以下において、図面を参照しながら、本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
なお、以下においては、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向とする。また、X方向とY方向とによって規定される平面をXY平面、X方向とZ方向とによって規定される平面をXZ平面、Y方向とZ方向とによって規定される平面をYZ平面とする。
(第1実施形態)
図1~図5を用いて、本実施形態の電力変換装置100に関して説明する。本実施形態では、一例として、バッテリ200の電力を電力変換して二つのモータ310、320を駆動する電力変換装置100を採用する。
まずは、図5を用いて、電力変換装置100の回路構成に関して説明する。電力変換装置100は、第1コンバータ1a、第2コンバータ1b、第1インバータ2a、第2インバータ2b、スイッチング素子3、平滑コンデンサ4、放電抵抗5、ノイズ除去用コンデンサ11、フィルタコンデンサ12などを備えている。電力変換装置100は、バッテリ200の正端子に電気的に接続するためのP端子6と、バッテリ200の負端子に電気的に接続するためのN端子7とを備えている。また、電力変換装置100は、第1モータ310の三つの端子と電気的に接続するための第1U相端子t11、第1V相端子t12、第1W相端子t13を備えている。電力変換装置100は、第2モータ320の三つの端子と電気的に接続するための第2U相端子t21、第2V相端子t22、第2W相端子t23を備えている。
第1コンバータ1aは、第1リアクトル21aと、2つのスイッチング素子3が直列に接続された半導体装置32とを備えている。第2コンバータ1bは、第1コンバータ1aと同様、第2リアクトル21bと半導体装置32とを備えている。
本実施形態では、スイッチング素子3として、IGBTとダイオードを備えたRC-IGBTを採用している。このダイオードは、IGBTと逆並列に挿入されるフリーホイールダイオードと同様な働きをする。しかしながら、本開示は、これに限定されず、スイッチング素子3として、MOSFETや、RC-IGBTとは異なるIGBTなどを採用することができる。なお、スイッチング素子3としてIGBTを採用した場合、半導体装置32は、IGBTと逆並列に接続されるフリーホイールダイオードを含んでいてもよい。
第1コンバータ1aは、高電位側のスイッチング素子3と、低電位側のスイッチング素子3とを含んでいる。この高電位側のスイッチング素子3は、上アーム素子と言える。一方、低電位側のスイッチング素子3は、下アーム素子と言える。
第1コンバータ1aは、高電位側のスイッチング素子3のコレクタが高電位ラインと電気的に接続され、エミッタが低電位側のスイッチング素子3のコレクタと電気的に接続されている。また、第1コンバータ1aは、低電位側のスイッチング素子3のコレクタが低電位ラインと電気的に接続されている。そして、第1コンバータ1aは、スイッチング素子3のゲートが、各コンバータ1a、2a、各インバータ2a、2bとを駆動制御する回路基板と電気的に接続されている。第1リアクトル21aは、一方の端子が高電位側のスイッチング素子3のエミッタと低電位側のスイッチング素子3のコレクタに電気的に接続され、他方の端子がP端子6に電気的に接続されている。第2コンバータ1bは、第1コンバータ1aと同様に構成されている。
第1コンバータ1aとバッテリ200との間、及び第2コンバータ1bとバッテリ200との間には、ノイズ除去用コンデンサ11が設けられている。ノイズ除去用コンデンサ11は、一例として、バッテリ200と並列に接続され、二つのコンデンサ素子の直列接続体を採用している。ノイズ除去用コンデンサ11は、高電位側のコンデンサ素子の一方の端子がP端子6と電気的に接続され、他方の端子が低電位側のコンデンサ素子の一方の端子と電気的に接続され、さらに、低電位側のコンデンサ素子の他方の端子がN端子7と電気的に接続されている。また、ノイズ除去用コンデンサ11は、二つのコンデンサ素子の接続点がグランドラインに接続されている。つまり、ノイズ除去用コンデンサ11は、二つのコンデンサ素子の接続点がボデーグランドに接続されている。
ノイズ除去用コンデンサ11は、高電位ライン及び低電位ラインに伝搬したコモンモード電流をグランドラインに落として、コモンモードノイズを抑制する機能を備えている。ノイズ除去用コンデンサ11は、Yコンデンサやコモンモードコンデンサなどを言い換えることができる。
第1コンバータ1aとバッテリ200との間、及び第2コンバータ1bとバッテリ200との間には、フィルタコンデンサ12が設けられている。フィルタコンデンサ12は、一方の端子がP端子6と電気的に接続され、他方の端子がN端子7と電気的に接続されている。つまり、フィルタコンデンサ12は、バッテリ200と並列に接続されている。フィルタコンデンサ12は、バッテリ200からのノーマルモードノイズを抑制する機能、及び、バッテリ電圧の変動を平滑化する機能を兼ね備えている。フィルタコンデンサ12は、Xコンデンサやノーマルモードコンデンサと言い換えることもできる。
第1インバータ2aは、第1モータ310の各相に対応して、3つの半導体装置32を備えている。第1インバータ2aの各半導体装置32は、高電位側のスイッチング素子3のコレクタが高電位ラインと電気的に接続され、エミッタが低電位側のスイッチング素子3のコレクタと電気的に接続されている。また、各半導体装置32は、低電位側のスイッチング素子3のコレクタが低電位ラインと電気的に接続されている。そして、各半導体装置32は、スイッチング素子3のゲートが、回路基板と電気的に接続されている。さらに、各半導体装置32は、高電位側のスイッチング素子3のエミッタと低電位側のスイッチング素子3のコレクタとが、第1U相端子t11、第1V相端子t12、第1W相端子t13のそれぞれに電気的に接続されている。
第2インバータ2bは、第2モータ320の各相に対応して、3つの半導体装置32を備えている。第2インバータ2bは、第1インバータ2aと同様に構成されている。そして、第2インバータ2bの各半導体装置32は、高電位側のスイッチング素子3のエミッタと低電位側のスイッチング素子3のコレクタとが、第2U相端子t21、第2V相端子t22、第2W相端子t23のそれぞれに電気的に接続されている。
第1インバータ2a及び第2インバータ2bの入力側には、平滑コンデンサ4と放電抵抗5とが設けられている。つまり、平滑コンデンサ4と放電抵抗5とは、第1コンバータ1a及び第2コンバータ1bと、第1インバータ2a及び第2インバータ2bとの間に設けられている。この平滑コンデンサ4と放電抵抗5は、並列に設けられている。
なお、電力変換装置100の回路構成は、これに限定されない。つまり、電力変換装置100は、コンバータの個数やインバータの個数が上記に限定されない。また、電力変換装置100は、コンバータとインバータの少なくとも一方が設けられていればよい。
次に、図1、図2、図3、図4を用いて、電力変換装置100の構成に関して説明する。電力変換装置100は、上記回路を構成する構成要素が筐体内に配置されて、筐体に固定されている。なお、図1、2では、構成要素の位置関係を明確にするために筐体の図示を省略している。
図1、図2に示すように、電力変換装置100は、主に、コンデンサモジュール10、リアクトルモジュール20、パワーモジュール30が筐体に固定されている。さらに、電力変換装置100は、これらとともに、平滑コンデンサ4、放電抵抗5、回路基板などが筐体に固定されている。
電力変換装置100は、コンデンサモジュール10とパワーモジュール30とがY方向に積層されて配置されている。また、積層配置されたコンデンサモジュール10とパワーモジュール30は、リアクトルモジュール20の基部22bと積層配置され、且つ、リアクトルモジュール20のリアクトル配置部22aとX方向において隣り合って配置されている。よって、コンデンサモジュール10は、パワーモジュール30と基部22bとの間に配置され、且つ、リアクトル配置部22aと対向配置されていると言える。また、コンデンサモジュール10は、Y方向において基部22bと対向配置され、且つ、X方向においてリアクトル配置部22aと対向配置されていると言える。リアクトルモジュール20とパワーモジュール30に関しては、後程詳しく説明する。なお、Y方向は、積層方向とも言える。
図3、図4に示すように、コンデンサモジュール10は、ノイズ除去用コンデンサ11、フィルタコンデンサ12に加えて、第1ノイズコン端子161、第2ノイズコン端子162、第1平滑コン端子17a、第2平滑コン端子17bを備えている。さらに、コンデンサモジュール10は、これらを収容するコンデンサケース13と、これらを封止する封止樹脂部18とを備えている。なお、第1ノイズコン端子161、第2ノイズコン端子162、第1平滑コン端子17a、第2平滑コン端子17bは、外部接続用の端子である。第1平滑コン端子17a、第2平滑コン端子17bは、フィルタコン用端子に相当する。
ノイズ除去用コンデンサ11は、高電位側のコンデンサ素子と、低電位側のコンデンサ素子とが、Z方向において隣り合って配置されている。各コンデンサ素子は、Y方向の両端に端子が設けられている。
一方のコンデンサ素子が第1ノイズコン端子161と電気的及び機械的に接続され、他方のコンデンサ素子が第2ノイズコン端子162と電気的及び機械的に接続されている。このノイズコン端子161、162は、グランド端子に相当する。なお、以下においては、電気的及び機械的に接続されていることを単に接続とも記載する。
詳述すると、ノイズ除去用コンデンサ11における高電位側のコンデンサ素子は、一方の端子が第1平滑コン端子17aと接続され、他方の端子が第1ノイズコン端子161と接続されている。また、ノイズ除去用コンデンサ11における低電位側のコンデンサ素子は、一方の端子が第2平滑コン端子17bと接続され、他方の端子が第2ノイズコン端子162と接続されている。
ノイズコン端子161、162は、ノイズ除去用コンデンサ11をグランドラインと接続するための端子である。ノイズ除去用コンデンサ11は、ノイズコン端子161、162を介して、グランドライン(ボデーグランド)としてのリアクトルケース22と接続されている。なお、リアクトルケース22や、ノイズコン端子161、162とリアクトルケース22との接続構造に関しては、後程説明する。
第1ノイズコン端子161は、突出部16aと、連結部16bと、取付部16cとが設けられている。第1ノイズコン端子161は、例えば、板部材を屈曲させるなどによって設けられている。よって、第1ノイズコン端子161は、部分的に屈曲部を有する導電性の板部材とも言える。
第1ノイズコン端子161は、一端がコンデンサ素子に取り付けられている。突出部16aは、コンデンサ素子に取り付けられる部位と連なっており、後程説明する封止樹脂から突出する部位である。
連結部16bは、封止樹脂部18から露出しており、突出部16aと取付部16cとに連なって、突出部16aと取付部16cとを連結している部位である。取付部16cは、第1ノイズコン端子161の他端であり、封止樹脂部18から露出しており、リアクトルケース22と接続される部位である。取付部16cは、ボルトb1が挿入される貫通穴が設けられている。貫通穴は、突出部16aのY方向に貫通している。第1ノイズコン端子161は、コンデンサ素子に取り付けられる部位と、突出部16aと、連結部16bと、取付部16cとが一体物として構成されている。なお、第2ノイズコン端子162は、第1ノイズコン端子161と同様の構成を有している。
フィルタコンデンサ12は、ノイズ除去用コンデンサ11よりも高電圧が印加される。フィルタコンデンサ12は、複数のコンデンサ素子を備えている。各コンデンサ素子は、Y方向の両端に端子が設けられている。本実施形態では、一例として、八個のコンデンサ素子を備えているフィルタコンデンサ12を採用している。また、本実施形態では、四個のコンデンサ素子が二列に配置されたフィルタコンデンサ12を採用している。
よって、コンデンサモジュール10は、ノイズ除去用コンデンサ11における一個のコンデンサ素子と、フィルタコンデンサ12における四個のコンデンサ素子とがX方向において並んで配置されている。コンデンサモジュール10は、五個のコンデンサ素子の素子列が二つ、Z方向において隣り合って配置されている。
フィルタコンデンサ12は、第1平滑コン端子17a及び第2平滑コン端子17bとで各コンデンサ素子を挟み込んだ状態で、各平滑コン端子17a、17bと各コンデンサ素子とが接続されている。各平滑コン端子17a、17bは、例えば、板部材を屈曲させるなどによって設けられている。よって、各平滑コン端子17a、17bは、部分的に屈曲部を有する導電性の板部材とも言える。各平滑コン端子17a、17bは、各コンデンサ素子と接続される部位と、各コンデンサ素子と他の回路構成要素とを接続する部位とを含んでいる。
フィルタコンデンサ12は、各コンデンサ素子の一方の端子に第1平滑コン端子17aが接続されており、各コンデンサ素子の他方の端子に第2平滑コン端子17bが接続されている。フィルタコンデンサ12は、例えば、第1平滑コン端子17aがP端子6と接続され、第2平滑コン端子17bがN端子7と接続されている。
コンデンサモジュール10は、ノイズコン端子161、162がノイズ除去用コンデンサ11と接続され、且つ、平滑コン端子17a、17bがノイズ除去用コンデンサ11及びフィルタコンデンサ12と接続されて一体的に構成されている。この一体的に構成された構造体は、コンデンサ構造体とも言える。
コンデンサケース13は、樹脂を主成分として構成されており、コンデンサ構造体を収容可能な収容空間が設けられている。コンデンサケース13は、例えば、凹形状をなしたものを採用することができる。この場合、コンデンサケース13は、底部と、底部と連なって設けられた環状の側壁とを有し、底部に対向する位置が開口している。
図3に示すように、コンデンサケース13は、側壁における収容空間とは反対側に突出したフランジ14が設けられている。フランジ14には、取付部16cが配置される。また、フランジ14は、取付部16cの貫通穴と対向する位置に、環状のカラー15が設けられている。よって、コンデンサモジュール10は、フランジ14に取付部16cが配置された状態で、フランジ14と取付部16cとを貫通する貫通穴が構成される。この貫通穴には、ボルトb1が挿入される。なお、フランジ14は、補強する必要がない程度の強度を有する場合、カラー15が設けられていなくてもよい。
コンデンサモジュール10は、図3に示すように、コンデンサケース13の収容空間にコンデンサ構造体が配置された状態で封止樹脂部18が設けられる。封止樹脂部18は、ノイズコン端子161、162の一部と平滑コン端子17a、17bの一部とが露出した状態で、ノイズ除去用コンデンサ11、フィルタコンデンサ12を封止している。つまり、ノイズ除去用コンデンサ11、フィルタコンデンサ12は、封止樹脂部18で覆われている。このため、ノイズ除去用コンデンサ11、フィルタコンデンサ12は、封止樹脂部18によって保護されている。
封止樹脂部18は、ノイズコン端子161、162とノイズ除去用コンデンサ11の接続部、平滑コン端子17a、17bとノイズ除去用コンデンサ11及びフィルタコンデンサ12との接続部も封止している。このため、これら接続部は、封止樹脂部18によって保護されており、接続信頼性が確保されている。
コンデンサモジュール10は、ノイズコン端子161、162の一部である突出部16a、連結部16b、取付部16cと、平滑コン端子17a、17bの一部である先端部とが封止樹脂部18から露出している。このため、コンデンサモジュール10は、ノイズ除去用コンデンサ11及びフィルタコンデンサ12が他の回路構成要素と接続可能に構成されている。
なお、図3に示すように、ノイズコン端子161、162の一部と平滑コン端子17a、17bの一部は、封止樹脂部18における一つの端部側に偏った位置から露出している。つまり、ノイズコン端子161、162の一部と平滑コン端子17a、17bの一部は、X方向における一方の端部側に偏った位置から露出している。ノイズコン端子161、162の一部と平滑コン端子17a、17bの一部が露出した端部は、露出端部とも言える。
また、図2、図3に示すように、コンデンサモジュール10は、フィルタコンデンサ12よりもノイズ除去用コンデンサ11の方が露出端部側に配置されている。つまり、コンデンサモジュール10は、フィルタコンデンサ12よりもノイズ除去用コンデンサ11の方が、他の回路構成要素との接続部側に配置されている。
図2に示すように、コンデンサモジュール10は、下面S1、上面S2、第1側面S3を有している。下面S1は、リアクトルモジュール20の基部22bと対向する面である。上面S2は、パワーモジュール30と対向する面である。第1側面S3は、リアクトルモジュール20のリアクトル配置部22aと対向する面である。下面S1と第1側面S3は、コンデンサケース13の外表面である。一方、上面S2は、封止樹脂部18の外表面である。
なお、コンデンサモジュール10は、上記構成に限定されない。例えば、コンデンサモジュール10は、封止樹脂を備えていなくてもよく、ボルトb1とは異なる態様でリアクトルモジュール20に固定されていてもよい。コンデンサモジュール10は、例えば、ボルト以外の固定具や嵌合などによって、リアクトルモジュール20に固定されていてもよい。
また、コンデンサモジュール10は、少なくともノイズ除去用コンデンサ11がコンデンサケース13に収容されていればよい。コンデンサモジュール10は、ノイズ除去用コンデンサ11やフィルタコンデンサ12とともに放電抵抗5がコンデンサケース13に収容されていてもよい。さらに、コンデンサモジュール10におけるコンデンサ素子の個数やコンデンサ素子の配置は、上記に限定されない。
図1、図2に示すように、リアクトルモジュール20は、リアクトル21と、リアクトル21を収容しているリアクトルケース22とを備えている。リアクトルケース22には、第1リアクトル21aと第2リアクトル21bとが収容されている。ここでは、図面を簡略化するために、第1リアクトル21aと第2リアクトル21bとをまとめてリアクトル21としている。
リアクトルケース22は、例えば、金属を主成分として設けられている。このため、リアクトルケース22は、樹脂などによって構成されている場合よりも、熱伝導性が良好である。
リアクトルケース22は、リアクトル21を収容するリアクトル配置部22aと、コンデンサモジュール10が搭載される基部22bとを有している。リアクトル配置部22aと基部22bとは、一体的に構成されている。また、リアクトルケース22は、リアクトル21を冷却するための冷媒が流れる冷却水路23が設けられている。冷却水路23は、リアクトル冷却水路に相当する。なお、リアクトルケース22は、Y方向に分割された部材を組み付けることで構成されていてもよい。
リアクトル配置部22aは、基部22bから突出して設けられている。リアクトル配置部22aは、リアクトル21を収容する収容部を有し、収容部の周辺に設けられた周辺水路231が設けられている。収容部は、例えば、リアクトル21を収容可能な凹状の収容空間をなしている。リアクトル21は、収容空間に配置され、端子が露出した状態で封止樹脂によって封止されている。
リアクトル配置部22aは、リアクトル21とコンデンサモジュール10の第1側面S3との間に設けられた第1ケース側面S13を有している。また、第1ケース側面S13は、周辺水路231と第1側面S3との間に設けられている。よって、第1ケース側面S13は、第1側面S3と対向している。リアクトルモジュール20は、第1ケース側面S13が第1側面S3の全面と対向するように設けられていると、部分的に対向している場合よりも、冷却水路23によるコンデンサモジュール10の冷却効果を向上させることができるので好ましい。
なお、第1ケース側面S13は、リアクトル配置部22aの外表面である。第1ケース側面S13は、例えば、YZ平面と平行な面などを採用できる。しかしながら、本開示は、これに限定されず、第1ケース側面S13がYZ平面と平行となっていなくてもよい。また、第1ケース側面S13は、凹凸が設けられていてもよい。
周辺水路231は、冷却水路23の一部である。周辺水路231は、X方向に延設された部位と、Y方向に延設された部位とを含んでいる。リアクトル21は、周辺水路231におけるX方向に延設された部位と、Y方向に延設された部位と隣り合って配置されている。よって、周辺水路231は、リアクトル21を底面からだけでなく側面からも冷却することができる。リアクトル21は、収容部に収容されているため、周辺水路231中の冷媒と直接接することはない。
なお、リアクトル配置部22aは、収容部が第1リアクトル21aを収容する部位と第2リアクトル21b部位とに区画されていてもよい。この場合、周辺水路231は、第1リアクトル21aを収容する部位と第2リアクトル21b部位との間にも設けられていると、各リアクトル21a、21bを個別に冷却することができるので好ましい。
基部22bは、基部水路232と、冷却水路23(基部水路232)への冷媒の出入り口である冷却用パイプ24と、コンデンサモジュール10を固定する部位であるケースボス25とが設けられている。また、基部22bは、コンデンサモジュール10が取り付けられる取付面S11を有している。取付面S11は、基部水路232とコンデンサモジュール10の下面S1との間に設けられている。よって、取付面S11は、下面S1と対向している。リアクトルモジュール20は、取付面S11が下面S1の全面と対向するように設けられていると、部分的に対向している場合よりも、冷却水路23によるコンデンサモジュール10の冷却効果を向上させることができるので好ましい。
なお、取付面S11は、基部22bの外表面である。また、取付面S11は、例えば、XZ平面と平行な面などを採用できる。しかしながら、本開示は、これに限定されず、取付面S11がXZ平面と平行となっていなくてもよい。また、取付面S11は、凹凸が設けられていてもよい。
基部水路232は、冷却水路23の一部である。基部水路232は、基部22bにコンデンサモジュール10が置かれた状態で、コンデンサモジュール10と対向する位置に設けられている。基部水路232は、X方向に延設され、冷却用パイプ24が冷媒の入口と出口の二箇所に設けられている。
ケースボス25は、固定部に相当する。ケースボス25は、金属を主成分として構成されており、基部22bにおける取付面S11の一部から突出して設けられている。よって、ケースボス25は、取付面S11において、周辺よりも突出して設けられた部位と言える。ケースボス25は、基部22bにおける基部水路232とは反対側に突出して設けられている。つまり、ケースボス25は、基部22bを介して基部水路232と対向する位置に設けられている。よって、ケースボス25は、基部水路232を流れる冷媒によって、基部22bを介して冷却される。このため、ケースボス25は、基部水路232と対向しない位置に設けられている構成よりも吸熱性を向上できるとも言える。
ケースボス25は、基部22bにコンデンサモジュール10が置かれた状態で、コンデンサケース13のフランジ14が配置される。ケースボス25は、フランジ14と取付部16cとを貫通する貫通穴に対向する位置に、雌ねじが設けられている。
リアクトルケース22は、少なくとも基部22bとケースボス25とが一体物として形成されたものを採用できる。リアクトルケース22は、例えば、アルミダイキャスト製法などによって、少なくとも基部22bとケースボス25とが一体物として形成することができる。この場合、リアクトルケース22は、別体で形成された基部22bとケースボス25とを接合するよりも、基部22bとケースボス25との間の熱抵抗を抑えることができるので好ましい。しかしながら、本開示は、別体で形成された基部22bとケースボス25とが接合されたリアクトルケース22であっても採用できる。なお、ケースボス25は、フランジ14が固定できるものであればよく、形状などは特に限定されない。
本実施形態では、一例として、ケースボス25が基部22bのみから突出する例を採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されず、ケースボス25がリアクトル配置部22aからのみ突出して設けられていてもよい。また、本開示は、他の実施形態に示すように、ケースボス25が基部22bとリアクトル配置部22aの両方から突出して設けられていてもよい。さらに、本開示は、ノイズコン端子161、162がケースボス25に固定されていなくてもよい。
冷却水路23は、冷媒が入口側の冷却用パイプ24から入り、周辺水路231及び基部水路232を通り、出口側の冷却用パイプ24から出るように設けられている。つまり、冷却水路23は、流入側流路と、流出側流路とが設けられている。よって、冷却水路23は、U字状に設けられているとも言える。
図1、図2に示すように、パワーモジュール30は、スイッチング素子3を含む半導体装置32と、半導体装置32を冷却するための半導体冷却水路が形成された冷却器31とを備えている。
冷却器31は、半導体装置32に含まれているスイッチング素子3を冷却するものと言える。冷却器31は、水路口31a、冷却管31bなどを備えており、冷媒が流れる半導体冷却水路が設けられている。なお、冷却器31は、例えば、特開2018-101666号公報に記載されたものなどを採用することができる。また、冷却器31は、各半導体装置32が過熱するのを抑制する、又は、各半導体装置32の熱を放熱すると言い換えることができる。この冷却器31には、各コンバータ1a、1bの半導体装置32と、各1インバータ2a、2bの半導体装置32とが取り付けられている。
各半導体装置32は、例えば、二つのスイッチング素子3とヒートシンクを兼ねた端子とが樹脂部材で封止されて一体化されたものを採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されない。各半導体装置32は、冷却器31に挟み込まれて固定されている。よって、各半導体装置32は、冷却器31によって冷却される。また、パワーモジュール30は、各半導体装置32がPバスバ、Nバスバ、出力バスバなどを介して、高電位ライン、低電位ライン、各相端子t11~t13、t21~t23と電気的に接続されている。
ここで、図1、図2を用いて、コンデンサモジュール10とリアクトルモジュール20の固定構造に関して説明する。
コンデンサモジュール10は、下面S1が取付面S11と対向し、且つ第1側面S3が第1ケース側面S13と対向した状態で、リアクトルモジュール20の基部22b上に配置されている。また、コンデンサモジュール10は、リアクトルモジュール20上に配置された状態で、フランジ14がケースボス25上に配置される。これによって、フランジ14と取付部16cの貫通穴は、ケースボス25の雌ねじと連通される。そして、コンデンサモジュール10は、フランジ14と取付部16cとケースボス25とがボルトb1によってねじ締めされることで、リアクトルモジュール20に固定される。
コンデンサモジュール10は、ボルトb1によってケースボス25に固定されることで、ノイズコン端子161、162がボルトb1を介してリアクトルケース22と電気的に接続される。つまり、コンデンサモジュール10は、ノイズ除去用コンデンサ11のグランド端子がケースボス25に対して固定されている。
これによって、電力変換装置100は、コンデンサモジュール10の熱をノイズコン端子161、162からもリアクトルモジュール20(リアクトルケース22)に逃がすことができる。よって、電力変換装置100は、ノイズコン端子161、162がケースボス25に固定されていない構成よりもコンデンサモジュール10を冷却する性能(冷却性能)を向上することができる。
フィルタコンデンサ12は、ノイズ除去用コンデンサ11よりも高電圧が印加されるので、絶縁距離確保のためにスペースが必要となる。これに対して、ノイズ除去用コンデンサ11は、フィルタコンデンサ12ほど高電圧が印加されないので、絶縁距離確保のためのスペースが必要なく、ケースボス25に固定することができる。
なお、本実施形態では、一例として、二箇所で固定されている例を採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されず、一箇所で固定されていてもよいし、三箇所以上で固定されていてもよい。
電力変換装置100は、コンデンサモジュール10がリアクトルモジュール20に取り付けられた状態で、下面S1が取付面S11と少なくとも一部が接していると好ましい。つまり、電力変換装置100は、下面S1の少なくとも一部が取付面S11と接していると、下面S1が取付面S11と接していない場合よりも、リアクトルモジュール20によるコンデンサモジュール10の冷却性能を向上できる。また、電力変換装置100は、下面S1の全域が取付面S11と接していると、冷却性能をより一層向上できるので好ましい。
さらに、電力変換装置100は、下面S1と取付面S11とがグリースやゲルシート等の熱伝導性材料を介して配置されていてもよい。つまり、電力変換装置100は、下面S1と取付面S11の両面に熱伝導性材料が接した状態で対向配置されていてもよい。これによって、電力変換装置100は、熱伝導性材料が設けられていない場合よりも冷却性能を向上できる。
しかしながら、本開示は、これに限定されず、下面S1が取付面S11と接していなくてもよい。また、本開示は、熱伝導性材料が設けられていなくてもよい。
以上のように、電力変換装置100は、コンデンサモジュール10における一面である上面S2がパワーモジュール30と対向し、コンデンサモジュール10における他の二面である下面S1と第1側面S3がリアクトルモジュール20と対向配置されている。そして、電力変換装置100は、パワーモジュール30が冷却器31を有しており、リアクトルモジュール20が冷却水路23を有している。このため、電力変換装置100は、コンデンサモジュール10を三面から冷却することができる。
よって、電力変換装置100は、コンデンサモジュール10を一面からのみ冷却するよりも、コンデンサモジュール10の冷却性能を向上することができる。つまり、電力変換装置100は、コンデンサモジュール10に含まれているノイズ除去用コンデンサ11及びフィルタコンデンサ12の冷却性能を向上することができる。また、電力変換装置100は、コンデンサモジュール10を十分に冷却することができると言える。
このため、電力変換装置100は、コンデンサモジュール10の耐熱性が損なわれる状況になることを抑制できる。つまり、電力変換装置100は、コンデンサモジュール10の耐熱性を確保することができる。よって、電力変換装置100は、耐熱性が比較的低いコンデンサ素子を含むコンデンサモジュール10であっても採用することができる。
なお、電力変換装置100は、ノイズ除去用コンデンサ11とフィルタコンデンサ12の少なくとも一方がコンデンサケース13に収容されていれば、この効果を奏することができる。また、本開示は、コンデンサモジュール10の少なくとも三面が冷却器31及び冷却水路23と対向配置していれば効果を奏することができる。よって、本開示は、コンデンサモジュール10の四面以上が冷却器31及び冷却水路23と対向配置されていてもよい。
また、ノイズ除去用コンデンサ11は、リアクトル配置部22aと対向配置されているため、リアクトル配置部22aと対向配置されていないフィルタコンデンサ12よりも冷却されやすい。しかしながら、フィルタコンデンサ12は、平滑コン端子17a、17bを介してノイズ除去用コンデンサ11と接続されている。このため、フィルタコンデンサ12は、平滑コン端子17a、17b及びノイズ除去用コンデンサ11を介して冷却することもできる。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、上記実施形態に何ら制限されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。以下に、本開示のその他の形態として、第2~第7実施形態に関して説明する。上記実施形態及び第2~第7実施形態は、それぞれ単独で実施することも可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。本開示は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
(第2実施形態)
図6を用いて、第2実施形態の電力変換装置101に関して説明する。本実施形態では、上記実施形態と異なる箇所を中心に説明する。電力変換装置101では、電力変換装置100と同じ構成要素に、電力変換装置100と同じ符号を付与している。図6は、図2に相当する断面図である。
電力変換装置101は、リアクトルモジュール20aの構成が電力変換装置100と異なる。詳述すると、リアクトルモジュール20aは、ケースボス25aが基部22bとリアクトル配置部22aの両方から突出して設けられている点がリアクトルモジュール20と異なる。ケースボス25aは、例えば構成材料や製造方法に関してはケースボス25と同様である。
ケースボス25aは、基部22bにおける取付面S11の一部と、リアクトル配置部22aにおける第1ケース側面S13の一部とから突出して設けられている。よって、ケースボス25aは、取付面S11において周辺よりも突出し、第1ケース側面S13において周辺よりも突出して設けられた部位と言える。ケースボス25aは、基部22bにおける基部水路232とは反対側に突出し、且つ、リアクトル配置部22aにおける周辺水路231とは反対側に突出して設けられている。つまり、ケースボス25aは、基部22bを介して基部水路232と対向する位置であり、リアクトル配置部22aを介して周辺水路231と対向する位置に設けられている。よって、ケースボス25aは、基部水路232と周辺水路231を流れる冷媒によって、基部22bとリアクトル配置部22aを介して冷却される。
電力変換装置101は、電力変換装置100とケースボス25aの構成が異なるだけであるため、電力変換装置100と同様の効果を奏することができる。さらに、電力変換装置101は、基部水路232に加えて、周辺水路231でもケースボス25aを冷却することができる。このため、電力変換装置101は、電力変換装置100よりもケースボス25aの吸熱性を向上できる。よって、電力変換装置101は、電力変換装置100よりもコンデンサモジュール10の冷却性能を向上することができる。
(第3実施形態)
図7を用いて、第3実施形態の電力変換装置102に関して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる箇所を中心に説明する。電力変換装置102では、電力変換装置100と同じ構成要素に、電力変換装置100と同じ符号を付与している。図7は、図2に相当する断面図である。
電力変換装置102は、リアクトルモジュール20bの構成が電力変換装置100と異なる。詳述すると、リアクトルモジュール20bは、周辺水路231と基部水路232との間に、冷却水路23bの圧力損失を抑える第1水路傾斜部23b1が設けられている。つまり、第1水路傾斜部23b1は、周辺水路231と基部水路232との間における角部に設けられていると言える。また、第1水路傾斜部23b1は、周辺水路231と基部水路232とが交差する部位に設けられているとも言える。なお、第1水路傾斜部23b1は、低損失部に相当する。
第1水路傾斜部23b1は、冷却水路23bの一部であり、冷媒が接する部位の一部である。また、第1水路傾斜部23b1は、第1ケース側面S13の反対面と取付面S11の反対面とに連なる部分である。つまり、第1水路傾斜部23b1は、冷却水路23bの底側ではなく、コンデンサモジュール10側に設けられている。なお、この両反対面は、冷媒が接する面である。第1水路傾斜部23b1は、YZ平面及びXZ平面に対して傾斜した部位である。冷却水路23bは、第1水路傾斜部23b1が設けられているため、基部水路232から周辺水路231にかけて、Y方向の間隔が徐々に広くなっている。
このように、電力変換装置102は、周辺水路231と基部水路232との間に第1水路傾斜部23b1が設けられているため、周辺水路231と基部水路232との間において冷媒の流れが遅くなることを抑制できる。つまり、電力変換装置102は、周辺水路231と基部水路232とが直角に交わる構成よりも、周辺水路231と基部水路232との間を流れる冷媒に対する抵抗を小さくすることができる。
よって、電力変換装置102は、第1水路傾斜部23b1が設けられていない場合よりも、リアクトルケース22をより一層冷却できるため、コンデンサモジュール10の冷却性能を向上することができる。また、電力変換装置102は、第1水路傾斜部23b1が設けられていない場合よりも、リアクトルケース22による吸熱性を向上できるとも言える。
なお、本実施形態では、一例として、平坦面形状の第1水路傾斜部23b1を採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されず、曲面形状をなした第1水路傾斜部23b1であっても採用できる。
また、リアクトルケース22は、第1水路傾斜部23b1の反対側(裏面)にケースボス25が設けられていてもよい。つまり、リアクトルケース22は、周辺水路231と基部水路232との間において、冷却水路23b側に第1水路傾斜部23b1が設けられ、コンデンサモジュール10側にケースボス25が設けられている。ケースボス25は、第1水路傾斜部23b1の投影領域から突出して設けられているとも言える。
このように、電力変換装置102は、圧力損失が抑えられた第1水路傾斜部23b1の反対側にケースボス25が設けられているため、ケースボス25による吸熱性をより一層向上できる。
さらに、本開示では、第1水路傾斜部23b1の反対側に、第1水路傾斜部23b1と同様に傾斜したケース傾斜部22b1が設けられているリアクトルケース22を採用している。そして、ケースボス25は、ケース傾斜部22b1に設けられている。このため、電力変換装置102は、ケース傾斜部22b1が設けられていない場合よりも、第1水路傾斜部23b1とケース傾斜部22b1とが設けられた部位の厚みを薄くすることができる。よって、電力変換装置102は、冷却水路23bの冷媒によって、ケースボス25を冷却しやすくなり好適である。
なお、電力変換装置102は、電力変換装置100と同様の理由により、電力変換装置100と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態では、下面S1と取付面S11とが離れた例を採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されず、上記実施形態と同様の態様を採用することができる。
(第4実施形態)
図8を用いて、第4実施形態の電力変換装置103に関して説明する。本実施形態では、第3実施形態と異なる箇所を中心に説明する。電力変換装置103では、電力変換装置102と同じ構成要素に、電力変換装置102と同じ符号を付与している。
電力変換装置103は、リアクトルモジュール20cの構成が電力変換装置102と異なる。詳述すると、リアクトルモジュール20cは、周辺水路231と基部水路232との間に、冷却水路23cの圧力損失を抑える第2水路傾斜部23c1が設けられている。つまり、第2水路傾斜部23c1は、周辺水路231と基部水路232との間における角部に設けられていると言えるまた、第2水路傾斜部23c1は、周辺水路231と基部水路232とが交差する部位に設けられているとも言える。なお、第2水路傾斜部23c1は、低損失部に相当する。
第2水路傾斜部23c1は、冷却水路23cの一部であり、冷媒が接する部位の一部である。また、第2水路傾斜部23c1は、XY平面及びYZ平面に対して傾斜した部位である。冷却水路23cは、第2水路傾斜部23c1が設けられているため、基部水路232から周辺水路231にかけて、Z方向の間隔が徐々に広くなっている。
このように、電力変換装置103は、周辺水路231と基部水路232との間に第2水路傾斜部23c1が設けられているため、周辺水路231と基部水路232との間において冷媒の流れが遅くなることを抑制できる。つまり、電力変換装置103は、周辺水路231と基部水路232とが直角に交わる構成よりも、周辺水路231と基部水路232との間を流れる冷媒に対する抵抗を小さくすることができる。
よって、電力変換装置103は、第2水路傾斜部23c1が設けられていない場合よりも、リアクトルケース22をより一層冷却できるため、コンデンサモジュール10の冷却性能を向上することができる。また、電力変換装置103は、第2水路傾斜部23c1が設けられていない場合よりも、リアクトルケース22による吸熱性を向上できるとも言える。当然ながら、電力変換装置103は、電力変換装置102と同様の理由により、電力変換装置102と効果を奏することができる。
なお、本開示は、電力変換装置103と電力変換装置102とを組み合わせて実施することもできる。つまり、本開示は、第1水路傾斜部23b1と第2水路傾斜部23c1の両方が設けられていてもよい。
(第5実施形態)
図9、10を用いて、第5実施形態の電力変換装置104に関して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる箇所を中心に説明する。電力変換装置104では、電力変換装置100と同じ構成要素に、電力変換装置100と同じ符号を付与している。図9は、図2に相当する断面図である。
電力変換装置104は、コンデンサモジュール10aの構成が電力変換装置100と異なる。詳述すると、コンデンサモジュール10aは、第1ノイズコン端子161と第2ノイズコン端子162の方向がコンデンサモジュール10と異なる。第1ノイズコン端子161は、第1実施形態と同様、突出部16aと、連結部16bと、取付部16cとが設けられている。第2ノイズコン端子162は、第1実施形態のように、第1ノイズコン端子161と同様である。
第1ノイズコン端子161は、突出部16aがパワーモジュール30と対向配置され、連結部16bがリアクトルモジュール20と対向配置されている。突出部16aは、図10に示すように、パワーモジュール30のY方向における投影領域に設けられている。連結部16bは、図9に示すように、リアクトルモジュール20(リアクトル配置部22a)のX方向における投影領域に設けられている。このため、ノイズ除去用コンデンサ11は、ノイズコン用端子161、162における二面がパワーモジュール30とリアクトルモジュール20と対向配置されている。言い換えると、ノイズ除去用コンデンサ11は、ノイズコン用端子161、162における二面がパワーモジュール30の冷却器31とリアクトルモジュール20の冷却水路23と対向配置されている。
電力変換装置104は、電力変換装置100と同様の理由により、電力変換装置100と同様の効果を奏することができる。さらに、電力変換装置104は、ノイズコン用端子161、162における二面がパワーモジュール30とリアクトルモジュール20と対向配置されているため、電力変換装置100よりも、ノイズ除去用コンデンサ11の冷却性能を向上させることができる。
(第6実施形態)
図11を用いて、第6実施形態の電力変換装置105に関して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる箇所を中心に説明する。電力変換装置105では、電力変換装置100と同じ構成要素に、電力変換装置100と同じ符号を付与している。図11は、図2に相当する断面図である。なお、図11では、図面を簡略化するために、ケースボス25の図示を省略している。
電力変換装置105は、コンデンサモジュール10bの構成が電力変換装置100と異なる。詳述すると、コンデンサモジュール10bは、フィルタコンデンサ12における第1平滑コン端子17a1の構成がコンデンサモジュール10と異なる。第1平滑コン端子17a1は、封止樹脂部18から突出した部位がL字形状に設けられている。つまり、第1平滑コン端子17a1は、Y方向に延びる部位と、X方向に延びる部位とを含んでいる。
よって、第1平滑コン端子17a1は、Y方向に延びる部位が第1ケース側面S13と対向配置され、X方向に延びる部位がリアクトル配置部22aの頂部と対向配置されている。また、第1平滑コン端子17a1は、リアクトル配置部22aのY方向における投影領域に設けられている部位と、リアクトル配置部22aのX方向における投影領域に設けられている部位を含んでいるとも言える。第1平滑コン端子17a1は、フィルタコン用端子に相当する。
このため、フィルタコンデンサ12は、第1平滑コン端子17a1における二面がリアクトルモジュール20と対向配置されている。言い換えると、フィルタコンデンサ12は、第1平滑コン端子17a1における二面がリアクトルモジュール20の冷却水路23と対向配置されている。なお、フィルタコンデンサ12は、第1平滑コン端子17a1と同様の第2平滑コン端子が設けられていてもよい。
電力変換装置105は、電力変換装置100と同様の理由により、電力変換装置100と同様の効果を奏することができる。さらに、電力変換装置105は、第1平滑コン端子17a1における二面がリアクトルモジュール20と対向配置されているため、電力変換装置100よりも、フィルタコンデンサ12の冷却性能を向上させることができる。
(第7実施形態)
図12、図13を用いて、第7実施形態の電力変換装置106に関して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる箇所を中心に説明する。電力変換装置106では、電力変換装置100と同じ構成要素に、電力変換装置100と同じ符号を付与している。
電力変換装置106は、リアクトルモジュール20dの構成が電力変換装置100と異なる。リアクトルモジュール20dは、コンデンサモジュール10及びパワーモジュール30の側壁に対向する位置に側壁対向部22cが設けられている。リアクトルモジュール20dは、基部22bからリアクトル配置部22aと側壁対向部22cとが突出して設けられている。
側壁対向部22cには、冷却水路23dの一部である側壁対向水路23d1が設けられている。よって、冷却水路23dは、周辺水路231、基部水路232に加えて、側壁対向水路23d1を含んでいる。
そして、リアクトルモジュール20dは、側壁対向部22cの第2ケース側面S14が、コンデンサモジュール10の第2側面S4と対向配置されている。つまり、コンデンサモジュール10は、周辺水路231と、基部水路232と、側壁対向水路23d1と対向配置されている。
電力変換装置106は、電力変換装置100と同様の理由により、電力変換装置100と同様の効果を奏することができる。さらに、電力変換装置106は、側壁対向部22cが設けられているため、電力変換装置100よりも、コンデンサモジュール10におけるリアクトルモジュール20dと対向する部位が多くなる。よって、電力変換装置106は、電力変換装置100よりもコンデンサモジュール10の冷却性能を向上することができる。
なお、電力変換装置106は、コンデンサモジュール10を挟み込むように、二つの側壁対向部22cが設けられていてもよい。さらに、電力変換装置106は、リアクトル配置部22aとともに、コンデンサモジュール10を囲うように、三つの側壁対向部22cが設けられていてもよい。