JP5521978B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換回路を構成する複数の電子部品と、少なくとも一部の上記電子部品を冷却する冷却器とを、ケース内に収容してなる電力変換装置に関する。
例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等には、電源電力から駆動用モータを駆動するための駆動用電力に変換するためのインバータやコンバータ等の電力変換装置が搭載されている。図33に示すごとく、かかる電力変換装置9は、スイッチング素子を内蔵した半導体モジュール921やコンデンサ922を始めとして、電力変換回路を構成する各種電子部品を備えている(特許文献1参照)。また、半導体モジュール921の温度上昇を抑制するために、これらを冷却する冷却器93が半導体モジュール921に接触配置されている。
さらには、電力変換装置9は、半導体モジュール921を制御する制御回路が形成された制御回路基板96をも備えている。
そして、これらの半導体モジュール921等の電子部品、冷却器93、制御回路基板96は、ケース94に固定され、ケース94内に密封されている。
また、電力変換装置9は、複数の電子部品を電気的に接続する導電ワイヤー(図示しない)を備える。
特開2009−159767号公報
しかしながら、ケース94の剛性が充分に高くないと、ケース94に固定された電子部品が大きく振動して断線等の原因となったり、外力が内部の電子部品等に加わって故障の原因となったりするなどの不具合が発生しやすい。
また、電力変換装置9は、エンジンルームなどに配置されることがあるが、この場合、急激な温度変化に伴って、ケース94が熱膨張あるいは熱収縮することがある。このとき、ケース94に直接、各種部品が組み付けられていると、これらの部品に熱応力が加わり、故障の原因を招くおそれがある。
また、特許文献1に記載の電力変換装置9は、ケース94を、ケース本体940とその両側に設けた下蓋941と上蓋942とによって構成してある。そのため、ケース94には、二か所の大きなシール面が形成され、これら2つのシール面の水密性を確保する必要がある。それゆえ、シール材を多く形成する必要があり、コスト面においても、製造面においても、不利となりやすい。
また、メンテナンスの際には、下蓋941と上蓋942とを取り外す必要があるため、メンテナンスの作業性も高いとは言い難い。
仮に、単に下蓋941を廃止して、ケース94を、底部のあるケース本体と上蓋とによって構成すれば、シール面を一つにできるが、この場合は、メンテナンス性がさらに低下することとなるし、ケース94の剛性がさらに低下することにもなる。
また、従来の電力変換装置9は、製造時に、上記導電ワイヤーの一部がケース本体940から外に飛び出てしまうことがあった。そのため、上蓋942をケース本体940に固定する際に、これら上蓋942とケース本体940との間で導電ワイヤーを挟んでしまう場合があった。そのため、導電ワイヤーをケース94内に固定し、導電ワイヤーがケース外へ飛び出さないようにする必要があった。しかしながら、従来の電力変換装置9は、電子部品や冷却器93、制御回路基板96等もケース94に固定するため、導電ワイヤーを固定するための場所をケース94に確保しにくいという問題があった。また、ケース94内は電子部品等が密集しているため、導電ワイヤーをケース94に固定する作業を行いにくいという問題があった。
また、ケース94に直接コンデンサ922等の電子部品を固定すると、その振動がケース94を通じて車体等に伝わり、不快な振動音が車内に伝わるなどの不具合も生じやすい。逆に、エンジンの振動が、ケース94を通じて電子部品に伝わって、断線や故障の原因となるおそれもある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、ケースの剛性を高めつつ、電子部品へ加わる外力を低減することができ、製造時に導電ワイヤーの一部がケース外へ飛び出すことを防止しやすく、かつ、メンテナンス性に優れた低コストの電力変換装置を提供しようとするものである。
本発明の第1の態様は、電力変換回路を構成する複数の電子部品と、少なくとも一部の上記電子部品を冷却する冷却器とを、ケース内に収容してなる電力変換装置であって、
上記電子部品の少なくとも一部と上記冷却器とは、これらが固定されるフレームと共に一体化されて一つの内部ユニットを構成し、
該内部ユニットは、上記フレームにおいて上記ケース内に固定され、
上記フレームは、上記内部ユニットを構成する上記電子部品、及び、上記冷却器の少なくとも一部を四方から囲むように形成され、
上記フレームは、該フレームの外側を通過する導電ワイヤーが上記ケースに近づく側へ移動することを規制するワイヤー保持部を有することを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
また、本発明の第2の態様は、電力変換回路を構成する複数の電子部品と、少なくとも一部の上記電子部品を冷却する冷却器とを、ケース内に収容してなる電力変換装置であって、
上記電子部品の少なくとも一部と上記冷却器とは、これらが固定されるフレームと共に一体化されて一つの内部ユニットを構成し、
該内部ユニットは、上記フレームにおいて上記ケース内に固定され、
上記フレームは、上記内部ユニットを構成する上記電子部品の少なくとも一部を内側に配置するように形成され、
上記フレームは、該フレームの外側を通過する導電ワイヤーが上記ケースに近づく側へ移動することを規制するワイヤー保持部を有し、
上記内部ユニットは、入出力端子を一端に設けたバスバーを複数本有し、上記複数本のバスバーを保持する絶縁材料からなるバスバー保持部と、上記複数本のバスバーとによって、バスバーアッセンブリが構成され、該バスバーアッセンブリは上記バスバー保持部において上記フレームに固定され、上記導電ワイヤーの一端は上記バスバーに接続されており、
上記フレームは、該フレームの上記バスバーアッセンブリ側の端面から上記バスバーアッセンブリへ向かって突出し、上記ワイヤーを係止するバスバー側突出ワイヤー係止部を備えることを特徴とする電力変換装置にある(請求項4)。
上記電力変換装置においては、上記電子部品の少なくとも一部と上記冷却器とを上記フレームに固定し、これらの電子部品と冷却器とフレームとを一体化した一つの内部ユニットを構成している。そして、該内部ユニットをケース内に固定している。そのため、内部ユニットがケースの内部において梁の役割を果たし、ケースの剛性を高めることができる。
そして、これによって、ケース自体の肉厚を特に大きくしたり、補強リブを形成したりしなくても、充分な剛性を得ることができるため、ケースの材料コストや製造コストを低減することができると共に、その重量を低減することが可能となる。
また、内部ユニットをケースに固定することによって、内部ユニットに含まれる一つ一つの電子部品及び冷却器に対して、ケースを通じて外力が加わることを抑制することができる。すなわち、外部からの振動や、熱応力などの影響を、内部ユニットに含まれる電子部品及び冷却器が受けることを抑制することができる。
また、上記内部ユニットを構成することによって、ケースに直接電子部品をはじめとする各種部品を組み付けるのではなく、フレームに対して電子部品等を組み付けて内部ユニットを組み立てた後、内部ユニットをケースに組み付けることで、電力変換装置を得ることができる。そのため、電力変換装置の組み立て作業を容易に行うことができる。
また、メンテナンス時においても、内部ユニットごとケースから取り出して、ケースの外でメンテナンスを行うことができるため、その作業性を向上させることができる。
また、このようにケースの外部において電子部品の組み付けやメンテナンスを行うことができるため、ケースには複数の蓋を設ける必要がない。そのため、ケース本体と蓋との間のシール面を一箇所とすることができる。それゆえ、ケースの水密性が必要な場合にも、その水密性を高めやすくなると共に、シール材を少なくすることができ、材料費の低減、シール材の塗布等の工数の低減を図ることができる。
また、上記内部ユニットは、上記フレームにおいて上記ケースに固定されている。このようにすると、上記フレームが上述した梁の役割を直接果たすため、より一層ケースの剛性を高めることができる。
また、上記フレームは、上記内部ユニットを構成する上記電子部品の少なくとも一部を内側に配置するように形成されている。これにより、フレームを導体で構成すれば、フレームによって、電子部品から生じる電磁ノイズを遮蔽することができる。上記ケースも導体によって構成されることが多いが、フレームとケースとによって、電子部品の電磁ノイズを二重で遮蔽することができる。また、上記フレームは、上記内部ユニットを構成する上記電子部品の少なくとも一部を内側に配置するように形成されている。そのため、フレームによって、例えば半導体モジュールなど、電磁ノイズを発生しやすい電子部品を囲むことにより、フレームが導体であれば、少なくともフレームの外側への電磁ノイズの漏れを抑制することができる。
なお、高さ方向から見た上記フレームの形状としては、例えば、上記電子部品の少なくとも一部を四方から囲む四角形状、三方から囲むコ字形状、あるいは、間に電子部品を配置した略平行な一対の壁部と両者をつなぐ壁部とからなるH字形状とすることができる。
また、上記フレームは、上記ワイヤー保持部を有する。そのため、内部ユニットをケース内に配設する際に、導電ワイヤーの一部がケース外へ飛び出ることを防止でき、ケースと蓋体との間に導電ワイヤーが挟まる不具合を抑制できる。また、内部ユニットをケースに固定する際に、ケースの一部に導電ワイヤーが引っ掛かる不具合も防止できる。
また、本発明では、導電ワイヤーをワイヤー保持部に保持させて内部ユニットを構成した後で、該内部ユニットをケースに固定するため、導電ワイヤーをケースに固定する場合と比較して、導電ワイヤーの固定作業を行いやすい。
以上のごとく、本発明によれば、ケースの剛性を高めつつ、電子部品へ加わる外力を低減することができ、製造時に導電ワイヤーの一部がケース外へ飛び出すことを防止しやすく、かつ、メンテナンス性に優れた低コストの電力変換装置を提供することができる。
参考例における、電力変換装置の断面概略説明図。 参考例における、フレームの平面図。 参考例における、フレームの底面図。 図2のA−A(a−a)線矢視断面図。 図2のB−B線矢視断面図。 参考例における、フレームの正面図。 参考例における、フレームに積層体及び端子台等を組み付けた状態の平面図。 参考例における、フレームに更にバスバーアッセンブリ等を組み付けた状態の平面図。 図8のC視図。 図7のD−D線矢視断面図。 参考例における、フレームに更にコンデンサを組み付けた状態の平面図。 図11のE視図。 参考例における、フレームに更に制御回路基板を組み付けた状態、すなわち内部ユニットの平面図。 参考例における、内部ユニットの正面図。 参考例における、内部ユニットの側面図。 参考例における、内部ユニットをケースに収納した状態の平面図。 図16のF−F線矢視断面図。 図16のG−G線矢視断面図。 参考例における、図16のG−G線矢視断面相当の電力変換装置の断面図。 実施例1における、電力変換装置の断面図。 実施例1における、蓋体を取り付ける前の電力変換装置の平面図。 実施例1における、内部ユニットの側面図。 実施例1における、内部ユニットの底面図。 実施例1における、フレームの正面図。 実施例1における、フレームの平面図。 実施例1における、フレームの底面図。 実施例2における、電力変換装置の側面図。 図27の要部拡大図。 図28の斜視図。 実施例3における、電力変換装置の要部拡大側面図。 図30のH矢視図。 図30のI矢視図。 背景技術における、電力変換装置の断面図。
本発明に係る電力変換装置は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載され、電源電力から駆動用モータを駆動するための駆動用電力に変換するのに用いられる。
また、上記ワイヤー保持部は、上記フレームを構成する壁部の外側面に形成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、導電ワイヤーをフレームの壁部に沿わせる状態で保持することができる。そのため、導電ワイヤーがケース側へ移動することを効果的に防止できる。
また、上記内部ユニットは、上記入出力端子を一端に設けたバスバーを複数本有し、上記複数本のバスバーを保持する絶縁材料からなるバスバー保持部と、上記複数本のバスバーとによって、バスバーアッセンブリが構成され、該バスバーアッセンブリは上記バスバー保持部において上記フレームに固定され、上記導電ワイヤーの一端は上記バスバーに接続されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、内部ユニットは上記バスバーアッセンブリを備えるため、複数本のバスバーを個別にフレームに固定する必要がなくなる。そのため、電力変換装置を容易に製造することが可能になる。
また、本発明の第2の態様においては、上記フレームは、該フレームの上記バスバーアッセンブリ側の端面から上記バスバーアッセンブリへ向かって突出し、上記ワイヤーを係止するバスバー側突出ワイヤー係止部を備える(請求項4)。
そのため、一端がバスバーに接続された導電ワイヤーを、フレームとバスバーアッセンブリとの間において、上記バスバー側突出ワイヤー係止部によって係止できる。それゆえ、導電ワイヤーを複数箇所で保持でき、導電ワイヤーがケース側へ移動することを防止しやすくなる。そのため、製造時に、導電ワイヤーの一部がケース外へ飛び出しにくくなり、ケースと蓋体との間で導電ワイヤーを挟む不具合を防止しやすくなる。また、内部ユニットをケースに固定する際に、ケースの一部に導電ワイヤーが引っ掛かる等の不具合を抑制しやすくなる。
また、上記バスバーアッセンブリの上記バスバー保持部には、上記フレームへ向かって突出し、上記ワイヤーを係止するフレーム側突出ワイヤー係止部が形成されていることが好ましい(請求項5)。
この場合には、導電ワイヤーを、フレームだけでなく、バスバーアッセンブリにおいても係止することができる。そのため、導電ワイヤーをしっかりと係止でき、導電ワイヤーがケース側へ移動することを一層、効果的に防止できる。これにより、導電ワイヤーがケース外へ飛び出しにくくなり、ケースと蓋体との間で導電ワイヤーを挟む不具合を防止しやすくなる。また、内部ユニットをケースに固定する際に、ケースの一部に導電ワイヤーが引っ掛かる等の不具合を抑制しやすくなる。
また、上記バスバーアッセンブリの上記バスバー保持部には、少なくとも上記フレーム側に開口したワイヤー用凹部が形成されており、該ワイヤー用凹部内に上記フレーム側突出ワイヤー係止部が形成され、上記導電ワイヤーの一部は上記ワイヤー用凹部内に存在していることが好ましい(請求項6)。
この場合には、導電ワイヤーの一部がワイヤー用凹部内に存在しているため、フレームとバスバーアッセンブリの間隔が狭い場合でも、導電ワイヤーを無理に折り曲げることなく、導電ワイヤーの通過経路を確保できる。これにより、導電ワイヤーの断線等を防止しやすくなり、電力変換装置の信頼性を向上できる。また、フレームとバスバーアッセンブリを接近させることができるため、電力変換装置を小型化できる。
また、上記内部ユニットは、スイッチング素子を内蔵し上記フレーム内に固定された複数の半導体モジュールと、該半導体モジュールを制御する制御回路基板とを上記電子部品として備え、該制御回路基板は上記フレームに固定され、上記フレームは、上記制御回路基板と上記バスバーアッセンブリとの間に介在しており、上記バスバーは、上記バスバーアッセンブリの、上記フレーム側とは反対側の主面に設けられ、該導電ワイヤーの他端は上記制御回路基板に接続され、上記制御回路基板の板厚方向から見た場合に、上記バスバーアッセンブリの側面の一部は、上記フレームの壁部よりも内側に位置する内側側面となっており、上記ワイヤー保持部と、上記バスバー側突出ワイヤー係止部と、上記フレーム側突出ワイヤー係止部とを用いて、上記導電ワイヤーの一部が、上記フレームの壁部と上記内側側面との間に位置するように、該導電ワイヤーを保持していることが好ましい(請求項7)。
この場合には、引き回した導電ワイヤーの一部がバスバーアッセンブリの上記内側側面から突出することになるが、その突出した部分が、フレームの壁部から外側へ出ない。そのため、内部ユニットをケースに取り付ける際に、導電ワイヤーがケースの一部に引っかかる不具合を防止できる。
また、上記内部ユニットは、スイッチング素子を内蔵してなる複数の半導体モジュールを上記電子部品として備えていることが好ましい。この場合には、外力の影響を受けやすいスイッチング素子を内蔵した半導体モジュールへ加わる外力を低減することができる。そのため、より効果的に電力変換装置の耐久性を向上することができる。
また、上記冷却器は内部に冷媒流路を備える複数の冷却管を有し、該複数の冷却管と上記複数の半導体モジュールとが互いに積層された積層体が上記内部ユニットに含まれていることが好ましい。この場合には、上記積層体を上記ケースの外において組み立てることができるため、一層製造容易な電力変換装置を得ることができる。
また、上記積層体は、上記冷却管と上記半導体モジュールとを交互に積層してなることが好ましい。この場合には、上記半導体モジュールを効率的に冷却することができると共に、積層体の小型化を実現することができる。
また、上記内部ユニットは、上記積層体を積層方向に加圧する加圧部材を備え、該加圧部材は、上記フレームの一部と上記積層体における積層方向の一端との間に介設され、上記積層体における積層方向の他端は、上記フレームの他の一部によって支承されていることが好ましい。この場合には、上記加圧部材の反力を上記フレームによって支えることができる。そのため、上記ケースには上記加圧部材の反力に対抗する剛性が必要なく、その厚みを厚くしたり、リブ等を設けたりする必要もない。その結果、ケースの軽量化、低コスト化を実現することができる。
また、上記フレームは、上記内部ユニットを上記ケースに固定するユニット固定部を複数有しており、上記積層体及び上記加圧部材による積層方向外側へ向かう反力を受ける上記フレームにおける一対の支承部よりも積層方向外側の双方に、少なくとも1個ずつ上記ユニット固定部が配置されていることが好ましい。この場合には、上記積層体及び上記加圧部材による反力に対する上記フレームの剛性を上記ケースによって向上させることができる。すなわち、上記ケースが上記フレームを補強することとなり、上記反力によってフレームが変形することを効果的に防止することができる。
また、上記フレームは、上記積層体における積層方向の両側に配された前方壁部及び後方壁部と、上記前方壁部と上記後方壁部とをその両端において連結する一対の側方壁部とを有することが好ましい。この場合には、上記積層体を上記フレームの内側において安定して固定することができる。
また、上記前方壁部及び上記後方壁部は、上記側方壁部よりも、壁厚みが大きいことが好ましい。この場合には、上記加圧部材の反力を受ける上記前方壁部及び上記後方壁部の剛性を高めることができると共に、上記加圧部材の反力を直接受けない上記側方壁部の軽量化を図ることができる。その結果、上記加圧部材の反力に対抗するのに必要な上記フレームの剛性を確保しつつ、効果的にフレームの軽量化を図ることができる。
また、上記前方壁部及び上記後方壁部は、その少なくとも一部を、積層方向に垂直な一対の縦板部と該一対の縦板部の中央部においてこれらを連結する連結部とからなる断面略H字形状のH型壁部によって構成してあることが好ましい。この場合には、上記前方壁部及び上記後方壁部の高い剛性を確保しつつフレームの軽量化を図ることができる。
また、上記側方壁部は、その少なくとも一部を、上記フレームの内側に面する主面を有する主壁部と、該主壁部における積層方向に直交する方向の一端から上記フレームの内側に向って突出した内向部とからなる断面略L字状のL型壁部によって構成してあることが好ましい。この場合には、充分な剛性を確保しつつ上記側方壁部の軽量化及び材料費の低減を図ることができる。
また、上記複数の冷却管は長尺形状を有し、その長手方向の両端部付近において互いに連結され、上記冷却管と共に積層された上記半導体モジュールは、被制御電力が入出力される主電極端子と上記スイッチング素子を制御する制御電流が入力される制御端子とを、互いに反対方向へ突出形成してなると共に、積層方向及び上記冷却管の長手方向に直交する高さ方向に突出させており、上記フレームは、上記高さ方向の双方に解放されていることが好ましい。この場合には、上記半導体モジュールへのバスバーや制御回路基板等の組み付けを容易に行うことができる。
また、上記内部ユニットは、上記スイッチング素子を制御する制御回路を形成した制御回路基板を備えることが好ましい。この場合には、上記制御回路基板をケースに直接取り付ける必要がないため、その組み付け作業を容易に行うことができると共に、制御回路基板へ加わる外力を低減することができる。
また、上記フレームは、上記内部ユニットを上記ケースに固定するユニット固定部を有し、該ユニット固定部は、上記制御回路基板の外縁よりも外側に配置されていることが好ましい。この場合には、上記内部ユニットを上記ケースに容易に組み付けることができる。すなわち、仮に、上記ユニット固定部が上記制御回路基板の外縁よりも内側に配置されていたとすると、上記制御回路基板が邪魔になって、該制御回路基板を組み付けた後の内部ユニットを上記ケースに固定する作業を容易に行うことができなくなる。例えば、ケースの壁に孔をあけて、そこにボルト等を挿通して内部ユニットをケースに固定するなどの方法を採らざるをえなくなるが、その場合、作業性が低下するばかりでなく、ケース内外の水密性を確保するためのシール材の配設部分が増えてしまうという問題も生じる。
しかし、ユニット固定部を上記制御回路基板の外縁よりも外側に配置しておくことにより、このような不具合を招くおそれがない。
また、上記フレームは、上記内部ユニットに上記制御回路基板を固定する基板固定部を有し、該基板固定部は、上記ユニット固定部よりも内側に配置されていることが好ましい。この場合には、上記制御回路基板を上記フレームに容易に固定することができると共に、上記内部ユニットを上記ケースに容易に組み付けることができる。
また、上記内部ユニットは、上記電子部品としてコンデンサを備えることが好ましい。この場合には、上記コンデンサへ加わる外力を低減することができる。また、コンデンサから上記ケースへ伝わる振動を抑制することができ、ケースを介してコンデンサの振動が外部へ伝わることを抑制することができる。これにより、例えば、電力変換装置を搭載した車両において、コンデンサの振動に起因する不快音が車内に伝達することを抑制することができる。
また、上記フレームは、上記内部ユニットを上記ケースに固定するユニット固定部と、上記内部ユニットに上記コンデンサを固定するコンデンサ固定部とを有し、該コンデンサ固定部は、上記ユニット固定部よりも内側に配置されていることが好ましい。この場合には、上記コンデンサを上記フレームに容易に固定することができると共に、上記内部ユニットを上記ケースに容易に組み付けることができる。
また、上記内部ユニットは、被制御電力を入出力する入出力端子を載置して、該入出力端子を外部機器の端子と接続するための端子台を備えることが好ましい。この場合には、上記ケースの外で上記端子台を内部ユニットに組み付けることができるため、上記端子台の組み付けを容易に行うことができる。
また、該電力変換装置は、上記入出力端子を一端に設けたバスバーを有し、上記フレームは、上記バスバーを固定するバスバー固定部を複数有することが好ましい。この場合には、上記バスバーを上記フレームに安定して固定することができる。
また、上記電力変換装置は、上記バスバーを複数本有し、該複数本のバスバーのうちの少なくとも2本は、互いに樹脂によって部分的にモールドされることによって一体化されたバスバーアッセンブリを構成してなり、該バスバーアッセンブリを上記フレームに対して固定する複数の上記バスバー固定部のうちの少なくとも2個は、上記フレームの中央よりも上記端子台に近い位置に配置されていることが好ましい。この場合には、上記バスバーアッセンブリを上記フレームに安定して固定することができると共に、上記端子台に上記入出力端子を安定して配置することができる。その結果、入出力端子と外部端子との安定した接続状態を確保することができる。
また、上記内部ユニットは、電力変換回路を構成するすべての上記電子部品を含むことが好ましい。この場合には、電力変換回路を構成するすべての電子部品を外力から保護することができると共に、製造容易かつメンテナンス性に優れた電力変換装置を得ることができる。
また、上記フレームは、少なくとも一方の端部が上記ケース内に配された導電ワイヤーを保持するワイヤー保持部を有することが好ましい。この場合には、上記導電ワイヤーを上記フレームに沿わせることができる。それゆえ、内部ユニットをケースに収納したり、あるいはケースから取り出したりする際に、導電ワイヤーが引っかかるなどの不具合を防止することができる。
(参考例)
本発明の参考例にかかる電力変換装置につき、図1〜図19を用いて説明する。
本例の電力変換装置1は、図1に示すごとく、電力変換回路を構成する複数の電子部品(半導体モジュール21、コンデンサ22等)と、少なくとも一部の電子部品(本例においては半導体モジュール21)を冷却する冷却器3とを、ケース4内に収容してなる。
半導体モジュール21と冷却器3とは、これらが固定されるフレーム5と共に一体化されて一つの内部ユニット10を構成している。
内部ユニット10は、ケース4に固定されると共にケース4内に密封されている。
図16〜図18に示すごとく、内部ユニット10は、フレーム5においてケース4に固定されている。フレーム5は、導体からなり、内部ユニット10を構成する複数の半導体モジュール21を内側に配置するように形成されている。フレーム5は、例えば、アルミニウム、鉄等の金属又は合金の成形体によって構成することができる。
また、ケース4も、例えば、アルミニウム、鉄等の金属又は合金からなる。
半導体モジュール21は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子を内蔵してなる。半導体モジュール21は、スイッチング素子を樹脂モールドしてなる本体部211と、該本体部211から互いに反対方向に突出した主電極端子212及び制御端子213とからなる。主電極端子212からは被制御電力が半導体モジュール21に入出力され、制御端子213には、スイッチング素子を制御する制御電流が入力される。
図7、図10に示すごとく、冷却器3は内部に冷媒流路を備える複数の冷却管31を有する。そして、複数の冷却管31と複数の半導体モジュール21とが互いに積層された積層体11が内部ユニット10に含まれている。積層体11は、冷却管31と半導体モジュール21とを交互に積層してなる。そして、半導体モジュール21は両主面から冷却管31によって挟持されている。また、隣り合う冷却管31の間には、2個の半導体モジュール21が挟持されている。
図7に示すごとく、複数の冷却管31は、積層方向Xに直交する方向に長く、その長手方向(この方向を、以下、適宜「横方向Y」という。)の両端部において、隣り合う冷却管31同士が変形可能な連結管32によって連結されている。冷却器3は、積層方向Xの一端に配された冷却管31における横方向Yの両端部に設けた冷媒導入管331及び冷媒排出管332を有する。
これにより、冷媒導入管331から導入された冷却媒体は、連結管32を適宜通り、各冷却管31に分配されると共にその長手方向(横方向Y)に流通する。そして、各冷却管31を流れる間に、冷却媒体は半導体モジュール21との間で熱交換を行う。熱交換により温度上昇した冷却媒体は、下流側の連結管32を適宜通り、冷媒排出管332に導かれ、冷却器3から排出される。
冷却媒体としては、例えば、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等の冷媒を用いることができる。
内部ユニット10は、積層体11を積層方向Xに加圧する加圧部材12を備える。加圧部材12は、フレーム5の一部と積層体11における積層方向Xの一端(これを以下「後端」という。)との間に介設されている。積層体11における積層方向Xの他端(これを以下「前端」という。)は、フレーム5の他の一部によって支承されている。
加圧部材12は、積層体11側に向って凸状に湾曲した板ばねによって構成されている。また、加圧部材12と積層体11との間には、平板状の補強板13が介設されており、加圧部材12の押圧力が冷却管31に局部的にかからないようにして、冷却管31の変形を防いでいる。また、加圧部材12の長手方向(横方向Y)の両端部と、フレーム5との間には、支承ピン14が挟持されている。この一対の支承ピン14によって、加圧部材12が後方から支承されている。
フレーム5は、積層体11における積層方向Xの両側に配された前方壁部52及び後方壁部53と、前方壁部52と後方壁部53とをその両端において連結する一対の側方壁部54とを有する。すなわち、図2、図3に示すごとく、フレーム5は、積層方向X及び横方向Yに直交する方向(以下、これを「高さ方向Z」という。)から見たとき、冷却器3を四方から囲む略長方形状を有する。
フレーム5は、図1〜図3、図19に示すごとく、内部ユニット10をケース4に固定するユニット固定部51を複数有している。積層体11及び加圧部材12による積層方向Xの外側へ向かう反力を受けるフレーム5における一対の支承部(前方壁部52の内側面521および後方壁部53の内側面531)よりも積層方向Xの外側の双方に、少なくとも1個ずつユニット固定部51が配置されている。本例においては、上記内側面521よりも外側に2個のユニット固定部51が形成され、上記内側面531よりも外側に他の2個のユニット固定部51が形成されている。
ユニット固定部51は、フレーム5から外方へ突出形成されると共に貫通孔が形成されている。該貫通孔にボルト511を挿通すると共に該ボルト511をケース4の内部に形成されたユニット支承部41におけるネジ孔に螺合することにより、フレーム5をケース4に固定し、すなわち、内部ユニット10をケース4に固定している。
図2、図4、図5に示すごとく、前方壁部52及び後方壁部53は、側方壁部54よりも、壁厚みt1、t2が大きい。ここで、壁厚みt1、t2とは、冷却管31が、積層方向Xあるいは横方向Yに投影される部分における、積層方向Xあるいは横方向Yの寸法をいうものとする。
前方壁部52及び後方壁部53は、その少なくとも一部を、図4、図10に示すごとく、断面略H字形状のH型壁部55によって構成してある。H型壁部55は、積層方向Xに垂直な一対の縦板部551と該一対の縦板部551の中央部においてこれらを連結する連結部552とからなる。
図2、図3に示すごとく、側方壁部54は、その一部を、断面略L字状のL型壁部によって構成してある。L型壁部(側方壁部54)は、図5に示すごとく、フレーム5の内側に面する主面を有する主壁部541と、該主壁部541における積層方向Xに直交する方向の一端からフレーム5の内側に向って突出した内向部542とからなる。本例においては、側方壁部54のすべてが上記L型壁部からなる。
なお、図2、図7に示すごとく、支承ピン14を配置する領域付近においては、側方壁部54の内向部542が他の部分よりも内側に突出している。
フレーム5は、高さ方向Zの双方に解放されている。すなわち、フレーム5の内側は高さ方向Zに貫通してなる。そして、図9、図10に示すごとく、半導体モジュール21の主電極端子212及び制御端子213は、フレーム5における高さ方向Zの一方(下方)と他方(上方)に突出している。本明細書において、主電極端子212の突出方向を下方、制御端子213の突出方向を上方として説明するが、上下は特に限定されるものではなく、便宜的なものである。
なお、前後や横などの表現も、同様に便宜的なものであることは言うまでもない。
また、図1、図13〜図19に示すごとく、内部ユニット10は、スイッチング素子を制御する制御回路を形成した制御回路基板6を備えている。半導体モジュール21における制御端子213は、制御回路基板6に接続されている。図13、図14に示すごとく、フレーム5におけるユニット固定部51は、制御回路基板6の外縁よりも外側に配置されている。
また、フレーム5は、図2、図14、図15に示すごとく、内部ユニット10に制御回路基板6を固定する基板固定部56を、ユニット固定部51よりも内側に設けている。
基板固定部56は、前方壁部52と後方壁部53とのそれぞれから2本ずつ高さ方向Z(上方)へ突出形成されたボスによって構成されている。これらの基板固定部56にはネジ孔が形成されており、4個所の基板固定部56においてビス561によって制御回路基板56をフレーム5に固定してある(図13〜図15)。
また、図14、図15に示すごとく、内部ユニット10はコンデンサ22を備えている。フレーム5は、内部ユニット10にコンデンサ22を固定するコンデンサ固定部57を有する。図3、図11、図14に示すごとく、該コンデンサ固定部57は、ユニット固定部51よりも内側に配置されている。
コンデンサ固定部57は、前方壁部52と後方壁部53とのそれぞれから2本ずつ、基板固定部56とは反対側の高さ方向Z(下方)へ突出形成されたボスによって構成されている。これらのコンデンサ固定部57にはネジ孔が形成されており、4個所のコンデンサ固定部57においてボルト571によってコンデンサ22をフレーム5に固定してある。
また、図11〜図15に示すごとく、内部ユニット10は、被制御電力を入出力する入出力端子71を載置して、該入出力端子71を外部機器(直流バッテリー、回転電機等)の端子と接続するための端子台7を備えている。
端子台7は、フレーム5における一方の側方壁部54から外方へ突出形成された2本の支持アーム543に、ボルト544によって固定されている。
入出力端子71には、コンデンサ22の一対の電極と電気的に接続された一対のコンデンサ端子71P、71Nと、半導体モジュール21の主電極端子212と電気的に接続されると共に三相交流回転電機のU相、V相、W相の各電極に接続される3本の出力端子71U、71V、71Wがある。
入出力端子71は、バスバーの一端に形成され、該バスバーの他端がコンデンサ22や半導体モジュール21に接続されている。
また、図8に示すごとく、複数本のバスバー70を保持する絶縁材料(合成樹脂)からなるバスバー保持部750と、複数本のバスバー70とによって、バスバーアッセンブリ72が構成されている。バスバーアッセンブリ72は、バスバー保持部750においてフレーム5に固定されている。
フレーム5は、図3、図14、図15に示すごとく、バスバーアッセンブリ72を固定するバスバー固定部58を複数有する。本例においては、バスバー固定部58は3個形成されている。そして、バスバー固定部8のうちの2個は、フレーム5の中央よりも端子台7に近い位置に配置されている。
内部ユニット10は、電力変換回路を構成するすべての電子部品を含んでいる。すなわち、電力変換装置1におけるすべての電子部品は、内部ユニット10に属しており、ケース4に直接固定された電子部品は存在しない。
また、図1に示すごとく、ケース4は、上方が開口したケース本体40と、該ケース本体40の開口部を閉塞する蓋体400とからなる。上記ユニット支承部41は、ケース本体40と一体成形されている。
ケース本体40は、開口部の外周にフランジ部42を設けてなり、蓋体400の外周にもフランジ部420が設けてある。ケース本体40と蓋体400とは、互いの開口端にシール材(図示略)を介在させた状態で両者のフランジ部42、420を互いに重ね合わせ、ボルト431とナット432とによって締結されている。これにより、内部ユニット10は、ケース4内に密封されることとなる。
図16、図19に示すごとく、積層体11(図7参照)に接続された冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、その一部をケース4の外に突出させている。冷媒導入管331及び冷媒排出管332の外周には、環状パッキン333が取り付けてある。図16に示すごとく、ケース本体40には、冷媒導入管331及び冷媒排出管332を通過させる凹部44が2個所に形成されており、これら2つの凹部44に、冷媒導入管331及び冷媒排出管332に取り付けた環状パッキン333を配置した状態で、環状パッキン333をケース本体40と蓋体400とで挟持する。これにより、冷媒導入管331及び冷媒排出管332をケース4の外に突出させつつ、ケース4を密閉することができる。
また、内部ユニット10における各種電子部品や制御回路基板6と、外部機器とを電気的に接続するために、ケース4には適宜、配線の挿通部や、コネクタ等を設けてあるが、これらの開口部には、適宜シール材等を設けることによって、ケース4内外の水密性を確保している。
本例の電力変換装置1を組み立てるに当たっては、まず、図13〜図15に示すごとく、内部ユニット10を組み立てる。その後、図16〜図18に示すごとく、内部ユニット10をケース本体40内に収納すると共に固定する。そして、最後に、図1、図19に示すごとく、蓋体400をケース本体40に締結することによって、ケース4内に内部ユニット10を密封する。
内部ユニット10を組み立てるに当たっては、まず、図2〜図6に示すフレーム5を用意する。
次いで、フレーム5の内側に、図7、図10に示すごとく、複数の半導体モジュール21と複数の冷却管31とを積層してなる積層体11を配置する。なお、この段階より前に、複数の冷却管31は連結管32によって連結されていると共に冷媒導入管331及び冷媒排出管332が接合された冷却器3が既に組み立てられている。積層体11をフレーム5の内側に配置したとき、冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、図7に示すごとく、フレーム5に形成した管用凹面522(図2、図6)に載置される。
また、積層体11の後端とフレーム5の後方壁部53との間に、加圧部材12を配置する。
次いで、加圧部材12の両端部付近を積層方向Xの前方へ、押圧治具によって押し込むことによって、加圧部材12を弾性変形させつつ、積層体11を圧縮する。加圧部材12を所定量変形させた時点で、加圧部材12の両端部とフレーム5の後方壁部53との間に、円柱状の支承ピン14を挿入する。その後、上記押圧治具を後方へ移動させながら加圧部材12から離すことにより、一対の支承ピン14が加圧部材12と後方壁部53との間に挟持された状態となる。この状態は、すなわち、加圧部材12の付勢力によって積層体11が積層方向に所定の圧力によって圧縮された状態でもある。
次いで、図7〜図9に示すごとく、端子台7をフレーム5における支持アーム543に、ボルト544によって固定する。
次いで、バスバー70を樹脂モールドしてなるバスバーアッセンブリ72をフレーム5に取り付けると共に、バスバー70を半導体モジュール21の主電極端子212に溶接する。また、バスバー70における出力端子71U、71V、71Wを端子台7に載置する。バスバーアッセンブリ72は、フレーム5の3箇所のバスバー固定部58において、ボルト581によって固定する。
次いで、半導体モジュール21をコンデンサ22と接続するためのバスバー700を、半導体モジュール21の主電極端子212に溶接すると共にバスバーアッセンブリ72にボルト701によって固定する。
次いで、図11、図12に示すごとく、コンデンサ22をフレーム5の下側に固定する。すなわち、コンデンサ22をフレーム5におけるコンデンサ固定部57にボルト571によって締結する。
また、コンデンサ22における一対のコンデンサ端子71P、71Nを端子台7に載置する。
次いで、図13〜図15に示すごとく、制御回路基板6をフレーム5の上側に配置して、制御回路基板5に形成したスルーホールに半導体モジュール21の制御端子213を挿通すると共に接続する。そして、フレーム5における基板固定部56に、ビス561によって制御回路基板6を固定する。
以上により、内部ユニット10が完成する。
その後、図16〜図18に示すごとく、内部ユニット10を、ケース本体40に固定する。
すなわち、ケース本体40に形成されたユニット支承部41の上面に、内部ユニット10の外郭を構成するフレーム5のユニット固定部51を載置する。このとき、冷却器3の冷媒導入管331及び冷媒排出管332に取り付けた環状パッキン333を、ケース本体40に形成された凹部44に嵌め込む。
この状態で、ボルト511を、ユニット固定部51に設けた挿通孔に挿通すると共にユニット支承部41に設けたネジ孔にねじ込むことによって、ケース本体40に内部ユニット10を固定する。
次いで、シール材を介在させながら、図1、図19に示すごとく、蓋体400をケース本体40の開口部に配置し、フランジ部42、420において、ボルト431とナット432とによって両者を締結する。これにより、内部ユニット10をケース4内に密封する。
以上により、電力変換装置1を完成させる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記電力変換装置1においては、電子部品(半導体モジュール21、コンデンサ22等)と冷却器3とをフレーム5に固定し、これらの電子部品と冷却器3とフレーム5とを一体化した一つの内部ユニット10を構成している。そして、該内部ユニット10をケース4内に固定している。そのため、内部ユニット10がケース4の内部において梁の役割を果たし、ケース4の剛性を高めることができる。
そして、これによって、ケース4自体の肉厚を特に大きくしたり、補強リブを形成したりしなくても、充分な剛性を得ることができるため、ケース4の材料コストや製造コストを低減することができると共に、その重量を低減することが可能となる。
また、内部ユニット10をケース4に固定することによって、内部ユニット10に含まれる一つ一つの電子部品及び冷却器3に対して、ケース4を通じて外力が加わることを抑制することができる。すなわち、外部からの振動や、熱応力などの影響を、内部ユニット10に含まれる電子部品及び冷却器3が受けることを抑制することができる。
また、内部ユニット10を構成することによって、ケース4に直接電子部品をはじめとする各種部品を組み付けるのではなく、フレーム5に対して電子部品等を組み付けて内部ユニット10を組み立てた後、内部ユニット10をケース4に組み付けることで、電力変換装置1を得ることができる。そのため、電力変換装置1の組み立て作業を容易に行うことができる。
また、メンテナンス時においても、内部ユニット10ごとケース4から取り出して、ケース4の外でメンテナンスを行うことができるため、その作業性を向上させることができる。
また、このようにケース4の外部において電子部品の組み付けやメンテナンスを行うことができるため、ケース4には複数の蓋を設ける必要がない。そのため、ケース本体40と蓋体400との間のシール面を一箇所とすることができる。それゆえ、ケース4の水密性を高めやすくなると共に、シール材を少なくすることができ、材料費の低減、シール材の塗布等の工数の低減を図ることができる。
また、内部ユニット10はケース4内に密封されている。すなわち、フレーム5を含めて内部ユニット10全体をケース4内に密封してあるため、シール面を一箇所とすることができる。
また、内部ユニット10は、フレーム5においてケース4に固定されており、フレーム5が上述した梁の役割を直接果たすため、より一層ケース4の剛性を高めることができる。
また、フレーム5は、導体からなり、複数の半導体モジュール21を内側に配置するように形成されているため、フレーム5によって、半導体モジュール21から生じる電磁ノイズを遮蔽することができる。ケース4も導体によって構成されているが、フレーム5とケース4とによって、半導体モジュール21の電磁ノイズを二重で遮蔽することができる。
また、図7、図10に示すごとく、複数の冷却管31と複数の半導体モジュール21とが互いに積層された積層体11が内部ユニット10に含まれている。これにより、積層体11をケース4の外において組み立てることができるため、一層製造容易な電力変換装置1を得ることができる。
また、積層体11は、冷却管31と上記半導体モジュール21とを交互に積層してなるため、半導体モジュール21を効率的に冷却することができると共に、積層体11の小型化を実現することができる。
また、内部ユニット10は、加圧部材12を備えている。そして、加圧部材12は、フレーム5における後方壁部53と積層体11の後端との間に介設され、積層体11の前端は、フレーム5における前方壁部52によって支承されている。それゆえ、加圧部材12の反力をフレーム5によって支えることができる。そのため、ケース4には加圧部材12の反力に対抗する剛性が必要なく、その厚みを厚くしたり、リブ等を設けたりする必要もない。その結果、ケース4の軽量化、低コスト化を実現することができる。
また、フレーム5は、ユニット固定部51を複数有して、積層体11及び加圧部材12による積層方向Xの外側へ向かう反力を受けるフレーム5における一対の支承部(前方壁部52の内側面521及び後方壁部53の内側面531)よりも積層方向Xの外側の双方に、2個ずつユニット固定部51が配置されている。これにより、積層体11及び加圧部材12による反力に対するフレーム5の剛性をケース4によって向上させることができる。すなわち、ケース4がフレーム5を補強することとなり、反力によってフレーム5が変形することを効果的に防止することができる。
また、フレーム5は、前方壁部52及び後方壁部53と一対の側方壁部54とを有する。これにより、積層体11をフレーム5の内側において安定して固定することができる。
また、前方壁部52及び後方壁部53は、側方壁部54よりも、壁厚みが大きい。すなわち、図4、図5に示す板厚みt1、t2が、t1>t2である。これにより、加圧部材12の反力を受ける前方壁部52及び後方壁部53の剛性を高めることができると共に、加圧部材12の反力を直接受けない側方壁部54の軽量化を図ることができる。その結果、加圧部材12の反力に対抗するのに必要なフレーム5の剛性を確保しつつ、効果的にフレーム5の軽量化を図ることができる。
また、図4に示すごとく、前方壁部52及び後方壁部53は、その一部を、断面略H字形状のH型壁部55によって構成してある。これにより、前方壁部52及び後方壁部53の高い剛性を確保しつつフレーム5の軽量化を図ることができる。
また、図5に示すごとく、側方壁部54は、断面略L字状のL型壁部によって構成してあるため、充分な剛性を確保しつつ側方壁部54の軽量化及び材料費の低減を図ることができる。
また、図10に示すごとく、冷却管31と共に積層された半導体モジュール21は、主電極端子212と制御端子213とを、互いに反対方向へ突出形成してなると共に、高さ方向Zに突出させており、フレーム5は、高さ方向Zの双方に解放されている。これにより、図8、図13〜図15に示すごとく、半導体モジュール21へのバスバー70、700や制御回路基板6の組み付けを容易に行うことができる。
また、内部ユニット10は、制御回路基板6をも備えている。そのため、制御回路基板6をケース4に直接取り付ける必要がないため、その組み付け作業を容易に行うことができると共に、制御回路基板6へ加わる外力を低減することができる。
また、図2に示すごとく、フレーム5に設けたユニット固定部51は、制御回路基板6の外縁よりも外側に配置されている。それゆえ、内部ユニット10をケース4に容易に組み付けることができる。すなわち、仮に、ユニット固定部51が制御回路基板6の外縁よりも内側に配置されていたとすると、制御回路基板6が邪魔になって、制御回路基板6を組み付けた後の内部ユニット10をケース4に固定する作業を容易に行うことができなくなる。
例えば、ケース4の壁に孔をあけて、そこにボルト等を挿通して内部ユニット10をケース4に固定するなどの方法を採らざるをえなくなるが、その場合、作業性が低下するばかりでなく、ケース4内外の水密性を確保するためのシール材の配設部分が増えてしまうという問題も生じる。
しかし、ユニット固定部51を制御回路基板6の外縁よりも外側に配置しておくことにより、このような不具合を招くおそれがない。
また、フレーム5に設けた基板固定部56は、ユニット固定部51よりも内側に配置されている。そのため、制御回路基板6をフレーム5に容易に固定することができると共に、内部ユニット10をケース4に容易に組み付けることができる。
また、内部ユニット10はコンデンサ22をも備えている。それゆえ、コンデンサ22へ加わる外力を低減することができる。また、コンデンサ22からケース4へ伝わる振動を抑制することができ、ケース4を介してコンデンサ22の振動が外部へ伝わることを抑制することができる。これにより、例えば、電力変換装置1を搭載した車両において、コンデンサ22の振動に起因する不快音が車内に伝達することを抑制することができる。
また、図3に示すごとく、フレーム5に設けたコンデンサ固定部57は、ユニット固定部51よりも内側に配置されている。そのため、コンデンサ22をフレーム5に容易に固定することができると共に、内部ユニット10をケース4に容易に組み付けることができる。
また、内部ユニット10は、端子台7をも備えている。これにより、ケース4の外で端子台7を内部ユニット10に組み付けることができるため、端子台7の組み付けを容易に行うことができる。
また、フレーム5は、バスバー70(バスバーアッセンブリ72)を固定するバスバー固定部58を複数有する。これにより、バスバー70(バスバーアッセンブリ72)をフレーム5に安定して固定することができる。
また、図3、図8に示すごとく、複数のバスバー固定部58のうちの2個は、フレーム5の中央よりも端子台7に近い位置に配置されている。これにより、バスバーアッセンブリ72をフレーム5に安定して固定することができると共に、端子台7に入出力端子71を安定して配置することができる。その結果、入出力端子71と外部端子との安定した接続状態を確保することができる。
また、内部ユニット10は、電力変換回路を構成するすべての電子部品を含んでいる。そのため、電力変換回路を構成するすべての電子部品を外力から保護することができると共に、製造容易かつメンテナンス性に優れた電力変換装置1を得ることができる。
以上のごとく、本例によれば、ケースの剛性を高めつつ、電子部品へ加わる外力を低減することができ、かつ、メンテナンス性に優れた低コストの電力変換装置を提供することができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例に係る電力変換装置1につき、図20〜図26を用いて説明する。
図20〜図26に示すごとく、本例の電力変換装置1は、電力変換回路を構成する複数の電子部品(半導体モジュール21、コンデンサ22等)と、少なくとも一部の電子部品(本例においては半導体モジュール21)を冷却する冷却器3とを、ケース4内に収容してなる。
電子部品と冷却器3とは、これらが固定されるフレーム5と共に一体化されて一つの内部ユニット10を構成している。また、内部ユニット10は、フレーム5においてケース4内に固定されている。フレーム5は、内部ユニット10を構成する複数の半導体モジュール21を内側に配置するように形成されている。
そして、フレーム5は、該フレーム5の外側を通過する導電ワイヤー15がケース4に近づく側へ移動することを規制するワイヤー保持部59を有する。
以下、詳説する。
上記導電ワイヤー15は、少なくとも一方の端部がケース4内に配されている。本例においては、導電ワイヤー15は、ケース4内において、コンデンサ22と制御回路基板6との間を接続している。そして、この導電ワイヤー15を通じて、コンデンサ22にかかる電圧、すなわち電力変換装置1への入力電圧の信号を制御回路基板6へ送ることができるようにしてある。
導電ワイヤー15は、両端部を除いて樹脂によって被覆された被覆導線からなり、可撓性を有する。そして、導電ワイヤー15は、フレーム5の外側を通過して、制御回路基板6とコンデンサ22とを接続している。
ワイヤー保持部59は、図21、図23、図25、図26に示すごとく、上記高さ方向Zから見た形状が鉤状を有し、図20、図22、図24に示すごとく、高さ方向Zに長く形成されている。ワイヤー保持部59は、フレーム5における前方壁部52から外側へ突出形成されている。そして、図21、図23に示すごとく、ワイヤー保持部59と前方壁部52との間の空間に、導電ワイヤー15の一部を嵌合させている。
ワイヤー保持部59は、前方壁部52からX方向に突出し、Y方向の一方に折れ曲がる
鉤状でなくても、前方壁部52からX方向に突出し、その先端からY方向の両側に突出する、上記高さ方向から見た形状がT字状であってもよい。さらに、ワイヤー保持部59は、2本の突片を前方壁部52から突出させて、その両端同士が接合された、コ字状(チャンネル形状)であってもよい。つまり、ワイヤー保持部59は、前方壁部52と対向する面を有する形状とすることで、前方壁部52と対向する位置に配設される導電ワイヤー15がワイヤー保持部59よりもケース4内周面側に接近することを抑制している。
また、図20〜図23に示すごとく、バスバーアッセンブリ72には、積層方向Xの前方へ突出した前方突出部721が形成されており、該前方突出部721は、高さ方向Zから見たとき、ワイヤー保持部59の開口側に対向する位置に配されている。そして、この前方突出部721によって、導電ワイヤー15がワイヤー保持部59から外れないようにしてある。
また、ワイヤー保持部59は、導電ワイヤー15における制御回路基板6との接続部151と、略同等の横方向Yの位置に配置されている。
その他は、参考例と同様である。
本例の作用効果について説明する。本例では、フレーム5は、ワイヤー保持部59を有する。そのため、内部ユニット10をケース4内に配設する際に導電ワイヤー15の一部がケース4外へ飛び出ることを防止でき、ケース4と蓋体400との間に導電ワイヤー15が挟まる不具合を抑制しやすい。また、内部ユニット10をケース4に固定する際に、ケース4の一部に導電ワイヤー15が引っかかる等の不具合も防止できる。
また、本例では、導電ワイヤー15をワイヤー保持部59に保持させて内部ユニット10を構成した後で、該内部ユニット10をケース4に固定するため、導電ワイヤー15をケース4に固定する場合と比較して、導電ワイヤー15の固定作業を行いやすい。
その他、参考例と同様の作用効果を有する。
なお、ワイヤー保持部59に保持させる導電ワイヤー15は、上記のように、コンデンサ22と制御回路基板6との間に接続されるものに限らず、他の導電ワイヤーであってもよい。また、ワイヤー保持部59の形成方向や形成位置、或いは形状等についても、限定されるものではなく、例えば、横方向Yに導電ワイヤー15を添わせるように形成することもできる。また、必要に応じて、ワイヤー保持部59をフレーム5の複数個所に設けることもできる。
以上のごとく、本例によれば、ケースの剛性を高めつつ、電子部品へ加わる外力を低減することができ、製造時に導電ワイヤーの一部がケース外へ飛び出すことを防止しやすく、かつ、メンテナンス性に優れた低コストの電力変換装置を提供することができる。
(実施例2)
本例は、フレーム5及びバスバーアッセンブリ72の形状を変更した例である。すなわち、図27〜図29に示すごとく、フレーム5は、まず、実施例1と同様に、壁部(側方壁部54)に形成されたワイヤー保持部59を備える。ワイヤー保持部59は、側方壁部54の外側面に形成されている。そして、ワイヤー保持部59と側方壁部54との間で導電ワイヤー15を保持している。
ワイヤー保持部59は、図29に示すごとく、側方壁部54から突出した第1部分590と、該第1部分590の先端に設けられ、側方壁部54に平行な第2部分591とを備えた鉤状に形成されている。そして、側方壁部54と、第1部分590と、第2部分591とに囲まれた凹状の空間内に導電ワイヤー15を保持している。
また、フレーム5は、該フレーム5のバスバーアッセンブリ72側の端面からバスバーアッセンブリ72へ向かって突出し、導電ワイヤー15を係止するバスバー側突出ワイヤー係止部594を備える。
また、バスバーアッセンブリ72のバスバー保持部750には、フレーム5へ向かって突出し、導電ワイヤー15を係止するフレーム側突出ワイヤー係止部595が形成されている。
内部ユニット10は、複数のバスバー700を部分的にモールドしたバスバーアッセンブリ72を備える。バスバーアッセンブリ72はフレーム5に固定されている。また、導電ワイヤー15の一端はバスバー700に接続され、他端は制御回路基板6に接続されている。バスバー700は、直流電力(図示しない)の正極端子または負極端子に接続されている。
このように、バスバー700と制御回路基板6とを導電ワイヤー15で接続することにより、制御回路基板6においてバスバー700の電位を測定し、半導体モジュール21の制御に利用している。
また、バスバー保持部750には、少なくともフレーム5側に開口したワイヤー用凹部725が形成されている。ワイヤー用凹部725内にフレーム側突出ワイヤー係止部595が形成されている。導電ワイヤー15の一部はワイヤー用凹部725内に存在している。バスバー側突出ワイヤー係止部594の先端も、ワイヤー用凹部725内に存在している。
図27に示すごとく、制御回路基板6はフレーム5に固定されている。フレーム5は、制御回路基板6とバスバーアッセンブリ72との間に介在している。バスバー700は、バスバーアッセンブリ72の、フレーム5側とは反対側の主面に設けられている。
また、図28に示すごとく、制御回路基板6の板厚方向から見た場合に、バスバーアッセンブリ72の側面の一部は、フレーム5の壁部(前方壁部52)よりも内側に位置する内側側面720となっている。
図28、図29に示すごとく、ワイヤー保持部59と、バスバー側突出ワイヤー係止部594と、フレーム側突出ワイヤー係止部595とを用いて、導電ワイヤー15の一部155が、フレーム5の前方壁部52と内側側面720との間に位置するように、導電ワイヤー15を保持している。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
本例の作用効果について説明する。本例では、フレーム5は上記ワイヤー保持部59を備えるため、導電ワイヤー15をフレーム5の壁部において保持することができる。そのため、導電ワイヤー15がケース4側へ移動することを効果的に防止できる。
また、フレーム5は、上記バスバー側突出ワイヤー係止部594を備える。
このようにすると、ワイヤー保持部59とバスバー側突出ワイヤー係止部594とを使って、複数箇所において導電ワイヤー15を保持できるため、導電ワイヤー15がケース4側へ移動することを防止しやすくなる。そのため、電力変換装置1の製造時に、導電ワイヤー15の一部がケース4外へ飛び出しにくくなり、ケース4と蓋体400との間で導電ワイヤー15を挟む不具合を防止しやすくなる。また、内部ユニット10をケース4に固定する際に、ケース4の一部に導電ワイヤー15が引っ掛かる不具合を抑制しやすくなる。
また、バスバーアッセンブリ72のバスバー保持部750には、フレーム側突出ワイヤー係止部595が形成されている。
このようにすると、導電ワイヤー15を、フレーム5だけでなく、バスバーアッセンブリ72においても係止することができる。そのため、導電ワイヤー15をしっかりと係止でき、導電ワイヤー15がケース4側へ移動することを一層、効果的に防止できる。これにより、導電ワイヤー15がケース4外へ飛び出しにくくなり、ケース4と蓋体400との間で導電ワイヤー15を挟む不具合を防止しやすくなる。また、内部ユニット10をケース4に固定する際に、ケース4の一部に導電ワイヤー15が引っ掛かる不具合を抑制しやすくなる。
また、本例では、導電ワイヤー15の一部はワイヤー用凹部725内に存在している。
このようにすると、フレーム5とバスバーアッセンブリ72の間隔が狭い場合でも、導電ワイヤー15を無理に折り曲げることなく、導電ワイヤー15の通過経路を確保できる。これにより、導電ワイヤー15の断線等を防止しやすくなり、電力変換装置1の信頼性を向上できる。また、フレーム5とバスバーアッセンブリ72を接近させることができるため、電力変換装置1を小型化できる。
また、本例では図28、図29に示すごとく、ワイヤー保持部59と、バスバー側突出ワイヤー係止部594と、フレーム側突出ワイヤー係止部595とを用いて、導電ワイヤー15の一部155が、フレーム5の壁部と内側側面720との間に位置するように、導電ワイヤー15を保持している。
このようにすると、導電ワイヤー15の一部155がフレーム5の壁部(前方壁部52)から外側に突出しないため、内部ユニット10をケース4に取り付ける際に、導電ワイヤー15の一部155がケース4の一部に引っかかる不具合を防止できる。
その他、実施例1と同様の作用効果を備える。
(実施例3)
本例は、フレーム5の形状を変更した例である。図30〜図32に示すごとく、本例のフレーム5は、実施例1と同様に、ワイヤー保持部59を備える。また、バスバーアッセンブリ72の側面には、導電ワイヤー15を係止するための側面ワイヤー係止部596が形成されている。
ワイヤー保持部59は、図31、図32に示すごとく、側方壁部54から突出した第1部分590と、該第1部分590の先端に設けられ、側方壁部54に平行な第2部分591とを備えた鉤状に形成されている。そして、側方壁部54と、第1部分590と、第2部分591とによって囲まれた凹状の空間内に、導電ワイヤー15を保持している。
また、側面ワイヤー係止部596は、バスバーアッセンブリ72の側面から突出したバスバー側第1部分592と、該バスバー側第1部分592の先端に設けられ、バスバーアッセンブリ72の側面に平行なバスバー側第2部分593とを備えた鉤状に形成されている。また、バスバー側第2部分593は、ワイヤー保持部59の上記第2部分591とは反対側へ突出している。
本例では、ワイヤー保持部59と側面ワイヤー係止部596とによって、導電ワイヤー15を保持している。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
本例の作用効果について説明する。本例では、ワイヤー保持部59と側面ワイヤー係止部596のみを使って導電ワイヤー15を保持しているため、電力変換装置1の製造時に、導電ワイヤー15を保持させる作業を簡単に行うことができる。また、本例では図31に示すごとく、ワイヤー保持部59と、側面ワイヤー係止部596とによって、導電ワイヤー15を囲むように保持している。そのため、導電ワイヤー15が外れにくい。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
1 電力変換装置
10 内部ユニット
11 積層体
21 半導体モジュール
22 コンデンサ
3 冷却器
31 冷却管
4 ケース
5 フレーム
6 制御回路基板
7 端子台

Claims (7)

  1. 電力変換回路を構成する複数の電子部品と、少なくとも一部の上記電子部品を冷却する冷却器とを、ケース内に収容してなる電力変換装置であって、
    上記電子部品の少なくとも一部と上記冷却器とは、これらが固定されるフレームと共に一体化されて一つの内部ユニットを構成し、
    該内部ユニットは、上記フレームにおいて上記ケース内に固定され、
    上記フレームは、上記内部ユニットを構成する上記電子部品、及び、上記冷却器の少なくとも一部を四方から囲むように形成され、
    上記フレームは、該フレームの外側を通過する導電ワイヤーが上記ケースに近づく側へ移動することを規制するワイヤー保持部を有することを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、上記ワイヤー保持部は、上記フレームを構成する壁部の外側面に形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または請求項2おいて、上記内部ユニットは、入出力端子を一端に設けたバスバーを複数本有し、上記複数本のバスバーを保持する絶縁材料からなるバスバー保持部と、上記複数本のバスバーとによって、バスバーアッセンブリが構成され、該バスバーアッセンブリは上記バスバー保持部において上記フレームに固定され、上記導電ワイヤーの一端は上記バスバーに接続されていることを特徴とする電力変換装置。
  4. 電力変換回路を構成する複数の電子部品と、少なくとも一部の上記電子部品を冷却する冷却器とを、ケース内に収容してなる電力変換装置であって、
    上記電子部品の少なくとも一部と上記冷却器とは、これらが固定されるフレームと共に一体化されて一つの内部ユニットを構成し、
    該内部ユニットは、上記フレームにおいて上記ケース内に固定され、
    上記フレームは、上記内部ユニットを構成する上記電子部品の少なくとも一部を内側に配置するように形成され、
    上記フレームは、該フレームの外側を通過する導電ワイヤーが上記ケースに近づく側へ移動することを規制するワイヤー保持部を有し、
    上記内部ユニットは、入出力端子を一端に設けたバスバーを複数本有し、上記複数本のバスバーを保持する絶縁材料からなるバスバー保持部と、上記複数本のバスバーとによって、バスバーアッセンブリが構成され、該バスバーアッセンブリは上記バスバー保持部において上記フレームに固定され、上記導電ワイヤーの一端は上記バスバーに接続されており、
    上記フレームは、該フレームの上記バスバーアッセンブリ側の端面から上記バスバーアッセンブリへ向かって突出し、上記ワイヤーを係止するバスバー側突出ワイヤー係止部を備えることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項4において、上記バスバーアッセンブリの上記バスバー保持部には、上記フレームへ向かって突出し、上記ワイヤーを係止するフレーム側突出ワイヤー係止部が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項5において、上記バスバーアッセンブリの上記バスバー保持部には、少なくとも上記フレーム側に開口したワイヤー用凹部が形成されており、該ワイヤー用凹部内に上記フレーム側突出ワイヤー係止部が形成され、上記導電ワイヤーの一部は上記ワイヤー用凹部内に存在していることを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項5または請求項6において、上記内部ユニットは、スイッチング素子を内蔵し上記フレーム内に固定された複数の半導体モジュールと、該半導体モジュールを制御する制御回路基板とを上記電子部品として備え、該制御回路基板は上記フレームに固定され、上記フレームは、上記制御回路基板と上記バスバーアッセンブリとの間に介在しており、上記バスバーは、上記バスバーアッセンブリの、上記フレーム側とは反対側の主面に設けられ、該導電ワイヤーの他端は上記制御回路基板に接続され、上記制御回路基板の板厚方向から見た場合に、上記バスバーアッセンブリの側面の一部は、上記フレームの壁部よりも内側に位置する内側側面となっており、上記ワイヤー保持部と、上記バスバー側突出ワイヤー係止部と、上記フレーム側突出ワイヤー係止部とを用いて、上記導電ワイヤーの一部が、上記フレームの壁部と上記内側側面との間に位置するように、該導電ワイヤーを保持していることを特徴とする電力変換装置。
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