以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限られるものではない。なお、「構成する」、「より成る」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「備える」又はそれらの他の何らかの同義語は、非排他的な包含関係をカバーするように意図される。例えば、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素だけに限定されることは必須でなく、明示的には列挙されていない又は本来備わっているはずの他の要素が、そのようなプロセス、方法、物品又は装置に含まれてもよい。さらに、明示的に言及しない限り、「又は」は包括的なものであり、排他的な和ではない。例えば、「条件A又はB」は、Aが存在し且つBが存在しない場合、Aが存在せず且つBが存在する場合、AもBも両方とも存在する場合の何れの場合でも満たされる。
本開示はここで説明される処理を実行する装置にも関連している。その装置は、必要な目的に応じて特別に構築されてもよいし、コンピュータに格納されているコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされる又は再構成される汎用コンピュータで構築されてもよい。そのようなコンピュータプログラムはコンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されてもよく、その記憶媒体は、限定ではないが、フロッピディスク、光ディスク、CD−ROM、磁気光ディスク、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、EPROM、EEPROM、磁気又は光カード等の如何なるタイプのディスクを含んでもよいものであり、電子的な命令を格納するのに上記で指摘した如何なるタイプの媒体を含んでもよいものであって、ディスクも媒体もそれぞれコンピュータシステムバスに結合されるものである。
実施形態1.
図1は、本開示を適用した実施形態1に係る情報処理システム1の全体構成例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1は、画像形成装置5のような装置と、外部端末7とが通信し、且つ装置の位置をフロアマップにマッピングするマッピング処理が実行されるものである。マッピング処理は、1つ以上のプロセッサにより制御されるものであり、1つ以上のプロセッサは、メモリに格納される1個以上のモジュールを実行するものである。情報処理システム1は、ネットワーク11を介して、クライアントPC2と、サーバー3と、画像形成装置5と、外部端末7とが通信可能となっている。クライアントPC2は、一般的なパーソナルコンピュータであり、オペレーティングシステムにより制御されるものである。クライアントPC2は、マッピング処理を実行する1個以上のモジュールがインストールされることにより、サーバー3と連携してマッピング処理を実行することができるものである。なお、マッピング処理を実行する1個以上のモジュールはサーバー3にもインストールされるのが好ましい。
図2は、実施形態1に係る画像形成装置5の構成例を示すブロック図である。画像形成装置5は、クライアントPC2より出力された印刷ジョブをネットワーク11経由で受信し、印刷ジョブの印刷設定に従い印刷処理を行うものである。画像形成装置5は、印刷機能のみを遂行するものであってもよく、複写機能等も遂行可能なMFP(Multi−Functional Peripheral)であってもよい。画像形成装置5は、印刷を実現する機能と、ビーコン信号を発信する機能とが搭載されるものであって、コントローラー51、格納部52、印刷出力部53、通信部54、ビーコン送信部55、及び操作部56等を備え、これらを複合的に動作させることにより各種機能を遂行するものである。
コントローラー51は、画像形成装置5に内蔵されるものであって、画像形成装置5を統括的に制御する制御装置である。コントローラー51は、1つ以上のプロセッサから構成されるものであり、具体的には、CPU、I/Oインターフェース、並びにRAM及びROM等のような各種半導体メモリを備えるものである。コントローラー51は、ROMに格納されている1個以上のモジュールからなる各種ソフトウェアをCPUが実行することにより各種処理を実行する。なお、各種ソフトウェアは、USBメモリのような可搬性の記録媒体又はネットワーク11等を介して画像形成装置5にインストールされるものであってもよい。具体的には、コントローラー51は、各種モジュールを実行することにより、通信制御部511、ビーコン制御部512、及び動作制御部513を含む各種機能を遂行する。通信制御部511は、通信部54と協働することにより、外部端末7又はクライアントPC2等のような各種機器との間の通信動作を制御するものである。ビーコン制御部512は、ビーコン送信部55と協働することにより、パケット情報を含むビーコン信号及びビーコン信号の送出間隔を制御するものである。動作制御部513は、画像形成装置5が行う印刷出力動作等のような各種動作を制御するものである。
印刷出力部53は、印刷ジョブに基づき、紙等のような各種媒体に画像を印刷出力するものである。通信部54は、TCP/IPによるネットワーク通信により、外部端末7又はクライアントPC2等のような各種機器から印刷ジョブを受信するためのインターフェースである。画像形成装置5は、例えば、外部端末7、クライアントPC2、及びサーバー3等との間で、通信部54を介して各種情報を送受信することができる。
ビーコン送信部55は、無線通信によるビーコン信号を送出することができるものである。ビーコン送信部55は、予め設定された出力の無線電波のビーコン信号を送出する。ビーコン信号は、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、又はBluetooth Low Energy、Bluetooth Smart(登録商標)、iBeacon(登録商標)の何れかに準拠したものである。なお、ビーコン信号は、ZigBee(登録商標)に準拠したものであってもよい。具体的には、ビーコン送信部55は、一定の送出間隔でビーコン信号を繰り返し送出する。ビーコン信号は、例えば、画像形成装置5のような装置を一意に識別可能な固有の装置識別情報等を含む。よって、画像形成装置5のような装置が複数配置されている場合、それぞれに装置識別情報が割り当てられ、そのような装置識別情報がビーコン信号に含まれるため、ビーコン信号に含まれる装置識別情報を抽出すれば、ビーコン信号の送出元となる装置を特定することができる。
つまり、1個以上のモジュールは、抽出指示と、送出元特定指示とをさらに含むものである。抽出指示は、ビーコン信号に含まれる装置識別情報を抽出するためのものである。送出元特定指示は、抽出指示により抽出された装置識別情報に基づき、ビーコン信号の送出元となる装置を特定するためのものである。装置識別情報は、MIB情報が含まれるものである。よって、抽出指示は、MIB情報を抽出すればよいものである。送出元特定指示は、抽出指示により抽出されたMIB情報に基づき、ビーコン信号の送出先となる装置を特定するものである。
ビーコン送信部55から送出されたビーコン信号は、次第に減衰しながら空気中を伝搬するため、ビーコン信号の電波強度は、画像形成装置5のような装置との距離が短い位置ほど強くなり、画像形成装置5のような装置との距離が遠い位置ほど弱くなる傾向がある。つまり、ビーコン信号は、ある一定の距離の範囲内で無線受信が可能な無線信号である。よって、ビーコン信号が受信できる機器は、ビーコン信号の送出元からある一定の距離の範囲内に存在していると言える。なお、送出元特定指示は、ビーコン信号の信号強度に基づき、外部端末7と同一のフロアに存在するビーコン信号の送出元となる装置を特定するものであってもよい。
格納部52は、ハードディスクドライブ又は半導体メモリ等のようなメモリであり、MIB(Management Information Base)情報を格納することができる。操作部56は、操作入力部561及び表示部562を備える。操作入力部561は、画像形成装置5の各種操作を受け付けるものである。表示部562は、各種情報を出力して表示するものである。
図3は、実施形態1に係る外部端末7の構成例を示すブロック図である。図3においては、外部端末7の一例としてスマートフォンを例示するが、タブレット型端末、無線機能付きの腕時計、又はFlashAir(登録商標)を搭載したデジタルカメラ等であってもよい。外部端末7は、画像形成装置5から送出されたビーコン信号を受信する機能を遂行することができる機器である。外部端末7は、Bluetooth Low Energy(Bluetooth4.0)に対応する機器であれば、ビーコン信号がiBeacon(登録商標)であっても受信することができる。外部端末7は、自機の位置情報を検出する機能を遂行することもできる機器である。外部端末7は、コントローラー71、格納部72、通信部73、操作部76、位置情報検出部77、及び外部端末移動検知部78等を備え、これらを複合的に動作させることにより、各種機能を遂行するものである。
コントローラー71は、外部端末7に内蔵されるものであって、外部端末7を統括的に制御する制御装置である。コントローラー71は、1つ以上のプロセッサから構成されるものであり、具体的には、CPU、I/Oインターフェース、並びにRAM及びROM等のような各種半導体メモリを備えるものである。コントローラー71は、ROMに格納されている1個以上のモジュールからなる各種ソフトウェアをCPUが実行することにより各種処理を実行する。なお、各種ソフトウェアは、USBメモリのような可搬性の記録媒体又はネットワーク11等を介して外部端末7にインストールされるものであってもよい。具体的には、コントローラー71は、各種モジュールを実行することにより、通信制御部711、時間情報取得部712、及び端末識別情報取得部713を含む各種機能を遂行する。通信制御部711は、通信部73と協働することにより、画像形成装置5、クライアントPC2、又はサーバー3等のようなものとの間の通信動作を制御するものである。時間情報取得部712は、時間情報を取得するものであり、例えば、ビーコン信号を受信時の時間情報を取得することができる。時間情報取得部712は、不図示の時計部から時間情報を取得するだけでなく、長波標準周波数局等から送信される標準電波等のような国の基準となる時間を含む電波から時間情報を取得してもよい。また、時間情報取得部712は、後述するGPSセンサー774を用いてGPS時を時間情報として取得してもよい。
端末識別情報取得部713は、外部端末7を一意に識別可能な固有の端末識別情報を取得するものである。このような端末識別情報は、外部端末7ごとに割り当てられるものである。よって、外部端末7が複数存在している場合、それぞれに端末識別情報が割り当てられ、そのような端末識別情報が外部端末7に保持されているため、端末識別情報を用いることにより、複数の外部端末7のうち、ビーコン信号の送出先となる外部端末7を特定することができる。なお、1個以上のモジュールは、送出先特定指示をさらに含むものである。送出先特定指示は、端末識別情報に基づき、ビーコン信号の送出先となる外部端末7を特定するためのものである。
位置情報検出部77は、外部端末7の位置情報、すなわち、自機の位置情報を検出する機能を遂行するものである。位置情報検出部77は、加速度センサー771、ジャイロセンサー772、及び磁気方位センサー773のうち少なくとも1つと、GPSセンサー774とを備える。位置情報検出部77は、GPSを受信できる屋外のような環境である場合、GPSセンサー774により自機の位置情報を検出する。位置情報検出部77は、GPSを受信できない屋内のような環境である場合、加速度センサー771、ジャイロセンサー772、及び磁気方位センサー773等のような各種センサーを少なくとも1つ用いることにより自機の位置情報を推定する。なお、各種センサーを用いて自機の位置情報を推定する場合、詳細についての説明は省略するが、カーナビゲーションシステム等で実施されているように、各種センサーのゲイン誤差をカルマンフィルタにより推定して求めればよい。
通信部73は、複数の異なる通信方式による無線通信を遂行することができるものである。通信部73は、ビーコン受信部731、ビーコン取得時情報通信部732、及び装置移動情報通信部733を備える。ビーコン受信部731は、画像形成装置5のような装置から送出されるビーコン信号を受信する機能を遂行するものである。ビーコン取得時情報通信部732は、画像形成装置5又はサーバー3に各種データを送受信する機能を遂行するものである。ビーコン取得時情報通信部732は、ビーコン受信部731によりビーコン信号が受信されると、位置情報検出部77により検出された自機の位置情報、画像形成装置5のような装置のパケット情報、画像形成装置5のような装置と外部端末7との間の距離情報、ビーコン信号受信時の時間情報、及び端末識別情報等をサーバー3に送信する。画像形成装置5のような装置のパケット情報は、装置識別情報が含まれるものであり、具体的には、IPアドレス及びMIB情報である。画像形成装置5のような装置と外部端末7との間の距離情報は、ビーコン信号の電波強度から換算して求めればよい。
つまり、外部端末7は、装置識別情報、信号強度、自機の位置情報、時間情報、及び端末識別情報のようなサーバー送信情報をサーバー3に送信するものである。装置移動情報通信部733は、画像形成装置5のような装置の位置の変化が有ると判定される場合、すなわち、画像形成装置5のような装置が移動した場合、その旨をサーバー3に通知する機能を遂行するものである。
格納部72は、ハードディスクドライブ又は半導体メモリ等のようなメモリであり、サーバー送信情報及び装置移動通知情報を格納するものである。サーバー送信情報は、上記で説明したように、装置識別情報、信号強度、自機の位置情報、時間情報、及び端末識別情報であって、受信時の時間情報の経時的な履歴として逐次蓄積されるものである。装置移動通知情報は、サーバー3から受信する情報であって、重要度に応じた受信確認期間が格納される。重要度は、詳細については後述するが、最も頻繁に画像形成装置5のような装置からビーコン信号を受信した外部端末7が最も重要であるとする指標である。
つまり、ビーコン信号の受信頻度に応じた受信確認期間と、外部端末7がビーコン信号を受信しなかった期間とを比較することにより、画像形成装置5のような装置の位置の変化の有無を判定するものである。外部端末移動検知部78は、過去に画像形成装置5のような装置のビーコン信号を受信したときの外部端末7の自機の位置情報と、現在の外部端末7の自機の位置情報とが異なるか否かを検知するものである。よって、外部端末移動検知部78は、外部端末7自体が移動したか否かを検知するものである。
具体的には、1個以上のモジュールは、判定指示と、反映指示とを含むものである。判定指示は、通信部73によりビーコン信号を受信した場合、位置情報検出部77により検出された外部端末7の自機の位置情報と、時間情報取得部712により取得された時間情報と、に基づき、画像形成装置5のような装置の位置の変化の有無を判定するためのものである。より具体的には、判定指示は、外部端末7が画像形成装置5のような装置からビーコン信号を受信しない期間が演算指示により演算された重要度に応じた受信確認期間を超える場合、装置の位置の変化が有ると判定するものである。ただし、判定指示は、現在の外部端末7の自機の位置情報が過去にビーコン信号を受信したときと同じである場合、ビーコン信号を受信しない期間が受信確認期間を超えるか否かを判定するものである。反映指示は、判定指示によりそのような装置の位置の変化が有ると判定された場合、装置の位置の変化をフロアマップに反映させるためのものである。なお、フロアマップの詳細については後述する。
操作部76は、操作入力部761及び表示部762を備える。操作入力部761は、外部端末7の各種操作を受け付けるものである。表示部762は、各種情報を出力して表示するものである。なお、外部端末7はスマートフォンであるため、操作部76は、液晶表示パネルに圧電センサー等が埋め込まれて構成されたタッチパネルが設けられている。タッチパネルは、操作入力部761として機能すると共に、表示部762として機能するものである。
図4は、実施形態1に係るサーバー3の構成例を示すブロック図である。サーバー3は、画像形成装置5のような装置及びスマートフォンのような外部端末7を管理し、且つフロアマップの地図情報を保持するものである。サーバー3は、コントローラー31、格納部32、通信部33、及び操作部34等を備え、これらを複合的に動作させることにより、各種機能を遂行するものである。
コントローラー31は、サーバー3に内蔵されるものであって、サーバー3を統括的に制御する制御装置である。コントローラー31は、1つ以上のプロセッサから構成されるものであり、具体的には、CPU、I/Oインターフェース、並びにRAM及びROM等のような各種半導体メモリを備えるものである。コントローラー31は、ROMに格納されている1個以上のモジュールからなる各種ソフトウェアをCPUが実行することにより各種処理を実行する。
なお、各種ソフトウェアは、USBメモリのような可搬性の記録媒体又はネットワーク11等を介してサーバー3にインストールされるものであってもよい。具体的には、コントローラー31は、各種モジュールを実行することにより、通信制御部311及び位置情報算出部312を含む各種機能を遂行する。通信制御部311は、通信部33と協働することにより、画像形成装置5、クライアントPC2、又は外部端末7等のようなものとの間の通信動作を制御するものである。位置情報算出部312は、外部端末7から受信したサーバー送信情報に基づき、ビーコン信号を送出した画像形成装置5のような装置のフロアマップ上の位置の変化を算出するものである。
通信部33は、TCP/IPによるネットワーク通信により、サーバー送信情報を受信するためのインターフェースであり、ビーコン取得時情報通信部331を備え、ビーコン取得時情報通信部331により各種情報を送受信する機能を遂行することができる。サーバー3は、例えば、画像形成装置5、外部端末7、及びクライアントPC2等との間で、通信部33を介して各種情報を送受信することができる。操作部34は、操作入力部341及び表示部342を備える。操作入力部341は、サーバー3の各種操作を受け付けるものである。表示部342は、各種情報を出力して表示するものである。
格納部32は、ハードディスクドライブ又は半導体メモリ等のようなメモリであり、外部端末送信情報、重要度情報、受信確認期間情報、装置位置情報、及び地図情報を格納するものである。外部端末送信情報は、外部端末7から送信されるサーバー送信情報である。重要度情報は、演算指示により外部端末7の重要度を求めたものである。演算指示は、1個以上のモジュールに含まれるものであって、端末識別情報で特定される外部端末7ごとに、画像形成装置5のような装置から外部端末7に送出されるビーコン信号の送出回数と、外部端末7が画像形成装置5のような装置から受信するビーコン信号の受信回数と、に基づき外部端末7の重要度を求めるものである。
受信確認期間情報は、外部端末7が画像形成装置5のような装置からビーコン信号を受信しない期間を判定するための受信確認期間に相当する情報である。装置位置情報は、画像形成装置5のような装置がフロアマップ上のどの位置に配置されているかを特定するものである。地図情報は、フロアマップに関する情報であって、例えば、オフィス内のデスク及び通路等を特定するものである。よって、マッピング処理をするときには、装置位置情報と、地図情報とを連動させて使用するのが好ましい。
なお、1個以上のモジュールは、通知指示をさらに含む。通知指示は、判定指示により装置の位置の変化が有ると判定された旨をサーバー3に通知するためのものである。よって、サーバー3は、通知指示により装置の位置の変化が有ると判定された旨が通知された場合、フロアマップの地図情報を更新するものである。受信確認期間は、ビーコン信号の一定の送出間隔と、反映指示により装置の位置の変化をフロアマップに反映させる更新間隔と、に基づき設定されるものである。更新間隔は、ビーコン信号の一定の送出間隔よりも長く設定されるものである。
図5は、実施形態1に係るオフィスのフロアマップの一例を示す図である。図5に示すフロアマップは、図4の地図情報を可視化させたものである。図6は、実施形態1に係る画像形成装置5及び外部端末7の位置関係を含むフロアマップの一例を示す図である。図6に示すものは、図4の地図情報に図4の装置位置情報を追加したものを可視化させたものである。例えば、同一のフロアー上に、フロアマップの(F)行(2)列に画像形成装置5がプリンター(A)として配置され、2台の外部端末7が外部端末(1),(2)として存在している。外部端末(1)はフロアマップの(F)行(2)列に存在し、外部端末(2)はフロアーマップの(A)行(4)列に存在している。よって、外部端末(1)を所有するユーザーはフロアマップの(F)行(2)列の位置に席があり、常にビーコン信号を受信することができると想定される。一方、外部端末(2)を所有するユーザーはフロアマップの(A)行(4)列の位置に席があり、ビーコン信号を受信することができないと想定される。よって、外部端末(2)を所有するユーザーがプリンター(A)の近くを通行するときに外部端末(2)はビーコン信号を受信することができると想定される。なお、ビーコン信号を送出する時間及び送出間隔はプリンター(A)で自由に設定可能である。例えば、業務時間の9:00〜17:00の間だけ、10分間隔で送出するというようにスケジューリングすることができる。ビーコン信号であるiBeaconで送信するパケットとして、プリンター(A)が特定される装置識別情報を送信するが、ここでは、プリンター(A)が所有するMIB情報のOID(Object IDentifier)を送信するものと想定する。
図7は、実施形態1に係るフロアマップの地図情報を更新する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、ステップS12の自機とは外部端末7を指し、ステップS15,S16の装置とは画像形成装置5を指す。また、ステップS12の処理及びステップS13の処理は逐次実行、同一機器内における並行実行、異なる機器における並列実行の何れであってもよい。また、ステップS13の処理の後に、ステップS12の処理が実行されてもよい。
ステップS11において、外部端末7がビーコン信号を受信したか否かが判定される。外部端末7がビーコン信号を受信したと判定された場合(ステップS11;Y)、ステップS12に処理が移行する。一方、外部端末7がビーコン信号を受信しないと判定された場合(ステップS11;N)、そのままステップS11の処理が待機状態となる。ステップS12において、自機の位置情報が検出される。ステップS13において、時間情報が取得される。ステップS14において、自機の位置情報と、時間情報とに基づき、装置の位置の変化が有るか否かが判定される。自機の位置情報と、時間情報とに基づき、装置の位置の変化が有ると判定される場合(ステップS14;Y)、ステップS15に処理が移行する。一方、自機の位置情報と、時間情報とに基づき、装置の位置の変化が無いと判定される場合(ステップS14;N)、フロアマップの地図情報を更新する処理は終了する。ステップS15において、装置の位置の変化がフロアマップに反映されてからフロアマップの地図情報を更新する処理は終了する。
図8は、実施形態1に係る装置が複数配置されている環境下において装置を特定する処理の一例を説明するフローチャートである。ステップS31において、ビーコン信号に含まれる装置識別情報が抽出される。ステップS32において、装置識別情報に基づき、複数の装置のうち、ビーコン信号の送出元となる装置が特定され、装置が複数配置されている環境下において装置を特定する処理は終了する。
図9は、実施形態1に係る外部端末7が複数存在している環境下において外部端末7を特定する処理の一例を説明するフローチャートである。ステップS41において、端末識別情報が抽出される。ステップS42において、端末識別情報に基づき、複数の外部端末7のうちビーコン信号の送出先となる外部端末7が特定され、外部端末7が複数存在している環境下において外部端末7を特定する処理は終了する。
図10は、実施形態1に係る装置が複数存在している環境下においてMIB情報により装置を特定する処理の一例を説明するフローチャートである。ステップS51において、MIB情報が抽出される。ステップS52において、MIB情報に基づき、複数の装置のうちビーコン信号の送出元となる装置が特定され、装置が複数存在している環境下においてMIB情報により装置を特定する処理は終了する。具体的には、SNMPを使用してOIDでMIB情報に含まれる装置に関する情報を特定する。例えば、装置のシステム名を取得するOIDは、iso.org.dod.internet.mgmt.mib−2.system.sysNameとなる。つまり、ビーコン信号に含まれる装置識別情報として、MIB情報のOIDが外部端末7に送出されるため、外部端末7側では、MIB情報のOIDを抽出すれば、ビーコン信号の送出先となる装置を特定することができる。
図11は、実施形態1に係る外部端末7と同一のフロアに存在する装置を特定する処理の一例を説明するフローチャートである。ステップS61において、ビーコン信号の信号強度が抽出される。ステップS62において、ビーコン信号の信号強度に基づき、外部端末7と同一のフロアに存在するビーコン信号の送出元となる装置が特定され、外部端末7と同一のフロアに存在する装置を特定する処理は終了する。
図12は、実施形態1に係る外部端末7からサーバー3に各種情報を送信する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、ステップS72〜S75の処理は逐次実行、同一機器内における並行実行、異なる機器における並列実行の何れであってもよい。つまり、ステップS72〜S75の処理は、ステップS76の処理の前には終了していれば、順序不同なものである。
ステップS71において、ビーコン信号を受信したか否かが判定される。ビーコン信号を受信したと判定される場合(ステップS71;Y)、ステップS72に処理が移行する。一方、ビーコン信号を受信しないと判定される場合(ステップS71;N)、そのままステップS71の処理が待機状態となる。ステップS72において、ビーコン信号に含まれる装置識別情報及びビーコン信号の信号強度が抽出される。ステップS73において、自機の位置情報が抽出される。ステップS74において、時間情報が抽出される。ステップS75において、端末識別情報が抽出される。ステップS76において、装置識別情報、信号強度、自機の位置情報、時間情報、及び端末識別情報がサーバー3に送信される。
図13は、実施形態1に係るサーバー3が保持するデータテーブルのうち外部端末送信情報の一部の一例を示す図である。図13の一例は、外部端末7のサーバー送信情報がサーバー3で外部端末送信情報として記憶されたものの一部を示すものである。プリンター(A)のビーコン信号は9:00〜12:00までの間には10分間隔の送出間隔で計19回外部端末(1)に送出され、外部端末(1)はその全てのビーコン信号を受信できている。一方、外部端末(2)は、10:10の一度のみしかビーコン信号を受信できていない。ビーコン受信時の外部端末(1),(2)の位置情報はフロアマップの(F)列(2)行である。よって、プリンター(A)の位置情報として(F)列(2)行が装置位置情報として保存される。
図14は、実施形態1に係る外部端末7に表示させるフロアマップであって、且つ装置の位置を関連付けたものの一例を示す図である。サーバー3は、外部端末7から画像形成装置5の装置位置情報の要求を受けると、地図情報として保存しているフロアマップと、フロアマップの(F)列(2)行というプリンター(A)の装置位置情報とを外部端末7に送信する。外部端末7はサーバー3から取得したフロアマップにプリンター(A)の位置を重ね合わせることにより、図14のようなフロアマップを表示可能である。
図15は、実施形態1に係る外部端末7の重要度を演算する処理の一例を説明するフローチャートである。図16は、実施形態1に係るサーバー3が保持するデータテーブルのうち重要度の項目の一例を示す図である。図17は、実施形態1に係る外部端末7の受信確認期間に応じた処理の一例を説明するフローチャートである。図18は、実施形態1に係るサーバー3が保持するデータテーブルのうち外部端末7の重要度及び受信確認期間の項目の一例を示す図である。図19は、実施形態1に係る外部端末7の受信確認期間を設定する処理の一例を説明するフローチャートである。
ステップS91〜S95の処理は、画像形成装置5から送出されるビーコン信号の送出回数と、外部端末7が受信したビーコン信号の受信回数とにより、各外部端末7ビーコン信号の受信成功率を演算し、その演算結果を外部端末7の重要度とするものである。この重要度に応じて画像形成装置5の位置の変化をサーバー3に通知するまでの時間として図18に示す受信確認期間が設定される。なお、ステップS91の処理及びステップS92の処理は、逐次実行、同一機器内における並行実行、異なる機器における並列実行の何れであってもよい。つまり、ステップS91,S92の処理は、ステップS93の処理の前には終了していれば、順序不同なものである。また、ステップS91の処理を始める前工程として、例えば、サーバー3の格納部32に格納される外部端末送信情報が取得されるが、外部端末7の格納部72に格納されるサーバー送信情報が取得されるものであってもよい。
ステップS91において、装置から外部端末7に送出されるビーコン信号の送出回数が取得される。ステップS92において、外部端末7が装置から受信するビーコン信号の受信回数が取得される。ステップS93において、装置から外部端末7に送出されるビーコン信号の送出回数と、外部端末7が装置から受信するビーコン信号の受信回数と、に基づき、外部端末7の重要度が求められる。ステップS94において、他に端末識別情報で特定される外部端末7が存在するか否かが判定される。他に端末識別情報で特定される外部端末7が存在すると判定される場合(ステップS94;Y)、ステップS91に戻り、ステップS91〜S93の処理が繰り返される。一方、他に端末識別情報で特定される外部端末7が存在しないと判定される場合(ステップS94;N)、ステップS95に処理が移行する。ステップS95において、求めた外部端末7の重要度が該当する外部端末7に通知され、外部端末7の重要度を演算する処理は終了する。なお、後述するように、重要度の通知の際、重要度と共に、その重要度に応じた受信確認期間も合わせて通知される。また、重要度は、図16に示すように、受信成功率が高いものであるにつれ、高いものとなるように設定される。例えば、外部端末(1)は重要度が100%であり、外部端末(2)は重要度が5%である。
ステップS111〜S114の処理は、サーバー3側の処理である。一方、ステップS131〜S136の処理は、外部端末7側の処理である。ステップS111において、重要度が通知される。ステップS112において、重要度に応じた受信確認期間が通知される。ステップS113において、装置の位置の変化が有ると判定された旨の通知がされたか否かが判定される。装置の位置の変化が有ると判定された旨の通知がされたと判定される場合(ステップS113;Y)、ステップS114に処理が移行する。一方、装置の位置の変化が有ると判定された旨の通知がされないと判定される場合(ステップS113;N)、そのままステップS113の処理が待機状態となる。ステップS114において、フロアマップの地図情報が更新され、サーバー3側の処理は終了する。
ステップS131において、重要度が取得される。ステップS132において、重要度に応じた受信確認期間が取得される。ステップS133において、現在の自機の位置情報が過去にビーコン信号を受信したときと同じであるか否かが判定される。現在の自機の位置情報が過去にビーコン信号を受信したときと同じであると判定される場合(ステップS133;Y)、ステップS134に処理が移行する。一方。現在の自機の位置情報が過去にビーコン信号を受信したときと同じでないと判定される場合(ステップS133;N)、外部端末7側の処理は終了する。ステップS134において、装置からビーコン信号を受信しない期間が受信確認期間を超えるか否かが判定される。装置からビーコン信号を受信しない期間が受信確認期間を超えると判定される場合(ステップS134;Y)、ステップS135に処理が移行する。一方、装置からビーコン信号を受信しない期間が受信確認期間を超えないと判定される場合(ステップS134;N)、ステップS133に処理が戻る。ステップS135において、装置の位置の変化が有ると判定される。ステップS136において、装置の位置の変化が有ると判定した旨がサーバー3に通知され、外部端末7側の処理は終了する。
なお、図18に示すように、例えば、重要度が80%〜100%の範囲であれば、受信確認期間は1時間である。よって、外部端末(1)は、重要度が100%であるため、ビーコン信号を1時間受信しない場合、サーバー3に装置の位置の変化が有ると通知する。また、例えば、重要度が0%〜20%の範囲であれば、受信確認期間は10日である。よって、外部端末(2)は、重要度が5%であるため、ビーコン信号を10日間連続で受信しない場合、サーバー3に装置の位置の変化が有ると通知する。
つまり、ビーコン信号の受信成功率が上がるにつれ、装置の位置の変化の有無の判定に要する時間が短縮される。なお、受信確認期間は、ステップS151〜S154の処理により設定されるものである。ステップS151において、重要度に応じて受信確認期間が設定されているか否かが判定される。重要度に応じて受信確認期間が設定されていると判定される場合(ステップS151;Y)、外部端末7の受信確認期間を設定する処理は終了する。一方、重要度に応じて受信確認期間が設定されていないと判定される場合(ステップS151;N)、ステップS152の処理が移行する。ステップS152において、ビーコン信号の送出間隔が取得される。ステップS153において、装置の位置の変化をフロアマップに反映させる更新間隔が取得される。ステップS154において、ビーコン信号の送出間隔と、装置の位置の変化をフロアマップに反映させる更新間隔と、に基づき、受信確認期間が設定され、外部端末7の受信確認期間を設定する処理は終了する。
図20は、実施形態1に係る外部端末7に表示させるフロアマップであって、且つ装置の位置の変化に応じて更新されたものの一例を示す図である。サーバー3は、外部端末7から装置位置情報の表示要求を受けると、地図情報として保存しているフロアマップと、フロアマップの(F)列(2)行というプリンター(A)の装置位置情報と、装置の位置の変化を含む装置位置情報と、を外部端末7に送信する。外部端末7はサーバー3から取得したフロアマップにプリンター(A)の位置と装置の位置の変化を含む装置位置情報とを重ね合わせることにより、図20のようなフロアマップを表示可能である。なお、図20の一例では、プリンター(A)の過去の位置をフロアマップに表示した上で、装置の移動が明確になるように「!移動」と文字表示しているが、装置の位置が変化したプリンター(A)は単純にフロアマップに表示させないようにしてもよい。
以上の説明から、本開示を適用した情報処理システム1によれば、一定の送出間隔で送出されるビーコン信号を受信した場合、外部端末7の自機の位置情報と、時間情報と、に基づき、装置の位置の変化の有無が判定され、装置の位置の変化が有る場合、装置の位置の変化をフロアマップに反映させることにより、ビーコン信号を外部端末7に送出できる範囲に装置があるか否かを一定の間隔で判定していることになるため、装置の位置が変化してもその旨をフロアマップに即座に反映させることができる。
また、ビーコン信号に含ませた装置識別情報に基づき、複数の装置のうちビーコン信号の送出元を特定することにより、ビーコン信号がどの装置から送出されたものであるかが特定可能となるため、装置の位置の変化を正確にフロアマップに反映させることができる。
また、外部端末識別情報に基づき、外部端末7のうちビーコン信号の送出先となるものが特定されることにより、装置がどの外部端末7にビーコン信号を送出したのかが明確となるため、外部端末7の位置を基準としてビーコン信号の送出元となる装置の位置を推定することができる。
また、外部端末識別情報で特定される外部端末7ごとに、装置から外部端末7に送出されるビーコン信号の送出回数と、外部端末7が装置から受信するビーコン信号の受信回数と、に基づき外部端末7の重要度を求めることにより、装置からビーコン信号を最も頻繁に受信した外部端末7を特定することができるため、装置の最も近くに存在する外部端末7を特定できる。よって、装置の位置の変化が最も即座に反映される外部端末7を特定することができる。
また、ビーコン信号を受信しない期間が重要度に応じた受信確認期間を超える場合、装置の位置の変化が有ると判定されるものであって、且つ装置の位置の変化が有ると判定された旨が通知された場合、フロアマップの地図情報が更新されることにより、外部端末7と装置との位置関係に応じて装置の位置の変化の有無を判定でき、そのように判定された装置の位置の変化の有無をフロアマップの地図情報に反映させることができるため、装置の周囲に存在する外部端末7の配置状況に応じて装置の位置の変化の有無を判定できる。よって、外部端末7を利用して装置の位置を監視することができる。
また、受信確認期間が、装置から外部端末7にビーコン信号が送出される一定の送出間隔と、装置の位置の変化をフロアマップに反映させる更新間隔と、に基づき設定されるものであって、更新間隔が一定の送出間隔よりも長く設定されていることにより、一定の送出間隔から更新間隔の間で受信確認可能間隔を設定できるため、受信確認可能間隔を基準として受信確認期間を設定できる。よって、受信確認期間を適切に設定することができる。
また、現在の外部端末7の自機の位置情報が過去にビーコン信号を受信したときと同じである場合、ビーコン信号を受信しない期間が受信確認期間を超えるか否かが判定されることにより、外部端末7を所有するユーザーの移動の有無を判定することができるため、外部端末7を所有するユーザー及び装置の何れの位置が変化したかが判断できる。よって、装置の位置の変化の有無の判定の精度を高めることができる。
また、ビーコン信号に含ませたMIB情報に基づき、複数の装置のうちビーコン信号の送出元を特定することにより、SNMPに準拠したネットワーク機器が使用される通信環境下において、ビーコン信号がどの装置から送出されたものであるかが特定可能となるため、マルチベンダーネットワーク環境下において、装置の位置の変化を正確にフロアマップに反映させることができる。
また、ビーコン信号の信号強度に基づき、外部端末7と同一のフロアに存在するビーコン信号の送出元が特定されることにより、ビーコン信号の送出元となる装置が異なるフロアにそれぞれ配置されていたとしても、信号強度の強いものを外部端末7と同一のフロアに存在する装置であると特定することができるため、装置の位置の変化の有無の判定制度を高めることができる。
また、外部端末7の位置を検出するものを、GPSセンサー774と、加速度センサー771、ジャイロセンサー772、及び磁気方位センサー773のうち少なくとも1つとから構成させることにより、外部端末7の位置を正確に検出することができるため、装置の位置の変化の有無の判定の信頼性を高めることができる。
実施形態2.
実施形態2では、画像形成装置5ではなく自動販売機9が装置として情報処理システム1の構成要素となっており、ビーコン信号としてはiBeacon(登録商標)ではなくWi−Fi(登録商標)を利用する。なお、実施形態2において、実施形態1と同様の構成及び機能についてはその説明を省略する。
図21は、本開示を適用した実施形態2に係る情報処理システム1の全体構成例を示す図である。自動販売機9にはWi−Fi(登録商標)のアクセスポイント機能が搭載され、一定の送出間隔でビーコン信号と呼ばれるパケットが送出される。パケットにはMACアドレス情報が含まれる。図22は、実施形態2に係る自動販売機9の構成例を示すブロック図である。自動販売機9は、コントローラー91、格納部92、通信部94、及びビーコン送信部95を備える。コントローラー91は、通信制御部911及びビーコン制御部912を備える。コントローラー91、格納部92、通信部94、ビーコン送信部95、通信制御部911、及びビーコン制御部912は、画像形成装置5に含まれるものと同様の機能を遂行するものであるため、ここではその説明については省略する。ただし、格納部92は、画像形成装置5の格納部52とは異なり、MACアドレス情報が格納される。
つまり、自動販売機9のような装置は、装置識別情報にMACアドレス情報が含まれるものである。よって、抽出指示は、MACアドレス情報を抽出するものである。したがって、送出元特定指示は、抽出指示により抽出されたMACアドレス情報に基づき、ビーコン信号の送出元となる装置を特定するものである。
図23は、実施形態2に係る装置が複数存在している環境下においてMACアドレス情報により装置を特定する処理の一例を説明するフローチャートである。ステップS171において、MACアドレス情報が抽出される。ステップS172において、MACアドレス情報に基づき、複数の装置のうちビーコン信号の送出元となる装置が特定され、装置が複数存在している環境下においてMACアドレス情報により装置を特定する処理は終了する。
自動販売機9は、移動される頻度又は移動した旨をリアルタイムで通知する重要性が画像形成装置5と比べて低いため、受信確認期間は、画像形成装置5の場合と比べ、長めに設定される。図24は、実施形態2に係るサーバー3が保持するデータテーブルのうち外部端末7の重要度及び受信確認期間の項目の一例を示す図である。図24に示すように、例えば、重要度が80%〜100%の範囲であれば、受信確認期間は1日に設定される。また、例えば、重要度が0%〜20%の範囲であれば、受信確認期間は90日間に設定される。
以上の説明から、本開示を適用した情報処理システム1によれば、ビーコン信号に含ませたMACアドレス情報に基づき、複数の装置のうちビーコン信号の送出元を特定することにより、イーサネット(登録商標)規格に準拠したネットワーク機器が使用される通信環境下において、ビーコン信号がどの装置から送出されたものであるかが特定可能となるため、各種ネットワーク環境下において、装置の位置の変化を正確にフロアマップに反映させることができる。
以上、本開示を適用した情報処理システム1を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
例えば、プリンタ又は自動販売機等のビーコン信号を送出する機器が、1台配置されている一例について説明したが、これに限らず、プリンタ又は自動販売機等のビーコン信号を送出する機器が複数台配置されていてもよい。
なお、上記で説明した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもでき、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合は、そのソフトウェアを構成するプログラムが、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータに、プログラムを記録する記録媒体から、又は、インターネット等を介して、インストールされるものである。
また、iBeacon(登録商標)に送出時の情報サイズの制限がなくなれば、OIDを指定せずにMIB情報を取得するようにしてもよい。
また、装置が送出したビーコン信号の送出回数と、外部端末7が受信したビーコン信号の受信回数とに基づき、重要度を求める一例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、装置が送出したビーコン信号の送出回数と、外部端末7が受信したビーコン信号を含むサーバー送信情報をサーバー3に送信した送信回数とに基づき、各外部端末7のビーコン信号の受信成功率を演算し、その演算結果を重要度としてもよい。