JP5514989B2 - 光パラメトリック発振器 - Google Patents

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本発明は、ポンプ光をシグナル光とアイドラ光に変換しアイドラ光を外部へ出力する光パラメトリック発振器に関し、詳しくは、小型で消費電力を抑制できる光パラメトリック発振器に係るものである。
例えば、製鉄所内に敷設されている配管から漏洩する微量ガスを遠隔検出する方法として、レーザー光を用いた吸収分光法がある。また、吸収分光法を用いて、例えば、検出対象ガスが一酸化炭素(CO)であり、ガス計測領域までの距離が1〜10mという条件で、微量ガス(濃度10〜100ppm・m)を遠隔で検出する場合、中赤外線領域(3〜5μm)の波長のレーザー光を出力10mW以上で発振させる技術が必要である事が分かっている。
ここで、微量ガスの遠隔検出用のレーザー発振器は、レーザー光を常温でかつ連続的に発振可能であることが望ましく、中赤外線領域の波長のレーザー光の場合は差周波変換技術と光パラメトリック変換技術により実現できる。差周波変換技術を利用する発振器の場合、ポンプ光とシグナル光のレーザー光源を個々に設ける必要があり、発振器の製造コストが高くなる。一方、光パラメトリック変換技術を利用する発振器の場合は、レーザー光源はポンプ光用の光源のみでよい。したがって、微量ガスの遠隔検出用のレーザー発振器としては、光パラメトリック変換技術を利用した光パラメトリック発振器の方が、製造コストを抑制できるため望ましい。ところで、光パラメトリック発振の場合、発振させるために必要な非線形光学結晶に入力するレーザー光の出力値(以下において、発振閾値という)は、高いことが知られている。
ここで、微量ガスの遠隔検出の実際の作業を考慮して、光パラメトリック発振器を持ち運び可能な構成にしようとすると、バッテリを内蔵し駆動させる必要があるため、小型で消費電力が抑制されたものが求められる。
従来、ポンプ光をシグナル光とアイドラ光に変換する光パラメトリック発振器としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された光パラメトリック発振器は、励起源から発生する所定の出力の励起光により固体レーザー結晶を励起させてポンプ光を発生させ、このポンプ光を共振させる第1共振器内に、ポンプ光を波長の異なるシグナル光とアイドラ光に変換する非線形光学結晶を設置し、固体レーザー結晶から出力されたポンプ光の強度を増幅させる構成である。このような構成であるため、固体レーザー結晶から出力されるポンプ光の出力値が非線形光学結晶の発振閾値より低くても、非線形光学結晶に入力するポンプ光を発振閾値以上の出力に増幅することができる。これにより、固体レーザー結晶から発生するポンプ光の出力が発振閾値以下になるように、励起光の出力を抑えて励起源を駆動させて消費電力を抑制させている。
特開平11−149100号公報
しかしながら、従来のこの種の光パラメトリック発振器は、非線形光学結晶用の共振器ミラーを非線形光学結晶の両側に離間して配置する構成であるため、光パラメトリック発振器のサイズが大きくなり、携帯性に欠けるという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に着目してなされたもので、小型で携帯性に優れかつ消費電力を抑制できる光パラメトリック発振器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による光パラメトリック発振器は、励起光源からの励起光に基づく光を共振させる第1共振器と、該第1共振器内にて、光を共振させて所定波長の光を外部へ出力する第2共振器とを備えた光パラメトリック発振器において、前記第1共振器は、前記励起光の入力によりポンプ光を発生する固体レーザー結晶と、前記励起光源と前記固体レーザー結晶との間に配置される第1反射鏡と、前記固体レーザー結晶を挟んで位置され前記第1反射鏡とでポンプ光を共振させる第2反射鏡とを備えて構成し、前記第1反射鏡により集光される前記ポンプ光の焦点位置を前記第2反射鏡と前記ポンプ光の光軸との交点に設定する構成としたものである。
このような構成により、励起光源からの励起光に基づく光を共振させる第1共振器と、該第1共振器内にて、光を共振させて所定波長の光を外部へ出力する第2共振器とを備えた光パラメトリック発振器において、固体レーザー結晶によって、励起光の入力によりポンプ光を発生させ、励起光源と固体レーザー結晶との間に配置される第1反射鏡と、固体レーザー結晶を挟んで位置される第2反射鏡とによって、ポンプ光を共振させ、前記第1反射鏡により、前記第2反射鏡と前記ポンプ光の光軸との交点を焦点位置として、前記ポンプ光を集光させる。
また、請求項2のように、固体レーザー結晶と第2反射鏡との間に配置される非線形光学結晶によって、ポンプ光を該ポンプ光と波長の異なるシグナル光とアイドラ光とに変換し、アイドラ光を透過させる第2反射鏡と、固体レーザー結晶と非線形光学結晶の間に位置される第3反射鏡とによって、シグナル光を共振させ、非線形光学結晶の端面に第2反射鏡と第3反射鏡との少なくともどちらか一方を、形成させる。これにより、非線形光学結晶の端面に第2反射鏡と第3反射鏡との少なくともどちらか一方を、非線形光学結晶の端面に形成させた状態で、第1共振器によりポンプ光の強度を増幅し、非線形光学結晶によりポンプ光の一部をシグナル光とアイドラ光に変換し、第2共振器によりシグナル光を共振させ、アイドラ光を外部へ出力する。
また、請求項のように、前記第2反射鏡と前記第3反射鏡との少なくともどちらか一方は、前記非線形光学結晶の端面に蒸着する構成にするとよい。
さらに、請求項のように、前記第1反射鏡を、前記固体レーザー結晶側に凹面部を向けて配置されて成る凹面鏡とし、前記第2反射鏡を、平面鏡とした構成にするとよい。
さらにまた、請求項のように、前記アイドラ光の波長を変更する波長変更手段を備えた構成にするとよい。
また、請求項のように、前記波長変更手段は、前記固体レーザー結晶と前記第3反射鏡との間にエタロン板を配置して構成してもよい。この構成において、エタロン板の厚みによってポンプ光の波長を変更して設定できるので、エタロン板の厚みを適切に設定すれば、適切に設定されたポンプ光の波長に基づいてアイドラ光の波長を設定できるようになる。さらに、エタロン板により、非線形光学結晶へ入力するポンプ光を、従来から知られているように、シングルモード化及び狭線幅化させる。
さらに、請求項のように、前記波長変更手段は、前記第2共振器の外側であって前記第2反射鏡側にエタロン板を配置して構成してもよい。これにより、非線形光学結晶で波長変換され発振された後のアイドラ光の波長を変更する。
さらにまた、請求項のように、前記エタロン板に入射するレーザー光の入射角度を、調整可能な構成にしてもよい。これにより、エタロン板が固体レーザー結晶と第3反射鏡との間に配置された場合は、非線形光学結晶に入力されるポンプ光の波長をエタロン板に入射するレーザー光の入射角度に応じて掃引し、その結果、シグナル光及びアイドラ光を掃引可能にする。また、エタロン板が第2共振器の外側であって第2反射鏡側に配置された場合は、非線形光学結晶で波長変換され発振された後のアイドラ光の波長を同様に掃引する。
また、請求項のように、前記波長変更手段は、前記固体レーザー結晶と前記第3反射鏡の互いに対向する端面で前記ポンプ光の一部を共振させるように、該端面を形成して構成してもよい。この構成において、固体レーザー結晶と第3反射鏡の互いに対向する端面間の距離によってポンプ光の波長を設定できるので、固体レーザー結晶と第3反射鏡の互いに対向する端面間の距離を適切に設定すれば、適切に設定されたポンプ光の波長に基づいてアイドラ光の波長を設定できるようになる。さらに、非線形光学結晶へ入力するポンプ光を固体レーザー結晶及び第3反射鏡の互いに対向する端面間で共振させることにより、非線形光学結晶へ入力するポンプ光を、従来から知られているように、シングルモード化及び狭線幅化させる。
さらに、請求項10のように、前記固体レーザー結晶及び前記第3反射鏡の互いに対向する端面間の距離は、調整可能な構成にしてもよい。これにより、非線形光学結晶に入力されるポンプ光の波長を掃引し、その結果、シグナル光及びアイドラ光を掃引可能にする。
さらにまた、請求項11のように、前記波長変更手段は、前記非線形光学結晶の温度を変更可能な温度調整手段をさらに備えて構成にしてもよい。
また、請求項12のように、前記波長変更手段は、前記非線形光学結晶内を透過するポンプ光の光路上における分極反転周期が変わるように、前記ポンプ光を入射させる構成にしてもよい。
さらに、請求項13のように、外部へ出力する前記アイドラ光の波長は、中赤外線領域
とした構成にしてもよい。
さらにまた、請求項14のように、前記請求項1〜13のいずれか1つに記載の光パラメトリック発振器を備え、該光パラメトリック発振器からガス計測領域に所定波長の光を照射して計測対象ガスの濃度を計測するガス計測装置にしてもよい。
本願発明の光パラメトリック発振器によれば、前記第1反射鏡により集光される前記ポンプ光の焦点位置を前記第2反射鏡と前記ポンプ光の光軸との交点に設定することにより、第1反射鏡により集光されるポンプ光の非線形光学結晶内でのビーム拡がり角を小さくすることが可能なため、非線形光学結晶内でのポンプ光のビーム断面積を小さくして波長変換効率を向上させることができる。このようにして、消費電力の抑制を図ることができる。また、請求項2に係る発明によれば、第2反射鏡と第3反射鏡との少なくともどちらか一方を、非線形光学結晶の端面に形成させた状態で、第1共振器によりポンプ光を共振させ、第2共振器によりシグナル光を共振させ、非線形光学結晶によりポンプ光をシグナル光とアイドラ光に変換しアイドラ光を外部へ出力させることができる。これにより、共振器の長さを短くし小型化することができる。また、固体レーザー結晶から出力されたポンプ光の強度を増幅して非線形光学結晶の光パラメトリック発振の発振閾値以上の出力に高めることができる。したがって、共振器の長さを短くし小型化すると共に、固体レーザー結晶から発生するポンプ光の出力が発振閾値以下になるように、励起光の出力を抑えて励起光源を駆動させて消費電力を抑制することができる。このようにして、小型で携帯性に優れかつ消費電力を抑制できる光パラメトリック発振器を提供することができる。
本発明に係る光パラメトリック発振器の第1実施形態の説明図で、(A)は概略構成図、(B)は第1実施形態の光パラメトリック発振器における各区間でのレーザー光の主な波長の一例を示す説明図である。 共振器内での縦マルチモード化を示す一般概念図である。 レーザー光のパワースペクトル及びエタロン板によるシングルモード化、狭線幅化を示す一般概念図である。 本発明に係る光パラメトリック発振器の第2実施形態の説明図で、(A)は概略構成図、(B)は第2実施形態の光パラメトリック発振器の各区間で伝播するレーザー光の主な波長の一例を示す説明図である。 本発明に係る光パラメトリック発振器の第3実施形態の説明図で、(A)は概略構成図、(B)は第3実施形態の光パラメトリック発振器の各区間で伝播するレーザー光の主な波長の一例を示す説明図である。 本発明に係る光パラメトリック発振器の第4実施形態の概略構成図である。 本発明に係る光パラメトリック発振器の第5実施形態の概略構成図である。 本発明に係る光パラメトリック発振器の第6実施形態の説明図で、(A)は概略構成図、(B)は第6実施形態の光パラメトリック発振器の各区間で伝播するレーザー光の主な波長の一例を示す説明図である。 本発明に係る光パラメトリック発振器の第7実施形態の概略構成図である。 本発明に係る光パラメトリック発振器の第8実施形態の概略構成図である。 本発明に係るガス計測装置の実施形態を示す概略構成図である。 ガス計測装置の概略動作を示すフロー図である。 アイドラ光の波長と計測対象ガスへのアイドラ光の透過率の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1(A)は、本発明に係る光パラメトリック発振器1の第1実施形態を示す概略構成図である。図1(B)は本実施形態における光パラメトリック発振器1の各区間でのレーザー光の主な波長の一例を示す説明図である。
図1(A)において、本実施形態の光パラメトリック発振器1は、励起光源2から発生する励起光により励起された後述する固体レーザー結晶6から発生するポンプ光の一部を、該ポンプ光の波長と異なる波長のシグナル光とアイドラ光とに変換し外部へ出力するもので、励起光源2と、集光レンズ3と、第1共振器4と、第2共振器5とを備えている。また、図1(A)において破線は励起光の光路を示し、点線はポンプ光の光路を示す。
励起光源2は、レーザー光を発生するものであり、例えば、市販のレーザー光源である。この励起光源2から出射されるレーザー光は、後述する固体レーザー結晶6を励起させる励起光となる。励起光源2から出射される励起光は、図1(B)に示すλ0の区間を主に伝播し、その波長(λ0)、例えば、約808nmである。
集光レンズ3は、図1(A)において破線で示すように、励起光源2から出射される励起光を後述する固体レーザー結晶6の中心で集光するように構成されるレンズである。
第1共振器4は、励起光によって励起された後述する固体レーザー結晶6から発生するポンプ光を共振させるものであり、図1(A)に示すように、固体レーザー結晶6と、第1反射鏡7と、第2反射鏡8とを備えている。なお、本実施形態においては、エタロン板11a(波長変更手段11)を更に備えている。
固体レーザー結晶6は、励起光を入力するとポンプ光を発生するものであり、図1(A)に示すように、第1共振器4内に配置されている。固体レーザー結晶6として使用する結晶は、例えば、Nd:YVO(ネオジウム添加バナジン酸イットリウム)であり、この場合、固体レーザー結晶6において、波長(λ0)が約808nmの励起光の入力により発生するポンプ光は、図1(B)に示すλpの区間を主に伝播し、その波長(λp)は、例えば、約1064nmである。
第1反射鏡7は、第1共振器4用の反射鏡となるもので、図1(A)に示すように、集光レンズ3と固体レーザー結晶6との間に配置され、励起光を透過すると共にポンプ光を反射するように、例えば、反射率が励起光に対しては低く、ポンプ光に対しては高く設定されている。
第2反射鏡8は、第1共振器4及び後述する第2共振器5用の反射鏡となるもので、図1(A)に示すように、第1反射鏡7と対向して固体レーザー結晶6を挟んで位置され、ポンプ光を反射するように、例えば、反射率がポンプ光に対しては高く設定されている。これにより、第1共振器4の第1反射鏡7と第2反射鏡8とにより、ポンプ光を共振させることができる。なお、本実施形態において、第2反射鏡8は、図1(A)に示すように、後述する非線形光学結晶9の出力側(図1(A)における右側)の端面に蒸着されている。
第2共振器5は、シグナル光を共振させると共にアイドラ光を外部へ出力するものであり、図1(A)に示すように、第2反射鏡8と、非線形光学結晶9と、第3反射鏡10とを備えている。
非線形光学結晶9は、分極反転構造を有する強誘電体の結晶からなり、固体レーザー結晶6から出力されるポンプ光(波長λp)を入射するとそのポンプ光の一部を、シグナル光(波長λs)とアイドラ光(波長λi)とに変換し出力するものであり、各波長の大小関係は、λp<λs<λiであり、下記の(1)式を満たしている。
1/λp=1/λs+1/λi ・・・・・(1)
また、非線形光学結晶9は、図1(A)に示すように、固体レーザー結晶6と前記第2反射鏡8との間に配置されている。非線形光学結晶9は、例えば、分極反転構造を持つニオブ酸リチウムLiNbO(PPLN:PeriodicAlly−Poled LN)を用いる。この場合、非線形光学結晶9において、波長(λp)約1064nmのポンプ光から波長変換されるシグナル光とアイドラ光は、図1(B)に示すλs及びλiの区間を主に伝播し、その波長は、例えば、それぞれ約1384nm(λs)と約4610nm(λi)である。
そして、第2共振器5用の反射鏡でもある前述の第2反射鏡8は、前述した様にポンプ光に対しては反射率が高く設定されていると共に、シグナル光及びアイドラ光については、アイドラ光を透過すると共にシグナル光を反射するように、例えば、反射率がアイドラ光に対しては低く、シグナル光に対しては高く設定されている。
第3反射鏡10は、第2共振器5用の反射鏡となるもので、図1(A)に示すように、固体レーザー結晶6と非線形光学結晶9の間に位置され、ポンプ光を透過すると共にシグナル光を反射するように、例えば、反射率がポンプ光に対しては低く、シグナル光に対しては高く設定されている。これにより、第2共振器5の第2反射鏡8と第3反射鏡10とにより、シグナル光を共振させることができる。なお、本実施形態においては、第3反射鏡10は、図1(A)に示すように、非線形光学結晶9の入力側(図1(A)における左側)の端面に蒸着されている。これにより、第2共振器5の共振器長を短くすることにより第1共振器4を小型化することができる。なお、本実施形態においては、前述した様に第2反射鏡8も非線形光学結晶9に蒸着されているため、第1共振器4の共振器長をさらに短くすることができ第1共振器4をさらに小型化することができる。
エタロン板11aは、外部へ出力されるアイドラ光の波長を変更する波長変更手段11を構成するもので、例えば、市販のエタロン板であり、図1(A)に示すように、固体レーザー結晶6と第3反射鏡10との間に配置されている。エタロン板11aは、従来から知られている様に、入力されるレーザー光の波長をエタロン板11aの厚みに応じた波長に設定して出力させることができ、エタロン板の厚み(図1(A)における光軸方向の厚み)が厚いほど波長は長くなり、薄いほど波長は短くなる。したがって、固体レーザー結晶6から出力されるポンプ光の波長が、非線形光学結晶9に入力する目標の波長(例えば、λp=1064nm)とずれていたとしても、エタロン板11aの厚みを適切に設定すれば、エタロン板11aを通過したポンプ光の波長を目標の波長に設定することができる。これにより、目標の波長に設定されたポンプ光の波長と非線形光学結晶9に基づいて決まる前記(1)式を満たすシグナル光とアイドラ光の波長を設定することができる。また、エタロン板11aは、後述するように共振器内でのレーザー光の品質を向上させる機能も備えている。
なお、本実施形態においては、第1反射鏡7は、図1(A)に示すように、固体レーザー結晶6側に凹面部を向けて配置されて成る凹面鏡で構成され、第2反射鏡8は、平面形状に形成された平面鏡で構成されている。これにより、ポンプ光は、図1(A)において点線で示すように、第1反射鏡7により集光され、その焦点位置を、第2反射鏡8とポンプ光の光軸との交点に設定することができ、後述するように非線形光学結晶9内での波長変換効率を向上させることができる。
次に、このように構成された第1実施形態の光パラメトリック発振器1が外部へアイドラ光を出力する動作について、例えば、励起光源2から出力される励起光の波長λ0が約808nmであり、固体レーザー結晶6がNd:YVO(ネオジウム添加バナジン酸イットリウム)であり、また、固体レーザー結晶6から出力されるポンプ光の波長λpは約1064nmであり、非線形光学結晶9がニオブ酸リチウムLiNbO(PPLN:PeriodicAlly−Poled LN)であり、目標とするアイドラ光の波長が4610nmである場合を例として説明する。
まず、図1(A)、(B)に示すように、励起光源2から波長λ0が約808nmの励起光が、集光レンズ3によりNd:YVO(固体レーザー結晶6)の中心に集光するように出力され、凹面鏡(第1反射鏡7)を透過し、Nd:YVO(固体レーザー結晶6)に入力され、Nd:YVOから波長λpが約1064nmのポンプ光が出力される。このNd:YVOから出力されるポンプ光の出力値がPPLN(非線形光学結晶9)の発振閾値以下になるように励起光の出力値は抑制されている。そして、発振閾値以下の出力のポンプ光は、エタロン板11a及び第3反射鏡10、PPLNを通過し、平面鏡(第2反射鏡8)に向かって伝播する。そして、ポンプ光は、平面鏡(第2反射鏡8)で反射し、凹面鏡(第1反射鏡7)に向かって伝播し、増幅されると共に、エタロン板11aの厚みに応じた目標の波長に設定される。さらに、増幅されたポンプ光は、凹面鏡(第1反射鏡7)で反射し、Nd:YVOを透過する。例えば、このようにポンプ光が第1共振器4内を一往復した時にポンプ光の出力値がPPLNの発振閾値以上に増幅される。次に、発振閾値以上の出力に増幅されたポンプ光は、図1(A)に示すように、平面鏡(第2反射鏡8)とポンプ光の光軸との交点に設定された焦点に集光され、所定のビーム拡がり角θ1を有した状態で、PPLNに入力され、PPLNに基づいて決まる前記(1)式を満たす波長のシグナル光とアイドラ光とに変換される。そして、アイドラ光は第2反射鏡8を透過して外部へ出力される。さらに、シグナル光は第2反射鏡8で反射し、第3反射鏡10と共振する。ここで、非線形光学結晶9で波長変換されるアイドラ光の波長を正確に目標の4610nmとなる所定の波長のポンプ光に設定される様に、厚みが製作されたエタロン板11aを使用することにより、目標とする波長λi(4610nm)のアイドラ光を外部に出力することができる。なお、上記においては、第1共振器4内をポンプ光が一往復した時にポンプ光の出力が非線形光学結晶9の発振閾値以上に増幅される場合について説明したが、これに限らず、発振閾値に達するまで複数回往復してもよい。
このような構成により、第1共振器4によって、固体レーザー結晶から出力されたポンプ光の強度を増幅して非線形光学結晶の光パラメトリック発振の発振閾値以上の出力に高めることができる。したがって、固体レーザー結晶から発生するポンプ光の出力が発振閾値以下になるように、励起光の出力を抑えて励起光源を駆動させて消費電力を抑制することができる。
また、第2共振器5によって、シグナル光を共振させる構成であるため、第2共振器5内での非線形光学結晶9の発振閾値は、従来から知られているように、小さくすることができる。したがって、さらに消費電力を抑制することができる。また前述した様に、本実施形態においては、第2反射鏡8及び第3反射鏡10は非線形光学結晶9の端面にそれぞれ蒸着されているため共振器が小型化されている。以上より、小型で携帯性に優れかつ消費電力を抑制できる光パラメトリック発振器1を提供することができる。
ここで、消費電力を抑制する上記と別の方法としては、非線形光学結晶9内での波長変換効率を向上させることが上げられる。波長変換効率は、非線形光学結晶に入力されるレーザー光のビーム断面積が小さい程向上する。また、レーザー光は、例えば、図1(A)に示すように、非線形光学結晶9内を所定のビーム拡がり角θ1で発振器内の光軸に沿って伝播している。そして、非線形光学結晶9内でのビーム拡がり角θ1が小さいほど各断面でのビーム断面積は小さく保たれ、波長変換効率は向上するため、ビーム拡がり角θ1は小さい方が望ましい。したがって、例えば、ポンプ光のビーム径が同じで、第1共振器4の長さも同じ場合は、ポンプ光の焦点位置を、図1(A)において点線で示すように、第2反射鏡8に設定するとビーム拡がり角θ1は最小となる。
本実施形態においては、前述のように第1反射鏡7を凹面鏡とし、第2反射鏡8を平面鏡にすることにより、第1反射鏡7により集光されたポンプ光の焦点位置を第2反射鏡8とポンプ光の光軸との交点に設定することができる。一方で、従来のこの種の光パラメトリック発振器において、共振器の両端に互いに凹面部を対向させた凹面鏡を配置させた構成のため、レーザー光の焦点位置を、固体レーザー結晶と非線形光学結晶の間であって、非線形光学結晶と離間した反射鏡に設定している。したがって、従来のこの種の光パラメトリック発振器よりも、ビーム拡がり角θ1を小さくすることが可能なため、波長変換効率を向上させることができる。このようにして、さらなる消費電力の抑制を図ることができる。
また、一般的に、レーザー共振器の共振は、図2に示すように、中心波長λmを中心とし所定の間隔で共振波長(λ1〜λn)が存在し、パワースペクトルについては、スペクトル幅Swが一般的に広がり、共振波長に応じた周期的な形状を示す。この各パワースペクトルは縦モードと言われる。したがって、非線形光学結晶9に入力するポンプ光の波長は、所定の間隔で複数の縦モードが存在(縦マルチモード化)していると共に、一般的に線幅は広がっているため、この状態では、非線形光学結晶9から発振するレーザー光の品質は低下する。
なお、以上の第1実施形態の説明においては、エタロン板11aを配置した場合について説明したが、本実施形態に係る光パラメトリック発振器1は、これに限らず、エタロン板11aを配置しない構成であってもよい。
本実施形態においては、前述の様にエタロン板11a(波長変更手段11)を配置している。エタロン板11aは、前述の様に通過するレーザー光の波長を変更させる機能とは別に、図2に示すように、縦マルチモード化されるレーザー光の中から特定の縦モードを抽出し、図3に示される様な、単一の縦モード(シングルモード化)にする機能と、エタロン板11aを通過したレーザー光のスペクトル幅Swを、狭く(狭線幅化)する機能をも有していることは、従来から知られている。したがって、エタロン板11aを介してポンプ光を非線形光学結晶6に入力することによって、非線形光学結晶6に入力するポンプ光の波長を、エタロン板11aの厚みに応じた、例えば、目標の波長に設定し、そして、ポンプ光をシングルモード化すると共に、線幅を狭くし品質を向上させることができる。
図4(A)は、本発明に係る光パラメトリック発振器1の第2実施形態を示す概略構成図で、破線は励起光の光路を示し、点線はポンプ光の光路を示す。また、図4(B)は、各区間で伝播するレーザー光の主な波長の一例を示す図である。尚、図1の第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態における第2反射鏡8は、図4(A)に示すように、非線形光学結晶9に蒸着せずに別に設けている。そして、図4(B)に示すように、第2反射鏡8は、波長λpのポンプ光と波長λsのシグナル光を反射し、波長λiのアイドラ光を透過する。また、例えば、第1反射鏡7等の加工精度によって決まる焦点位置に第2反射鏡8を設置し、さらに、第1共振器4内でポンプ光が増幅するように第2反射鏡8を光軸と平行な方向に微調整し最適な位置に配置する。次に、第2共振器5によってシグナル光が増幅するように非線形光学結晶9及び第3反射鏡10を光軸と平行な方向に微調整し最適な位置に配置する。このように、第1共振器4と第2共振器5の共振器長を個別に調整可能なため、第1反射鏡7や非線形光学結晶9等の加工精度に影響されずに、ポンプ光及びシグナル光の増幅を最適に行うことができる。なお、アイドラ光を外部へ出力する動作は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。また、図4(A)に、エタロン板11aを配置した場合について示したが、本実施形態の光パラメトリック発振器1は、これに限らず、エタロン板11aを配置しない構成でもよい。
図5(A)は、本発明に係る光パラメトリック発振器1の第3実施形態を示す概略構成図で、破線は励起光の光路を示し、点線はポンプ光の光路を示す。また、図5(B)は、各区間で伝播するレーザー光の主な波長の一例を示す図である。尚、図1の第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態における第3反射鏡10は、図5(A)に示すように、非線形光学結晶9に蒸着せずに別に設けている。そして、図5(B)に示すように、第3反射鏡10は、波長λpのポンプ光を透過し、波長λsのシグナル光と波長λiのアイドラ光を反射する。これにより、本構成例においても、第1共振器4と第2共振器5の共振器長を個別に調整可能なため、非線形光学結晶9等の加工精度に影響されずに、ポンプ光及びシグナル光の増幅を最適に行うことができる。さらに、本実施形態においては、第1実施形態と同様に、非線形光学結晶9へ入射するポンプ光の断面積を小さくすることができるため、第2実施形態より非線形光学結晶9での波長変換効率がよい。なお、図5において、第3反射鏡10は平面鏡として図示したが、非線形光学結晶9側に凹面部を向けて配置されて成る凹面鏡で構成されてもよい。これにより、第3反射鏡10によりポンプ光を第2反射鏡8に効率よく集光させることができる。また、アイドラ光を外部へ出力する動作は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。また、図5(A)に、エタロン板11aを配置した場合について示したが、本実施形態の光パラメトリック発振器1は、これに限らず、エタロン板11aを配置しない構成でもよい。
図6は、本発明に係る光パラメトリック発振器1の第4実施形態を示す概略構成図で、破線は励起光の光路を示し、点線はポンプ光の光路を示す。ここでは、図1(A)の第1実施形態を示す概略構成図と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、本実施形態における光りパラメトリック発振器1の各区間で伝播するレーザー光の主な波長は、図1(B)で示された第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
本実施形態における波長変更手段11は、図6に示すように、エタロン板11aを設けず、固体レーザー結晶6及び第3反射鏡10の互いに対向する端面間でポンプ光の一部を共振させるように、ポンプ光に対する反射率が高くなるように各端面を形成して構成されている。これにより、固体レーザー結晶6から出力されるポンプ光の一部は、固体レーザー結晶6と第3反射鏡10との間で共振する。また、固体レーザー結晶6及び第3反射鏡10は、前述のエタロン板11aの厚さ相当の距離dだけ離間して配置されている。このように構成された波長変更手段11を介してポンプ光を非線形光学結晶6に入力することによって、非線形光学結晶6に入力するポンプ光をシングルモード化すると共に、狭線幅化することができることが従来から知られている。そして、このように構成された波長変更手段11に入力されるポンプ光の波長を固体レーザー結晶6と第3反射鏡10の互いに対向する端面間の距離dに応じた波長に設定して出力させることができ、端面間の距離dが長いほど波長は長くなり、短いほど波長は短くなることも従来から知られている。したがって、固体レーザー結晶6から出力されるポンプ光の波長が、非線形光学結晶9に入力する目標の波長とずれていたとしても、固体レーザー結晶6と第3反射鏡10の互いに対向する端面間の距離dを適切に設定すれば、波長変更手段11(固体レーザー結晶6と第3反射鏡10の互いに対向する端面間)を通過したポンプ光の波長を目標の波長(例えば、λp=1064nm)に設定することができる。これにより、目標の波長に設定されたポンプ光の波長と非線形光学結晶に基づいて決まる前記(1)式を満たすシグナル光とアイドラ光の波長を設定することができる。したがって、高価なエタロン板を設ける必要がないため、光パラメトリック発振器1のコストダウンを図ることができる。なお、アイドラ光を外部へ出力する動作は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
また、本実施形態において、固体レーザー結晶6及び第3反射鏡10の互いに対向する端面間の離間距離dを、連続的に調整可能に構成してもよい。例えば、固体レーザー結晶6及び第3反射鏡10の少なくと一方を移動可能な手段を設けて、離間距離dを調整する。固体レーザー結晶6と第3反射鏡10との離間距離dが広くなるほど、ポンプ光の波長は長くなり、狭くするほど短くなることも従来から知られているため、非線形工学結晶9に入力するポンプ光の中心波長λmを連続的に変更し、図2に矢印で示すように、波長掃引させることができるため、外部へ出力するアイドラ光の波長を掃引することができる。
図7は、本発明に係る光パラメトリック発振器1の第5実施形態を示す概略構成図で、破線は励起光の光路を示し、点線はポンプ光の光路を示す。ここでは、図1(A)の第1実施形態を示す概略構成図と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、本実施形態における光りパラメトリック発振器1の各区間で伝播するレーザー光の主な波長は、図1(B)で示された第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
本実施形態におけるエタロン板11aは、図7に示すように、エタロン板11aに入射するレーザー光の入射角度θ2を、連続的に調整可能なように、例えば、エタロン板11aが回転可能に配置されている。これにより、角度θ2を大きくするほどポンプ光がエタロン板11aを通過する距離が長くなるためエタロン板11aを通過した後のポンプ光の波長は長くなり、角度θ2を小さくするほどエタロン板11aを通過する距離が短くなるため波長は短くなる。このように、本実施形態においても、上記第4実施形態において、固体レーザー結晶6と第3反射鏡10との離間距離dを連続的に変更可能に構成した場合と同様に、外部へ出力するアイドラ光の波長を掃引させることができる。また、各波長はエタロン板の回転速度に応じた速さで変化させることができる。
図8(A)は、本発明に係る光パラメトリック発振器1の第6実施形態を示す概略構成図で、破線は励起光の光路を示し、点線はポンプ光の光路を示す。また、図8(B)は各区間で伝播するレーザー光の主な波長の一例を示す説明図である。ここでは、図1の第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態における波長変更手段11は、エタロン板11aを、図8(A)に示すように、第2共振器5の外側であって第2反射鏡8側に配置することにより構成されている。これによって、出力されるアイドラ光のみをエタロン板11aの厚みに応じた波長に設定することができる。この場合、図8(B)に示すように、波長λpのポンプ光を非線形光学結晶9に入力すると、非線形光学結晶9に基づいて決まる前記(1)式を満たす波長λs及びλiのシグナル光とアイドラ光が非線形光学結晶9から発振され、波長λiのアイドラ光が、エタロン板11aに入力され、エタロン板11aの厚みに応じた波長λi1のアイドラ光を外部に出力することができる。なお、図8(A)に示すように、上記第4第施形態において、固体レーザー結晶6と第3反射鏡10との離間距離dを連続的に変更可能に構成した場合、及び第5実施形態と同様に、例えば、エタロン板11aを回転させることにより、本実施形態においても、上記第5実施形態と同様に、エタロン板11aへのレーザー光の入射角度θ2に応じて外部へ出力するアイドラ光の波長を掃引させることができる。
図9は、本発明に係る光パラメトリック発振器1の第7実施形態を示す概略構成図で、破線は励起光の光路を示し、点線はポンプ光の光路を示す。ここでは、図1(A)の第1実施形態を示す概略構成図と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、本実施形態における光りパラメトリック発振器1の各区間で伝播するレーザー光の主な波長は、図1(B)で示された第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
本実施形態における波長変更手段11は、エタロン板11aを備え更に、図9に示すように、非線形光学結晶9に、非線形光学結晶9の温度を変更可能な温度調整手段12を備えて構成されている。ここで、非線形光学結晶9におけるポンプ光、シグナル光及びアイドラ光の各波長(λp、λs、λi)と各波長に対する非線形光学結晶9内での各屈折率(np、ns、ni)、及び非線形光学結晶9の分極反転周期Λは下記の(2)式を満たしている。
2π(np/λp−ns/λs−ni/λi+1/Λ)=0・・・・・(2)
なお、各屈折率(np、ns、ni)は非線形光学結晶6の温度によって変化し、分極反転周期Λは非線形光学結晶9の製造上の条件で決まる固定値である。
したがって、温度調整手段12により、非線形光学結晶6の温度を変化させることによって、非線形光学結晶6内の各屈折率を温度に応じた値に設定させることができ、非線形光学結晶6内で波長変換されるシグナル光とアイドラ光の波長を上記(2)式を満たすように設定することができる。また、非線形光学結晶9の温度を連続的に変化させることができるため、上記第4第施形態において、固体レーザー結晶6と第3反射鏡10との離間距離dを連続的に変更可能に構成した場合、並びに上記第5及び第6実施形態と同様に、外部へ出力するアイドラ光の波長を掃引させることができる。そして、温度の変化範囲に応じて広帯域の波長掃引を行うことができる。なお、本実施形態において、波長変更手段11は、エタロン板11aと温度調整手段12を備えた場合を説明したが、エタロン板11aを配置せず、温度調整手段12のみを備えた構成であってもよい。
図10は、本発明に係る光パラメトリック発振器1の第8実施形態を示す概略構成図で、破線は励起光の光路を示し、点線はポンプ光の光路を示す。ここでは、図1(A)の第1実施形態を示す概略構成図と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、本実施形態における光りパラメトリック発振器1の各区間で伝播するレーザー光の主な波長は、図1(B)で示された第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
本実施形態における波長変更手段11は、エタロン板11aを備え更に、図10に示すように、非線形光学結晶9内を透過するポンプ光の光路上における分極反転周期Λが変わるように、ポンプ光を入射させる構成であり、例えば、第2共振器5を光軸と直交する方向(図10における矢印方向)に移動させることにより、非線形光学結晶9内を透過するポンプ光の光路上における分極反転周期Λを変化させることができ、非線形光学結晶6内で波長変換されるシグナル光とアイドラ光の波長を上記(2)式を満たすように設定することができる。また、例えば、第2共振器5を光軸と直交する方向に連続的に移動させることができるため、上記第4第施形態において、固体レーザー結晶6と第3反射鏡10との離間距離dを連続的に変更可能に構成した場合、並びに第5〜第7実施形態と同様に、外部へ出力するアイドラ光の波長を掃引させることができる。なお、本実施形態において、波長変更手段11は、非線形光学結晶9内を透過するポンプ光の光路上における分極反転周期Λが変わるように、ポンプ光を入射させる構成であって、更にエタロン板11aを備えた場合を説明したが、エタロン板11aを配置しない構成であってもよい。また、第2共振器5を移動させる場合で説明したが、これに限らず光軸を動かす構成であってもよい。
図11は、本発明に係るガス計測装置13の概略構成図である。本発明のガス計測装置13は、前述の光パラメトリック発振器1からガス計測領域14にアイドラ光を照射して計測対象ガスの濃度を計測するものである。
本発明に係るガス計測装置13は、光パラメトリック発振器1を備え、更に、例えば、図11に示すように、計測開始スイッチ15と、光学系16と、反射体17からの反射光を受光する受光光学系18と、受光部19と、受光部19から得られるデータを解析し計測対象ガスの濃度等を演算しガス漏洩警告の閾値を越えているかどうかを判定する解析・判定部20を備えると共に装置全体の動作を適切に制御する制御部21と、出力部22とを備えて構成されている。これにより、光パラメトリック発振器1は従来のものより小型化されているため、ガス計測装置14を小型化することができる。なお、光パラメトリック発振器1から出力するアイドラ光の波長を、中赤外線領域の波長、例えば、4.61〜4.66μmの範囲で変更可能な構成にするとよい。これにより、例えば、計測対象ガスが一酸化炭素(CO)の場合、漏洩ガスの濃度が10ppm・m〜100ppm・mといった微量ガスの漏洩を検知できる。
次に、このように構成されたガス計測装置14により計測対象ガスの濃度を計測しガス漏洩の警報をする動作について説明する。
図12に示すように、まず、計測開始スイッチ15をONし、光パラメトリック発振器1を作動させて所定の波長のアイドラ光を発振させ、アイドラ光を光学系16によりガス計測領域13に平行ビームを出射させ、受光光学系18により反射体17からの反射光を受光する。そして、受光部19により受光光学系18で受光した反射光を光電変換すると共に光電変換されたアナログデータをデジタルデータに変換し制御部19へ出力する。また、制御部21内の解析・判定部20により受光部19から得られたデータを解析し計測対象ガスの濃度等を演算し、ガス漏洩警告の閾値を越えているかどうかを判定する。さらに、解析・判定部20によりガス漏洩警告の閾値を超えていると判定された場合に、出力部22により音声や表示により警告を行う。
図13は、ガス計測装置13からガス計測領域14に出力されるアイドラ光の波長と計測対象ガスへのアイドラ光の透過率の関係を示す図であり、ガス計測領域までの距離が10m、漏洩ガスの濃度が10ppmという条件で、検出対象ガスをCOとし、同じガス計測領域及びガス濃度について検出した場合の結果である。図13に示すように、アイドラ光の波長に対応してCOガスへの透過率は変化する。透過率が低くなる波長のアイドラ光は、COガスに対する検知感度が高いことを示し、透過率が高い波長のアイドラ光は、検知感度が低いことを示している。このようにして、アイドラ光の波長を変化させることにより、検出対象ガスの検知感度が高いアイドラ光の波長を知ることができる。さらに、前述した様に、例えば、エタロン板11aを固体レーザー結晶6と第3反射鏡10に配置して、非線形光学結晶6に入力するポンプ光をシングルモード化及び狭線幅化させる構成にするとよい。これにより、図13で示すような、アイドラ光の波長と計測対象ガスへのアイドラ光の透過率の関係図を細い線幅で図示することができ、精度のよい結果を得ることができる。
なお、以上の説明では、第2反射鏡8及び第3反射鏡10の少なくともどちらか一方を、非線形光学結晶9の端面に蒸着させて形成したが、蒸着に限らず、非線形光学結晶9の端面に一体的に形成されていればよい。また、計測対象ガスは、COガスについて述べたが、CO以外の種類のガスでもよい。さらに、以上で説明した実施形態では、ポンプ光とシグナル光とアイドラ光の波長は微量のCOガスを遠隔検知する場合で説明したが、これらの波長に限るものではなく、ポンプ光とシグナル光とアイドラ光の波長は他の種類のガス及び条件(濃度、計測対象ガス領域までの距離等)に応じて適合した波長に設定されるものである。
1…光パラメトリック発振器
2…励起光源
4…第1共振器
5…第2共振器
6…固体レーザー結晶
7…第1反射鏡
8…第2反射鏡
9…非線形光学結晶
10…第3反射鏡
11…波長変更手段
11a…エタロン板
12…温度調整手段
13…ガス計測装置
14…ガス計測領域

Claims (14)

  1. 励起光源からの励起光に基づく光を共振させる第1共振器と、該第1共振器内にて、光を共振させて所定波長の光を外部へ出力する第2共振器とを備えた光パラメトリック発振器において、
    前記第1共振器は、前記励起光の入力によりポンプ光を発生する固体レーザー結晶と、前記励起光源と前記固体レーザー結晶との間に配置される第1反射鏡と、前記固体レーザー結晶を挟んで位置され前記第1反射鏡とでポンプ光を共振させる第2反射鏡とを備えて構成し、
    前記第1反射鏡により集光される前記ポンプ光の焦点位置を前記第2反射鏡と前記ポンプ光の光軸との交点に設定する構成としたことを特徴とする光パラメトリック発振器。
  2. 前記第2共振器は、前記固体レーザー結晶と前記第2反射鏡との間に配置され、前記ポンプ光を該ポンプ光と波長の異なるシグナル光とアイドラ光とに変換をする非線形光学結晶と、前記アイドラ光を透過させる前記第2反射鏡と、前記固体レーザー結晶と前記非線形光学結晶との間に位置され前記第2反射鏡とで前記シグナル光を共振させる第3反射鏡とを備え、前記アイドラ光を外部へ出力すると共に、前記第2反射鏡と前記第3反射鏡との少なくともどちらか一方を前記非線形光学結晶の端面に形成して構成した、請求項1に記載の光パラメトリック発振器。
  3. 前記第2反射鏡と前記第3反射鏡との少なくともどちらか一方は、前記非線形光学結晶の端面に蒸着する構成としたことを特徴とする請求項に記載の光パラメトリック発振器。
  4. 前記第1反射鏡は、前記固体レーザー結晶側に凹面部を向けて配置されて成る凹面鏡であり、前記第2反射鏡は、平面鏡であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の光パラメトリック発振器。
  5. 前記アイドラ光の波長を変更する波長変更手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光パラメトリック発振器。
  6. 前記波長変更手段は、前記固体レーザー結晶と前記第3反射鏡との間にエタロン板を配置して構成したことを特徴とする請求項に記載の光パラメトリック発振器。
  7. 前記波長変更手段は、前記第2共振器の外側であって前記第2反射鏡側にエタロン板を配置して構成したことを特徴とする請求項に記載の光パラメトリック発振器。
  8. 前記エタロン板に入射するレーザー光の入射角度を、調整可能な構成としたことを特徴とする請求項6又は7に記載の光パラメトリック発振器。
  9. 前記波長変更手段は、前記固体レーザー結晶と前記第3反射鏡の互いに対向する端面間で前記ポンプ光の一部を共振させるように、各端面を形成して構成したことを特徴とする請求項に記載の光パラメトリック発振器。
  10. 前記固体レーザー結晶及び前記第3反射鏡の互いに対向する端面間の距離は、調整可能な構成としたことを特徴とする請求項に記載の光パラメトリック発振器。
  11. 前記波長変更手段は、前記非線形光学結晶の温度を変更可能な温度調整手段を備えて構成したことを特徴とする請求項5〜10のいずれか1つに記載の光パラメトリック発振器。
  12. 前記波長変更手段は、前記非線形光学結晶内を透過するポンプ光の光路上における分極反転周期が変わるように、前記ポンプ光を入射させる構成としたことを特徴とする請求項5〜11のいずれか1つに記載に記載の光パラメトリック発振器。
  13. 外部へ出力する前記アイドラ光の波長は、中赤外線領域としたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載に記載の光パラメトリック発振器。
  14. 前記請求項1〜13のいずれか1つに記載の光パラメトリック発振器を備え、該光パラメトリック発振器からガス計測領域に前記所定波長の光を照射して計測対象ガスの濃度を計測するガス計測装置。
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