以下において、図面を参照しながら、本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。なお、以下においては、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向と示す。
(実施形態)
図1~図5を用いて、本実施形態の電力変換装置に関して説明する。本実施形態では、一例として、バッテリ200の電力を電力変換して二つのモータ310、320を駆動する電力変換装置100を採用する。
電力変換装置100は、図1、図5に示すように、平滑コンデンサ4、放電抵抗5、フィルタコンデンサ6、リアクトル21a,21b、パワーモジュール30などを含む回路部を備えている。回路部は、これらの構成要素に加えて回路基板を含んでいてもよい。また、電力変換装置100は、これら回路部品を電気的に接続するためのPバスバ接続部50a、第1入力Pバスバ51、第2入力Pバスバ52、分岐Pバスバ53、Nバスバ接続部60a、入力Nバスバ60、分岐Nバスバ61を備えている。
なお、本実施形態では、リアクトル21a,21bと、第1入力Pバスバ51、第2入力Pバスバ52と、入力Nバスバ60をまとめて主回路ブロックとも称する。また、本実施形態では、Pバスバ接続部50a、第1入力Pバスバ51、第2入力Pバスバ52、分岐Pバスバ53、Nバスバ接続部60a、入力Nバスバ60、分岐Nバスバ61をまとめてバスバとも称する。
さらに、電力変換装置100は、回路部など収容するケース80を備えている。なお、回路部は、上記構成要素以外の回路部品を備えていてもよい。
まずは、図5を用いて、電力変換装置100の回路構成の一例に関して説明する。電力変換装置100は、第1コンバータ1a、第2コンバータ1b、第1インバータ2a、第2インバータ2b、平滑コンデンサ4、放電抵抗5、フィルタコンデンサ6などを備えている。なお、本実施形態では、第1電流センサ41と第2電流センサ42とを備えた電力変換装置100を採用している。
電力変換装置100は、バッテリ200の正端子に電気的に接続するためのP端子t1と、バッテリ200の負端子に電気的に接続するためのN端子t2とを備えている。また、電力変換装置100は、第1モータ310の三つの端子と電気的に接続するための第1U相端子t11、第1V相端子t12、第1W相端子t13を備えている。さらに、電力変換装置100は、第2モータ320の三つの端子と電気的に接続するための第2U相端子t21、第2V相端子t22、第2W相端子t23を備えている。
第1コンバータ1aは、第1リアクトル21aと、2つのスイッチング素子3が直列に接続された半導体装置32と、を備えている。第2コンバータ1bは、第1コンバータ1aと同様、第2リアクトル21bと半導体装置32とを備えている。スイッチング素子3は、半導体スイッチング素子に相当する。
本実施形態では、スイッチング素子3として、IGBTとダイオードを備えたRC-IGBTを採用している。このダイオードは、IGBTと逆並列に挿入されるフリーホイールダイオードと同様な働きをする。しかしながら、本開示は、これに限定されず、スイッチング素子3として、MOSFETや、RC-IGBTとは異なるIGBTなどを採用することができる。なお、スイッチング素子3としてIGBTを採用した場合、半導体装置32は、IGBTと逆並列に接続されるフリーホイールダイオードを含んでいてもよい。
第1コンバータ1aは、高電位側のスイッチング素子3と、低電位側のスイッチング素子3とを含んでいる。この高電位側のスイッチング素子3は、上アーム素子と言える。一方、低電位側のスイッチング素子3は、下アーム素子と言える。
第1コンバータ1aは、高電位側のスイッチング素子3のコレクタが高電位ラインと電気的に接続され、エミッタが低電位側のスイッチング素子3のコレクタと電気的に接続されている。また、第1コンバータ1aは、低電位側のスイッチング素子3のエミッタが低電位ラインと電気的に接続されている。そして、第1コンバータ1aは、スイッチング素子3のゲートが、回路基板と電気的に接続されている。第1リアクトル21aは、一方の端子が高電位側のスイッチング素子3のエミッタと低電位側のスイッチング素子3のコレクタに電気的に接続され、他方の端子がP端子t1に電気的に接続されている。第2コンバータ1bは、第1コンバータ1aと同様に構成されている。
第1コンバータ1aとバッテリ200との間、及び第2コンバータ1bとバッテリ200との間には、フィルタコンデンサ6が設けられている。フィルタコンデンサ6は、一方の端子がP端子t1と電気的に接続され、他方の端子がN端子t2と電気的に接続されている。
第1インバータ2aは、第1モータ310の各相に対応して、3つの半導体装置32を備えている。第1インバータ2aの各半導体装置32は、高電位側のスイッチング素子3のコレクタが高電位ラインと電気的に接続され、エミッタが低電位側のスイッチング素子3のコレクタと電気的に接続されている。また、各半導体装置32は、低電位側のスイッチング素子3のエミッタが低電位ラインと電気的に接続されている。そして、各半導体装置32は、スイッチング素子3のゲートが、回路基板と電気的に接続されている。
電力変換装置100は、P端子t1と、第1リアクトル21a及び第2リアクトル21bが第1入力Pバスバ51で電気的に接続されている。電力変換装置100は、各半導体装置32における高電位側のスイッチング素子3のコレクタが、高電位ラインとしての第2入力Pバスバ52で電気的に接続されている。詳述すると、高電位側のスイッチング素子3のコレクタは、図1に示すように、Pバスバ接続部50aを介して、第2入力Pバスバ52と電気的に接続されている。第1入力Pバスバ51と第2入力Pバスバ52は、入力バスバとしての高電位側バスバに相当する。第1入力Pバスバ51と第2入力Pバスバ52は、AC電流とDC電流が流れる。図2における二点鎖線は、DC電流を示している。一方、図2における一点鎖線は、AC電流を示している。この点は、図6、図8でも同様である。
また、電力変換装置100は、N端子t2と、各半導体装置32における低電位側のスイッチング素子3のエミッタが入力Nバスバ60で電気的に接続されている。詳述すると、低電位側のスイッチング素子3のエミッタは、図1に示すように、Nバスバ接続部60aを介して、入力Nバスバ60と電気的に接続されている。入力Nバスバ60は、入力バスバとしての低電位側バスバに相当する。入力Nバスバ60は、図2に示すように、AC電流とDC電流が流れる。
フィルタコンデンサ6は、一方の端子が分岐Pバスバ53を介して第1入力Pバスバ51に電気的に接続されており、他方の端子が分岐Nバスバ61を介して入力Nバスバ60に電気的に接続されている。分岐Pバスバ53は、第1分岐バスバに相当する。分岐Nバスバ61は、第2分岐バスバに相当する。分岐Pバスバ53と分岐Nバスバ61は、図2に示すように、AC電流のみが流れる。
なお、第1入力Pバスバ51、第2入力Pバスバ52、分岐Pバスバ53、入力Nバスバ60、分岐Nバスバ61に関しては、後程詳しく説明する。
さらに、各半導体装置32は、高電位側のスイッチング素子3のエミッタと低電位側のスイッチング素子3のコレクタとが、第1U相端子t11、第1V相端子t12、第1W相端子t13のそれぞれに電気的に接続されている。なお、各半導体装置32は、図1に示すように、高電位側のスイッチング素子3のエミッタと低電位側のスイッチング素子3のコレクタとが出力バスバ70に接続されている。各半導体装置32は、出力バスバ70を介して、第1電流センサ41及び各端子t11~t13と接続されている。
第2インバータ2bは、第2モータ320の各相に対応して、3つの半導体装置32を備えている。第2インバータ2bは、第1インバータ2aと同様に構成されている。そして、第2インバータ2bの各半導体装置32は、高電位側のスイッチング素子3のエミッタと低電位側のスイッチング素子3のコレクタとが出力バスバ70に接続されている。また、第2インバータ2bの各半導体装置32は、出力バスバ70を介して、第1電流センサ41、及び第2U相端子t21、第2V相端子t22、第2W相端子t23のそれぞれに電気的に接続されている。
第1インバータ2a及び第2インバータ2bの入力側には、平滑コンデンサ4と放電抵抗5とが設けられている。つまり、平滑コンデンサ4と放電抵抗5とは、第1コンバータ1a及び第2コンバータ1bと、第1インバータ2a及び第2インバータ2bとの間に設けられている。この平滑コンデンサ4と放電抵抗5は、並列に設けられている。また、平滑コンデンサ4と放電抵抗5は、一方の端子が第2入力Pバスバ52に電気的に接続されており、他方の端子が入力Nバスバ60に電気的に接続されている。
本実施形態では、図1に示すように、一例として、第1U相端子t11~第1W相端子t13、第2U相端子t21~第2W相端子t23、出力バスバ70が一体的に設けられた端子台40を備えた電力変換装置100を採用している。
端子台40は、第1U相端子t11~第1W相端子t13、第2U相端子t21~第2W相端子t23、出力バスバ70を一体的に保持する保持部を備えている。保持部は、例えば、樹脂などによって構成されている。よって、端子台40は、例えばインサート成形によって、第1U相端子t11~第1W相端子t13、第2U相端子t21~第2W相端子t23、出力バスバ70と保持部とを一体物とすることができる。しかしながら、本開示は、これに限定されず、第1U相端子t11~第1W相端子t13、第2U相端子t21~第2W相端子t23、出力バスバ70が端子台40として一体的に設けられていなくてもよい。
また、端子台40は、各相の電流を検出するための電流センサ41、43が設けられていてもよい。電流センサ41、42は、保持部に保持された状態で、複数の出力バスバ70のそれぞれに個別に設けられている。よって、端子台40には、複数の出力バスバ70と同数の電流センサが設けられている。電流センサ41,42は、回路基板と電気的に接続されており、各相の電流に応じた電気信号を回路基板に出力する。
なお、電力変換装置100の回路構成は、これに限定されない。つまり、電力変換装置100は、コンバータの個数やインバータの個数が上記に限定されない。また、電力変換装置100は、コンバータとインバータの少なくとも一方が設けられていればよい。
次に、図1、図2、図3、図4を用いて、電力変換装置100の構成に関して説明する。図2に示すように、電力変換装置100は、平滑コンデンサ4、放電抵抗5、フィルタコンデンサ6、リアクトル21a,21b、パワーモジュール30、端子台40がケース80に固定されている。また、電力変換装置100は、第1入力Pバスバ51、第2入力Pバスバ52、分岐Pバスバ53、入力Nバスバ60、分岐Nバスバ61がケース80内に収容されている。なお、ケース80には、回路基板も固定されている。
平滑コンデンサ4とフィルタコンデンサ6は、X方向に並んで配置されている。また、平滑コンデンサ4とフィルタコンデンサ6は、それぞれの長手方向がX方向に沿って配置されている。
フィルタコンデンサ6は、図4に示すように、コンデンサ素子6a、第1端子6b、第2端子6c、コンデンサ封止部6d、コンデンサケース6e、第1内部バスバ6f、第2内部バスバ6gを含んでいる。コンデンサ素子6aは、第1端子6bと第2端子6cとを備えている。コンデンサ素子6aは、コンデンサケース6e内に配置され、コンデンサ封止部6dで覆われている。コンデンサケース6eは、環状の側壁と、側壁の一端に設けられた底壁とを備えた凹状の箱部材である。コンデンサ封止部6dは、エポキシ系樹脂などの電気絶縁性の樹脂である。
さらに、フィルタコンデンサ6は、第1端子6bに第1内部バスバ6fが電気的に接続され、第2端子6cに第2内部バスバ6gが電気的に接続されている。第1内部バスバ6fと第2内部バスバ6gは、一端側がコンデンサ封止部6d内に埋設され、他端側がコンデンサ封止部6dから露出している。フィルタコンデンサ6は、第1内部バスバ6fに分岐Pバスバ53の一端が接続されることで、分岐Pバスバ53と電気的に接続されている。また、フィルタコンデンサ6は、第2内部バスバ6gに分岐Nバスバ61の一端が接続されることで、分岐Nバスバ61と電気的に接続されている。このように、コンデンサケース6eの内部には、入力バスバ51,52,60は設けられていない。
第1リアクトル21a、第2リアクトル21bは、例えば、リアクトルケース内に配置され、絶縁性の樹脂で封止されている。リアクトルケースは、例えば、環状の側壁と、側壁の一端に設けられた底壁とを備えた凹状の箱部材である。
図1に示すように、第1リアクトル21aは、第1正極側端子22aと第1負極側端子23aが露出した状態で、樹脂によって封止されている。同様に、第2リアクトル21bは、第2正極側端子22bと第2負極側端子23bが露出した状態で、樹脂によって封止されている。つまり、本実施形態では、リアクトル21a,21bがリアクトルケースに配置され樹脂によって封止された構造体を、リアクトル21a,21bと称している。
なお、リアクトルケースは、例えば、アルミニウムなどの熱伝導性が良好な金属で形成されている。これによって、電力変換装置100は、第1リアクトル21a、第2リアクトル21bから発せられた熱をリアクトルケース外に放熱しやすくなる。また、リアクトルケースは、後程説明するケース80と一体物として構成されていてもよい。
第1リアクトル21aと第2リアクトル21bは、X方向に並んで配置されている。また、第1リアクトル21aと第2リアクトル21bは、それぞれの長手方向がX方向に沿って配置されている。このため、リアクトル21a,21bの並び方向は、X方向に沿っていると言える。
リアクトル21a,21bは、コンデンサ4,6と隣り合って配置されている。本実施形態では、一例として、第1リアクトル21aがフィルタコンデンサ6と隣り合い、第2リアクトル21bがフィルタコンデンサ6及び平滑コンデンサ4と隣り合っている例を採用している。
ところで、DC電流が流れる部位は、AC電流(リプル電流)が流れる部位よりも流れる電流値が大きく発熱しやすい。また、バッテリラインを流れる電流は、AC電流に対してDC電流が数倍大きい。なお、AC電流は、電流のAC成分と言える。一方、DC電流は、電流のDC成分と言える。
リアクトル21a,21bは、入力Pバスバ51,52の電流経路上に配置されているため、DC電流が流れる。よって、リアクトル21a,21bは、AC電流が流れる部位よりも流れる電流値が大きく発熱しやすい。
図1に示すように、パワーモジュール30は、冷却器31、半導体装置32などを備えている。冷却器31は、半導体装置32を冷却するためのものである。冷却器31は、各半導体装置32が過熱するのを抑制する、又は、各半導体装置32の熱を放熱すると言い換えることができる。また、冷却器31は、半導体装置32に含まれているスイッチング素子3を冷却するものと言える。この冷却器31は、第1水路口31a、第2水路口31bなどが取り付けられており、冷媒としての冷却水が流れる半導体冷却水路が形成されている。第2水路口31bは、連結水路を介して第3水路口91aと連結されている。なお、冷却器31は、例えば、特開2018-101666号公報に記載されたものなどを採用することができる。
パワーモジュール30は、例えば、ばねなどの加圧部材によってケース80に加圧されて、ケース80に固定されている。本実施形態では、各半導体装置32を両面から冷却する冷却器31を採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されない。
各半導体装置32は、例えば、二つのスイッチング素子3とヒートシンクを兼ねた端子とが樹脂部材で封止されて一体化されたものを採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されない。パワーモジュール30は、コンバータ1a、1b及びインバータ2a,2bにおける半導体装置32を備えている。また、図1に示すように、パワーモジュール30(各半導体装置32)は、Pバスバ接続部50a、Nバスバ接続部60a、出力バスバ70などと電気的に接続されている。
パワーモジュール30は、高電位側の各スイッチング素子3のコレクタがPバスバ接続部50aに電気的に接続され、低電位側のスイッチング素子3のエミッタがNバスバ接続部60aに電気的に接続されている。パワーモジュール30(各スイッチング素子3)は、Pバスバ接続部50a及びNバスバ接続部60aなどを介して、平滑コンデンサ4及び放電抵抗5などと電気的に接続されている。なお、Pバスバ接続部50aは、高電位ラインの一部とみなすことができる。一方、Nバスバ接続部60aは、低電位ラインの一部とみなすことができる。
また、パワーモジュール30は、高電位側の各スイッチング素子3のエミッタと低電位側の各スイッチング素子3のコレクタに電気的に接続された出力端子を有している。各出力端子は、複数の出力バスバ70と個別に電気的に接続されている。つまり、パワーモジュール30は、各半導体装置32が出力バスバ70と個別に電気的に接続されている。
なお、パワーモジュール30は、各スイッチング素子3のゲートが回路基板に電気的に接続されている。回路基板は、樹脂などの電気絶縁性部材に導電性の配線が形成されている。回路基板は、回路を構成する素子及び低圧信号コネクタが配線と電気的に接続された状態で実装されている。
また、回路基板は、各スイッチング素子3のゲートと配線とを電気的及び機械的に接続するために、例えばスルーホールが形成されている。つまり、スルーホールは、配線の一部が形成されており、各スイッチング素子3のゲートに接続されたゲート端子が挿入される。そして、回路基板は、スルーホールにゲート端子が挿入された状態で、はんだなどの導電性接続部材を介して、各スイッチング素子3のゲートと電気的及び機械的に接続されている。なお、回路基板は、ボルトなどの固定部材を介してケース80に固定されている。
ケース80は、回路部やバスバを収容可能に構成されている。ケース80は、例えば、環状の側壁と、側壁の一端に設けられた底壁とを備えた凹状の箱部材などを採用できる。つまり、ケース80は、側壁と底壁によって、回路部やバスバを収容する収容空間が形成している。この場合、ケース80は、底壁に対向する開口端にカバーが取り付けられる。また、ケース80は、上ケースと下ケースなど、複数の部材で構成されていてもよい。
ケース80は、例えば、アルミニウムなどの熱伝導性が良好な金属で形成されている。これによって、電力変換装置100は、回路部やバスバの熱をケース80外に放熱しやすくなる。
ケース80は、図3に示すように、底壁における収容空間とは反対側に、水路形成部90が形成されている。水路形成部90には、冷媒としての冷却水が流れる冷却水路91が形成されている。水路形成部90は、図1に示すように、第3水路口91a、第4水路口91bが形成されている。第3水路口91aは、連結水路を介して第2水路口31bと連結されている。このため、冷却水は、冷却水路91と冷却器31との間で流れるように構成されている。本実施形態では、一例として、冷却器31を流れた冷却水が、第2水路口31b、連結水路、第3水路口91aを流れて冷却水路91に流れ込む例を採用する。
水路形成部90は、図3に示すように、第1リアクトル21aに対向配置されている。また、水路形成部90は、第2リアクトル21bに対向配置されていてもよい。電力変換装置100は、冷却水路91に冷却水が流れることで、ケース80及び水路形成部90を介して、リアクトル21a,21bを冷却することができる。
なお、冷却することができるとは、熱を発している発熱対象から熱を逃がす、と言い換えることができる。例えば、電力変換装置100は、リアクトル21a,21bから発せられた熱を水路形成部90(冷却水)に逃がすことができる。
また、電力変換装置100は、冷却水路91、リアクトル21a,21b、バスバの順番で積層配置されている。なお、バスバのうち、第1入力Pバスバ51の一部、第2入力Pバスバ52の一部、入力Nバスバ60の一部がリアクトル21a,21bに積層配置されている。電力変換装置100は、上記のように、リアクトル21a,21bを冷却することができる。このため、電力変換装置100は、リアクトル21a,21bから発せられた熱が入力バスバ51,52,60に伝達されることを抑制できる。つまり、電力変換装置100は、入力バスバ51,52,60が、リアクトル21a,21bによって加熱されることを抑制できる。なお、電力変換装置100は、主回路ブロックを冷却することができるとも言える。
なお、水路形成部90は、リアクトル21a,21bに加えて、平滑コンデンサ4、フィルタコンデンサ6、パワーモジュール30に対向配置されていてもよい。特に、水路形成部90は、平滑コンデンサ4、フィルタコンデンサ6に対向配置されることで、平滑コンデンサ4、フィルタコンデンサ6を冷却することができる。
水路形成部90は、ケース80の底壁の収容空間とは反対側に取り付けられるカバーであってもよい。例えば、ケース80は、底壁の収容空間とは反対側に、冷却水路91の一部となる溝が形成される。そして、冷却水路91は、ケース80に形成された溝と水路形成部90とで囲まれた領域となる。
また、ケース80は、第1入力Pバスバ51の一端と、入力Nバスバ60の一端が配置されるコネクタ10が形成されている。コネクタ10は、第1入力Pバスバ51と入力Nバスバ60と、電力変換装置100の外部に設けられたバッテリ200などとを電気的に接続するための部位である。このため、第1入力Pバスバ51と入力Nバスバ60は、バッテリラインとも言える。第2入力Pバスバ52は、リアクトル21a,21bを介して、第1入力Pバスバ51と電気的に接続されている。よって、バッテリラインは、第2入力Pバスバ52を含んでいるとみなせる。
ここで、図1、図2、図3を用いて、バスバの構成に関して説明する。バスバは、回路部の回路部品を電気的に接続するために、導電性部材によって構成されている。図1に示すように、入力バスバ51,52,60、分岐バスバ53,61は、リアクトル21a,21bの対向領域、及びその周辺に配置されている。一方、バスバ接続部50a,60aは、パワーモジュール30の対向領域、及びその周辺に配置されている。
入力バスバ51,52,60は、例えば、板状の導電性部材を屈曲させて形成されている。よって、入力バスバ51,52,60は、直線的な部位と、屈曲した部位とを含んでいる。これによって、入力バスバ51,52,60は、コネクタ10から一直線上に配置されていない各接続部位と接続しやすくなる。なお、入力バスバ51,52,60は、X方向に沿う方向を長手方向、Y方向に沿う方向を短手方向と言うこともできる。
分岐バスバ53,61は、例えば、板状の導電性部材が直線的に形成されている。バスバ接続部50a,60aは、例えば、板状の導電性部材によって形成されている。
第1入力Pバスバ51は、一端がコネクタ10に配置されており、その他の部位が第1正極側端子22a及び第2正極側端子22bと接続されている。つまり、第1入力Pバスバ51は、二つにわかれた部位を有しており、その一方が第1正極側端子22aと接続され、他方が第2正極側端子22bと接続されている。第1入力Pバスバ51は、溶接等によって、第1正極側端子22a及び第2正極側端子22bと電気的に接続されている。なお、以下のバスバの接続箇所は、同様に、溶接等によって電気的に接続されている。
第2入力Pバスバ52は、一端側が第1負極側端子23aと第2負極側端子23bと接続されており、他端側がPバスバ接続部50aと接続されている。つまり、第2入力Pバスバ52は、一端側が二つにわかれており、その一方が第1負極側端子23aと接続され、他方が第2負極側端子23bと接続されている。入力Nバスバ60は、一端がコネクタ10に配置されており、その他の部位がNバスバ接続部60aと接続されている。なお、第2入力Pバスバ52とPバスバ接続部50aとの接続箇所に関しては、図面が煩雑になるのを避けるために省略している。入力Nバスバ60とNバスバ接続部60aの接続箇所に関しても同様である。
このため、第2入力Pバスバ52は、Pバスバ接続部50aを介してスイッチング素子3と電気的に接続されている。また、入力Nバスバ60は、Nバスバ接続部60aを介してスイッチング素子3と電気的に接続されている。
分岐Pバスバ53は、一端が第1端子6bと接続されており、他端が第1入力Pバスバ51と接続されている。一方、分岐Nバスバ61は、一端が第2端子6cと接続されており、他端が入力Nバスバ60と接続されている。詳述すると、分岐Pバスバ53は、第1入力Pバスバ51の長手方向の一部に接続されている。同様に、分岐Nバスバ61は、入力Nバスバ60の長手方向の一部に接続されている。
このように、第1入力Pバスバ51は、フィルタコンデンサ6を経由することなく、リアクトル21a,21bに接続されている。同様に、入力Nバスバ60は、フィルタコンデンサ6を経由することなく、Nバスバ接続部60aに接続されている。なお、第1入力Pバスバ51と入力Nバスバ60は、図2に示すように、AC電流とDC電流が流れる。また、第1入力Pバスバ51と入力Nバスバ60は、AC電流に対してDC電流が数倍大きい。
電力変換装置100は、フィルタコンデンサ6にAC電流のみが通電されるように、第1入力Pバスバ51及び入力Nバスバ60に対して、分岐Pバスバ53及び分岐Nバスバ61を分岐して接続している。言い換えると、電力変換装置100は、分岐Pバスバ53及び分岐Nバスバ61を、第1入力Pバスバ51及び入力Nバスバ60から分岐させることで、フィルタコンデンサ6にDC電流が流入することを抑制している。
このため、分岐Pバスバ53と分岐Nバスバ61は、図2に示すように、AC電流のみが流れる。よって、電力変換装置100は、第1入力Pバスバ51から分岐Pバスバ53、コンデンサ素子6a、分岐Nバスバ61、入力Nバスバ60へとAC電流が流れるように構成される。
つまり、電力変換装置100は、コンデンサケース6eの内部にDC電流が流入することを抑制できる。フィルタコンデンサ6の内部とは、コンデンサケース6eの内部とも言える。また、電力変換装置100は、コンデンサ素子6aにAC電流が流れつつ、フィルタコンデンサ6の内部にDC電流が流れないように構成されている。
このため、電力変換装置100は、フィルタコンデンサ6の内部にDC電流が流れることによる、フィルタコンデンサ6の温度上昇を抑制できる。つまり、電力変換装置100は、フィルタコンデンサ6の内部にDC電流が流れるように構成されたものよりも、フィルタコンデンサ6の温度上昇を抑制できる。よって、電力変換装置100は、フィルタコンデンサ6の短寿命化を抑制できるとともに、信頼性の低下を抑制できる。
さらに、電力変換装置100は、上記のように、主回路ブロックを冷却することができる。このため、電力変換装置100は、リアクトル21a,21b、第1入力Pバスバ51、及び入力Nバスバ60からフィルタコンデンサ6が受熱することを抑制できる。よって、電力変換装置100は、フィルタコンデンサ6の温度上昇を抑制しつつ、リアクトル21a,21b、第1入力Pバスバ51、及び入力Nバスバ60からフィルタコンデンサ6が受熱することを抑制できる。従って、電力変換装置100は、フィルタコンデンサ6の短寿命化をより一層抑制できるとともに、信頼性の低下をより一層抑制できる。
また、電力変換装置100は、上記のように、スイッチング素子3が第2入力Pバスバ52、Pバスバ接続部50a、入力Nバスバ60、Nバスバ接続部60aを介して、リアクトル21a,21bと接続されている。このため、電力変換装置100は、第2入力Pバスバ52、Pバスバ接続部50a、入力Nバスバ60、Nバスバ接続部60a、リアクトル21a,21bを介して、スイッチング素子3を冷却することもできる。
スイッチング素子3は、冷却器31に取り付けられている。また、Pバスバ接続部50aとNバスバ接続部60aは、冷却器31に対向配置されている。このため、電力変換装置100は、冷却器31によって、Pバスバ接続部50aとNバスバ接続部60aとを冷却することができる。さらに、電力変換装置100は、Pバスバ接続部50aとNバスバ接続部60aを介して、第2入力Pバスバ52、入力Nバスバ60、リアクトル21a,21bを冷却することもできる。従って、電力変換装置100は、リアクトル21a,21b、第1入力Pバスバ51、及び入力Nバスバ60からフィルタコンデンサ6が受熱することをより一層抑制できる。これに伴って、電力変換装置100は、フィルタコンデンサ6の短寿命化をより一層抑制できるとともに、信頼性の低下をより一層抑制できる。
また、電力変換装置100は、第2入力Pバスバ52と入力Nバスバ60にわたって、放電抵抗5が接続されている。これによって、電力変換装置100は、第2入力Pバスバ52と入力Nバスバ60を介して、放電抵抗5を冷却することができる。
なお、本実施形態では、分岐Pバスバ53と分岐Nバスバ61で接続されるコンデンサの一例として、フィルタコンデンサ6を採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されない。本開示は、平滑コンデンサ4、Yコンデンサ、Xコンデンサなどが、分岐Pバスバ53と分岐Nバスバ61で接続されていてもよい。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、上記実施形態に何ら制限されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。以下に、本開示のその他の形態として、変形例1~3に関して説明する。上記実施形態及び変形例1~3は、それぞれ単独で実施することも可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。本開示は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
(変形例1)
図6、図7を用いて、変形例1の電力変換装置に関して説明する。変形例1の電力変換装置は、壁部92を備えている点が電力変換装置100と異なる。
壁部92は、例えば、アルミニウムなどの熱伝導性が良好な金属で形成されている。壁部92は、水路形成部90aと接続されている。本実施形態では、水路形成部90aと一体物として形成された壁部92を採用している。壁部92は、水路形成部90aと熱的に接続されていればよい。つまり、壁部92は、冷却水によって冷やされた冷却水路911と熱的に接続されている。なお、水路形成部90aは、水路形成部90と同様、冷却水が流れる冷却水路911が形成されている。
このため、壁部92は、冷却水路911を介して、冷却水で冷やされている。よって、壁部92は、冷却用壁部とも言える。
なお、壁部92は、水路形成部90aと別体に構成され、熱伝導性が良好な接着部材を介して、水路形成部90aに取り付けられていてもよい。また、壁部92は、ケース80及び水路形成部90aと一体物として構成されていてもよい。
図7に示すように、壁部92は、ケース80の底面から、収容空間側(Z方向)に突出した、板状の部位である。よって、壁部92は、周辺よりも突出している。また、壁部92は、X方向に沿って設けられている。言い換えると、壁部92は、ケース80の長手方向に沿って設けられている。このため、変形例1の電力変換装置は、ケース80の剛性を向上することができる。なお、壁部92は、水路形成部90aとは異なり、中空形状となっていない。
壁部92は、図6に示すように、フィルタコンデンサ6の長手方向に沿って配置されている。また、壁部92は、フィルタコンデンサ6と隣り合って配置されている。詳述すると、壁部92は、Y方向において、フィルタコンデンサ6と隣り合って配置されている。よって、変形例1の電力変換装置は、壁部92でフィルタコンデンサ6を冷却することができる。
壁部92は、フィルタコンデンサ6のX方向における全域と対向していてもよいし、部分的に対向していてもよい。壁部92は、フィルタコンデンサ6のX方向における一部のみと対向しているよりも、全域と対向している方が、フィルタコンデンサ6の冷却効率をあげることができる。一方、壁部92は、フィルタコンデンサ6のX方向における全域と対向しているよりも、一部のみと対向している方が、ケース80内の占有面積を小さくすることができる。よって、変形例1の電力変換装置は、体格が大型化することを抑制しつつ、壁部92でフィルタコンデンサ6を冷却することができる。
さらに、壁部92は、図6に示すように、リアクトル21a,21bの並び方向に沿って配置されている。また、壁部92は、第1リアクトル21aと隣り合って配置されている。詳述すると、壁部92は、Y方向において、第1リアクトル21aと隣り合って配置されている。つまり、壁部92は、第1リアクトル21aとフィルタコンデンサ6との間に設けられている。よって、変形例1の電力変換装置は、壁部92で第1リアクトル21aを冷却することができる。
壁部92は、第1リアクトル21aのX方向における全域と対向していてもよいし、部分的に対向していてもよい。また、壁部92は、第1リアクトル21aのX方向における全域だけでなく、第2リアクトル21bのX方向における全域と対向していてもよい。つまり、壁部92は、第1リアクトル21aと第2リアクトル21bのX方向における少なくとも一部と対向していればよい。
フィルタコンデンサ6の場合と同様、壁部92は、リアクトル21a,21bとの対向領域が狭いより、広い方がリアクトル21a,21bの冷却効率をあげることができる。そして、壁部92は、リアクトル21a,21bとの対向領域が広いより、狭い方がケース80内の占有面積を小さくすることができる。よって、変形例1の電力変換装置は、体格が大型化することを抑制しつつ、壁部92でリアクトル21a,21bを冷却することができる。また、変形例1の電力変換装置は、壁部92でリアクトル21a,21bを冷却することができるため、リアクトル21a,21bからフィルタコンデンサ6に熱が伝達されることを抑制できる。よって、変形例1の電力変換装置は、フィルタコンデンサ6の短寿命化を抑制できるとともに、信頼性の低下を抑制できる。
また、変形例1の電力変換装置は、リアクトル21a,21bからフィルタコンデンサ6に熱が伝達されることを抑制できるため、リアクトルの数を増やして、より大きなDC電流を流すことができる。よって、本変形例では、二つのリアクトル21a,21bが並んで配置された例を採用している。しかしながら、本変形例は、三つ以上のリアクトルが並んで配置されていてもよい。
さらに、壁部92は、分岐Pバスバ53及び分岐Nバスバ61と対向する位置に設けられている。壁部92は、分岐Pバスバ53の一部、及び分岐Nバスバ61の一部と対向配置されている。分岐Pバスバ53及び分岐Nバスバ61は、Z方向において、壁部92の上方に配置されている。
これによって、変形例1の電力変換装置は、分岐Pバスバ53及び分岐Nバスバ61を冷却することができる。また、変形例1の電力変換装置は、第1リアクトル21aから発せられた熱が、第1入力Pバスバ51及び入力Nバスバ60、分岐Pバスバ53及び分岐Nバスバ61を介して、フィルタコンデンサ6に伝達されることを抑制できる。
本変形例では、フィルタコンデンサ6とリアクトル21a,21bの両方に対向配置された壁部92を採用している。つまり、本変形例では、フィルタコンデンサ6とリアクトル21a,21bの両方に対向配置された壁部92を採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されず、フィルタコンデンサ6とリアクトル21a,21bの少なくとも一方に対向配置されていればよい。また、壁部92は、分岐Pバスバ53及び分岐Nバスバ61と対向する位置に設けられていなくてもよい。
また、第1入力Pバスバ51、第2入力Pバスバ52、入力Nバスバ60の少なくとも一つは、壁部92と対向する位置に設けられていてもよい。これによって、変形例1の電力変換装置は、壁部92に対向配置された入力バスバ51,52,60を冷却することができる。
さらに、本開示は、フィルタコンデンサ6とリアクトル21a,21bのいずれにも対向配置されており、入力バスバ51,52,60の少なくとも一つと対向配置された壁部92であっても採用できる。この場合であっても、変形例1の電力変換装置は、壁部92に対向配置された入力バスバ51,52,60を冷却することができる。なお、変形例1の電力変換装置は、電力変換装置100と同様の効果を奏することができる。
(変形例2)
図8、図9を用いて、変形例2の電力変換装置に関して説明する。変形例2の電力変換装置は、壁部92aの構成が変形例1の電力変換装置と異なる。
図8、図9に示すように、壁部92aは、壁部92と同様の位置に設けられている。しかしながら、図9に示すように、壁部92aは、内部に冷却水が流れるように構成されている。つまり、冷却水路911は、水路形成部90aに加えて、壁部92aにも形成されている。
これによって、変形例2の電力変換装置は、変形例1の電力変換装置よりもフィルタコンデンサ6の冷却効率を向上することができる。なお、変形例2の電力変換装置は、変形例1の電力変換装置と同様の効果を奏することができる。
(変形例3)
図10を用いて、変形例3の電力変換装置に関して説明する。変形例3の電力変換装置は、分岐Nバスバ61aの構成が変形例2の電力変換装置と異なる。なお、ここでは、分岐Nバスバ61aを用いて説明するが、分岐Pバスバ53に関しても同様の構成を採用することができる。
分岐Nバスバ61aは、コンデンサ側部位61a1とバスバ側部位61a2とに分割されている。コンデンサ側部位61a1は、一方の端部がフィルタコンデンサ6に接続されている。バスバ側部位61a2は、一方の端部が入力Nバスバ60に接続されている。そして、コンデンサ側部位61a1とバスバ側部位61a2は、他方の端部同士が接続されている。
コンデンサ側部位61a1とバスバ側部位61a2は、端部同士が対向配置されている。コンデンサ側部位61a1とバスバ側部位61a2は、対向配置される部位に、厚み方向に貫通する貫通穴が設けられている。コンデンサ側部位61a1とバスバ側部位61a2は、貫通穴にボルト61a3が挿入される。そして、コンデンサ側部位61a1とバスバ側部位61a2は、ボルト61a3とナット61a4によって、機械的及び電気的に接続されている。ボルト61a3とナット61a4は、接続部に相当する。
このように、分岐Nバスバ61aは、分岐Nバスバ61よりも部分的に厚みが増した部位が設けられている。分岐Nバスバ61aは、コンデンサ側部位61a1とバスバ側部位61a2の端部同士が対向配置されており、且つ、その部位がボルト61a3とナット61a4で接続されている。分岐Nバスバ61aは、ボルト61a3とナット61a4が固定されている部位が、分岐Nバスバ61よりも厚みが増した部位と言える。ボルト61a3とナット61a4が固定されている部位は、分岐Nバスバ61aにおける、その周辺よりも体積が大きい部位となっている。
壁部92aは、ボルト61a3とナット61a4が固定されている部位と対向する位置に設けられている。このため、変形例3の電力変換装置は、壁部92aによって、分岐Nバスバ61aにおける体積が大きい部位を積極的に冷却することができる。
これによって、変形例3の電力変換装置は、変形例2の電力変換装置よりも分岐Nバスバ61aの冷却効率を向上することができる。なお、変形例3の電力変換装置は、変形例2の電力変換装置と同様の効果を奏することができる。
なお、変形例3の電力変換装置は、壁部92aのかわりに壁部92を採用することもできる。