JP3542982B2 - 耐震補強具 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造部材緩衝補強装置に関するものであり、特に、木造建造物における構造部材間の補強に用いられる構造部材緩衝補強装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造建造物の構造部材の接合部において、地震や台風或いは大型車両の通過などの振動によって接合部が外れたり変形してしまうのを防止すべく、構造部材の間に接合する補強金具が用いられている。
【0003】
この場合に、上記補強金具では、鋼材を略L字状に折曲して両片部をそれぞれ直交する構造部材の接合部内側に合わせて固定して、上記構造部材間の接合を補強するものであった。また、そのような補強金具にあっては補強強度を重要視しているため、L字状に折曲する両片部の間を金具で斜めに接合して剛性を高めるなどの対応がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そのような補強金具にあっては、振動の吸収面には考慮されないのみならず、剛性を高めることによって却って衝撃をダイレクトに伝達してしまうため、直下型大地震時などの大入力時においては壁のひび割れや構造部材の損傷を招いてしまう虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、補強金具自体に振動吸収機能を持たせることによって、構造部材の接合部の十分な補強と衝撃力の吸収緩和の両立を図ることが可能な構造部材緩衝補強装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、耐震補強具であって、第1片部と第2片部とを有し、該第1片部と第2片部とで全体にL字状に形成された外側部材であって、該第1片部が、該第1片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するとともに、該第2片部が、該第2片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有する外側部材と、第3片部と第4片部とを有し、該第3片部と第4片部とで全体にL字状に形成された内側部材であって、該第3片部が、該第3片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するとともに、該第4片部が、該第4片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有する内側部材と、上記外側部材に取り付けられる弾性部材と、を有することを特徴とする。
【0007】
この第1の構成の耐震補強具においては、この耐震補強具を交差する木材等の構造部材に取り付ける。取付けは、ねじ、ボルト等の締付け部材等により締め付けて行なう。つまり、内側部材は外側部材に対して重ね合わせ可能となっていて、内側部材と外側部材とを重ね合わせた状態で構造部材に取り付ける。構造部材に取り付けられた状態では、弾性部材が該構造部材に接する態様とする。なお、該外側部材において、第1片部と第2片部とは直角をなし、該内側部材において、第3片部と第4片部とは直角をなすといえる。
【0008】
この第1の構成の耐震補強具によれば、外側部材と内側部材とが重ね合わされることにより、重ね板ばね緩衝体として機能するので、構造部材を好適に補強することができる。特に、上記耐震補強具においては、外側部材のみならず、内側部材においても、各片部が、折曲げ部と該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するので、耐震補強具全体の強度を大きくすることが可能となる。また、外側部材及び内側部材において、各片部に折曲げ部が設けられているので、衝撃力を緩和することができ、また、外側部材と内側部材とを重ね合わせる際に、位置決めがしやすくなるという利点もある。
【0009】
また、第2には、上記第1の構成において、上記弾性部材における所定の面であって、上記外側部材の裏面側の面には、格子状の溝部が形成されていることを特徴とする。よって、弾性部材と該弾性部材が接する構造部材との接触抵抗を大きくすることができ、これにより、耐震補強具を構造部材に取り付けた際に、耐震補強具を構造部材にしっかりと固定させることができる。
【0010】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、上記外側部材における折曲げ部の形成位置と、上記内側部材における折曲げ部の形成位置は、内側部材を外側部材に当接させた場合に、上記外側部材における折曲げ部と、上記内側部材における折曲げ部とが密接して積層するような位置であることを特徴とする。つまり、上記外側部材における折曲げ部と、上記内側部材における折曲げ部とが密接して重ね合うようにする。
【0011】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、上記各折曲げ部は、一対の傾斜板部であって、両側の板状部に対して折曲げ状に連設された傾斜板部と、一対の傾斜板部間に配設された平行板部であって、該一対の傾斜板部から折曲げ状に連設されるとともに、該傾斜板部が連設された板状部と平行な平行板部と、を有することを特徴とする。
【0012】
この第4の構成においては、折曲げ部が全体として角張った形状をしているので、外側部材と内側部材とを正確に位置決めすることができ、また、耐震補強具を構造部材に取り付けた後においても、外側部材と内側部材とのずれを防止する一助とすることができる。また、折曲げ部は、全体として角張った形状をしているので、耐震強度を大きく保つことができる。
【0013】
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、上記外側部材において、第1片部が第2片部よりも短く形成され、かつ、上記内側部材において、第3片部が第4片部よりも短く形成されていることを特徴とする。よって、状況に応じて、耐震補強具の設置方向を任意に決めることができる。
【0014】
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記外側部材と上記内側部材とは、それぞれ独立しており、耐震補強具を施工位置に施工する際に、上記外側部材と上記内側部材とが重ね合う(「積層する」「当接する」としてもよい)ように構成されていることを特徴とする。これにより、耐震補強具をねじで構造部材に取り付ける場合に、外側部材と内側部材とが別体となっているので、ねじの締付け具合を調整する等して、取付け状態を調整することが可能となる。
【0015】
また、第7には、上記第1から第6までのいずれかの構成において、上記第1片部において、折曲げ部の長さが第1片部全体の長さの40%以下であり、上記第2片部において、折曲げ部の長さが第2片部全体の長さの40%以下であり、上記第3片部において、折曲げ部の長さが第3片部全体の長さの40%以下であり、上記第4片部において、折曲げ部の長さが第4片部全体の長さの40%以下であることを特徴とする。よって、各片部において、板状部の長さを十分確保でき、耐震補強具を構造部材にしっかりと固定することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態としての実施例を図面を利用して説明する。
【0025】
まず、本発明の実施例に基づく耐震補強具(構造部材緩衝補強装置としてもよい)は、振動吸収可能な重ね板ばね緩衝体によって振動の吸収を行う場合の例を示している。
【0026】
本発明の耐震補強具としての耐震補強金具(リーフスプリングとしてもよい)1は、図1に示されるように、インナープレート(内側部材)10、アウタープレート(外側部材)20、ラバーマウント(弾性部材)30とを有している。
【0027】
上記インナープレート10は、図2に示すように、片部(第1片部)10aと、片部(第2片部)10bとを有し、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に直交するように折曲形成した形状を有している。該片部10aの長さは、図1、図2、図4、図5等に示すように、片部10bの長さよりも短く形成されている。また、このインナープレート10は、全体に一体に形成されている。
【0028】
また、片部10aは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部12aを有し、全体には、板状部10a−1と、折曲げ部(「緩衝段差部」としてもよい)12aと、板状部10a−2とを有する構成となっている。
【0029】
この板状部10a−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部12aは、傾斜板部12a−1と、平行板部12a−2と、傾斜板部12a−3とを有している。この傾斜板部12a−1は、板状部10a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部10a−1に対して傾斜した平板状を呈している。ここで、折曲げ状とは、折り曲げたような形状、状態であることを示す。また、平行板部12a−2は、該傾斜板部12a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部10a−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部12a−3は、平行板部12a−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部12a−2に対して傾斜した平板状を呈している。
【0030】
さらに、板状部10a−2は、折曲げ部12aの傾斜板部12a−3から折曲げ状に連設されていて、板状部10a−1や平行板部12a−2と平行な平板状を呈している。この板状部10a−2の位置関係について説明すると、板状部10a−2は、板状部10a−1の延長線上にあり、板状部10a−2の上面は、板状部10a−1の上面と同一平面上にあり、板状部10a−2の下面は、板状部10a−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0031】
つまり、この片部10aは、帯状の平板部の略中央付近を折曲した形状で、該折曲して形成した折曲げ部12aを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部12aは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0032】
また、片部10aにおいて、板状部10a−1の長さと板状部10a−2の長さの合計は、片部10a全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図5に示すように、折曲げ部12aの長さe1は、片部10a全体の長さe3における40%以下となっている。なお、好適には、35%以下である。
【0033】
また、片部10bも上記片部10aと同様の構成となっている。つまり、片部10bは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部12bを有し、全体には、板状部10b−1と、折曲げ部(緩衝段差部としてもよい)12bと、板状部10b−2とを有する構成となっている。
【0034】
この板状部10b−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部12bは、傾斜板部12b−1と、平行板部12b−2と、傾斜板部12b−3とを有している。この傾斜板部12b−1は、板状部10b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部10b−1に対して傾斜した平板状を呈している。また、平行板部12b−2は、該傾斜板部12b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部10b−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部12b−3は、平行板部12b−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部12b−2に対して傾斜した平板状を呈している。
【0035】
さらに、板状部10b−2は、折曲げ部12bの傾斜板部12b−3から折曲げ状に連設されていて、板状部10b−1や平行板部12b−2と平行な平板状を呈している。この板状部10b−2の位置関係について説明すると、板状部10b−2は、板状部10b−1の延長線上にあり、板状部10b−2の上面は、板状部10b−1の上面と同一平面上にあり、板状部10b−2の下面は、板状部10b−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0036】
つまり、この片部10bは、帯状の平板部の略中央付近を折曲して、該折曲して形成した折曲げ部12bを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部12bは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0037】
また、片部10bにおいて、板状部10b−1の長さと板状部10b−2の長さの合計は、片部10b全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図5に示すように、折曲げ部12bの長さe2は、片部10b全体の長さe4における40%以下となっている。なお、好適には、35%以下である。
【0038】
また、片部10aと片部10bとは、板状部10a−2と板状部10b−2を介して連設されている。つまり、板状部10a−2は、板状部10b−2に折曲げ状に連設されている。ここで、板状部10a−2と板状部10b−2とは直角をなしている。
【0039】
また、上記片部10a、10bのそれぞれにおいて、孔部が設けられている。つまり、片部10aにおいては、板状部10a−1には、孔部14aが設けられ、板状部10a−2には、孔部14bが設けられ、また、片部10bにおいては、板状部10b−1には、孔部14dが設けられ、板状部10b−2には、孔部14cが設けられている。これらの各孔部は、ねじを通すためのものである。
【0040】
なお、片部10の幅K1は、片部10の全体にわたって同一に形成されている。また、上記板状部10a−1、10a−2、10b−1、10b−2については、平板状であるので、平板状部と名付けてもよい。
【0041】
上記アウタープレート20は、図2に示すように、上記インナープレート10と同様の構成であるが、各片部の長さが上記インナープレート10よりも長く形成されており、また、各片部の幅がインナープレート10よりも小さく形成されている点が異なる。
【0042】
つまり、アウタープレート20は、図2に示すように、片部(第3片部)20aと、片部(第4片部)20bとを有し、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に直交するように折曲形成した形状を有している。また、このインナープレート10は、全体に一体に形成されている。
【0043】
まず、片部20aは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部22aを有し、全体には、板状部20a−1と、折曲げ部(「緩衝段差部」としてもよい)22aと、板状部20a−2とを有する構成となっている。
【0044】
この板状部20a−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部22aは、傾斜板部22a−1と、平行板部22a−2と、傾斜板部22a−3とを有している。この傾斜板部22a−1は、板状部20a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部20a−1に対して傾斜した平板状を呈している。ここで、折曲げ状とは、折り曲げたような形状、状態であることを示す。また、平行板部22a−2は、該傾斜板部12a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部20a−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部22a−3は、平行板部22a−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部22a−2に対して傾斜した平板状を呈している。なお、この折曲げ部22aの形成位置は、インナープレート10をこのアウタープレート20に当接させた時に上記折曲げ部12aと密接して積層するように、該折曲げ部12aと対応する位置となっている。
【0045】
さらに、板状部20a−2は、折曲げ部22aの傾斜板部22a−3から折曲げ状に連設されていて、板状部20a−1や平行板部22a−2と平行な平板状を呈している。この板状部20a−2の位置関係について説明すると、板状部20a−2は、板状部20a−1の延長線上にあり、板状部20a−2の上面は、板状部20a−1の上面と同一平面上にあり、板状部20a−2の下面は、板状部20a−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0046】
つまり、この片部20aは、帯状の平板部の略中央付近を折曲した形状で、該折曲して形成した折曲げ部22aを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部22aは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0047】
また、片部20aにおいて、板状部20a−1の長さと板状部20a−2の長さの合計は、片部20a全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図5に示すように、折曲げ部22aの長さf1は、片部20a全体の長さf3における40%以下となっている。なお、好適には35%以下である。
【0048】
また、片部20bも上記片部20aと同様の構成となっている。つまり、片部20bは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部(「緩衝段差部」としてもよい)22bを有し、全体には、板状部20b−1と、折曲げ部22bと、板状部20b−2とを有する構成となっている。
【0049】
この板状部20b−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部22bは、傾斜板部22b−1と、平行板部22b−2と、傾斜板部22b−3とを有している。この傾斜板部22b−1は、板状部20b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部20b−1に対して傾斜した平板状を呈している。また、平行板部22b−2は、該傾斜板部22b−1から折曲して連設されていて、板状部20b−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部22b−3は、平行板部22b−2から折曲して連設されていて、該平行板部22b−2に対して傾斜した平板状を呈している。なお、この折曲げ部22bの形成位置は、インナープレート10をこのアウタープレート20に当接させた時に上記折曲げ部12bと密接して積層するように、該折曲げ部12bと対応する位置となっている。
【0050】
さらに、板状部20b−2は、折曲げ部22bの傾斜板部22b−3から折曲して連設されていて、板状部20b−1や平行板部22b−2と平行な平板状を呈している。この板状部20b−2の位置関係について説明すると、板状部20b−2は、板状部20b−1の延長線上にあり、板状部20b−2の上面は、板状部20b−1の上面と同一平面上にあり、板状部20b−2の下面は、板状部20b−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0051】
つまり、この片部20bは、帯状の平板部の略中央付近を折曲した形状で、該折曲して形成した折曲げ部22bを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部22bは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0052】
また、片部20bにおいて、板状部20b−1の長さと板状部20b−2の長さの合計は、片部20b全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図5に示すように、折曲げ部22bの長さf2は、片部20b全体の長さf4における40%以下となっている。なお、好適には35%以下である。
【0053】
また、片部20aと片部20bとは、板状部20a−2と板状部20b−2を介して連設されている。つまり、板状部20a−2は、板状部20b−2に折曲げ状に連設されている。ここで、板状部20a−2と板状部20b−2とは直角をなしている。
【0054】
また、上記片部20a、20bのそれぞれにおいて、孔部が設けられている。つまり、片部20aにおいては、板状部20a−1には、孔部24aが設けられ、板状部20a−2には、孔部24bが設けられ、また、片部20bにおいては、板状部20b−1には、孔部24dが設けられ、板状部20b−2には、孔部24cが設けられている。これらの各孔部は、ねじを通すためのものである。
【0055】
なお、このアウタープレート20の幅K2は、インナープレート10の幅K1よりも大きくなっている。つまり、後述のように、ラバーマウント30が設けられることから、ラバーマウント30におけるフック34が邪魔にならないように、インナープレート10の幅がアウタープレート20に対して小さく形成されている。
【0056】
なお、片部20の幅K2は、片部10の全体にわたって同一に形成されている。また、上記板状部20a−1、20a−2、20b−1、20b−2については、平板状であるので、平板状部と名付けてもよい。
【0057】
また、図1、図4、図5に示すように、片部10aの長手方向の長さは、片部20aの長手方向の長さよりも短く形成されていて、また、片部10bの長手方向の長さは、片部20bの長手方向の長さよりも短く形成されている。
【0058】
上記ラバーマウント30は、比較的ゴム硬度の低いゴム部材によって図3に示す如き形状に加硫成形される。具体的には、上記ラバーマウント30は平面視略正方形状を呈しており、中央部に長穴の孔部32が形成されている。また、上記ラバーマウント30の左右端部には、上記孔部32の長手方向に向けて一対のフック34、34が形成されている。つまり、ラバーマウント30は、方形状の板状を呈する本体部31と、該本体部31の両側に設けられたフック34とを有している。このフック34は、断面略L字状を呈し、本体部31と一対のフック34とで囲まれるスペースにアウタープレート20を配設することができ、フック34によってアウタープレート20から離脱するのを防止することができるようになっている。つまり、該スペースが、上記アウタープレート20の幅、厚さと略同一ないしは若干大きめに形成されており、図4に示すように上記アウタープレート20に上記フック34、34を嵌め込んで内包することにより、上記ラバーマウント30を容易に上記アウタープレート20に固着することができる。また、図3及び図4に示すように、上記ラバーマウント30の裏面側には、直線状の溝が縦横に直交する格子状溝30aが形成されている。つまり、このように格子状の溝部を設けることにより、構造部材にこの耐震補強金具1を取り付けた際に、ラバーマウント30と構造部材との接触抵抗を大きくでき、より耐震性を向上させることが可能となる。
【0059】
なお、上記インナープレート10とアウタープレート20とを重ね合わせた際には、インナープレート10のアウタープレート20側の面の全ての領域は、アウタープレート20に対して密着するようになっており、特に、角部においても、互いに密着していて隙間は形成されないようになっている。すなわち、インナープレート10の片部10aと片部10bとが接続されている部分の角部は、アウタープレート20にぴったりと密着している。
【0060】
なお、上記アウタープレート20とラバーマウント30とで、外側部が構成される。
【0061】
次に、本実施例による耐震補強金具1の使用状態及び効果を説明する。
【0062】
まず、図2に示すように、上記アウタープレート20の4ヶ所の孔部24a、24b、24c、24dと上記ラバーマウント30の孔部32との中心部が略一致するように、上記ラバーマウント30の一対のフック34を上記アウタープレート20の外側から嵌め込んで、上記ラバーマウント30の裏面側が上記アウタープレート20の外部側(裏面側)を向くように固定する。
【0063】
続いて、上記アウタープレート20の内部側に上記インナープレート10を配設し、上記折曲げ部12aと上記折曲げ部22a、上記折曲げ部12bと上記折曲げ部22bとが噛み合うように、上記アウタープレート20と上記インナープレート10とを重合して図4の状態とする。そして、その状態で図6に示すように、直交する構造部材Pの接合部内側に合わせて配設し、コーチボルト(締付け部材)M1を上記インナープレート10の孔部14a、14b、14c、14dから、上記アウタープレート20の孔部24a、24b、24c、24d、上記ラバーマウント30の孔部32へ挿通して上記構造部材Pへ締結し、図7に示す状態とする。
【0064】
そのため、上記耐震補強金具1は、上記アウタープレート20と上記インナープレート10とによって振動吸収可能な重ね板ばね緩衝体を形成することになる。そのため、上記重ね板ばね緩衝体の振動吸収機能によって好適に衝撃力が緩和され、構造部材Pの接合部の十分な補強と衝撃力の吸収緩和の両立を図ることが可能になる。
【0065】
具体的には、図8に示すように、上記耐震補強金具1に地震や台風或いは大型車両の通過などによって下側の構造部材Pが揺動し、上記インナープレート10の下側の片部10b及び上記アウタープレート20の下側の片部20bに上下振動が入力されると、上記耐震補強金具1の重ね板ばね緩衝体機能によってその振幅に追従して上記片部10a、20aと上記片部10b、20bとの間の角度が拡縮する。そのためその分だけ揺動振動が吸収されるため、上記片部10b、20b側の入力振幅α1よりも上記片部10a、20a側の伝達振幅β1を小さくすることができ好適に衝撃力を緩和することが可能になる。従って、本実施例では上記重ね板ばね緩衝体によって衝撃が緩和されるため、衝撃をダイレクトに伝達してしまう場合のように直下型大地震時などの大入力時において壁のひび割れや構造部材Pの損傷を招いてしまうのを防止することが可能になる。
【0066】
また、上下方向のみならず、横方向やねじり方向においても、上記アウタープレート20と上記インナープレート10との重合による上記重ね板ばね緩衝体によって、十分に衝撃を緩和することができる。
【0067】
また、上記耐震補強金具1は上記アウタープレート20と上記インナープレート10が重合して重ね板ばね緩衝体となっているため、剪断強度、曲げ強度、ねじり強度いずれにおいても十分な強度であり、上記構造部材Pの接合部の補強強度は十分に高めることができるとともに、柔軟性をも兼ね備えたものとなる。
【0068】
また、上記アウタープレート20と上記インナープレート10には、それぞれ内側に凸設する折曲げ部12a、22a、12b、22bが形成されているため、振動入力時に上記折曲げ部12a、22a、12b、22bが曲折することによってさらに衝撃力を緩和することが可能となる。また、上記の折曲げ部12a等が設けられていることにより、インナープレート10をアウタープレート20に重ね合わせる際に位置決めがしやすくなるという利点もある。特に、上記の折曲げ部12a、22a、12b、22bは、上記のように、平行板部と該平行板部の左右に連設された、傾斜した板状部とを有していて、全体として角張った形状をしているので、インナープレート10とアウタープレート20とを正確に位置決めすることができ、また、耐震補強金具1を構造部材Pに取り付けた後においても、インナープレート10とアウタープレート20のずれを防止する一助とすることができる。また、上記の折曲げ部12a、22a、12b、22bは、上記のように全体として角張った形状をしているので、耐震強度を大きく保つことができる。
【0069】
また、上記アウタープレート20の両片部20a、20bは上記インナープレート10の両片部10a、10bよりも長くなるように形成されているため、振動により上記アウタープレート20と上記インナープレート10との間で位置ずれが生じた場合であっても、確実に上記アウタープレート20と上記インナープレート10との重なりが確保されるため、確実に重ね板ばね緩衝体を構成することができる。
【0070】
また、インナープレート10は、アウタープレート20とほぼ同じ長さであり、特に、折曲げ部12a、12bと、板状部10a−1、10b−1とを有しているので、耐震補強金具1全体の強度を大きくすることが可能となる。
【0071】
また、インナープレート10においては、片部10aが片部10bよりも短く、また、アウタープレート20においても、片部20aが片部20bよりも短く形成されているので、状況に応じて使い分けすることが可能となる。
【0072】
また、インナープレート10における片部10a、10b及びアウタープレート20における片部20a、20bにおいて、上記のように、折曲げ部の長さは、片部全体の長さにおける40%以下となっているので、片部における板状部の長さを十分確保でき、構造部材にしっかり固定することが可能となる。
【0073】
また、上記アウタープレート20に4個のラバーマウント30が接続されているため、上記ラバーマウント30によってさらに衝撃力の緩和が可能となる。つまり、構造部材Pとの接触抵抗を大きくでき、これにより、耐震補強具1を構造部材Pに取り付けた際に、耐震補強金具1を構造部材Pにしっかりと固定させることができる。
【0074】
また、上記ラバーマウント30の裏面側に格子状溝30aが形成されているため上記耐震補強金具1の締結方向のみでなくスライド方向のばね定数も下げることができるため、横揺れなどのスライド方向の振動もさらに吸収可能となって、十分にスライド方向の衝撃力を緩和することができる。
【0075】
また、本実施例による上記耐震補強金具1を構造部材Pの多数の接続部に適用することによって、木造建造物全体の柔軟性を高めることができるため、より耐震性の高い木造建造物とすることが可能になる。また、この場合に上記耐震補強金具1は上記アウタープレート20と上記インナープレート10との2枚重ねのものであるため、上述したように各方向に対する接合強度も十分に高めることができる。
【0076】
なお、本発明は、本実施例の構成のみに限定されるものではなく、多様な態様が可能である。例えば、本実施例では上記耐震補強金具1は2枚のプレートを重合して重ね板ばね緩衝体としているが、それのみに限定されるものではなく3枚、4枚とさらに多数のプレートからなる重ね板ばね緩衝体としてもよい。また、各プレートのの板厚、材質等も、使用する態様に応じて適宜選定されるものである。
【0077】
次に、参考例について説明する。本発明の参考例に基づく耐震補強具(構造部材緩衝補強装置としてもよい)も、振動吸収可能な板ばね緩衝体によって振動の吸収を行う場合の例を示している。
【0078】
本発明の参考例の耐震補強具としての耐震補強金具(リーフスプリングとしてもよい)2は、図9に示されるように、スプリングプレート(外側部材)40と、ロッキングプレート(内側部材)50と、ラバーマウント(弾性部材)30とを有している。
【0079】
上記スプリングプレート40は、図10に示すように、片部(第1片部)40aと、片部(第2片部)40bとを有し、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に直交するように折曲形成した形状を有している。該片部40aの長さは、図8〜図12に示すように、片部40bの長さよりも短く形成されている。また、このスプリングプレート40は、全体に一体に形成されている。
【0080】
上記スプリングプレート40は、図9〜図12に示すように、片部40aと、片部40bとを有し、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に直交するように折曲形成した形状を有している。該片部40aの長さは、図9〜図12等に示すように、片部40bの長さよりも短く形成されている。また、このスプリングプレート40は、全体に一体に形成されている。
【0081】
また、片部40aは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部42aを有し、全体には、板状部40a−1と、折曲げ部(「緩衝段差部」としてもよい)42aと、板状部40a−2とを有する構成となっている。
【0082】
この板状部40a−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部42aは、傾斜板部42a−1と、平行板部42a−2と、傾斜板部42a−3とを有している。この傾斜板部42a−1は、板状部40a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部40a−1に対して傾斜した平板状を呈している。ここで、折曲げ状とは、折り曲げたような形状、状態であることを示す。また、平行板部42a−2は、該傾斜板部42a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部40a−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部42a−3は、平行板部42a−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部42a−2に対して傾斜した平板状を呈している。
【0083】
さらに、板状部40a−2は、折曲げ部42aの傾斜板部42a−3から折曲げ状に連設されていて、板状部40a−1や平行板部42a−2と平行な平板状を呈している。この板状部40a−2の位置関係について説明すると、板状部40a−2は、板状部40a−1の延長線上にあり、板状部40a−2の上面は、板状部40a−1の上面と同一平面上にあり、板状部40a−2の下面は、板状部40a−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0084】
つまり、この片部40aは、帯状の平板部の略中央付近を折曲した形状で、該折曲して形成した折曲げ部42aを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部42aは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0085】
また、片部40aにおいて、板状部40a−1の長さと板状部40a−2の長さの合計は、片部40a全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図12に示すように、折曲げ部42aの長さh1は、片部40a全体の長さh3における40%以下となっている。
【0086】
また、片部40bも上記片部40aと同様の構成となっている。つまり、片部40bは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部42bを有し、全体には、板状部40b−1と、折曲げ部(緩衝段差部としてもよい)42bと、板状部40b−2とを有する構成となっている。
【0087】
この板状部40b−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部42bは、傾斜板部42b−1と、平行板部42b−2と、傾斜板部42b−3とを有している。この傾斜板部42b−1は、板状部40b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部40b−1に対して傾斜した平板状を呈している。また、平行板部42b−2は、該傾斜板部42b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部40b−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部42b−3は、平行板部42b−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部42b−2に対して傾斜した平板状を呈している。
【0088】
さらに、板状部40b−2は、折曲げ部42bの傾斜板部42b−3から折曲げ状に連設されていて、板状部40b−1や平行板部42b−2と平行な平板状を呈している。この板状部40b−2の位置関係について説明すると、板状部40b−2は、板状部40b−1の延長線上にあり、板状部40b−2の上面は、板状部40b−1の上面と同一平面上にあり、板状部40b−2の下面は、板状部40b−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0089】
つまり、この片部40bは、帯状の平板部の略中央付近を折曲して、該折曲して形成した折曲げ部42bを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部42bは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0090】
また、片部40bにおいて、板状部40b−1の長さと板状部40b−2の長さの合計は、片部40b全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図12に示すように、折曲げ部42bの長さh2は、片部40b全体の長さh4における40%以下となっている。
【0091】
また、片部40aと片部40bとは、板状部40a−2と板状部40b−2を介して連設されている。つまり、板状部40a−2は、板状部40b−2に折曲げ状に連設されている。ここで、板状部40a−2と板状部40b−2とは直角をなしている。
【0092】
なお、片部40の幅K3は、片部40の全体にわたって同一に形成されている。また、上記板状部40a−1、40a−2、40b−1、40b−2については、平板状であるので、平板状部と名付けてもよい。
【0093】
なお、折曲げ部42aと折曲げ部42bとを比較すると、折曲げ部42bの長さの方が折曲げ部42aよりも長く形成されている。つまり、図12に示すように、折曲げ部42bの片部40bにおける長手方向の長さh2は、折曲げ部42aの片部40aにおける長手方向の長さh1よりも長く形成されている。
【0094】
また、上記片部40a、40bのそれぞれにおいて、孔部が設けられている。つまり、片部40aにおいては、板状部40a−1には、孔部44aが設けられ、板状部40a−2には、孔部44bが設けられ、また、片部40bにおいては、板状部40b−1には、孔部44dが設けられ、板状部40b−2には、孔部44cが設けられている。これらの各孔部は、ねじを通すためのものである。
【0095】
上記ロッキングプレート50は、図10に示すように、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に折曲形成されて直交する片部(第3片部)50aと片部(第4片部)50bとが形成されている。この片部50a、50bは、上記折曲げ部42a、42bと干渉しないように上記折曲げ部42a、42bの内側に収まる略同一の長さに形成されている。つまり、片部50aは、片部50aの端部が片部40aにおける板状部40a−2と折曲げ部42aとの境界位置よりも角部KD側になるような長さを有していて、また、片部50bは、片部50bの端部が片部40bにおける板状部40b−2と折曲げ部42bとの境界位置よりも角部KD側になるような長さを有している。つまり、図12に示すように、ロッキングプレート50における長さg1と、スプリングプレート40における長さg11とを比較すると、g1<g11であり、ロッキングプレート50における長さg2と、スプリングプレート40における長さg12とを比較すると、g2<g12である。また、上記片部50a、50bの略中央部には、それぞれ孔部52a、52bが穿設されている。また、片部50a、50bはともに平板状を呈している。なお、片部50の幅K4は、片部50の全体にわたって同一に形成されている。
【0096】
なお、スプリングプレート40の幅K3は、ロッキングプレート50の幅K4よりも大きくなっている。つまり、後述のように、ラバーマウント30が設けられることから、ラバーマウント30におけるフック34が邪魔にならないように、ロッキングプレート50の幅がスプリングプレート40に対して小さく形成されている。
【0097】
そして、ロッキングプレート50は、スプリングプレート40の内部側に固着されている。つまり、ロッキングプレート50の外側面とスプリングプレート40の内側面とが接するように配置した上で、ロッキングプレート50の端部とスプリングプレート40の内側面とが溶接により固着されている。つまり、図8における溶接部Y1、Y2により、ロッキングプレート50がスプリングプレート40に固着されている。
【0098】
なお、ロッキングプレート50のスプリングプレート40側の面の全ての領域は、スプリングプレート40に対して密着するようになっており、特に、角部においても、互いに密着していて隙間は形成されないようになっている。すなわち、ロッキングプレート50の片部50aと片部50bとが接続されている部分の角部は、スプリングプレート40にぴったりと密着している。
【0099】
上記ラバーマウント30は、上記実施例のものと同一なものであり図3に示す如き形状を呈している。つまり、ラバーマウント30は、方形状の板状を呈する本体部31と、該本体部31の両側に設けられたフック34とを有している。また、上記ラバーマウント30の裏面側には、直線状の溝が縦横に直交する格子状溝30aが形成されている。
【0100】
次に、本参考例による耐震補強金具2の使用状態及び効果を説明する。まず、図9及び図10に示すように、上記スプリングプレート40の4ヶ所の孔部44a、44b、44c、44dと上記ラバーマウント30の孔部32との中心部が略一致するように、上記ラバーマウント30の一対のフック34を上記スプリングプレート40の外側から嵌め込んで、上記ラバーマウント30の裏面側が上記スプリングプレート40の外部側を向くように固定する。
【0101】
そして、その状態で図11に示すように、上記耐震補強金具2を直交する構造部材Pの接合部内側に合わせて配設し、コーチボルトM1を上記ロッキングプレート50の孔部52a、52b、及び上記スプリングプレート40の44a、44dから挿入し、それぞれ上記ラバーマウント30の孔部32へ挿通して上記構造部材Pへ締結し、図11に示す状態とする。
【0102】
そのため、上記スプリングプレート40は、図12に示すように、上記ロッキングプレート50によって中央の曲折部が強固に固定されるため上記ロッキングプレート50から突出して開放されている上記片部40a、40bの先端側のみが曲折可能となって板ばね緩衝体を形成することになる。そして、上記板ばね緩衝体の振動吸収機能によって好適に衝撃力が緩和され、構造部材Pの接合部の十分な補強と衝撃力の吸収緩和の両立を図ることが可能になる。
【0103】
具体的には、図12に示すように、上記耐震補強金具2に地震や台風或いは大型車両の通過などによって下側の構造部材Pが揺動し、上記スプリングプレート40の下側の片部40bに上下振動が入力されると、その板ばね緩衝体機能によってその振幅に追従して上記片部40aと上記片部40bとの間の角度が拡縮する。そのためその分だけ揺動振動が吸収されるため、上記片部40b側の入力振幅α2よりも上記片部40a側の伝達振幅β2を小さくすることができ好適に衝撃力を緩和することが可能になる。従って、本参考例では上記板ばね緩衝体によって衝撃が緩和されるため、衝撃をダイレクトに伝達してしまう場合のように直下型大地震時などの大入力時において壁のひび割れや構造部材Pの損傷を招いてしまうのを防止することが可能になる。
【0104】
また、上下方向のみならず、横方向やねじり方向においても、上記板ばね緩衝体によって、十分に衝撃を緩和することができる。
【0105】
また、上記耐震補強金具2は上記スプリングプレート40に上記ロッキングプレート50が溶接して固着されているため、剪断強度、曲げ強度、ねじり強度いずれにおいても十分な強度であり、上記構造部材Pの接合部の補強強度は十分に高めることができるとともに、柔軟性をも兼ね備えたものとなる。
【0106】
また、上記スプリングプレート40には、それぞれ内側に凸設する折曲げ部42a、42bが形成されているため、振動入力時に上記折曲げ部42a、42bが曲折することによってさらに衝撃力を緩和することが可能となる。また、上記折曲げ部42aは上記折曲げ部42bよりも短く設定されており、上記折曲げ部42b側でより入力振動を吸収するようになされている。また、上記の折曲げ部42a、42bは、上記のように全体として角張った形状をしているので、耐震強度を大きく保つことができる。
【0107】
また、スプリングプレート40においては、片部40aが片部40bよりも短く形成されているので、状況に応じて使い分けすることが可能となる。
【0108】
また、スプリングプレート40における片部40a、40bにおいて、上記のように、折曲げ部の長さは、片部全体の長さにおける40%以下となっているので、片部における板状部の長さを十分確保でき、構造部材にしっかり固定することが可能となる。
【0109】
また、上記スプリングプレート40に4個のラバーマウント30が接続されているため、上記ラバーマウント30によってさらに衝撃力の緩和が可能となる。
【0110】
また、上記ラバーマウント30の裏面側に格子状溝30aが形成されているため上記耐震補強金具2の締結方向のみでなくスライド方向のばね定数も下げることができるため、横揺れなどのスライド方向の振動もさらに吸収可能となって、十分にスライド方向の衝撃力を緩和することができる。
【0111】
また、本参考例による上記耐震補強金具2を構造部材Pの多数の接続部に適用することによって、木造建造物全体の柔軟性を高めることができるため、より耐震性の高い木造建造物とすることが可能になる。また、この場合に上記耐震補強金具2は上記スプリングプレート40に上記ロッキングプレート50が溶接された2枚重ねのものであるため、上述したように各方向に対する接合強度も十分に高めることができる。
【0112】
なお、本参考例は、上記の構成のみに限定されるものではなく、多様な態様が可能である。例えば、本参考例では上記耐震補強金具1は1枚のスプリングプレート40の基部をロックして板ばね緩衝体としているが、それのみに限定されるものではなく2枚、3枚とさらに多数のスプリングプレートを用いてその基部をロックした板ばね緩衝体としてもよい。また、各プレートのの板厚、材質等も、使用する態様に応じて適宜選定されるものである。
【0113】
【発明の効果】
本発明に基づく請求項1に記載の耐震補強具によれば、外側部材と内側部材とが重ね合わされることにより、重ね板ばね緩衝体として機能するので、構造部材を好適に補強することができる。特に、上記耐震補強具においては、外側部材のみならず、内側部材においても、各片部が、折曲げ部と該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するので、耐震補強具全体の強度を大きくすることが可能となる。また、外側部材及び内側部材において、各片部に折曲げ部が設けられているので、衝撃力を緩和することができ、また、外側部材と内側部材とを重ね合わせる際に、位置決めがしやすくなるという利点もある。
【0114】
また、特に、上記弾性部材における所定の面であって、上記外側部材の裏面側の面には、格子状の溝部が形成されている場合には、弾性部材と該弾性部材が接する構造部材との接触抵抗を大きくすることができ、これにより、耐震補強具を構造部材に取り付けた際に、耐震補強具を構造部材にしっかりと固定させることができる。
【0115】
また、特に、上記各折曲げ部は、一対の傾斜板部であって、両側の板状部に対して折曲げ状に連設された傾斜板部と、一対の傾斜板部間に配設された平行板部であって、該一対の傾斜板部から折曲げ状に連設されるとともに、該傾斜板部が連設された板状部と平行な平行板部と、を有する場合には、折曲げ部が全体として角張った形状をしているので、外側部材と内側部材とを正確に位置決めすることができ、また、耐震補強具を構造部材に取り付けた後においても、外側部材と内側部材とのずれを防止する一助とすることができる。また、折曲げ部は、全体として角張った形状をしているので、耐震強度を大きく保つことができる。
【0116】
また、特に、上記第1片部において、折曲げ部の長さが第1片部全体の長さの40%以下であり、上記第2片部において、折曲げ部の長さが第2片部全体の長さの40%以下であり、上記第3片部において、折曲げ部の長さが第3片部全体の長さの40%以下であり、上記第2片部において、折曲げ部の長さが第3片部全体の長さの40%以下である場合には、各片部において、板状部の長さを十分確保でき、耐震補強具を構造部材にしっかりと固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の分割状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に基づくラバーマウントの形状を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の裏面側の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の構成を示す側面図である。
【図6】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の組付け手順を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の組付け後の状態を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例に基づく構造部材緩衝補強装置の作用を示す説明図である。
【図9】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の分解斜視図である。
【図11】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の裏面側の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の構成を示す側面図である。
【図13】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の組付け後の状態を示す説明図である。
【図14】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の作用を示す説明図である。
【符号の説明】
1、2 耐震補強金具
10 インナープレート
20 アウタープレート
30 ラバーマウント
30a 格子状溝
40 スプリングプレート
50 ロッキングプレート
10a、10b、20a、20b、40a、40b、50a、50b 片部
12a、12b、22a、22b、42a、42b 折曲げ部
10a−1、10a−2、10b−1、10b−2、20a−1、20a−2、20b−1、20b−2、40a−1、40a−2、40b−1、40b−2 板状部
12a−1、12a−3、12b−1、12b−3、22a−1、22a−3、22b−1、22b−3、42a−1、42a−3、42b−1、42b−1 傾斜板部
12a−2、12b−2、22a−2、22b−2、42a−2、42b−2 平行板部
P 構造部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造部材緩衝補強装置に関するものであり、特に、木造建造物における構造部材間の補強に用いられる構造部材緩衝補強装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造建造物の構造部材の接合部において、地震や台風或いは大型車両の通過などの振動によって接合部が外れたり変形してしまうのを防止すべく、構造部材の間に接合する補強金具が用いられている。
【0003】
この場合に、上記補強金具では、鋼材を略L字状に折曲して両片部をそれぞれ直交する構造部材の接合部内側に合わせて固定して、上記構造部材間の接合を補強するものであった。また、そのような補強金具にあっては補強強度を重要視しているため、L字状に折曲する両片部の間を金具で斜めに接合して剛性を高めるなどの対応がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そのような補強金具にあっては、振動の吸収面には考慮されないのみならず、剛性を高めることによって却って衝撃をダイレクトに伝達してしまうため、直下型大地震時などの大入力時においては壁のひび割れや構造部材の損傷を招いてしまう虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、補強金具自体に振動吸収機能を持たせることによって、構造部材の接合部の十分な補強と衝撃力の吸収緩和の両立を図ることが可能な構造部材緩衝補強装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、耐震補強具であって、第1片部と第2片部とを有し、該第1片部と第2片部とで全体にL字状に形成された外側部材であって、該第1片部が、該第1片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するとともに、該第2片部が、該第2片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有する外側部材と、第3片部と第4片部とを有し、該第3片部と第4片部とで全体にL字状に形成された内側部材であって、該第3片部が、該第3片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するとともに、該第4片部が、該第4片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有する内側部材と、上記外側部材に取り付けられる弾性部材と、を有することを特徴とする。
【0007】
この第1の構成の耐震補強具においては、この耐震補強具を交差する木材等の構造部材に取り付ける。取付けは、ねじ、ボルト等の締付け部材等により締め付けて行なう。つまり、内側部材は外側部材に対して重ね合わせ可能となっていて、内側部材と外側部材とを重ね合わせた状態で構造部材に取り付ける。構造部材に取り付けられた状態では、弾性部材が該構造部材に接する態様とする。なお、該外側部材において、第1片部と第2片部とは直角をなし、該内側部材において、第3片部と第4片部とは直角をなすといえる。
【0008】
この第1の構成の耐震補強具によれば、外側部材と内側部材とが重ね合わされることにより、重ね板ばね緩衝体として機能するので、構造部材を好適に補強することができる。特に、上記耐震補強具においては、外側部材のみならず、内側部材においても、各片部が、折曲げ部と該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するので、耐震補強具全体の強度を大きくすることが可能となる。また、外側部材及び内側部材において、各片部に折曲げ部が設けられているので、衝撃力を緩和することができ、また、外側部材と内側部材とを重ね合わせる際に、位置決めがしやすくなるという利点もある。
【0009】
また、第2には、上記第1の構成において、上記弾性部材における所定の面であって、上記外側部材の裏面側の面には、格子状の溝部が形成されていることを特徴とする。よって、弾性部材と該弾性部材が接する構造部材との接触抵抗を大きくすることができ、これにより、耐震補強具を構造部材に取り付けた際に、耐震補強具を構造部材にしっかりと固定させることができる。
【0010】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、上記外側部材における折曲げ部の形成位置と、上記内側部材における折曲げ部の形成位置は、内側部材を外側部材に当接させた場合に、上記外側部材における折曲げ部と、上記内側部材における折曲げ部とが密接して積層するような位置であることを特徴とする。つまり、上記外側部材における折曲げ部と、上記内側部材における折曲げ部とが密接して重ね合うようにする。
【0011】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、上記各折曲げ部は、一対の傾斜板部であって、両側の板状部に対して折曲げ状に連設された傾斜板部と、一対の傾斜板部間に配設された平行板部であって、該一対の傾斜板部から折曲げ状に連設されるとともに、該傾斜板部が連設された板状部と平行な平行板部と、を有することを特徴とする。
【0012】
この第4の構成においては、折曲げ部が全体として角張った形状をしているので、外側部材と内側部材とを正確に位置決めすることができ、また、耐震補強具を構造部材に取り付けた後においても、外側部材と内側部材とのずれを防止する一助とすることができる。また、折曲げ部は、全体として角張った形状をしているので、耐震強度を大きく保つことができる。
【0013】
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、上記外側部材において、第1片部が第2片部よりも短く形成され、かつ、上記内側部材において、第3片部が第4片部よりも短く形成されていることを特徴とする。よって、状況に応じて、耐震補強具の設置方向を任意に決めることができる。
【0014】
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記外側部材と上記内側部材とは、それぞれ独立しており、耐震補強具を施工位置に施工する際に、上記外側部材と上記内側部材とが重ね合う(「積層する」「当接する」としてもよい)ように構成されていることを特徴とする。これにより、耐震補強具をねじで構造部材に取り付ける場合に、外側部材と内側部材とが別体となっているので、ねじの締付け具合を調整する等して、取付け状態を調整することが可能となる。
【0015】
また、第7には、上記第1から第6までのいずれかの構成において、上記第1片部において、折曲げ部の長さが第1片部全体の長さの40%以下であり、上記第2片部において、折曲げ部の長さが第2片部全体の長さの40%以下であり、上記第3片部において、折曲げ部の長さが第3片部全体の長さの40%以下であり、上記第4片部において、折曲げ部の長さが第4片部全体の長さの40%以下であることを特徴とする。よって、各片部において、板状部の長さを十分確保でき、耐震補強具を構造部材にしっかりと固定することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態としての実施例を図面を利用して説明する。
【0025】
まず、本発明の実施例に基づく耐震補強具(構造部材緩衝補強装置としてもよい)は、振動吸収可能な重ね板ばね緩衝体によって振動の吸収を行う場合の例を示している。
【0026】
本発明の耐震補強具としての耐震補強金具(リーフスプリングとしてもよい)1は、図1に示されるように、インナープレート(内側部材)10、アウタープレート(外側部材)20、ラバーマウント(弾性部材)30とを有している。
【0027】
上記インナープレート10は、図2に示すように、片部(第1片部)10aと、片部(第2片部)10bとを有し、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に直交するように折曲形成した形状を有している。該片部10aの長さは、図1、図2、図4、図5等に示すように、片部10bの長さよりも短く形成されている。また、このインナープレート10は、全体に一体に形成されている。
【0028】
また、片部10aは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部12aを有し、全体には、板状部10a−1と、折曲げ部(「緩衝段差部」としてもよい)12aと、板状部10a−2とを有する構成となっている。
【0029】
この板状部10a−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部12aは、傾斜板部12a−1と、平行板部12a−2と、傾斜板部12a−3とを有している。この傾斜板部12a−1は、板状部10a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部10a−1に対して傾斜した平板状を呈している。ここで、折曲げ状とは、折り曲げたような形状、状態であることを示す。また、平行板部12a−2は、該傾斜板部12a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部10a−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部12a−3は、平行板部12a−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部12a−2に対して傾斜した平板状を呈している。
【0030】
さらに、板状部10a−2は、折曲げ部12aの傾斜板部12a−3から折曲げ状に連設されていて、板状部10a−1や平行板部12a−2と平行な平板状を呈している。この板状部10a−2の位置関係について説明すると、板状部10a−2は、板状部10a−1の延長線上にあり、板状部10a−2の上面は、板状部10a−1の上面と同一平面上にあり、板状部10a−2の下面は、板状部10a−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0031】
つまり、この片部10aは、帯状の平板部の略中央付近を折曲した形状で、該折曲して形成した折曲げ部12aを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部12aは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0032】
また、片部10aにおいて、板状部10a−1の長さと板状部10a−2の長さの合計は、片部10a全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図5に示すように、折曲げ部12aの長さe1は、片部10a全体の長さe3における40%以下となっている。なお、好適には、35%以下である。
【0033】
また、片部10bも上記片部10aと同様の構成となっている。つまり、片部10bは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部12bを有し、全体には、板状部10b−1と、折曲げ部(緩衝段差部としてもよい)12bと、板状部10b−2とを有する構成となっている。
【0034】
この板状部10b−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部12bは、傾斜板部12b−1と、平行板部12b−2と、傾斜板部12b−3とを有している。この傾斜板部12b−1は、板状部10b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部10b−1に対して傾斜した平板状を呈している。また、平行板部12b−2は、該傾斜板部12b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部10b−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部12b−3は、平行板部12b−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部12b−2に対して傾斜した平板状を呈している。
【0035】
さらに、板状部10b−2は、折曲げ部12bの傾斜板部12b−3から折曲げ状に連設されていて、板状部10b−1や平行板部12b−2と平行な平板状を呈している。この板状部10b−2の位置関係について説明すると、板状部10b−2は、板状部10b−1の延長線上にあり、板状部10b−2の上面は、板状部10b−1の上面と同一平面上にあり、板状部10b−2の下面は、板状部10b−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0036】
つまり、この片部10bは、帯状の平板部の略中央付近を折曲して、該折曲して形成した折曲げ部12bを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部12bは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0037】
また、片部10bにおいて、板状部10b−1の長さと板状部10b−2の長さの合計は、片部10b全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図5に示すように、折曲げ部12bの長さe2は、片部10b全体の長さe4における40%以下となっている。なお、好適には、35%以下である。
【0038】
また、片部10aと片部10bとは、板状部10a−2と板状部10b−2を介して連設されている。つまり、板状部10a−2は、板状部10b−2に折曲げ状に連設されている。ここで、板状部10a−2と板状部10b−2とは直角をなしている。
【0039】
また、上記片部10a、10bのそれぞれにおいて、孔部が設けられている。つまり、片部10aにおいては、板状部10a−1には、孔部14aが設けられ、板状部10a−2には、孔部14bが設けられ、また、片部10bにおいては、板状部10b−1には、孔部14dが設けられ、板状部10b−2には、孔部14cが設けられている。これらの各孔部は、ねじを通すためのものである。
【0040】
なお、片部10の幅K1は、片部10の全体にわたって同一に形成されている。また、上記板状部10a−1、10a−2、10b−1、10b−2については、平板状であるので、平板状部と名付けてもよい。
【0041】
上記アウタープレート20は、図2に示すように、上記インナープレート10と同様の構成であるが、各片部の長さが上記インナープレート10よりも長く形成されており、また、各片部の幅がインナープレート10よりも小さく形成されている点が異なる。
【0042】
つまり、アウタープレート20は、図2に示すように、片部(第3片部)20aと、片部(第4片部)20bとを有し、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に直交するように折曲形成した形状を有している。また、このインナープレート10は、全体に一体に形成されている。
【0043】
まず、片部20aは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部22aを有し、全体には、板状部20a−1と、折曲げ部(「緩衝段差部」としてもよい)22aと、板状部20a−2とを有する構成となっている。
【0044】
この板状部20a−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部22aは、傾斜板部22a−1と、平行板部22a−2と、傾斜板部22a−3とを有している。この傾斜板部22a−1は、板状部20a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部20a−1に対して傾斜した平板状を呈している。ここで、折曲げ状とは、折り曲げたような形状、状態であることを示す。また、平行板部22a−2は、該傾斜板部12a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部20a−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部22a−3は、平行板部22a−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部22a−2に対して傾斜した平板状を呈している。なお、この折曲げ部22aの形成位置は、インナープレート10をこのアウタープレート20に当接させた時に上記折曲げ部12aと密接して積層するように、該折曲げ部12aと対応する位置となっている。
【0045】
さらに、板状部20a−2は、折曲げ部22aの傾斜板部22a−3から折曲げ状に連設されていて、板状部20a−1や平行板部22a−2と平行な平板状を呈している。この板状部20a−2の位置関係について説明すると、板状部20a−2は、板状部20a−1の延長線上にあり、板状部20a−2の上面は、板状部20a−1の上面と同一平面上にあり、板状部20a−2の下面は、板状部20a−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0046】
つまり、この片部20aは、帯状の平板部の略中央付近を折曲した形状で、該折曲して形成した折曲げ部22aを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部22aは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0047】
また、片部20aにおいて、板状部20a−1の長さと板状部20a−2の長さの合計は、片部20a全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図5に示すように、折曲げ部22aの長さf1は、片部20a全体の長さf3における40%以下となっている。なお、好適には35%以下である。
【0048】
また、片部20bも上記片部20aと同様の構成となっている。つまり、片部20bは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部(「緩衝段差部」としてもよい)22bを有し、全体には、板状部20b−1と、折曲げ部22bと、板状部20b−2とを有する構成となっている。
【0049】
この板状部20b−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部22bは、傾斜板部22b−1と、平行板部22b−2と、傾斜板部22b−3とを有している。この傾斜板部22b−1は、板状部20b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部20b−1に対して傾斜した平板状を呈している。また、平行板部22b−2は、該傾斜板部22b−1から折曲して連設されていて、板状部20b−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部22b−3は、平行板部22b−2から折曲して連設されていて、該平行板部22b−2に対して傾斜した平板状を呈している。なお、この折曲げ部22bの形成位置は、インナープレート10をこのアウタープレート20に当接させた時に上記折曲げ部12bと密接して積層するように、該折曲げ部12bと対応する位置となっている。
【0050】
さらに、板状部20b−2は、折曲げ部22bの傾斜板部22b−3から折曲して連設されていて、板状部20b−1や平行板部22b−2と平行な平板状を呈している。この板状部20b−2の位置関係について説明すると、板状部20b−2は、板状部20b−1の延長線上にあり、板状部20b−2の上面は、板状部20b−1の上面と同一平面上にあり、板状部20b−2の下面は、板状部20b−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0051】
つまり、この片部20bは、帯状の平板部の略中央付近を折曲した形状で、該折曲して形成した折曲げ部22bを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部22bは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0052】
また、片部20bにおいて、板状部20b−1の長さと板状部20b−2の長さの合計は、片部20b全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図5に示すように、折曲げ部22bの長さf2は、片部20b全体の長さf4における40%以下となっている。なお、好適には35%以下である。
【0053】
また、片部20aと片部20bとは、板状部20a−2と板状部20b−2を介して連設されている。つまり、板状部20a−2は、板状部20b−2に折曲げ状に連設されている。ここで、板状部20a−2と板状部20b−2とは直角をなしている。
【0054】
また、上記片部20a、20bのそれぞれにおいて、孔部が設けられている。つまり、片部20aにおいては、板状部20a−1には、孔部24aが設けられ、板状部20a−2には、孔部24bが設けられ、また、片部20bにおいては、板状部20b−1には、孔部24dが設けられ、板状部20b−2には、孔部24cが設けられている。これらの各孔部は、ねじを通すためのものである。
【0055】
なお、このアウタープレート20の幅K2は、インナープレート10の幅K1よりも大きくなっている。つまり、後述のように、ラバーマウント30が設けられることから、ラバーマウント30におけるフック34が邪魔にならないように、インナープレート10の幅がアウタープレート20に対して小さく形成されている。
【0056】
なお、片部20の幅K2は、片部10の全体にわたって同一に形成されている。また、上記板状部20a−1、20a−2、20b−1、20b−2については、平板状であるので、平板状部と名付けてもよい。
【0057】
また、図1、図4、図5に示すように、片部10aの長手方向の長さは、片部20aの長手方向の長さよりも短く形成されていて、また、片部10bの長手方向の長さは、片部20bの長手方向の長さよりも短く形成されている。
【0058】
上記ラバーマウント30は、比較的ゴム硬度の低いゴム部材によって図3に示す如き形状に加硫成形される。具体的には、上記ラバーマウント30は平面視略正方形状を呈しており、中央部に長穴の孔部32が形成されている。また、上記ラバーマウント30の左右端部には、上記孔部32の長手方向に向けて一対のフック34、34が形成されている。つまり、ラバーマウント30は、方形状の板状を呈する本体部31と、該本体部31の両側に設けられたフック34とを有している。このフック34は、断面略L字状を呈し、本体部31と一対のフック34とで囲まれるスペースにアウタープレート20を配設することができ、フック34によってアウタープレート20から離脱するのを防止することができるようになっている。つまり、該スペースが、上記アウタープレート20の幅、厚さと略同一ないしは若干大きめに形成されており、図4に示すように上記アウタープレート20に上記フック34、34を嵌め込んで内包することにより、上記ラバーマウント30を容易に上記アウタープレート20に固着することができる。また、図3及び図4に示すように、上記ラバーマウント30の裏面側には、直線状の溝が縦横に直交する格子状溝30aが形成されている。つまり、このように格子状の溝部を設けることにより、構造部材にこの耐震補強金具1を取り付けた際に、ラバーマウント30と構造部材との接触抵抗を大きくでき、より耐震性を向上させることが可能となる。
【0059】
なお、上記インナープレート10とアウタープレート20とを重ね合わせた際には、インナープレート10のアウタープレート20側の面の全ての領域は、アウタープレート20に対して密着するようになっており、特に、角部においても、互いに密着していて隙間は形成されないようになっている。すなわち、インナープレート10の片部10aと片部10bとが接続されている部分の角部は、アウタープレート20にぴったりと密着している。
【0060】
なお、上記アウタープレート20とラバーマウント30とで、外側部が構成される。
【0061】
次に、本実施例による耐震補強金具1の使用状態及び効果を説明する。
【0062】
まず、図2に示すように、上記アウタープレート20の4ヶ所の孔部24a、24b、24c、24dと上記ラバーマウント30の孔部32との中心部が略一致するように、上記ラバーマウント30の一対のフック34を上記アウタープレート20の外側から嵌め込んで、上記ラバーマウント30の裏面側が上記アウタープレート20の外部側(裏面側)を向くように固定する。
【0063】
続いて、上記アウタープレート20の内部側に上記インナープレート10を配設し、上記折曲げ部12aと上記折曲げ部22a、上記折曲げ部12bと上記折曲げ部22bとが噛み合うように、上記アウタープレート20と上記インナープレート10とを重合して図4の状態とする。そして、その状態で図6に示すように、直交する構造部材Pの接合部内側に合わせて配設し、コーチボルト(締付け部材)M1を上記インナープレート10の孔部14a、14b、14c、14dから、上記アウタープレート20の孔部24a、24b、24c、24d、上記ラバーマウント30の孔部32へ挿通して上記構造部材Pへ締結し、図7に示す状態とする。
【0064】
そのため、上記耐震補強金具1は、上記アウタープレート20と上記インナープレート10とによって振動吸収可能な重ね板ばね緩衝体を形成することになる。そのため、上記重ね板ばね緩衝体の振動吸収機能によって好適に衝撃力が緩和され、構造部材Pの接合部の十分な補強と衝撃力の吸収緩和の両立を図ることが可能になる。
【0065】
具体的には、図8に示すように、上記耐震補強金具1に地震や台風或いは大型車両の通過などによって下側の構造部材Pが揺動し、上記インナープレート10の下側の片部10b及び上記アウタープレート20の下側の片部20bに上下振動が入力されると、上記耐震補強金具1の重ね板ばね緩衝体機能によってその振幅に追従して上記片部10a、20aと上記片部10b、20bとの間の角度が拡縮する。そのためその分だけ揺動振動が吸収されるため、上記片部10b、20b側の入力振幅α1よりも上記片部10a、20a側の伝達振幅β1を小さくすることができ好適に衝撃力を緩和することが可能になる。従って、本実施例では上記重ね板ばね緩衝体によって衝撃が緩和されるため、衝撃をダイレクトに伝達してしまう場合のように直下型大地震時などの大入力時において壁のひび割れや構造部材Pの損傷を招いてしまうのを防止することが可能になる。
【0066】
また、上下方向のみならず、横方向やねじり方向においても、上記アウタープレート20と上記インナープレート10との重合による上記重ね板ばね緩衝体によって、十分に衝撃を緩和することができる。
【0067】
また、上記耐震補強金具1は上記アウタープレート20と上記インナープレート10が重合して重ね板ばね緩衝体となっているため、剪断強度、曲げ強度、ねじり強度いずれにおいても十分な強度であり、上記構造部材Pの接合部の補強強度は十分に高めることができるとともに、柔軟性をも兼ね備えたものとなる。
【0068】
また、上記アウタープレート20と上記インナープレート10には、それぞれ内側に凸設する折曲げ部12a、22a、12b、22bが形成されているため、振動入力時に上記折曲げ部12a、22a、12b、22bが曲折することによってさらに衝撃力を緩和することが可能となる。また、上記の折曲げ部12a等が設けられていることにより、インナープレート10をアウタープレート20に重ね合わせる際に位置決めがしやすくなるという利点もある。特に、上記の折曲げ部12a、22a、12b、22bは、上記のように、平行板部と該平行板部の左右に連設された、傾斜した板状部とを有していて、全体として角張った形状をしているので、インナープレート10とアウタープレート20とを正確に位置決めすることができ、また、耐震補強金具1を構造部材Pに取り付けた後においても、インナープレート10とアウタープレート20のずれを防止する一助とすることができる。また、上記の折曲げ部12a、22a、12b、22bは、上記のように全体として角張った形状をしているので、耐震強度を大きく保つことができる。
【0069】
また、上記アウタープレート20の両片部20a、20bは上記インナープレート10の両片部10a、10bよりも長くなるように形成されているため、振動により上記アウタープレート20と上記インナープレート10との間で位置ずれが生じた場合であっても、確実に上記アウタープレート20と上記インナープレート10との重なりが確保されるため、確実に重ね板ばね緩衝体を構成することができる。
【0070】
また、インナープレート10は、アウタープレート20とほぼ同じ長さであり、特に、折曲げ部12a、12bと、板状部10a−1、10b−1とを有しているので、耐震補強金具1全体の強度を大きくすることが可能となる。
【0071】
また、インナープレート10においては、片部10aが片部10bよりも短く、また、アウタープレート20においても、片部20aが片部20bよりも短く形成されているので、状況に応じて使い分けすることが可能となる。
【0072】
また、インナープレート10における片部10a、10b及びアウタープレート20における片部20a、20bにおいて、上記のように、折曲げ部の長さは、片部全体の長さにおける40%以下となっているので、片部における板状部の長さを十分確保でき、構造部材にしっかり固定することが可能となる。
【0073】
また、上記アウタープレート20に4個のラバーマウント30が接続されているため、上記ラバーマウント30によってさらに衝撃力の緩和が可能となる。つまり、構造部材Pとの接触抵抗を大きくでき、これにより、耐震補強具1を構造部材Pに取り付けた際に、耐震補強金具1を構造部材Pにしっかりと固定させることができる。
【0074】
また、上記ラバーマウント30の裏面側に格子状溝30aが形成されているため上記耐震補強金具1の締結方向のみでなくスライド方向のばね定数も下げることができるため、横揺れなどのスライド方向の振動もさらに吸収可能となって、十分にスライド方向の衝撃力を緩和することができる。
【0075】
また、本実施例による上記耐震補強金具1を構造部材Pの多数の接続部に適用することによって、木造建造物全体の柔軟性を高めることができるため、より耐震性の高い木造建造物とすることが可能になる。また、この場合に上記耐震補強金具1は上記アウタープレート20と上記インナープレート10との2枚重ねのものであるため、上述したように各方向に対する接合強度も十分に高めることができる。
【0076】
なお、本発明は、本実施例の構成のみに限定されるものではなく、多様な態様が可能である。例えば、本実施例では上記耐震補強金具1は2枚のプレートを重合して重ね板ばね緩衝体としているが、それのみに限定されるものではなく3枚、4枚とさらに多数のプレートからなる重ね板ばね緩衝体としてもよい。また、各プレートのの板厚、材質等も、使用する態様に応じて適宜選定されるものである。
【0077】
次に、参考例について説明する。本発明の参考例に基づく耐震補強具(構造部材緩衝補強装置としてもよい)も、振動吸収可能な板ばね緩衝体によって振動の吸収を行う場合の例を示している。
【0078】
本発明の参考例の耐震補強具としての耐震補強金具(リーフスプリングとしてもよい)2は、図9に示されるように、スプリングプレート(外側部材)40と、ロッキングプレート(内側部材)50と、ラバーマウント(弾性部材)30とを有している。
【0079】
上記スプリングプレート40は、図10に示すように、片部(第1片部)40aと、片部(第2片部)40bとを有し、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に直交するように折曲形成した形状を有している。該片部40aの長さは、図8〜図12に示すように、片部40bの長さよりも短く形成されている。また、このスプリングプレート40は、全体に一体に形成されている。
【0080】
上記スプリングプレート40は、図9〜図12に示すように、片部40aと、片部40bとを有し、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に直交するように折曲形成した形状を有している。該片部40aの長さは、図9〜図12等に示すように、片部40bの長さよりも短く形成されている。また、このスプリングプレート40は、全体に一体に形成されている。
【0081】
また、片部40aは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部42aを有し、全体には、板状部40a−1と、折曲げ部(「緩衝段差部」としてもよい)42aと、板状部40a−2とを有する構成となっている。
【0082】
この板状部40a−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部42aは、傾斜板部42a−1と、平行板部42a−2と、傾斜板部42a−3とを有している。この傾斜板部42a−1は、板状部40a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部40a−1に対して傾斜した平板状を呈している。ここで、折曲げ状とは、折り曲げたような形状、状態であることを示す。また、平行板部42a−2は、該傾斜板部42a−1から折曲げ状に連設されていて、板状部40a−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部42a−3は、平行板部42a−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部42a−2に対して傾斜した平板状を呈している。
【0083】
さらに、板状部40a−2は、折曲げ部42aの傾斜板部42a−3から折曲げ状に連設されていて、板状部40a−1や平行板部42a−2と平行な平板状を呈している。この板状部40a−2の位置関係について説明すると、板状部40a−2は、板状部40a−1の延長線上にあり、板状部40a−2の上面は、板状部40a−1の上面と同一平面上にあり、板状部40a−2の下面は、板状部40a−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0084】
つまり、この片部40aは、帯状の平板部の略中央付近を折曲した形状で、該折曲して形成した折曲げ部42aを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部42aは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0085】
また、片部40aにおいて、板状部40a−1の長さと板状部40a−2の長さの合計は、片部40a全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図12に示すように、折曲げ部42aの長さh1は、片部40a全体の長さh3における40%以下となっている。
【0086】
また、片部40bも上記片部40aと同様の構成となっている。つまり、片部40bは、その長手方向の中央付近に凸状の折曲げ部42bを有し、全体には、板状部40b−1と、折曲げ部(緩衝段差部としてもよい)42bと、板状部40b−2とを有する構成となっている。
【0087】
この板状部40b−1は、長方形状の平板状を呈している。また、折曲げ部42bは、傾斜板部42b−1と、平行板部42b−2と、傾斜板部42b−3とを有している。この傾斜板部42b−1は、板状部40b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部40b−1に対して傾斜した平板状を呈している。また、平行板部42b−2は、該傾斜板部42b−1から折曲げ状に連設されていて、板状部40b−1に対して平行な平板状を呈している。また、傾斜板部42b−3は、平行板部42b−2から折曲げ状に連設されていて、該平行板部42b−2に対して傾斜した平板状を呈している。
【0088】
さらに、板状部40b−2は、折曲げ部42bの傾斜板部42b−3から折曲げ状に連設されていて、板状部40b−1や平行板部42b−2と平行な平板状を呈している。この板状部40b−2の位置関係について説明すると、板状部40b−2は、板状部40b−1の延長線上にあり、板状部40b−2の上面は、板状部40b−1の上面と同一平面上にあり、板状部40b−2の下面は、板状部40b−1の下面と同一平面上にあるといえる。
【0089】
つまり、この片部40bは、帯状の平板部の略中央付近を折曲して、該折曲して形成した折曲げ部42bを台形形状の3辺をなすような形状を有するものであるといえる。また、折曲げ部42bは、いわゆる角張った形状となっているといえる。
【0090】
また、片部40bにおいて、板状部40b−1の長さと板状部40b−2の長さの合計は、片部40b全体の長さにおける60%以上となっている。つまり、図12に示すように、折曲げ部42bの長さh2は、片部40b全体の長さh4における40%以下となっている。
【0091】
また、片部40aと片部40bとは、板状部40a−2と板状部40b−2を介して連設されている。つまり、板状部40a−2は、板状部40b−2に折曲げ状に連設されている。ここで、板状部40a−2と板状部40b−2とは直角をなしている。
【0092】
なお、片部40の幅K3は、片部40の全体にわたって同一に形成されている。また、上記板状部40a−1、40a−2、40b−1、40b−2については、平板状であるので、平板状部と名付けてもよい。
【0093】
なお、折曲げ部42aと折曲げ部42bとを比較すると、折曲げ部42bの長さの方が折曲げ部42aよりも長く形成されている。つまり、図12に示すように、折曲げ部42bの片部40bにおける長手方向の長さh2は、折曲げ部42aの片部40aにおける長手方向の長さh1よりも長く形成されている。
【0094】
また、上記片部40a、40bのそれぞれにおいて、孔部が設けられている。つまり、片部40aにおいては、板状部40a−1には、孔部44aが設けられ、板状部40a−2には、孔部44bが設けられ、また、片部40bにおいては、板状部40b−1には、孔部44dが設けられ、板状部40b−2には、孔部44cが設けられている。これらの各孔部は、ねじを通すためのものである。
【0095】
上記ロッキングプレート50は、図10に示すように、厚さが約6mm程度の高張力鋼によって略L字状に折曲形成されて直交する片部(第3片部)50aと片部(第4片部)50bとが形成されている。この片部50a、50bは、上記折曲げ部42a、42bと干渉しないように上記折曲げ部42a、42bの内側に収まる略同一の長さに形成されている。つまり、片部50aは、片部50aの端部が片部40aにおける板状部40a−2と折曲げ部42aとの境界位置よりも角部KD側になるような長さを有していて、また、片部50bは、片部50bの端部が片部40bにおける板状部40b−2と折曲げ部42bとの境界位置よりも角部KD側になるような長さを有している。つまり、図12に示すように、ロッキングプレート50における長さg1と、スプリングプレート40における長さg11とを比較すると、g1<g11であり、ロッキングプレート50における長さg2と、スプリングプレート40における長さg12とを比較すると、g2<g12である。また、上記片部50a、50bの略中央部には、それぞれ孔部52a、52bが穿設されている。また、片部50a、50bはともに平板状を呈している。なお、片部50の幅K4は、片部50の全体にわたって同一に形成されている。
【0096】
なお、スプリングプレート40の幅K3は、ロッキングプレート50の幅K4よりも大きくなっている。つまり、後述のように、ラバーマウント30が設けられることから、ラバーマウント30におけるフック34が邪魔にならないように、ロッキングプレート50の幅がスプリングプレート40に対して小さく形成されている。
【0097】
そして、ロッキングプレート50は、スプリングプレート40の内部側に固着されている。つまり、ロッキングプレート50の外側面とスプリングプレート40の内側面とが接するように配置した上で、ロッキングプレート50の端部とスプリングプレート40の内側面とが溶接により固着されている。つまり、図8における溶接部Y1、Y2により、ロッキングプレート50がスプリングプレート40に固着されている。
【0098】
なお、ロッキングプレート50のスプリングプレート40側の面の全ての領域は、スプリングプレート40に対して密着するようになっており、特に、角部においても、互いに密着していて隙間は形成されないようになっている。すなわち、ロッキングプレート50の片部50aと片部50bとが接続されている部分の角部は、スプリングプレート40にぴったりと密着している。
【0099】
上記ラバーマウント30は、上記実施例のものと同一なものであり図3に示す如き形状を呈している。つまり、ラバーマウント30は、方形状の板状を呈する本体部31と、該本体部31の両側に設けられたフック34とを有している。また、上記ラバーマウント30の裏面側には、直線状の溝が縦横に直交する格子状溝30aが形成されている。
【0100】
次に、本参考例による耐震補強金具2の使用状態及び効果を説明する。まず、図9及び図10に示すように、上記スプリングプレート40の4ヶ所の孔部44a、44b、44c、44dと上記ラバーマウント30の孔部32との中心部が略一致するように、上記ラバーマウント30の一対のフック34を上記スプリングプレート40の外側から嵌め込んで、上記ラバーマウント30の裏面側が上記スプリングプレート40の外部側を向くように固定する。
【0101】
そして、その状態で図11に示すように、上記耐震補強金具2を直交する構造部材Pの接合部内側に合わせて配設し、コーチボルトM1を上記ロッキングプレート50の孔部52a、52b、及び上記スプリングプレート40の44a、44dから挿入し、それぞれ上記ラバーマウント30の孔部32へ挿通して上記構造部材Pへ締結し、図11に示す状態とする。
【0102】
そのため、上記スプリングプレート40は、図12に示すように、上記ロッキングプレート50によって中央の曲折部が強固に固定されるため上記ロッキングプレート50から突出して開放されている上記片部40a、40bの先端側のみが曲折可能となって板ばね緩衝体を形成することになる。そして、上記板ばね緩衝体の振動吸収機能によって好適に衝撃力が緩和され、構造部材Pの接合部の十分な補強と衝撃力の吸収緩和の両立を図ることが可能になる。
【0103】
具体的には、図12に示すように、上記耐震補強金具2に地震や台風或いは大型車両の通過などによって下側の構造部材Pが揺動し、上記スプリングプレート40の下側の片部40bに上下振動が入力されると、その板ばね緩衝体機能によってその振幅に追従して上記片部40aと上記片部40bとの間の角度が拡縮する。そのためその分だけ揺動振動が吸収されるため、上記片部40b側の入力振幅α2よりも上記片部40a側の伝達振幅β2を小さくすることができ好適に衝撃力を緩和することが可能になる。従って、本参考例では上記板ばね緩衝体によって衝撃が緩和されるため、衝撃をダイレクトに伝達してしまう場合のように直下型大地震時などの大入力時において壁のひび割れや構造部材Pの損傷を招いてしまうのを防止することが可能になる。
【0104】
また、上下方向のみならず、横方向やねじり方向においても、上記板ばね緩衝体によって、十分に衝撃を緩和することができる。
【0105】
また、上記耐震補強金具2は上記スプリングプレート40に上記ロッキングプレート50が溶接して固着されているため、剪断強度、曲げ強度、ねじり強度いずれにおいても十分な強度であり、上記構造部材Pの接合部の補強強度は十分に高めることができるとともに、柔軟性をも兼ね備えたものとなる。
【0106】
また、上記スプリングプレート40には、それぞれ内側に凸設する折曲げ部42a、42bが形成されているため、振動入力時に上記折曲げ部42a、42bが曲折することによってさらに衝撃力を緩和することが可能となる。また、上記折曲げ部42aは上記折曲げ部42bよりも短く設定されており、上記折曲げ部42b側でより入力振動を吸収するようになされている。また、上記の折曲げ部42a、42bは、上記のように全体として角張った形状をしているので、耐震強度を大きく保つことができる。
【0107】
また、スプリングプレート40においては、片部40aが片部40bよりも短く形成されているので、状況に応じて使い分けすることが可能となる。
【0108】
また、スプリングプレート40における片部40a、40bにおいて、上記のように、折曲げ部の長さは、片部全体の長さにおける40%以下となっているので、片部における板状部の長さを十分確保でき、構造部材にしっかり固定することが可能となる。
【0109】
また、上記スプリングプレート40に4個のラバーマウント30が接続されているため、上記ラバーマウント30によってさらに衝撃力の緩和が可能となる。
【0110】
また、上記ラバーマウント30の裏面側に格子状溝30aが形成されているため上記耐震補強金具2の締結方向のみでなくスライド方向のばね定数も下げることができるため、横揺れなどのスライド方向の振動もさらに吸収可能となって、十分にスライド方向の衝撃力を緩和することができる。
【0111】
また、本参考例による上記耐震補強金具2を構造部材Pの多数の接続部に適用することによって、木造建造物全体の柔軟性を高めることができるため、より耐震性の高い木造建造物とすることが可能になる。また、この場合に上記耐震補強金具2は上記スプリングプレート40に上記ロッキングプレート50が溶接された2枚重ねのものであるため、上述したように各方向に対する接合強度も十分に高めることができる。
【0112】
なお、本参考例は、上記の構成のみに限定されるものではなく、多様な態様が可能である。例えば、本参考例では上記耐震補強金具1は1枚のスプリングプレート40の基部をロックして板ばね緩衝体としているが、それのみに限定されるものではなく2枚、3枚とさらに多数のスプリングプレートを用いてその基部をロックした板ばね緩衝体としてもよい。また、各プレートのの板厚、材質等も、使用する態様に応じて適宜選定されるものである。
【0113】
【発明の効果】
本発明に基づく請求項1に記載の耐震補強具によれば、外側部材と内側部材とが重ね合わされることにより、重ね板ばね緩衝体として機能するので、構造部材を好適に補強することができる。特に、上記耐震補強具においては、外側部材のみならず、内側部材においても、各片部が、折曲げ部と該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するので、耐震補強具全体の強度を大きくすることが可能となる。また、外側部材及び内側部材において、各片部に折曲げ部が設けられているので、衝撃力を緩和することができ、また、外側部材と内側部材とを重ね合わせる際に、位置決めがしやすくなるという利点もある。
【0114】
また、特に、上記弾性部材における所定の面であって、上記外側部材の裏面側の面には、格子状の溝部が形成されている場合には、弾性部材と該弾性部材が接する構造部材との接触抵抗を大きくすることができ、これにより、耐震補強具を構造部材に取り付けた際に、耐震補強具を構造部材にしっかりと固定させることができる。
【0115】
また、特に、上記各折曲げ部は、一対の傾斜板部であって、両側の板状部に対して折曲げ状に連設された傾斜板部と、一対の傾斜板部間に配設された平行板部であって、該一対の傾斜板部から折曲げ状に連設されるとともに、該傾斜板部が連設された板状部と平行な平行板部と、を有する場合には、折曲げ部が全体として角張った形状をしているので、外側部材と内側部材とを正確に位置決めすることができ、また、耐震補強具を構造部材に取り付けた後においても、外側部材と内側部材とのずれを防止する一助とすることができる。また、折曲げ部は、全体として角張った形状をしているので、耐震強度を大きく保つことができる。
【0116】
また、特に、上記第1片部において、折曲げ部の長さが第1片部全体の長さの40%以下であり、上記第2片部において、折曲げ部の長さが第2片部全体の長さの40%以下であり、上記第3片部において、折曲げ部の長さが第3片部全体の長さの40%以下であり、上記第2片部において、折曲げ部の長さが第3片部全体の長さの40%以下である場合には、各片部において、板状部の長さを十分確保でき、耐震補強具を構造部材にしっかりと固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の分割状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に基づくラバーマウントの形状を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の裏面側の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の構成を示す側面図である。
【図6】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の組付け手順を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例に基づく耐震補強金具の組付け後の状態を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例に基づく構造部材緩衝補強装置の作用を示す説明図である。
【図9】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の分解斜視図である。
【図11】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の裏面側の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の構成を示す側面図である。
【図13】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の組付け後の状態を示す説明図である。
【図14】本発明の参考例に基づく耐震補強金具の作用を示す説明図である。
【符号の説明】
1、2 耐震補強金具
10 インナープレート
20 アウタープレート
30 ラバーマウント
30a 格子状溝
40 スプリングプレート
50 ロッキングプレート
10a、10b、20a、20b、40a、40b、50a、50b 片部
12a、12b、22a、22b、42a、42b 折曲げ部
10a−1、10a−2、10b−1、10b−2、20a−1、20a−2、20b−1、20b−2、40a−1、40a−2、40b−1、40b−2 板状部
12a−1、12a−3、12b−1、12b−3、22a−1、22a−3、22b−1、22b−3、42a−1、42a−3、42b−1、42b−1 傾斜板部
12a−2、12b−2、22a−2、22b−2、42a−2、42b−2 平行板部
P 構造部材
Claims (7)
- 耐震補強具であって、
第1片部と第2片部とを有し、該第1片部と第2片部とで全体にL字状に形成された外側部材であって、該第1片部が、該第1片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するとともに、該第2片部が、該第2片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有する外側部材と、
第3片部と第4片部とを有し、該第3片部と第4片部とで全体にL字状に形成された内側部材であって、該第3片部が、該第3片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有するとともに、該第4片部が、該第4片部の両端部以外の位置に折曲げ状に形成された折曲げ部と、該折曲げ部の両側に連設された板状部とを有する内側部材と、
上記外側部材に取り付けられる弾性部材と、
を有することを特徴とする耐震補強具。 - 上記弾性部材における所定の面であって、上記外側部材の裏面側の面には、格子状の溝部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の耐震補強具。
- 上記外側部材における折曲げ部の形成位置と、上記内側部材における折曲げ部の形成位置は、内側部材を外側部材に当接させた場合に、上記外側部材における折曲げ部と、上記内側部材における折曲げ部とが密接して積層するような位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐震補強具。
- 上記各折曲げ部は、
一対の傾斜板部であって、両側の板状部に対して折曲げ状に連設された傾斜板部と、
一対の傾斜板部間に配設された平行板部であって、該一対の傾斜板部から折曲げ状に連設されるとともに、該傾斜板部が連設された板状部と平行な平行板部と、
を有することを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の耐震補強具。 - 上記外側部材において、第1片部が第2片部よりも短く形成され、かつ、上記内側部材において、第3片部が第4片部よりも短く形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載の耐震補強具。
- 上記外側部材と上記内側部材とは、それぞれ独立しており、耐震補強具を施工位置に施工する際に、上記外側部材と上記内側部材とが重ね合うように構成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の耐震補強具。
- 上記第1片部において、折曲げ部の長さが第1片部全体の長さの40%以下であり、上記第2片部において、折曲げ部の長さが第2片部全体の長さの40%以下であり、上記第3片部において、折曲げ部の長さが第3片部全体の長さの40%以下であり、上記第4片部において、折曲げ部の長さが第4片部全体の長さの40%以下であることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載の耐震補強具。
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