まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による通信システムについて説明する。
この通信システムは、複数台の通信装置100(100Aおよび100B)およびプレゼンスサーバー150などがネットワークNTを介して互いに接続されることによって構築される。
各通信装置100は、FAX機能、コピー機能、スキャン機能およびプリンタ機能を有する複合機であり、ネットワークNTを介して互いに通信可能となっている。なお、図1においては、通信装置100の接続台数を2台としているが、通信装置100の接続台数は特に限定されるものではない。これら各通信装置100の構成については、後に詳細に説明する。
プレゼンスサーバー150は、各通信装置100の状態を示す情報を管理・保持するサーバーである。たとえば、プレゼンスサーバー150は、通信装置100Aから通信装置100Bの状態を示すプレゼンス情報の通知依頼を受け付けると、通信装置100Bの状態を示す情報を周期的に取得し、その情報をプレゼンス情報として通信装置100Aに通知する。なお、プレゼンス情報としては種々あり、一例を挙げると、オンライン状態(あるいは、オフライン状態)であるか否かという情報や、異常状態(たとえば、サービススタッフによるメンテナンスが必要な程の状態)などである。
次に、図2を参照して、各通信装置100(100Aおよび100B)の構成について説明する。なお、各通信装置100のそれぞれの構成は互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。以下の説明では、各通信装置100のそれぞれの構成が互いに同じであるとする。
各通信装置100は、操作パネル101、画像読取部102、給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108などを少なくとも備えている。
操作パネル101は、図1中の破線で示されたものであり、液晶表示部11およびその液晶表示部11を覆うタッチパネル部12などを有する。さらに、操作パネル101には、各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー13やテンキー14などのハードキーも設けられている。
画像読取部102は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。画像読取部102には、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。この画像読取部102は、載置読取用コンタクトガラス21に載置される原稿にビームを照射し、その原稿の反射ビームを受けたイメージセンサーの各画素の出力値をA/D変換することにより、画像データを生成する。
画像読取部102による原稿の読み取り時には、載置用コンタクトガラス21に載置された原稿を原稿カバー22で押えるようになっている。この原稿カバー22は、送り読取用コンタクトガラス23に原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送機能を有する。
給紙部103は、記録媒体としての用紙Pを収容するとともに、用紙Pを搬送路104に供給する。この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー31や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー32などが設けられている。
搬送路104は、複合機100の内部において用紙Pを搬送するものである。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、搬送路104によって、中間転写部106および定着部107をこの順番で通過して排出トレイ109に導かれる。この搬送路104には、用紙Pを中間転写部106の手前で待機させ、タイミングを合わせて中間転写部106に送り出すレジストローラー41などが設けられている。
画像形成部105は、画像データに基づいてトナー像を形成するものであって、4色分の画像形成部50(ブラックのトナー像を形成する画像形成部50Bk、イエローのトナー像を形成する画像形成部50Y、シアンのトナー像を形成する画像形成部50C、および、マゼンダのトナー像を形成する画像形成部50M)と、露光装置5とを備えている。なお、画像形成部50Bk、50Y、50Cおよび50Mは、互いに異なる色のトナー像を形成するが、いずれも基本的に同様の構成である。したがって、以下の説明では、各色を表す符号(Bk、Y、CおよびM)を省略する。
各画像形成部50のそれぞれは、図3に示すように、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置3および清掃装置4を含んでいる。そして、各画像形成部50は、露光装置5を共通で使用する。
各感光体ドラム1は、外周面にトナー像を担持するものであって、外周面に感光層を有する。各帯電装置2は、対応する感光体ドラム1を一定の電位で帯電させる。各現像装置3は、対応する色の現像剤を収容し、対応する感光体ドラム1にトナーを供給する。各清掃装置4は、対応する感光体ドラム1の清掃を行う。露光装置5は、各感光体1に対して走査露光を行って静電潜像を形成する。
図2に戻って、中間転写部106は、画像形成部105からトナー像の1次転写を受けた後、用紙Pに2次転写を行う。中間転写部106は、中間転写ベルト61と、各画像形成部50にそれぞれ割り当てられた1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mとを少なくとも含んでいる。1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mは、対応する画像形成部50(具体的には、感光体ドラム1)との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
また、中間転写部106は、駆動ローラー63および従動ローラー64も含んでいる。そして、駆動ローラー63および従動ローラー64は、1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mと共に、中間転写ベルト61を張架している。
さらに、中間転写部106は、2次転写ローラー65も含んでいる。この2次転写ローラー65は、駆動ローラー63との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
そして、各画像形成部50で形成されたトナー像は、転写用電圧が印加された1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mにより、順次、ずれなく重畳して中間転写ベルト61に1次転写される。その後、中間転写ベルト61に1次転写されたトナー像は、転写用電圧が印加された2次転写ローラー65により、用紙Pに2次転写される。
また、中間転写部106は、ベルト清掃装置66も含んでいる。そして、このベルト清掃装置66によって、中間転写ベルト61から用紙Pへのトナー像の2次転写の後、中間転写ベルト61の清掃が行われる。
定着部107は、用紙Pに2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させるものである。この定着部107は、発熱源を内蔵する定着ローラー71と、定着ローラー71に圧接される加圧ローラー72とを含んでいる。そして、トナー像が2次転写された用紙Pは、定着ローラー71と加圧ローラー72との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着される。
そして、用紙Pは、定着部107を通過した後、排出トレイ109に排出される。これによって、画像形成処理が完了する。
また、両面搬送路108は、両面印刷を可能とするものである。この両面搬送路108は、定着部107の下流側おいて搬送路104と分岐し、レジストローラー41の上流側において搬送路104と合流している。そして、両面搬送路108には、搬送路104との分岐点に配置された切替弁81、排出トレイ109に繋がる排出口109aに配置されているとともに正逆回転の切り換えが可能な排出ローラー82、および、用紙Pを搬送する搬送ローラー83などが設けられている。
両面印刷を行う場合、切替弁81は、両面搬送路108を閉じるポジションとなり、定着部107から送られた用紙Pを排出トレイ109に導く。また、排出ローラー82は、ひとまず、正回転して用紙Pを排出トレイ109に排出する。この後、排出ローラー82は、用紙Pが排出ローラー82を通過しきる前に逆回転する。このとき、切替弁81は、両面搬送路108を開く方向に回動する。これにより、片面印刷された用紙Pは、両面搬送路108に導かれる。
両面搬送路108に導かれた用紙Pは、搬送ローラー83により搬送され、レジストローラー41の上流側に至る。そして、再び、中間転写部106から定着部107へと送られる。このときには、用紙Pの表裏が逆転しているので、用紙Pの裏面(未印刷面)に対して、2次転写処理および定着処理がなされる。そして、両面印刷が終わった用紙Pは、排出トレイ109に排出される。
次に、図4を参照して、各通信装置100(100Aおよび100B)のハードウェア構成について説明する。
各通信装置100は、主制御部110を有する。この主制御部110に対する電力の供給は、通信装置100が省電力状態に移行する際に停止され、通信装置100が省電力状態から通常状態に復帰する際に再開される。
主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111や画像処理部112などを含み、通信装置100の各部を制御するようになっている。なお、主制御部110は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモーターのON/OFFを行って印刷を制御するエンジン制御部となどに分割されていてもよい。
また、主制御部110は、記憶部113と接続される。この記憶部113は、ROM、RAM、フラッシュROMおよびHDDなどの不揮発性の記憶装置と揮発性の記憶装置との組み合わせからなっている。たとえば、記憶部113は、複合機100の制御プログラムおよび制御データなどを記憶する。そして、CPU111は、記憶部113に格納される制御プログラムや制御データに基づき、通信装置100の各部の制御や演算を行う。
そして、この制御部110は、操作パネル101、画像読取部102、給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108などと接続され、記憶部113の制御プログラムやデータに基づいて各部の動作を制御する。
さらに、主制御部110は、通信部114と接続される。この通信部114は、外部のコンピューター200(たとえば、パーソナルコンピューター)や、相手機側の通信装置100などと接続される。
また、通信部114は、ネットワーク制御部114aおよびプレゼンス機能制御部114bを含む。ネットワーク制御部114aは、ネットワークNTを介して、プレゼンスサーバー150との間で通信を行う。プレゼンス機能制御部114bは、ネットワーク制御部114aに対して、プレゼンス情報の通知依頼を行わせたり、プレゼンス情報の通知依頼の解除を行わせたりする。さらに、プレゼンス機能制御部114bに、プレゼンス情報を蓄積するための記憶部114cを持たせるようにしてもよい。
なお、通信部114は、たとえば、CPU、通信用チップ(回路)およびメモリーを実装したインターフェースカードの形態をとる。そして、ネットワーク制御部114aおよびプレゼンス機能制御部114bは、CPUや通信用チップ(回路)やメモリーのプログラムによりにソフト的(機能的)に実現されていてもよいし、通信部114の内部にハード(回路)として設けられていてもよい。また、ネットワーク制御部114aおよびプレゼンス機能制御部114bは、一体的なものとしてソフト的(機能的)に実現されていてもよいし、ハード(回路)として設けられていてもよい。図4では、便宜上、ネットワーク制御部114aとプレゼンス機能制御部114bとを分離して図示している。
操作パネル101は、表示制御部15を有する。この表示制御部15は、CPUやICなどからなっていて、液晶表示部11の表示を制御したり、タッチパネル部12の出力を受けて押下位置の座標を特定したりする。タッチパネル部12の出力と押下位置の座標との対応を示すテーブルなどのデータは、たとえば、メモリー16に記憶されている。
また、各通信装置100は、電源部120を有する。電源部120は、商用電源と接続され、通信装置100に含まれる各部材を動作させるのに必要な電圧を生成する。また、電源部120は、主制御部110や操作パネル101など、通信装置100の各部の回路駆動用の電圧(たとえば、DC5VやDC3.3Vなど)を生成する。さらに、電源部120は、感光体ドラム1などの各種回転体を回転させるモーターを駆動させるための電圧(たとえば、DC24V)を生成する。
この電源部120は、通常状態では、主制御部110、操作パネル101、通信部114および印刷やスキャンを行う各部(画像読取部102、給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)など、通信装置100の全ての部分に電力を供給する。これにより、通信装置100の全ての機能を利用できる。
そして、省電力状態への移行条件が満たされると、電源部120は、通信部114および省電力状態から通常状態への復帰条件が満たされたことを検知するための復帰条件検知部を除き、電力の供給を停止する。これに伴い、主制御部110および印刷やスキャンを行う各部への電力の供給が停止される。
主制御部110は、通信装置100が使用されない(操作されない)状態時間を計時して、通信装置100が使用されない(あるいは、外部から印刷ジョブが到達しない)まま一定時間経過したことを認識する。そして、一定時間の経過により、主制御部110は、省電力状態への移行条件が満たされたことを認識する。これにより、主制御部110は、電源部120に対して省電力状態への移行を指示する。
また、ユーザーが操作パネル101に対して省電力状態への移行指示の入力操作(たとえば、省電力状態への移行を指示する節電キーの押下)を行うことによって、省電力状態への移行が指示される場合もある。そして、ユーザーが操作パネル101に対して省電力状態への移行指示の入力操作を行い、それによって省電力状態への移行条件が満たされると、操作パネル101から、あるいは、主制御部110を経由して、電源部120に対して省電力状態への移行が指示される。
上述のように、電源部120は、復帰条件検知部にも電力を供給するが、この復帰条件検知部は、ユーザーが通信装置100を操作したり通信装置100にアクセスしたことを検知し、通常状態への復帰の必要性を認識するための部分である。たとえば、復帰条件検知部は、操作パネル101の特定の部分が該当する。すなわち、タッチパネル部12に触れる、通常状態に復帰させるための復帰用キーが押下されるなど、操作パネル101に特定の操作がなされると、復帰条件が満たされる。このように、操作パネル101を復帰条件検知部として用いることができる。
また、たとえば、復帰条件検知部は、通信部114が該当する。コンピューター200やネットワークNTを介して相手機側の通信装置100から印刷を行うデータ(画像データや印刷に関する設定データ)を受信したとき、通常状態に復帰する必要がある。言い換えると、通信部114が自機側の通信装置100に向けたデータを受信すると、復帰条件が満たされる。このように、通信部114を復帰条件検知部として用いることができる。
なお、復帰条件検知部として、給紙部103に装着される用紙カセットの有無を検知するためのセンサーや、原稿カバー22の開閉を検知するセンサーなどを用いることができる。すなわち、用紙カセットが抜き取られた、あるいは、原稿カバー22が開閉された、という検知結果が出たときなどに、省電力状態から通常状態に復帰する。
省電力状態で復帰条件が満たされると、各復帰条件検知部(たとえば、操作パネル101、通信部114および各種センサー)から、通常状態に復帰すべき旨のトリガ信号が電源部120に向けて送られる。このトリガ信号を受けて、電源部120は、省電力状態から通常状態への復帰条件が満たされたことを認識し、主制御部110など、通信装置100の全ての部分への電力の供給を再開する。
次に、図5および図6を参照して、プレゼンスサーバー150を経由した通信の一例を説明する。なお、以下の説明では、SIPの通信プロトコルに基づいて通信が行われるとする。また、通信装置100Aを自機側とし、通信装置100Bを相手機側とする。そして、通信装置100Bの状態を示すプレゼンス情報の通知依頼およびその通知依頼の解除を通信装置100Aが行うものとする。
まず、図5は、プレゼンス情報の通知依頼などに関する設定を行うためのプレゼンス情報設定画面である。図5に示すプレゼンス情報設定画面は、操作パネル101を操作することにより表示させることができる。たとえば、プレゼンス情報設定画面には、予め記憶部113に記憶(登録)された相手機(相手方)の宛先名称を並べて表示する一覧表示領域が設けられる。なお、記憶部113は、相手機の宛先アドレス情報(たとえば、SIPアドレスなど)も相手機の名称にあわせて記憶する。
また、プレゼンス情報設定画面には、相手機の宛先名称ごとに、プレゼンス情報の通知依頼を行うか否かを設定するためのチェックボックスCBが設けられる。このチェックボックスCBが押されると、液晶表示部11はチェックを表示する。そして、プレゼンス機能制御部114bは、チェックが入れられた相手機の状態を示すプレゼンス情報をプレゼンスサーバー150に要求する。そして、この後、プレゼンス情報設定画面には、プレゼンス情報の通知依頼を行った相手機の状態を示す最新のプレゼンス情報が表示される。
なお、登録された全ての相手機(相手方)について、プレゼンス情報の通知依頼を行ってもよい。
図6に示す通信シーケンスでは、通信装置100Aは、プレゼンスサーバー150に対して、通知依頼を行う相手機ごとに、通信装置100Bの状態を示すプレゼンス情報の通知依頼(SUBSCRIBE)を送信する。この通知依頼を受信したプレゼンスサーバー150は、成功(200 OK)を通信装置100Aに返信する。また、プレゼンスサーバー150は、通知依頼を受けたとき、その時点における通信装置100Bの状態を示すプレゼンス情報を通信装置100Aに通知(NOTIFY)する。そして、プレゼンスサーバー150からの通知を受け付けた通信装置100Aは、成功(200 OK)をプレゼンスサーバー150に返信する。
この後、プレゼンスサーバー150は、通信装置100Bからの状態更新を受け付けると、その時点における通信装置100Bの状態を示すプレゼンス情報を通信装置100Aに通知(NOTIFY)する。そして、プレゼンスサーバー150からの通知を受け付けた通信装置100Aは、成功(200 OK)をプレゼンスサーバー150に返信する。
また、プレゼンスサーバー150は、通信装置100Bの状態を示すプレゼンス情報の通知依頼の解除(SUBSCRIBE(Expiresヘッダ=0))を通信装置100Aから受け付けると、成功(200 OK)を通信装置100Aに返信する。以後、プレゼンスサーバー150は、通信装置100Bからの状態更新を受け付けても、通信装置100Bの状態を示すプレゼンス情報を通信装置100Aに通知しない。
ところで、省電力状態に入っているとき(言い換えると、ユーザーが通信装置100を使用していないとき)には、プレゼンス情報の処理は特に必要ない。しかしながら、通常では、省電力状態に入っているか否かにかかわらず、相手機側から自機側にプレゼンス情報が送られてくると、そのプレゼンス情報を処理するため、省電力状態から通常状態への復帰が行われ、電源部120は主制御部110などへの電力の供給を再開する。したがって、相手機側から自機側へのプレゼンス情報の送信回数が多くなると、それに伴って省電力状態から通常状態に復帰する回数が多くなり、消費電力の増大を抑制するという効果が小さくなってしまう。
このため、第1実施形態では、省電力状態に入っているときに、プレゼンス情報の処理が行われないようにしている。以下、図7を参照して、第1実施形態の動作(省電力状態に入る際の動作、および、省電力状態から通常状態に復帰する際の動作)について説明する。
まず、図7のフローのスタートは、省電力状態への移行条件が満たされた時点である。
ステップS1において、主制御部110は、各種ジョブ(たとえば、送信ジョブなど)の有無などを確認し、省電力状態に移行可能か否かの判断(省電力状態への移行条件が満たされているか否かの判断)を行う。そして、省電力状態への移行条件が満たされている場合には、ステップS2に進む。その一方、省電力状態への移行条件が満たされていない場合(たとえば、何らかのジョブが有る場合)には、省電力状態への移行条件が満たされるまで、ステップS1の動作を繰り返す。
ステップS2に進むと、プレゼンス機能制御部114bは、現時点で通知依頼を行っているプレゼンス情報の有無を確認する。そして、通知依頼を行っているプレゼンス情報が有れば、ステップS3に進む。その一方、通知依頼を行っているプレゼンス情報が無ければ、ステップS4に進み、省電力状態に入る。
ステップS3に進むと、プレゼンス機能制御部114bは、全てのプレゼンス情報の通知依頼を解除するための通信をネットワーク制御部114aに行わせる。すなわち、ネットワーク制御部114aは、プレゼンスサーバー150に対して、全てのプレゼンス情報の通知依頼の解除を送信する。
そして、ステップS4において、電源部120は、通信部114および操作パネル101を含む復帰条件検知部にのみ電力を供給しながら、主制御部110(印刷やスキャンを行う各部を含む)への電力の供給を停止する。すなわち、省電力状態に入る。
この後、ステップS5において、ユーザーが操作パネル101を操作するなどし、省電力状態から通常状態への復帰条件が満たされると、ステップS6に進み、電源部120は、主制御部110(印刷やスキャンを行う各部を含む)への電力の供給を再開する。すなわち、省電力状態から通常状態に復帰する。
省電力状態から通常状態に復帰すると、ステップS7において、プレゼンス機能制御部114bは、通知依頼を解除したプレゼンス情報の有無を確認する。そして、通知依頼を解除したプレゼンス情報が有れば、ステップS8に進み、プレゼンス機能制御部114bは、通知依頼を解除したプレゼンス情報の通知依頼を再開するための通信をネットワーク制御部114aに行わせる。すなわち、ネットワーク制御部114aは、プレゼンスサーバー150に対して、全てのプレゼンス情報の通知依頼を送信する。その一方、ステップS7において、通知依頼を解除したプレゼンス情報がなければ、ステップS8の動作が省略される。
上記したように、第1実施形態では、ネットワークNTを介して相手機側の通信装置100と通信し、相手機側の通信装置100の状態を示すプレゼンス情報の通知依頼およびその通知依頼の解除を行うとともに、通知依頼を行なっているプレゼンス情報を受信する通信部114と、通信部114が受信したプレゼンス情報を処理する主制御部110と、省電力状態への移行条件が満たされると、通信部114に電力を供給しながら少なくとも主制御部110への電力の供給を停止し、省電力状態から通常状態への復帰条件が満たされると、主制御部110への電力の供給を再開する電源部120と、を備えている。そして、省電力状態に移行するとき、通信部114は、少なくとも所定のプレゼンス情報の通知依頼を解除する。
第1実施形態の構成によれば、省電力状態のとき(電源部120が主制御部110への電力の供給を停止しているとき)、所定のプレゼンス情報が送られてこなくなるので、通信部114は所定のプレゼンス情報を受信しない。したがって、省電力状態のときには、電源部120が主制御部110への電力の供給を再開する(主制御部110に所定のプレゼンス情報を処理させる)、という動作は行われない。これにより、省電力状態から通常状態に復帰する回数が減少し、消費電力の増大を効果的に抑制することができる。
なお、第1実施形態では、省電力状態に移行するとき、通信部114は、所定のプレゼンス情報を含む全てのプレゼンス情報の通知依頼を解除するようになっている。このため、省電力状態のとき、全てのプレゼンス情報が送られてこなくなるので、通信部114はプレゼンス情報そのものを受信しない。したがって、より一層、消費電力の増大を抑制することができる。
また、第1実施形態では、省電力状態から通常状態に復帰するとき、通信部114は、通知依頼を解除したプレゼンス情報の通知依頼を再度行う。このように構成すれば、ユーザーが自機側の通信装置100を使用しているときには、相手機側の通信装置100の状態をリアルタイムでユーザーに認識させることができる。
また、第1実施形態では、電源部120は、省電力状態のとき、通信部114および復帰条件検知部に電力を供給する。このように構成すれば、省電力状態から通常状態への復帰条件が満たされたとき、確実に、電源部120が主制御部110への電力の供給を再開する。また、省電力状態のとき、電源部120の電力供給先としては通信部114および復帰条件検知部だけでよいので、消費電力の増大を抑制する効果が高まる。
(第2実施形態)
以下に、図8を参照して、第2実施形態の動作について説明する。
まず、図8のフローのスタートは、省電力状態への移行条件が満たされた時点である。
ステップS11において、主制御部110は、各種ジョブ(たとえば、送信ジョブなど)の有無などを確認し、省電力状態に移行可能か否かの判断(省電力状態への移行条件が満たされているか否かの判断)を行う。そして、省電力状態への移行条件が満たされている場合には、ステップS12に進む。その一方、省電力状態への移行条件が満たされていない場合(たとえば、何らかのジョブが有る場合)には、省電力状態への移行条件が満たされるまで、ステップS11の動作を繰り返す。
ステップS12に進むと、プレゼンス機能制御部114bは、現時点で通知依頼を行っているプレゼンス情報の有無を確認する。そして、通知依頼を行っているプレゼンス情報が有れば、ステップS13に進む。その一方、通知依頼を行っているプレゼンス情報が無ければ、ステップS16に進み、省電力状態に入る。
ステップS13に進むと、プレゼンス機能制御部114bは、通知依頼を行っているプレゼンス情報の重要度を判定する。以下、プレゼンス情報の重要度の判定方法の一例を述べる。
たとえば、プレゼンス情報として、オンライン状態(通信可能状態)であるというプレゼンス情報と、オフライン状態(通信不可状態)であるというプレゼンス情報とがあるとする。また、省電力状態に移行する前に、複数の相手機のうちの所定の相手機がオフライン状態であるというプレゼンス情報が通知され、そのまま省電力状態に移行したとする。
上述の条件下では、仮に、自機側が所定の相手機にFAX送信を試みたとしても、所定の相手機はオフライン状態であるので、送信不可となる。ここで、自機側が一刻も早く所定の相手機へのFAX送信を完了させたい場合、自機側は、所定の相手機がオンライン状態に復帰したというプレゼンス情報をリアルタイムで通知して欲しいと考える。これにより、自機側においては、所定の相手機がオンライン状態であるというプレゼンス情報が重要度の高いプレゼンス情報となり、それ以外のプレゼンス情報は重要度の低いプレゼンス情報となる。すなわち、この場合、プレゼンス機能制御部114bは、現時点でオフライン状態となっている相手機のプレゼンス情報を重要度が高いと判定する。
別の例として、自機側から見て、複数の相手機のうちの所定の相手機との通信が他の相手機との通信よりも頻繁に行われるとする。この条件下では、たとえば、自機側は、所定の相手機に関する全てのプレゼンス情報をリアルタイムで通知して欲しいと考える。このため、自機側においては、所定の相手機に関する全てのプレゼンス情報が重要度の高いプレゼンス情報となり、それ以外のプレゼンス情報は重要度の低いプレゼンス情報となる。すなわち、この場合、プレゼンス機能制御部114bは、所定の相手機に関する全てのプレゼンス情報を重要度が高いと判定する。この判定を実現するため、記憶部113は、各相手機との通信回数や通信日時(通信履歴)を一定期間記憶しておく。そして、プレゼンス機能制御部114bは、単位時間(たとえば、1日〜1週間など)あたりの送受信回数が予め定められた回数よりも多い相手機のプレゼンス情報を重要度が高いと判定するようになっている。
なお、プレゼンス情報の重要度は、たとえば、ユーザーから受け付けた指示に基づいて設定されるようになっていてもよい。この場合、プレゼンス情報の重要度の設定は、ユーザーが操作パネル101に対して入力操作を行うことによってなされる。
以下に、図9を参照して、ユーザーによるプレゼンス情報の重要度の設定操作の一例を説明する。なお、図9は、たとえば、図5で示したプレゼンス情報設定画面において、相手機の宛先名称や番号「1」を押下したときに表示される重要度設定画面である。この重要度設定画面では、各宛先(相手機)ごとに、プレゼンス情報の重要度を設定することができる。
たとえば、重要度設定画面では、プレゼンス情報の種類が複数表示される。そして、たとえば、所定の相手機がオンライン状態であることを示すプレゼンス情報の重要度のみを高くしたければ、ユーザーは、「オンライン」を選択してチェックボックスCBにチェックを入れ、それ以外は選択しないようにすればよい。これにより、プレゼンス機能制御部114bは、「オンライン」のプレゼンス情報が通知されるように振る舞う。たとえば、現時点における所定の相手機の状態が「オンライン」であれば、プレゼンス機能制御部114bは通知依頼を解除し、現時点における所定の相手機の状態が「オフライン」であれば、プレゼンス機能制御部114bは通知依頼を解除しない。
図8に戻って、ステップS13からステップS14に進むと、プレゼンス機能制御部114bは、重要度の低いプレゼンス情報の通知依頼を行っているか否かを判断する。そして、重要度の低いプレゼンス情報の通知依頼を行っていれば、ステップS15に進む。その一方、重要度の低いプレゼンス情報の通知依頼を行っていなければ、ステップS16に進み、省電力状態に入る。
ステップS15に進むと、プレゼンス機能制御部114bは、重要度の低いプレゼンス情報の通知依頼を解除するための通信をネットワーク制御部114aに行わせる。すなわち、ネットワーク制御部114aは、プレゼンスサーバー150に対して、重要度の低いプレゼンス情報の通知依頼の解除を送信する。なお、重要度の高いプレゼンス情報については、通知依頼の解除は行わない。
そして、ステップS16において、電源部120は、通信部114および操作パネル101を含む復帰条件検知部にのみ電力を供給しながら、主制御部110(印刷やスキャンを行う各部を含む)への電力の供給を停止する。すなわち、省電力状態に入る。
この後、ステップS17において、ユーザーが操作パネル101を操作するなどし、省電力状態から通常状態への復帰条件が満たされると、ステップS18に進み、電源部120は、主制御部110(印刷やスキャンを行う各部を含む)への電力の供給を再開する。すなわち、省電力状態から通常状態に復帰する。
省電力状態から通常状態に復帰すると、ステップS19において、プレゼンス機能制御部114bは、通知依頼を解除した重要度の低いプレゼンス情報の有無を確認する。そして、通知依頼を解除した重要度の低いプレゼンス情報が有れば、ステップS20に進み、プレゼンス機能制御部114bは、通知依頼を解除した重要度の低いプレゼンス情報の通知依頼を再開するための通信をネットワーク制御部114aに行わせる。すなわち、ネットワーク制御部114aは、プレゼンスサーバー150に対して、重要度の低いプレゼンス情報の通知依頼を送信する。その一方、ステップS19において、通知依頼を解除した重要度の低いプレゼンス情報がなければ、ステップS20の動作が省略される。
上記したように、第2実施形態では、通信部114は、重要度の高いプレゼンス情報(第1プレゼンス情報)については通知依頼を解除せず、重要度の低いプレゼンス情報(第2プレゼンス情報)については通知依頼を解除する。このように構成すれば、消費電力の増大を抑制しつつ、重要度の高いプレゼンス情報についてはリアルタイムで把握したい、といったユーザーの要望に応えることができる。
また、第2実施形態の構成において、ユーザーが行う操作パネル101(操作部)の入力操作に応じて、プレゼンス情報が重要度の高いプレゼンス情報と重要度の低いプレゼンス情報とに分類されるようになっていれば、容易に、ユーザーが必要とする重要度の高いプレゼンス情報をユーザーに認識させることができる。
(第3実施形態)
以下に、図10を参照して、第3実施形態の動作について説明する。
まず、図10のフローのスタートは、省電力状態への移行条件が満たされた時点である。
ステップS21において、主制御部110は、各種ジョブ(たとえば、送信ジョブなど)の有無などを確認し、省電力状態に移行可能か否かの判断(省電力状態への移行条件が満たされているか否かの判断)を行う。そして、省電力状態への移行条件が満たされている場合には、ステップS22に進む。その一方、省電力状態への移行条件が満たされていない場合(たとえば、何らかのジョブが有る場合)には、省電力状態への移行条件が満たされるまで、ステップS21の動作を繰り返す。
ステップS22に進むと、電源部120は、通信部114および操作パネル101を含む復帰条件検知部にのみ電力を供給しながら、主制御部110(印刷やスキャンを行う各部を含む)への電力の供給を停止する。すなわち、省電力状態に入る。
省電力状態に入っているとき、ステップS23に進む。そして、プレゼンス情報を受信すれば、ステップS24に進み、プレゼンス機能制御部114bは、受信したプレゼンス情報を記憶部114cに蓄積する。そして、ステップ25に進む。その一方、ステップS23において、プレゼンス情報を受信しなければ、ステップS24を省略してステップS25に進む。
この後、ステップS25において、ユーザーが操作パネル101を操作するなどし、省電力状態から通常状態への復帰条件が満たされると、ステップS26に進み、電源部120は、主制御部110(印刷やスキャンを行う各部を含む)への電力の供給を再開する。すなわち、省電力状態から通常状態に復帰する。
続いて、ステップS27において、主制御部110は、記憶部114cに蓄積されたプレゼンス情報が存在するか否かを確認する。そして、蓄積されたプレゼンス情報が存在すれば、ステップS28に進み、主制御部110は、蓄積されたプレゼンス情報を取得し、そのプレゼンス情報に応じた処理(たとえば、プレゼンス情報を液晶表示部11に表示させるなど)を行う。なお、ステップS27において、蓄積されたプレゼンス情報が存在しなければ、ステップS28の動作は省略される。
上記したように、第3実施形態では、ネットワークNTを介して相手機側の通信装置100と通信し、相手機側の通信装置100の状態を示すプレゼンス情報の通知依頼およびその通知依頼の解除を行うとともに、通知依頼を行なっているプレゼンス情報を受信する通信部114と、通信部114が受信したプレゼンス情報を処理する主制御部110と、省電力状態への移行条件が満たされると、通信部114に電力を供給しながら少なくとも主制御部110への電力の供給を停止し、省電力状態から通常状態への復帰条件が満たされると、主制御部110への電力の供給を再開する電源部120と、を備えている。そして、通信部114は、省電力状態のときに受信したプレゼンス情報を蓄積する記憶部114cを有し、電源部120は、省電力状態のときに通信部114がプレゼンス情報を受信しても、主制御部110への電力の供給を再開しない。
第3実施形態の構成によれば、省電力状態のとき(電源部120が主制御部110への電力の供給を停止しているとき)、受信したプレゼンス情報は通信部114(記憶部114c)に蓄積される。したがって、省電力状態のときには、電源部120が主制御部110への電力の供給を再開する(主制御部110にプレゼンス情報を処理させる)、という動作は行われない。これにより、省電力状態から通常状態に復帰する回数が減少し、消費電力の増大を効果的に抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。