JP5521636B2 - エレベーターの主索端末装置 - Google Patents
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Description
これらの図において、1はエレベーターの昇降路、4は昇降路1の頂部に設けられた機械室、4aは機械室4の床に穿設され主索6が通される主索穴、6は昇降路1内のかご及び釣合い重りを吊持する主索、7は機械室4の床上であって主索穴4aの上を跨ぐようにして配置されたH形鋼からなる綱止梁、7a及び7bは綱止梁7の上下のフランジ部に穿設された平面視略円形状の上側挿通孔及び下側挿通孔である。
9aは綱止梁7の上側挿通孔7a及び下側挿通孔7bに挿通された棒状のシャックルロッド、13はシャックルロッド9aの下端においてシャックルロッド9aと一体に設けられ主索6の端部が係止されるロープシャックル、11は主索6の端部が巻き付けられてロープシャックル13内に挿入されることにより主索6をロープシャックル13に係止するための楔、12は綱止梁7の上側においてシャックルロッド9aの上端寄りに螺合されたナット、10は綱止梁7の上側とシャックルロッド9aのナット12との間に挿設されシャックルロッド9a及びロープシャックル13を弾性的に支持するばねである。
この場合、立てた状態で機械室4の床に配設された溝形鋼の綱止梁7の上に、ロッド挿通孔14aが穿設された上面板14を載置し、このロッド挿通孔14aにシャックルロッド9aが挿通される。また、上面板14はつば部14bにより補強されている。
従って、ロープシャックルの取付作業や調整作業を機械室の床に設けた主索穴の中か又は昇降路の最頂部で行わなければならなくなり、非常に困難かつ煩雑であって手数がかかるという課題がある。
しかしながら、主索を一列に並べる分、主索の本数が増えるにつれて綱止部の面積が大きくなってしまうため機械室における装置の配置スペース上の課題があり、また、当然主索穴の面積も大きくなってしまうため機械室内の作動音が昇降路内に漏れやすくなってしまうという前述同様の課題もある。
加えて、複数の主索同士の間隔が狭く、ロープクリート(ロープ相互の回転を抑える部品)が取付けられない場合にはシャックル同士の接触音が昇降路を通じて乗場等に伝わってしまう恐れがあるという課題もある。
また、第2の目的は、主索を係止するための綱止梁の大きさや形状が変化してもシャックルロッドの長さを変化させる必要がないエレベーターの主索端末装置を得るものである。
そして、第3の目的は、機械室に設けられた綱止梁に主索を係止するため、機械室床に設けた主索を通す主索穴の面積を最小限にすることができ、機械室内の音が昇降路内へと漏れてしまうことを最小限に抑制することが可能であるエレベーターの主索端末装置を得るものである。
また、主索を係止するための綱止梁の大きさや形状が変化してもシャックルロッドの長さを変化させる必要がないという効果も併せ奏する。
さらに、機械室に設けられた綱止梁に主索を係止するため、機械室床に設けた主索を通す主索穴の面積を最小限にすることができ、機械室内の音が昇降路内へと漏れてしまうことを最小限に抑制することが可能であるという効果も併せ奏する。
図1から図6は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1はエレベーターの全体構成を模式的に示す図、図2はエレベーターの昇降路上部及び機械室の拡大断面図、図3はエレベーターの主索端末装置の綱止部を詳細に示す拡大図、図4は図3中の矢印A及び矢印Bの示す方向から見た矢視図、図5はエレベーターの主索端末装置のロープシャックルの構成を示す図、図6は図5中の矢印Cの示す方向から見た矢視断面図である。
機械室4内にはかご2及び釣合い重り3の昇降を駆動する巻上機5が配設されており、この巻上機5の回転駆動は、かご2及び釣合い重り3を吊持する主索6により、かご2及び釣合い重り3の昇降移動へと変換される。
主索6の他端部は、一端部と同様、機械室4の床に穿設された主索穴4aを通されて昇降路頂部の機械室4の床上に設けられた綱止梁7において綱止部8により吊持されている。
主索6の両端部のそれぞれ(以下、単に端部という)は、昇降路1側から機械室4側へと主索穴4aを通され、下方から綱止梁7の下側挿通孔7b、上側挿通孔7aの順で挿通された上で、綱止梁7の上方においてばね10(弾性体)により弾性的に支持されるソケット9(主索係止手段)に係止され、吊持されている。
また、ソケット9の上部には下方が狭く上方にいくほど広くなるテーパー状の楔挿入孔9cが、シャックルロッド9aのロープ挿入孔9bと連通して設けられており、ロープ挿入孔9bと楔挿入孔9cとでソケット9の上下に亘って貫通している状態になっている。
ロープ挿入孔9bから楔挿入孔9cへと通された主索6の端部は、側面視略雫形で楔状の係止体である楔11に巻き付けられて折り返された上で、この楔11(係止体)とともにソケット9の楔挿入孔9c(係止体挿入孔)へと挿入される。
こうして、主索6の端部は、主索6の端部とソケット9の楔挿入孔9cとの間に働く摩擦力及び主索6の端部と楔11との間に働く摩擦力によってソケット9に係止される。
綱止梁7の上面には、綱止梁7の上側挿通孔7aの上に配置されたばね10の下端部が当接し、このばね10の上端部はシャックルロッド9aに通された座金に当接している。
このようにして、綱止梁7の上に、主索6の端部が係止されたソケット9が、シャックルロッド9aに螺合されたナット12に当接した座金と綱止梁7との間に挿設されたばね10を介して弾性的に支持されることにより、主索6は綱止梁7に吊持される。
このソケット9を用いて主索6の端部を綱止梁7に係止させる据付作業においては、シャックルロッド9aに対してナット12を回転させて螺合位置を調節することにより、ばね10がソケット9を上方へと付勢する弾性力等の調整を行う。
切欠平面部9dは、この際に、切欠平面部9dにおいてスパナ等の工具によりソケット9自体が回転してしまわない様に把持するために設けられている。
ソケット9を、上部の楔挿入孔9c部と下部のシャックルロッド9a部とのそれぞれ別体として製作する場合においては、例えば、上部の楔挿入孔9c部を鋳物で製作し、下部のシャックルロッド9a部をパイプ素材から製作する等が考えられる。
従って、主索を係止するための綱止梁の下方に床やその他の機器等がある場合においても、ロープシャックルの取付作業や調整作業を容易に行うことができ、また、主索を係止するための綱止梁の大きさや形状が変化してもシャックルロッドの長さを変化させる必要がなく、さらに、機械室に設けられた綱止梁に主索を係止するため、機械室床に設けた主索を通す主索穴の面積を最小限にすることができ、機械室内の音が昇降路内へと漏れてしまうことを最小限に抑制することが可能である。
さらに、ソケットは、それぞれ別体である上部の係止体挿入孔が設けられた上部とシャックルロッドが設けられた下部とが結合されたものであるとすることにより、例えば、上部を鋳物で製作し、下部のシャックルロッドをパイプ素材から製作する等、部品加工が容易となる。
図7は、この発明の実施の形態2に係るもので、実施の形態1の図4に相当する矢視図である。
ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1において綱止梁の上下フランジ部にそれぞれ設けられた略円形状の上側挿通孔及び下側挿通孔に代えて、略U字状の上側挿通切欠部及び下側挿通切欠部を設けるようにしたものである。
なお、他の構成については実施の形態1と同様であって、その詳細説明は省略する。
このため、実施の形態1と同様の効果を奏することができるのに加えて、主索をソケットに係止した状態のまま、主索吊持手段である綱止梁に対して取付け及び取外しが可能となり、ロープシャックルの取付作業や調整作業をさらに容易に行うことができる。
2 かご
2a かご吊車
3 釣合い重り
3a 重り吊車
4 機械室
4a 主索穴
5 巻上機
6 主索
7 綱止梁
7a 上側挿通孔
7b 下側挿通孔
7c 上側挿通切欠部
7d 下側挿通切欠部
8 綱止部
9 ソケット
9a シャックルロッド
9b ロープ挿入孔
9c 楔挿入孔
9d 切欠平面部
10 ばね
11 楔
12 ナット
13 ロープシャックル
14 上面板
14a ロッド挿通孔
14b つば部
Claims (5)
- 昇降路内に配置されたかご及び釣合い重りを吊持する主索と、
前記昇降路の頂部に設けられた機械室の床に穿設された主索穴と、
前記機械室の床上に前記主索穴の上を跨ぐようにして配置され、前記主索が挿通される挿通部を有する主索吊持部材と、
前記主索吊持部材の上側に弾性的に支持され、前記主索穴及び前記挿通部に下方から挿通された前記主索の端部が係止される主索係止手段と、を備え、
前記主索係止手段は、下部に設けられ、内部に主索挿入孔を有する中空円筒状のシャックルロッドと、上部に前記主索挿入孔と連通して設けられ、上方に広くなるテーパー状の係止体挿入孔と、を有するソケットからなり、
前記主索挿入孔から前記係止体挿入孔へと挿通された前記主索の端部が、楔状の係止体に巻き付けられて折り返された上で前記係止体とともに前記係止体挿入孔へと挿入されることにより、前記主索の端部が前記ソケットに係止されることを特徴とするエレベーターの主索端末装置。 - 前記シャックルロッドの外周に設けられたおねじ部と、
前記おねじ部に螺合するナットと、
前記ナットと前記主索吊持部材の上面との間に設けられ、前記ソケットを前記主索吊持部材の上側に弾性的に支持する弾性体と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの主索端末装置。 - 前記ソケットの、前記おねじ部の上側に設けられた平面部をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のエレベーターの主索端末装置。
- 前記ソケットは、それぞれ別体である、係止体挿入孔が設けられた上部とシャックルロッドが設けられた下部とが結合されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエレベーターの主索端末装置。
- 前記挿通部は、前記主索吊持部材の端部から外側へと空隙部がつながるように切欠かれて設けられた平面視略U字状の挿通切欠部であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエレベーターの主索端末装置。
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