JP5407275B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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また、配線を共通にすると長くなるため、配線の寄生インダクタンスが大きくなる。配線に流れる電流が増え、寄生インダクタンスが大きくなると、サージ電圧が増加することになる。その結果、耐圧の高い半導体モジュールを使用する必要が生じる。
直流電圧を平滑化するコンデンサと、
上記コンデンサによって平滑化された直流電圧が印加される直流端子と、該直流電圧をスイッチング動作によって交流電圧に変換する半導体素子と、該交流電圧を出力する交流端子と、を備える複数個の半導体モジュールと、
を備え、上記直流端子と上記交流端子とは、上記半導体素子を収納するパッケージから突出しており、
上記コンデンサは、上記半導体モジュールとは別部材であり、
上記複数個の半導体モジュールは、予め定められた方向に配列され、その配列方向に交差する方向に各々の上記直流端子が向く第一列と、該第一列とは反対方向に上記直流端子が向くように配列された第二列と、に区分され、上記第一列の上記直流端子と、上記第二列の上記直流端子とが互いに内側を向くように2列に配置されるとともに、該2列に配置された上記半導体モジュールの、上記直流端子が突出する方向における間に上記コンデンサが設けられ、
上記第一列を構成する上記半導体モジュールと、上記第二列を構成する上記半導体モジュールとは、それぞれ共通の上記コンデンサに接続しており、
上記コンデンサには、複数個の電極端子が、上記複数個の上記直流端子に各々対応する位置に突出形成され、該複数個の電極端子と上記直流端子とがそれぞれ個別に電気接続され、
上記コンデンサは、互いに並列接続した複数個のコンデンサセルを一体化した一つの構造体を構成しており、個々の上記コンデンサセルから上記電極端子が引き出され、上記コンデンサセルと上記半導体モジュールとが個別に電気接続しており、
上記直流端子は、上記パッケージから上記コンデンサセルに向って突出し、上記電極端子は、上記コンデンサセルから上記パッケージに向って突出していることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
上記構造を採用すると、コンデンサと半導体モジュールとの接続距離が短くなるので、寄生インダクタンスを小さくすることが可能になる。また、従来のように共通配線で接続するのではなく、それぞれの半導体モジュールを個別にコンデンサに接続しているため、電流を分散して流すことが可能になる。これにより、個々の半導体モジュールとコンデンサとの間に流れる電流を少なくすることが可能となる。
このように、寄生インダクタンスを小さくでき、かつ電流を少なくすることができるため、サージ電圧を低減することが可能となる。そのため、耐圧が低い半導体モジュールを使用して電力変換装置を構成することができる。
本発明(請求項1)において、上記半導体モジュールと上記コンデンサとの間隔が、全ての上記半導体モジュールにおいて均等になるように、上記複数個の半導体モジュールと上記コンデンサとが配置されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、半導体モジュールとコンデンサとの間に生じる寄生インダクタンスを均等化することができる。そのため、半導体モジュールに加わるサージ電圧を均等化することができる。
この場合には、半導体モジュールとコンデンサとを両方とも冷却することが可能となる。
この場合には、半導体モジュール以外の発熱部品を冷却することができる。ここで発熱部品とは、例えばリアクトルやバスバーである。この構造にすることにより、電力変換装置全体の冷却効率を高めることができる。
この場合には、半導体モジュールおよびコンデンサから放射される電磁ノイズを冷却器で遮断できるので、制御回路基板の誤動作を防止できる。
すなわち、半導体モジュールおよびコンデンサは大電流が流れるので、比較的大きな電磁ノイズが放射される。それに対して、制御回路基板は小さな電流で動作する。また、制御回路基板は半導体モジュールの近傍に配置されている。そのため、半導体モジュールおよびコンデンサから放射される電磁ノイズにより制御回路基板が誤動作しやすいが、上述のように、半導体モジュールおよびコンデンサと、制御回路基板との間に冷却器を配置することにより、電磁ノイズを冷却器で遮断することが可能となる。これにより、制御回路基板の誤動作を防止できる。
この場合には、上記固定板によって半導体モジュールと冷却器とを固定できるとともに、固定板が熱伝導率の高い金属製であるため、コンデンサから発生する熱を効率よく冷却器に伝達することができる。
この場合には、半導体素子から発生する電磁ノイズを、固定板にて遮断できるため、制御回路基板の誤動作を防止できる。
この場合には、直流端子と電極端子とから発生する熱をも、冷却器によって冷却することが可能となる。
この場合には、半導体モジュールの数が多い場合でも、電力変換装置の大きさを小型化することが可能となる。
この場合には、2列に配列された半導体モジュールから、交流端子がそれぞれ外側に突出するため、交流電力で駆動する部品(例えば交流モータ)と、上記交流端子とを接続しやすくなる。
本発明の実施例にかかる電力変換装置につき、図1〜図4を用いて説明する。
図1、図2に示すごとく、本例は直流電力を交流電力に変換する電力変換装置1である。同図から知られるように、本例の電力変換装置1は、直流電圧を平滑化するコンデンサ2を備える。また、コンデンサ2によって平滑化された直流電圧が印加される直流端子30と、直流電圧をスイッチング動作によって交流電圧に変換する半導体素子32と、交流電圧を出力する交流端子31と、を備える複数個の半導体モジュール3を備える。
複数個の半導体モジュール3は、予め定められた方向に配列され、その配列方向に交差する方向に各々の直流端子30が向く第一列A1と、その第一列A1とは反対方向に直流端子30が向くように配列された第二列A2と、に区分され、第一列A1の直流端子30と、第二列A2の直流端子30とが互いに内側を向くように2列に配置されるとともに、その2列に配置された半導体モジュール3の間にコンデンサ2が設けられている。
そして、コンデンサ2には、複数個の電極端子20が、複数個の直流端子30に各々対応する位置に突出形成され、複数個の電極端子20と直流端子30とがそれぞれ個別に電気接続されている。
本例では図1に示すごとく、昇圧器11に用いるリアクトル5が、コンデンサ2の近傍に配置されている。
また、本例の電力変換装置1には、昇圧器11に用いる半導体モジュール3dが設けられており、これら半導体モジュール3a〜3dが一列に配列されている。なお、本例では昇圧器11とインバータ14(図2参照)とを一体に構成しているが、昇圧器11を分離して、別の部品にしてもよい。
さらに、半導体モジュール3の主面35a,35bに各々接触するように、2個の冷却器4が取り付けられている。この冷却器4は内部が空洞になっており、水等の冷媒を内部に流通させることにより半導体モジュール3を冷却する。
本例の電力変換装置1は、図1に示すごとく、複数個の半導体モジュール3を、直流端子30が内側を向くように2列に配列し、その間にコンデンサ2を設けている。コンデンサ2には複数個の電極端子20が突出形成され、半導体モジュール3の直流端子30と個別に接続されている。
この構造を採用すると、コンデンサ2と半導体モジュール3との接続距離が短くなるので、寄生インダクタンスを小さくすることが可能になる。また、従来のように共通配線で接続するのではなく、それぞれの半導体モジュール3を個別にコンデンサ2に接続しているため、電流を分散して流すことが可能になる。これにより、個々の半導体モジュール3とコンデンサ2との間に流れる電流を少なくすることが可能となる。
このように、寄生インダクタンスを小さくでき、かつ電流を少なくすることができるため、サージ電圧を低減することが可能となる。そのため、耐圧が低い半導体モジュール3を使用して電力変換装置1を構成することができる。
この場合には、半導体モジュール3とコンデンサ2との間に生じる寄生インダクタンスを均等化することができる。そのため、半導体モジュール3に加わるサージ電圧を均等化することができる。
この構造により、図1に示すごとく複数個の半導体モジュール3を配列した場合に、交流端子31が外側に突出するようになる。これにより、上述した三相交流モータ等の交流駆動部品と、電力変換装置1の交流端子31とを接続しやすくなる。
すなわち、仮に交流端子が内側を向いていると、その交流端子に対して配線接続するのは困難となるが、図1のように外側を向くようにすることにより、交流端子31の接続が容易になる。
本例は、冷却器4の構成を変えた例である。図6に示すごとく、一方の冷却器4排除し、その代わりに、半導体モジュール3に放熱フィン37を設けることができる。
さらに、図7に示すごとく、発熱量が少ない場合は、冷却器4を1個のみにしてもよい。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
上記構成にすると、冷却器4の数を減らすことができる。これにより、電力変換装置1の構成を簡素化することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、冷却器4の構造を変更した例である。図8に示すごとく、本例では、複数個の半導体モジュール3とコンデンサ2とに接触し、半導体モジュール3とコンデンサ2とを冷却する冷却器4を備えている。
より詳しくは、本例では、図9に示すごとく、U字状冷却器4aと、平板状冷却器4bとを備え、この平面状冷却器4bが半導体モジュール3とコンデンサ2との主面に接触して、冷却する構成になっている。
より詳しくは、この制御回路基板6は、半導体素子32を構成するIGBTのゲート電極(制御端子36)に接続されている。冷却器4は、図9に示すU字状冷却器4aと、平面状冷却器4bとの2種類から構成される。そして、半導体モジュール3およびコンデンサ2と、制御回路基板6との間に平面状冷却器4bが配置され、平面状冷却器4bが半導体モジュール3およびコンデンサ2に接触して冷却している。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
本例では、図8に示すごとく、半導体モジュール3とコンデンサ2とに接触し、これら半導体モジュール3とコンデンサ2とを冷却する冷却器4を備えている。
この場合には、半導体モジュール3とコンデンサ2とを両方とも冷却することが可能となる。
すなわち、半導体モジュール3は大電流が流れるので、比較的大きな電磁ノイズが放射される。それに対して、制御回路基板6は小さな電流で動作する。また、制御回路基板6は半導体モジュール3の近傍に配置されている。そのため、半導体モジュール3から放射される電磁ノイズにより制御回路基板6が誤動作しやすいが、上述のように半導体モジュール3と制御回路基板6との間に冷却器4を配置することにより、電磁ノイズを冷却器4にて遮断することが可能となる。これにより、制御回路基板6の誤動作を防止できる。
この場合には、半導体モジュール3とコンデンサ2以外の発熱部品(リアクトル5)を冷却することができる。これにより、電力変換装置1全体の冷却効率を高めることができる。
この場合には、片面冷却ですむので、電力変換装置1の構造を簡易なものとすることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図15に示すごとく、半導体モジュール3と、コンデンサ2とを固定する固定板7を設けた例である。この固定板7は金属製である。また、2個のU字状冷却器4aを備え、この2個のU字状冷却器4aで半導体モジュール3を厚さ方向に挟んでいる。そして、冷却器4aとコンデンサ2とが固定板7により固定されている。
また、本例では、コンデンサ2と制御回路基板6との間に固定板7が配置されている。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
本例では、図15に示すごとく、金属製の固定板7を使ってコンデンサ2と冷却器4aとを固定している。
この場合には、コンデンサ2から発生する熱が、固定板7を介して冷却器4に伝わるため、コンデンサ2を効果的に冷却することが可能となる。
また、コンデンサ2と制御回路基板6との間に固定板7が設けられているため、コンデンサ2から放射される電磁ノイズを、固定板7にて遮断することができる。これにより、制御回路基板6の誤動作を防止することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を奏する。
本例は、図17に示すごとく、半導体モジュール3の直流端子30とコンデンサ2の電極端子20とが、絶縁体16を介して冷却器4に固定されている。より詳しくは、直流端子30と電極端子20とは、銅板を打ち抜いて形成したバスバーからなる。そして、この直流端子30と電極端子20とを、締結部材5(雄螺子)を使って冷却器4に固定している。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
その他、実施例1と同様の作用効果を備える。
本例は、半導体モジュール3を多層化した例である。半導体素子32は四辺形板状のパッケージ33内に収納され(図3参照)、図18に示すごとく、そのパッケージ33の厚さ方向へ、複数個の半導体モジュール3を積み重ねている。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
また、図19の構成にした場合には、冷却器4a,4bと、半導体モジュール3とを交互に積層しているため、半導体モジュール3を効果的に冷却できる。また、平板状冷却器4bにてコンデンサ2を挟んでいるため、コンデンサ2を効果的に冷却することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を備える。
2 コンデンサ
20 電極端子
3 半導体モジュール
30 直流端子
31 交流端子
32 半導体素子
4 冷却器
5 リアクトル(発熱部品)
6 制御回路基板
7 固定板
8 絶縁体
Claims (10)
- 直流電力を交流電力に変換する電力変換装置であって、
直流電圧を平滑化するコンデンサと、
上記コンデンサによって平滑化された直流電圧が印加される直流端子と、該直流電圧をスイッチング動作によって交流電圧に変換する半導体素子と、該交流電圧を出力する交流端子と、を備える複数個の半導体モジュールと、
を備え、上記直流端子と上記交流端子とは、上記半導体素子を収納するパッケージから突出しており、
上記コンデンサは、上記半導体モジュールとは別部材であり、
上記複数個の半導体モジュールは、予め定められた方向に配列され、その配列方向に交差する方向に各々の上記直流端子が向く第一列と、該第一列とは反対方向に上記直流端子が向くように配列された第二列と、に区分され、上記第一列の上記直流端子と、上記第二列の上記直流端子とが互いに内側を向くように2列に配置されるとともに、該2列に配置された上記半導体モジュールの、上記直流端子が突出する方向における間に上記コンデンサが設けられ、
上記第一列を構成する上記半導体モジュールと、上記第二列を構成する上記半導体モジュールとは、それぞれ共通の上記コンデンサに接続しており、
上記コンデンサには、複数個の電極端子が、上記複数個の上記直流端子に各々対応する位置に突出形成され、該複数個の電極端子と上記直流端子とがそれぞれ個別に電気接続され、
上記コンデンサは、互いに並列接続した複数個のコンデンサセルを一体化した一つの構造体を構成しており、個々の上記コンデンサセルから上記電極端子が引き出され、上記コンデンサセルと上記半導体モジュールとが個別に電気接続しており、
上記直流端子は、上記パッケージから上記コンデンサセルに向って突出し、上記電極端子は、上記コンデンサセルから上記パッケージに向って突出していることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1において、上記半導体モジュールと上記コンデンサとの間隔が、全ての上記半導体モジュールにおいて均等になるように、上記複数個の半導体モジュールと上記コンデンサとが配置されていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1または請求項2において、上記複数個の半導体モジュールと上記コンデンサとに接触し、該半導体モジュールと該コンデンサとを冷却する冷却器を備えることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1または請求項2において、上記複数個の半導体モジュールと、該半導体モジュールの周辺に配置された発熱部品とに接触し、上記半導体モジュールと上記発熱部品とを冷却する冷却器が設けられていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項3または請求項4において、上記半導体素子の上記スイッチング動作を制御する制御回路基板を備え、上記半導体モジュールおよび上記コンデンサと、上記制御回路基板との間に上記冷却器が配置されていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1または請求項2において、2列に配列された上記複数個の半導体モジュールを冷却する冷却器と、該冷却器と上記コンデンサとを固定する金属製の固定板を備えることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項6において、上記半導体素子の上記スイッチング動作の制御をする制御回路基板を備え、上記半導体モジュールおよびコンデンサと、上記制御回路基板との間に上記固定板が配置されていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項3〜請求項7のいずれか1項において、上記半導体モジュールの上記直流端子と上記コンデンサの上記電極端子とが、絶縁体を介して上記冷却器に固定されていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1または請求項2において、上記半導体素子は四辺形板状のパッケージ内に収納され、そのパッケージの板厚方向へ、上記複数個の半導体モジュールが積み重ねられていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項において、上記半導体モジュールは、上記コンデンサにより平滑化された直流電源の正極側に接続される正極側半導体素子と、負極側に接続される負極側半導体素子との2個の半導体素子が1個のパッケージ内に収納されており、上記正極側半導体素子に接続された正極側直流端子と、上記負極側半導体素子に接続された負極側直流端子とが上記パッケージから同一方向に突出する形に形成されるとともに、上記正極側半導体素子と上記負極側半導体素子との双方に接続された上記交流端子が、上記正極側直流端子および上記負極側直流端子に対して上記パッケージの反対方向に突出形成され、上記正極側直流端子と上記負極側直流端子とが各々上記コンデンサに接続されていることを特徴とする電力変換装置。
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