JP5515410B2 - 曲げ加工方法および加工装置 - Google Patents
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Description
かかる加工手法によれば、当初の加工部位での加工だけでは、加工材料Mの弾性により、若干復元するため、所望の波形形状が維持できないが、かかる加工部位を、続けて次のパンチ2によるプレス加工を施すことによって、所望の波形状を確保することができるとしている。
なお、二つのパンチを交互に上下に動かす加工法としては、特許文献6においても開示されている。
また、特許文献2に記載される可動カム移動方式によれば、続けて多数の波形状を形成することはできるものの、可動カム3の先端部に設けた、略45度の押圧端部によって、可動カム3の前進移動により、順次、パンチ2を所定のストロークdで下降させるとしても、パンチ2の幅Pに対する下降距離dとのアスペクト比は、1未満であるというのが現状である。すなわち、この場合の可動カム3の移動方向は、パンチ2幅方向であり、可動カム3の略45度の押圧端部が、パンチ2の幅P移動したとしても、パンチ2の加工距離dは、p>dとなる。そのため、アスペクト比の高い材料や高ヤング率の材料に対しては、同様の形状不良が生じてしまう。
さらに特許文献3〜特許文献6のように、上下時間差構造を有するものとしても、アスペクト比高い製品および高ヤング率の材料に関するものではない。
そこで、図12に示すように、可動カム3をパンチ2の後方から、パンチ2の長手方向に沿って、略45度の押圧端部によってパンチ2を押込み、ストロークを拡大するとした提案がなされている。
しかしながら、このような構成であると、パンチ2の後方は、可動カム3の略45度の押圧端部による、いわゆる片当り状態となり、パンチ2の前方が浮いてしまうという不都合がある。
本発明は、以上のような課題を改善するために提案されたものであって、波状の曲げ製品加工において、そりや破断といった欠陥のない、良好な波形形状の製品を得るため、時間差を持ちながらパンチ加工を施すとした、曲げ加工方法および加工装置を提供することを目的とする。
前記曲げ加工を施す第1、第2型(11、12)に隣接した、曲げ加工直前の位置における前記第2型(12)と、前記第1型(11)との曲げ加工先端部間の間隔であるクリアランス(C)から前記加工材料(M)の厚みを除いた隙間を、前記加工材料(M)と前記第1型(11)との間に持たせることで、曲げ加工工程時に前記加工材料(M)の引き込み力を制御して、曲げ加工を施すようにしたことを特徴とする。
かかる板状金属板として、少なくとも可撓性、塑性変形および展性を有する、比較的軽比重の適宜な素材を想定している(例えば、アルミ等の軽金属金属板等)。
ここでは、例えば車両用エンジンのラジエータにおけるコルゲートフィンを製造する例を挙げて説明する。このコルゲートフィンは、金属板を等間隔の波状に成形したもので、冷媒を流すチューブ間に配設され、チューブ内を流れる冷媒の放熱を高める作用をなすものである。なお、加工材料は例えば、ロール状に巻いたものを引き出して、加工装置に引き込み、加工する構成とすることができる。
かかる加工装置は、ロール状に巻かれた加工材料を送り出す材料送り部と、送り込まれた加工材料を波形状に加工する機能を備えている。
材料送り部は、後述する加工装置の1回の曲げ加工毎に加工材料に形成される波形状の数に相当する分の素材送りを行うようにしている。
一方、上型12aには、下型11のブロック状部材11bの加工面に向かって下降してコンタクトし、所要の押圧力で、素材を波形状に塑性変形させる複数のプレスパンチ12bが連設されている。
これらプレスパンチ12bは、上型12aに搭載されている図示しない昇降駆動機構により、個々のプレスパンチ12bが所定の時間差を以って下降駆動させ、曲げ加工、すなわちプレス加工を施すように構成されている。この場合において、各プレスパンチ12bの駆動タイミングは、加工材料Mの送り速度や、アスペクト比に応じて、調整可能としている。
なお、図示するプレスパンチ12bの動作タイミングでは、互いに隣接する一対のプレスパンチのうち、加工材料Mの送り方向下流側のプレスパンチ12bを先行して下降動作させている。その後、所定のタイムラグを以って、隣接するプレスパンチ12bを、下降動作させている。
ブロック状部材11bの加工面の先端部曲率半径:RD、Fb(Rに反比例):曲げ抵抗、Ff:加工面の先端部と加工材料Mとの摩擦力、L:材料引込み量(Fに反比例)、C:プレスパンチ12bと加工面の先端部とのクリアランス、F(=Fb+Ff):引張り力。
すなわち、クリアランスCは、プレス加工時に、プレス加工直前の位置におけるプレスパンチ12bと、下型11のブロック状部材11bとの曲げ加工先端部との間隔で、この存在により、プレス加工時に加工材料Mに生ずる、摩擦力Ffと曲げ抵抗Fbとに基づく引張り力Fにより、加工材料Mに材料引込み量Lを制御して、破断なく、プレス加工を良好に行うようにしている。
加工装置10の上型12aは、下型11bに対して開いた状態の上限位置から、閉じた状態となる下限位置との間を摺動する。これに伴い、上型12aに搭載されている昇降駆動機構により、各プレスパンチ12bは所定の時間差を以って下降駆動させ、プレス加工を施すことができる。
例えば図2に示すように、プレス加工を施す第1、第2型11、12に隣接した、プレス加工直前の第1、第2型11、12におけるプレス加工先端部間は、加工材料Mの引き込み力を制御するようにクリアランスCを有している。
このとき、プレス加工直前の第1、第2型11、12においては、プレスパンチ12bと、下型11のブロック状部材11bの曲げ加工先端部との間は、クリアランスCを以って開いているので、加工材料Mは、プレス加工位置における下型11のブロック状部材11bの曲げ加工先端部により、曲げ抵抗Fbに抗して、片曲げ曲率半径Rmで曲げられた状態となる。
これにより、プレス加工位置で、加工部位である、加工材料Mには、曲げ抵抗Fbと摩擦力Ffに基づく引張り力Fがかかり、加工材料Mに対しては、引張り力Fに反比例する材料引込み量Lが生じる。
以上のようにして、プレス加工を順次実行し、プレス加工直前の第1、第2型11、12において、プレスパンチ12bと、下型11のブロック状部材11bの曲げ加工先端部との間のクリアランスCを持たせることで、加工材料Mは、引張り力Fに対応した材料引込み量Lを制御して、破断することなく、所望の波形形状に加工することができる。
この加工装置20では、互いに隣接して、加工材料Mの進行方向に直交するように対向配置した、複数組の固定型と可動型21と、これら可動型21の長手軸方向端面に、それぞれ、順次、移動させて噛合い、噛合い離脱させる可動カム22とを備えている。
これら可動型21と可動カム22とは、可動型21の長手軸方向端面に可動カム22が係合離脱可能に噛合うことで、可動型21を、所定のストロークで昇降駆動させて、加工材料Mに曲げ加工を施すようにした、複数の傾斜係合部23を備えている。
そして、これらプレスパンチ21には、プレスパンチ21と、プレスパンチ21の長手軸方向に移動することで、噛合い、噛合い離脱可能に設けた可動カム22を備えている。
なお、上記列設されたプレスパンチ21群の直下には、図示は省略しているが、加工材料Mを矩形波形状に加工するための受け側としての、固定型であるダイを有している。かかるダイのコンタクト面は、矩形波形状の加工面を備えている。
これにより、可動カム22を図中、左方に押し込むことで、噛合い凸部221の押圧端面222を介し、プレスパンチ21の噛合い凹部211の押圧端面212を押し込み、ストロークdでプレスパンチ21を押し込む構成である。なお、プレスパンチ21の厚みpから、アスペクト比はd/pであり、ストロークd>厚みpから、アスペクト比(d/p)>1となる。
この加工装置30では、加工材料Mの進行方向に沿って、加工材料Mの幅方向に延在する寸法を有し、加工材料Mの幅方向に指向して、加工材料Mを挟んで、加工凸面と加工凹面とがコンタクトされるように、上下に互いに半ピッチずらして配設した第1、第2プレスパンチ31、32を設けている。そして、これら第1、第2プレスパンチ31、32には、それぞれ、第1、第2プレスパンチ31、32の長手軸方向に移動することで、係合し、係合離脱可能に設けた第1、第2可動カム33、34を備えている。
なお、これら第1、第2プレスパンチ31、32と第1、第2可動カム33、34とは、関連形態同様、一対の噛合い凹部と噛合い凸部とを介して、係合離脱可動に構成してもよい。
このように、加工材料M中央箇所に対応する、上下のプレスパンチ31、32から、左右に順次、下降、上昇させて加工していくことで、上下のプレスパンチ31、32によって加工材料Mを波形状に挟み込んで加工することにより、加工材料Mの左右双方に対して引張り力F(=Fb+Ff)に起因する材料引込み量L(Fに反比例)が生じるため、左右対称的に加工を進めていくことができ、安定した、歪を抑えてそりを抑制したプレス加工が可能となる。
例えば、図2において、加工材料Mに1次曲げ加工(1次プレス加工)を施す工程と、1次プレス加工を施したプレスパンチ12bとブロック状部材11bに隣接するプレスパンチ12bとブロック状部材11b間に1次プレス加工部位を送り込む工程と、1次プレス加工部位が送り込まれたプレスパンチ12bとブロック状部材11bにおいて、1次プレス加工部位に対し、2次プレス加工を施す工程とを実行するようにすることができる。
この場合、プレスパンチ12bが1次曲げ加工(1次プレス加工)を施す際、隣接するプレスパンチ12bは、すでに1次プレス加工がなされた加工部位が、隣接するブロック状部材11bの加工面において、所定の波形形状に形状維持するべく2次曲げ加工(2次プレス加工)を施すことができる。
11 下型
111 ブロック状部材
12 上型
121 プレスパンチ
20 プレス加工装置
21 プレスパンチ
211 噛合い凹部
212 押圧端面
22 可動カム
221 噛合い凸部
222 押圧端面
23 傾斜係合部
30 プレス加工装置
31 プレスパンチ
311 受け側傾斜段差部
32 プレスパンチ
321 受け側傾斜段差部
33 可動カム
331 押込み側傾斜段差部
34 可動カム
341 押込み側傾斜段差部
35 傾斜係合部
M 加工材料
Claims (3)
- 互いに隣接して、対向するように配置された曲げ加工先端部を有する、複数組の第1、第2型(11、12)間にもたらされた加工材料(M)に対し、それら複数組の第1、第2型(11、12)のうちの、昇降駆動機構を有する前記第2型(12)を順次、動作させて、連続的に波形状に曲げ加工を施す曲げ加工工程を具備する曲げ加工方法において、
加工材料(M)を送り込んで相対的に動作させて曲げ加工を施す第1、第2型(11、12)に隣接した、曲げ加工直前の位置における前記第2型(12)と、前記第1型(11)との曲げ加工先端部間の間隔であるクリアランス(C)から前記加工材料(M)の厚みを除いた隙間を、前記加工材料(M)と前記第1型(11)との間に持たせることで、曲げ加工工程時に前記加工材料(M)の引き込み力を制御して、曲げ加工を施すようにしたことを特徴とする曲げ加工方法。 - 互いに隣接して、対向するように配置された曲げ加工先端部を有する、複数組の第1、第2型(11、12)を備え、それら複数組の第1、第2型(11、12)間にもたらされた加工材料(M)に対し、複数組の第1、第2型(11、12)のうちの、昇降駆動機構を有する前記第2型(12)を順次、動作させて、連続的に波形状に曲げ加工を施すようにした加工装置(10)において、
前記曲げ加工を施す第1、第2型(11、12)に隣接した、曲げ加工直前の位置における前記第2型(12)と、前記第1型(11)との曲げ加工先端部間の間隔であるクリアランス(C)から前記加工材料(M)の厚みを除いた隙間を、前記加工材料(M)と前記第1型(11)との間に持たせることで、曲げ加工工程時に前記加工材料(M)の引き込み力を制御して、曲げ加工を施すようにしたことを特徴とする加工装置。 - 前記加工材料(M)に対し、前記複数組の第1、第2型(11、12)を順次、相対的に動作させて、連続的に波形状に曲げ加工を施す曲げ加工工程の終了後、前記曲げ加工箇所全体に対し、曲げ加工形状確保のための仕上げ曲げ加工を施すようにしたことを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工方法。
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