JP2011089307A - ブレースダンパー - Google Patents

ブレースダンパー Download PDF

Info

Publication number
JP2011089307A
JP2011089307A JP2009243327A JP2009243327A JP2011089307A JP 2011089307 A JP2011089307 A JP 2011089307A JP 2009243327 A JP2009243327 A JP 2009243327A JP 2009243327 A JP2009243327 A JP 2009243327A JP 2011089307 A JP2011089307 A JP 2011089307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
core material
brace damper
brace
joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009243327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5294127B2 (ja
Inventor
Tetsuya Hanzawa
徹也 半澤
Kazuhiko Isoda
和彦 磯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP2009243327A priority Critical patent/JP5294127B2/ja
Publication of JP2011089307A publication Critical patent/JP2011089307A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5294127B2 publication Critical patent/JP5294127B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Abstract

【課題】簡略な構成で簡易に製作可能でありコストダウンを図ることのできる有効適切なブレースダンパーを提供する。
【解決手段】両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなる芯材11と、該芯材に装着されて該芯材の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材12からなる。芯材に幅狭部としての降伏部11aを設ける。拘束部材としての溝形鋼12aの幅寸法を降伏部11aの幅寸法と同等とし、降伏部の位置において双方の溝形鋼のフランジに連結鋼材12bを締結して両側の溝形鋼どうしを連結する。降伏部を芯材の端部側にずらして設ける。溝形鋼の端部どうしを端部連結鋼材により連結する。曲げ剛性の最小部にリブを設ける。連結鋼材としてカットティー鋼を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーに関する。
この種のブレースダンパーとしては、本出願人が先に提供した特許文献1に示されるものが周知である。
これは、図5に示すように、両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなるブレース本体1の周囲に、ブレース本体1の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材2を装着したもので、地震時に所定軸力を受けた際にブレース本体1に幅狭部として形成している降伏部1aが降伏して地震エネルギーを有効に吸収可能なものである。
そして、ブレース本体1の両端部にはリブプレート3が溶接されてそこでの断面は十字形とされており、このブレースダンパーはブレース本体1の両端部が建物に対して高力ボルト接合されることによってブレースの形態で設置されるようになっている。
上記従来のブレースダンパーにおける拘束部材2としてはチャンネル鋼材(溝形鋼)2aが使用されていて、(d)に示すように対のチャンネル鋼材2aを背中合わせにした状態でブレース本体1の両側に装着するとともにそれらのフランジどうしを対のカバープレート2bによって連結することにより全体としてH型の断面の拘束部材2が構成されている。
そして、その拘束部材2をブレース本体1全体を取り囲むようにして装着して一端側をブレース本体1に対して綴りボルト4により相対変位不能に固定するとともに、他端側はブレース本体1に対して長孔7の範囲内で軸方向相対変形可能な状態で連結することによって、降伏部1aにおける軸方向の変形を許容しつつブレース本体1全体の面外座屈を防止するようにしている。
上記従来のブレースダンパーはその外観が実質的に単なるH形鋼と同様であり、したがって通常のブレースと同様の形態で容易に設置することが可能であり、それによりブレースとしてのみならずダンパーとしても機能して優れた減衰効果が得られるものであり、広く普及する気運にある。
特開2003−314080号公報
ところで、上記従来のブレースダンパーにおいては、特に降伏部1aの位置において面外座屈が生じないように拘束部材2による補剛効果を充分に確保しなければならず、そのためにチャンネル鋼材2aに対して補剛部材5として多数の縦リブや横リブを溶接してチャンネル鋼材1自体を充分に補剛しておく必要がある。また、降伏部1aが拘束部材2の内側で幅方向に変位してしてしまう余地があると幅方向への面内座屈が生じて減衰性能が損なわれることから、(c)に示すように拘束部材2の内側にそれを防止するための補剛材6を溶接する必要もある。
そのため、上記従来のブレースダンパーは拘束部材2の構成部品点数が多く、またそれらを溶接して組み立てるための工数も多いことから、必然的にコスト高とならざるを得ないものであり、その点では改良の余地を残しているものであった。
上記事情に鑑み、本発明は上記従来のブレースダンパーをさらに改良して構成の簡略化を実現し、以てより簡易に製作可能であって充分にコストダウンを図ることのできる有効適切なブレースダンパーを提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなる芯材と、該芯材に装着されて該芯材の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材からなり、前記芯材は、両端部が建物に対して接合するための接合部とされているとともに、両接合部間に該芯材が所定軸力を受けた際に降伏して塑性化する降伏部と弾性変形限度内に留まる非塑性化部とが形成されていて、前記降伏部の幅寸法が前記接合部および前記非塑性化部の幅寸法よりも小さくされ、前記拘束部材は、前記芯材の両接合部間にわたる長さとされかつ前記降伏部の幅寸法と同等の幅寸法とされて前記芯材の両面側に装着されることにより該芯材を両面側から挟持して面外方向への座屈を全長にわたって拘束する一対2本の溝形鋼と、前記芯材の降伏部の位置において双方の溝形鋼のフランジに締結されて両側の溝形鋼どうしを連結するとともに前記降伏部の幅方向への座屈を拘束する一対の連結鋼材とにより構成されてなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明のブレースダンパーであって、前記降伏部は前記芯材のいずれか一方の接合部から略中央部までの範囲に形成されているとともに、前記非塑性化部は他方の接合部から前記降伏部までの範囲に形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のブレースダンパーであって、前記芯材の前記一方の接合部にはスリットが形成されていて、該接合部を両側から挟持する両側の溝形鋼の端部どうしを連結するための端部連結鋼材が該スリット内に前記芯材の軸方向に変位可能に挿通され、該端部連結構造の両端部が両側の溝形鋼のフランジに対して接合されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載のブレースダンパーであって、前記溝形鋼には、前記芯材の前記一方の接合部と前記降伏部との間を補剛するためのリブが設けられていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3または4記載のブレースダンパーであって、前記連結鋼材は、前記溝形鋼のフランジどうしを連結する平板部の背面側にリブが一体に形成された断面T状のカットティー鋼からなることを特徴とする。
本発明のブレースダンパーによれば、拘束部材を構成する溝形鋼を降伏部の幅寸法に相当する小断面としてその溝形鋼と連結鋼材とによって降伏部全体を取り囲むような拘束部材としているので、降伏部に要求される補剛性能は充分に確保することができ、降伏部の面外座屈を確実に防止することができる。また、降伏部以外の非塑性化部に対しては従来のように芯材全体を取り囲むものではないが、そこでは溝形鋼を非塑性化部に対して多数の綴りボルトにより締結固定しているので、溝形鋼のフランジ自体が従来の拘束部材における横リブとして機能するものとなり、したがって小断面の溝形鋼であっても横リブ付きの大断面の溝形鋼に遜色ないどころか寧ろ優れた補剛効果を確保することができる。
以上のことから、本発明のブレースダンパーは拘束部材を合理的に簡略化できるものであって、従来のものに比べて溝形鋼の小断面化、補剛材としての縦リブおよび横リブの省略、幅方向の面内座屈を拘束するための補剛部材の省略が可能であり、それによる部品点数や溶接個所数を大幅に削減でき、施工手間の軽減とコスト削減を充分に図ることができる。
特に、芯材に形成する降伏部の位置を芯材の中央部とするのではなく中央部から一方の接合部側にずらして形成することにより、曲げ剛性が最小となる部分を芯材の端部付近に設定することができ、従来のように降伏部を芯材の中央部付近に設定する場合に比べて有利である。
また、芯材の接合部にスリットを形成して両側の溝形鋼の端部どうしを端部連結鋼材により連結したり、曲げ剛性が最小となる部分においては溝形鋼にリブを設けることにより、拘束部材の端部での曲げ耐力を有効に増強し得て補剛効果を高めることができる
さらに、連結鋼材としてカットティー鋼を用いることにより降伏部に対する幅方向の拘束効果をより高めることができる。
本発明の実施形態であるブレースダンパーの概略構成を示す図である。 同、組み立て状態を示す分解斜視図である。 同、他の実施形態であるブレースダンパーの概略構成を示す図である。 同、さらに他の実施形態であるブレースダンパーの概略構成を示す図である。 従来のブレースダンパーの概略構成を示す図である。
本発明の実施形態であるブレースダンパーを図1〜図2を参照して説明する。
これは、帯板状の鋼板からなる芯材11の外側にその芯材の面外座屈を拘束するための拘束部材12を装着するものであり、芯材11が上述した従来のブレースダンパーにおけるブレース本体1と同様に機能し、かつ拘束部材12を溝形鋼(チャンネル鋼材)12aを主体として構成するものである点で従来のブレースダンパーと共通するものである。
但し、従来のブレースダンパーにおける拘束部材2はブレース本体1全体の幅寸法に相当するチャンネル鋼材2aと、それらチャンネル鋼材2aのフランジに全長にわたって締結されるカバープレート2bとにより構成されて、ブレース本体1全体を取り囲むように装着されていたのに対し、本実施形態の拘束部材12はより小幅(小断面)の溝形鋼12aを用いることで全体構成の簡略化を図りつつ補剛効果を確保するようにしている。
図2に示すように、本実施形態のブレースダンパーにおける芯材11は、両端部が建物に対して接合するための接合部11c、11dとされ、それら接合部11c、11dには上下にそれぞれフランジ13が溶接されてH形断面とされていて、従来のブレースダンパーと同様に両接合部11c、11dが建物に対して高力ボルト接合されることによって建物に対してブレースの形態で設置されることによりブレースとして機能するものである。
そして、この芯材11の一方(図示では右側)の接合部11cからほぼ中央部にかけて幅狭部としての降伏部11aが形成されているとともに、他方の接合部11dから降伏部11aまでの間は非塑性化部11bとされており、地震時に芯材11全体が所定軸力を受けた際には降伏部11aが降伏して塑性変形して振動エネルギーを吸収し、非塑性化部11bおよび接合部11c、11dは弾性変形限度内に留まるようにされている。
拘束部材12を構成する溝形鋼12aは芯材11のほぼ全長にわたる長さとされて芯材11の両側面に装着されるものであるが、図1(a)に示すように溝形鋼12aの幅寸法w(建物に設置した状態では高さ寸法)は芯材11の降伏部11aの幅寸法と同等とされ、したがって芯材11全体の幅寸法w0(非塑性化部11bおよび接合部11c、11dの幅寸法)よりは小さくされている。
そして、それら一対の溝形鋼12aを芯材11の両面に背中合わせ状態で装着し、両側の溝形鋼12aを芯材11の非塑性化部11bに対して多数の綴りボルト14によって相対変位不能に一体に締結固定するとともに、溝形鋼12aの一端部は芯材11の一方の接合部11cに対して長孔15の範囲内で軸方向に相対変位可能に連結している。
さらに、降伏部11aの位置においては双方の溝形鋼12aの上下のフランジに対して平鋼からなる連結鋼材12bを締結して双方の溝形鋼12aどうしを強固に連結している。
したがって本実施形態における拘束部材12は、降伏部11aの位置においては図1(c)に示すように従来のブレースダンパーにおける拘束部材2と同様に対の溝形鋼12aと対の連結鋼材12bとによってH形断面に組み立てられてこの拘束部材12により降伏部11a全体を取り囲むようにされているが、それ以外の範囲では連結鋼材12bが省略されかつ溝形鋼12aの幅寸法wが芯材11全体の幅寸法w0よりも小さくされていることから、非塑性化部11bおよび両接合部11c、11dでは芯材11の上縁部および下縁部が溝形鋼12aの外側に露出する状態で両側の溝形鋼12aの間に挟持されたものとなる。
上記構成のもとに,本実施形態のブレースダンパーでは、溝形鋼12aを降伏部11aの幅寸法に相当する小断面のものとしてその溝形鋼12aと連結鋼材12bとによって降伏部11aを取り囲むような拘束部材12を採用しているので、降伏部11aに要求される補剛性能は充分に確保することができ、降伏部11aの面外座屈を確実に防止することができる。
特に、降伏部11aの幅方向の変形は連結鋼材12bによって確実かつ直接的に拘束されるから、降伏部11aが拘束部材12の内側で幅方向に変位する余地はなく、したがって従来の拘束部材2のように拘束部材2の内側にそれを防止するための補剛材6(図5(c)参照)を溶接するような必要もない。
また、降伏部11a以外の非塑性化部11bおよび接合部11c、11dに対しては従来のように芯材11全体を取り囲むものではないが、そこでは溝形鋼12aを非塑性化部11bに対して多数の綴りボルト14により締結固定しているので充分な補剛効果を支障なく得られるばかりか、寧ろ従来よりも補剛効果を高めることができる。
すなわち、従来においてはブレース本体1全体の幅寸法と同等の大断面のチャンネル鋼材2aを用いていることから、両側のチャンネル鋼材2aのフランジどうしをカバープレー2bにより連結してもチャンネル鋼材2a自体のウェブによる補剛効果が充分に得られない場合もあり、そのためにチャンネル鋼材2aには補剛部材5としての多数の縦リブや横リブを溶接する必要があったのであるが、本実施形態では溝形鋼12aの幅寸法を小さくしたことにより自ずと剛性が高められるし、その溝形鋼12aのフランジ自体が従来の拘束部材2における補剛部材5(横リブ)として機能するものとなり、したがって小断面の溝形鋼12aであっても従来のような横リブ付きの大断面のチャンネル鋼材2に遜色ないどころか寧ろ優れた補剛効果を確保することができる。
以上のことから、本実施形態のブレースダンパーは拘束部材12を合理的に簡略化できるものであり、溝形鋼12aの小断面化、従来の補剛部材5としての縦リブおよび横リブの省略、従来の補剛材6の省略が可能であり、それによる部品点数や溶接個所数を大幅に削減でき、施工手間の軽減とコスト削減を充分に図ることができる。
なお、溝形鋼12aの一端側は芯材11の一方の接合部11cに対して軸方向に相対変形可能に連結する必要があり、そのため接合部11cと連結鋼材12bとの間にそれらが接触してしまうことを防止するための若干のクリアランスを確保する必要があることから、拘束部材12の曲げ剛性はその近傍位置(図1(a)におけるA部)において最も小さくなってそこが補剛効果を確保するうえでのネックとなる。
そのため、その位置での拘束部材12の曲げ耐力をそこに作用する曲げモーメントよりも大きくする設計とする必要があり、必要であればたとえば図3に示すように溝形鋼12aにはその位置にリブ16を設けて溝形鋼12aをさらに補剛すると良い。
さらに、溝形鋼12aの端部は接合部11cに対して充分にラップさせて溝形鋼12aの端部により接合部11cを挟持することが好ましく、そのためには図3(b)に示すように接合部11cにスリット17を形成してそのスリット17に平鋼板からなる端部連結鋼材12cを芯材軸方向にスライド可能に挿通させ、その端部連結鋼材12cの両端部を両側の溝形鋼12aのフランジに溶接あるいは締結して接合すると良い。
これにより、拘束部材12aの端部の曲げ耐力を充分に増強し得てそこでの補剛効果を充分に高めることができる。この場合、上記実施形態のように芯材11の接合部11cに設けた長孔15とそこでの綴りボルト14による締結は省略しても良い。
なお、図5に示した従来のブレースダンパーではブレース本体1の端部にリブプレート3を溶接して十字型断面としているため、チャンネル鋼材2aの端部をブレース本体1の端部にラップさせるとリブプレート3と干渉してしまうことから、チャンネル鋼材2aにはリブプレート3との干渉を回避するためのスリット8を形成しておく必要があるが、本実施形態では芯材11の接合部11c、11dの上下にフランジ13を溶接してそこでの断面をH形としているので従来のように溝形鋼12aの端部と接合部11cとが干渉することがなく、したがってそれらを充分にラップさせたうえで両側の溝形鋼12aどうしを端部連結鋼材12cにより連結することが可能であり、それにより曲げ剛性がネックとなる部分においても容易に座屈しない程度の充分な曲げ剛性を確保することができる。
また、降伏部11aの位置において溝形鋼12aどうしを連結する連結鋼材12bとしては、図示例のように従来のカバープレート2bと同様に単なる平鋼板でも良いが、たとえば図4に示すように平鋼板の背面側にリブを一体に形成した断面T状の鋼材であるカットティー鋼(CT鋼)を用いても良く、それにより降伏部11aに対する幅方向の拘束効果をより高めることができる。
なお、座屈の検定に際しては芯材11に作用する最大軸力の2%外力を拘束部材12に作用させるが、曲げ剛性が最小となる点をなるべく端部付近に設定することにより検定用の曲げ外力を小さく抑えることができるので有利であり、したがって芯材11に形成する降伏部11aの位置は従来のように芯材11の中央部とするのではなく上記実施形態のように一方の接合部11c側にずらして形成することが好ましい。
以下、具体的な設計例を挙げて本発明の有効性を実証する。
階高4m、梁せい600mmの架構に対し、全長約4.2mのブレースダンパーを取付角度45度で設置する場合を想定する(両端部を架構に対して接合するために片側約300mmのスペースを見込む)。架構に対するダンパー両端の接合はピンによるものと仮定する。
芯材は、長さ(座屈長さ)4200mm、全幅w0=374mm、降伏部の幅w=246mm、厚さ25mm、降伏点225N/mm2とする。降伏耐力は1380kN、最大耐力はひずみ効果を考慮してPmax=2000kNとする。降伏部と溝形鋼との間には1mmのゴムシートを挟み、綴りボルトにより締結する非塑性化部には1mmのフィラーを挿入する。
溝形鋼は、C-250×90×11×14.5(断面積An=5117mm2、断面二次モーメントIc=3.29×106mm4、重心距離Cy=24mm)、連結鋼材は幅207mm、厚さ12mmの平鋼板とする。降伏点はいずれも235N/mm2とする。
この場合、拘束部材の断面二次モーメント(芯材は無視)は
I=2(Ic+An(27/2+Cy)2+12×2073/12)=3.871×107mm4
座屈荷重は
Pcr=π2EI/42002=4440kN
となり、所要最大耐力Pmax=2000kN以上を満足する。
非塑性化部では連結鋼材による拘束効果はないが、溝形鋼が芯材を挟んで一体化されているので、そこでの断面二次モーメント(芯材は無視)は
I=2(Ic+An(27/2+Cy)2=2.10×107mm4
座屈荷重は座屈長さを2270mmとして
Pcr=π2EI/22702=8234kN
となり、ここでも所要最大耐力Pmax=2000kNを満足する。
ダンパー中央部で拘束部材に作用する力を0.02Pmaxとしたときの最大曲げモーメントは Mo=0.02Pmax×4200/4=41328Nm
であるが、連結鋼材がない溝形鋼のみの降伏曲げ耐力は
My=Zyσy=47620Nm
であり、最大曲げモーメントMo=41328Nm以上を満足する。
最も曲げ剛性が小さい位置においては、拘束部材と芯材とが一体化されないと仮定し、降伏曲げ耐力を一つの溝形鋼の降伏曲げ耐力Myの2倍とし、溝形鋼の弱軸の断面係数が
49.9cm3、σy=235N/mm2とすると、
My=11726.5×2=23453Nm
となり、この点に0.02Pmaxが作用するとしたときのモーメントM02
M02=(0.02Pmax)ab/L=22431Nm
であり、My=23453Nm>M02=22431Nm であるから、以上により全体座屈は生じない。
11 芯材
11a 降伏部
11b 非塑性化部
11c 接合部(一方の接合部)
11d 接合部(他方の接合部)
12 拘束部材
12a 溝形鋼
12b 連結鋼材
12c 端部連結鋼材
13 フランジ
14 綴りボルト
15 長孔
16 リブ
17 スリット

Claims (5)

  1. 建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、
    両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなる芯材と、該芯材に装着されて該芯材の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材からなり、
    前記芯材は、両端部が建物に対して接合するための接合部とされているとともに、両接合部間に該芯材が所定軸力を受けた際に降伏して塑性化する降伏部と弾性変形限度内に留まる非塑性化部とが形成されていて、前記降伏部の幅寸法が前記接合部および前記非塑性化部の幅寸法よりも小さくされ、
    前記拘束部材は、前記芯材の両接合部間にわたる長さとされかつ前記降伏部の幅寸法と同等の幅寸法とされて前記芯材の両面側に装着されることにより該芯材を両面側から挟持して面外方向への座屈を全長にわたって拘束する一対2本の溝形鋼と、前記芯材の降伏部の位置において双方の溝形鋼のフランジに締結されて両側の溝形鋼どうしを連結するとともに前記降伏部の幅方向への座屈を拘束する一対の連結鋼材とにより構成されてなることを特徴とするブレースダンパー。
  2. 請求項1記載のブレースダンパーであって、
    前記降伏部は前記芯材のいずれか一方の接合部から略中央部までの範囲に形成されているとともに、前記非塑性化部は他方の接合部から前記降伏部までの範囲に形成されていることを特徴とするブレースダンパー。
  3. 請求項2記載のブレースダンパーであって、
    前記芯材の前記一方の接合部にはスリットが形成されていて、該接合部を両側から挟持する両側の溝形鋼の端部どうしを連結するための端部連結鋼材が該スリット内に前記芯材の軸方向に変位可能に挿通され、該端部連結構造の両端部が両側の溝形鋼のフランジに対して接合されていることを特徴とするブレースダンパー。
  4. 請求項2または3記載のブレースダンパーであって、
    前記溝形鋼には、前記芯材の前記一方の接合部と前記降伏部との間を補剛するためのリブが設けられていることを特徴とするブレースダンパー。
  5. 請求項1,2,3または4記載のブレースダンパーであって、
    前記連結鋼材は、前記溝形鋼のフランジどうしを連結する平板部の背面側にリブが一体に形成された断面T状のカットティー鋼からなることを特徴とするブレースダンパー。
JP2009243327A 2009-10-22 2009-10-22 ブレースダンパー Expired - Fee Related JP5294127B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009243327A JP5294127B2 (ja) 2009-10-22 2009-10-22 ブレースダンパー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009243327A JP5294127B2 (ja) 2009-10-22 2009-10-22 ブレースダンパー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011089307A true JP2011089307A (ja) 2011-05-06
JP5294127B2 JP5294127B2 (ja) 2013-09-18

Family

ID=44107789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009243327A Expired - Fee Related JP5294127B2 (ja) 2009-10-22 2009-10-22 ブレースダンパー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5294127B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101388416B1 (ko) * 2013-02-13 2014-04-22 주식회사 디알비동일 브레이스형 댐퍼
JP2014125820A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Daiwa House Industry Co Ltd 座屈拘束ブレース
CN103924702A (zh) * 2014-04-01 2014-07-16 北京工业大学 一种具有双屈服点的双套管耗能内芯防屈曲支撑构件
CN103967124A (zh) * 2014-04-12 2014-08-06 北京工业大学 装配式多、高层钢结构自复位十字中心预应力支撑体系
CN106869354A (zh) * 2017-01-25 2017-06-20 东南大学 双核可视检屈曲约束支撑

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH053402U (ja) * 1991-06-27 1993-01-19 新日本製鐵株式会社 座屈拘束筋かい部材
JP2003034984A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Takenaka Komuten Co Ltd 制振ブレース
JP2003314080A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Shimizu Corp ブレースダンパー
JP2004232292A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Shimizu Corp ブレースダンパー

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH053402U (ja) * 1991-06-27 1993-01-19 新日本製鐵株式会社 座屈拘束筋かい部材
JP2003034984A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Takenaka Komuten Co Ltd 制振ブレース
JP2003314080A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Shimizu Corp ブレースダンパー
JP2004232292A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Shimizu Corp ブレースダンパー

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014125820A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Daiwa House Industry Co Ltd 座屈拘束ブレース
KR101388416B1 (ko) * 2013-02-13 2014-04-22 주식회사 디알비동일 브레이스형 댐퍼
CN103924702A (zh) * 2014-04-01 2014-07-16 北京工业大学 一种具有双屈服点的双套管耗能内芯防屈曲支撑构件
CN103967124A (zh) * 2014-04-12 2014-08-06 北京工业大学 装配式多、高层钢结构自复位十字中心预应力支撑体系
CN106869354A (zh) * 2017-01-25 2017-06-20 东南大学 双核可视检屈曲约束支撑

Also Published As

Publication number Publication date
JP5294127B2 (ja) 2013-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5245674B2 (ja) 車体構造
US20050166487A1 (en) Shock-absorbing tie brace
JP5294127B2 (ja) ブレースダンパー
JP5822203B2 (ja) ブレースダンパー
WO2014167624A1 (ja) 座屈拘束ブレース、及び、これを備えた耐力構造物
JP3629638B2 (ja) 高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造
JP2006328688A (ja) 座屈拘束型軸力負担部材
JP2000265706A (ja) 座屈拘束ブレース
JP2003193699A (ja) 弾塑性・粘弾性ブレース
JP2004232292A (ja) ブレースダンパー
JP5958757B2 (ja) ブレースダンパー
JP2004060234A (ja) ブレースダンパー
JP2015224451A (ja) ブレースダンパー
JP5714391B2 (ja) 制振耐力壁パネル
JPH11153194A (ja) 弾塑性・粘弾性ダンパーを一体化した制振部材
JP2014234677A (ja) ブレースダンパー
JP5234324B2 (ja) 車両の車体構造
JP2009161937A (ja) 制震架構
JP7052953B2 (ja) 制振構造
JP5086901B2 (ja) 建物の制振装置
JP4196285B2 (ja) ブレースダンパー
JP2004244833A (ja) 複合形ブレースダンパー
JP3542982B2 (ja) 耐震補強具
JP2008261105A (ja) 制震パネルおよびそれを用いた骨組構造
JP5198896B2 (ja) 耐震部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120713

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130430

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5294127

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees