(HPO4)2、第一リン酸アルミニウムはAl(H2PO4)3なる化学式で表される。しかし、第一リン酸塩は工業的にはリン酸(オルトリン酸)に適量の金属水酸化物を反応させることにより製造され、金属水酸化物の量を変動させることにより金属/Pの原子比を変動させたリン酸塩を製造することができる。本発明において、2価金属塩であるMg、Ca、Sr、Ba及びZnの第一リン酸塩とは金属/Pの原子比が0.7/2〜1.2/2のものを包含し、3価金属塩である第一リン酸アルミニウムとはAl/Pの原子比が0.7/3〜1.2/3のものを包含する。
第一リン酸塩としては、第一リン酸アルミニウムと第一リン酸マグネシウムの一方又は両方を使用することが好ましい。より好ましくは、高濃度の処理液が得られやすい、工業的に安価といった理由から、アルミニウム塩及びマグネシウム塩の両方を使用する。
処理液中における第一リン酸塩の濃度は、1〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは2〜30質量%である。この濃度が1質量%未満では、処理液の造膜性が乏しく、形成された皮膜の耐水性も低下する傾向が認められる。一方、この濃度が50質量%を超えると、処理液の安定性が低下し、固形物の沈降や粘度の上昇が生じ、均一な皮膜を形成することが困難となる。
有機樹脂の含有は、主に電磁鋼板の打ちぬき性向上を目的とする。有機樹脂としては水性の合成樹脂が好ましい。水性合成樹脂は、エマルション型、水分散性型、水溶性型のいずれの水性樹脂であってもよい。合成有機樹脂の具体例として、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、1種又は2種以上を使用できる。
絶縁皮膜は所望によりシリカを含むことができる。シリカとしてはコロイド粒径の微粒子シリカを使用することが好ましく、液相シリカ(コロイダルシリカ)と気相シリカ(ヒュームドシリカ)どちらでもよく、複数種のシリカを用いても良い。絶縁皮膜がシリカを含有すると、絶縁皮膜の耐食性や層間抵抗が増大する傾向がある。
本発明で使用する絶縁皮膜形成用処理液は、上に説明した成分以外に、絶縁皮膜の特性に実質的な悪影響を及ぼさない限り、これまで絶縁皮膜形成用処理液に添加されてきた各種の成分を少量であれば含有しうる。そのような成分の例としては、腐食抑制剤、消泡剤、分散剤、安定化剤などが挙げられる。また、絶縁皮膜を着色するために着色剤を処理液に含有させることもできる。水系処理液であるので、溶媒は水であるが、乾燥促進などの目的で水より少量の水混和性有機溶剤(例、アルコール)を配合してもよい。
絶縁皮膜の厚さは0.1〜2μmの範囲内であり、好ましくは0.5μm以上、1.5μm以下である。皮膜厚さが0.1μm未満では、絶縁性、防錆性とも低下する。一方、皮膜厚さが2μmを超えると、コスト高になるほか、皮膜の密着性が低下する。
本発明の電磁鋼板に係る絶縁皮膜は、電磁鋼板の両面に上述した処理液を塗布し、焼き付けすることにより形成できる。処理液の塗布方法は特に制限されず、工業的に一般に用いられるロールコーター、カーテンフローコーター、スプレー塗装、ナイフコーター、浸漬等の種々の塗布方法が適用できる。好ましい焼き付け温度は、鋼板の最高到達温度として250〜300℃である。加熱方法についても、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱、オーブン加熱など、各種の周知の方法を利用できる。
処理原板の電磁鋼板は特に制限されず、用途に応じた適当な磁気特性を有する鋼板を使用することができる。典型的な電磁鋼板はSi含有鋼板であるが、それに限定されるものではない。電磁鋼板は一方向性と無方向性のいずれでもよい。本発明に従って絶縁皮膜を形成する前に、アルカリ脱脂、酸洗などの前処理を施してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に例示するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。実施例中の%及び部は、特に指定しない限り、絶縁皮膜、従って処理液全固形分、に基づく固形分換算での質量%及び質量部である。
処理原板としては0.1%のSiを含む板厚0.5mmの電磁鋼板を用いた。
絶縁皮膜形成用の処理液は、下記A液又はB液をベースとし、そこに下記の粒子を表1に示した量で添加し、分散させて調製した。
[ベース]
A液:第一リン酸アルミニウム(Al/P原子比=0.9/3)6.28%、第一リン酸マグネシウム(Mg/P原子比=0.85/2)2.09%、水酸化マグネシウム1.2%、合成樹脂(アクリル−スチレンエマルション)2.2%(固形分換算)を含有する処理液。
B液:第一リン酸アルミニウム(Al/P原子比=0.9/3)6.28%、第一リン酸マグネシウム(Mg/P原子比=0.85/2)2.09%、水酸化マグネシウム1.2%、合成樹脂(アクリル−スチレンエマルション)2.2%(固形分換算)、シリカ(コロイダルシリカ)1.2%(固形分換算)を含有する処理液。
[粒子]
C:カーボンブラック(三菱化学(株)製MCF#850(平均粒径10〜20nm))、
Si:シリコン粉末(関東化学(株)製けい素粉末4N(平均粒径1μm以上))、
Al23:アルミナゾル(日産化学(株)製アルミナゾル200(平均粒径:長辺100nm、短辺10nm))
アルミナ(Al23)は鉄より易酸化性ではないので、アルミナゾルは本発明で用いる易酸化性微粒子には該当しない。シリコンは易酸化性である。本例で使用したシリコン粉末は平均粒径が0.1μm以下の微粒子ではないが、シリコン粉末の効果を調べるために参考例として使用した。
粒子を添加した処理液は、塗布前に、薬液100gに対しガラスビーズ10gを添加した状態でハイブリッドミキサーを用いて十分に分散した状態で使用した。
所定量の微粒子を含む薬液を、焼付け後の皮膜の膜厚が約0.5μmとなるようにバーコーターで電磁鋼板の片面に塗布した後、最高到達板温度が270℃となるように30秒間オーブン加熱して塗膜を焼き付けて絶縁皮膜を形成した。焼き付け後ウォータークエンチで冷却し、ドライヤーで乾燥した。電磁鋼板の反対側にも同じ操作で絶縁皮膜を形成して、処理原板の両面に絶縁皮膜を有する絶縁皮膜付き電磁鋼板を得た。絶縁皮膜の膜厚は、蛍光X線分析装置によりPの強度を測定し、換算により算出した。
得られた電磁鋼板の諸性能については、耐スティッキング性、絶縁性、防錆性、密着性を下記方法により評価した。
[評価方法]
[耐スティッキング性]
絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片(30×50mm)2枚を接触面が30×30mmになるよう重ね合わせ、その重なり部の上に10kgの重りをのせ(圧縮応力一定)、窒素中750℃で2時間の歪取り焼鈍を行なった。条件1は同一試験片同士を重ね合わせ、条件2ではA1面と重ね合わせた。焼鈍後の試験片は引張り試験に供して剥離強度(単位:N)を測定し、下記4段階で耐スティッキング性を評価した。◎、○が合格である:
◎:引張り試験前に剥離、
○:剥離強度50未満、
△:剥離強度50以上、100未満、
×:剥離強度100以上。
[絶縁性]
JIS C 2550準拠の層間抵抗測定機を用い、下記条件で絶縁皮膜の層間抵抗を測定した:
試験圧力:2MPa±5%
層間抵抗値R=A×(1/I−1)(Ω・cm2/枚)
A:接触電極総面積(cm2)(=10)
:10個の接触子に流れる全電流(A)
層間抵抗の測定値に基づいた絶縁性の判定基準は下記の通りである:
○:10Ω以上、
×:10Ω未満。
[防錆性]
絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を、50℃、95%RHに調整した恒温恒湿層内に144時間暴露した後、表面錆の面積率(%)を観察し、下記の4段階で防錆性を評価した。◎、○が合格である:
◎:表面錆の面積率が5%以下、
○:表面錆の面積率が5%超、10%以下、
△:表面錆の面積率が10%超、30%以下、
×:表面錆の面積率が30%超。
[密着性]
長さ50mm、幅25mmの絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を、直径5mmの鉄棒に巻き付け、巻き付けた外側の部分についてテープ剥離試験を行って、鋼板に残存した絶縁皮膜の状況(残存皮膜の面積率)を調査した。この面積率から皮膜剥離の発生率(面積率)を求め、その発生率に基づいて下記の4段階で皮膜密着性を評価した。◎、○が合格である:
◎:皮膜剥離なし、
○:皮膜剥離発生(面積率で5%以下)、
△:皮膜剥離発生(面積率で5%超、30%以下)、
×:皮膜剥離発生(面積率で30%超)。
試験結果を絶縁皮膜中の微粒子の種類及び配合量とともに表1に示す。No.A1〜A11はベースがA液である例、No.B1〜B3はベースがB液である例である。実施例であるNo.A3〜A7、B1〜B3は、耐スティッキング性、絶縁性、防錆性等いずれの性能も良好であった。
参考例として示したNo.A9〜11も、耐スティッキング性は良好であった。これらは、絶縁性が不芳であったが、これはシリコン粉末の粒径が大きすぎることが影響しているので、粒径が適正であれば耐スティッキング性が良好な絶縁皮膜が得られると考えられる。
これに対し、易酸化性の粒子を含まない例であるNo.A1や易酸化性微粒子の代わりに易酸化性ではないアルミナ微粒子を含むNo.A12は、耐スティッキング性が不芳であった。
Figure 0005522013

Claims (4)

  1. 鋼板の両面にCrを含まない厚さ0.1〜2μmの絶縁皮膜を有する電磁鋼板であって、前記絶縁皮膜が、カーボンブラックを固形分として1〜10質量%の量で含んでいることを特徴とする絶縁皮膜付き電磁鋼板。
  2. 前記絶縁皮膜が、固形分として、Al、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnから選ばれた少なくとも1種の金属の塩又は酸化物50〜90質量%と、有機樹脂5〜50質量%とを含む水系処理液から形成されるものである、請求項1に記載の絶縁皮膜付き電磁鋼板。
  3. 前記絶縁皮膜が、固形分として、Al、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnから選ばれた少なくとも1種の金属の塩又は酸化物40〜90質量%と、有機樹脂を5〜50質量%と、シリカ5〜10質量%とを含む水系処理液から形成されるものである、請求項1に記載の絶縁皮膜付き電磁鋼板。
  4. 前記塩又は酸化物の一部又は全部が第一リン酸塩である、請求項又はに記載の絶縁皮膜付き電磁鋼板。
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