JP5519051B1 - ダンパー - Google Patents

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【課題】 通常の鋼材を使用し、かつスリットなどの加工を施すことなく、全断面に渡って安定したエネルギー吸収と大きな変形能力が得られるダンパーを提供する。
【解決手段】 耐力壁に組み込まれるダンパーであり、互いに平行に配置される一対の平行板部2,2と、これら平行板部2を連結するエネルギー吸収用の板状ウェブ部3と、前記一対の平行板部2,2の両端間にそれぞれ接続した一対の垂直材4,4とでなる。一対の垂直材4,4は、震動により耐力壁の壁面に沿う水平な互いに逆方向に変位する上側部分と下側部分とにそれぞれ接合される。ウェブ部3の断面形状は、一対の平行板部2,2間の中央が突出するように片面側に突出して少なくとも突出端が湾曲した湾曲形状である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鉄骨系等の住宅やその他の建物の耐力壁等に組み込まれて、地震などにより加わるエネルギーを吸収するダンパーに関する。
図6は、住宅用耐力壁に組み込まれるダンパーの従来例を示す。図6(A),(B)に示す従来例では、ダンパーとしてH形鋼30を用い、これをそのウェブ部30aが耐力壁の壁面と垂直になるように耐力壁内に配置してX型ブレース34やK形ブレース35に接合し、前記ウェブ部30aの曲げ変形で変形能力を確保している。図6(C)に示す従来例では、ダンパーとして鋼板のパネル31を用い、これを耐力壁の壁面と平行になるように耐力壁内に配置してK型ブレース35に接合し、前記パネル31にスリット31aを形成することで変形能力を確保している。図6(D)に示す従来例では、ダンパーとして極低降伏点鋼板32を用い、これを耐力壁の壁面と平行になるように耐力壁内に配置してX型ブレース34Aに接合し、極低降伏点鋼板32の伸び能力で変形能力を確保している。
この他、図7(A)に示すようなせん断ダンパー33を梁36およびブレース37に接合したものや、図7(B)のようにせん断ダンパー33を間柱38に接合した間柱型耐力壁も提案されている。
特開2009−108668号公報 特開2010−121348号公報 特許4580458号公報
エネルギー吸収要素として鋼材ダンパーを用いる場合、曲げ変形では変形能力は優れるが、耐力・剛性が低く、鋼材量が多くなる。一方、せん断変形では高耐力・高剛性が期待できるが、変形能力が乏しい。
繰り返し作用する地震エネルギーを安定して吸収するには、耐力・剛性と変形能力のバランスが必要となる。
そのため、図6(C)のように、ダンパーにスリット31aなどの加工を施し、あるいは図6(D)の例のように、鋼材として低降伏点鋼のような、高い伸び能力のあるものを用いるなどの必要がある。
しかし、スリットなどの加工を施す場合、加工の工程が増え、製造コストが高くなる。低降伏点鋼のような特殊な鋼材を用いる場合、材料コストが高くなる。
鋼材ダンパーの改良案として、せん断と曲げとの両方の変形を利用し、ダンパーの変形にせん断成分に加えて曲げ成分を加えることで、繰り返し作用する地震に対して安定したエネルギー吸収能力が得られると考えられる。
そこで、本発明者は、建物に取り付けられて地震などにより加わるエネルギーを吸収するダンパーとして、図8のように、互いに平行に配置される一対の平行板部42,42と、これら一対の平行板部42,42を連結したエネルギー吸収用の板状のウェブ部43と、前記一対の平行板部42,42の両端間にそれぞれ接合した一対の垂直材44,44とで構成したダンパー41を提案した(特願2012−206778号)。平行板部42,42とウェブ部43、および平行板部42,42と垂直材44,44とは、隅肉溶接等の溶接により接合される。
図9は、前記ダンパー41を建物の耐力壁50に組み込んだ各例を示す。ダンパー41における一対の垂直材44,44は、震動により前記建物の壁面に沿う水平な互いに逆方向に変位する上側部分と下側部分とにそれぞれ接合される。図9(A)に示す鉄骨フレーム構造の耐力壁50では、その柱51と上側梁53との接合部である上側隅部に一端が接合されたブレース54の他端に図の左側の垂直材44が接合され、右側の垂直材44は柱51に接合される。
図9(B)に示す鉄骨フレーム構造の間柱型耐力壁50では、その間柱55を上側柱部55aと下側柱部55bに分断して、この間にダンパー41が設置される。
ダンパー41のウェブ部43は、その表面が耐力壁50の壁面に対して出入り方向の傾斜を成すように配置される。ウェブ部43は断面山形とされる。この断面山形とするために、2枚の帯鋼等の平板状の鋼板43A,43Bを互いに隅肉溶接等の溶接により接合される。これにより、ダンパー41の全体の断面は、図8(B)のようにM字形とされる。このダンパー41における垂直材44は、ウェブ部43の鋼板43A,43Bの荷重を伝達する。
この提案例のダンパー41によると、そのウェブ部43が、耐力壁50の壁面に対して出入り方向の傾斜を成しているので、高い変形能力が得られる。そのため、材料として低降伏点鋼を用いたり、ウェブ部43にスリットなどの加工を施すことなく、地震などにより耐力壁50の壁面に沿う水平方向の荷重を受けたとき、十分な変形能力を確保することができる。図10は、この提案例のダンパー41の耐力試験結果を示す。
しかし、図8,図9の提案例のダンパー41の場合、断面山形のウェブ部43は、その突出端で、2枚の平板状の鋼板43A,43Bを互いに隅肉溶接等の溶接により接合して構成している。そのため、両鋼板43A,43Bの接合部分の強度・剛性が周辺部に比べて高く、応力分布が小さい。その結果、両端部とその近傍での塑性化が支配的で、両端部とその近傍に応力が集中してしまう。エネルギー吸収も両端部とその近傍に限定される。すなわち、エネルギー吸収部が限定的であり、鋼材の性能を今一つ十分に生かし切れていないという課題がある。
この発明の目的は、通常の鋼材を使用し、かつスリットなどの加工を施すことなく、全断面に渡ってバランス良くエネルギー吸収させることができて、より安定したエネルギー吸収と大きな変形能力が得られるダンパーを提供することである。
この発明の第1のダンパーは、建物に取り付けられるダンパーであって、
互いに平行に配置される一対の平行板部と、これら一対の平行板部を連結したエネルギー吸収用の板状のウェブ部と、前記一対の平行板部の両端間にそれぞれ接続した一対の垂直材とでなり、前記一対の垂直材が、震動により前記建物の壁面に沿う水平な互いに逆方向に変位する上側部分と下側部分とにそれぞれ接合され、前記ウェブ部の断面形状が、前記一対の平行板部間の中央が突出するように片面側に突出して全体的にはV字状であって、かつ突出端が湾曲した湾曲形状であり、地震により前記建物の壁面に沿う水平方向の繰り返し荷重を受けたときに、せん断変形に曲げ変形成分が加わった変形を生じてエネルギー吸収を行うことを特徴とする。
この構成によると、ウェブ部の断面形状が、中央が突出するように片面側に突出する形状であり、ウェブ部が壁面に対して出入り方向に傾斜を有するように設置されることで、地震などにより建物の壁面に沿う水平方向の繰り返し荷重を受けたときに、せん断変形に、曲げ変形成分が加わり、安定したエネルギー吸収と、大きな変形能力とが得られる。
このときウェブ部は、突出端が湾曲した湾曲形状であるため、突出端を上記提案例のように溶接したものと異なり、突出端の強度・剛性が周辺に比べて高くなることが回避され、両端部とその近傍に変形が集中してエネルギー吸収が両端部とその近傍に限定されることが改善され、ウェブ部の全断面に渡ってバランス良くエネルギー吸収させることができる。そのため、鋼材の性能を十分に生かし、より安定したエネルギー吸収と大きな変形能力が得られる。
この大きな変形能力が、材料として低降伏点鋼を用いたり、ウェブ部にスリットなどの加工を施すことなく得られる。なお、低降伏点鋼を用い、あるいはウェブ部にスリットを設けた場合は、より大きな変形能力が得られる。また、ダンパーのせん断耐力・剛性は、前記ウェブ部の突出端の湾曲形状、板厚、幅寸法を調整することで容易に調整することができる。
この発明のダンパーにおいて、前記ウェブ部の突出端の断面形状が円弧状ないし楕円弧状となった形状であっても良い。
この構成の場合、少なくともウェブ部の両端部と突出端とにエネルギー吸収部が分散されるため、バランスの良い変形性能が得られる。
この発明の第2のダンパーは、建物に取り付けられるダンパーであって、
互いに平行に配置される一対の平行板部と、これら一対の平行板部を連結したエネルギー吸収用の板状のウェブ部と、前記一対の平行板部の両端間にそれぞれ接続した一対の垂直材とでなり、前記一対の垂直材が、震動により前記建物の壁面に沿う水平な互いに逆方向に変位する上側部分と下側部分とにそれぞれ接合され、前記ウェブ部の断面形状が、前記一対の平行板部間の中央が突出するように片面側に突出し、かつ全体的に円弧状ないし楕円弧状となった形状であり、地震により前記建物の壁面に沿う水平方向の繰り返し荷重を受けたときに、せん断変形に曲げ変形成分が加わった変形を生じてエネルギー吸収を行うことを特徴とする。
この構成の場合、ウェブ部の全断面に渡ってエネルギー吸収部が均等に分散されるため、全断面に渡ってより安定したエネルギー吸収と大きな変形性能が得られる。
この発明のダンパーは、建物に取り付けられるダンパーであって、互いに平行に配置される一対の平行板部と、これら一対の平行板部を連結したエネルギー吸収用の板状のウェブ部と、前記一対の平行板部の両端間にそれぞれ接続した一対の垂直材とでなり、前記一対の垂直材が、震動により前記建物の壁面に沿う水平な互いに逆方向に変位する上側部分と下側部分とにそれぞれ接合され、前記ウェブ部の断面形状が、前記一対の平行板部間の中央が突出するように片面側に突出して少なくとも突出端が湾曲した湾曲形状であり、地震により前記建物の壁面に沿う水平方向の繰り返し荷重を受けたときに、せん断変形に曲げ変形成分が加わった変形を生じてエネルギー吸収を行うため、通常の鋼材を使用し、かつスリットなどの加工を施すことなく、全断面に渡ってバランス良くエネルギー吸収させることができて、より安定したエネルギー吸収と大きな変形能力が得られる。
(A)はこの発明の第1の実施形態に係るダンパーの正面図、(B)は同破断側面図、(C)は同斜視図である。 (A)は同ダンパーを組み込んだ耐力壁の一例の正面図、(B)は他の例の正面図である。 図8のダンパーと提案例のダンパーとの耐力試験結果を比較して示すグラフである。 この発明の他の実施形態に係るダンパーの破断側面である。 同ダンパーにおけるウェブ部の構造とエネルギー吸収部とを模式的に示した説明図である。 従来例の説明図である。 他の従来例の説明図である。 (A)は提案例の正面図、(B)は同破断側面図、(C)は同斜視図である。 (A)は同提案例を組み込んだ耐力壁の一例の正面図、(B)は他の例の正面図である。 同提案例の耐力試験結果を示すグラフである。 提案例のダンパーと従来例との効果の違いを示すための原理図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。このダンパー1は、図2のように建物の耐力壁20に組み込まれて、地震などにより加わるエネルギーを吸収するダンパーであって、互いに上下に位置して平行に配置される一対の平行板部2,2と、これら平行板部2を連結するエネルギー吸収用の板状のウェブ部3と、前記一対の平行板部2,2の両端間にそれぞれ接続した一対の垂直材4,4とでなる。前記一対の平行板部2,2および垂直材4,4は帯鋼等の平板状の鋼板からなり、ウェブ部3は後述するように帯鋼等の鋼板を曲げ加工してなる。平行板部2,2とウェブ部3、および平行板部2,2と垂直材4,4とは、隅肉溶接等の溶接により接合されている。
一対の垂直材4,4は、震動により耐力壁20における壁面に沿う水平な互いに逆方向に変位する上側部分と下側部分とにそれぞれ接合される。例えば、図2(A)に示す鉄骨フレーム構造の耐力壁20では、その柱21と上側梁23との接合部である上側隅部に一端が接合されたブレース24の他端に図の左側の垂直材4が接合され、右側の垂直材4は柱21に接合される。なお、ウェブ部3を直接柱へ溶接することにより、右側の垂直材4は省略することができる。
また、図2(B)に示す鉄骨フレーム構造の間柱型耐力壁20では、その間柱25を上側柱部25aと下側柱部25bに分断して、この間にダンパー1が設置される。ダンパー1は、この例では、図2(A)の例とは90°異なる姿勢とされ、垂直材4,4が互いに上下に位置して水平となるように配置される。上側柱部25aの下端に上位置の垂直材4が接合され、下側柱部25bの上端に下位置の垂直材4が接合される。一対の平行板部2,2は、ここでは、耐力壁20の壁面に対して垂直に配置される。
なお、図2(A),(B)の耐力壁20は、例えば戸建て住宅の耐力壁であって、鉄骨のフレームからなる。
ダンパー1のウェブ部3は、その表面が耐力壁20の壁面に対して出入り方向の傾斜を成すように配置される。すなわち、図2(A)の設置例の場合でのダンパー1の配置を説明すると、図1(B)において、紙面の上下が耐力壁20の上下に対応し、紙面の幅方向が耐力壁20の厚み方向(前記出入り方向)に対応し、耐力壁20の壁面は紙面に対して垂直である。ウェブ部3は帯鋼等の鋼板を曲げ加工してなり、その断面形状は、前記一対の平行板部2,2間の中央が耐力壁20の壁面に対して出入り方向に突出するように片面側に突出して、少なくとも突出端3aが湾曲した湾曲形状とされる。
この実施形態では、ウェブ部3の断面形状が、全体的にはV字状であって、突出端3aが円弧状ないし楕円状となった形状とされている。すなわち、ウェブ部3の長手方向の一部が耐力壁20の壁面に対して所定角度の傾斜を成す傾斜部3Aとされ、ウェブ部3の長手方向の他部が前記壁面に対して前記傾斜角度と異なる角度の傾斜部3Bとされ、2つの傾斜部3A,3Bが付き合わさる突出端3aの断面が円弧状ないし楕円状とされる。図2(A)の設置例では、ウェブ部3の上側部分となる傾斜部3Aは壁面に対して下向きに傾斜し、ウェブ部3の下側部分となる傾斜部3Bは壁面に対して上向きに傾斜した姿勢となる。
作用、効果を説明する。実施形態の説明の前に、この種ダンパーの原理を示す図11で説明すると、同図(C),(D)に正面図および側面図で示すように、同図(A),(B)の例において、せん断パネルダンパー61のウェブ部63をせん断軸に対して回転させる、つまり壁面の出入り方向に傾斜させた場合、剛性はウェブ部63の傾斜が大きくなるほど低くなるが、変形能力は高くなると考えられる。
この実施形態のダンパー1によると、図1,図2に示す垂直材4は、ウェブ部3の鋼板3A、3Bの荷重を伝達する。このとき、ウェブ部3の断面形状が、中央が突出するように片面側に突出する形状であり、耐力壁20の壁面に対して出入り方向の傾斜を成しているので、高い変形能力が得られる。そのため、地震などにより建物の壁面に沿う水平方向の繰り返し荷重を受けたときに、せん断変形に、曲げ変形成分が加わり、安定したエネルギー吸収と、大きな変形能力とが得られる。
特に、ウェブ部3は、少なくとも突出端3aが湾曲した湾曲形状であるため、突出端3aを図8の提案例のように溶接したものと異なり、突出端3aの強度・剛性が周辺に比べて高くなることが回避され、両端部とその近傍に変形が集中してエネルギー吸収が両端部とその近傍に限定されることが改善される。これにより、ウェブ部3aの全断面に渡ってバランス良くエネルギー吸収させることができる。そのため、鋼材の性能を十分に生かし、より安定したエネルギー吸収と大きな変形能力が得られる。図3に、このダンパー1の耐力試験結果のグラフAと図8,図9で示した提案例の耐力試験結果のグラフBとを比較して示している。
この実施形態のダンパー1によると、この大きな変形能力が、材料として低降伏点鋼を用いたり、ウェブ部3aにスリットなどの加工を施すことなく得られる。なお、低降伏点鋼を用い、あるいはウェブ部3aにスリットを設けた場合は、より大きな変形能力が得られる。
また、このダンパー1は、図8の提案例のような溶接で硬化される部分を無くし、全断面に渡って塑性化させるようにしたため、ウェブ部3の板厚や幅寸法による調整の他に、ウェブ部3の断面における湾曲形状の曲率を調整することにより、剛性および強度の管理が容易に行える。
この実施形態は、後に説明する他の実施形態と異なり、ウェブ部3aの突出端3aを弧状に折り曲げ加工して剛性(固定度)を小さくし、両端部と中央部との全体に渡って塑性化させるようにしているが、そのため、ウェブ部3aの剛性および強度の管理がより一層容易に行える。
なお、この実施形態では、大きな変形性能が求められる場合には、前記ウェブ部3の傾斜部3A,3Bの壁面に対する傾斜角度を例えば30度等に設定することで、より大きな変形性能を確保することができる。必要であれば、前記ウェブ部3に孔やスリットなどによる断面欠損分を設けて、せん断耐力・剛性を調整しても良く、ウェブ部3の材料として低降伏点鋼あるいは極低降伏点鋼を用いてさらに変形能力を大きくしても良い。
図4は、この発明の他の実施形態に係るダンパーの断面図を示す。この例のダンパー1では、同図に破断側面図で示すように、前記ウエブ部3の断面形状が、全体的に弧状、具体的には円弧状となった形状とされている。ウェブ部3の断面形状は、この形状の他に、全体的に楕円弧状となった形状であっても良い。図4,5の例におけるその他の構成は第1の実施形態と同様である。
図1,図2に示す第1の実施形態においても十分な効果は確認されているが、エネルギー吸収部分は、ウェブ部3の両端部と中央の弧状に湾曲した先端部3aとであった。これを図4の実施形態のように、ウェブ部3の全体に渡る円弧や楕円弧とすることで、さらに効果的であると考えられる。
図5は、この実施形態のダンパー1におけるウェブ部3の構造とエネルギー吸収部とを模式的に示している。すなわち、図5(A)のように全体的に円弧状の断面形状となったウェブ部3は、図5(B)のように一定寸法の辺を成す細分化された複数の分割片3bを円弧状に配列した集合体として模式化することができる。これらの各分割片3bでは、図5(C)のように、それらの両端部3ba,3baで均等にエネルギー吸収が行われるため、ウェブ部3の全体では、全断面に渡ってバランス良くエネルギー吸収が行われることになる。図1〜図3に示した実施形態のダンパー1では、ウェブ部3の断面形状が、全体的にはV字状であって、中央の突出端3aが円弧状ないし楕円弧状であったため、両端部と突出端3aとにエネルギー吸収部が幾分かは偏在する傾向にあるが、この実施形態では上記したようにウェブ部3の全断面に渡ってエネルギー吸収部がより一層均等に分散される。そのため、全断面に渡ってより一層安定したエネルギー吸収と大きな変形能力が得られる。
上記の各実施形態の作用,効果を纏め直して次に示す。
・ウェブ部3の全断面でバランス良く塑性化、
・ウェブ部3の全断面でバランス良くエネルギー吸収、
・変形性能の向上、
・Vの字接合部分の溶接不要、
・先端部3aの円弧、楕円弧の曲率で耐力、剛性の調整が可能(図1〜3の例)、
・ウェブ部の全体の曲率で耐力、剛性の調整が可能(図4の例)、
・低降伏点鋼等の伸び性能の高い鋼材の使用が不要、
・溶接部の近傍での破壊(脆性的な破壊)を回避。
なお、以上の各実施形態では、ダンパー1を耐力壁に組み込む場合について説明したが、参考例として上記実施形態のダンパー1を連結制振材や間柱制振等の制振ダンパーとして利用することもできる。
1…ダンパー
2…平行板部
3…ウェブ部
3a…突出端
4…垂直材
20…耐力壁

Claims (3)

  1. 建物に取り付けられるダンパーであって、
    互いに平行に配置される一対の平行板部と、これら一対の平行板部を連結したエネルギー吸収用の板状のウェブ部と、前記一対の平行板部の両端間にそれぞれ接続した一対の垂直材とでなり、前記一対の垂直材が、震動により前記建物の壁面に沿う水平な互いに逆方向に変位する上側部分と下側部分とにそれぞれ接合され、
    前記ウェブ部の断面形状が、前記一対の平行板部間の中央が突出するように片面側に突出して全体的にはV字状であって、かつ突出端が湾曲した湾曲形状であり、地震により前記建物の壁面に沿う水平方向の繰り返し荷重を受けたときに、せん断変形に曲げ変形成分が加わった変形を生じてエネルギー吸収を行うことを特徴とするダンパー。
  2. 請求項1に記載のダンパーにおいて、前記ウェブ部の突出端の断面形状が円弧状ないし楕円弧状となった形状であるダンパー。
  3. 建物に取り付けられるダンパーであって、
    互いに平行に配置される一対の平行板部と、これら一対の平行板部を連結したエネルギー吸収用の板状のウェブ部と、前記一対の平行板部の両端間にそれぞれ接続した一対の垂直材とでなり、前記一対の垂直材が、震動により前記建物の壁面に沿う水平な互いに逆方向に変位する上側部分と下側部分とにそれぞれ接合され、
    前記ウェブ部の断面形状が、前記一対の平行板部間の中央が突出するように片面側に突出し、かつ全体的に円弧状ないし楕円弧状となった形状であり、地震により前記建物の壁面に沿う水平方向の繰り返し荷重を受けたときに、せん断変形に曲げ変形成分が加わった変形を生じてエネルギー吸収を行うことを特徴とするダンパー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1181737A (ja) * 1997-09-01 1999-03-26 Fujita Corp 鉄筋コンクリート造建物の制震構造及びその施工方法
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