JP4958349B2 - リング型共振器とその高速同調方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リング型共振器とその高速同調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周波数範囲が約1〜3THzである遠赤外線あるいはサブミリ波の領域は、光波と電波の境界に位置しており、光波と電波がそれぞれの領域で発展してきたのとは対象的に、技術面及び応用面の両面で未開拓の分野として取り残されていた。しかし、無線通信におけるこの周波数帯(約1〜3THz)の有効利用や超高速通信への対応、およびこの周波数帯の電磁波の特徴を生かしたイメージングやトモグラフィーによる環境計測、そして生物や医学への応用など、この領域は近年ますます重要となってきている。以下、この周波数帯(約1〜3THz)の遠赤外線及びサブミリ波を「テラヘルツ波」と呼ぶ。
【0003】
テラヘルツ波は発生・検出ともに困難であり、従来は、(A)自由電子レーザー、(B)後進波管、(C)p−Geレーザー、等の手段によりテラヘルツ波を発生させていた。
【0004】
自由電子レーザーは、原理的に任意の波長のテラヘルツ波を発生可能であるが、1THz付近での発振には光波帯よりもはるかに長い電子バンチが必要となり、10メートル規模の大型装置となり、高価であるばかりか使用に際し不便である問題点があった。
【0005】
後進波管(BWO:Backward Oscillator)は、スペクトル純度に優れ、数百GHz帯では有用であるが、1THzより高周波側で波長可変性が急減する問題点があった。
【0006】
p−Geレーザーは、液体ヘリウムで冷却が必要な極低温を要するため、その設備が大型となり、使用上不便であった。
【0007】
従って、従来のテラヘルツ波発生手段は、いずれも実験室レベルでは一部使用可能であるが、大型かつ高価であり、或いは使用上の不便が多く、多種多様な応用研究のニーズを満たすほど実用的かつ簡便ではなかった。
【0008】
上述した従来のテラヘルツ波発生手段に対して、1〜2THz帯で波長可変であり、かつ小型レーザー装置で作動可能な常温動作のテラヘルツ波発生手段が、本発明の発明者等によって以下の参考資料に報告されている。
(参考資料1)特開平9−146131号公報
(参考資料2)Unidirectional radiation of widely tunable THz wave using a prismcoupler under noncollinear phase matching cindition,1997 American Institute of Physics, 11 August 1997
(参考資料3)「パラメトリック発振による波長可変テラヘルツ電磁波の発生と応用」、レーザー研究、1998年7月
(参考資料4)MgO:LiNbO3を用いたTHz波パラメトリック特性の検討」、電子情報通信学会誌文誌、2000年4月
図10は、このテラヘルツ波の発生原理図である。この図において、1は非線形光学結晶(例えばLiNbO3)、2はポンプ波(例えばYAGレーザー光)、3はアイドラー波、4はテラヘルツ波である。
【0009】
ラマン活性かつ遠赤外活性を有する非線形光学結晶1にポンプ波2を一定方向に入射すると、誘導ラマン効果(又はパラメトリック相互作用)により物質の素励起波(ポラリトン)を介してアイドラー波3とテラヘルツ波4が発生する。この場合、ポンプ波2(ωp)、テラヘルツ波4(ωT)、アイドラー波3(ωi)の間には、式(1)で示すエネルギー保存則と式(2)で示す運動量保存則(位相整合条件)が成り立つ。なお、式(2)はベクトルであり、ノンコリニアな位相整合条件は、図10の右上に示すように表現できる。
ωp=ωT+ωi...(1)
κp=κT+κi...(2)
このとき発生するアイドラー波3とテラヘルツ波4は空間的な広がりを持ち、その出射角度に応じてそれらの波長は連続的に変化する。このシングルパス配置におけるブロードなアイドラー波及びテラヘルツ波の発生をTPG(THz−wave Parametric Generation)と呼ぶ。
【0010】
なお、基本的な光パラメトリック過程は、1個のポンプ光子の消滅と、1個のアイドラ光子および1個のシグナル光子の同時生成によって定義される。アイドラ光あるいはシグナル光が共振する場合、ポンプ光強度が一定のしきい値を超えるとパラメトリック発振が生じる。また、1個のポンプ光子の消滅と、1個のアイドラ光子および1個のポラリトンの同時生成が誘導ラマン散乱であり、広義のパラメトリック相互作用に含まれる。
【0011】
しかし、図10に示したシングルパス配置のテラヘルツ波発生装置で発生したテラヘルツ波は非常に微弱であり、しかもその大部分は、非線形光学結晶中を数百μm進む間に吸収されてしまうという問題があった。
【0012】
図11はこの問題を解決したテラヘルツ波発生装置の構成図である。この図に示すように、上述したブロードなアイドラー波3に対して特定方向(角度θ)に共振器(ファブリー・ペロー型共振器)を構成することで、特定方向のアイドラー波3の強度を高めることができる。この場合、共振器は高反射コーティングを施したミラーM1とM2からなり、回転ステージ5上にセットされ、共振器の角度を微調整することができる。また、2枚のミラーM1、M2はその半分のみに高反射コーティングを施し、残りは素通しでポンプ波2が通過するようになっている。なお、図11で6はテラヘルツ波4を外部に取り出すためのプリズム結合器である。
【0013】
図11に示したテラヘルツ波発生装置において、ポンプ波の結晶への入射角θをある範囲(例えば1〜2°)で変えると、結晶中でのポンプ波とアイドラ波のなす角が変化し、テラヘルツ波とアイドラ波のなす角度も変化する。この位相整合条件の変化により、テラヘルツ波は例えば約140〜310μmの間で連続波長可変性を備える。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のテラヘルツ波発生装置では、非線形光学結晶1と2枚の鏡M1,M2で構成されたアイドラ光共振器を回転ステージ5上に載せて全体を回転させ、これによりポンプ波(励起光ビーム)2とアイドラー波3のなす角を変化させ、テラヘルツ波およびアイドラ波の発振周波数を変えていた。
【0015】
しかしかかる発振周波数の同調手段は、共振器を回転させる回転ステージ5の駆動機構が複雑となり、かつ共振器自体の調整が煩雑である問題点があった。
【0016】
また、平均的な非線形光学結晶(LiNbO3)の長さは例えば約60mmであり、反射鏡や反射鏡ホルダーを回転ステージ5の上に配置すると長さは約20cm以上になる。さらに共振器を安定するには共振器の剛性を高める必要があり重量も増える。その結果、共振器全体の回転体としてのイナーシャが増加し、高速にその回転角を変えることは困難であった。そのため、従来のテラヘルツ波パラメトリック発振器の周波数掃引は低速であり、任意波長への瞬時周波数同調は不可能であった。
【0017】
一方、レーザーの分野においては、上述したファブリー・ペロー型共振器の他に、リング型共振器が広く知られており、リング型共振器も以下の参考資料に報告されている。
(参考資料5)Continuous-wave,singly-resonant,optical parametric oscillator based on periodically poled KTiOPO4, January 2000/Vol.6,No.3/OPTICS EXPRESS 58
(参考資料6)Contunuously tunable,single-longitudinal-mode,pulsed mid-infrared optical parametric oscillator based on periodically poled lithium niobate, Vol.17,No.7/July 2000/J.Opt.Soc.Am.B
図12は、リング型共振器テラヘルツ波発生装置の一例である8の字リング型共振器の構成図である。この図において、1は非線形光学結晶(例えばLiNbO3)、2はポンプ波(例えばYAGレーザー光)、3はアイドラー波、4はテラヘルツ波である。アイドラー波3はこの例では4枚のミラーM1,M2,M3,M4を8の字状に共振して、非線形光学結晶1内でテラヘルツ波4を発生するようになっている。
【0018】
このリング型共振器の同調手段としては、従来のファブリー・ペロー型共振器と同様に回転ステージを回転させており、機構が複雑であり、共振器の調整が煩雑であり、周波数掃引が低速であり、任意波長への瞬時周波数同調が不可能である問題点があった。
【0019】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、周波数掃引及び周波数同調を容易かつ高速に行うことができるリング型共振器とその高速同調方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、3枚のミラーM1,M2,M3で3角形型に光ビームを反射させ、そのうち2枚の平面ミラーM1,M2の間に光学結晶(1)を配置したリング型共振器において、
前記光学結晶は、両端面が平行な結晶であり、結晶内に光ビームが通過する一点Pを設定し、点Pを通り結晶端面に垂直な直線l上における点Pから結晶端面までの入射側距離と出射側距離をそれぞれ結晶の屈折率nで除した位置を見かけ上の入射点P0と見かけ上の出射点とし、
前記光学結晶(1)内の見かけ上の入射点P0の平面ミラーM1による虚像点P’と、見かけ上の出射点の平面ミラーM2による虚像点P”と、ミラーM3上の反射点Oとを通る円を設定し、前記反射点Oは前記円の円弧上の虚像点P’,P”の中点に位置しており、
光学結晶を通過する光ビームを直接反射しないミラーM3をその反射面上の反射点Oで揺動させるビーム偏向素子(10)を備える、ことを特徴とするリング型共振器が提供される。
【0021】
また本発明によれば、3枚のミラーM1,M2,M3で3角形型に光ビームを反射させ、そのうち2枚の平面ミラーM1,M2の間に光学結晶(1)を配置し、
前記光学結晶は、両端面が平行な結晶であり、結晶内に光ビームが通過する一点Pを設定し、点Pを通り結晶端面に垂直な直線l上における点Pから結晶端面までの入射側距離と出射側距離をそれぞれ結晶の屈折率nで除した位置を見かけ上の入射点P0と見かけ上の出射点とし、
前記光学結晶(1)内の見かけ上の入射点P0の平面ミラーM1による虚像点P’と、見かけ上の出射点の平面ミラーM2による虚像点P”と、ミラーM3上の反射点Oとを通る円を設定し、前記反射点Oは前記円の円弧上の虚像点P’,P”の中点に位置しており、
光学結晶を通過する光ビームを直接反射しないミラーM3をその反射面上の反射点Oで揺動させ、光学結晶(1)に入射する光ビームの入射角を偏向させ、これによりその同調周波数を変更する、ことを特徴とするリング型共振器の高速同調方法が提供される。
【0022】
上記本発明の装置及び方法によれば、ビーム偏向素子(10)でミラーM3をその反射面上の1点Oで揺動させることにより、3角形型に反射する光ビームの光軸を偏向して、光学結晶(1)に入射する光ビームの入射角(例えば非線形光学結晶における位相整合角)を偏向させ、その同調周波数を変更することができる。従って、このビーム偏向素子(10)として1kHz以上に応答可能な素子(例えばガルバノ式光学スキャナ)を用いることにより、光ビーム(テラヘルツ波等)の周波数掃引及び周波数同調を容易かつ高速に行うことができる。
【0023】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記光学結晶(1)は、パラメトリック効果によってテラヘルツ波発生が可能な非線形光学結晶であり、前記光ビームは、非線形光学結晶(1)内で発生したアイドラー波(3)であり、前記ミラーM3の揺動により非線形光学結晶における位相整合角を調整する。
【0024】
この構成により、同調の困難なテラヘルツ波の周波数掃引及び周波数同調を容易かつ高速に行うことができる。
【0026】
この構成により、ミラーM3をその反射点Oを中心に揺動させても、光学結晶(1)内の一点Pを光ビームが常に通過し、光学結晶(1)における周波数掃引及び周波数同調を行うことができる。
【0027】
前記ビーム偏向素子(10)は、ガルバノ式光学スキャナである、ことが好ましい。この構成により、かかるビーム偏向素子(10)を用いることにより、1kHz以上の応答速度で、光ビーム(テラヘルツ波等)の周波数掃引及び周波数同調を容易かつ高速に行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0029】
図1は、本発明によるリング型共振器の全体構成図である。この図に示すように、本発明のリング型共振器は、3枚のミラーM1,M2,M3で3角形型に光ビーム3を反射させ、そのうち2枚の平面ミラーM1,M2の間に光学結晶1を配置したリング型共振器である。
【0030】
なお、以下、テラヘルツ波の発生を目的とするリング型共振器について説明するが、本発明はこれに限定されず、その他の周知のリング型共振器に適用することができる。
【0031】
図1において光学結晶1は、パラメトリック効果によってテラヘルツ波発生が可能な非線形光学結晶であり、光ビーム3は、非線形光学結晶1内で発生したアイドラー波3である。
【0032】
非線形光学結晶1は、パラメトリック発振可能な結晶であり、例えば、LiNbO3、MgO:LiNbO3(MgOドープLiNbO3)を用いることができる。その他の非線形光学結晶1としては、LiTaO3、NdドープLiNbO3、NdドープLiTaO3、等を用いてもよい。
【0033】
本発明のリング型共振器は、更に光学結晶1を通過する光ビーム3(アイドラー波3)を直接反射しないミラーM3をその反射面上の1点Oで揺動させるビーム偏向素子10を備える。
【0034】
ビーム偏向素子10は、好ましくはガルバノ式光学スキャナである。ガルバノ式光学スキャナは、ガルバノメータに反射ミラーを設置した光学スキャナであり、反射ミラーの回転角をDC電圧により制御することができる。例えば、ハーモニックドライブシステムズ社製のLSA-20A-30を用いた場合、回転角±3°をDC電圧により制御することができ、その直線性は±0.06%以下、応答速度は約1kHzに達する。従って反射ミラーへのビーム入射角を機械的に変えることによって、ビームの入射角度を変化させることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0036】
図1において、非線形光学結晶1としてMgO:LiNbO3を用い、励起光源(ポンプ波2)にはQスイッチNd:YAGレーザー(1.064μm、50mJ)を使用した。鏡M1,M2,M3はアイドラー光3(約1.07μm)の共振器を構成しており、M1は励起光導入のため半面のみHRコートされている。M4は、励起光(ポンプ波2)を共振器から外部へ導くために用いた。テラヘルツ波の同調操作は精密回転ステージ(ハーモニックドライブシステムズ社製)上の鏡M3をコンピュータ制御して行った。
(周波数同調手段)
本発明のリング型共振器とその高速同調方法では、非線形光学結晶1のポラリトンを介したパラメトリック相互作用による周波数変換を利用しており、非線形媒質中で十分強い励起光2(ωp)を入射させると、テラヘルツ波4(ωT)およびアイドラー光3(ωi)がエネルギー保存則ωp=ωi+ωTのもと、運動量保存則kp=ki+kT(位相整合条件)を満たすようにノンコリニアな状態で発生する。これより励起光2とアイドラー光3のなす角度(位相整合角)を制御することで位相整合条件が変わりテラヘルツ波4の周波数同調が可能となる。
【0037】
本発明では周波数同調手段として、3枚の鏡(M1,M2,M3)で構成されるリング型共振器においてアイドラー光3の光軸を変化させる。この同調手段は、1枚の鏡M3を回転させるだけの簡単な手段で、アイドラー光3の光軸をある1点を中心に鏡の回転角度と同角度に回転できる。
【0038】
図2は、本発明による同調原理図である。この図において、3枚の鏡M1,M2,M3を使った任意のリング型共振器においてM1,M2間の光軸上の点Pを考える。点Pを出発点とすると光は、P→A→O1→B→Pの経路で点Pに戻り、同一経路を周回する。ここで、リング型共振器を理解するため、点PのM1,M2の像をそれぞれ点P′,P″(PA=P′A,PB=P″B)とする。このように展開したリング型共振器の光軸は、直線O1A上の点P′から出た光がM3で反射され、直線O1B上の点P″に到達する経路P′→O1→P″をとる。今、同調を変えても光軸は必ず点Pを通ることとすると、点P′,P″は固定点となる。以降M1およびM2で反射する光軸は考えない。
【0039】
次に点P′から角度θを変化して出発する光を考える。この光は、M3上の点O1と異なる反射点に到達するが、M3を回転し角度を調整することで点P″に導くことが可能である。別な見方をすると、M3を回転した際点P′から点P″へ向かう多くの経路の中から、適切なある1つの経路P′→O2→P″が自動的に選択されることになる。ただし、この新しい経路がリング型共振器の新しい光軸となるには、次の2つの条件を満たす必要がある。
(条件1)角度θで点P′を出発した光は、角度θで点P″に戻って来なければならない。
(条件2)反射点O2で常に入射角と反射角が等しくなる。
【0040】
これら条件は、M3の配置に関する条件であり、次にM3の位置決定に関して述べる。
【0041】
まず、条件1(∠O2P′O1=∠O2P″O1=θ)と円周角の定理より弧O2O1に対する円周角が等しく4点P′,O2,O1,P″は同一円周状に存在する。次に、∠P′O2P″を二等分し点O2を通る直線は、弧P′P″を二等分する点O′を通る。これは、弧P′O′=弧P″O′の時、円周角も等しくなるので∠P′O2O′=∠P″O2O′となることによる。ここで、点P′、点P″は定点のため点O2の位置が変化しても∠P′O2P″の角二等分線は、必ず点O′を通る。したがって、条件2を満たすためには、∠P′O2P″の角二等分線O2O′に直交するようにM3を配置すればよい。ここで、円の中心OCを通る直線OO′(直径)の円周角は直角であるから、この点O2を通り直線O2O′に直交する直線は点Oを通る。角度θが変化して点O2の位置が変わっても点Oを必ず通ることになる。また、M3の回転角、点P′からの出射角、点P″への入射角はすべて等しく、M3の回転による光軸の変化分とも一致する(∠O2P′O1=∠O2P″O1=∠O2OO1=∠APA′=∠BPB′=θ)。
【0042】
つまり、光学結晶1内の一点Pの平面ミラーM1,M2による虚像点P',P"とミラーM3上の反射点Oとを通る円を設定し、反射点Oを円の円弧上の虚像点P',P"の中点に位置決めすれば、M3は点Oを中心に回転するように配置すればよく、M3を角度θ回転させれば点Pを回転中心としてアイドラー光の光軸も角度θ回転する。
【0043】
結晶を配置した場合の動作は、次のように説明することができる。図3に示すように両端面が平行な結晶を考える。光は、結晶に角度θで入射し、結晶端面で屈折した後、結晶内の点Pを通るとする。屈折角をθinとするとスネルの法則により(1)式が成り立つ。またTPOでは前述のように微小角を扱うので(2)式のように近似できる。ここで、nは結晶の屈折率を示す。
【0044】
n・sinθin=sinθ... (1)
nθin≒θ... (2)
次に、結晶端面に垂直で点Pを通る直線lと結晶に入射する光の延長線が結晶内で交わる点をP0とすると、点P,P0の結晶端Dからの距離には、(3)式のような関係がある。ここで、点C,Dは直線l上における結晶端の点である。また、(2)式の関係を考慮しPD=Lとすると、(3)式は(4)式のように表せる。
【0045】
P0D=PD(tanθin/tanθ) ... (3)
≒L/n ... (3)
(4)式より、点P0の位置は光の入射角によらず固定である。つまり、光は見かけ上点P0を目掛けて入射すると考えることができ、実際には結晶の境界で屈折し点Pを通過する。一方、結晶から出射する場合も同様であり、点CからPC/n離れた直線l上の点から出射すると考えることができる。
【0046】
従って結晶を挿入した場合、見かけ上の入射点P0、または見かけ上の出射点(出射端Cから距離PC/nの点)が図2での不動点Pに対応するものであるため、これら2点のM2及びM1で作られる鏡像点を前述同様に考えることによって同調動作を説明することが可能である。
(リング型TPOの構成)
上述した同調原理に基づき、リング型TPOを構成したものが図1に示したリング型共振器である。アイドラー光3の共振器を構成する鏡として3枚の鏡(M1,M2,M3)を使用し、左右対称の配置にした。共振器のサイズは、M1とM2の間隔が150mm、M1とM3、M2とM3が同間隔で106mmであり、直角二等辺三角形になっている。M2には鏡の半面にHRコートを施してあり、HRコートが無い部分から励起光2を導入できる様にした。M1,M3は、全面HRコートを施した。M3は、周波数同調を行うため精密回転ステージ10上に設置した。ここで、位相整合角は角度2゜の範囲を微調整する必要があり、高分解能な精密回転ステージ(ハーモニック・ドライブ・システムズ社製、分解能:0.06秒)を使用した。
【0047】
アイドラー光3の光軸の回転中心は、M3の回転中心Oから左右等距離のM1M2中点にある。M4は、不要な励起光2を共振器から取り除くための鏡である。M4の配置は、励起光2とアイドラー光3を容易に分離し励起光2を取り出せるようM3直前とした。
【0048】
励起光2には、繰り返し50Hz、パルス幅25nsのQスイッチNd:YAGレーザー(LOTIS社製)を使用し、偏波方向は結晶のz軸に沿うようにした。非線形結晶1には、5mol%MgO添加のLiNbO3(MgO:LiNbO3)を用いた。MgO:LiNbO3は、長さ70mm、幅4mm、高さ5mmの大きさで、両端面を光学研摩し無反射コートを施した。
【0049】
テラヘルツ波4の取り出しには、高抵抗シリコンプリズム6(ρ>1kΩ・cm、α=0.6cm-1)を使用した。シリコンプリズム6は、MgO:LiNbO3結晶(屈折率5.2)と外部の境界面で生じるテラヘルツ波の全反射を回避する効果を有する。また周波数同調を行う際、結晶内部で位相整合条件が変化し、テラヘルツ波4の出射方向が変化するが、シリコンが持つテラヘルツ帯における屈折率の低分散性により1〜3THzの同調範囲に対して3゜以内の出射角変化に抑える効果がある。
【0050】
リング型TPOは以下の利点を有する。
a)非線形結晶への励起光入力が一方向である場合、リング型のような進行波レーザーが適切であり、安定した発振が得られる。
b)空間的ホールバーニングを制御し、利得を有効利用できる。
c)光進行方向が一方向であるため、光の引き回しが簡単で光学素子の導入配置が容易である。このため、励起光とアイドラー光の分離などに有利である。
(発振の最適化)
次に、本発明のリング型共振器における結晶の最適な配置に関して述べる。図4は、本発明のリング型共振器の発振最適化のための構成図である。図4においてM3の位置を矢印方向に直線的に変化させると、結晶内部でアイドラー光の光軸がM3を変化させた方向と同一方向に平行移動する。本 方法を用いて最適な相互作用条件を測定した。測定方法を次に述べる。
【0051】
まず、励起光とアイドラー光が結晶内で交差する点を決定する。M1の鏡を透過した励起光とアイドラー光を共振器の外で結晶端から530mm離れた位置で検出し、励起光とアイドラー光が分離した距離(L)及びそれぞれの波長をスペクトラムアナライザで測定する。
【0052】
それぞれの波長を測定することで位相整合角(θ)が算出でき、結晶端からの距離及び両光の分離した距離からtanθ=L/(530+α)の式を用いて、両光が結晶内で交わる点(α)を求めることができる。この方法で励起光とアイドラー光の光軸が交わる位置を求め、M3を移動して順次位置とアイドラー光出力を求める。
【0053】
図5は、本発明の実施例による結晶内のアイドラー光の光軸位置と出力の関係図である。この図の横軸0は光が結晶からでる結晶端面の位置であり、yc=70mmは光が結晶に入る端面の位置である。
【0054】
この図からアイドラー光の強度は、結晶の中心(yc=35mm)から離れるに従って発振強度が減少する結果が得られた。この結果より最適な相互作用条件は、結晶長さ方向の中心部分で励起光とアイドラー光の光軸が交わるよう調整すればよいことがわかった。これは、励起光とアイドラー光のオバーラップが結晶内部で最も大きくなる条件であり、実験的に確認することができた。これより、結晶長さ方向の中心部分がアイドラー光の回転中心と合うように結晶を配置した。
(リング型TPOの動作特性)
以下に、ノンコリニア・リング型共振器TPOの動作特性を示す。図6は、位相整合角とテラヘルツ波の周波数との関係図(同調特性図)である。この図において各点は実測値を表している。測定には平行に配置された2枚の金属メッシュエタロンによるFabry−Perot干渉計を用い、そのエタロン間隔変化させて計測を行った。テラヘルツ波の検出には、4.2K−シリコンボロメータを使用した。実線は位相整合角とテラヘルツ波周波数の関係を計算した結果である。入力した励起光エネルギーは、約30mJ/pulseである。図よりM3を回転し位相整合角を0.92゜から2.7゜まで変化させて、0.93THzから2.7THzの広帯域な周波数同調を得ることができた。M3は、コンピュータにより回転制御されており、実験結果が理論値とよく一致していることから、コンピュータによる周波数制御が可能である。
【0055】
図7は、実験で得られた同調範囲でのテラヘルツ波の波長とその出力との関係図である。励起光入力は、図6での条件と同様で約30mJ/pulseである。この図より1THz付近から2.5THzの約1.5THzの帯域で0.1pJ/pulse以上のテラヘルツ波出力が得られた。この結果からテラヘルツ波検出器として4.2K−シリコンボロメータを使用すれば、その最小感度が約1fJ/pulseであるので、広帯域で十分なシグナル強度が得られていることがわかる。また、1.3THzで最大出力69.6pJ/pulseが得られ、従来のTPOと比較すると1個のシリコンプリズム結合鏡からの出力として最大値が得られた。また結晶側面に沿ってシリコンプリズムを連続的に配置するシリコンプリズムアレイを使用すれば、よりテラヘルツ波出力を増大させることが可能である。
【0056】
図8は、TPOの入出力特性図であり、励起光とアイドラー光の入出力特性を示す。この測定は、アイドラー光の出力が最大であった波長1.072μmで行った。アイドラー光は、励起光エネルギー15mJ/pulse以上で発振が確認できた。発振しきい値は、図において励起光エネルギーを増加させた時のアイドラー光の傾きから約20mJ/pulseと求めることができた。このしきい値は、従来の典型的な共振器長150mmのFabry−Perot型TPOと同程度であった。
(塩化水素(HCl)ガスのテラヘルツ波分光)
次に、本発明の周波数同調方法の性能を評価するため、テラヘルツ波領域で数本の吸収線を持つHClガスの分光を行った。計測に用いたガスは、HClガスを5%含むHeガスとの混合気で、長さ870mmのガスセルに大気圧で入れて使用した。ガスセルは、TPOとシリコンボロメーターとの間に設置し、できるだけ各々の間隔をつめて水蒸気による吸収が小さくなるようにして分光を行った。分光スペクトラムは、ガスセルを真空にした時のスペクトラムと比較(割算)を行い求めた。
【0057】
図9は、実験結果を示すHClガスのテラヘルツ波分光の例である。図上部にはNASAのデータベースで報告されている中心吸収ラインを示した。
【0058】
この図より、42cm-1と63cm-1の吸収ラインがよく一致して計測することができ、本発明の周波数同調方法の動作信頼性を確認した。また、繰り返し計測において再現性あることも確認した。
【0059】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0060】
【発明の効果】
上述したように、3枚の鏡で構成するリング型テラヘルツ波パラメトリック発振器において、1枚の鏡を回転制御することで周波数同調を行う手段を新しく提案し、動作の確認を行った。本発明の周波数同調には次の利点がある。
a)1枚の鏡のみを回転制御する方法で、特に高出力のレーザーおよび非線形結晶の位置関係は不動なことから、安全性、信頼性が高い。
b)アイドラー光の光軸は、結晶内の一点を中心に変化するため、常に、最適な相互作用条件を保持できる。
c)アイドラー光の光軸調整は、発振可能な角度範囲内に粗調されていれば自動的に発振するため、初期アライメントが容易である。
d)励起光の光軸が固定されており、共振器全体を回転させる方法で稀に発生する結晶角の光損傷を抑制できる。
【0061】
本発明のリング型共振器の実施例により、0.93THzから2.7THzまでの広帯域連続周波数同調が得られた。また、結晶の配置を最適化することにより、最大69.6pJ/pulseのテラヘルツ波出力が得られた。さらにHClガス分光を行ない、TPOの性能を確認し良好な結果を得た。本発明のTPOは、テラヘルツ波応用分野において幅広く利用することが可能である。
【0062】
また本発明のリング型共振器では、励起光の光軸を固定しアイドラー光の光軸を変化させるため、広帯域周波数同調の際しばしば生じる励起光の光軸のズレによる結晶角の光損傷を低減できる利点があると共に、光学系の初期配置における鏡角度調整が容易になる。これは発振がノンコリニア位相整合条件を満たす鏡角度でおこり、発振利得をもつ角度範囲内に粗調整されれば、自動的に適切な整合角が選択されるためである。
従って、本発明のリング型共振器とその高速同調方法は、周波数掃引及び周波数同調を容易かつ高速に行うことができる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるリング型共振器の全体構成図である。
【図2】本発明による同調原理図である。
【図3】結晶を配置した場合の説明図である。
【図4】本発明のリング型共振器の発振最適化のための構成図である。
【図5】本発明の実施例による結晶内のアイドラー光の光軸位置と出力の関係図である。
【図6】位相整合角とテラヘルツ波の周波数との関係図(同調特性図)である。
【図7】テラヘルツ波周波数とその出力との関係図である。
【図8】TPOの入出力特性図である。
【図9】HClガスのテラヘルツ波分光の例である。
【図10】テラヘルツ波の発生原理図である。
【図11】共振器を有する従来のテラヘルツ波発生装置の構成図である。
【図12】従来の8の字リング型共振器の構成図である。
【符号の説明】
1 非線形光学結晶、2 ポンプ波(励起光)、3 アイドラー波、
4 テラヘルツ波、5 回転ステージ、
6 プリズム結合器(シリコンプリズム)、
10 ビーム偏向素子(ガルバノ式光学スキャナ)
Claims (4)
- 3枚のミラーM1,M2,M3で3角形型に光ビームを反射させ、そのうち2枚の平面ミラーM1,M2の間に光学結晶(1)を配置したリング型共振器において、
前記光学結晶は、両端面が平行な結晶であり、結晶内に光ビームが通過する一点Pを設定し、点Pを通り結晶端面に垂直な直線l上における点Pから結晶端面までの入射側距離と出射側距離をそれぞれ結晶の屈折率nで除した位置を見かけ上の入射点P0と見かけ上の出射点とし、
前記光学結晶(1)内の見かけ上の入射点P0の平面ミラーM1による虚像点P’と、見かけ上の出射点の平面ミラーM2による虚像点P”と、ミラーM3上の反射点Oとを通る円を設定し、前記反射点Oは前記円の円弧上の虚像点P’,P”の中点に位置しており、
光学結晶を通過する光ビームを直接反射しないミラーM3をその反射面上の反射点Oで揺動させるビーム偏向素子(10)を備える、ことを特徴とするリング型共振器。 - 前記光学結晶(1)は、パラメトリック効果によってテラヘルツ波発生が可能な非線形光学結晶であり、前記光ビームは、非線形光学結晶(1)内で発生したアイドラー波(3)であり、前記ミラーM3の揺動により非線形光学結晶における位相整合角を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載のリング型共振器。
- 前記ビーム偏向素子(10)は、ガルバノ式光学スキャナである、ことを特徴とする請求項1または2に記載のリング型共振器。
- 3枚のミラーM1,M2,M3で3角形型に光ビームを反射させ、そのうち2枚の平面ミラーM1,M2の間に光学結晶(1)を配置し、
前記光学結晶は、両端面が平行な結晶であり、結晶内に光ビームが通過する一点Pを設定し、点Pを通り結晶端面に垂直な直線l上における点Pから結晶端面までの入射側距離と出射側距離をそれぞれ結晶の屈折率nで除した位置を見かけ上の入射点P0と見かけ上の出射点とし、
前記光学結晶(1)内の見かけ上の入射点P0の平面ミラーM1による虚像点P’と、見かけ上の出射点の平面ミラーM2による虚像点P”と、ミラーM3上の反射点Oとを通る円を設定し、前記反射点Oは前記円の円弧上の虚像点P’,P”の中点に位置しており、
光学結晶を通過する光ビームを直接反射しないミラーM3をその反射面上の反射点Oで揺動させ、光学結晶(1)に入射する光ビームの入射角を偏向させ、これによりその同調周波数を変更する、ことを特徴とするリング型共振器の高速同調方法。
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